JPH07103124A - ガソリン機関の失火検出装置 - Google Patents

ガソリン機関の失火検出装置

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JPH07103124A
JPH07103124A JP24777193A JP24777193A JPH07103124A JP H07103124 A JPH07103124 A JP H07103124A JP 24777193 A JP24777193 A JP 24777193A JP 24777193 A JP24777193 A JP 24777193A JP H07103124 A JPH07103124 A JP H07103124A
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JP
Japan
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voltage
peak
circuit
misfire
spark discharge
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Application number
JP24777193A
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English (en)
Inventor
Shigeru Miyata
繁 宮田
Teruyuki Hibino
晃之 日比野
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 点火プラグの電極間電圧のピーク電圧に基づ
いて失火を検出するものでは、多重放電の影響を受け
ず、電極間電圧の減衰特性に基づいて失火を検出するも
のでは、瞬時ブレークダウンの際にも失火を正確に検出
する。 【構成】 ピークホールド回路61のピーク電圧の分圧
値と検出電圧とを比較回路63で比較して、検出電圧が
低いときゲート回路66が開く。比較回路65では分圧
値に一定値を加算した加算値と検出電圧とを比較して、
検出電圧が加算値より下がった後に単安定回路67から
一定パルスを出す。検出電圧の立ち下がりが所定速度よ
り速いと、ゲート回路66が開いている間に単安定回路
67のパルスが通過でき、その信号によってリセット回
路69でピークホールド回路61のリセットを行う。多
重放電、瞬時ブレークダウンのときリセットされるた
め、火花放電が完全に終わった後のピーク電圧をホール
ドできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガソリン機関の失火の
有無を、火花放電終了後に点火プラグの電極間に現れる
電圧に基づいて検出するガソリン機関の失火検出装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリン機関の失火検出装置としては、
火花放電終了後に点火コイルの二次回路の残存エネルギ
ーによる電圧が点火プラグの電極間に現れ、このときの
電圧が、点火プラグの電極間のイオン密度により、着火
あるいは失火に応じて異なることを利用して、火花放電
終了後のピーク電圧を基準の電圧と比較して、その電圧
が基準の電圧より高いとき失火を検出するものがある。
【0003】また、点火コイルの二次電圧が逆流防止用
ダイオードを介して点火プラグに対して与えられる点火
装置において、その火花放電終了後の電極間電圧の減衰
特性が、上記と同じく点火プラグの電極間のイオン密度
により、気筒における着火あるいは失火に応じて異なる
ことを利用して、電極間電圧の減衰特性を検出するため
に、火花放電終了後の電極間電圧のピーク電圧を検出
し、電極間電圧がそのピーク電圧に対する所定の割合ま
で低下するまでの時間から減衰特性を検出して失火を検
出するものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ガソリン機関の気筒内
における点火時の火花放電は、開始から終了まで必ずし
も一連の連続した火花放電になるとは限らず、例えば、
火花放電の経路が気筒内での気流によって流されて、火
花放電の持続電圧が高くなるために、火花放電が別途経
路により発生する多重放電が生じる場合がある。このよ
