JPH07101989A - 糖結合蛋白 - Google Patents

糖結合蛋白

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JPH07101989A
JPH07101989A JP5268073A JP26807393A JPH07101989A JP H07101989 A JPH07101989 A JP H07101989A JP 5268073 A JP5268073 A JP 5268073A JP 26807393 A JP26807393 A JP 26807393A JP H07101989 A JPH07101989 A JP H07101989A
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Abstract

(57)【要約】 〔構成〕 マンノースまたは少なくとも1のマンノース
を含むオリゴ糖が蛋白に結合した糖結合蛋白。マンノー
スあるいはマンノースα(1−4)マンノース又はマン
ノースα(1−6)マンノース等が例えばカルボニルア
ルキレン基等のリンカーを介して血清アルブミン等の蛋
白に結合していてもよい。 〔効果〕 抗原特異的な強い免疫抑制を示し、かつ抗原
非特異的な免疫抑制が低減されているので、免疫抑制の
選択性が高く、低投与量においても十分な効果が得られ
る免疫抑制薬として臓器移植時の拒絶反応、慢性関節リ
ウマチ、アレルギー疾患、自己免疫疾患等の予防および
治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、糖結合蛋白に関する。
さらに詳しくは、本発明は、マンノースまたは少なくと
も1のマンノースを含むオリゴ糖が蛋白に結合した糖結
合蛋白に関するものである。本発明の糖結合蛋白を有効
成分として含む医薬組成物は免疫抑制薬として有用であ
る。
【従来の技術】免疫抑制薬は、腎臓移植や骨髄移植等の
臓器移植、およびリウマチや自己免疫疾患のような免疫
亢進を伴う疾患の治療に有用であり、臨床において広く
用いられる薬剤である。しかしながら、現在用いられて
いる免疫抑制薬は、主作用である免疫抑制作用は十分に
強いものの、標的臓器及び標的細胞に対する作用の特異
性が十分ではなかった。このため、臨床に用いた場合に
は副作用として非特異的に肝臓、腎臓等に障害性を示す
という問題があり、その使用に関しては十分な注意が必
要であった。従って、より安全で使いやすい免疫抑制薬
対する要望が高く、新たな免疫抑制薬の探索が試みられ
てきた。
【0002】マンノースは、そのもの自体のみならず、
二量体および三量体も免疫抑制作用を有することが知ら
れている。例えば、マンノースは、単球の赤血球に対す
る貧食作用を抑制し(A. V. Muchmore and R. M. Blaes
e, In Macrophage Regulation of Immunity. E. R. Una
nue, A. S. Rosenthal, editors. Academic Press,In
c., New York, 505-517, 1980 )、末梢血単核球の培養
系において抗原刺激によるT細胞の増殖を抑制すること
が報告されている (A. J. Fischer 等、 J. Clin. Inve
st., 62, 1005-1013, 1978)。また、妊婦の尿中に認め
られる免疫抑制物質は、マンノ−スα(1−6)マンノ
ースであることが確認されている(A.V.Muchmore等、J.
