JPH07101587B2 - 電磁式スイツチ、特に内燃機関の始動装置用の電磁式スイツチ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 従来の技術 本発明は、請求項の上位概念に記載の形式の電磁式スイ
ッチに関する。このような形式のスイッチではスイッチ
ピンが可動子戻しばねによって可動子に押し付けられて
保持されるので、可動子とスイッチピンとはただ一緒に
運動させられ、互いの間における相対運動を行うことが
できない。この場合の欠点は、接点ブリッジが主電流接
点にかつ可動子がマグネットコアに接触するまで、スイ
ッチピンが可動子と同じ大きさの距離を進まなくてはな
らないということである。接点ブリッジを備えたスイッ
チピンのこの長いスイッチ距離は、比較的大きなスイッ
チ室を必要とする。このようなスイッチは、自動車にお
いてなお使用可能な取付けスペースがますます小さくな
ることによってもはや使用することができない。さらに
別の公知の電磁式スイッチでは可動子がスイッチピンに
対して運動することができるので、確かにスイッチ室は
短縮され得るが、しかしながら、可動子に支持されかつ
直接可動子に作用する可動子戻しばねは主電流接点から
離れる方向における接点ブリッジの戻し運動に影響を与
えることができず、ひいては、主電流接点からの接点ブ
リッジの確実な解離を保証するために、スイッチ室に設
けられた戻しばねの力を助成することができない。

発明の課題、解決策および利点 本発明の課題は冒頭に述べた形式の電磁式スイッチを改
良して、主電流接点からの接点ブリッジの確実な解離が
可能でしかも構造長さが短縮された電磁式スイッチを提
供することである。

この課題を解決するために本発明では、電磁式スイッチ
を請求の範囲の請求項１の特徴部分に記載のように構成
した。

このように構成されていると、公知の電子式スイッチに
比べて次のような利点が得られる。すなわち本発明によ
る電磁式スイッチでは、スイッチピンおよび接点ブリッ
ジのためのスイッチ距離を小さく、ひいてはスイッチ室
を扁平に保つことができ、接点ブリッジは、マグネット
コアに支持された押圧ばねである接点戻しばねによって
主電流接点から確実に解離され、ひいては主電流接点に
おける溶着が阻止される。

従属項に記載の手段によって請求項１に記載の電磁式ス
イッチの有利な実施態様が可能である。例えばガラス繊
維強化された熱可塑性樹脂から成るガイドスリーブによ
ってスイッチピンがマグネットコアおよび可動子におい
て案内されると特に有利であり、このようになっている
と、特に自動車における荒っぽい運転時に生じる不都合
な振動および揺動作用を無効にすることができ、ひいて
は可動子およびマグネットコアにおける損傷ならびにス
イッチピンにおける損傷を回避することができる。さら
に、マグネットコアに接触する接点戻しばねを十分強
く、つまり、可動子戻しばねとは無関係に接点ばねを主
電流接点から確実に解離できるほど十分強く構成するこ
とが可能である。

図面の簡単な説明 図面には本発明による電磁式スイッチの１実施例が縦断
面図で示されている。

実施例の記載 電磁式スイッチはポット形のケーシング１を有してお
り、このケーシングは同時に帰路形成ヨークとしても働
く。ケーシング１の端面にはマグネットコア２が接触配
置されている。マグネットコア２の段部には真ちゅうス
リーブ３の一端が当接しており、真ちゅうスリーブの他
端はケーシング１の底に設けられた孔に差し込まれてい
る。真ちゅうスリーブ３には巻線保持体４が配置されて
いて、この巻線保持体には、引込み巻線５と保持巻線６
とから形成された励磁巻線が取り付けられている。ケー
シング１の底と巻線保持体４との間にはばね７が挿入さ
れており、このばねは巻線保持体４を誤差補償しながら
かつ耐振的にケーシング１内において保持している。