うな場合、火花放電が一旦開始した後に、火花放電が再
度開始される前に上昇する火花放電の持続電圧の高電圧
のピーク電圧がピークホールドされてしまい、火花放電
が完全に終了した後の電極間電圧のピーク電圧が正しく
ピークホールドされず、誤ったピーク電圧に基づいて失
火の判定が行われるため、失火を正しく検出できないこ
とがある。
【0005】また、火花放電終了後の電極間電圧の減衰
特性に基づいて失火を検出する装置において、失火時の
火花放電終了後の電極間電圧に瞬時ブレークダウンが生
じるような場合には、瞬時ブレークダウンによって一旦
電圧が低下した後に残っている電極間電圧について、そ
の減衰特性を検出する必要があり、そのためには、火花
放電終了後のピーク電圧ではなく、その後に生じる瞬時
ブレークダウンの後に残っている電極間電圧についての
ピーク電圧を検出する必要がある。しかし、従来では、
瞬時ブレークダウンの後のピーク電圧のみを正確に検出
することができないため、瞬時ブレークダウンが生じた
後の電圧に比べて高く現れる瞬時ブレークダウンが生じ
る前のピーク電圧に基づいて減衰特性が検出されるた
め、失火を正しく検出することができないという問題が
ある。
【0006】本発明は、火花放電終了後の放電電極間の
ピーク電圧に基づいて失火を検出する失火検出装置にお
いては、多重放電が生じた場合においても、確実に失火
を検出することができ、一方、火花放電終了後の放電電
極間の電圧の減衰特性に基づいて失火を検出する失火検
出装置においては、失火時に瞬時ブレークダウンが生じ
た場合においても、失火を確実に検出することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、一
次電流の断続によって火花放電用の高電圧を生じる点火
コイルの二次回路に点火プラグを接続した点火装置に、
火花放電終了後の前記点火プラグの放電電極間の電圧を
検出する電圧検出手段と、この電圧検出手段に検出され
る電圧のピーク値を検出するピーク電圧検出手段と、こ
の検出されたピーク値が所定値以上のときガソリン機関
の失火を検出する失火検出手段とを備えてなるガソリン
機関の失火検出装置において、前記ピーク電圧検出手段
は、前記電圧検出手段の検出電圧をピークホールドする
ためのピークホールド回路と、前記電圧検出手段の検出
電圧の低下速度が所定速度以上か否かを判別する低下速
度判別手段と、この低下速度判別手段により前記電圧検
出手段の検出電圧の低下速度が所定速度以上と判別され
たとき前記ピークホールド回路をリセットするリセット
手段とからなることを技術的手段とする。
【0008】請求項2では、一次電流の断続によって火
花放電用の高電圧を生じる点火コイルの二次回路に逆流
防止手段を介して点火プラグを接続した点火装置に、前
記点火プラグの放電電極間に発生した電圧を検出するた
めの静電容量分圧器と、分圧された電極間電圧を検出す
る電極間電圧検出回路と、前記電極間電圧のピーク値を
検出するピーク電圧検出手段と、このピーク電圧検出手
段のピークホールド値を分圧する分圧回路と、前記電極
間電圧がこの分圧回路の分圧値より高いか否かを比較す
る比較手段と、この比較手段の比較結果に基づいた前記
電極間電圧の減衰特性により失火の有無を判別する判別
回路とからなり、火花放電後に前記点火プラグの静電浮
遊容量に充電される電極間電圧の減衰特性を検出し、該
減衰特性から気筒内の失火を検出するガソリン機関の失
火検出装置において、前記ピーク電圧検出手段は、前記
電圧検出手段の検出電圧をピークホールドするためのピ
ークホールド回路と、前記電圧検出手段の検出電圧の低
下速度が所定速度以上のとき前記ピークホールド回路を
リセットするリセット手段とからなることを技術的手段
とする。
【0009】
【作用】請求項1では、火花放電終了後の点火プラグの
放電電極間の電圧が電圧検出手段により検出され、その
検出電圧のピーク電圧がピーク電圧検出手段により検出
される。ピーク電圧検出手段には、電圧検出手段に検出
される電圧の低下速度が所定速度以上か否かを判別する
低下速度判別手段があり、電圧検出手段の検出電圧の低
下速度が所定速度以上と判別されたときには、電圧検出
手段のピーク電圧をピークホールドしたピークホールド
回路は、リセット手段によりリセットされる。
【0010】この結果、ピークホールド回路では、電極
間電圧について、火花放電が開始される前に現れる高い