Exp. Med., 160,1672-1685, 1984)。マンノースまたは
マンノース多量体は上記のような免疫抑制作用を持つた
め、免疫抑制薬として臨床応用できる可能性が考えられ
ていた。しかしながら、生体に投与して免疫抑制を発現
させるためには、マンノースまたはマンノース多量体で
は免疫抑制の強さが十分でないという問題があった。ま
た、イン・ビトロ効果から換算すると、あまりにも多く
の投与量を必要とするために、そのために生ずる副作用
の面から実用化が不可能であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、マンノース
又は少なくとも1のマンノースを含むオリゴ糖の有する
抗原特異的な免疫抑制、特に抗原特異的な反応を増強
し、逆に、抗原非特異的な免疫抑制を低減させることに
よって免疫抑制の選択性を増大させ、少投与量において
も十分な効果が得られる免疫抑制薬を提供することを目
的としている。
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
を解決すべく鋭意検討した結果、蛋白にマンノースまた
は少なくとも1のマンノースを含むオリゴ糖を結合させ
た糖結合蛋白を提供することによって上記の課題が解決
できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、マンノースまたは少なくとも1のマ
ンノースを含むオリゴ糖が蛋白に結合した糖結合蛋白に
関するものである。
【0004】本発明の好ましい態様によれば、マンノー
スまたはオリゴ糖がリンカーを介して蛋白に結合した上
記糖結合蛋白;リンカーがカルボニルアルキレン基であ
る上記糖結合蛋白;二糖が蛋白に結合した上記糖結合蛋
白;マンノースα(1−4)マンノース又はマンノース
α(1−6)マンノースが蛋白に結合した上記糖結合蛋
白;マンノースα(1−4)マンノース又はマンノース
α(1−6)マンノースと蛋白の結合の比率が1:1か
ら100:1である上記糖結合蛋白;蛋白が血清蛋白で
ある上記糖結合蛋白;および蛋白が血清アルブミンまた
はその化学修飾体、あるいはそれらの一部である上記糖
結合蛋白が提供される。また、本発明の別の態様によれ
ば、上記の糖結合蛋白を有効成分として含む免疫抑制薬
が提供され、その好ましい態様として、抗原刺激に起因
するリンパ球増殖を抑制する上記免疫抑制薬が提供され
る。
【0005】本発明の糖結合蛋白に含まれるマンノース
は公知の物質であり、D-型およびL-型の存在が知られて
いるが、それらのいずれを用いてもよい。また、例え
ば、リン酸化等の化学修飾されたマンノースを用いても
よい。本発明の糖結合蛋白に含まれるオリゴ糖は、少な
くとも1のマンノースを含み、例えば、リンパ球の増殖
抑制に基づく免疫抑制作用を有するものである。ここで
リンパ球の増殖とは、T細胞が外来抗原を認識して増殖
することをいい、その際、インターロイキン2、インタ
ーロイキン4などの増殖因子を産生して増殖するもので
ある(その増殖はDNA 合成の際における標識チミジンの
取込み等により測定することができる)。本明細書にお
いてオリゴ糖とは、例えば、二糖類、三糖類、四糖類等
の少糖類を意味しており、好ましくは、二糖類である。
二糖ともがマンノースである場合の例として、マンノー
スα(1−4)マンノース及びマンノースα(1−6)
マンノースを挙げることができる。オリゴ糖を構成する
糖としては、少なくとも1のマンノ−スの他に、公知の
いかなる糖あるいはその化学修飾体を用いてもよく、こ
のような糖はD-型およびL-型のいずれであってもよい。
例えば、免疫抑制作用をもつ糖であるフコース、ガラク
トース、マンノース、ソルビトール、ソルボース、キシ
ロースを用いることが好ましい。オリゴ糖には、これら
の糖を任意に組み合わせて用いることができる。
【0006】本発明の糖結合蛋白は、上記のマンノース
またはオリゴ糖がペプチド又はポリペプチドである蛋白
に結合したものである。2以上のマンノースまたは2以
上のオリゴ糖がペプチド又はポリペプチドに結合してい
てもよく、1以上のマンノース及び1以上のオリゴ糖が
共に蛋白に結合した糖結合蛋白も本発明の範囲に包含さ
れる。蛋白としては、抗原性が無いか、あるいは抗原性
が低いという理由から、生体由来のものが好ましい。本
発明の糖結合蛋白をヒトに投与する免疫抑制薬として使
用する場合には、ヒト由来の蛋白を用いることが好まし
く、ヒト以外の動物投与する場合には、同種の動物に由
