JPH07102218A - アセトアセチル基含有共重合体水性被覆用組成物 - Google Patents

アセトアセチル基含有共重合体水性被覆用組成物

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JPH07102218A
JPH07102218A JP26550293A JP26550293A JPH07102218A JP H07102218 A JPH07102218 A JP H07102218A JP 26550293 A JP26550293 A JP 26550293A JP 26550293 A JP26550293 A JP 26550293A JP H07102218 A JPH07102218 A JP H07102218A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】100℃以下などの低温乾燥、特に室温乾燥でも
優れた性能を発揮しうる、金属やプラスチック等の被覆
に有用な水性被覆用組成物の提供。 【構成】特定ガラス転移点の共重合体からなる芯部と、
必須成分としてアセトアセチル基含有単量体をその共重
合成分として含む共重合体からなる殻部とにより構成さ
れる複層粒子であって、該殻部共重合体のガラス転移点
が、該芯部共重合体のガラス転移点より低く、且つ、芯
部と殻部との重量比が特定範囲であるアセトアセチル基
含有共重合体粒子と、ヒドラジン残基を有するヒドラジ
ン誘導体及び/又は2つ以上のアミノ基を有するアミン
類と、顔料とを含有してなる水性被覆用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のアセトアセチル
基含有共重合体複層粒子を含有する水性被覆用組成物に
関するものであり、金属やプラスチック等の被覆に有用
な水性被覆用組成物であって、100℃以下などの低温乾
燥、特に室温乾燥でも優れた性能を発揮しうる水性被覆
用組成物に関する。
【0002】さらに詳しくは、特定ガラス転移点の共重
合体からなる芯部と、必須成分としてアセトアセチル基
含有単量体をその共重合成分として含む共重合体からな
る殻部とにより構成される複層粒子であって、該殻部共
重合体のガラス転移点が、該芯部共重合体のガラス転移
点より低く、且つ、芯部と殻部との重量比が特定範囲で
あるアセトアセチル基含有共重合体粒子と、ヒドラジン
残基を有するヒドラジン誘導体及び/又は2つ以上のア
ミノ基を有するアミン類と、顔料とを含有してなる水性
被覆用組成物に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、金属やプラスチックなどの各種基
材は、溶剤型塗料や水系塗料等により下塗り塗装され、
または無塗装のまま、工場で完成品に組立てられた後、
溶剤型塗料等を塗布されて仕上げられていた。
【0004】しかしながら最近では、低公害、省資源化
或いは作業者等に対する安全衛生上の観点から、このよ
うな溶剤型仕上げ塗料から水系塗料への転換が強く要望
されるようになっている。その上、大型機械などの塗装
では、塗装後乾燥炉に入れて高温で焼付け乾燥すること
が困難であること、またプラスチック等の熱により軟化
・変形し易い基材では、通常の焼付け型塗料を用いる塗
装は困難であることなどの問題があり、これらの塗装に
用いる塗料として、室温乾燥または100℃以下、特に40
〜60℃程度の乾燥条件で成膜して所期の性能を発揮する
ような塗料の出現が要望されてきている。
【0005】
【発明が解決すべき課題】本発明者等は、塗料として要
求される基材への密着性、耐水性、耐溶剤性、耐アルカ
リ性などの諸物性をバランスよく兼備しており、しかも
大型機械やプラスチックなど、従来の高温焼付けができ
ないものでも、100℃以下などの低温乾燥、特に室温乾
燥程度の乾燥条件でも、これらの諸物性を十分に発揮し
うるような水性被覆用組成物の提供を目的に鋭意研究を
行た結果、特定ガラス転移点の共重合体からなる芯部
と、必須成分としてアセトアセチル基含有単量体をその
共重合成分として含む共重合体からなる殻部とにより構
成される複層粒子であって、該殻部共重合体のガラス転
移点が、該芯部共重合体のガラス転移点より低く、且
つ、芯部と殻部との重量比が特定範囲であるアセトアセ
チル基含有共重合体粒子と、ヒドラジン残基を有するヒ
ドラジン誘導体及び/又は2つ以上のアミノ基を有する
アミン類と、顔料とを含有してなる水性被覆用組成物を
用いることにより、これら課題をことごとく解決しうる
ことを見出だし本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、アセトアセチ
ル基含有共重合体粒子と、ヒドラジン残基を有するヒド
ラジン誘導体及び/又は2つ以上のアミノ基を有するア
ミン類と、顔料とを含有してなる水性被覆用組成物にお
いて、該共重合体粒子が下記(A)並びに(B)、
【0007】(A) 下記(a-1)〜(a-4)の共重合体であっ
て、そのガラス転移点TgAが−30〜+70℃の共重合体で
形成される芯部、
【0008】(a-1) 下記一般式(1)で表される単量体か
ら選ばれた少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステル
単量体 30〜99.9重量%、
【0009】
【化3】
【0010】(但し、式中R1は水素またはメチル基、
2は炭素数1〜20の直鎖もしくは分枝アルキル基を示
す)
【0011】(a-2) アセトアセチル基含有単量体0〜20
重量%、及び、
【0012】(a-3) 炭素数3〜5のα,β-不飽和モノ-
もしくはジ-カルボン酸 0.1〜10重量%、及び、
【0013】(a-4) (a-1)〜(a-3)以外の共重合可能な単
量体0〜50重量%、〔但し、上記(a-1)〜(a-4)の合計を
100重量%とする〕
【0014】並びに、 (B) 下記(b-1)〜(b-4)の共重合体であって、そのガラス
転移点TgBが−40〜+60℃で、且つ、TgB≦TgAを満足
する共重合体で形成される、上記芯部を被覆する殻部、
【0015】(b-1) 下記一般式(1)で表される単量体 30
〜99.9重量%、
【0016】
【化4】
【0017】(但し、式中R1及びXは上記と同様であ
る)
【0018】(b-2) アセトアセチル基含有単量体 0.1〜
20重量%、
【0019】(b-3) 炭素数3〜5のα,β-不飽和モノ-
もしくはジ-カルボン酸 0〜10重量%、及び、
【0020】(b-4) (b-1)〜(b-3)以外の共重合可能な単
量体0〜50重量%、〔但し、上記(b-1)〜(b-4)の合計を
100重量%とする〕
【0021】からなり、該芯部/該殻部の重量比が95/
5〜50/50であることを特徴とするアセトアセチル基含
有共重合体水性被覆用組成物の提供を目的とするもので
ある。
【0022】以下、本発明の水性被覆用組成物について
さらに詳細に説明する。
【0023】本発明に用いられるアセトアセチル基含有
共重合体の分散粒子は、アクリル系共重合体からなる芯
部と、該芯部を被覆する、該共重合体とはTgを異にす
る少なくとも1種のアセトアセチル基含有アクリル系共
重合体からなる殻部により構成されている複層粒子であ
る。
【0024】このような本発明の複層粒子は通常の乳化
重合により容易に製造することができる。製造方法とし
ては、特に限定されるものではないが、例えば、まず界
面活性剤及び/又は保護コロイドの存在下に、前記単量
体(a-1)〜(a-4)(以下、MAと称することがある)を水
性媒体中で乳化重合してアクリル系共重合体エマルジョ
ンを調製し(第1段階重合)、次いで該エマルジョンの
存在下に単量体(b-1)〜(b-4)(以下、MBと称すること
がある)を添加してさらに共重合させる(第2段階重
合)方法が好適に採用できる。この際、生成する共重合
体粒子を2種の共重合体からなる複層粒子とするため、
第2段乳化重合においては乳化剤を添加しないか、ある
いは添加したとしても新しい粒子を形成しない程度の量
にとどめ、第1段乳化重合で形成された共重合体粒子に
おいて実質的に重合が進行するように配慮するのが有利
である。
