JPH07102965B2 - 窒化ホウ素の製造方法 - Google Patents

窒化ホウ素の製造方法

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JPH07102965B2
JPH07102965B2 JP61151744A JP15174486A JPH07102965B2 JP H07102965 B2 JPH07102965 B2 JP H07102965B2 JP 61151744 A JP61151744 A JP 61151744A JP 15174486 A JP15174486 A JP 15174486A JP H07102965 B2 JPH07102965 B2 JP H07102965B2
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boron
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博司 小野
睦男 中島
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三井東圧化学株式会社
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は窒化ホウ素の製造方法に関する。窒化ホウ素
は、熱的および化学的安定性と優れた電気絶縁性を有
し、現在においてもこの特性を利用した各種の用途を有
するセラミックスであるが、将来その特性を生かして更
に多方面にわたる用途の見込まれている新材料である。
(従来の技術およびその問題点) 窒化ホウ素は工業的にはホウ素化合物のアンモニアによ
る窒化により製造される。原料のホウ素化合物としては
ホウ酸、酸化ホウ素もしくはホウ酸ナトリウム等のホウ
酸塩が用いられ、これをアンモニア気流中で900℃以上
に加熱することにより窒化ホウ素が生成する。しかし、
前記のホウ素化合物はいずれも反応温度においては溶融
状態となるために気相との接触効率が悪く、このためこ
の方法ではホウ素あたりの窒化ホウ素収率はかなり低い
ものとなっている。
この方法の改良法として、例えば、溶融ホウ素の分散状
態を改良するために反応系内に炭酸カルシウムや燐酸カ
ルシウム等の各種の担体を共存させる試み等がなされて
いる。
また、特開昭47−27200号に示されているようにあらか
じめホウ素化合物にメラミンやジシアンジアミド等の含
窒素化合物を混合しておいてこれを加熱する方法等も考
案されている。しかしこれらの方法はいずれも従来法と
比較すれば改良はされているものの窒化ホウ素の収率や
工程の煩雑さの面からは未だ充分とは言い難い。例えば
前者の方法では生成した窒化ホウ素からの担体の除去を
必要とするが、これはかなりのコスト高となる上に製品
の窒化ホウ素の純度の面からも好ましくない。また、後
者の方法では、加えるメラミンやジシアンジアミドをホ
ウ素化合物と分子レベルまで充分に混合することが難し
い上に、反応温度までの昇温過程や反応中にメラミンや
ジシアンジアミドのかなりの部分が気相中に揮散してし
まうために加えたメラミンやジシアンジアミドあたりの
収率や得られる窒化ホウ素の純度の面で改良すべき点が
多い。一方、特開昭60−151202号ではこの後者の方法を
更に改良すべく、メラミンをはじめとする各種の含窒素
化合物とホウ酸との化合物を用いる方法を提案してい
る。然るに、この方法において用いられている含窒素化
合物はいずれも塩基性の極めて弱いものであるため、弱
酸であるホウ酸との結合は弱く、やはり昇温過程におい
てこれらの含窒素化合物の一部は揮散してしまい、結果
的には前記特開昭47−27200号の方法においてホウ素化
合物と含窒素化合物との機械的混合を徹底して行った場
合と比較して大差のない結果となってしまう。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等はこれらの問題点を解決するための詳細な研
究を行ってきたところ、従来から行われているホウ素と
含窒素化合物を原料とする方法の代わりにグアニジン化
合物のホウ酸塩を用いれば効率よく窒化ホウ素を製造で
きることを見い出し本発明に到った。
すなわち、本発明は、グアニジン化合物のホウ酸塩を不
活性ガスまたは還元性ガス雰囲気中で、600℃以上の温
度に加熱することを特徴とする窒化ホウ素の製造方法で
ある。
本発明の方法において用いるグアニジン化合物のホウ酸
塩とは、次に示す一般式(1)で表わされるホウ酸塩を
意味する。
〔(GuH)2O〕・〔B2O3・〔H2O〕 …(1) 一般式(1)において、xおよびyはそれぞれ1〜5の
整数を示し、zは0〜9の整数もしくは半整数を示す。
また、Hは水素原子、Bはホウ素原子、Oは酸素原子を