来する蛋白を用いることがが好ましい。また、該蛋白は
水に対して可溶性であることが好ましい。ヒトまたは哺
乳類動物由来の蛋白としては、血清、ホルモン、酵素等
を挙げることができるが、これらのうち血清蛋白が好ま
しい。血清蛋白の中では、入手容易性あるいは経済上の
理由から、血清アルブミン(血清アルブミン蛋白)が最
も好ましく用いられる。血清アルブミンは、ヒト又は、
ウシ、ウマ、ヒツジ等など哺乳類由来の血清アルブミン
を用いてもよい。また、血清アルブミンの化学修飾体や
血清アルブミンの一部分を用いることもできる。蛋白と
して遺伝子工学的または化学合成的に製造した血清アル
ブミン又はその一部を用いた糖結合蛋白も本発明の範囲
に包含される。もっとも、本発明の糖結合蛋白に用いる
ことのできる蛋白としては、これらの血清蛋白に限定さ
れるものではない。
【0007】上記のマンノースまたはオリゴ糖とペプチ
ド又はポリペプチドである蛋白との結合比率は、モル比
で1:1から100:1の間であればよく、この範囲内
で種々の比率をとることができる。本発明の糖結合蛋白
を製造するにあたり、マンノースまたはオリゴ糖とペプ
チド又はポリペプチドである蛋白とを直接結合させても
よいが、両者はリンカーを介して結合していてもよい。
このようなリンカーとしては当業者に公知のリンカ−を
用いればよく、例えば、カルボニルアルキル基[-CO-(CH
2)n - :n は整数を示す] を用いることができる。該カ
ルボニルアルキル基のアルキレン基[-(CH2) n -]は特に
限定されないが、例えばnが1から20の間のアルキレ
ンを用いることができる。例えば、カルボニルアルキル
基としてカルボニルオクチル基を挙げることができる。
【0008】本発明の好ましい態様の例として、例え
ば、二糖のオリゴ糖がリンカーであるカルボニルアルキ
ル基を介して蛋白に結合した糖結合蛋白を挙げることが
できる。これらは、下記の一般式[I] および[II]〔式
中、R1はアルキレン鎖[-(CH2) n- :n は整数を示す]
を表し、Pは蛋白を表す〕で示される糖結合蛋白であ
る。さらに、本発明の好ましい糖結合蛋白の代表例とし
て、マンノースα(1−4)マンノースまたはマンノー
スα(1−6)マンノースが血清アルブミンに結合した
糖結合蛋白を挙げることができる。これらは、それぞれ
下記の一般式[III] および[IV]で表される糖結合蛋白で
あり(式中、R1はアルキレン鎖を表し、SAは血清アル
ブミンを表す)、非還元端末のD−マンノースをα結合
で還元端末のD−マンノースのC−4位またはC−6位
に結合し、還元端末のD−マンノースをα結合によりリ
ンカーを介して血清アルブミン等の蛋白と結合したもの
である。
【0009】
【化1】 本発明の糖結合蛋白の製造方法の例として、上記の一般
式[III] で表されるマンノースα(1−4)マンノース
−血清アルブミンの製造方法を以下のスキームに示す
が、本発明の糖結合蛋白は、この糖結合蛋白に限定され
ることはない。また、本発明の糖結合蛋白の製造方法
は、下記方法に限定されることはない。
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】以下、上記スキームを参照しつつ、マンノ
ースα(1−4)マンノース−血清アルブミンの製造方
法について説明する。なお、スキーム中、R1はアルキレ
ン鎖を表し、SAは血清アルブミンを表し、R2はアルキ
ル基を表す。アルコキシカルボニルアルキル−α−D−
マンノピラノシド[V] のベンジリデン化を行なうには、
化合物[V] を無水ギ酸等の溶媒に溶解した後、R3CHO
(R3は芳香族基を表す)で示される芳香族アルデヒドを
加えて、冷却下で短時間、好ましくは0℃前後で数分間
反応させればよい。反応終了後、炭酸カリウム等を用い
て中和し、ジクロロメタン等の溶媒を用いて反応物を抽
出し、得られたアセタール体をピリジン等の溶媒に溶解
した後にアシル化剤を加え、室温で数時間〜数十時間反
応させることにより、化合物[VI](R3は芳香族基を表
し、Acはアシル基を表す)を得ることができる。アセチ
ル化剤としては無水酢酸などを用いればよい。化合物[V
I]のベンジリデン基の還元的開裂を行って化合物[VII]
を得るには、例えば、化合物[VI]を無水テトラヒドロフ
ラン等の溶媒に溶解し、モレキュラーシーブ3A等の乾燥
剤を加えた後、その溶液に還元剤と酸性化剤を加えて反
応させればよい。還元剤としては、シアノ水素化ホウ素