【0025】本発明に用いる複層粒子の構造としては、
アクリル系共重合体(A)からなる芯部と、この芯部をほ
ぼ均一に被覆するアセトアセチル基含有アクリル系共重
合体(B)からなる殻部から構成される実質的に球状の粒
子であるのが好ましいが、場合によっては、部分的に、
例えば、網目状、島状に被覆しているものも使用でき
る。またこのような複層粒子は、必ずしも2層構造であ
る必要はなく、必要に応じモノマー組成を変えて第3段
重合、あるいはそれ以上の重合を行わせ、3層もしくは
それ以上の構造にすることもできる。
【0026】また、複層粒子は少なくとも芯となる中側
部分と外側の殻部分を含む2層構造以上の粒子である。
粒子の芯部分を形成する共重合体(A)のガラス転移点
(TgA)は−30〜+70℃、好ましくは、−20〜+60℃、
さらに好ましくは−10〜+50℃であり、殻部分を形成す
るアセトアセチル基含有共重合体(B)のガラス転移点
(TgB)は−40〜+60℃、好ましくは、−30〜+50℃、
さらに好ましくは−20〜+40℃である。
【0027】また、(a-1)及び(b-1)の前記一般式(1)の
単量体の種類・量の選択を行い、殻部を構成する共重合
体(B)のTgBを、芯部を構成する共重合体(A)のTgAより
低くなるように選択して組合せることが重要である。そ
して皮膜形成性のよさ等の観点から、TgBはTgAより5
℃以上、特には10℃以上低くすることが望ましい。
【0028】なお、本明細書において、共重合体粒子の
ガラス転移点(Tg)は、以下の方法で測定した場合の
値である。
【0029】ガラス転移点(Tg):厚さ約0.05mmのア
ルミニウム箔製の、内径約5mm、深さ約5mmの円筒型の
セルに、共重合体エマルジョンの試料約10mgを秤取し、
100℃で2時間乾燥したものを測定試料とし、示差走査
熱量計〔Differental Scanning Calorimeter:セイコー
電子工業(株)製「SSC-5000」型〕を用い、−150℃から
昇温速度10℃/minで試料のガラス転移点前後の比熱容
量差を測定し、その結果からTgを決定する。
【0030】上記Tg測定法によれば、本発明に用いる
アセトアセチル基含有共重合体複層粒子の場合、相異な
る2つ以上のTg値が測定できるので、高い方のTg値を
TgA、低い方のTg値をTgBとする。なお、Tgの相異な
る複数のアクリル系共重合体エマルジョンをブレンドし
た水性分散液のTg測定を行う場合にも同様複数のTg値
が現われることがあるが、このようなブレンド系水性分
散液の場合には、得られるフィルムの濁度が高くなるの
で、下記のフィルム濁度試験によって本発明のものと区
別することができる。
【0031】フィルム濁度試験:洗浄したガラス板に、
共重合体水性分散液を20ミルのドクターブレードを用い
て塗布し、20℃、65%RHの高温恒湿室にて16時間放置し
て乾燥させた後、120℃で20分間さらに乾燥して重合体
フィルムを形成させる。このフィルムを東京電色(株)製
「ヘイズメーター TC-H III DP」にて濁度を測定する。
【0032】また本発明に用いられる複層粒子の平均粒
径は、一般に0.05〜0.5μ、好ましくは0.1〜0.4μの範
囲であるのがよい。なお、本明細書において、重合体粒
子の平均粒子径は、日本化学会編「新実験化学講座4
基礎技術3 光(II)」第725〜741頁(昭和51年7月20
日丸善株式会社発行)に記載された DLS法により測定さ
れたものであり、具体的には以下に述べる方法で測定決
定した値である。
【0033】平均粒子径:共重合体エマルジョンを蒸留
水で5万〜15万倍に希釈し、十分に撹拌混合した後、21
mmφガラスセル中にパスツールピペットを用いて約10ml
採取し、これを動的光散乱光度計「DLS-700」〔大塚電
子(株)製〕の所定の位置にセットして、以下の測定条件
下で測定し、測定結果をコンピュータ処理して平均粒子
径を求める。
【0034】〔測定条件〕 測定温度 25±1℃ クロックレート(Clock Rate) 10μsecコレレ -ションチャンネル(Corelation Channel) 512 積算測定回数 200個 光散乱角 90°
【0035】さらに複層粒子を構成する芯部共重合体
(A)と殻部共重合体(B)との重量比は、得られる塗膜の耐
水性、耐溶剤性、耐アルカリ性、基材への密着性などの
諸物性を考慮し、複層粒子の重量を基準として、芯部共
重合体(A)が50〜95重量%、好ましくは60〜90重量%、
さらに好ましくは70〜90重量%の範囲内にあり、且つ、
アセトアセチル基含有殻部共重合体(B)が50〜5重量
%、好ましくは40〜10重量%、さらに好ましくは30〜10
重量%となる様、乳化重合を行うのがよい。該芯部共重
合体(A)が50重量%未満と少な過ぎると、殻部共重合体
(B)の重合に際して凝集物の発生や乳化状態の破壊、得
られる乳化重合物の貯蔵安定性の低下等の問題が生じ易
く、反対に95重量%を超えると、殻部形成効果が現われ
にくい。
【0036】前記一般式(1)で表される単量体成分(a-1)
及び(b-1)は、R1が水素またはメチル基、R2が炭素数
1〜18の直鎖もしくは分枝アルキル基である単量体、す
なわち、(メタ)アクリル酸エステル単量体である。
【0037】具体的には、例えば、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、i-
プロピルアクリレート、i-ブチルアクリレート、t-ブチ
ルアクリレート、n-ブチルアクリレート、n-ヘキシルア
クリレート、n-オクチルアクリレート、i-オクチルアク
リレート、2-エチルヘキシルアクリレート、n-ノニルア
クリレート、i-ノニルアクリレート、トリデシルアクリ
レート、ステアリルアクリレート、オレイルアクリレー
ト等のアクリル酸エステル単量体;
【0038】例えば、メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメ
タクリレート、i-ブチルメタクリレート、t-ブチルメタ
クリレート、n-オクチルメタクリレート、2-エチルヘキ
シルメタクリレート、i-ノニルメタクリレート、i-デシ
ルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシ
ルメタクリレート、セチルメタクリレート、ステアリル
メタクリレート、オレイルメタクリレート等のメタクリ
ル酸エステル;を挙げることができる。
【0039】単量体成分(a-2)及び(b-2)のアセトアセチ
ル基含有単量体としては、下記一般式(2)で表される単
量体である。
【0040】
【化5】
【0041】(但し、式中R3、R4はそれぞれ独立して
水素またはメチル基;Xは単結合、メチレン基、COO
5、CONHR6であって、R5、R6は炭素数1〜6の
直鎖もしくは分枝アルキレン基、Yは水素またはCNで
ある)
【0042】このような単量体の具体例としては、例え
ば、アセト酢酸ビニル、アセト酢酸アリル等のアセト酢
酸アルケニルエステル類;例えば、2-アセトアセトキシ
エチルアクリレート、2-アセトアセトキシエチルメタク
リレート、2-アセトアセトキシプロピルアクリレート、
2-アセトアセトキシプロピルメタクリレート、2-シアノ
アセトアセトキシエチルメタクリレート等のアルキレン
グリコールの(メタ)アクリル酸アセト酢酸ジエステル;
例えば、2-アセトアセトキシエチルクロトネート、2-ア
セトアセトキシプロピルクロトネート等のアルキレング
リコールのクロトン酸アセト酢酸ジエステル;例えば、
N-(アセトアセトキシメチル)アクリルアミド、N-(アセ
トアセトキシメチル)メタクリルアミド、N-(アセトアセ
トキシエチル)アクリルアミド、N-(アセトアセトキシエ
チル)メタクリルアミド等のN-アルキロール(メタ)アク
リルアミドのアセト酢酸エステル;を挙げることができ
る。これらの中でもアセト酢酸アリル、2-アセトアセト
キシエチルアクリレート、2-アセトアセトキシエチルメ
タクリレート、2-アセトアセトキシプロピルアクリレー
ト、2-アセトアセトキシプロピルメタクリレートが好ま
しい。
【0043】単量体成分(a-3)及び(b-3)の炭素数3〜5
のα,β-不飽和モノ-またはジ-カルボン酸賭しては、例
えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、シトラ
コン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げる
ことができ、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸の
使用が好ましい。
【0044】また単量体成分(a-4)及び(b-4)は、それぞ
れ前記単量体(a-1)〜(a-3)及び(b-1)〜(b-3)以外共重合
可能な単量体である。このような単量体としては、例え
ば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
「バーサチック酸ビニル」〔商品名:シェル社製〕等の
飽和脂肪酸ビニル単量体;例えば、スチレン、α-メチ
ルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン等
の芳香族ビニル単量体;例えば、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;例えば、
ジブチルマレート、ジブチルフマレート、ジブチルイタ
コネート、ジオクチルマレート、ジオクチルフマレー
ト、ジオクチルイタコネート等の炭素数4〜5のα,β-
不飽和ジカルボン酸の炭素数1〜12のジアルキルエステ
ル単量体;などを挙げることができる。
【0045】また単量体成分(a-4)及び(b-4)の共単量体
成分としては、上記の他、例えば、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチ
ロールメタクリルアミド等の(メタ)アクリル酸のアミド
類またはその誘導体;例えば、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート等の(メタ)アクリル酸と
エポキシ基を有する飽和アルコールとのエステル類;例
えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシ
プロピルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート等の(メタ)
アクリル酸と多価飽和アルコールとのエステル類;
【0046】例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等の(メタ)
アクリル酸とアミノ基を有する飽和アルコールとのエス
テル類;例えば、N,N-ジメチルヒドロキシプロピルアミ
ン-N-メタクリルイミド、N,N-ジメチルヒドロキシプロ
ピルアミン-N-アクリルイミド等の加熱解離・転移によ
りイソシアネート基を発生する(メタ)アクリル系単量
体;例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、
トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタク
リレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘ
キサンジオールジアクリレート、ジエチレングリコール
ジメタクリレート、アリルメタクリレート等の2個以上
のラジカル重合性不飽和基を有する単量体;等の単量体
群を挙げることができる。
【0047】以上に述べた単量体成分(a-1)ないし(a-4)
の使用割合は、形成される複層粒子芯部のアクリル系共
重合体(A)に対して要求される物性等に応じて広い範囲
で変えることができるが、通常、以下に示す範囲内で使
用することができる。
【0048】
【0049】また単量体成分(b-1)ないし(b-4)の使用割
合は、形成される複層粒子殻部のアクリル系共重合体
(B)に対して要求される物性等に応じて広い範囲で変え
ることができるが、通常、以下に示す範囲内で使用する
ことができる。
【0050】
【0051】本発明に用いられる複層粒子は、前記のよ
うに、例えば、まず界面活性剤及び/又は保護コロイド
の存在下に、単量体MAを水性媒体中で乳化重合してア
クリル系共重合体(A)エマルジョンを調製し(第1段階
重合)、次いで該エマルジョンの存在下に単量体MB
添加してさらに共重合させる(第2段階重合)。
【0052】上記の水性媒体としては、通常水である
が、場合によっては、水と水混和性有機溶媒との混合溶
媒を使用することもできる。
【0053】本発明における重合(主として第1段階重
合)に用いる界面活性剤としては、非イオン界面活性剤
類として、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオ
キシアルキレンアルキルエーテル類;例えば、ポリオキ
シエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエ
チレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシアルキ
レンアルキルフェノールエーテル類;
【0054】例えば、ソルビタンモノラウレート、ソル
ビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート等
のソルビタン脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシアルキ
レンソルビタン脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシ
エチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステ
アレート等のポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類;
【0055】例えば、オレイン酸モノグリセリド、ステ
アリン酸モノグリセリド等のグリセリン脂肪酸エステル
類;ポリオキシエチレン・ポリプロピレン・ブロックコ
ポリマー;等を挙げることができ、
【0056】陰イオン界面活性剤類として、例えば、ス
テアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリ
ン酸ナトリウム等の脂肪酸塩類;例えば、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホ
ン酸塩類;例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキ
ル硫酸エステル塩類;
【0057】例えば、モノオクチルスルホコハク酸ナト
リウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオ
キシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のア
ルキルスルホコハク酸エステル塩及びその誘導体類;例
えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリ
ウム等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エ
ステル塩類;
【0058】例えば、ポリオキシエチレンノニルフェノ
ールエーテル硫酸ソーダ等のポリオキシアルキレンアル
キルアリールエーテル硫酸エステル塩類;等を、
【0059】陽イオン界面活性剤類として、例えば、ラ
ウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;例え
ば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキ
ルベンジルジメチルアンモニウムクロリド等の第4級ア
ンモニウム塩;例えば、ポリオキシエチルアルキルアミ
ン;等を、
【0060】また両性界面活性剤類として、例えば、ラ
ウリルベタインなどのアルキルベタイン等を挙げること
ができる。
【0061】また、これらの界面活性剤のアルキル基の
水素の一部をフッ素で置換したものも使用可能である。
【0062】更に、これら界面活性剤の分子構造中にラ
