JPH07101702A - 中圧連続式ガス化装置 - Google Patents

中圧連続式ガス化装置

Info

Publication number
JPH07101702A
JPH07101702A JP5247059A JP24705993A JPH07101702A JP H07101702 A JPH07101702 A JP H07101702A JP 5247059 A JP5247059 A JP 5247059A JP 24705993 A JP24705993 A JP 24705993A JP H07101702 A JPH07101702 A JP H07101702A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
reaction
raw material
gas
tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5247059A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2555265B2 (ja
Inventor
Akiyoshi Asaki
明美 浅木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP5247059A priority Critical patent/JP2555265B2/ja
Publication of JPH07101702A publication Critical patent/JPH07101702A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2555265B2 publication Critical patent/JP2555265B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y02P20/121

Abstract

(57)【要約】 【構成】 反応管12を内管体22および外管体21にて同軸
状に二重管構造に形成する。混合ガス1dをバーナーにて
効率よく加熱させるため、硫化物変質室37、脱硫室38、
メタネーション室39を、上方に向けて内管体22の軸方向
に区画形成する。大きな反応熱を必要とする水蒸気改質
反応を行う改質室40を、バーナーにて加熱する外管体21
と内管体22との間に形成する。混合ガス1dをガス化させ
る流路に沿って流入口31側から流出口23に、硫化物変質
室37、脱硫室38、メタネーション室39、改質室40を順次
形成する。 【効果】 目的に応じた各触媒反応を効率よく確実に進
行できる。1つの反応塔7で、水添反応、脱硫反応、原
料の分解およびメタン合成反応、水蒸気改質反応がで
き、熱損失を押さえ製造コストが低減できる。反応塔7
を複数設ける必要がなく、装置が簡略小型化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブタン(C4 10)や
ナフサなどの原料を脱硫後、水蒸気との混合によるニッ
ケル系の改質触媒にて水素ガスを主成分とするガスに改
質する中圧連続式ガス化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ブタン(C4 10)やナフサなど
の原料から発熱量が4500kcal/Nm3 前後の中圧ガス
を製造する中圧連続式ガス化装置としては、例えば図3
に示す原料の脱硫、改質、CO変成(一酸化炭素変
成)、熱回収の4部門から構成されたICI(Imperial
Chemical Industries)式が知られている。
【0003】この図3に示すICI式の中圧連続式ガス
化装置は、約10kgf/cm3 に加圧された原料61a に、製
造されたガスの一部のリサイクルガス61b を水添用水素
源として混合し、加熱器62にて約350℃に加熱する。
そして、加熱されたガス61dは、ZnO(酸化亜鉛)系
吸着剤63a の充填された脱硫器64に流入し、原料61a中
の硫化水素(H2 S)を吸着除去する。さらに、コバル
ト−モリブデン(Co−Mo)系水添触媒(COMO
X)65a が上流側に充填された脱硫器66に流入し、リサ
イクルガス61b の水素(H2 )により原料61a 中の有機
硫黄化合物を飽和炭化水素(Cn 2n+2)およびH2
に反応し、脱硫器66の下流側のZnO系吸着剤63a に硫
