JPH07102297B2 - 高温還元性ガスの精製方法 - Google Patents

高温還元性ガスの精製方法

Info

Publication number
JPH07102297B2
JPH07102297B2 JP62056776A JP5677687A JPH07102297B2 JP H07102297 B2 JPH07102297 B2 JP H07102297B2 JP 62056776 A JP62056776 A JP 62056776A JP 5677687 A JP5677687 A JP 5677687A JP H07102297 B2 JPH07102297 B2 JP H07102297B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
reduction
regeneration
reactor
sulfur
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62056776A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6351920A (ja
Inventor
貢 末弘
俊邦 世良
井上  健治
陽 嶋田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to DE3713844A priority Critical patent/DE3713844C2/de
Priority to CA000535411A priority patent/CA1299839C/en
Priority to GB8709577A priority patent/GB2190683B/en
Priority to US07/041,868 priority patent/US4994257A/en
Priority to CN87102979A priority patent/CN1008601B/zh
Publication of JPS6351920A publication Critical patent/JPS6351920A/ja
Publication of JPH07102297B2 publication Critical patent/JPH07102297B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Gas Separation By Absorption (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Industrial Gases (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高温還元性ガスの精製方法に関し、例えば石
炭ガス化プロセスの生成ガスのような高温の還元性ガス
混合物中に含まれる硫化水素、硫化カルボニル等のイオ
ウ化合物を合理的に除去する方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、石油資源の枯渇、価格の高騰から、燃料(又は原
料)の多様化が叫ばれ、石炭や重質油(タールサンド
油、オイルシエール油、大慶重油、マサ原油、或いは減
圧残油など)の利用技術の開発が進められている。石炭
や重質油をガス化して発電に利用したり或いは燃料及び
合成原料とする方法はその代表的な一例である。
しかし、このガス化生成ガスには原料の石炭や重質油に
よつて違うが数100〜数1000ppmの硫化水素や硫化カルボ
ニル等のイオウ化合物を含み、公害防止上或いは後流機
器の腐食や触媒の被毒防止のため、除去する必要があ
る。
この除去方法としては湿式法と乾式法があるが、湿式法
は処理ガスを冷却しなければならず熱経済上不利であ
り、かつ共存成分(タール、ナフタリン、ハロゲン、NH
3、HCN、煤塵など)の除去あるいは吸収液の汚染、劣化
防止のための前処理や廃水処理のための設備が必要とな
り、プロセスが複雑になる。
一方、乾式法は熱経済的にも有利で、プロセス構成も簡
素なことから、金属酸化物を主成分とする吸収剤を高温
で硫化物として吸収除去する方法が一般的になつてい
る。吸収剤としてはFe、Zn、Mo、Mn、Cu、Wなどの金属
酸化物が使用され、250〜500℃でH2SやCOSと反応させる
が、Fe2O3の場合を例に採つて説明すると、吸収反応は
(1)〜(7)式に示すように進むとされている。
Fe2O3+H2→2FeO+H2O ……(1) 3Fe2O3+H2→2Fe3O4+H2O ……(2) Fe2O3+CO→2FeO+CO2 ……(3) 3Fe2O3+CO→2Fe3O4+CO2 ……(4) FeO+H2S→FeS+H2O ……(5) Fe3O4+H2+3H2S→3FeS+4H2O ……(6) Fe3O4+CO+3H2S→3FeS+3H2O+CO2……(7) 次いで、吸収反応後の吸収剤は酸素含有ガスで(8)式
に示すように金属酸化物に再生され、この吸収、再生反
応の繰返しで高温還元ガス中のイオウ化合物は亜硫酸ガ
スとして回収除去される。
4FeF+7O2→2Fe2O3+4SO2 ……(8) このプロセスで使用される吸収剤は、前述の金属酸化物
を単独あるいは耐熱性の多孔質物質に担持したものを、
移動床方式の場合は球状あるいは円柱状に成形したもの
が、固定床方式の場合は、ハニカム状に成形したものが
一般に使用されている。
石炭ガス化ガスの如き還元性ガスからイオウ化合物を除
去して精製されたガスはエネルギー源として利用される
ので、CO、H2濃度を安定して製造するプロセスにするの
が好ましく、(1)〜(4)式の反応を極力抑制しなけ
ればならない。移動床方式では吸収工程と再生工程が連
続的に繰返されるので、上記の技術的課題は克服しやす
いが、固定床方式では吸収工程と再生工程を断続的に繰
返すので、吸収剤再生後の吸収反応開始時には、精製ガ
ス中のCO、H2濃度が一時的に低下するので、高温還元性
ガスの精製方法としては実用上好ましくない。
そこで、本発明者らは固定床反応器を三塔順次切替え
て、高温還元性ガス中に含まれるイオウ化合物を金属酸
化物を主成分とする吸収剤で吸着除去する方法におい
て、該イオウ化合物を吸収した吸収剤を酸素含有ガスで
再生する工程、次いで再生された吸収剤を高温還元性ガ
スで該吸収剤前後の精製の対象となる還元性ガス濃度が
同一になるまで還元する工程、次いで該高温還元性ガス
を通気して該吸収剤で該イオウ化合物を吸収除去する工
程を連続的に繰り返すことにより、精製ガス中の還元性
ガス濃度を安定化させる高温還元性ガスの精製法を提案
した(特願昭60−85412号)。
また、再生工程は処理ガス量低減の為に、循環系で
(8)式の再生反応を逐次的に進め、生成SO2ガス濃度
を濃縮後イオウ回収する方法が通常とられており、この