マグネットコア２の外側の端面は、キャップ９によって
取り囲まれたスイッチ室８を制限している。キャップ９
はそのマグネットコア２に向けられた縁部にフランジ10
を有している。マグネットコア２とキャップ縁部との間
にはばね部材11が挿入されている。ケーシング１の固定
縁部12はマグネットコア２及びフランジ10にかぶせ嵌め
られていて、フランジ10の後ろで折り曲げられている。
キャップ９には２つの主電流接点13および14が固定され
ており、両主電流接点はスイッチ室８に突入していて、
キャップ９から外に延びる接続ピンを有している。接続
ピンは、自体公知の図示されていない形式でバッテリの
プラス極と始動モータの磁界巻線とにそれぞれ接続され
ている。

真ちゅうスリーブ３内においては可動子15が耐振的に案
内されている。真ちゅうスリーブ３ひいてはケーシング
１から突出している可動子端部には、ねじスプライン式
伝動装置の図示されていないシフトレバーのための連行
体16が固定されている。可動子15は長手方向孔17を有
し、この長手方向孔には磁化可能な材料から成る作動ピ
ン18が固定されている。作動ピン18は長手方向孔17の拡
大された孔区分19に突入しており、この孔拡大された区
分には、ホッパ状に広げられた端部区分20が接続してい
る。孔区分19には、可動子戻しばね21として働く圧縮ば
ねが位置している。この可動子戻しばねの端部巻条は広
げられていて、これによってばね端部は可動子15に固定
されている。可動子戻しばね21の端部巻条又は可動子戻
しばね21全体は小さな直径を有していてもよく、これに
よってばね端部は作動ピン18に固定可能である。

非磁性材料製のスイッチピン22はマグネットコア２の孔
23を貫いて延びている。スイッチピン22は、作動ピン18
に向けられた端部区分につば24を有している。つば24と
これに隣接したスイッチピン22の中央区分には、緩衝兼
絶縁材料製例えばガラス繊維強化された熱可塑性樹脂製
のガイドスリーブ25が配置されている。ガイドスリーブ
25はスイッチピン22を案内および支承するために働く。
つば24の範囲においてスイッチピン22はガイドスリーブ
25の拡大された端部区分26を用いて、孔17の孔区分19ひ
いては可動子15において案内されている。中央区分にお
いてそこでさらにガイドスリーブ25によって取り囲まれ
ているスイッチピン22は、マグネットコア２の孔23内に
おいて支承されかつ案内されている。振動の影響を減衰
する材料から成るガイドスリーブ25は、可動子15の孔区
分19におけるスイッチピン22の打撃つまり、特に磁化不
能な材料から成るスイッチピン22が可動子15より硬い場
合に可動子15の損傷を惹起し得る打撃を阻止する。

ガイドスリーブ25を用いることによって例えば真ちゅう
のような比較的安価で軟らかい材料をスイッチピン22の
ために使用することができる。

スイッチピン22の一方の端部区分はスイッチ室８に突入
している。この端部区分には接点押圧ばね27と、接点ブ
リッジ29を保持する絶縁材料製の接点ブリッジ保持体28
と、円板30と、環状溝31内に位置するストッパリング32
とが配置されている。接点ブリッジ保持体28はスイッチ
の休止位置において、マグネットコア２の孔23の拡大さ
れた端部区分33に位置している。

可動子戻しばね21は一端でスイッチピン22の端面34に接
触している。一端で接点ブリッジ保持体28に支持された
接点押圧ばね27はその他端でガイドスリーブ25の端面35
に接触している。ガイドスリーブ25は圧縮ばねである接
点戻しばね36によって取り囲まれており、この場合この
接点戻しばねは一端で、可動子15に向けられたマグネッ
トコア２の端面に設けられた環状の凹設部37に支持され
ていて、他端でストッパ38に接触しており、このストッ
パ38はガイドスリーブ25の拡大された端部区分26への移
行部に構成されたつばである。これによって接点戻しば
ね36はガイドスリーブ25を介してスイッチピン25のつば
24に支持される。接点戻しばね36は、可動子戻しばね21
よりも強い押圧力を有している。

ばね装置21,36は可動子戻しばね21のプレロードに基づ
いて、ガイドスリーブ25,26,35,38を含むスイッチピン2
2,24,34と、接点押圧ばね27と、接点ブリッジ29を備え
た接点ブリッジ保持体28と、作動ピン18を備えた可動子
15とから成る構造グループを図面に示された休止位置に
保つ。