ジカル共重合性不飽和結合を有する、いわゆる反応性界
面活性剤も使用することができ、このような反応性界面
活性剤としては、下記一般式(3)〜(5)で示されるスルホ
コハク酸塩型反応性界面活性剤;下記一般式(6)〜(7)で
示されるアルケニルコハク酸塩型反応性界面活性剤等を
挙げることができる。
【0063】
【化6】
【0064】
【化7】
【0065】
【化8】
【0066】
【化9】
【0067】
【化10】
【0068】上記一般式(3)〜(7)において、R7及びR9
はそれぞれ置換基を有してもよい炭素数1〜30の炭化水
素基(例えば、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数8〜
30アルケニル基、炭素数6〜8のシクロアルキル基、炭
素数6〜8のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基
等)またはカルボン酸残基(例えば、炭素数3〜8の脂
肪族カルボン酸残基、炭素数7〜12の芳香族カルボン酸
残基、炭素数4〜10の脂環族カルボン酸残基等)を表
し;R8は炭素数2〜4のアルケニル基または炭素数3
〜5の脂肪族不飽和カルボン酸残基を表し;A1及びA2
はそれぞれヒドロキシル基を有してもよい炭素数2〜4
のアルキレン期を表し;mは0〜100の整数であり、n
は0〜10の整数であり;Mは一価の陽イオン(例えば、
アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、有機アミン
塩基または有機4級アンモニウム塩基等)を表す。
【0069】このようなスルホコハク酸塩型反応性アニ
オン系界面活性剤の具体例としては、「ラテムル S-12
0」、「ラテムル S-120A」、「ラテムル S-180」、「ラ
テムル S-180A」〔商品名、花王(株)製〕、「エレミノ
ール JS-2」〔商品名、(株)三洋化成製〕等を例示する
ことができ、また、アルケニルコハク酸塩型アニオン系
反応性界面活性剤の具体例としては、「ラテムル ASK」
〔商品名、花王(株)製〕等を例示することができる。
【0070】さらに、本発明において好適に使用するこ
とのできる反応性アニオン系界面活性剤としては、炭素
数3〜5の脂肪族不飽和カルボン酸のスルホアルキル
(炭素数1〜4)エステル塩型界面活性剤、例えば、2-
スルホエチル(メタ)アクリレートナトリウム塩、3-スル
ホプロピル(メタ)アクリレートアンモニウム塩などの
(メタ)アクリル酸スルホアルキルエステル塩型界面活性
剤;スルホプロピルマレイン酸アルキルエステルナトリ
ウム塩、スルホプロピルマレイン酸ポリオキシエチレン
アルキルエステルアンモニウム塩、スルホエチルフマル
酸ポリオキシエチレンアルキルエステルアンモニウム
塩、スルホエチルフマル酸アルキルジエステル塩などの
脂肪族不飽和ジカルボン酸アルキルスルホアルキルジエ
ステル塩型界面活性剤を挙げることができる。
【0071】さらにまた、反応性アニオン系界面活性剤
としては、例えば、マレイン酸ジポリエチレングリコー
ルエステルアルキルフェノールエーテル硫酸エステル
塩、フタル酸ジヒドロキシエチルエステル(メタ)アクリ
レート硫酸エステル塩、1-アリロキシ-3-アルキルフェ
ノキシ-2-ポリオキシエチレングリセロールエーテル硫
酸エステル塩〔「アデカソープ SE-10N」(商品名)、
旭電化(株)製〕、ポリオキシエチレンアルキルアルケニ
ルフェノール硫酸エステル塩〔「アクアロン」(商品
名)、第一工業製薬(株)製〕などを使用することもでき
る。これら反応性アニオン系界面活性剤は、必要に応じ
て、前述した通常の(非反応性)のアニオン系界面活性
剤類及び/又は非イオン界面活性剤類と適宜組合せて使
用することができる。
【0072】これらの界面活性剤のうち、被覆すべき基
材への密着性や得られる塗膜の耐水性等の塗膜物性の優
秀さの観点より、反応性界面活性剤の使用が特に好まし
い。
【0073】これらの界面活性剤の使用量としては、用
いる界面活性剤の種類やモノマーの種類等に応じて適宜
変更できるが、一般には、前記共重合体(A)及び(B)を形
成するのに用いる単量体の合計100重量部に対して、通
常約0.3〜10重量部用いられ、水性乳化重合時の重合安
定性のよさ、分散複層粒子の形成し易さ、共重合体水性
分散液の貯蔵安定性のよさ及び基材との密着性の優秀さ
の観点から、約0.5〜5重量部、特には約1〜3重量部
用いるのが好ましい。
【0074】さらに、前記の主として第1段階重合にお
いて使用できる保護コロイドの例としては、例えば、部
分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニル
アルコール、変性ポリビニルアルコール等のポリビニル
アルコール類;例えば、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセル
ロース塩等のセルロース誘導体;及びグアーガムなどの
天然多糖類;などが挙げられる。
【0075】これら保護コロイドは単独で使用してもよ
く、或いは前述の界面活性剤と併用してもよい。その使
用量は、例えば、前記共重合体(A)及び(B)を形成するの
に用いる単量体の合計100重量部に対して0〜3重量部
程度の範囲内とすることができる。
【0076】本発明における前記第1段階重合および後
記する第2段階重合(以下、単に乳化重合と略称するこ
とがある)に際しては、重合開始剤として、例えば、過
硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム
などの過硫酸塩類;t-ブチルハイドロパーオキサイド、
クメンハイドロパーオキサイド、p-メンタンハイドロパ
ーオキサイドなどの有機過酸化物類;過酸化水素;など
を、一種もしくは複数種併用して使用することができ
る。
【0077】重合開始剤の使用量は適当に選択できる
が、使用する全単量体成分の合計100重量部に対して、
例えば約0.05〜1重量部、より好ましくは約0.1〜0.7重
量部、特に好ましくは約0.1〜0.5重量部の如き使用量を
例示することができる。
【0078】また乳化重合に際して、所望により、還元
剤を併用することができる。該還元剤としては、例え
ば、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ブドウ糖等の
還元性有機化合物;例えば、チオ硫酸ナトリウム、亜硫
酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナト
リウム等の還元性無機化合物を例示できる。
【0079】還元剤の使用量は適宜選択できるが、例え
ば、使用する全単量体成分の合計100重量部に対して、
約0.05〜1重量部の如き使用量を例示することができ
る。
【0080】さらにまた、乳化重合に際して、所望によ
り連鎖移動剤を用いることもできる。このような連鎖移
動剤としては、例えば、シアノ酢酸;シアノ酢酸の炭素
数1〜8アルキルエステル類;ブロモ酢酸;ブロモ酢酸
の炭素数1〜8アルキルエステル類;例えば、アントラ
セン、フェナントレン、フルオレン、9-フェニルフルオ
レンなどの芳香族化合物類;例えば、p-ニトロアニリ
ン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p-ニトロ安息
香酸、p-ニトロフェノール、p-ニトロトルエン等の芳香
族ニトロ化合物類;例えば、ベンゾキノン、2,3,5,6-テ
トラメチル-p-ベンゾキノン等のベンゾキノン誘導体
類;トリブチルボラン等のボラン誘導体;
【0081】例えば、四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,
2-テトラブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロ
ロエチレン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタ
ン、3-クロロ-1-プロペン等のハロゲン化炭化水素類;
例えば、クロラール、フラルデヒド等のアルデヒド類;
炭素数1〜18のアルキルメルカプタン類;例えば、チオ
フェノール、トルエンメルカプタン等の芳香族メルカプ
タン類;メルカプト酢酸;メルカプト酢酸の炭素数1〜
10アルキルエステル類;炭素数1〜12のヒドロキルアル
キルメルカプタン類;例えば、ビネン、ターピノレン等
のテルペン類;等を挙げることができる。
【0082】上記連鎖移動剤を用いる場合その使用量
は、全単量体成分の合計100重量部に対して、約0.005〜
3重量部であるのが好ましい。
【0083】乳化重合の好適な実施態様としては、界面
活性剤及び/又は保護コロイドを含有し、または、これ
らを含有しない水性媒体中に、前記の単量体MA、界面
活性剤及び/又は保護コロイド、重合開始剤、及び、必
要に応じて使用する還元剤を逐次添加する態様を例示で
きる。重合温度は、一般に約30〜約100℃、好ましくは
約40〜約90℃で実施することができる。これにより、複
層粒子の芯部となるアクリル系共重合体(A)エマルジョ
ンを形成させることができる。
【0084】次いで、このようにして得られた共重合体
(A)エマルジョンの存在下に、前記の単量体MB、重合開
始剤及び必要に応じて使用される他の成分、例えば還元
剤、連鎖移動剤等を逐次添加してさらに共重合させ、芯
部共重合体(A)を被覆するアセトアセチル基含有殻部共
重合体(B)を形成させる(第2段階重合)。この第2段
階重合では、実質的に界面活性剤及び/または保護コロ
イドを追加することなく行うのが好ましい。
【0085】この第2段階重合に際して使用される重合
開始剤は、前第1段階重合について例示したものの中か
ら選ぶことができ、その使用量は得に限定されないが、
通常上記単量体MBの合計100重量部に対して、0.05〜1
重量部、好ましくは0.1〜0.7重量部、さらに好ましくは
0.1〜0.5重量部の範囲内の量を例示することができる。
また、還元剤及び連鎖移動剤を使用する場合には、共重
合体(A)の場合と同様の割合とすることができる。さら
に第2段階重合における重合温度は、一般に約30〜約10
0℃、好ましくは約40〜約90℃でで実施することができ
る。
【0086】以上に述べた多段階乳化重合により、本発
明に用いるアクリル系共重合体複層粒子の水性分散液を
製造することができる。得られる水性分散液の固形分濃
度は、特に制限されるものではなく、必要に応じて広範
囲に亘り変化させることができるが、一般には10〜70重
量%、好ましくは30〜65重量%、さらに好ましくは40〜
60重量%程度の範囲が適当である。
【0087】また得られる水性分散液は、必要に応じ
て、アンモニア水、水溶性有機アミン類、水酸化アルカ
リ水溶液等の添加によりpH調節を行ってもよい。該水
性分散液のpH範囲は、通常2〜10、好ましくは2〜8
であり、粘度範囲は、一般に10〜10000cps、好ましくは
50〜5000cps程度(B型回転粘度計、25℃、20rpm)であ
る。
【0088】本発明は、以上述べた特定のアセトアセチ
ル基含有アクリル系共重合体複層粒子と、ヒドラジン残
基を有するヒドラジン誘導体及び/又は2つ以上のアミ
ノ基を有するアミン類と、体質顔料とを含有してなる水
性被覆用組成物であり、100℃以下などの低温乾燥、特
に室温乾燥程度の乾燥条件でも、該ヒドラジン誘導体及
び/又は該アミン類が共重合体のアセトアセチル基と架
橋反応して強靱な塗膜を形成し、金属、プラスチックな
どの基材に対し強力な密着力を有する塗膜を与えると共
に、耐水性、耐溶剤性、耐アルカリ性などの諸物性を顕
著に向上させる。
【0089】このようなヒドラジン残基を有するヒドラ
ジン誘導体としては、例えば、炭素数2〜10の水溶性の
ジカルボン酸ジヒドラジドが好適に使用できる。このよ
うなジカルボン酸ジヒドラジドとしては、例えば、蓚酸
ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒド
ラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラ
ジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジ
ド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等
を挙げることができる。また、炭素数2〜4の水溶性ジ
ヒドラジン、例えば、エチレン-1,2-ジヒドラジン、プ
ロピレン-1,3-ジヒドラジン、ブチレン-1,4-ジヒドラジ
ン等を挙げることができる。これらの中でもアジピン酸
ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、コハク酸ヒ
ドラジドを用いるのが好ましい。
【0090】また2つ以上のアミノ基を有するアミン類
としては、例えば、炭素数2〜10の脂肪族ポリアミン類
及び炭素数6〜16の芳香族ポリアミン類が好適に使用で
きる。このような脂肪族ポリアミン類としては、例え
ば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラ
メチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノ
オクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカ
ン、トリアミノプロパン等;芳香族ポリアミン類として
は、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-
フェニレンジアミン、トリアミノベンゼン、トリアミノ
フェノール等;が挙げられる。
【0091】これらヒドラジン誘導体及び/又はアミン
類は、前記共重合体(A)及び共重合体(B)からなる複層構
造のアセトアセチル基含有共重合体粒子のアセトアセチ
ル基1モルに対し、0.1〜5モルの割合で配合されてい
ること、好ましくは0.2〜3モルの割合で配合されてい
ることが望ましい。
【0092】また、本発明の水性被覆用組成物に用いら
れる前記顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボン
ブラック、弁柄、ハンザイエロー、ベンジジンイエロ
ー、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド等の有
機もしくは無機の着色顔料;例えば、炭酸カルシウム、
シリカ、アルミナ、カオリン、クレー、タルク、珪藻
土、マイカ、水酸化アルミニウム、ガラス粉、硫酸バリ
ウム、炭酸マグネシウム等の体質顔料;を例示すること
ができる。
【0093】さらに前記顔料としては、防錆顔料を含有
することができる。該防錆顔料としては例えば、鉛丹;
例えば、クロム酸亜鉛、クロム酸バリウム、クロム酸ス
トロンチウムなどのクロム酸金属塩;例えば、リン酸亜
鉛、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、リン酸チ
タン、リン酸珪素、または、これら金属のオルトもしく
は縮合リン酸塩などのリン酸金属塩;例えば、モリブテ
ン酸亜鉛、モリブテン酸カルシウム、モリブテン酸亜鉛
カルシウム、モリブテン酸亜鉛カリウム、リンモリブテ
ン酸亜鉛カリウム、リンモリブテン酸カルシウムカリウ
ムなどのモリブテン酸金属塩;例えば、硼酸カルシウ
ム、硼酸亜鉛、硼酸バリウム、メタ硼酸バリウム、メタ
硼酸カルシウムなどの硼酸金属塩:等を例示することが
できる。これらの防錆顔料のうち、リン酸金属塩、モリ
ブテン酸金属塩、硼酸金属塩などの無毒性または低毒性
防錆顔料が好ましい。
【0094】上記顔料の配合量としては、その種類や被
覆用組成物に対して望まれる物性等に応じて広い範囲で
変化させることができるが、該組成物中に含有される共
重合体複層粒子100重量部に対して、着色顔料は一般に
5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部、さらに好ま
しくは20〜100重量部の範囲内、体質顔料は、例えば、0
〜100重量部の範囲内、防錆顔料は、例えば、0〜50重量
部、好ましくは0〜30重量部の範囲内を例示することが
できる。
【0095】また、前記顔料の粒径は、得られる被覆用
組成物の形成塗膜の平滑さなどの観点から、一般に約0.
5〜約50μ、特に1〜約30μの範囲内の平均粒径をもつ
ものであることが望ましい。
【0096】本発明のアセトアセチル基含有共重合体水
性被覆用組成物は、必要に応じてさらに、水溶性多価金
属塩;アジリジン化合物;水溶性エポキシ樹脂;水溶性
メラミン樹脂;水分散性ブロック化イソシアネート等の
架橋剤を配合することができる。
【0097】上記の水溶性多価金属塩としては、例え
ば、酢酸亜鉛、蟻酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛等の亜鉛
塩;例えば、酢酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫
酸アルミニウムなどアルミニウム塩;例えば、酢酸カル
シウム、義酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシ
ウム、亜硝酸カルシウム等のカルシウム塩;例えば、酢
酸バリウム、塩化バリウム、亜硝酸バリウム等のバリウ
ム塩;例えば、酢酸マグネシウム、蟻酸マグネシウム、
塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウ
ム、亜硝酸マグネシウム等のマグネシウム塩;例えば、
酢酸鉛、蟻酸鉛等の鉛塩;例えば、酢酸ニッケル、塩化
ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル等のニッケル
塩;例えば、酢酸マンガン、塩化マンガン、硫酸マンガ
ン、硝酸マンガン等のマンガン塩;例えば、塩化銅、硝
酸銅、硫酸銅等の銅塩;などを例示できる。
【0098】前記アジリジン化合物としては、ポリイソ
シアネート化合物とエチレンイミンとの反応生成物が使
用でき、ポリイソシアネート化合物としては、例えば、
m-またはp-フェニレンジイソシアネート、2,4-または2,
6-トリレンジイソシアネート、m-またはp-キシリレンジ
イソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネ
ートなどの芳香族ジイソシアネート化合物;例えば、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、上記芳香族ジイソシアネート化合物の水素添加
物、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族または脂環
族ジイソシアネート化合物;これらイソシアネートの2
量体または3量体;これらイソシアネートと、例えば、
エチレングリコール、トリメチロールプロパン等の2価
または3価のポリオールとのアダクト体などを例示でき
る。
【0099】水溶性エポキシ樹脂としては、例えば、グ
リセロールジグリシジルエーテルなどを、水溶性メラミ
ン樹脂としては、例えば、メチロールメラミン;該メチ
ロールメラミンの水酸基の少なくとも1部をメチルアル
コール、エチルアルコール、n-ブチルアルコールなどで
エーテル化したものなどを例示できる。
【0100】また水分散性ブロック化イソシアネートと
しては、例えば、トリメチロールプロパントリトリレン
ジイソシアネートメチルエチルケトオキシムアダクトな
ど、前記ポリイソシアネート化合物に揮発性低分子活性
水素化合物をふかさせたものを挙げることができる。
【0101】上記の揮発性低分子活性水素化合物として
は、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-
ブチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、ベンジ
ルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、フェノー
ル等の脂肪族、脂環族または芳香族アルコール;例え
ば、ジメチルアミノエタノール、ジアチルアミノエタノ
ールなどのヒドロキシ第3アミン;例えば、アセトキシ
ム、メチルエチルケトオキシム等のケトオキシム類;例
えば、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル、マロン
酸エステル等の活性メチレン化合物;ε-カプロラクタ
ム等のラクタム類;などを例示できる。
【0102】これらの架橋剤の使用量は、得られる被覆
用組成物の粘度の経時変化抑制等の観点から、被覆用組
成物中の共重合体複層粒子100重量部に対して、例え
ば、0〜10重量部程度の範囲内で使用することができ
る。
【0103】本発明のアセトアセチル基含有共重合体水
性被覆用組成物には、さらに必要に応じて、無機質分散
剤(例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリ
ン酸ナトリウム等)、有機質分散剤〔例えば、ノプコス
パース 44C(商品名、ポリカルボン酸系;サンノプコ
(株)製〕などの分散剤;例えば、シリコン系などの消泡
剤;例えば、ポリビニルアルコール、セルロース系誘導
体、ポリカルボン酸系樹脂、界面活性剤系等の増粘剤お
よび粘性改良剤;例えば、ターペンエチレングリコー
ル、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、ブチルカ
ルビトールアセテート等の有機溶剤;老化防止剤;防腐
剤・防黴剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤;等を添加混合
使用することができる。
【0104】本発明の水性被覆用組成物は、特に限定さ
れるものではないが、一般に、10〜80重量%、好ましく
は約20〜70重量%、特に好ましくは約30〜60重量%の範
囲内の固形分を含有し、また、7〜11、好ましくは8〜1
0の範囲内のpHを有し且つ約100〜10000cps、好ましくは
約500〜5000cpsの範囲内の粘度(B型回転粘度計、25
℃、20rpmによる)をもつことができる。
【0105】本発明の水性被覆用組成物は、グロスペイ
ント、マスチックトップコート剤、ソフトマスチックト
ップコート剤、スレートコート剤、旧塗膜補修剤等とし
て有用であり、耐水性、耐溶剤性、耐アルカリ性、耐久
性、耐黄変性等に優れる塗膜を与える。
【0106】また本発明の水性被覆用組成物を適用する
ことができる基材は、特に限定されず、鋼板等の金属基
材、例えば、みがき鋼板、鉛−錫合金メッキ鋼板(タン
シート鋼板)、錫メッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼
板、鉛メッキ鋼板、クロムメッキ鋼板、ニッケルメッキ
鋼板などの各種メッキ鋼板等;プラスチック基材、例え
ば、ABS板、ポリスチレン板、電着塗装鋼板などの塗装
鋼板、塩ビ鋼板等;木材;皮革;無機質基材、例えば、
スレート板、コンクリートもしくはモルタル面;旧塗膜
面、例えば、塩化ビニル樹脂、アルキッド樹脂などの旧
塗膜面;等をあげることができる。
【0107】本発明の被覆用組成物の塗装は、それ自体
既知の塗装法、例えば、刷毛塗り、スプレー塗装、ロー
ラー塗装等により行うことができるが、一般に、エアー
スプレー塗装及びエアレススプレー塗装が好適である。
その際の塗装膜厚は、基材の用途等に応じて異なるが、
通常、約20〜200μ、特に約30〜100μの範囲内が適当で
ある。また、塗膜の乾燥は自然乾燥、加熱乾燥等により
行うことができる。
【0108】以下、実施例により本発明を更に詳細に説
明する。なお本実施例における試験方法及び評価方法は
以下のとおりである。
【0109】(1) 光沢試験 清浄なガラス板に、水性被覆用組成物を6ミルのドクタ
ーブレードで塗布し、20℃で1週間乾燥させることによ
り試験片を作成し、「グロスメーター TC-108D」〔東京
電色(株)製〕にて60゜光沢を測定する。
【0110】(2) 耐水性試験 JIS G 3141で定めるみがき鋼板〔「SPCC-SB」;日本テ
ストパネル工業(株)〕に、水性被覆用組成物をその乾燥
後の膜厚が約50μとなるように塗布し、20℃で1週間乾
燥させることにより試験片を作成する。この試験片を20
℃の水に1週間浸漬し、塗膜の外観及びブリスター発生
の有無を次の基準に従って評価する。
【0111】◎ ・・・・・・ 全く異状なし ○ ・・・・・・ 取り出し直後僅かに艶引けあるが、復元する △ ・・・・・・ 艶引け有、且つ、細かいブリスター発生 × ・・・・・・ 艶引け大、且つ、大きなブリスター発生
【0112】(3) 耐アルカリ性試験 前(2)項で作成した試験片を、20℃の飽和水酸化カルシ
ウム水溶液中に1週間浸漬し、塗膜の外観及びブリスタ
ー発生の有無を上記(2)と同様の基準に従って評価す
る。
【0113】(4) 耐溶剤性試験 前(2)項で作成した試験片に、油性フェルトペンで線を
引き、次いでこれを酢酸エチルを染み込ませたガーゼで
ふき取り、この時の塗膜状態を次の基準に従って評価す
る。
【0114】◎ ・・・・・・ 塗膜異状なし ○ ・・・・・・ 塗膜やゝ軟化するが復元する △ ・・・・・・ 塗膜膨潤する × ・・・・・・ 塗膜溶解する
【0115】実施例1 撹拌機、還流冷却機および温度計を備えた2000mlセパラ
ブルフラスコに、脱イオン水389gを仕込み、窒素フロー
しながら70℃に昇温した。また別の容器で、脱イオン水
180g、スルホコハク酸塩型反応性アニオン系界面活性剤
「ラテムル S-180A」12.0g、並びに、単量体成分MA
して2-エチルヘキシルアクリレート(EHA)170.1g、メ
チルメタクリレート(MMA)239.4g、アセトアセトキシ
エチルメタクリレート(AAEM)2.1g及びアクリル酸(A
A)8.4gとを均一に混合した単量体混合液から単量体予
備乳化物を作成した。次に上記セパラブルフラスコに、
内温をほぼ70℃に保ちながら、上記予備乳化物及び重合
開始剤水溶液として5重量%過硫酸アンモニウム(AP
S)水溶液36gを3時間で連続的に添加し、その後同温度
で1時間保持して芯部となるアセトアセチル基含有アク
リル系共重合体粒子(A)のエマルジョンを得た。
【0116】次いで引き続き70℃に保ちながら、このエ
マルジョンに、ブチルアクリレート(BA)90.0g、MMA 8
8.2g及びAAEM 1.8gを均一に混合した単量体成分MBの混
合液、及び、5重量%APS 12gを1時間で連続的に添加
して、同温度で2時間保持して、アセトアセチル基含有
アクリル系共重合体複層粒子の水性分散液を得た。
【0117】この重合に際しての単量体成分MA及びMB
のそれぞれの単量体組成及びTgA及びTgBを表1に、得
られた水性分散液の粘度、pH、固形分、粒子径、並び
に、該水性分散液から得られるフィルムの濁度の値を表
2に示す。
【0118】実施例2 実施例1において、単量体成分MAとしてMMA 170.1g及
びEHA 239.4gを用いる代わりに、MMA 161.7g、EHA 163.
8g及びスチレン(St)84gを用い、単量体成分MBとして
MMA 88.2g及びBA 98.1を用いる代わりに、MMA 62.1g、B
A 98.1g及びアクリロニトリル(AN)18.0g用いる以外は
実施例1と同様にしてアセトアセチル基含有アクリル系
共重合体水性分散液を得た。
【0119】この重合に際しての単量体成分MA及びMB
のそれぞれの単量体組成及びTgA及びTgBを表1に、得
られた水性分散液の粘度、pH、固形分、粒子径、並び
に、該水性分散液から得られるフィルムの濁度の値を表
2に示す。
【0120】実施例3及び比較例1 実施例1において、単量体成分MA及び単量体成分MB
おけるAAEMの使用量を変え、またはこれを使用せず、こ
れに伴って、それぞれMMAとEHAの使用量及びMMAとBAの
使用量を加減する以外は実施例1と同様にしてアクリル
系共重合体水性分散液を得た。
【0121】この重合に際しての単量体成分MA及びMB
のそれぞれの単量体組成及びTgA及びTgBを表1に、得
られた水性分散液の粘度、pH、固形分、粒子径、並び
に、該水性分散液から得られるフィルムの濁度の値を表
2に示す。
【0122】実施例4及び5 実施例1において、単量体成分MAと単量体成分MBのそ
れぞれの単量体組成を変えずに、MAとMBとの使用割合
を変える以外は実施例1と同様にしてアセトアセチル基
含有共重合体水性分散液を得た。
【0123】この重合に際しての単量体成分MA及びMB
のそれぞれの単量体組成及びTgA及びTgBを表1に、得
られた水性分散液の粘度、pH、固形分、粒子径、並び
に、該水性分散液から得られるフィルムの濁度の値を表
2に示す。
【0124】比較例2 実施例1と同様のセパラブルフラスコに、実施例1と同
様、脱イオン水を同量仕込み、窒素フローしながら70℃
に昇温した。また別の容器で、脱イオン水180g、「ラテ
ムル S-180A」12.0g、並びに、MMA 231.0g、EHA 234.0
g、AAEM 3.0g、AA 12.0g及びSt 120.0gを均一に混合し
た単量体混合液から単量体予備乳化物を作成し、この予
備乳化物、及び、重合開始剤水溶液としてAPSの5重量
%水溶液48gをセパラブルフラスコ中に3時間で連続的
に添加し、その後同温度で2時間保持してアセトアセチ
ル基含有アクリル系共重合体水性分散液E1を得た。
【0125】次いで、単量体混合液の組成のみをMMA 20
7.0g、BA 327.0g、AAEM 6.0g及びAN60.0gとする以外は
上記と同様にして、アセトアセチル基含有アクリル系共
重合体水性分散液E2を得た。かくして得られたこれら共
重合体水性分散液E1とE2とを重量比70:30でブレンド
し、アセトアセチル基含有アクリル系共重合体のブレン
ド系水性分散液を得た。
【0126】この重合に使用したそれぞれの単量体の組
成、Tg及びブレンド比を表1に、得られた水性分散液
の粘度、pH、固形分、粒子径、並びに、該水性分散液
から得られるフィルムの濁度の値を表2に示す。
【0127】
【表1】
【0128】
【表2】
【0129】顔料分散物の作成 下記の配合の材料を2000mlのステンレス鋼製ビーカーに
入れ、ガラスビーズ800gと共にサンドミルにて50分間攪
拌して固形分72重量%の顔料分散物を作成する。
【0130】
【表3】
【0131】実施例11 実施例1で調整したアセトアセチル基含有アクリル系共
重合体水性分散液200g(固形分で約100g)、前記の顔料
分散物35g、ヘキサメチレンジアミン(HMDA)0.36g(共
重合体中のAAEM 1モルに対して2モルに相当)及び脱
イオン水 15.8gをディスパーを用いて均一に分散させ、
被覆用組成物中に占める総顔料(酸化チタン及びフタロ
シアニンブルーの合計量)の割合(以下、PWCと略記す
ることがある)が20重量%で固形分が50重量%の水性被
覆用組成物を作成した。
【0132】得られた水性被覆用組成物を用いて各種物
性試験を行った。該水性被覆用組成物の配合組成および
各種物性の測定結果を表4に示した。
【0133】実施例12〜15及び比較例11〜12 実施例11において、実施例1の共重合体水性分散液を用
いる代わりに、実施例2〜5及び比較例1〜2の共重合
体水性分散液を用い、それぞれの共重合体中のAAEM 1
モルに対するHMDAの配合量が2モルの割合となるように
HMDAの配合量を調節し、さらに脱イオン水の使用量を加
減する以外は実施例11と同様にして各種の水性被覆用組
成物を作成した。
【0134】得られた水性被覆用組成物を用いて各種物
性試験を行った。該水性被覆用組成物の配合組成および
各種物性の測定結果を表4に示した。
【0135】実施例16 実施例11において、ヘキサメチレンジアミン 0.36gを用
いる代わりに、アジピン酸ジヒドラジド(ADHZ)0.52g
(アクリル系共重合体中のAAEM 1モルに対して2モル
に相当)を用い、脱イオン水の使用量を加減する以外は
実施例11と同様にして各種の水性被覆用組成物を作成し
た。
【0136】得られた水性被覆用組成物を用いて各種物
性試験を行った。該水性被覆用組成物の配合組成および
各種物性の測定結果を表4に示した。
【0137】実施例17〜20及び比較例13 実施例21において、実施例1の共重合体水性分散液を用
いる代わりに、実施例2〜5及び比較例2の共重合体水
性分散液を用い、それぞれの共重合体中のAAEM1モルに
対するADHZの配合量が2モルの割合となるようにADHZの
配合量を調節し、さらに脱イオン水の使用量を加減する
以外は実施例16と同様にして各種の水性被覆用組成物を
作成した。
【0138】得られた水性被覆用組成物を用いて各種物
性試験を行った。該水性被覆用組成物の配合組成および
各種物性の測定結果を表4に示した。
【0139】
【表4】
【0140】
【発明の効果】本発明の水性被覆用組成物は、アセトア
セチル基を含有する特定の共重合体複層粒子と、ヒドラ
ジン残基を有するヒドラジン誘導体及び/又は2つ以上
のアミノ基を有するアミン類と、顔料とを含有してなる
ものである。これにより本発明の水性被覆用組成物は、
100℃以下などの低温乾燥、特に室温乾燥でも基材への
密着性、耐水性、耐溶剤性、耐アルカリ性など被覆用組
成物としての諸物性をバランスよく兼備するなど優れた
性能を発揮するので、大型機械など塗装後乾燥炉に入れ
て高温で焼付け乾燥することが困難な金属製成形物の塗
装や、熱により変形・軟化し易いプラスチック等の基材
の塗装に特に適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 135/00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アセトアセチル基含有共重合体粒子と、ヒ
    ドラジン残基を有するヒドラジン誘導体及び/又は2つ
    以上のアミノ基を有するアミン類と、顔料とを含有して
    なる水性被覆用組成物において、該共重合体粒子が下記
    (A)並びに(B)、 (A) 下記(a-1)〜(a-4)の共重合体であって、そのガラス
    転移点TgAが−30〜+70℃の共重合体で形成される芯
    部、(a-1) 下記一般式(1)で表される単量体から選ばれ
    た少なくとも一種の(メタ)アクリル酸エステル単量体 3
    0〜99.9重量%、 【化1】 (但し、式中R1は水素またはメチル基、R2は炭素数1
    〜20の直鎖もしくは分枝アルキル基を示す)(a-2) アセ
    トアセチル基含有単量体0〜20重量%、及び、(a-3) 炭
    素数3〜5のα,β-不飽和モノ-もしくはジ-カルボン酸
    0.1〜10重量%、及び、(a-4) (a-1)〜(a-3)以外の共重
    合可能な単量体0〜50重量%、〔但し、上記(a-1)〜(a-
    4)の合計を100重量%とする〕並びに、 (B) 下記(b-1)〜(b-4)の共重合体であって、そのガラス
    転移点TgBが−40〜+60℃で、且つ、TgB≦TgAを満足
    する共重合体で形成される、上記芯部を被覆する殻部、
    (b-1) 下記一般式(1)で表される単量体 30〜99.9重量
    %、 【化2】 (但し、式中R1及びXは上記と同様である)(b-2) ア
    セトアセチル基含有単量体 0.1〜20重量%、(b-3) 炭素
    数3〜5のα,β-不飽和モノ-もしくはジ-カルボン酸
    0〜10重量%、及び、(b-4) (b-1)〜(b-3)以外の共重合
    可能な単量体0〜50重量%、〔但し、上記(b-1)〜(b-4)
    の合計を100重量%とする〕からなり、該芯部/該殻部
    の重量比が95/5〜50/50であることを特徴とするアセ
    トアセチル基含有共重合体水性被覆用組成物。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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