化水素を吸着除去し、原料61a を脱硫する。
【0004】次に、脱硫された原料61a に加熱した水蒸
気(H2 O)61c を所定の割合で混合し、ニッケル(N
i)系改質触媒67a が充填された反応管68に流入する。
なお、このニッケル系改質触媒67a による水蒸気改質反
応は、大きな吸熱反応であるため、反応管68の外部は、
原料61a のナフサおよびブタンの一部を燃料とする図示
しないバーナーなどにて加熱する。
【0005】そして、反応管68に流入した原料61a は、
n 2n+2がH2 Oとにて一酸化炭素(CO)とH2
に反応するとともに、この生成されたCO、原料61a 中
およびリサイクルガス61b 中のCOおよび二酸化炭素
(CO2 )が、H2 および水蒸気61c のH2 Oとにてメ
タン(CH4 )およびCO2 に反応する。なお、これら
の反応は、温度、圧力、水蒸気比などにより生成量が決
定される。そして、H2を主成分とするCH4 、C
2 、COを含有した所定の組成のガス61e に改質され
る。
【0006】この後、改質されたガス61e は、廃熱ボイ
ラー69にて約350℃に冷却し、鉄−クロム(Fe−C
r)系触媒70a が充填されたCO変成器71に流入し、こ
のFe−Cr系触媒70a にてガス61e 中のCOを残留す
る水蒸気61c によりCO2 とH2 とに反応し、COを低
減させる。
【0007】そして、この変成されたガス61f を気水分
離し、空気で希釈して約4500kcal/Nm3 にガス61f
の発熱量を調整して供給ガス61g を製造し、冷却器72に
て冷却して圧力調整弁73にて約7kgf/cm2 に減圧し、貯
蔵タンクに貯蔵する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の中圧連続式ガス化装置において、原料61a を一端高
圧に加圧して製造し、減圧してガス61g を供給するた
め、圧力の上下により製造効率が低下する問題がある。
【0009】また、目的に応じた触媒反応を効率よく確
実に行わせるため、原料61a を所定の温度域に加熱する
必要がある。このため、種々の触媒63a ,65a ,67a ,
70aをそれぞれ充填した脱硫器64,66、反応管68などの
複数の設備を設けなければならず、装置が大型化すると
ともに、図示しないバーナーなどの加熱手段、熱回収手
段などの設備の構造も複雑化し、さらに装置が大型化す
る問題がある。
【0010】一方、COをH2 およびH2 OとにてCH
4 およびCO2 に反応させるメタネーション反応は、発
熱反応であり、Cn 2n+2をH2 OにてCOおよびH2
に反応させる水蒸気改質反応は、吸熱反応である。そし
て、メタネーション反応は、水蒸気改質反応より若干低
い温度域で進行する。しかしながら、改質を行う反応管
にて、メタネーション反応と水蒸気改質反応とが平行し
て行われるので、反応管をバーナーにて加熱する熱効率
が低下するとともに、反応効率が低下する問題もある。
【0011】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たもので、構造が簡略小型化するとともに、効率よく安
価にガス化できる中圧連続式ガス化装置を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の中圧連続式ガス
化装置は、原料を脱硫後、水蒸気を混合し、ニッケル系
の改質触媒にて水素ガスを主成分とするガスに改質する
外周が加熱される反応管と、この反応管からのガス中の
炭酸ガスを変成する変成器とを備えた中圧連続式ガス化
装置において、前記反応管は、原料が流入する流入口
と、この流入口から流入した原料を脱硫する触媒を有す
る脱硫室と、この脱硫室から流入した原料をメタンに反
応させる触媒を有するメタネーション室と、このメタネ
ーション室から流入した原料を混合された水蒸気とにて
水素に水蒸気改質させる改質触媒を有する改質室と、こ
の改質室に連通し水蒸気改質されたガスが流出する流出
口とを備え、前記脱硫室、前記メタネーション室および
改質室は、同軸状に配設した少なくとも二重管構造に形
成されたものである。
【0013】
【作用】本発明の中圧連続式ガス化装置は、原料を脱硫
する脱硫室、原料をメタン化するメタネーション室、原
料を水蒸気改質する改質室を、各触媒反応の温度域順に
加熱される外周方向に従って、原料の流入する流入口か
ら下流側に向けて同軸状の二重管以上の構造に配設した