ナトリウム(NaBH3CN) 等を用いることができ、酸性化剤
としては塩化水素ガスを飽和させたジエチルエーテル等
を用いればよい。別法として、化合物[VI]を無水テトラ
ヒドロフラン等に溶解した後、ボラン−トリメチルアミ
ン−塩化アルミニウムを反応させることによっても化合
物[VII] を得ることができる。
【0013】上記の化合物[VII] に対して2、3、4、
6−テトラ−O−アシル−α−D−マンノピラノシルブ
ロミド[VIII]をケーニッヒス・クノール反応の条件下で
縮合させることにより化合物[IX]を得ることができる
(T.Sugawara等、Carbohydr. Res., 230, 117-149, 199
2)。例えば、化合物[VII] をジクロロメタン等の溶媒に
溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸銀等の酸受容体
とガンマコリジン等の中和剤を加えた後、この混合物を
不活性ガスで置換して0℃以下に冷却する。その後、化
合物[VIII]を加え、さらにその反応液を室温に戻して数
時間〜数十時間反応させることにより化合物[IX]を得る
ことができる。別法として、マンノースのオルトエステ
ル体を用い、酸触媒を用いて化合物[VII] に縮合させる
ことによっても化合物[IX]を得ることができる(D.S. T
sui 等、Carbohydr. Res. 156, 1-8, 1986)。
【0014】化合物[IX]の脱ベンジル化を行なには、例
えば、アルコール類等の溶媒中で、化合物[IX]と触媒の
混合物を室温で数時間〜数十時間、水素ガス気流下で撹
拌して化合物[X] を得る。その際の触媒としてはパラジ
ウムブラックなどを用いることができる。つづいて、化
合物[X] の脱アセチル化を行なうことにより化合物[XI]
を得ることができる。例えば、化合物[X] にアルコール
類等の溶媒とエステル交換剤を加え、室温で数時間〜数
十時間撹拌した後、中和剤で中和すればよい。エステル
交換剤としてはナトリウムアルコラートなどを用いるこ
とができ、中和剤としては陽イオン交換樹脂などを用い
ればよい。化合物[XI]をヒドラジト化することにより化
合物[XIII]を得ることができる。例えば、化合物[XI]を
アルコール等の溶媒に溶解して、ヒドラジンヒドラート
(H2NNH2・H2O, 化合物XII)を加え、室温で数時間〜数
十時間撹拌すればよい。
【0015】上記の化合物[XIII]をアジド体[XIV] に変
換した後、蛋白とカップリングさせることにより、本発
明の糖結合蛋白[III] を製造することができる。例え
ば、化合物[XIII]を蒸留水等に溶解して0℃前後に冷却
し、酸性化剤、好ましくは塩酸を加えて酸性にした後、
亜硝酸ナトリウム(NaNO2) を加えて数分〜数十分間室温
で反応させる。反応終了後、未反応の亜硝酸を除去する
ためにスルファミン酸アンモニウム(H2NSO3NH4) を加え
てさらに数分〜数十分間室温で放置し、続いて、その混
合溶液に血清アルブミンを含む冷却したアルカリ性水溶
液、好ましくはホウ酸緩衝溶液(pH10)を加えた
後、直ちに塩基、好ましくは水酸化ナトリウム溶液を用
いてpHを9.0前後に合わせて室温で1〜数時間撹拌す
る。反応終了後、酢酸等を用いて中和し、さらにイオン
交換クロマトグラフィーなどで精製して化合物[III] を
得ることができる。イオン交換クロマトグラフィーは、
DEAE−セルロースなどを用いればよい。目的物の確
認は、公知の方法、例えばフェノール硫酸法により血清
アルブミンに結合している糖の含量を定量することによ
り行えばよい。
【0016】本発明の糖結合蛋白の製造方法の例とし
て、マンノースα(1−6)マンノース−血清アルブミ
ン[IV]の製造方法を以下のスキームに示すが、本発明の
糖結合蛋白は、この糖結合蛋白に限定されることはな
い。アルコキシカルボニルアルキル−6−O−α−D−
マンノピラノシル−α−D−マンノピラノシド[XV]のヒ
ドラジド化反応、およびアジド体[XVII]経由による化合
物[XVI] と蛋白とのカップリング反応は、上記の方法に
従って行うことができる。
【0017】
【化2】
【0018】本発明の糖結合蛋白は免疫抑制を示すの
で、本発明の糖結合蛋白を有効成分として含む免疫抑制
薬は、以下に示す各種の免疫疾患等の治療に有用であ
る。すなわち、二糖の代表例であるマンノースα(1−
4)マンノースおよびマンノースα(1−6)マンノー
スは抗原刺激によるリンパ球増殖抑制を示すが、その作