方法では、SO24〜12%程度含有する再生ガスと吸収剤が
300〜900℃の高温雰囲気で接触し、かつ副生SO3の増加
をきたすので、該吸収剤が極めて苛酷な状態になつてい
ることから、吸収剤の長期耐久性については解決すべき
問題が残つていた。
一方、従来の高温還元性ガスの精製法においては、再生
SO2ガスからのイオウ回収は、その還元剤として石炭、
コークス等を使用するか或は還元ガス(CO、H2等)と還
元触媒(Co−Mo系等)やクラウス触媒等を使用してお
り、システムが複雑となる為、運転保守が容易ではな
い。
また、吸収、再生時の処理ガス温度は、一般に夫々300
〜500℃、500〜900℃で、大きな差異があるので、従来
の固定床方式の場合、吸収→再生の工程切替開始時に処
理温度まで立上る間は、再生温度が不十分となる。これ
は結果として吸収性能及び吸収剤に悪影響を及ぼし、長
期的には吸収剤の劣化につながる。
更に、吸収→再生の工程切替毎に、脱圧ステツプ及び再
生後の反応器からのSO2ガスの混入防止が必要である。
従つて、再生→還元の工程切替開始前に、再生系のSO2
ガスをパージする為に、減圧運転を一定時間行わねばな
らず、綿密な運転制御が必須であり、運転がかなり面倒
になつていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、これら従来の高温還元性ガスの精製方法のか
ゝえている欠点を解消し、かつ熱経済性を一層向上させ
ると共に、単体イオウの効率的回収を実現できる方法を
提供するものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、(1)高温還元性ガス中に含まれる硫化水
素、硫化カルボニル等のイオウ化合物を吸収除去する方
法で、再生された吸収剤を高温還元性ガスで該吸収剤前
後の対象となる還元性ガス濃度が一定となるまで還元
後、イオウ化合物を吸収除去する工程を連続的に繰り返
す高温還元性ガスの精製方法において、吸収剤を充填し
た反応器を少なくとも三塔使用し、還元、吸収、SO2
元、再生の四工程により構成し、該SO2還元工程に再生
工程からの循環ガスを供給し、再生工程及びSO2還元工
程で生成するSO2ガスを単体イオウに転化させて液体イ
オウとして回収除去後、その一部を還元工程に導入し、
残部を再生工程に戻すことを特徴とする高温還元性ガス
の精製方法、及び(2)上記(1)のSO2還元工程への
再生工程からの循環ガスに、上記の精製の対象である高
温還元性ガスを添加し、該循環ガス中の酸素との燃焼反
応で該SO2還元工程に必要な温度に昇温させることを特
徴とする高温還元性ガスの精製方法に関するものであ
る。
〔作用〕
吸収工程において、吸収剤は高温還元性ガスに含まれる
H2S,COS等のイオウ化合物を吸収して硫化物になる。こ
の硫化物とSO2ガスが接触すると、硫化物は酸化されて
元の吸収剤に戻り、SO2ガスは還元されて単体イオウと
なる。
本発明では、SO2還元工程において、自らの工程で生成
するSO2ガスと、再生工程からのSO2ガスを硫化物となつ
ている吸収剤に接触させ、吸収剤を元の酸化物に戻すと
共に、上記SO2ガスを単体イオウに転化してイオウ回収
する一方、該SO2ガス中の副生SO3ガスはSO2ガスに還元
される。このSO2還元工程で処理後のガスは再生工程と
還元工程に戻されるので、再生工程と還元工程の入口ガ
ス中のSO2及びSO3ガス濃度を低減できる結果、吸収剤の
耐久性の向上及び装置の腐食低減作用がある。
ところで、上記のSO2還元工程での反応は600〜1000℃の
高温で進み、しかも単体イオウの生成量を増加させるに
は高温ほど好ましい。このSO2還元工程での所要温度を
確保するために、本発明では後述のガス状イオウの燃焼
及び再生工程からの熱と合せて、CO、H2などの可燃性ガ
スを含む高温還元性ガスの一部をSO2還元工程の通気ラ
インに導入してこれら可燃性ガスと酸素との燃焼反応熱
を利用している。
このように、一部高温還元性ガスを添加するSO2還元工
程を組込んだ高温還元性ガスの精製方法を採用すること
により、SO2還元工程での単体イオウ回収量の制御がし
易くなり、かつ高温還元性ガス量、高温還元性ガス中の
イオウ化合物濃度の幅広い変化に対して単にSO2還元反
応温度、循環SO2濃度を変化させることで対応できる。
〔実施例〕
以下本発明方法の実施態様を添付図面により説明する。
第1図において、石炭1は、少量の空気又は酸素2でガ
ス化炉3において部分燃焼、ガス化され、H2及びCOを主
成分とするガス化粗ガス4が得られる。この粗ガス4は
集塵装置5でガス中のダストを10mg/Nm3程度まで充分除
去後、脱塵ガス化ガス6となつて吸収工程中にある例え
ば反応器25に供給される。
この脱塵ガス化ガス6は石炭の種類やガス化条件によつ
て異なるが、ダスト以外に数10〜数1000ppmのH2S,COS,N
H3及び極く微量のHF,HCl等を含み、ガス温度はガス化炉
3出口のスチームヒータなどで熱回収されて250〜500
℃、圧力はガス化炉3の形式により異なるが、常圧〜25
Kg/cm2Gである。
第1図では、吸収剤28が充填された同一構造の反応器2
4,25,26,27を(1)〜(4)式による還元工程、(5)
〜(7)式による吸収工程、後述の(9)〜(14)式及
び前述の(8)式によるSO2還元工程及び再生工程と順
次切替えていく固定床式の実施態様を示しているが、本
発明は固定床式に限定されるものではなく、還元ガス中
のH2S,COS等のイオウ化合物を吸収剤で吸収除去後
(8)式による再生を繰り返すプロセスなら、流動床
式、移動床式を問わず適用できる。また、ガス流路切替
の固定床式四塔切替以外の三塔以上の多塔固定床式にも
適用できる。更に、吸収剤の組成、形状に何ら限定され
るものではない。
ここでは、反応器24で還元工程を、反応器25で吸収工程
を、反応器26でSO2還元工程を、そして反応器27で再生
工程を行つている状態で説明する。
本発明は、従来の還元、吸収、再生の三工程から還元、
吸収、SO2還元、再生の四工程にふやし、SO2還元工程に
おいて、自らの工程で生成するSO2ガスと再生工程から
のSO2ガスを該吸収剤により単体イオウに転化してイオ
ウ回収すると共に、SO2ガス中の副生SO3ガスをSO2ガス
に還元して、その処理ガスの一部を還元工程に導入し、
残りを再生工程に戻すことを特徴とするものである。
さて脱塵ガス化ガス6を流路切替バルプ9を介して反応
器25に導入することで、イオウ化合物は、通常、反応温
度300〜500℃で(5)〜(7)式によつて吸収剤28に吸
収除去され、流路切替バルプ42を介して精製ガス45とし
て後流のガスタービンに供給される。
還元工程は吸収工程の前処理として(1)〜(4)式に
よる還元反応を行うためであり、脱塵ガス化ガス6の一
部を流量調節して流路切替バルプ12を介して再生済みの