ので、熱効率が向上しガス化が安価となるとともに、一
つの反応管にて脱硫、メタネーション、水蒸気改質を行
うことができ、装置が簡略小型化する。
【0014】
【実施例】本発明の中圧連続式ガス化装置の一実施例を
図面を参照して説明する。
【0015】図1において、1は原料タンクで、この原
料タンク1には、ブタン(C4 10)やナフサなどの原
料1aが、例えば約7kgf/cm2 の中圧で液体で貯蔵されて
いる。そして、原料タンク1には、管体2内に液体の原
料が流通される内管3を設けた二重管構造の熱交換装置
4が接続され、この熱交換装置4の内管3を液体の原料
が流過して気化される。
【0016】また、この熱交換装置4の内管3には、原
料混合装置5が接続され、この原料混合装置5により、
原料1aに水蒸気(H2 O)1cおよび製造されたガスの一
部である水添用水素源となるリサイクルガス1bを、例え
ば原料1a、水蒸気(H2 O)1c、リサイクルガス1b中の
水素(H2 )との比が、10:30:1の比となるよう
に混合する。なお、リサイクルガス1bは、原料混合装置
5に接続されたキャリヤーガスタンク6に製造されたガ
スの一部が、例えば約7kgf/cm2 の中圧でリサイクルガ
ス1bとして貯蔵されている。さらに、この原料混合装置
5には、反応塔7が接続されている。
【0017】そして、この反応塔7は、図1および図2
に示すように、内壁に耐火物9が設けられた加熱室10を
設けた中空の窯体11と、この窯体11内の加熱室10に配設
された反応管12とから構成されている。
【0018】また、窯体11には、下端外周縁に設けた窯
口14に図示しないバーナーが配設され、バーナーからの
燃焼ガス15が窯口14から加熱室10を通って上端外周縁に
設けた排気口16から流出するように円柱状に形成され、
軸方向を上下方向に沿って設置されている。さらに、窯
体11の上端には、反応管12が挿入されて設置される施工
窓17が開口され、蓋体18にて常時閉塞した状態となって
いる。また、窯体11の下端には、反応管12の一端が嵌挿
される装着口19が開口形成されている。
【0019】一方、反応管12は、略円柱状で中空の外管
体21と、この外管体21内に同軸状に配設された円筒状の
内管体22とから構成されている。そして、外管体21の下
端には、下方に同軸状に突出し窯体11の装着口19に嵌着
される下方に流出口23を開口する円筒状の装着部24が形
成されている。さらに、外管体21の外周面には、バーナ
ーからの燃焼ガス15にて反応管12が均一に加熱されるよ
うに、スパイラル状に制風壁25が形成されている。ま
た、外管体21の内側下部近傍には、略中央に通孔27が穿
設され、内管体22を載置し支持する通気可能な支持板28
が設けられている。さらに、この装着部24の下端には、
T字管状のジョイント部29が下方および側方に開口する
ように取り付けられている。
【0020】また、内管体22の下端には、原料混合装置
5からの混合ガス1dが流入する流入口31を開口する流入
管32が、下方に突出して同軸状に設けられ、この流入管
32は、外管体21の支持板28の通孔27に嵌挿され、内管体
22の下端面が支持板28の上面に当接して支持されるよう
になっている。そして、流入管32の下端近傍には、周縁
がジョイント部29の下端の開口縁に取り付けられる環状
の閉塞板33が、ジョイント部29の下端の開口を閉塞して
取り付けられている。
【0021】さらに、内管体22の内側には、軸方向に区
画する通気可能な円板状の触媒受35が3か所設けられ、
流入管32が設けられた下端側から、流入室36、硫化物変
質室37、脱硫室38、メタネーション室39が区画形成され
ている。
【0022】そして、流入室36は、流入管32より流入し
た混合ガス1dが、内管体22内を内管体22の断面において
略均一に通過するように、中空状態に形成されている。
【0023】また、硫化物変質室37には、コバルト−モ
リブデン(Co−Mo)系水添触媒(COMOX)37a
が充填され、このCOMOX37a により原料1a中の不飽
和炭化水素をリサイクルガス1bのH2 により飽和炭化水
素(Cn 2n+2)に反応させるとともに、原料1a中の有
機硫黄化合物をCn 2n+2およびH2 Sに反応させる。
【0024】さらに、脱硫室38には、混合ガス1d中の硫
化水素(H2 S)を吸着除去するZnO(酸化亜鉛)系
吸着剤38a が充填されている。