用は弱く、抗原非特異的なリンパ球増殖抑制である。こ
れに対して、本発明の糖結合蛋白は著しく強い免疫抑制
を有しており、また、抗原特異的な免疫抑制を示すの
で、免疫抑制薬として極めて有用である。特定の理論に
拘泥するわけではないが、免疫抑制剤の作用点を、(i)
Tリンパ球が抗原を認識する抗原特異的反応の段階と(i
i)抗原認識後に続いて起こる抗原非特異的な段階とに分
けると、本発明の糖結合蛋白は、前者の過程、すなわち
Tリンパ球が抗原を認識することにより生ずる抗原特異
的反応を抑制するものと考えられる。
【0019】本発明の糖結合蛋白を含む免疫抑制薬は、
免疫抑制薬として臓器移植時の拒絶反応、慢性関節リウ
マチ、アレルギー疾患、自己免疫疾患等の予防および治
療に用いることができる。本発明の糖結合蛋白はそのま
ま免疫抑制薬として用いてもよいが、医薬組成物として
製造するには、必要により製剤上許容される担体、賦形
剤、希釈剤と混合し、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、
注射剤、座剤、軟膏剤、徐放型製剤などの剤型とすれば
よく、これらの医薬組成物は経口的または非経口的に安
全に投与することができる。非経口投与の例としては、
静脈内投与、皮下注射、経鼻投与、および直腸内投与等
を挙げることができる。上記の医薬組成物を調製するに
あたっては、当業者に公知のいかなる方法を用いてもよ
いが、製造にあたって細菌や発熱物質が存在しないよう
に注意すべきである。また、本発明の糖結合蛋白は安定
であるため、生理食塩水の溶液として保存できるほか、
マンニトール、ソルビトールを添加して凍結乾燥アンプ
ルとし、使用時に溶解して患者に投与してもよい。本発
明の糖結合蛋白の投与量は、治療の対象となる疾患や症
状、投与経路または投与方法、あるいは患者の年齢等に
応じて適宜選択されるが、一般に、体重1kgあたり1ng
〜 100mg程度を1回投与量として、1日1回〜3回程度
注射により投与するのが好適である。
【実施例】以下に示すスキームを参照しつつ、実施例に
より本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれ
らの実施例に限定されることはない。
【0020】
【化5】
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】(実施例1) [マンノースα(1−4)マンノース−B血清アルブミ
ン[a]の合成]8−メトキシカルボニルオクチル−α
−D−マンノピラノシド[b]2gを99%無水ギ酸1
0mlに溶解して0℃に冷却した後、新しく蒸留したベン
ズアルデヒド10mlを加え、0℃で5分、室温で2分攪
拌した。ただちにヘキサン160mlと30%炭酸カリウ
ム溶液60mlの混合液を冷却した溶液に激しく攪拌しな
がら注意深く加えた。血清アルブミン蛋白としては、ウ
シ血清アルブミン(B血清アルブミンと略す。シグマ社
製)を用いた。混合物にジクロロメタンを加えて有機層
と水層を分離した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥
し、溶媒を減圧留去してシロップ状物を得た。該シロッ
プ状物をピリジン10mlに溶解し、無水酢酸10mlを加
えて室温で一晩攪拌した。反応溶液を濃縮乾固し、シリ
カゲル・オープンカラムクロマトグラフィー(ベンゼン
/ジエチルエーテル)で精製し、目的とする化合物
[c]を収率56.7%で得た。同時に副産物として、ジ
ベンジリデン体を収率17.3%で得た。
【0024】化合物[c]0.75gを無水テトラヒドロ
フラン15mlに溶解し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム
1.14gとモレキュラーシーブ3A 4.5gを加えた。
この懸濁液に、塩化水素ガスを飽和させたジエチルエー
テルを一滴ずつガスの発生が止むまで加えた。反応液を
ジクロロメタンで希釈してろ過し、ろ液を水で1回、飽
和炭酸ナトリウム溶液で2回、続いて水で2回洗浄した
後、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ液をエバポレータ
ーで濃縮後、残渣をシリカゲル・オープンカラムクロマ
トグラフィー(ベンゼン/ジエチルエーテル)で精製
し、化合物[d]を収率81.0%で得た。化合物[d]
0.60gをジクロロメタン3mlに溶解し、その溶液にト
リフルオロメタンスルホン酸銀0.59gとガンマーコリ