巻線5,6が励磁されると、可動子15は前記ねじスプライ
ン式伝動装置の図示されていない始動ピニオンを押し込
むために、可動子15の連行体16に枢着された同様に図示
されていないシフトレバーを介して、さらに緊縮される
可動子戻しばね21の力に抗してマグネットコア２に引き
付けられる。この際にまず初め可動子15は作動ピン18と
一緒にマグネットコア２およびスイッチピン22に向かっ
て移動させられる。作動ピン18がスイッチピン22の端面
に当接すると、可動子15のさらに続く引込み運動時にス
イッチピン22はさらにスイッチ室８内に押し込まれ、こ
の場合接点戻しばね36も緊縮させられる。スイッチ室８
内へのスイッチピン22の運動時に接点ブリッジ29は主電
流接点13および14に押し付けられ、接点押圧ばね27に助
成されて主電流接点13および14に接触保持される。これ
によって、主電流接点13の接続ピンに接続された図示さ
れていない始動モータは、主電流接点14の接続ピンに接
続された同様に図示されていない電流源と自体公知の形
式で接続される。この結果始動モータには内燃機関を始
動するための電流が供給される。

内燃機関が始動すると、電磁式スイッチの励磁巻線への
電流供給が遮断される。可動子戻しばね21よりも著しく
大きなばね力を備えた接点戻しばね36は次いで直ちに接
点ブリッジ29を主電流接点13および14から引き離す。ガ
イドスリーブ25を含むスイッチピン22と接点ブリッジ保
持体28と接点ブリッジ29とは、この際に強い接点戻しば
ね36によって図面に示された休止位置に戻され、可動子
15をマグネットコア２から解離する。次いで可動子戻し
ばね21が可動子15をさらにその出発位置へと戻す。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電磁式スイッチ、特に内燃機関の始動装置
   用の電磁式スイッチであって、ケーシング（１）内に、
   励磁巻線（5,6）とガイドスリーブ（３）とを備えた巻
   線保持体（４）が取り付けられていて、ガイドスリーブ
   内を、作動ピン（18）と可動子戻しばね（21）とを備え
   た可動子（15）が案内されており、ケーシング（１）の
   一端面に配置されたマグネットコア（２）内を、つば
   （24）を備えたスイッチピン（22）が摺動可能に案内さ
   れていて、該スイッチピンに、接点ブリッジ保持体（2
   8）に支持された接点押圧ばね（27）と接点ブリッジ（2
   9）を含む接点ブリッジ保持体（28）とが可動に配置さ
   れており、この場合スイッチピン（22）が接点ブリッジ
   保持体（28）および接点ブリッジ（29）と一緒にスイッ
   チ室（８）に突入していて、該スイッチ室がキャップ
   （９）によっておおわれており、該キャップに、スイッ
   チ室（８）に突入する２つの主電流接点（13,14）が配
   置されている形式のものにおいて、スイッチピン（22）
   にガイドスリーブ（25）がかぶせ嵌められていて、該ガ
   イドスリーブが可動子（15）およびマグネットコア
   （２）内において可動に配置されており、スイッチピン
   （22）の一端面（34）に可動子戻しばね（21）が接触
   し、かつガイドスリーブ（25）の一端面（35）に接点押
   圧ばね（27）が接触しており、ガイドスリーブ（25）が
   ストッパ（38）を有していて、該ストッパが、一端でマ
   グネットコア（２）に支持された押圧ばねである接点戻
   しばね（36）の作用によって、スイッチピン（22）のつ
   ば（24）に圧着可能であることを特徴とする電磁式スイ
   ッチ。
2. 【請求項２】ガイドスリーブ（25）が、緩衝作用のある
   摩耗の少ないプラスチックから成っている、請求の範囲
   第１項記載の電磁式スイッチ。
3. 【請求項３】接点戻しばね（36）が可動子戻しばね（2
   1）よりも大きなばね力を有している、請求の範囲第１
   項記載の電磁式スイッチ。