【0025】そして、メタネーション室39には、ニッケ
ル(Ni)系触媒39a が充填され、原料1a中のCn
2n+2をリサイクルガス1bのH2 によりメタン(CH4
に分解するとともに、原料1a中およびリサイクルガス1b
中の一酸化炭素(CO)および二酸化炭素(CO2
が、H2 および水蒸気1cのH2 Oとにてメタン(C
4 )およびCO2 に反応させる。
【0026】また、内管体22の外周面と外管体21の内周
面との間には、ニッケル(Ni)系触媒40a が充填され
た改質室40が形成され、原料1aのCn 2n+2およびCH
4 を混合された水蒸気1cのH2 OによりCOおよびH2
に反応される。
【0027】そして、反応管12の流出口23に連通するジ
ョイント部29の側方の開口には、熱交換装置4の管体2
下部に接続され、反応管12から流出する混合ガス1dを、
内管3を流過する液体の原料1aを気化させる熱交換によ
り冷却させる。
【0028】さらに、この熱交換装置4には、円筒状の
変成器42が接続されている。そして、この変成器42内に
は、軸方向に上端より第1変成室43、冷却室44、第2変
成室45が区画形成されている。また、第1変成室43に
は、鉄−クロム(Fe−Cr)系触媒43a が充填され、
このFe−Cr系触媒43a にて混合ガス1d中のCOを残
留する水蒸気1cによりCO2 およびH2 に反応させ、C
Oを低減する。そして、冷却室44は、冷却水46が流過す
る内管47が配設され、混合ガス1dが冷却水46との熱交換
により冷却される。さらに、第2変成室45には、銅−亜
鉛(Cu−Zn)系触媒45a が充填され、混合ガス1d中
に残留するCOを水蒸気によりCO2 およびH2 に反応
させ、さらにCOを低減させる。
【0029】そして、この変成器42には、冷却水46が流
過する内管48が配設された冷却器49に接続され、混合ガ
ス1dが冷却水46との熱交換により冷却される。
【0030】さらに、この冷却器49には、貯蔵タンク50
が接続され、冷却器49にて冷却された混合ガス1dを例え
ば約7kgf/cm2 の中圧のまま貯蔵する。
【0031】また、冷却器49と貯蔵タンク50との間に
は、冷却器49から流出する混合ガス1dの発熱量を制御す
る制御手段51が設けられている。そして、この制御手段
51は、混合ガス1dの発熱量を検知するカロリーメータ52
と、このカロリーメータ52により原料タンク1からの原
料1aを気化させ混合ガス1dに所定量混合させる混合器53
とから構成されている。
【0032】一方、55はボイラーで、このボイラー55
は、原料タンク1の原料1aの一部を燃料として、水を水
蒸気1cに蒸発させ約7kgf/cm2 の中圧で供給するように
なっている。
【0033】さらに、56は排ガス熱交換装置で、この排
ガス熱交換装置56は、円筒状に形成され、一端が反応塔
7の窯体11の排気口16に接続され、他端がボイラー55に
接続されて、反応塔7からの燃焼ガス15の排ガスがボイ
ラーの原料を燃焼させる二次空気として利用される。ま
た、この排ガス熱交換装置56は、熱交換装置4と同様に
内管57が配設され、この内管57は、ボイラー55に接続さ
れ、ボイラー55らの水蒸気1cが流通可能になっている。
そして、内管57を流通する水蒸気1cは、反応塔7からの
排ガスから熱交換されて加熱される。さらに、排ガス熱
交換装置56の内管57は、原料混合装置5に接続され、原
料1aに水蒸気1cを混合するようになっている。
【0034】次に、上記実施例のガス化の動作について
説明する。
【0035】原料タンク1内の約7kgf/cm2 の液体の原
料1aであるブタン(C4 10)を、熱交換装置4の内管
3に流入させ、熱交換装置4の管体2内を流過する混合
ガス1dとの熱交換により、気化させ加熱する。一方、ボ
イラー55にて約7kgf/cm2 の中圧の水蒸気(H2 O)1c
を発生させ、さらにこのH2 O1cを排ガス熱交換装置4
にて加熱する。
【0036】そして、この気化・加熱されたC4 10
ス1aを原料混合装置5に流入させ、このC4 10ガス1a
にキャリヤーガスタンク6内の約7kgf/cm2 のリサイク
ルガス1bおよびボイラー55からのH2 O1cを、C4 10
1a、H2 O1c、リサイクルガス1b中の水素(H2 )との
比が、10:30:1の比となるように混合する。
【0037】次に、混合されたガス1dを、反応塔7の反
応管12の流入口31より流入管32を介して内管体22内の流