ピーク電圧が一旦ホールドされるが、火花放電が開始す
る場合には、火花放電の開始時に高電圧が急激に低下す
る。このため、電圧の低下速度が速く、電圧の低下速度
が必ず所定速度以上となるため、ピークホールド回路が
必ずリセットされる。従って、火花放電が開始した直後
にピークホールド回路をリセットすることができる。
【0011】また、火花放電が途中で別途開始される多
重放電が生じた場合にも、火花放電が開始する場合に
は、電圧の低下速度が必ず所定速度以上となるため、多
重放電の開始の際にピークホールド回路が再びリセット
される。従って、火花放電が繰り返し開始されるような
場合には、その火花放電が開始される都度、必ずピーク
ホールド回路がリセットされる。従って、火花放電が終
了し、その後、電極間電圧が上昇しても火花放電が再開
されないような場合、すなわち、火花放電が確実に終了
した後に上昇する電極間電圧のピーク電圧をホールドす
ることができる。このように、火花放電が何度も開始さ
れる場合には、その都度リセットされ、最終的に火花放
電が終わった後に上昇する電圧のピーク電圧が正しくホ
ールドされ、そのピーク電圧に基づいて失火を正確に検
出することができる。
【0012】請求項2では、火花放電終了後の点火プラ
グの放電電極間の電圧が電圧検出手段により検出され、
その検出電圧のピーク電圧がピーク電圧検出手段により
検出される。ピーク電圧検出手段には、電圧検出手段に
検出される電圧の低下速度が所定速度以上か否かを判別
する低下速度判別手段があり、電圧検出手段の検出電圧
の低下速度が所定速度以上と判別されたときには、電圧
検出手段のピーク電圧をピークホールドしたピークホー
ルド回路は、リセット手段によりリセットされる。
【0013】この結果、ピークホールド回路では、電極
間電圧について、火花放電が開始される前に現れる高い
ピーク電圧が一旦ホールドされるが、火花放電が開始す
る場合には、火花放電の開始時に高電圧が急激に低下す
る。このため、電圧の低下速度が速く、電圧の低下速度
が必ず所定速度以上となるため、ピークホールド回路が
必ずリセットされる。従って、火花放電が開始した直後
にピークホールド回路をリセットすることができる。
【0014】また、火花放電が終了した後に、電極間電
圧が上昇したとき、瞬時ブレークダウンが生じた場合に
は、瞬時ブレークダウンが瞬間的に生じ、その際に電圧
の低下速度が必ず所定速度以上となるため、ピークホー
ルド回路が再びリセットされる。従って、火花放電が終
了した後であっても瞬時ブレークダウンが生じる前にピ
ークホールドされたピーク電圧は、瞬時ブレークダウン
の際のリセットにより解除され、瞬時ブレークダウンの
後に残った電圧のピーク電圧がピークホールドされる。
【0015】このように、ピークホールド回路は、火花
放電が開始するときに一旦リセットされ、その後、瞬時
ブレークダウンが生じたときにもリセットされるため、
瞬時ブレークダウンが生じない場合には、火花放電が終
了した後のピーク電圧を、瞬時ブレークダウンが生じた
場合には、火花放電が終了した後で、且つ、瞬時ブレー
クダウンの後のピーク電圧が、それぞれピークホールド
される。従って、瞬時ブレークダウンが生じた場合に
は、電極間電圧の減衰を判別するためのピーク電圧は、
瞬時ブレークダウンが生じた後にピークホールドされ、
瞬時ブレークダウンの前のピーク電圧に基づいた誤った
判定が行われることがないため、失火を正確に検出する
ことができる。
【0016】
【発明の効果】本発明では、請求項1では、火花放電終
了後の電極間電圧のピーク電圧を検出するにあたって、
火花放電が繰り返し開始する多重放電が生じた場合に
は、最後に火花放電が開始されるときに必ずピークホー
ルド回路がリセットされるため、火花放電が完全に終わ
った後の電極間電圧のピーク電圧を確実にピークホール
ドでき、このときのピーク電圧に基づいて失火が判別さ
れるため、失火を正確に検出することができる。
【0017】請求項2の発明では、火花放電終了後の電
極間電圧の減衰を判別するためのピーク電圧は、失火時
に瞬時ブレークダウンが生じた場合には、瞬時ブレーク
ダウンの前の高い電圧がピークホールドされても、リセ
ットされてしまい、瞬時ブレークダウンの後の電圧のピ
ーク電圧がピークホールドされるため、電圧の減衰特性
を正確に検出できる。従って、瞬時ブレークダウンが生
じた場合でも、失火を正確に検出できる。
