JPH07102706B2 - 印字ヘッドの温度検出機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概 要〕 本発明は印字マグネットのコイルの温度検出機構に関
し、 効率良く且つ経済的に温度の検出を行うことを目的と
し、 複数個の印字マグネットのコイルに当接した導電性伝熱
部材と、導電性伝熱部材に当接した温度検出センサとを
備え、温度検出センサの一方のリード線を導電性伝熱部
材に接続して構成する。

〔産業上の利用分野〕

本発明は印字マグネットのコイルの温度検出機構に関す
る。

近来、各種コンピュータの端末機や、ワードプロセッサ
等のプリンタとして、ドットに依って文字等を形成する
ワイヤドットプリンタが多用されている。

斯かるプリンタで使用される印字ヘッドのコイルは高熱
を発する為、その焼損防止対策上温度検出が行われてい
る。

〔従来の技術〕

印字ヘッド１は、第３図（ａ）の縦断面図に例示するよ
うにリング状に並設された複数個の印字マグネット２が
中心部に印字ワイヤ３を集中させ、中央部に突出した枠
体４の先端部に固着したワイヤガイド4aの所定位置に整
列している。

即ち、印字ワイヤ３はビーム８で保持され、ビーム８は
アマチュア５の先端に固定されている。

アマチュア５は磁性材より成っていて、放射状に配され
た板ばね６に依って弾力的に支持されコア７に対向して
いる。

コア７にはコイル９が巻装されて印字マグネット２を形
成しており、マグネットベース10a及び磁路部10bはその
間に永久磁石11を狭装し、更に磁性材より成るスペーサ
10cを挟んで磁路部10dを配していて、コア７とアマチュ
ア５と共にループ状の磁路を形成している。

従って、印字マグネット２が作動していない時は、永久
磁石の磁力に依ってアマチュア５はコア７に吸着されて
おり、印字マグネット２に永久磁石11のNS極とコア７の
極が反対になるように電流を流すと、コア７は電磁石と
なって永久磁石11の吸引力を打ち消すように働く。

するとアマチュア５は、板ばね６に蓄えられたエネルギ
ーに依って第３図の図中上方に跳ね上がる。

すると印字ワイヤ３も同時にワイヤガイド4aから突出す
る。

印字はこのようにして、印字ヘッド１内の複数の印字マ
グネット２を選択的に駆動して行う。

斯かる構成の印字ヘッド１を連続使用すると、ジュール
熱でコイル９が高温になって焼損を生じる危険性があ
る。

この焼損防止の為に、コイル９の温度を検出して所定温
度を越えると通電を断つ等の保護手段を講じている。

温度の検出は、図示の如く各コイル９の個々に例えばサ
ーモスタット或いはサーミスタ等の温度センサ12を１個
ずつの接触するように配して行うか、又は、同図（ｂ）
に示す如く確率的に駆動頻度の高いコイルに温度センサ
12を配して行うか、或いは同図（ｃ）に示す如く全部の
コイル９に内接するように銅の如き高い熱伝導性を有す
るリング状の伝熱部材13を配し、この伝熱部材13に当接
するように温度センサ12を配し、伝熱部材13を介して平
均的な温度の計測を行うようにしている。

そして温度センサ12の検出情報は、図示省略した検知回
路を介し制御部で印字継続或いは印字中止等の判断が為
され、所要の手段が講じられる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

以上説明したようにして印字マグネットのコイルの発熱
は検出されている。

然し乍ら、各コイル夫々に温度センサを配して行うこと
は、多ピン化が進む今日温度センサの数が増えてコスト
的に問題がある。

又、駆動頻度の高いコイルに温度センサを配して行うこ
とは、温度センサから離れた例えば対角側のコイルの温
度検出が不充分である問題がある。

更に又伝熱部材を介して行うことは、温度勾配の少ない
平均化された温度の検知が可能となり、かなり精度良く
検出出来るが、伝熱部材と温度センサの接触具合に依っ
てばらつきが生じる問題点があった。