示し、Guは次に示す一般式(2)で表わされるグアニジ
ン化合物を示す。
R1R2N−C(=NH)−NR3R4 …(2) (ここに、R1、R2、R3およびR4は水素、あるいは同一も
しくは異種のアルキル基、アリール基、シクロアルキル
基またはヒドロキシアルキル基を示す。また、R1はアミ
ノ基であっても良い。) これらのグアニジン化合物のホウ酸塩を構成するグアニ
ジン化合物の具体的な例としては、R1ないしR4が全て水
素であるグアニジンのほかに、1−メチルグアニジン、
1,1−ジメチルグアニジン、1,3−ジメチルグアニジン、
1,1,3−トリメチルグアニジン、1,1,3,3−テトラメチル
グアニジン、1−エチルグアニジン、1−フェニルグア
ニジン、1−シクロヘキシルグアニジン、1−ベンジル
グアニジン、1−メチロールグアニジン、1−アミノグ
アニジン、1,3−ジエチルグアニジン、1,3−ジフェニル
グアニジン、1,3−ジシクロヘキシルグアニジン、1,3−
ジベンジルグアニジン、1,3−ジメチロールグアニジン
等が挙げられる。これらのグアニジン化合物はいずれも
極めて強い塩基であるために、ホウ酸が弱酸であるにも
かかわらず得られるグアニジン化合物のホウ酸塩はかな
り安定した化合物である。これらの各種のグアニジン化
合物の中でも、グアニジンまたは1−アミノグアニジン
が、塩基性が強い上に工業的にも容易に製造できるため
に好ましく用いられる。
これらのグアニジン化合物のホウ酸塩は、前記のグアニ
ジン化合物とホウ酸もしくは酸化ホウ素とから容易に合
成することができる。例えば、グアニジンホウ酸塩の場
合では、遊離グアニジンの水溶液にホウ酸水溶液を添加
し、常温・常圧下において充分混合した後に若干の減圧
下で水分を蒸発させることにより白色の結晶として得る
ことができる。前記グアニジン化合物のホウ酸塩を表わ
す一般式におけるxおよびyはグアニジン化合物のホウ
酸塩を合成するにあたって用いる原料のグアニジン化合
物とホウ酸もしくは酸化ホウ素との比率を変えることに
よって調整される。また、該グアニジン化合物のホウ酸
塩の結晶水の数を表わす数値zは、該グアニジン化合物
のホウ酸塩の晶折、乾燥もしくは加熱の条件によって変
わるが本発明の方法の実施にあたってはこの値はあまり
重要ではない。本発明の方法においてはxとyとの比
率、即ちx/yが重要であり、この値によて窒化ホウ素の
収率や純度が変化する。通常、このx/yの値は0.2〜5の
範囲が好ましく、特に、1〜2の範囲がさらに込まし
い。また、zの値は特に限定する必要はないが、本発明
の方法においてはz/xの値が通常0〜10の範囲になるこ
とが多い。
また、これらのグアニジン化合物のホウ酸塩の実際の合
成にあたっては、用いるグアニジン化合物とホウ酸もし
くは酸化ホウ素のモル比は必ずしも整数比である必要は
なく、いずれか一方がいくらか多くてもよい。その場
合、得られるグアニジン化合物のホウ酸塩中には、前記
一般式で表わされるグアニジン化合物のホウ酸塩に、過
剰のグアニジン化合物、またはホウ酸もしくは酸化ホウ
素が含有されることになるが、これは除去しなくとも次
の工程には特に差障りがない。特に本発明の方法におい
ては、過剰のグアニジン化合物は、600℃以上の温度に
昇温する過程において完全に消失するために、むしろ若
干のグアニジン化合物が過剰に存在する方がホウ素の利
用率や得られる窒化ホウ素の純度の面からは好ましいこ
とが多い。また、遊離グアニジンが入手しにくい場合に
は、各種のグアニジン塩、例えば、炭酸グアニジン、塩
酸グアニジン、スルファミン酸グアニジンまたは硝酸グ
アニジン等の水溶液を、水酸基型に再生した強塩基性陰
イオン交換樹脂を充填したカラムに通すこと等によって
遊離グアニジンを水溶液の形で得ることができる。他の
グアニジン化合物のホウ酸塩の場合にも同様の操作を応
用することによりグアニジン化合物ホウ酸塩の結晶とし
て得ることが可能である。この場合、該グアニジン化合
物が水に不溶性の場合には、水のかわりに他の溶媒、例
えば、メタノールやエタノールのようなアルコール類等
を用いることにより合成が可能となる。
かくして得られたこれらのグアニジン化合物のホウ酸塩
は、不活性ガスまたは還元性ガス雰囲気中で600℃以上
の温度に加熱することによって窒化ホウ素に転化され
る。この加熱温度は反応速度の面からは高い方が好まし
いが、加熱に要するエネルギーや加熱装置の耐熱性など
の面から上限があり、通常800〜1200℃の温度範囲が好
ましく用いられる。また、雰囲気として用いるガスは、
不活性ガスとしては窒素、ヘリウム、ネオンまたはアル
ゴンが例示され、還元性ガスとしては、アンモニア、水
素またはこれらの混合ガスが例示される。これらのガス
の中でも、窒化の効率や経済性の面からは、窒素または
アンモニアを用いることが特に好ましい。
本発明の方法において用いるグアニジン化合物のホウ酸