【0018】
【実施例】次に本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図1は、本発明の第1実施例に係る点火コイル1、
配電器2、点火プラグ3を備えた内燃機関の点火装置を
示す。点火コイル1の一次回路11は、車載電源Vと、
一次電流断続手段4に接続され、二次回路12は、前記
配電器2を介して点火プラグ3に接続されている。一次
電流断続手段4は、スイッチング素子41およびシグナ
ルジェネレータ42からなり、エンジンのクランク角お
よびスロットル開度を検出し、火花放電時期がエンジン
の負荷および回転速度に適応した点火進角となるよう点
火コイル1の一次電流を断続する。
【0019】点火プラグ3の電極間電圧を検出して失火
を検出する失火判別装置100は、点火コイル1の一次
回路11の電圧を分圧する分圧器5と、その信号に基づ
いて失火を検出する電極間電圧検出回路6とおよび失火
判定回路7とからなる。分圧器5は、抵抗器R1、R2
を直列接続してなる分圧回路からなり、点火コイル1の
一次回路11の電圧を分圧することによって、点火プラ
グ3の電極間電圧を点火コイル1を介して検出する。
【0020】次に、図2に基づいて、電極間電圧検出回
路6および失火判定回路7を説明する。電極間電圧検出
回路6は、失火判定回路7において失火の判定を行うた
めに、火花放電終了後に与えられる分圧器5の電圧波形
のピーク電圧をピークホールド回路61においてピーク
ホールドする。特に、この実施例では、火花放電に多重
放電が生じた場合においても、火花放電が完全に終了し
た後の電圧のピーク電圧を確実にピークホールドするた
めに、検出される電圧の低下速度が所定速度より速いか
否かを判別して、電圧の低下速度が所定速度より速い場
合にピークホールド回路61をリセットすることによっ
て、必ず火花放電が完全に終了した後のピーク電圧をピ
ークホールドする。
【0021】具体的には、図2に示すとおり、電極間電
圧検出回路6は、ピークホールド回路61、ピークホー
ルド回路61のピーク電圧を所定の割合に分圧する分圧
回路62、分圧器5より伝送される電圧波形を分圧回路
62の分圧値と比較し電圧波形が分圧値より高いときハ
イレベル信号を発する比較回路63、分圧回路62の分
圧値に一定値を加算する一定値加算回路64、分圧器5
より伝送される電圧波形を一定値加算回路64の加算値
と比較する比較回路65、比較回路63の比較結果によ
り電圧波形の電圧値が分圧値より低い間だけゲートを開
くゲート回路66、比較回路65の比較結果により電圧
波形の電圧値が加算値より低くなったときから一定時間
だけのパルス信号を発する単安定回路67、ゲート回路
66がゲートを開いている間に単安定回路67のパルス
信号が発せられた場合にゲート回路66を通過したパル
ス信号に応じてその後の一定時間だけパルス信号を発生
する単安定回路68、単安定回路68の出力パルスに応
じてピークホールド回路61をリセットするリセット回
路69からなる。
【0022】以上の構成により、例えば、図3に示すと
おり、火花放電が中途で繰り返し開始される多重放電を
し、電極間電圧の電圧波形が低下を繰り返した場合に、
多重放電による電圧波形a、bにおける電圧の低下速度
は急激であるため、比較回路63の比較結果は、図3の
とおり、すでにピークホールド回路61においてピーク
ホールドされているピーク電圧に基づいて決まる分圧値
より高い時間だけハイレベルの信号が現れる。
【0023】このとき、分圧値より一定値だけ加算され
た加算値と電圧波形とを比較する比較回路65では、比
較回路63の比較結果より僅かに遅れて立ち上がるハイ
レベル信号となるが、多重放電により放電が再度開始さ
れる電圧波形a、bでは、放電開始の際の電圧波形の立
ち下がりが急激となるため、電圧波形が加算値より低く
なるのは、比較回路63において電圧波形が分圧値より
低くなるのとほぼ同時になる。従って、比較回路65の
ハイレベル信号の立ち下がりのタイミングは、比較回路
63のハイレベル信号の立ち下がりのタイミングとほぼ
同じなる。この結果、比較回路63の比較結果によりハ
イレベル信号が立ち下がったときに開かれたゲート回路
66を比較回路65の比較結果に応じて発せられる単安
定回路67のパルス信号が通過する。このため、単安定
回路68によりリセット回路69が作動して、ピークホ