ジン0.33mlとを加えた。この混合物をアルゴンで置換
した後、−20℃に冷却し、2、3、4、6−テトラ−
O−アセチル−α−D−マンノピラノシルブロミド0.9
4gをジクロロメタン7mlに溶解した溶液を一滴ずつ滴
下した。反応液を室温に戻して一晩撹拌した。反応液を
ジクロロメタンで希釈してろ過し、ろ液をエバポレータ
ーで濃縮した。得られた残渣をシリカゲル・オープンカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム/アセトン)で
精製して化合物[e]を収率72.6%で得た。
【0025】無水メタノール10ml中で塩化パラジウム
0.20gを水素ガス気流下2時間撹拌し、パラジウムブ
ラックとした。上記パラジウムブラック触媒、化合物
[e]0.3g、及び蒸留メタノール10mlの混合物を室
温で21時間にわたり水素ガス気流下で撹拌した。パラ
ジウムブラックをろ別し、ろ液をエバポレーターで濃縮
した後、得られた残渣をシリカゲル・オープンカラムク
ロマトグラフィー(クロロホルム/アセトン)で精製
し、化合物[f]を収率90.8%で得た。化合物[f]
171.5mgに無水メタノール2mlおよび0.5N ナトリ
ウムメトキシド0.3mlを加え、密栓して室温で一晩撹拌
した。イオン交換樹脂アンバーライトIR−120(H
+ )で中和し、濃縮乾固して化合物[g]を収率85.3
%で得た。化合物[g]20.5mgを無水メタノール2ml
に溶解し、ヒドラジンヒドラート0.18mlを加え、室温
で一晩撹拌した。反応液を濃縮し、残渣をシリカゲル・
オープンカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メ
タノール)で精製して化合物[h]を収率97.1%で得
た。
【0026】化合物[h]19.9mgを0.5mlの水に溶か
し、氷上で冷却した。この溶液に冷却した4N塩酸70
μlと亜硝酸ナトリウム8.7mgとを加えた。室温で15
分間放置した後、スルファミン酸アンモニウムを14.4
mg加えて、さらに15分間室温で放置した。この混合溶
液を、50mgのB血清アルブミンを含む冷却した0.4N
ホウ酸緩衝液(pH10)1mlに加えた。直ちにpHを
4N水酸化ナトリウム溶液で9.0〜9.5に合わせ、室温
で一時間撹拌した。撹拌終了後、反応液を0.1N酢酸で
中和して蒸留水に対して4日間透析した。透析後の反応
液を凍結乾燥して得られた不定形の粉末をDE52イオ
ン交換クロマトグラフィーで精製した(吸着緩衝液:0.
02Nリン酸緩衝液pH6.0、溶出緩衝液:1N塩化ナ
トリウムを含む0.02Nリン酸緩衝液pH6.0)。溶出
分画をフェノール−硫酸法および280nmにおける吸
光度で検定し、陽性の分画を集めてアミコンを用いて脱
イオン化し、溶出液を凍結乾燥して吸湿性のある不定形
の粉末の化合物[a]41.6mgを得た。フェノール硫酸
法により糖の含量を測定したところ、1分子のB血清ア
ルブミンあたり8.2残基のマンノースα(1−4)マン
ノースが結合していることが示された
【0027】(実施例2) [マンノースα(1−6)マンノース−血清アルブミン
[i]の合成]8−メトキシカルボニルオクチル−6−
O−α−D−マンノピラノシル−α−D−マンノピラノ
シド[j]98.4mgを無水メタノール10mlに溶解
し、ヒドラジンヒドラート0.9mlを加えて室温で一晩撹
拌した。反応液を濃縮し、シリカゲル・オープンカラム
クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精
製し、化合物[k]を収率93%で得た。
【0028】化合物[k]102.9mgを2mlの水に溶解
して氷上で冷却した。この溶液に冷却した4N塩酸28
0μlと亜硝酸ナトリウム34.8mgとを加えた。室温
で15分間放置した後、スルファミン酸アンモニウム5
7.7mgを加えて、さらに15分間室温で放置した。その
混合溶液を70mgの血清アルブミンを含む冷却した0.4
Nホウ酸緩衝液(pH10)1mlに加えた。ただちに、
4N水酸化ナトリウム溶液で溶液のpHを9.0〜9.5に
合わせ、室温で一時間攪拌した。攪拌終了後、反応液を
0.1N酢酸で中和し、蒸留水に対して4日間透析した。
透析後の反応液を凍結乾燥して得られた不定形の粉末を
DE52イオン交換クロマトグラフィーで精製した(吸
着緩衝液:0.02Nリン酸緩衝液pH6.0、溶出緩衝
液:1N塩化ナトリウムを含む0.02Nリン酸緩衝液p