吸収剤28が充填された反応器24に通気することによつ
て、上記吸収工程とほぼ同じ反応温度で吸収剤28の還元
処理が行われ、反応器24を通過したガスは流路切替バル
プ30を介してイオウ化合物の吸収工程中の反応器25の中
間に供給される。この理由については後述する。
SO2還元工程は吸収工程の次のステツプとしてとられる
措置で、再生工程での再生循環ガス67ラインから流路切
替バルプ22を介して再生SO2ガスの所定量が反応器26に
導入される。なお、再生工程では前述の(8)式以外に
以下の(9)〜(11)式の反応も一部起きるので、この
再生SO2ガス中にはガス状イオウ(S2)が含まれてい
る。そのガス中のイオウ酸化物(SO2,SO3)は、O2が存
在しない状態で吸収剤28の下で以下に示す(9)〜(1
4)式によつて還元される。
4FeS+2SO2→4FeO+3S2 ……(9) 6FeS+4SO2→2Fe3O4+5S2 ……(10) 8FeS+6SO2→4Fe2O3+7S2 ……(11) FeS+3SO3→FeO+4SO2 ……(12) 3FeS+10SO3→Fe3O4+13SO2 ……(13) 2FeS+7SO3→Fe2O3+9SO2 ……(14) SO2還元開始時は、該反応器26内に脱塵ガス化ガス6が
残存しているが、そのまゝ運転してもSO2還元には何ら
支障なく、また系内のガスパージ、ガス置換等の必要は
ない。SO2還元工程への再生SO2ガスの供給量は再生循環
ガス67の流量に対し20〜50%程度が好ましく、反応温度
は600〜1000℃、SV値(ガス流量Nm3/h/吸収剤容量m3
は100〜1000h-1程度で、ガス中のSO2の必要量が単体イ
オウに転化される。
吸収工程からSO2還元工程に移行した運転開始時は、反
応器26内の吸収剤28の温度は通常300〜500℃で、SO2
還元反応温度より低い。この温度の低い状態で、再生系
からのO2含有再生SO2ガスを導入すると、O2の介在で以
下の(15)〜(18)式にみられるような反応を起し、硫
酸第一鉄、硫酸第二鉄等の硫酸塩を副生する。これは該
吸収剤28の性能低下及びその劣化の原因となり好ましく
ない。
FeS+2O2→FeSO4 ……(15) 2FeS+SO2+5O2→Fe2(SO4 ……(16) 2Fe2O3+4SO2+O2→4FeSO4 ……(17) 2Fe2O3+6SO2+3O2→2Fe2(SO4 ……(18) 従つて、上述の硫酸塩を副生させないようにする為、以
下の事項を踏まえて、SO2還元運転を開始することが重
要である。
即ち、再生系の反応器27出口ガス46中のO2濃度は殆んど
ゼロであるので、SO2還元系及び再生系において、空気
又は酸素含有ガス64の流路切替バルプ65,70,71のうち、
バルプ65,70を閉にし、バルプ71を開にすれば、SO2還元
系にはO2を含有しない再生SO2ガス67を供給できる。そ
れ故、SO2還元運転開始時は、このO2を含有しない再生S
O2ガス67を流路切替バルプ22を介して導入し、(9)〜
(14)式の反応を行わせる。該反応器26内の温度が、再
生SO2ガスの保有熱で600℃以上になつた時、O2含有再生
ガスを系内に導入し、通常のSO2還元運転を行う。
SO2還元工程においては、ガス中にはO2を含有すること
なく、又その反応温度600〜1000℃のうち高い程SO2還元
の性能は向上する。しかし、該反応器26入口ガス温度は
高くすればする程、装置設計上の技術的及び経済性の面
から問題が生じてくるので、吸収剤の性能低下及び劣化
に至らない範囲で、入口ガス温度を低くすることが望ま
しい。
そこで、該反応器26入口ガス温度は、硫酸第一鉄、硫酸
第二鉄等の硫酸塩の副生のない範囲でできるだけ低く
し、かつ該反応器26内温度を上げるため、その入口ガス
中に空気又は酸素含有ガス64を注入するが、その量は必
要最小限にとどめるようにする。
即ち、SO2還元工程へのこの再生SO2ガスに所定量の空気
又は酸素含有ガス64を流路切替バルプ70をして供給する
ことにより、該反応器26の入口及び内部において、以下
に示す(19)式と(8)式の反応を起させ(これらはい
ずれも発熱反応であるから)、該反応器26内を必要温度
まで上昇させることによつて、実用的なSO2還元を行う
ことができる。
S2+2O2→2SO2 ……(19) さて、SO2還元工程を出た処理ガス49は、イオウ凝縮器5
0で200℃以下に冷却され、単体イオウは液体イオウとし
て回収され、分離器52に貯蔵され、その回収イオウはラ
イン80を通して抜出される。単体イオウを除去した処理
ガス54のうち、SO2還元系及び再生系における空気又は
酸素含有ガス64の注入に見合う分が流路切替バルプ55、
熱交換器56、流路切替バルプ12を介して還元工程中にあ
る反応器24に供給される。
すなわち、第1図で分るとおり、SO2還元工程及び再生
工程においては、取扱うガスが循環系になつているの
で、系外からSO2還元系及び再生系へ空気又は酸素含有
ガス64を注入すると、その中でガス状イオウの燃焼及び
再生反応に消費されたO2ガス以外のN2,H2O等のガスはこ
の循環系に蓄積されるので、循環系のバランスをとる為
に、空気又は酸素含有ガス64の注入に見合う分だけ、こ
の循環系外(還元工程)に抜き出してやる必要がある。
また残りの処理ガス60(SO2還元工程で単体イオウを除
去後の処理ガス54から一部還元工程へ供給した処理ガス
58を差引いた残りの処理ガス)は、流路切替バルプ59を
介して再生出口循環ガス48ラインに戻される。
ここで、還元工程へ供給される処理ガス58は、脱塵ガス
化ガス6の一部(流路切替バルプ7を通過するガス化ガ
ス)と混合されるので、そのガス中の残余SO2及びガス
状イオウは、反応器24内の吸収剤28の下で、以下に示す
(20)〜(22)式によつてH2Sガスに転化される。
この生成H2Sの大部分は該反応器24内で吸収されるが、
未吸収部分もあるので、還元工程を出たガス中のこの未
吸収分を吸収除去する必要がある。その為に、還元工程
出口ガスは、吸収工程にある反応器25の中間に供給さ
れ、そこで吸収工程に入るガス化ガス6と共にイオウ化
合物の吸収が行われて、精製される。
SO2還元反応終了後の吸収剤28は、再生工程にて空気又
は酸素含有ガス64で再生されるが、再生工程は処理ガス
量低減の為に循環系で実施するのが好ましい。また、再
生は反応温度500〜900℃で(8)式によつて行われ、該
吸収剤28が再生される。
SO2還元→再生工程への移行において、該反応器26内温
度は500℃以上になつているので、工程切替は該吸収剤2
8に支障なく実施できる。
再生工程においては、必要な空気又は酸素含有ガス64が
流路切替バルプ65を介して、熱交換器47にて所定の再生
温度まであげられた再生循環ガス67に注入された後、そ
の循環ガス67は流路切替バルプ19を介して該反応器27に