〔問題点を解決するための手段〕

第１図は本発明の印字ヘッドの温度検出機構を示す断面
図である。

本発明に於いては、複数個の印字マグネット２のコイル
９に当接した導電性伝熱部材14と、前記導電性伝熱部材
14に当接した温度検出用の温度センサ12とを備え、前記
温度センサ12の一方のリード線12aを短く前記導電性伝
熱部材14に接続しこれを介して電気的接続を行うように
構成した印字ヘッドの温度検出機構である。

〔作用〕

即ち、導電性伝熱部材14を当接させた複数個の印字マグ
ネッイト２のコイル９の発熱は、その良伝熱性により隔
たりに殆ど影響されずに温度センサ12に伝熱され、温度
センサ12の個数を減らし効率よく温度検出が行えると同
時に、一方のリード線12aを短く導電性伝熱部材14に接
続するので、このリード線12aからも温度センサ12に伝
熱され、導電性伝熱部材14と温度センサ12との伝熱接触
状態のばらつきによる影響が抑制されると共に、精度良
く検出される。

〔実施例〕

第１図及び第２図は本発明の一実施例である。

全図を通じて同一部分には同一符号を付して示した。

第１図の印字ヘッドの温度検出機構を示す断面図、及び
第２図に示す第１図のＡ−Ａ断面図の如く、本発明に於
いては、複数個の印字マグネット２の夫々のコイル９に
当接（或いは近接）した例えば銅材の導電性伝熱部材14
と、導電性伝熱部材14に当接した温度センサ12とを配
し、温度センサ12の一方のリード線12aを導電性伝熱部
材14に接続したもので、導電性伝熱部材14を介して温度
センサ12に対する導電路を形成したものである。

即ち導電性伝熱部材14は、第２図に示す如く温度センサ
12を収納する幅の切欠き部14aを備えたリング状のも
の、或いは図示省略したが上記の切欠き部が無いリング
状のものであって、その外周はリング状に並んだコイル
９の各々に内接するようになっている。

温度センサ12は切欠き部14aが有る場合には切欠き部に
収納されて導電性伝熱部材14の両端面とコイル９に当接
し、切欠き部が無い場合には従来技術同様導電性伝熱部
14の内側面に当接している。

そして、温度センサ12の一方のリード線12aは導電性伝
熱部材14に接続され、導電性伝熱部材14を介して温度セ
ンサ12に対して電流を流すと同時に、コイル９から導電
性伝熱部材14に伝導された熱をリード線12aを介して温
度センサ12に伝導するようにしたもので、効率の良い精
度の高い温度検出を行うことが出来る。

尚、上記説明は釈放形印字ヘッドに就いて行ったが、ア
マチュアを吸引することで印字ワイヤを突出する所謂吸
引形印字ヘッドにも適用して同様の効果を奏することは
勿論である。

〔発明の効果〕

以上説明した如く本発明の適用に依り、少ない温度セン
サで各コイルの温度を高精度で効率良く検出することが
出来るようになる等、経済上及び産業上に多大の効果を
奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の印字ヘッドの温度検出機構を示す断面
図、 第２図は第１図のＡ−Ａ断面図、 第３図（ａ）は従来の全部のコイルに温度センサを配し
た印字ヘッドの縦断面図、 第３図（ｂ）は従来の特定のコイルに温度センサを配し
た印字ヘッドの縦断面図、 第３図（ｃ）は従来の伝熱部材を介して温度センサを配
した印字ヘッドの縦断面図である。 図に於いて、 ２は印字マグネット、３は印字ワイヤ、 ４は枠体、4aはワイヤガイド、 ５はアマチュア、６は板ばね、 ７はコア、８は保持部、 ９はコイル、10aはマグネットベース、 10b、10dは磁路部、10cはスペーサ、 10eはマグネットベース底部、 11は永久磁石、12は温度センサ、 12aはリード線、13は熱伝導部材、 14は導電性伝熱部材、14aは切欠き部である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数個の印字マグネットのコイル（９）に
   当接した導電性伝熱部材（14）と、 前記導電性伝熱部材（14）に当接した温度検出用の温度
   センサ（12）とを備え、 前記温度センサ（12）の一方のリード線（12a）を短く
   前記導電性伝熱部材（14）に接続しこれを介して電気的
   接続を行うことを特徴とする印字ヘッドの温度検出機
   構。