ールド回路61がリセットされる。この結果、ピークホ
ールド回路61では、リセットされる度に、電圧波形に
応じた新たなピーク電圧がピークホールドされる。
【0024】これに対し、電圧波形cに示すように、火
花放電が完全に終了してしまった後に上昇する電圧波形
の場合には、比較回路63および比較回路65における
立ち上がりについては、上記の電圧波形a、bの場合と
ほぼ同様に、比較回路63のパルスの立ち上がりに対し
て、比較回路65のパルスの立ち上がりは僅かに遅れ
る。
【0025】しかし、電圧波形cの立ち下がりは、上記
の電圧波形a、bの場合と比べて緩やかであるため、比
較回路63のパルスの立ち下がりは、比較回路65のパ
ルスの立ち下がりに対して遅れる。このため、比較回路
65の出力パルスに応じて単安定回路67のパルスが発
生するときには、比較回路63のローレベル出力に応じ
て開かれるゲート回路66は閉じられているため、単安
定回路68のパルス信号を発生させることができない。
従って、リセット回路69は、ピークホールド回路61
をリセットできない。このため、電圧波形cにおけるピ
ーク電圧がピークホールド回路61においてピークホー
ルドされ、このときのピーク電圧に基づいて失火判別回
路7において失火の判別が行われる。
【0026】失火判定回路7は、上記のとおりピークホ
ールドされたピーク電圧を、シグナルジェネレータ42
の点火タイミング信号に応じて、予め実験または計算に
より求めた基準電圧と火花放電終了後に比較し、ピーク
電圧が基準電圧より高い場合を失火と判別し、低い場合
を着火と判別する。
【0027】次に、以上の構成からなる本実施例の失火
検出装置の作用を、ガソリン機関の作動と合わせて説明
する。シグナルジェネレータ42の点火タイミング信号
によりスイッチング素子41がオン、オフすると、点火
コイル1の一次回路11には、パルス電流が流れる。こ
のパルス電流の断続により、点火コイル1の二次回路1
2には、二次電圧が生じ、点火プラグ3では、パルス電
流の終了時点で発生した高電圧により火花放電が開始
し、続いて誘導放電が起こり、この火花放電は、ガソリ
ン機関の回転速度に応じた時間だけ持続し、点火コイル
1の電気エネルギーの低減とともに終了する。一方、電
極間電圧検出回路6では、火花放電が開始するときの急
速な電圧低下に応じて、ピークホールド回路61がリセ
ットされる。また、火花放電が繰り返した場合には、火
花放電が再開される際の急速な電圧低下に応じて、ピー
クホールド回路61がリセットされる。
【0028】火花放電終了後、点火コイル1に残存する
電気エネルギーにより、二次電圧は昇圧し始め、ガソリ
ン機関の回転速度に応じた高電圧(低速運転では2〜3
キロボルト、高速運転では5〜8キロボルト)の極大値
まで昇圧したのちに降圧し、このときの二次電圧のピー
ク電圧は、着火時には低く、失火時には高くそれぞれ現
れ、電極間電圧検出回路6のピークホールド61にピー
クホールドされる。失火判定回路7では、シグナルジェ
ネレータ42の点火タイミング信号に応じて、火花放電
終了後にピークホールド回路61にピークホールドされ
ているピーク電圧に基づいて、失火が判定され、例え
ば、エンジンコンピュータにメモリしたり、ランプ等の
点灯によって運転者にその旨を知らせる。
【0029】以上のとおり、本実施例では、火花放電終
了後の電極間電圧のピーク電圧を検出する際に、火花放
電が繰り返す多重放電をした場合には、各火花放電の開
始の際にピークホールド回路61が必ずリセットされる
ため、火花放電が完全に終了した後のピーク電圧をピー
クホールドすることができる。従って、誤った電圧がピ
ークホールドされることがなく、失火を正確に検出する
ことができる。
【0030】次に、本発明の第2実施例を説明する。図
4は、第2実施例に係る点火装置および失火判別装置1
00を示す。第2実施例では、第1実施例と同様に、点
火コイル1の一次回路11は、車載電源Vと、一次電流
断続手段4に接続され、二次回路12は、前記配電器2
を介して点火プラグ3に接続されているが、点火コイル
1の一次回路11には、抵抗器R1、R2による分圧器
5は接続されておらず、代わりに、配電器2のローター
ギャップ21と点火プラグ3の火花放電間隙31との間
の二次回路12に分圧器5が設けられている。なお、1
3は逆流防止用のダイオードである。一方、失火判別装
置100には、インターフェース50と、電極間電圧検