入室36に流入させる。なお、反応塔7は、原料タンク1
のC4 101aを燃料とする図示しないバーナーにて窯体
11の加熱室10内が約880℃に加熱されている。
【0038】なお、バーナーの燃焼ガス15は、加熱室10
から排気口16を介して排ガス熱交換装置56に流入し、排
ガス熱交換装置56の内管57を流過するボイラー55から発
生したH2 O1cを熱交換により加熱した後、ボイラー55
の二次空気およびバーナーの二次空気として再び利用さ
れ、ボイラー55の排ガスは、図示しない排ガス処理装置
にて処理され排気される。
【0039】そして、この流入室36に流入した混合ガス
1dは、約350〜400℃に加熱されつつ流入室36の上
方の硫化物変質室37に流入し、この硫化物変質室37に充
填されたコバルト−モリブデン(Co−Mo)系水添触
媒(COMOX)37a により、混合ガス1d中の不飽和炭
化水素をリサイクルガス1bのH2 により飽和炭化水素
(Cn 2n+2)に反応させるとともに、有機硫黄化合物
をCn 2n+2および硫化水素(H2 S)に反応させる水
添反応を行う。
【0040】さらに、硫化物変質室37を流過した混合ガ
ス1dは、上方の脱硫室38に流入し、約400〜500℃
に加熱されつつ、脱硫室38に充填されたZnO(酸化亜
鉛)系吸着剤38a により、混合ガス1d中のH2 Sの硫黄
(S)がZnO系吸着剤38aのZnと吸着して硫化亜鉛
(ZnS)となり、H2 SのH2 がZnO系吸着剤38a
の酸素(O)と結合してH2 Oを生成する、下式に示す
脱硫反応、 ZnO + H2 S → ZnS + H2 O が生じる。
【0041】そして、脱硫された混合ガス1dは、上方の
メタネーション室39に流入し、メタネーション室39に充
填されたニッケル(Ni)系触媒39a により、混合ガス
1d中のCn 2n+2の一部をリサイクルガス1bのH2 によ
りメタン(CH4 )に分解するとともに、混合ガス1d中
およびリサイクルガス1b中の一酸化炭素(CO)および
二酸化炭素(CO2 )が、H2 およびH2 Oとにてメタ
ン(CH4 )およびCO2 に反応される、下式に示す分
解およびメタン合成反応(メタネーション)、 Cn 2n+2 + (n−1)H2 → nCH4 CO + 3H2 → CH4 + H2 O CO + H2 O → CO2 + H2 CO2 + 4H2 → CH4 + 2H2 O が進行する。
【0042】なお、メタン合成反応は、発熱反応であ
り、バーナーからの加熱とともに発熱反応により、混合
ガス1dの温度は約550〜600℃まで上昇する。
【0043】次に、メタネーション室39を流過し、内管
体22の上端より外管体21の上部に流出した混合ガス1d
は、内管体22と外管体21との間の改質室40に流入する。
そして、混合ガス1dは、バーナーにて加熱されつつこの
改質室40に充填されたNi系触媒40により、混合ガス1d
中のCn 2n+2およびCH4 を水蒸気1cのH2 OにてC
OおよびH2 に反応される、下式に示す水蒸気改質反
応、 Cn 2n+2 + nH2 O → nCO + (2n+
1)H2 CH4 + H2 O → CO + 3H2 が進行する。
【0044】この後、改質室40を流過した混合ガス1d
は、バーナーからの加熱により約750℃にまで加熱さ
れ、反応管12の流出口23からジョイント部29を介して熱
交換装置4に流入する。そして、混合ガス1dは、熱交換
装置4の内管3を流過する液体の原料1aのC4 10を気
化させ、この熱交換により混合ガス1dの温度は約400
〜450℃にまで冷却される。
【0045】さらに、冷却された混合ガス1dは、変成器
42に流入し、この変成器42内の鉄−クロム(Fe−C
r)系触媒43a が充填された第1変成室43を流過する。
この流過の際に、Fe−Cr系触媒43a にて混合ガス1d
中のCOが、残留する水蒸気1cのH2 OによりCO2
よびH2 に反応される、下式に示すCO変成反応、 CO + H2 O → CO2 + H2 が生じ、CO濃度が低減される次に、混合ガス1dは、第
1変成室43から冷却室44に流入し、冷却室44に配設され
た内管47を流過する冷却水46との熱交換により、約20
0℃にまで冷却され、銅−亜鉛(Cu−Zn)系触媒45
a が充填された第2変成室45に流入する。そして、混合
ガス1dは、このCu−Zn系触媒45a でCO変成反応に
