JPH0710271Y2 - クランクシャフトバランス測定・修正装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、クランクシャフトのアンバランスを検出し、
かつこれを修正するクランクシャフトバランス測定・修
正装置に関する。

（従来の技術） 従来、上述したような装置の一例として特開昭62-28101
号公報に示されるようなものがある。この装置は、互い
に対向して支持台に支柱を設け、それぞれの支柱に回転
自在の保持軸を設け、クランクシャフトを両保持軸で挟
持しながら回転し、アンバランス状態を検出するととも
に、支持台に対してＸ軸,Y軸方向に移動できる移動機構
を設け、該移動機構に修正ユニットを取付け、この修正
ユニットのドリルでアンバランス検出データに応じてク
ランクシャフトのバランス用ウエイトを切削し、このよ
うな測定・切削をバランスがとれるまで繰返して行ない
良品のクランクシャフトを得るようにしている。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上述したクランクシャフトバランス測定
・修正装置では、修正ユニットを取付けた移動機構を支
持台に並べて設けており、設置スペースを大きく必要と
するので、この分スペースの有効利用を図れなかった。

本考案は、上記問題点の解決を課題としてなされたもの
で、コンパクトな構成でつりあい測定および修正を行な
えてスペースの有効利用を図れるクランクシャフトバラ
ンス測定・修正装置を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案は、上記目的を達成するために、ベースに立設し
た複数本の支柱に、一部に挿通部を形成した天板を載
せ、クランクシャフトを載置するローラユニットを弾性
部材を介して前記天板の下部に取付け、前記天板の上部
に該天板の長手方向に沿って移動可能に修正ユニットを
設け、該修正ユニットに、前記天板の挿通部を通して上
下動するクランクシャフト加工手段を備え、前記ローラ
ユニットに載置されるクランクシャフトの下部に位置す
る前記ベースに上下動可能なクランクシャフト持上装置
を設けたことを特徴とする。

（作用） 本考案は、上記構成によって天板の下部に取付けたロー
ラユニットにクランクシャフトを載置してつりあい計測
を行うとともに、修正ユニットを天板の上部に設け、か
つ該修正ユニットに備えたクランクシャフト加工手段を
天板の挿通部を通して下動させクランクシャフトに対す
る修正加工が図れ、修正ユニットをつりあい計測のため
のスペース上に配置できる。この結果、装置全体のスペ
ースを縮小化できてスペースの有効利用を図ることがで
きる。

（実施例） 以下に本考案の一実施例について添付図面を参照して説
明する。

図においてベース１には４本の支柱２を立設している。
４本の支柱２には長辺にそって延びた、挿通部であるス
リット３を中央部に形成した長方形の天板４を固定状態
で載置している。

天板４の下面部における一方の短辺部近傍には２枚の板
ばね5,5を並べて垂設しており、かつ他方の短辺部近傍
には板ばね5,5と対向して板ばね5,5と同等の板ばね6,6
を垂設している。

板ばね5,5の下部および板ばね6,6の下部にはそれぞれロ
ーラユニット7,8を取付けている。ローラユニット7,8は
それぞれ一対のローラ９を備えており、カウンタウエイ
ト10aを有したクランクシャフト10を回転自在に載置す
るようになっている。ローラユニット８の片方のローラ
９は、ブラケット11を介してベース１に支持されたモー
タ12にカップリング12aを介して接続しており、モータ1
2に駆動されて回転し、ローラユニット7,8上に載せたク
ランクシャフト10をこの回転によって回動するようにな
っている。

板ばね5,6それぞれの近傍のベース１には板ばね5,6に達
する長さのブラケット13を立設している。ブラケット13
にはクランクシャフト10のアンバランス部位におけるア
ンバランス量を検出するアンバランス量検出センサ14,1
4を取付けてある。また、ローラユニット７にはブラケ
ット15を介してアンバランス部位検出センサ16を固定し
ており、クランクシャフト10のアンバランス部位を検出
するようになっている。

天板４の下面部には受金17,17を対向して取付けてい
る。受金17,17の下方向に当るベース１にはクランクシ
ャフト10を持上げ、かつこれをクランプするクランプユ
ニット18を設けてある。クランプユニット18は、クラン
クシャフト10のアンバランス方向に対する修正位置（角
度方向）を割出す割出し装置19を備えている。

天板４の上面部には天板４の長手方向に延びた割出し装
置20を設けている。割出し装置20には割出し装置20に駆
動されて天板４の長手方向の移動する修正ユニット21を
載置しており、割出し装置20はクランクシャフト10の修
正位置に修正ユニット21を移動するようになっている。
修正ユニット21の下部には上下動可能にドリル22を取付
けており、ドリル22は天板４のスリット３を通してクラ
ンクシャフト10に達するようになっている。

以上のように構成されたクランクシャフトバランス測定
・修正装置の動作について以下に説明する。

まず、ローラユニット7,8にクランクシャフト10を載置
し、モータ12を作動してクランクシャフト10を回転させ
る。するとクランクシャフト10のアンバランスによる遠
心力によって板ばね5,6が振動する。この振動によって
アンバランス部位，アンバランス量検出センサ16,14は
クランクシャフト10のアンバランス位置とその量を検出
する。

検出が終了すると、クランクシャフト18および割出し装
置19が作動され、クランクシャフト10が受金17まで持上
げられて固定される。続いて割出し装置20が作動して修
正ユニット21をアンバランス位置まで移動する。この状
態でドリル22によってクランクシャフト10のカウンタウ
エイト10aにアンバランス量に相当する深さの穴23を空
けてクランクシャフト10のアンバランスを修正する。

このようにベース１の上方向に位置して修正ユニット21
を設け、つりあい測定後にこの修正ユニット21でクラン
クシャフト10を修正できるので、設置スペースを小さく
できてスペースの有効利用を図れる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案は天板の下部に取付けたロ
ーラユニットにクランクシャフトを載置してつりあい計
測を行ない、天板の上部に移動自在に設けた修正ユニッ
トのクランクシャフト加工手段でつりあい計測データに
基づいてクランクシャフトを修正加工しており、計測の
ためのスペースおよび修正のためのスペースを兼用させ
ることができるので、設置スペースを小さくでき、ひい
てはスペースの有効利用を図ることができるという効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のクランクシャフトバランス
測定・修正装置を示す部分切断正面図、第２図は同装置
を示す側面断面図、第３図は同装置を示す平面断面図、
第４図は同装置の動作例を示す断面図である。 １……ベース、３……スリット、４……天板、7,8……
ローラユニット、10……クランクシャフト、14……アン
バランス量検出センサ、16……アンバランス部位検出セ
ンサ、18……クランプユニット、21……修正ユニット、
22……ドリル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ベースに立設した複数本の支柱に、一部に
   挿通部を形成した天板を載せ、クランクシャフトを載置
   するローラユニットを弾性部材を介して前記天板の下部
   に取付け、前記天板の上部に該天板の長手方向に沿って
   移動可能に修正ユニットを設け、該修正ユニットに、前
   記天板の挿通部を通して上下動するクランクシャフト加
   工手段を備え、前記ローラユニットに載置されるクラン
   クシャフトの下部に位置する前記ベースに上下動可能な
   クランクシャフト持上装置を設けたことを特徴とするク
   ランクシャフトバランス測定・修正装置。