出回路6と、失火判定回路7Aとが設けられている。
【0031】この第2実施例における分圧器5は、上記
の抵抗器R1、R2によるものではなく、点火コイル1
の二次回路12に近接して配された二次電圧センサ51
と、二次電圧センサ51とアースとの間に接続したコン
デンサ52とを有する。
【0032】この実施例では、二次電圧センサ51は二
次回路12の高電圧リードの絶縁被覆を誘電体として5
pF(ピコファラッド)静電容量を生じるよう配設され
た導電体からなり、コンデンサ52は2500〜500
0pFの静電容量のものである。このため、分圧器5
は、二次回路12に生じた二次電圧を1/500〜1/
1000に分圧する。上記分圧比は、失火検出精度の向
上の観点から小さいことが望ましいが1/500より小
さくする必要はない。また1/3000であると失火検
出精度が低下しはじめる。よって1/500〜1/10
00の範囲に設定する。分圧比が1/1000の場合、
最高35キロボルトの容量放電による二次電圧は35ボ
ルトとなり、数キロボルトの失火検出用二次電圧は数ボ
ルトとなってインターフェース50を介して電極間電圧
検出回路6に入力する。
【0033】インターフェース50は、分圧器5の出力
を増幅する演算増幅器53と、分圧器5の出力端子と演
算増幅器53の入力端子との間に設けられた放電回路5
4と、分圧器5と演算増幅器53の入力端子との間に設
けた零点調整回路56とからなる。
【0034】放電回路54は、コンデンサ52に充電さ
れた電荷を、抵抗器R3によって、つぎの点火タイミン
グまでに所定の時定数で放電させるために設けられてい
るが、失火検出用二次電圧の減衰時間は、正常燃焼時に
おいて最大2msとなり、失火時はそれに比較して十分
長い。よって、失火の判別を確実に行うためには放電時
定数は、減衰時間2msを余裕をもって含むように、例
えば、抵抗器R3の抵抗値は、コンデンサ52が500
0pFに対して1.2Mオームが設定され、分圧器5の
放電時定数を6ms(ミリ秒)に設定している。
【0035】零点調整回路56は、分圧器5の電圧が、
逆極性へ振れた場合に、零点に戻すための回路である。
すなわち、失火時に点火プラグ3の浮遊静電容量に蓄積
された電荷が減衰せず、排気工程の後半で放電したよう
な場合、二次電圧波形は、たとえば失火検出用二次電圧
が5msと長く持続する。この場合、分圧器5の出力電
圧は、放電回路54による放電で電圧が降下する。この
状態で二次回路の失火検出用二次電圧が0ボルトに降圧
すると、分圧電圧に二次電圧波形は、基準値が零点より
逆極性(マイナス側)に大きく沈む。このため、つぎの
点火タイミングにおける二次電圧波形は、零点から大き
く逆極性に沈んだ位置からもどすため、零点を基準とす
る演算増幅器53では二次電圧波形の検出が困難とな
る。
【0036】このため、零点調整回路56では、例え
ば、分圧器5の出力端子に反転入力端子が接続されたオ
ペアンプあるいはコンパレータにより、分圧器5の出力
極性が、負となったことを検知したとき、オペアンプあ
るいはコンパレータの出力により速やかにコンデンサ5
2を充電するようにしている。
【0037】この構成により、分圧器5の出力電圧が、
零点より逆極性へ振れて沈み込んだ場合には、その逆極
性の電圧がオペアンプあるいはコンパレータの反転入力
端子に入力されて、オペアンプあるいはコンパレータの
出力が正電位になるため、逆流防止用ダイオードを介し
て分圧器5のコンデンサ52を所定の時定数(例えば、
0.01ms)で充電することができる。
【0038】この零点調整回路56の作用により、マイ
ナス側に沈んだ二次電圧の基準レベルは、つぎの点火タ
イミングまでに、0ボルトに回復する。よって、二次電
圧波形の始点が零点から逆極性に大きく沈んだ位置から
開始する状態が防止でき、上記レベルの低い二次電圧波
形も正確に検出できる。
【0039】図5に、本発明の第2実施例に係る電極間
電圧検出回路6および失火判定回路7Aを示す。電極間
電圧検出回路6は、インターフェース50を介して伝送
される分圧器5の電圧波形をピークホールドするピーク
ホールド回路61、ピークホールド回路61のピーク電
圧を所定の割合に分圧する分圧回路62、インターフェ
ース50を介して伝送される分圧器5の電圧波形を分圧
回路62の分圧値と比較し電圧波形が分圧値より高いと
きハイレベル信号を発する比較回路63、分圧回路62