より、残留するCOを残留する水蒸気1cのH2 OにてC
2 およびH2 に反応させ、さらにCO濃度が低減され
る。
【0046】そして、CO変成された混合ガス1dは、冷
却器49に流入し、冷却器49内に配設された内管48を流過
する冷却水46との熱交換により、さらに冷却される。
【0047】この後、混合ガス1dは、制御手段51のカロ
リーメータ52にて発熱量が検出され、発熱量が約450
0kcal/Nm3 となるように、混合器49にて原料タンク1
からのC4 101aを気化させたガスおよび空気を混合ガ
ス1dに所定量混合し、発熱量を制御した混合ガス1dは、
貯蔵タンク50に約7kgf/cm2 の中圧のまま、H2 を主成
分とするCH4 、CO2 、COを含有した所定の組成の
製造ガスとして貯蔵される。
【0048】なお、変成器42の冷却室44および冷却器49
にて熱交換された冷却水46は、ボイラー55にて発生され
る水蒸気(H2 O)1cの水源として利用される。
【0049】次に、上記実施例の作用を説明する。
【0050】反応塔7において、硫化物変質室37内のC
OMOX47a による水添反応は、約350〜400℃で
効率よく行われる。また、脱硫室38内のZnO系吸着剤
38aによる脱硫反応は、約400〜500℃で効率よく
行われる。さらに、メタネーション室39内のNi系触媒
39a によるCn 2n+2のCHへの分解およびメタン合
成反応は、約500〜600℃で効率よく行われる。ま
た、改質室40内のNi系触媒40a による水蒸気改質反応
は、約600〜750℃で効率よく行われる。
【0051】したがって、反応管12を内管体22および外
管体21にて同軸状に二重管構造に形成し、硫化物変質室
37、脱硫室38、メタネーション室39を、内管体22内を混
合ガス1dが窯体11の下部に配設したバーナーにて効率よ
く加熱されるように、上方に向けて内管体22の軸方向に
区画形成し、さらに、大きな反応熱を必要とする吸熱反
応である水蒸気改質反応を行う改質室40を、バーナーに
て加熱される外管体21と内管体22との間に形成し、流入
口31側から流出口23に、硫化物変質室37、脱硫室38、メ
タネーション室39、改質室40を順次形成したため、目的
に応じた各触媒反応を効率よく確実に進行させることが
できる。
【0052】さらに、1つの反応塔7で、水添反応、脱
硫反応、原料の分解およびメタン合成反応、水蒸気改質
反応を行うことができ、熱損失を抑え製造コストが低減
できるとともに、各触媒反応を個々に行わせるための個
別の反応塔7を複数設ける必要がなく、装置が簡略小型
化し、装置の施工も容易にできる。
【0053】また、改質室40にて水蒸気改質反応を行う
前に、メタネーション室39にてCn2n+2のCH4 に分
解させるとともに、発熱反応であるメタン合成反応を行
わせている。このため、高級の飽和炭化水素から水蒸気
改質を行うよりも低級のメタンからの水蒸気改質を行う
ほうが容易であり、吸熱反応の水蒸気改質反応に必要な
反応熱を低減できるとともに、発熱反応であるメタン合
成反応からの発熱により、混合ガス1dの水蒸気改質に反
応熱を供給するバーナーの燃焼量も低減でき、製造コス
トを低減できる。
【0054】さらに、反応管12の外管体21の外周面にス
パイラル状の制風壁25を設けたため、バーナーの燃焼ガ
スは、この制風壁25により反応管12の回りをスパイラル
状に窯体11の加熱室10の上方に流過するので、反応管12
の加熱が略均一にでき、目的の触媒反応を効率よく確実
に進行させることができる。
【0055】また、従来のように、原料1aを一端高圧に
加圧してガスを製造し、この混合ガス1dを減圧して供給
する圧力上下を行わないので、圧力操作による設備を必
要とせず、製造効率を向上でき、製造コストを低減でき
る。
【0056】そして、原料混合装置5を設け、反応管12
に流入される原料1aのC4 10に製造される発熱量に相
当するように、H2 OおよびH2 を所定量混合し、圧力
の上下操作を行わずに反応させるので、原料組成が異な
っても容易に対応でき、容易に所望の発熱量の組成を有
した製造ガスを製造でき、製造操作が容易にできる。
【0057】また、窯体11の下端に装着口19を形成する
とともに、上端に施工窓17を開口形成し、施工窓17より
反応管12を挿入し、装着口19に反応管12の一端を嵌挿し
て反応管12を装着するので、反応管12に充填された各種
触媒の交換などの反応管12の保守管理や、窯体11の加熱