H6.0)。溶出分画をフェノール硫酸法および280n
mにおける吸光度で検定し、その波長に吸収のある分画
を集めた。その分画をアミコンを用いて脱イオン化し、
溶出液を凍結乾燥して吸湿性のある不定形の粉末の化合
物[i]70.4mgを得た。フェノール硫酸法により糖の
含量を測定したところ、1分子のB血清アルブミンあた
り9.7残基のマンノースα(1−6)マンノースが結合
していることが示された
【0029】(試験例1) [抗原特異的リンパ球増殖抑制試験]健常成人よりヘパ
リン加採血した血液を200×gで5分間遠心してバッ
フィーコート(白血球画分)を得た。フィコールハイパ
ック(ファルマシア製)を用いてこの画分から単核球を
分離し、ハンクス緩衝液(ニッスイ製)で2回洗浄した
後、10%自己血清、100U/mlペニシリンG(萬有
製薬製)、100μg/mlストレプトマイシン(明治製
菓製)、15mMヘペス(ナカライテスコ製)を含むR
PMI1640培地(シグマ社製)に懸濁した。このよ
うにして得た細胞を96穴平底培養プレート(ファルコ
ン製)に2×105 個/ウエルとなるようにまいた。各
ウエルに50μlのマンノース2量体溶液又はマンノー
ス2量体−B血清アルブミン結合物溶液、リンカーを結
合したマンノース2量体溶液、およびB血清アルブミン
溶液を糖濃度としての最終濃度が10-2Mから10-5
になるように加えた。2量体の濃度は、結合体上に含ま
れている糖含量からを求めた。その後、50μlのPP
D(三井製薬製)溶液を最終濃度50μg/mlになるよ
うに加えて、37℃の炭酸ガスインキュベーター中で6
日間培養した。培養終了日に18.5kBqの[3H]チミ
ジン(デュポン製)を加え、さらに4.5時間培養した
後、細胞をフィルター上に回収して、取り込まれた放射
活性を測定した。結果を表1及び表2に示す。
【0030】
【表1】 ────────────────────────────────── 3H−TdR取込み(dpm) 濃度(M) 被検薬 0 10-5M 10-4M 10-3M 10-2M ────────────────────────────────── Man α(1-6)Man 78377 82990 78436 72976 10456 Man α(1-6)Man-C9 79315 66216 36208 548 Man α(1-4)Man-C9 73326 35972 462 ────────────────────────────────── Man α(1-6)Man-C9: 8-メトキシカルボニルオクチル-6-O- α-D- マンノピラノ シル- α-D- マンノピラノシド Man α(1-4)Man-C9: 8-メトキシカルボニルオクチル-4-O- α-D- マンノピラノ シル- α-D- マンノピラノシド
【0031】
【表2】 ────────────────────────────────── 3H−TdR取込み(dpm) 濃度(M) 被検薬 0 1.4x10-8 1.4x10-7 1.4x10-6 1.4x10-5 ────────────────────────────────── SA 78977 71228 96043 79939 77656 Man α(1-6)Man-SA 61429 80120 65475 35409 Man α(1-4)Man-SA 89398 74559 80739 10865 ────────────────────────────────── SA : 血清アルブミン Man α(1-6)Man-SA: マンノースα(1-6) マンノース血
清アルブミン結合体 Man α(1-4)Man-SA: マンノースα(1-4) マンノース血
清アルブミン結合体 2糖及び2糖にリンカ−を結合したものは、10-2で抗
原特異的リンパ球増殖を抑制した。2糖と血清アルブミ
ンとの結合体である本発明の糖結合蛋白は、抗原特異的
リンパ球増殖を1.4×10-5Mで抑制した。
【0032】(試験例2) [インタ−ロイキン2依存性細胞増殖抑制試験]インタ
−ロイキン2依存性細胞のNK3をハンクス緩衝液で2
回洗浄した後、10%牛胎児血清(ボックネック製)、1
00U/mlペニシリンG(萬有製薬)、100μg/ml
ストレプトマイシン(明治製菓製)、15mMヘペス
(ナカライテスコ製)、および100U/mlインターロ
イキン2(塩野義製薬製)を含むRPMI1640培地
(シグマ製)に懸濁した。細胞を96穴平底培養プレート
(ファルコン製)に104 個/ウエルとなるようにまい
た。ウエルに50μlのマンノース2量体溶液またはマ
ンノース2量体−B血清アルブミン結合物溶液、リンカ
ーを付けたマンノース2量体溶液、およびB血清アルブ
ミン溶液を最終濃度が10-2Mから10-5Mとなるよう
に加え、37℃の炭酸ガスインキュベーター中で3日間
培養した。培養終了日、MTT法(T. Mossman, J. Immu
nol. Method.,65, 55-63, 1983)によって細胞の増殖を
測定した。結果を表3及び表4に示す。
【0033】
【表3】 ───────────────────────────────── 595 nmにおける吸光度 濃度(M) ───────────────────────────────── 被検薬 0 10-5 10-4 10-3 10-2 ───────────────────────────────── Man α(1-6)Man 0.557 0.557 0.547 0.563 0.390 Man α(1-6)Man-C9 0.524 0.520 0.534 0.011 Man α(1-4)Man-C9 0.518 0.526 0.520 0.070 ─────────────────────────────────
【0034】
【表4】 ───────────────────────────────── 595 nmにおける吸光度 濃度(M) ───────────────────────────────── 被検薬 0 1.4x10-8 1.4x10-7 1.4x10-6 1.4x10-5 ───────────────────────────────── SA 0.557 0.551 0.563 0.548 0.543 Man α(1-6)Man-SA 0.516 0.522 0.521 0.509 Man α(1-4)Man-SA 0.537 0.547 0.500 0.547 ─────────────────────────────────
【0035】二糖及び二糖にリンカーを結合したもの
は、10-2Mで抑制を示した。2糖を血清アルブミンに
結合させた本発明の糖結合蛋白は、抑制を示さなかっ
た。
【発明の効果】本発明の糖結合蛋白は、抗原特異的な強
い免疫抑制を示し、かつ抗原非特異的な免疫抑制が低減
されているので、免疫抑制の選択性が高く、低投与量に
おいても十分な効果が得られる免疫抑制薬として有用で
ある。本発明の糖結合蛋白を有効成分として含む免疫抑
制薬は、免疫抑制薬として臓器移植時の拒絶反応、慢性
関節リウマチ、アレルギー疾患、自己免疫疾患等の予防
および治療に有用である。
【化4】

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンノースまたは少なくとも1のマンノ
    ースを含むオリゴ糖が蛋白に結合した糖結合蛋白。
  2. 【請求項2】 マンノースまたはオリゴ糖がリンカーを
    介して蛋白に結合した請求項1記載の糖結合蛋白。
  3. 【請求項3】 リンカーがカルボニルアルキル基である
    請求項2記載の糖結合蛋白。
  4. 【請求項4】 リンカーがカルボニルオクチル基である
    請求項2または3に記載の糖結合蛋白。
  5. 【請求項5】 二糖が蛋白に結合した請求項1記載の糖
    結合蛋白。
  6. 【請求項6】 マンノースα(1−4)マンノース又は
    マンノースα(1−6)マンノースが蛋白に結合した請
    求項5記載の糖結合蛋白。
  7. 【請求項7】 マンノースα(1−4)マンノース又は
    マンノースα(1−6)マンノースと蛋白の結合の比率
    が1:1から100:1である請求項6記載の糖結合蛋
    白。
  8. 【請求項8】 蛋白が血清蛋白である請求項1ないし7
    のいずれか1項に記載の糖結合蛋白。
  9. 【請求項9】 蛋白が血清アルブミンまたはその化学修
    飾体、あるいはそれらの一部である請求項8記載の糖結
    合蛋白。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれか1項に記
    載の糖結合蛋白を有効成分として含む免疫抑制薬。
  11. 【請求項11】 抗原刺激に特異的に起因するリンパ球
    増殖を抑制する請求項10記載の免疫抑制薬。
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