の分圧値に一定値を加算する一定値加算回路64、イン
ターフェース50を介して伝送される分圧器5の電圧波
形を一定値加算回路64の加算値と比較する比較回路6
5、インターフェース50を介して伝送される分圧器の
電圧波形の電圧値が分圧値より低い間だけ比較回路63
の比較結果によりゲートを開くゲート回路66、電圧波
形の電圧値が加算値より低くなったときから一定時間だ
け比較回路65の比較結果によりパルス信号を発する単
安定回路67、ゲート回路66がゲートを開いている間
に単安定回路67のパルス信号が発せられた場合にその
後の一定時間だけパルス信号を発生する単安定回路6
8、単安定回路68の出力パルスに応じてピークホール
ド回路61をリセットするリセット回路69からなり、
上述の第1実施例と同じ構成を有しているが、失火判定
回路7Aに対する失火判定のための信号は、比較回路6
3の比較結果の信号が用いられている。
【0040】また、失火判定回路7Aにおいては、失火
の判定を、比較回路63の比較結果を示すハイレベルの
信号の継続時間に基づいて行い、ハイレベル信号の継続
時間が所定時間より長い場合を失火と判定し、短い場合
を着火と判定する。
【0041】次に、以上の構成からなる本発明の第2実
施例の失火検出装置の作用を、ガソリン機関の作動と合
わせて図6を参考にして説明する。シグナルジェネレー
タ42の点火タイミング信号によりスイッチング素子4
1がオン、オフすると、点火コイル1の一次回路11に
は、パルス電流が流れる。このパルス電流の断続によ
り、点火コイル1の二次回路12には、二次電圧が生
じ、点火プラグ3では、パルス電流の終了時点で発生し
た高電圧により火花放電が開始し、続いて誘導放電が起
こり、この火花放電は、ガソリン機関の回転速度に応じ
た時間だけ持続し、点火コイル1の電気エネルギーの低
減とともに終了する。一方、電極間電圧検出回路6で
は、火花放電が開始するときの急速な電圧低下に応じ
て、ピークホールド回路61がリセットされる。
【0042】火花放電終了後、点火コイル1に残存する
電気エネルギーにより、二次電圧は昇圧し始め、ガソリ
ン機関の回転速度に応じた高電圧(低速運転では2〜3
キロボルト、高速運転では5〜8キロボルト)の極大値
まで昇圧したのちに降圧し、その後のピーク電圧がピー
クホールドされる。また、失火状態において、火花放電
終了後の二次電圧が瞬時ブレークダウンした場合には、
瞬時ブレークダウンの際の際の急速な電圧低下に応じ
て、ピークホールド回路61がリセットされ、その後の
二次電圧のピーク電圧がピークホールドされる。
【0043】この火花放電終了後の二次電圧は、気筒に
おいて正常着火した場合には、図6の点oに示すように
電極間電圧が速やかに低くなるのに対して、失火の場合
には、図6の点pに示すように電極間電圧は減衰が緩や
かになり、各点o、pのピーク電圧がそれぞれピークホ
ールドされる。
【0044】従って、電圧波形を分圧値と比較した場
合、比較回路63の出力信号は、図6のx、yに示すよ
うに、ハイレベルの継続時間が、着火時には火花放電の
開始時から二次電圧が急速に減衰するまでの短い時間に
なり、失火時には火花放電の開始時から二次電圧の緩や
かな減衰が終了してしまうまでの長い時間になる。
【0045】一方、失火時であっても、火花放電終了後
の二次電圧が波形qのように瞬時ブレークダウンした場
合には、瞬時ブレークダウンした時にピークホールド回
路61がリセットされて、瞬時ブレークダウンした後の
低いピーク電圧が再度ピークホールドされるため、比較
回路63のハイレベル信号の継続時間は、火花放電開始
から瞬時ブレークダウンの後の新たなピーク電圧により
決まる分圧値より下がるまでの長い時間になる。この結
果、失火判定回路7Aでは、比較回路63のハイレベル
信号の継続時間が長い場合を、瞬時ブレークダウンの場
合も含めた失火時として判定することができ、ハイレベ
ル信号の継続時間が短い場合を着火と判定することがで
きる。
【0046】以上のとおり、第2実施例においては、火
花放電終了後の二次電圧の減衰を、火花放電終了後のピ
ーク電圧を分圧した分圧値と比較して、分圧値以下にな
るまでの継続時間に基づいて失火を判定するものにおい
て、瞬時ブレークダウンの後に、瞬時ブレークダウンに
よって低下した電圧のピーク電圧を再度ピークホールド
して分圧値の基礎としているため、瞬時ブレークダウン
の前の高いピーク電圧に基づいた失火判定が行われるこ
とがない。従って、瞬時ブレークダウンを含めて正確に
失火を検出することができる。
【0047】上記第1実施例においては、点火プラグの
放電電極間の電圧を検出するために、点火コイルの一次
回路の電圧を抵抗器を用いて分圧する分圧器を用いた
が、第2実施例と同様に、点火コイルの二次回路の電圧
を検出する分圧器を用いてもよい。上記各実施例におい
ては、配電器2を用いた点火装置を示したが、配電器2
を備えない、ディストリビュータ・レス・イグナイタで
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す失火検出装置を装着
したガソリン機関の点火回路図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す電極間電圧検出回路
および失火判定回路のブロック図である。
【図3】第1実施例の作動説明のための波形図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す失火検出装置を装着
したガソリン機関の点火回路図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す電極間電圧検出回路
および失火判定回路のブロック図である。
【図6】第2実施例の作動説明のための波形図である。
【符号の説明】
1 点火コイル 12 二次回路 13 ダイオード(逆流防止手段) 5 分圧器(電圧検出手段) 6 電極間電圧検出回路(ピーク電圧検出手段) 61 ピークホールド回路 62 分圧回路 63 比較回路(比較手段) 66 ゲート回路(低下速度判別手段) 69 リセット回路(リセット手段) 7 失火判定回路(判別回路)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次電流の断続によって火花放電用の高
    電圧を生じる点火コイルの二次回路に点火プラグを接続
    した点火装置に、火花放電終了後の前記点火プラグの放
    電電極間の電圧を検出する電圧検出手段と、この電圧検
    出手段に検出される電圧のピーク値を検出するピーク電
    圧検出手段と、この検出されたピーク値が所定値以上の
    ときガソリン機関の失火を検出する失火検出手段とを備
    えてなるガソリン機関の失火検出装置において、 前記ピーク電圧検出手段は、前記電圧検出手段の検出電
    圧をピークホールドするためのピークホールド回路と、
    前記電圧検出手段の検出電圧の低下速度が所定速度以上
    か否かを判別する低下速度判別手段と、この低下速度判
    別手段により前記電圧検出手段の検出電圧の低下速度が
    所定速度以上と判別されたとき前記ピークホールド回路
    をリセットするリセット手段とからなることを特徴とす
    るガソリン機関の失火検出装置。
  2. 【請求項2】 一次電流の断続によって火花放電用の高
    電圧を生じる点火コイルの二次回路に逆流防止手段を介
    して点火プラグを接続した点火装置に、前記点火プラグ
    の放電電極間に発生した電圧を検出するための静電容量
    分圧器と、分圧された電極間電圧を検出する電極間電圧
    検出回路と、前記電極間電圧のピーク値を検出するピー
    ク電圧検出手段と、このピーク電圧検出手段のピークホ
    ールド値を分圧する分圧回路と、前記電極間電圧がこの
    分圧回路の分圧値より高いか否かを比較する比較手段
    と、この比較手段の比較結果に基づいた前記電極間電圧
    の減衰特性により失火の有無を判別する判別回路とから
    なり、火花放電後に前記点火プラグの静電浮遊容量に充
    電される電極間電圧の減衰特性を検出し、該減衰特性か
    ら気筒内の失火を検出するガソリン機関の失火検出装置
    において、 前記ピーク電圧検出手段は、前記電圧検出手段の検出電
    圧をピークホールドするためのピークホールド回路と、
    前記電圧検出手段の検出電圧の低下速度が所定速度以上
    のとき前記ピークホールド回路をリセットするリセット
    手段とからなることを特徴とするガソリン機関の失火検
    出装置。
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