室10の清掃および耐火物9の補修などの窯体11の保守管
理が容易にできる。
【0058】なお、上記実施例において、反応管12を二
重管構造に形成したが、多重管構造、例えば内管体22内
に硫化物変質室37、脱硫室38を形成し、この内管体22を
同軸状に内包する中管体と内管体との間にメタネーショ
ン室39を形成し、さらに、この中管体を同軸状に内包す
る外管体21と中管体との間に改質室40を形成した三重管
構造でも、同様の効果が得られる。さらに、二重管構造
の反応管12を、内管体22内に硫化物変質室37、脱硫室38
を配設し、この内管体22を同軸状に内包する外管体21と
内管体22との間に、メタネーション室39、改質室40を配
設して形成してもよい。
【0059】
【発明の効果】本発明の中圧連続式ガス化装置によれ
ば、原料を脱硫する脱硫室、原料をメタン化するメタネ
ーション室、原料を水蒸気改質する改質室を、各触媒反
応の温度域順に加熱される外周方向に従って、原料の流
入する流入口から下流側に同軸状の多重管構造に配設し
たので、熱効率を向上できガス化が安価にできるととも
に、一つの反応管にて脱硫、メタネーション、水蒸気改
質を行うことができ、装置を簡略小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中圧連続式ガス化装置の一実施例を示
す系統説明図である。
【図2】同上反応塔を示す断面図である。
【図3】従来の中圧連続式ガス化装置の一実施例を示す
系統説明図である。
【符号の説明】
1a 原料 12 反応管 23 流出口 31 流入口 38 脱硫室 39 メタネーション室 40 改質室 42 変成器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料を脱硫後、水蒸気を混合し、ニッケ
    ル系の改質触媒にて水素ガスを主成分とするガスに改質
    する外周が加熱される反応管と、この反応管からのガス
    中の炭酸ガスを変成する変成器とを備えた中圧連続式ガ
    ス化装置において、 前記反応管は、 原料が流入する流入口と、 この流入口から流入した原料を脱硫する触媒を有する脱
    硫室と、 この脱硫室から流入した原料をメタンに反応させる触媒
    を有するメタネーション室と、 このメタネーション室から流入した原料を混合された水
    蒸気とにて水素に水蒸気改質させる改質触媒を有する改
    質室と、 この改質室に連通し水蒸気改質されたガスが流出する流
    出口とを備え、 前記脱硫室、前記メタネーション室および改質室は、同
    軸状に配設した少なくとも二重管構造に形成されたこと
    を特徴とする中圧連続式ガス化装置。
JP5247059A 1993-10-01 1993-10-01 中圧連続式ガス化装置 Expired - Fee Related JP2555265B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5247059A JP2555265B2 (ja) 1993-10-01 1993-10-01 中圧連続式ガス化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5247059A JP2555265B2 (ja) 1993-10-01 1993-10-01 中圧連続式ガス化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07101702A true JPH07101702A (ja) 1995-04-18
JP2555265B2 JP2555265B2 (ja) 1996-11-20

Family

ID=17157814

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5247059A Expired - Fee Related JP2555265B2 (ja) 1993-10-01 1993-10-01 中圧連続式ガス化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2555265B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005330169A (ja) * 2004-05-21 2005-12-02 Dowa Mining Co Ltd 変成炉及び変成炉の加熱方法