塩は、その原料であるグアニジン化合物やホウ酸または
酸化ホウ素の段階で精製しておけば不純物の非常に少な
いものを合成できる上に、グアニジン化合物のホウ酸塩
の段階においても再結晶等の手段により精製が可能で、
極めて高純度のものを製造することが可能である。ま
た、該グアニジン化合物のホウ酸塩は600℃以上の高温
加熱の工程において有機質は完全に分解・消失し、固体
として残るものは実質的に生成物である窒化ホウ素と少
量の酸化ホウ素のみとなり、その他の不純物含有量は通
常極めて少ない。このため、本発明の方法によって得ら
れる窒化ホウ素は、そのままでもかなり純度の高いもの
であり、また、煮沸水による洗滌等により不純物として
含まれる酸化ホウ素を除去すれば、極めて純度の高い窒
化ホウ素を容易に得ることができる。
(発明の効果) 本発明の方法により、従来法よりも高い収率で窒化ホウ
素を製造することが可能となる。特に、本発明の方法に
より、高純度の窒化ホウ素の製造が可能となる。
(実施例) 以下、実施例によって本発明の方法をさらに具体的に説
明する。
参考例1(遊離グアニジン水溶液の調製) 炭酸グアニジン(三井東圧化学製)を水で3回再結晶し
て900℃における強熱残渣100ppm以下の高純度炭酸グア
ニジンを調製した。この高純度炭酸グアニジン200グラ
ムを2リットルの蒸溜水に溶解し、あらかじめ水酸基型
に再生してある強塩基性陰イオン交換樹脂(商品名、レ
バチットM−600)3リットルを充填したガラスカラム
を通して炭酸根を除去した。カラムに通液する際に、濃
度の低い初期の通過液の一部を分け、比較的濃度の高い
部分のみを集めて1リットルあたり58.3グラムの遊離グ
アニジンを含有する水溶液1.6リットルを得た。この遊
離グアニジン水溶液を冷暗所に保存し、必要に応じて分
取してグアニジンホウ酸塩の製造原料に供した。
参考例2(ホウ酸水溶液の調製) 試薬のホウ酸((16)B VI、和光純薬製、GR)を蒸留水
を用いて3回再結晶して調製したホウ酸を蒸留水に溶解
し、2%ホウ酸水を調製した。
参考例3(遊離アミノグアニジン水溶液の調製) 試薬の硝酸アミノグアニジン(アルドリッチケミカル社
製、純度99%以上)を水で4回再結晶して900℃におけ
る強熱残渣100ppm以下の硝酸アミノグアニジンを調製し
た。これを2リットルの蒸留水に192グラム溶解し、参
考例1と同じ方法で処理して、1リットルあたり遊離ア
ミノグアニジン36.7グラムを含有する水溶液1.8リット
ルを得た。
実施例1 参考例1の方法で調製した遊離グアニジン水溶液203
に、参考例2の方法で調製したホウ酸水618を室温下に
おいて加え、撹拌・混合の後に45℃の温水浴による加温
下、減圧下において濃縮乾固し、白色結晶状のグアニジ
ンホウ酸塩25.1グラムを得た。この化合物は元素分析の
結果、前記一般式においてx=1、y=1およびz=2.
5に相当した。
このグアニジンホウ酸塩を乳鉢で細かくすりつぶした後
に窒素雰囲気下で950℃で3時間加熱し冷却した。得ら
れた粉末を煮沸水中に1時間浸漬した後濾過して乾燥し
た。X線回折および赤外線吸収スペクトルによる分析の
結果、不純物の殆ど含まれない高純度の窒化ホウ素が生
成していることが確認された。
実施例2 実施例1の方法において、参考例1の方法で調製した遊
離グアニジン水溶液203の代わりに、参考例3の方法で
調製した遊離アミノグアニジン水溶液403を用いた。分
析の結果、実施例1と同様に、高純度の窒化ホウ素の生
成していることが確認された。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グアニジン化合物のホウ酸塩を不活性ガス
    または還元性ガス雰囲気中で600℃以上の温度に加熱す
    ることを特徴とする窒化ホウ素の製造方法。
JP61151744A 1986-06-30 1986-06-30 窒化ホウ素の製造方法 Expired - Lifetime JPH07102965B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6919036B2 (en) 2000-01-21 2005-07-19 U.S. Borax Inc. Nonaborate compositions and their preparation

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6919036B2 (en) 2000-01-21 2005-07-19 U.S. Borax Inc. Nonaborate compositions and their preparation

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