供給され、該吸収剤28の再生が行われる。
再生出口循環ガス46は、熱交換器47にて冷却され、SO2
還元工程にてイオウ回収後の処理ガス60と混合されて、
更に冷却器61にて循環プロア63の使用に耐える温度まで
冷却され、そのプロア63によりガス循環される。
再生工程では、循環ガス中のSO2濃度は通常8〜12vol%
であるが、再生ガスの一部がSO2還元工程にて処理され
ているので、再生循環ガス67中のSO2濃度は1.5〜7vol%
程度となり、そのガス中のSO2,SO3濃度は、通常と比較
して1/7〜2/3程度までに低減される。その為、吸収剤28
の耐久性向上、装置の腐食低減効果がある。
SO2還元工程で起る(9)〜(14)式の反応から分るよ
うに、O2の介在なくても、該吸収剤28が取扱いガス中の
SO2,SO3と反応することによつて大部分が再生されるの
で、再生工程で該吸収剤28の再生に使用する空気又は酸
素含有ガス64は大巾に低減できる。通常の再生工程で該
吸収剤28を処理する場合と比較して、空気量として4〜
5割程度低減できるので、乾式ガス精製装置の電力消費
量低減に大きく寄与する。
次に、第2図は主として再生工程から還元工程に移行す
る時の主要フローを示したものである。
従来の方式によると、再生→還元工程に切替える前に、
再生系内のSO2,SO3等のイオウ酸化物をパージしておく
必要がある。そうしないと、還元工程初期において、そ
の残存イオウ酸化物を、還元のための反応器24及び吸収
のための反応器25等において十分除去しきれない。その
為、再生→還元工程に移行する前に、再生系内を脱圧し
て例えば20Kg/cm2Gから0〜3Kg/cm2G程度まで減圧した
状態で運転を行い、系内のイオウ酸化物をパージした
後、該反応器24に脱塵ガス化ガス6を流路切替バルプ7,
12を介して所定圧まで満たした後、還元運転を行うこと
になり、この従来方式による運転は制御面でかなり面倒
である。
本発明は、再生系を脱圧及び減圧運転することなく、再
生→還元工程へ移行するものである。
第2図において、再生→還元工程への移行に際して、還
元開始のしばらくの間は、流路切替バルプ7,22,30,59,6
5を閉にして、還元のための反応器24、SO2還元のための
反応器26、イオウ凝縮器50、分離器52、熱交換器56、反
応器24のラインを閉ループにて、プロア53によりガス循
環を行い、反応器24内の残存SO2,SO3等のイオウ酸化物
を、反応器26にて(9)〜(14)式の反応により終局的
に単体イオウに転化させ、反応器26を出た処理ガス49は
イオウ凝縮器50で200℃以下に冷却され、単体イオウは
液体イオウとして回収され、分離器52に貯蔵される。単
体イオウを除去した処理ガス54は、プロア53により、熱
交換器56を通して必要温度まで加熱後、再循環される。
このガス循環操作を行うことにより還元系内のイオウ酸
化物は除去される。
なお、閉になつている流路切替バルプ7を短時間開にし
て脱塵ガス化ガス6の少量をこのガス循環系へ注入すれ
ば、(20),(21)式によつてイオウ酸化物の転化反応
が進み、系内のイオウ酸化物パージが一層促進される。
一方、その間、吸収系(反応器25)においては、上述の
ガス循環操作と関係なしに、脱塵ガス化ガス6が流路切
替バルプ9を介して供給され、そのガス中のイオウ化合
物は吸収剤28に吸収除去され、流路切替バルプ42を介し
て精製ガス45として後流のガスタービンに供給される。
また、再生系(反応器27)については、流路切替バルプ
65が閉で、空気又は酸素含有ガス64をカツトした状態
で、再生系(反応器27→熱交換器47→冷却器61→プロア
63→熱交換器47→反応器27)内のガス循環運転を行う。
還元系内のイオウ酸化物のパージが完了後、本来の還
元、SO2還元、再生運転に復帰させる。
以上の運転手順を踏むことにより、再生→還元工程への
移行時、脱圧及び減圧運転することなく工程切替ができ
る。
第3図はSO2還元工程に再生工程出口ガスの全量を供給
する方法である。第3図は、第1図の場合と同様、反応
器24で還元工程を、反応器25で吸収工程を、反応器26で
SO2還元工程を、そして反応器27で再生工程を行つてお
り、第1図と同一のものについては説明を省略する。
第3図において、SO2還元運転開始時は、第1図の場合
と同様にO2を殆んど含有しない再生SO2ガス48を流路切
替バルプ22を介して反応器26に導入し、(9)〜(14)
式の反応を行わせる。該反応器26内の温度が、再生SO2
ガスの保有熱で600℃以上になつた時、O2含有再生ガス
を系内に導入し、通常のSO2還元運転を行う。
なお、SO2還元工程への再生SO2ガス中のO2濃度は、必要
に応じ空気又は酸素含有ガス64の流路切替バルプ70の制
御によつて適宜調節される。これにより、前述の第1図
の場合と同様に反応器26の入口及び内部で(19)式と
(8)式の発熱反応が起り、反応器26への導入再生SO2
ガス温度をさほど高くすることなく、実用的な温度にす
ることができる。
SO2還元工程を出た処理ガス49は、熱交換器74で冷却
後、イオウ凝縮器50で200℃以下に冷却され、単体イオ
ウは液体イオウとして回収され、分離器52に貯蔵され、
その回収イオウはライン80を通して抜出される。
単体イオウを除去した処理ガス54は、熱交換器74により
加熱され、そのガスのうち、SO2還元系及び再生系にお
ける空気又は酸素含有ガス64の注入に見合う分が流路切
替バルプ55,12を介して還元工程中にある反応器24に供
給される。また残りの処理ガス60は、再生工程に導入さ
れる。
再生工程においては、第1図の場合と同様に反応温度50
0〜900℃で、(8)〜(14)式の反応で吸収剤28が再生
される。再生系に導入されるSO2還元系出口ガス60を熱
交換器47で再生に必要な温度まで加熱後、そのガスに空
気又は酸素含有ガス64が流路切替バルプ65を介して注入
され、そのガス67が流路切替バルプ19を介して反応器27
に供給され、吸収剤28の再生が行われる。
該反応器27出口ガス46は熱交換器47によつて冷却後、SO
2還元工程に全量供給される。
再生工程では、該反応器27入口ガス67中のSO2濃度は、
再生ガスの全量がSO2還元工程にて処理されているの
で、1〜5vol%と第1図の場合に比し一層低くなり、そ
のガス中のSO2,SO3濃度は、通常と比較して1/10〜1/2程
度までに低減される。
第1図の場合より更にSO2,SO3等のイオウ酸化物が低減
されるので、吸収剤28の耐久性向上、装置の腐食低減に
関し一層効果がある。
なお、第3図の場合も、第1図の場合の第2図で説明し
たと同様、再生系の脱圧及び減圧運転することなく、再
生→還元工程へ切替えることができる。
即ち、第4図において、再生→還元工程への移行に際
し、還元開始のしばらくの間は、流路切替バルプ7,30,6
5,70を閉にして、 1)還元のための反応器24、SO2還元のための反応器2
6、熱交換器74、イオウ凝縮器50、分離器52、熱交換器7
4、反応器24のラインのループ 2)SO2還元のための反応器26、熱交換器74、イオウ凝
縮器50、分離器52、熱交換器74、熱交換器47、再生のた
めの反応器27、熱交換器47、反応器26のラインのループ の二つのループに関し、プロア53により閉ループで系内
のガス循環を行い、反応器24内の残存SO2,SO3等のイオ
ウ酸化物を反応器26にて(9)〜(14)式の反応により
終局的に単体イオウに転化させ、反応器26を出た処理ガ
ス49は、熱交換器74で冷却後、イオウ凝縮器50で200℃
以下に冷却され、単体イオウは液体イオウとして回収さ
れ、分離器52に貯蔵される。単体イオウを除去した処理
ガス54は、プロア53により熱交換器74を通して必要温度
まで加熱後、再循環される。このガス循環操作を行うこ
とにより還元系内のイオウ酸化物は除去される。
なお、第1,2図の場合と同様、流路切替バルプ7を短時
間開にして脱塵ガス化ガス6の少量をガス循環系へ注入
すれば、(20),(21)式によるイオウ酸化物の転化反
応が進み、系内のイオウ酸化パージが一層促進される。
そして、その間に第1,2図の場合と同様に吸収系(反応
器25)において、上述のガス循環操作と関係なしに、脱
塵ガス化ガス6中のイオウ化合物が吸収剤28に吸収除去
され、精製ガス45が後流のガスタービンに供給される。
このようにして、還元系内のイオウ酸化物のパージが完
了後、本来の還元、SO2還元、再生運転に復帰させる。
以上の運転手順を踏むことにより第3,4図の場合も、第1
2図の場合と同様、再生→還元工程へ移行時に脱圧及び
減圧運転することなく工程切替ができる。
なお、第1図〜第4図において説明されていないガス流
路切換バルプ、8,10,11,13〜18,20,21,23,29,31〜35,3
7,38,40,41,43,44,68,69,71は、反応器24が還元工程
を、反応器25が吸収工程を、反応器26がSO2還元工程
を、そして反応器27が再生工程を実行している時は、通
常、閉の状態になつている。ガス流路切換バルプ71はSO
2還元運転開始時のみ開にする。
また、再生ガス循環ラインに設けられている冷却器61の
冷却ガス62及びSO2還元工程の処理ガス48,58ラインに設
けられているイオウ凝縮器50の冷却水51、熱交換器56の
高温ガス57源は、熱交換条件を満足するものなら何ら制
限されない。
以上第1図〜第4図において、固定床四塔切替方式につ
いて詳細に説明したが、同三塔切替方式についても、原
理的には殆んど同様な方法で高温還元性ガスを精製する
ことができる。
固定床三塔切替方式の場合は、再生および還元操作を一
塔で行う。
第5図はその主要なフローを示したものである。第1図
〜第4図と同様、反応器25で吸収工程を、反応器26でSO
2還元工程を、そして反応器27で再生工程を行つている
状態で以下説明する。吸収工程、SO2還元工程及び再生
工程のプロセスについては、固定床四塔切替方式の場合
とほゞ同様であるので、相違する点を主体に記述する。
第5図において、SO2還元系で単体イオウを回収後の処
理ガス54は熱交換器74により加熱され、そのガスのう
ち、再生系およびSO2還元系において空気又は酸素含有
ガス64の注入に見合う分が、ガスライン58および流路切
替バルプ55を介して吸収工程中の反応器25に供給され
る。また残りの処理ガス60は、熱交換器75でさらに加熱
され再生工程に導入される。
第5図では、反応器27の一塔で再生及び還元の両運転を
行うことを示している。再生運転が終了した時、再生工
程中閉であつた流路切替バルプ7,76及び79を開並びに反
応器27廻わりの流路切替バルプ19,22及び65を閉にし
て、脱塵ガス化ガス6の少量を反応器27に通気し、再生
→還元工程に切替える。
還元運転開始時は、反応器27内に再生時のSO2ガスが残
存しているので、その反応器27内にSO2ガスが共存する
間は、反応器27からの排出ガス46は流路切替バルプ79を
介して循環ガスライン49に導入される。仮りにその中に
可燃分(CO,H2等)が含有されていても、それらはSO2
元系で燃焼処理される。反応器27内の残存SO2ガスを除
去後は、流路切替バルプ78,79を夫々開,閉にして反応
器27からの排出ガス46を吸収工程中の反応器25の中間に
供給して、本来の還元運転に入る。
以上のことから、三塔切替式では、一塔で再生/還元を
行わせる為、バツチ運転となるが、吸収/SO2還元は連続
運転となつている。還元運転を行つている時は、単体イ
オウを回収後の処理ガス54のうち、吸収工程中の反応器
25に供給される処理ガス58を差し引いた残りの処理ガス
60は、熱交換器75により加熱され、流路切替バルプ76、
ガスライン77を介してSO2還元工程中の反応器26に戻さ
れる。即ち、反応器27が還元工程にある時は、SO2還元
系ではガスの循環は単独循環を形成する。この場合、SO
2還元系においては、単体イオウ生成反応へのSO2ガスの
消費および反応器25へのSO2含有処理ガス58の流出があ
る為、O2の供給が不足すると、循環ガス中のSO2ガスが
次第に消費されて系内のSO2バランスがとれなくなる。
従つて、そのSO2消費に見合う空気又は酸素含有ガス64
を流路切替バルプ70を介して反応器26に供給し、(8)
式の反応を行わせ、系内のSO2バランスがとれるように
する。還元工程が終了した時、四塔切替式の場合と同様
な方法で、還元→吸収工程に切替え、吸収工程が安定化
した後、吸収→SO2還元工程並びにSO2還元→再生工程に
切替える。
以上の第1,5図の場合は、いずれもSO2還元工程の所要温
度を確保する手段として、該工程へ循環させる再生SO2
ガスに空気又は酸素含有ガスを添加して(8)式や(1
9)式の発熱反応を利用する手段を採用したものであ
る。
本発明は、この手段としてSO2還元工程への循環再生SO2
ガスに本発明での精製対象である高温還元性ガスを添加
し、該還元性ガス中のH2やCOの燃焼熱を利用することを
も特徴とするものであり、第6〜8図により説明する。
第6図は、第1図の四塔式のものに上記高温還元性ガス
添加手段を採用した実施例であり、第1図と同一のもの
は説明を省略する。
第6図において、SO2還元運転開始時は以下の手順をと
る。
(1) SO2還元反応を行う反応器26に対して、高温還
元性ガス81(脱塵ガス化ガス6を熱交換器89で加熱し流
路切替バルプ84を介して導入され、H2,CO可燃ガスを含
有する)も空気又は酸素含有ガス93(熱交換器91、流路
切替バルプ70を介して導入される)をも供給しない。即
ち流路切替バルプ70,84を閉にする。
(2) SO2還元運転開始後、直ちに流路切替バルプ65
を介して空気又は酸素含有ガス93と、流路切替バルプ85
を介して高温還元性ガス81(CO,H2含有)を反応器27の
入口側に添加して、再生反応とこの可燃性ガスの燃焼反
応を開始する。この時のSO2還元工程と再生工程のガス
循環ラインは、反応器26→流路切替バルプ39→熱交換器
74→イオウ凝縮器50→イオウ分離器52→プロワ53→ガス
ライン86→流路切替バルプ19→反応器27→流路切替バル
プ36→熱交換器47→ガスライン48→流路切替バルプ22→
反応器26となる。
(3) 再生反応とこの可燃性ガスの燃焼反応により反
応器27出口ガスにO2は殆ど存在せず、反応器26には再生
工程からのSO2含有ガスが供給されて、この循環SO2ガス
の保有熱により反応器26内の温度は次第に上昇してく
る。
(4) 反応器26内の温度がSO2還元反応の必要温度600
〜1000℃に到達すると、反応器27の入口における流路切
替バルプ85を介した高温還元性ガスの添加及びその燃焼
をやめる。そしてSO2還元工程を出た処理ガス49から単
体イオウを回収除去した処理ガス54をSO2還元工程での
添加ガス(流路切替バルプ84を介した高温還元性ガス81
と流路切替バルプ65,70を介した空気又は酸素含有ガス9
3の合計)に見合う分だけ還元工程(工程器24)に抜出
した残りの処理ガス60の大分分のガス86を流路切替バル
プ19を介して反応器27入口に供給し、定常状態でのBO2
還元工程と再生工程のガス循環システムを形成する。
このようにして定常運転が開始されるSO2還元工程、再
生工程の各々につき、第1図と同じ点は説明を省略し、
留意点等のみを以下に説明する。
SO2還元工程 SO2還元工程へのSO2含有再生ガス中のO2濃度は、空気又
は酸素含有ガス93流路切替バルプ70で調節され、必要に
応じて反応器26の入口及び内部で(19)式及び(8)式
の反応を起させる。
また、SO2還元工程に供給される再生工程後の循環ガス4
8には高温還元性ガス81が流路切替バルプ84を介して混
合され、空気又は酸素含有ガス93と高温還元性ガス81中
の可燃成分(H2,CO)を燃焼反応させることにより補熱
され、SO2還元反応が促進される。この可燃性ガス(H2,
CO)の燃焼反応は、通常配管材料保護のために内貼り用
に使われる耐火材との接触作用でガス温度が600℃以上
あれば十分であるが、万一燃焼し難い場合には吸収剤28
のような助熱剤と接触させることにより、ガス温度400
℃以上で完全に燃焼させることができる。
更に、SO2還元処理されたガス86を流路切替バルプ87を
介して再生工程後の循環ガス48に注入するラインは、SO
2還元工程のSO2濃度を調節するためのものである。即
ち、再生工程後の循環ガス48には、反応器27内での
(9)〜(11)式によるガス状イオウが一部含有されて
いるので、還元工程中の反応器26の入口で、O2の存在下
(19)式の反応が起りSO2ガスが生成する。従つて、該
反応器26入口ガス中のSO2を所定濃度に維持するため
に、流路切替バルプ87を調節することにより、SO2濃度
の低いSO2還元処理ガス86を必要分だけ循環ガス48に混
合させて、SO2還元運転を安定化させる。
再生工程 再生運転開始時の反応器27は、SO2還元工程から再生工
程に切替えられた状態であり、再生反応必要温度に到達
しており、すぐに定常運転に入ることができる。再生工
程においては、SO2還元処理ガス60の大部分のガスがガ
スライン86、流路切替バルプ19を介して反応器27に導入
される(熱交換器47の保護のために、SO2還元処理ガス6
0の少量を流路切替バルプ88を介して熱交換器47に通気
し、ガスライン67を経て循環ガス86に合流させる)。SO
2還元運転開始時及び該吸収剤28の再生終了前を除い
て、該反応器27の入口側に高温還元性ガス81及び空気又
は酸素含有93を供給することなく再生工程を運転するこ
とができる。
また、再生工程中の反応器27内の吸収剤28の再生が不十
分の場合には、流路切替バルプ85を介して高温還元性81
を供給して、可燃性ガスの燃焼反応で入口ガス温度を上
昇させることにより効果的に再生ができる。
更に、再生完了前には高温還元性ガス81及び空気又は酸
素含有ガス93を供給して、反応器27の入口温度を650℃
以上好ましくは700℃以上に上昇させ、吸収剤28を完全
に再生してから、通常のガスパージを経て次工程(還元
工程)に移行する。
SO2還元反応、再生反応が完了して次工程即ち反応器26
が再生工程に、反応器27が還元工程に移行する工程切替
時は、反応器27前後の流路切替バルプ19,36を閉にし
て、高温還元性ガス81及び少量の空気又は酸素含有ガス
93を反応器27に供給して補熱とパージを行う。そして、
その排出ガスは圧力バランスにより流路切替バルプ29を
介して還元工程の反応器24に導入する。この場合、高温
還元性ガス供給量は理論燃焼空気相当量よりも過剰にし
て、前述の(20)〜(22)式の反応を行わせガスパージ
を促進させる。
なお、SO2還元工程終了時の反応器26入口には、通常運
転と同様に、その供給高温還元性ガス81及び循環ガス48
中のガス状イオウに対する理論燃焼相当分の空気又は酸
素含有ガス93を供給して系内の補熱を行う。
第6図で説明されていない高温還元性ガス81の加熱用熱
交換器89の高温ガス90源、及び空気又は酸素含有ガス64
の加熱用交換器91の高温ガス92源は、熱交換条件を満足
するものなら何ら制限されない。
第7図は、第5図の三塔式のものに前記した高温還元性
ガス添加手段を採用した実施例であり、原理的には第6
図のものと殆んど同じである。
第7図において、SO2還元系で単体イオウを回収した処
理ガス54は熱交換器74で吸収反応必要温度まで加熱さ
れ、そのガスのうち、再生工程及びSO2還元工程におい
て添加される高温還元性ガス81及び空気又は酸素含有ガ
ス93に見合う分が、ガスライン58及び流路切替バルプ55
を介して吸収工程中の反応器25に供給される。また残り
の処理ガス60は熱交換器75でさらに加熱され再生工程に
導入される。
第7図では反応器27の一塔で再生及び還元の両工程を行
い、再生工程が終了すると、再生工程中閉であつた流路
切替バルプ7,76及び79を開、並びに19,22及び65を閉に
して、脱塵ガス化ガス6の少量を流路切替バルプ7を介
して、反応器2に通気し、再生工程から還元工程に切替
える。
各反応器25,26,27における各工程の運転態様は第5図の
場合とほぼ同様であり、これに第6図と同様の原理によ
る高温還元性ガス81の添加操作が加わつている。
次に、本発明方法(SO2還元工程の所要温度確保手段と
して高温還元性ガス添加を採用したもの)における定常
運転時の温度、流量、イオウ濃度の収支を高イオウ含有
石炭(ガス化ガス中のH2S濃度1500ppm)と低イオウ含有
石炭(ガス化ガス中のH2S濃度300ppm)の2ケースにつ
き下記仮定に基づいて試算する。この試算に関係する系
統図を第8図に示す。
(1) ガス化ガス6量は800,000Nm3/Hで、ガス精製後
のH2S濃度は30ppmとし、ガス化ガス6のうち還元工程
(反応器24)に40,000Nm3/H、SO2還元工程(反応器26)
に高温還元性ガス81として4,200Nm3/H供給し、吸収工程
(反応器25)に残量を供給する。ガス化ガス6中のCO濃
度は25.1vol%、H2濃度は9.1vol%とする。
(2) SO2還元工程後のガス49は熱交換器74、イオウ
凝縮器50を経て漸次冷却され、イオウ分離器52では約18
0℃となり、単体イオウが回収除去される。単体イオウ
を除去した処理ガス54は熱交換器74で650℃に加熱し
て、その一部(再生系、SO2還元系に供給する高温還元
性ガス81及び空気又は酸素含有ガス93に見合う分をプロ
ワ53出口ガスとの混合で吸収工程必要温度、例えば400
℃に調整する)を還元工程の反応器24に導入する。残り
の処理ガス60は再生工程の反応器27に供給して循環ライ
ンを形成する。
(3) SO2還元工程から再生工程への循環ガス60の流
量は120,000Nm3/Hとし、そのSO2濃度は高イオウ含有石
炭では3vol%、低イオウ含有石炭では1vol%とする。試
算結果を表−1に示す。
この試算結果からSO2還元工程で消費される高温還元性
ガス81は受入れガス化ガス6の0.5%程度と少なく、ガ
ス精製プロセスとしての経済性を損うよりはむしろ空気
との燃焼反応に起因するガス温度上昇による利点の方が
大きいことがわかる。そして、ガス化ガス中のH2S濃度
が低い場合、又はガス化ガス量が少ない場合には、SO2
還元工程の負荷も下がり、SO2還元反応率を低くできる
ので、SO2還元反応器26の運転温度を下げることがで
き、空気又は酸素含有ガス注入量を低減できる。また、
H2S濃度が低い場合、又はガス化ガス量が少ない場合に
は、反応器25の吸収時間はそれに相応して長くなるの
で、SO2還元工程での単位時間当りの単体イオウ回収量
は少なくなる。
このようにガス化ガス中のイオウ化合物量に応じて、単
にSO2還元工程におけるSO2還元反応温度及び循環ガス中
のSO2濃度を調節するだけで対応できるので、負荷変動
時の運転が非常に容易である。
SO2還元反応性を評価するためにFe2O3を20wt%含有する
格子状ハニカム吸収剤(孔径3.8mm,壁厚1.1mm)を使用
して、ガス温度、SV値を変えた試験を行つた。試験供試
ガス組成はSO2:3mol%,H2O:0.5mol%,N2残であり、入口
ガス温度は700℃,800℃の2点を、SV値は400,800,2300H
-1の3点を組合せた。その試験結果をガス側のSO2反応
率〔入口SO2濃度(mol%)−出口SO2濃度(mol%)/入
口SO2濃度(mol%)×100〕として算出すると表−2の
ようになる。
FeSとSO2の反応でFe3O4と単体イオウが生成する(10)
式を用いて、SO2ガス3mol%時の平衡転化率を計算で求
めると、600℃では5.31%、700℃では9.57%、800℃で
は15.3%、及び900℃では22.3%となり、上記試験によ
り、SV値400H-1、800H-1の場合では、ほぼ平衡転化率に
達していることが明らかになつた。一方、SV値2300H-1
では、単体イオウの生成量は平衡転化率の30%程度にし
かなつていない。従つて、SV値を余り大きくとり過ぎる
と経済的に好ましくない。
以上の試算では、受入ガス化ガス流量800,000Nm3/H(発
電量500MW相当)に対しSO2還元工程での循環ガス流量は
130,000Nm3/H程度(吸収工程の16%程度)であり、通常
吸収工程がSV値1000〜3000H-1で運用されることを考慮
すれば、SO2還元工程のSV値は150〜500H-1程度にとるこ
とができ、この条件下におけるSO2還元反応による単体
イオウの生成量は殆んど平衡転化率に近い値で得られる
ので、以上の詳述により本発明のプロセスの成立が裏付
けられたことになる。
〔発明の効果〕
(1) 再生SO2ガスの処理において、石炭、コークス
等の還元剤もしくは、CO,H2含有還元ガス、Co−Mo系等
の還元触媒及びクラウス触媒等を使用することなく、該
イオウ化合物吸収剤のみによつて単体イオウを回収でき
ること。
(2) 固定床方式において、如何なる工程において
も、脱圧及び減圧運転等を実施することなく、工程切替
が円滑にできること。
(3) 吸収、再生の操作温度に大きな差異があつて
も、SO2還元工程を経由させることによつて、再生に必
要な温度まで高め、かつ再生工程入口ガス中のSO2及びS
O3ガス濃度を通常と比較して、SO2還元工程において再
生ガスを部分処理の時1/7〜2/3、全量処理の時1/10〜1/
2程度まで低減できるため、吸収剤の耐久性の向上及び
装置の腐食低減効果があること。
(4) SO2還元工程において、再生工程からのSO2ガス
を該吸収剤によつて単体イオウに転化し、イオウ回収す
ることによつて、SO2還元工程及び再生工程で使用する
再生空気量を4〜5割程度低減し得るので、電力消費の
大巾な節減を計ることができる(従来の乾式ガス精製装
置に係る電力消費量の約2割を節減可能)。
(5) SO2還元工程の入口に、可燃性ガス(CO,H2等)
を含有する高温還元性ガスとその燃焼に必要な空気又は
酸素含有ガスを供給することによつて、再生系及びSO2
還元系をより経済的なシステムにすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第7図は本発明の実施例を説明するためのフロ
ーを示す図、第8図は本発明の効果を明示するための試
算用としてのフローを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01B 3/56 17/04 C 17/50 M C10K 1/20 1/34 (72)発明者 嶋田 陽 東京都千代田区丸の内2丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−245819(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温還元性ガス中に含まれる硫化水素、硫
    化カルボニル等のイオウ化合物を吸収除去する方法で、
    再生された吸収剤を高温還元性ガスで該吸収剤前後の対
    象となる還元性ガス濃度が一定となるまで還元後、イオ
    ウ化合物を吸収除去する工程を連続的に繰り返す高温還
    元性ガスの精製方法において、吸収剤を充填した反応器
    を少なくとも三塔使用し、還元、吸収、SO2還元、再生
    の四工程により構成し、該SO2還元工程に再生工程から
    の循環ガスを供給し、再生工程及びSO2還元工程で生成
    する亜硫酸ガスを単体イオウに転化させて液体イオウと
    して回収除去後、その生成ガスの一部を還元工程に導入
    し、残部を再生工程に戻すことを特徴とする高温還元性
    ガスの精製方法。
  2. 【請求項2】高温還元性ガス中に含まれる硫化水素、硫
    化カルボニル等のイオウ化合物を吸収除去する方法で、
    再生された吸収剤を高温還元性ガスで該吸収剤前後の対
    象となる還元性ガス濃度が一定となるまで還元後、イオ
    ウ化合物を吸収除去する工程を連続的に繰り返す高温還
    元性ガスの精製方法において、吸収剤を充填した反応器
    を少なくとも三塔使用し、還元、吸収、SO2還元、再生
    の四工程により構成し、該SO2還元工程に再生工程から
    の循環ガスを供給し、再生工程及びSO2還元工程で生成
    する亜硫酸ガスを単体イオウに転化させて液体イオウと
    して回収除去後、その生成ガスの一部を還元工程に導入
    し、残部を再生工程に戻すとともに、前記SO2還元工程
    への再生工程からの循環ガスに前記高温還元性ガスを添
    加し、該循環ガス中の酸素との燃焼反応で該SO2還元工
    程に必要な温度に昇温させることを特徴とする高温還元
    性ガスの精製方法。
JP62056776A 1986-04-24 1987-03-13 高温還元性ガスの精製方法 Expired - Lifetime JPH07102297B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE3713844A DE3713844C2 (de) 1986-04-24 1987-04-22 Verfahren zum Reinigen eines Hochtemperatur-Reduktionsgases
CA000535411A CA1299839C (en) 1986-04-24 1987-04-23 Method for purifying high-temperature reducing gas
GB8709577A GB2190683B (en) 1986-04-24 1987-04-23 Method for purifying high-temperature reducing gas
US07/041,868 US4994257A (en) 1986-04-24 1987-04-23 Method for purifying high-temperature reducing gas
CN87102979A CN1008601B (zh) 1986-04-24 1987-04-24 净化高温还原气的方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61-93275 1986-04-24
JP9327586 1986-04-24

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6351920A JPS6351920A (ja) 1988-03-05
JPH07102297B2 true JPH07102297B2 (ja) 1995-11-08

Family

ID=14077888

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62056776A Expired - Lifetime JPH07102297B2 (ja) 1986-04-24 1987-03-13 高温還元性ガスの精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07102297B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0790140B2 (ja) * 1988-09-14 1995-10-04 財団法人電力中央研究所 高温還元性ガスの精製方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6351920A (ja) 1988-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN112063422B (zh) 一种高炉煤气脱硫及硫资源化利用方法和装置
Swisher et al. Review of metals and binary oxides as sorbents for removing sulfur from coal-derived gases
Ben-Slimane et al. Desulfurization of hot coal-derived fuel gases with manganese-based regenerable sorbents. 2. Regeneration and multicycle tests
CN103979500B (zh) 综合制氢的硫磺回收及尾气处理系统及工艺
US4994257A (en) Method for purifying high-temperature reducing gas
JPH0817906B2 (ja) 高温還元性ガスの精製プロセスにおけるイオウ回収方法
AU633760B2 (en) Process for purifying high-temperature reducing gases
US5154900A (en) Method for purifying high-temperature reducing gas
JPH07102297B2 (ja) 高温還元性ガスの精製方法
JP2651381B2 (ja) 高温還元性ガスの精製方法
JPH0776348B2 (ja) 高温還元性ガスの精製方法
JPH0790137B2 (ja) 高温還元性ガスの精製方法
JP2617561B2 (ja) 高温還元性ガスの精製方法
JPH07106293B2 (ja) 高温還元性ガスの精製方法
JP2615057B2 (ja) 高温還元性ガスの精製法
JPH07102299B2 (ja) 高温還元性ガスの精製方法
JPH07102298B2 (ja) 高温還元性ガスの精製方法
JPH10273681A (ja) 乾式脱硫装置
EP1116511A1 (en) Method for removing sulfur compounds from gas mixtures
JP2575771B2 (ja) 高温ガスの乾湿式脱硫方法
JPH0659377B2 (ja) 高温還元性ガスの精製法
JPH06228575A (ja) 高温還元性ガスの精製方法
JPH02308894A (ja) 炭素質燃料の部分酸化方法
JPS59184291A (ja) 高温還元性ガスの精製方法
JPH0678530B2 (ja) 高温還元性ガスの精製方法