CN104531186A (zh) * 2014-12-26 2015-04-22 西安元创化工科技股份有限公司 一种利用煤生产焦油和烃类燃料产品的方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02302301A (ja) * 1989-05-15 1990-12-14 Osaka Gas Co Ltd 炭化水素の水蒸気改質方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02302301A (ja) * 1989-05-15 1990-12-14 Osaka Gas Co Ltd 炭化水素の水蒸気改質方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005330169A (ja) * 2004-05-21 2005-12-02 Dowa Mining Co Ltd 変成炉及び変成炉の加熱方法
JP4613332B2 (ja) * 2004-05-21 2011-01-19 Dowaサーモテック株式会社 変成炉及び変成炉の加熱方法
CN104531186A (zh) * 2014-12-26 2015-04-22 西安元创化工科技股份有限公司 一种利用煤生产焦油和烃类燃料产品的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2555265B2 (ja) 1996-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9126831B2 (en) Hydrogen/syngas generator with sampling ports
Rostrup-Nielsen Production of synthesis gas
JP4520100B2 (ja) 水素製造装置および燃料電池システム
JP3830854B2 (ja) コンパクト型水蒸気改質装置
KR890001963B1 (ko) 탄화수소의 개질방법 및 개질반응기
RU2053957C1 (ru) Способ конверсии углеводородов паровым риформингом и установка для его осуществления
JP5721310B2 (ja) 酸素除去
EP1180544B1 (en) Method of manufacturing synthesis gas
US7232553B2 (en) Plate type steam reformer
RU2560363C2 (ru) Способ риформинга углеводородов
JPH04214001A (ja) 水素含有ガス流の製法
US20110085967A1 (en) Hydrogen product method and apparatus
GB2222096A (en) Reactor for reforming hydrocarbon and process for reforming hydrocarbon
NO309520B1 (no) Fremgangsmåte for fremstilling av karbonmonoksydrik gass
JP2008535766A (ja) 熱交換器用の一体型かつ円筒状の水蒸気改質装置
AU745685B2 (en) Method of manufacturing synthesis gas
WO2019093158A1 (ja) 水素発生装置
JPS59107901A (ja) 水素および酸化炭素を含有するプロダクトガスを製造する装置
JP4464230B2 (ja) 改質装置および方法ならびに燃料電池システム
JP2555265B2 (ja) 中圧連続式ガス化装置
JP4256013B2 (ja) 環境調和型水素製造方法
JP2719318B2 (ja) 中圧連続式ガス化装置
JP2003277015A (ja) 排熱を熱源として灯油または軽油を改質する装置及び方法
EP4071106A1 (en) High efficiency reactor for endothermic reactions on a catalyst
CN217288359U (zh) 一种含高碳烃的甲烷蒸汽重整制氢装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees