JPH0710022A - 電子制御式パワーステアリング装置 - Google Patents
電子制御式パワーステアリング装置Info
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- JPH0710022A JPH0710022A JP15030793A JP15030793A JPH0710022A JP H0710022 A JPH0710022 A JP H0710022A JP 15030793 A JP15030793 A JP 15030793A JP 15030793 A JP15030793 A JP 15030793A JP H0710022 A JPH0710022 A JP H0710022A
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- vehicle
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 車両の走行状態に応じて最適な操舵特性を得
ることのできる電子制御式パワーステアリング装置を提
供する。 【構成】 車両のステアリング機構における操舵アシス
ト量を電子制御する電子制御式パワーステアリング装置
において、車両の走行速度Vを検出する車速センサ41
と、車両の操舵角haを検出する操舵角センサ52と、パ
ワステ圧PS を検出する圧力センサ53を設け、横加速
度演算部54が車速Vと操舵角haとから横加速度GY を
求めると共に摩擦係数演算部55が車速Vと操舵角haと
パワステ圧PS とから路面μを求め、この車速Vと横加
速度GY と路面μとを入力条件(メンバシップ関数)と
してファジー演算部56はファジィルールに基づいて目
標アシスト量を設定する。
ることのできる電子制御式パワーステアリング装置を提
供する。 【構成】 車両のステアリング機構における操舵アシス
ト量を電子制御する電子制御式パワーステアリング装置
において、車両の走行速度Vを検出する車速センサ41
と、車両の操舵角haを検出する操舵角センサ52と、パ
ワステ圧PS を検出する圧力センサ53を設け、横加速
度演算部54が車速Vと操舵角haとから横加速度GY を
求めると共に摩擦係数演算部55が車速Vと操舵角haと
パワステ圧PS とから路面μを求め、この車速Vと横加
速度GY と路面μとを入力条件(メンバシップ関数)と
してファジー演算部56はファジィルールに基づいて目
標アシスト量を設定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のステアリング機構
における操舵アシスト量を電子制御する電子制御式パワ
ーステアリング装置に関し、例えば、ファジィルールに
よりその目標アシスト量を設定するようにしたものであ
る。
における操舵アシスト量を電子制御する電子制御式パワ
ーステアリング装置に関し、例えば、ファジィルールに
よりその目標アシスト量を設定するようにしたものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ステアリングホイール(以下、ハ
ンドルという)を操作する力(以下、ハンドル操作力又
は操舵力という)をアシストするために、パワーステア
リング装置が普及している。このパワーステアリング装
置としては、油圧シリンダ機構を利用して油圧により操
舵アシストする油圧式パワーステアリング装置が一般的
に用いられているが、このほか、電動モータにより操舵
アシストする電動パワーステアリング装置も開発されて
いる。
ンドルという)を操作する力(以下、ハンドル操作力又
は操舵力という)をアシストするために、パワーステア
リング装置が普及している。このパワーステアリング装
置としては、油圧シリンダ機構を利用して油圧により操
舵アシストする油圧式パワーステアリング装置が一般的
に用いられているが、このほか、電動モータにより操舵
アシストする電動パワーステアリング装置も開発されて
いる。
【0003】このようなパワーステアリング装置を用い
ることで、例えば、大型車や幅太タイヤを操舵輪に装着
した車両等の大きなハンドル操作力が要求される車両で
あっても、小さなハンドル操作力でハンドル操舵を行な
うことができ、所謂、ハンドルの重さが解消される。と
ころで、一般に、車庫入れ等の低速時にはハンドルをよ
り軽くすることで軽快に操作できるようにしたい。一
方、高速走行時にはハンドルがあまり軽いと走行が不安
定になってしまうので、重くすることで安定して操作で
きるようにしたい。そのため、車速に応じて低速時には
操舵アシスト量を多くし、中高速時には高速になるのに
伴って操舵アシスト量を少なくするようにした車速感応
型パワーステアリング装置が開発されている。
ることで、例えば、大型車や幅太タイヤを操舵輪に装着
した車両等の大きなハンドル操作力が要求される車両で
あっても、小さなハンドル操作力でハンドル操舵を行な
うことができ、所謂、ハンドルの重さが解消される。と
ころで、一般に、車庫入れ等の低速時にはハンドルをよ
り軽くすることで軽快に操作できるようにしたい。一
方、高速走行時にはハンドルがあまり軽いと走行が不安
定になってしまうので、重くすることで安定して操作で
きるようにしたい。そのため、車速に応じて低速時には
操舵アシスト量を多くし、中高速時には高速になるのに
伴って操舵アシスト量を少なくするようにした車速感応
型パワーステアリング装置が開発されている。
【0004】このような車速感応型パワーステアリング
装置としては、車両に車速センサを設ける一方、油圧式
パワーステアリング装置の油圧系統の一部にパワーステ
アリングへの供給油圧を調整しうるバルブ等を設け、車
速センサで検出した車速に基づいてバルブ等の作動を電
子制御しながら、操舵アシスト量を調整するようにした
もの(これを電子制御式パワーステアリング装置とい
う)がある。
装置としては、車両に車速センサを設ける一方、油圧式
パワーステアリング装置の油圧系統の一部にパワーステ
アリングへの供給油圧を調整しうるバルブ等を設け、車
速センサで検出した車速に基づいてバルブ等の作動を電
子制御しながら、操舵アシスト量を調整するようにした
もの(これを電子制御式パワーステアリング装置とい
う)がある。
【0005】図11に従来の電子制御式パワーステアリ
ング装置の一例を表すパワーステアリング用油圧制御部
の概略構成、図12に図11のXII−XII断面、図13に
図11のXIII−XIII断面を示す。
ング装置の一例を表すパワーステアリング用油圧制御部
の概略構成、図12に図11のXII−XII断面、図13に
図11のXIII−XIII断面を示す。
【0006】図11乃至図13に示すように、11は図
示しないステアリングホイール(ハンドル)から操舵力
を受けるインプットシャフトであり、ケーシング12内
に軸受により回転自在に支持されている。このインプッ
トシャフト11の下端には図示しないブッシュ等を介し
てピニオンギヤ13が相対回転自在に装着されている。
また、インプットシャフト11の中空部内にはトーショ
ンバー14が内装されており、このトーションバー14
はその上端がインプットシャフト11にピンにより一体
回転できるように結合される一方、その下端はインプッ
トシャフト11に対して拘束されずにフリーとなってい
る。
示しないステアリングホイール(ハンドル)から操舵力
を受けるインプットシャフトであり、ケーシング12内
に軸受により回転自在に支持されている。このインプッ
トシャフト11の下端には図示しないブッシュ等を介し
てピニオンギヤ13が相対回転自在に装着されている。
また、インプットシャフト11の中空部内にはトーショ
ンバー14が内装されており、このトーションバー14
はその上端がインプットシャフト11にピンにより一体
回転できるように結合される一方、その下端はインプッ
トシャフト11に対して拘束されずにフリーとなってい
る。
【0007】インプットシャフト11の下端のピニオン
ギヤ13はトーションバー14の下端とセレーション結
合しており、インプットシャフト11に入力された操舵
力がトーションバー14を介してピニオンギヤ13に伝
達されるようになっている。このピニオンギヤ13はラ
ック15と噛み合っており、インプットシャフト11に
よる操舵力がピニオンギヤ13を介してラック15に伝
わり、このラック15を軸方向(図11において紙面直
交方向)に駆動することで図示しない車輪の操舵を行う
ことができるようになっている。
ギヤ13はトーションバー14の下端とセレーション結
合しており、インプットシャフト11に入力された操舵
力がトーションバー14を介してピニオンギヤ13に伝
達されるようになっている。このピニオンギヤ13はラ
ック15と噛み合っており、インプットシャフト11に
よる操舵力がピニオンギヤ13を介してラック15に伝
わり、このラック15を軸方向(図11において紙面直
交方向)に駆動することで図示しない車輪の操舵を行う
ことができるようになっている。
【0008】ケーシング12内において、インプットシ
ャフト11側とピニオンギヤ13側との間にはロータリ
バルブ16が介装されており、このロータリバルブ16
はインプットシャフト11とピニオンギヤ13との周方
向の位相差に応じて開閉するようになっている。そし
て、このロータリバルブ16には外部に設けられたオイ
ルポンプ17の作動油供給管18及びオイルリザーバ1
9の作動油排出管20が接続されている。一方、21は
パワーステアリング用油圧シリンダであり、この油圧シ
リンダ21は車体側の所定の部材に設置された中空のシ
リンダ22内にピストン23が軸方向移動自在に支持さ
れて構成され、このピストン23のピストン軸24は前
述したラック15の途中に固結されている。そして、ピ
ストン23はシリンダ22内を左右に仕切り、油室2
5,26を形成している。
ャフト11側とピニオンギヤ13側との間にはロータリ
バルブ16が介装されており、このロータリバルブ16
はインプットシャフト11とピニオンギヤ13との周方
向の位相差に応じて開閉するようになっている。そし
て、このロータリバルブ16には外部に設けられたオイ
ルポンプ17の作動油供給管18及びオイルリザーバ1
9の作動油排出管20が接続されている。一方、21は
パワーステアリング用油圧シリンダであり、この油圧シ
リンダ21は車体側の所定の部材に設置された中空のシ
リンダ22内にピストン23が軸方向移動自在に支持さ
れて構成され、このピストン23のピストン軸24は前
述したラック15の途中に固結されている。そして、ピ
ストン23はシリンダ22内を左右に仕切り、油室2
5,26を形成している。
【0009】従って、インプットシャフト11に操舵力
が入力されると、インプットシャフト11は剛であって
殆ど捩じりを生じないが、トーションバー14は捩じれ
を生じながらピニオンギヤ13に操舵力を伝達する。す
ると、このピニオンギヤ13がインプットシャフト11
に対して操舵側へ位相差を生じるようになり、この位相
差に応じてロータリバルブ16が駆動する。そして、こ
のロータリバルブ16の開閉に応じてオイルポンプ17
から作動油供給管18を介して油圧シリンダ22の左右
の油室25,26に作動油の供給が行われることで、操
舵アシスト力がラック15に与えられ、操舵方向へ所要
の操舵アシスト力が生じるようになっている。
が入力されると、インプットシャフト11は剛であって
殆ど捩じりを生じないが、トーションバー14は捩じれ
を生じながらピニオンギヤ13に操舵力を伝達する。す
ると、このピニオンギヤ13がインプットシャフト11
に対して操舵側へ位相差を生じるようになり、この位相
差に応じてロータリバルブ16が駆動する。そして、こ
のロータリバルブ16の開閉に応じてオイルポンプ17
から作動油供給管18を介して油圧シリンダ22の左右
の油室25,26に作動油の供給が行われることで、操
舵アシスト力がラック15に与えられ、操舵方向へ所要
の操舵アシスト力が生じるようになっている。
【0010】また、ケーシング12内において、インプ
ットシャフト11の下部外周には、操舵時に操舵反力を
与えて操舵力(操舵手応え)を増大させる反力プランジ
ャ27が設けられている。この反力プランジャ27はイ
ンプットシャフト11の外周を包囲するように複数個設
けられており、油圧制御バルブ28の制御を通じて供給
された油圧を受け、この油圧に応じてインプットシャフ
ト11を拘束して操舵反力を与えるようになっている。
ットシャフト11の下部外周には、操舵時に操舵反力を
与えて操舵力(操舵手応え)を増大させる反力プランジ
ャ27が設けられている。この反力プランジャ27はイ
ンプットシャフト11の外周を包囲するように複数個設
けられており、油圧制御バルブ28の制御を通じて供給
された油圧を受け、この油圧に応じてインプットシャフ
ト11を拘束して操舵反力を与えるようになっている。
【0011】即ち、反力プランジャ27はインプットシ
ャフト11の外周を包囲するようにケーシング12に均
等間隔で4個設けられており、その外端部側にチャンバ
29が形成されると共にリターン用オリフィス30が設
けられている。一方、油圧制御バルブ18はケーシング
12内においてインプットシャフト11の側方に隣接し
てこれと平行をなして設けられている。この油圧制御バ
ルブ28において、ケーシング12内にはスプール31
が上下に移動自在に設けられており、且つ、このスプー
ル31は上部に設けられたスプリング32によって下方
に付勢支持されている。また、スプール31の下部外周
片にはソレノイド33が設けられており、このスプール
31にはソレノイド33を励磁することで上方への軸力
が与えられるようになっている。
ャフト11の外周を包囲するようにケーシング12に均
等間隔で4個設けられており、その外端部側にチャンバ
29が形成されると共にリターン用オリフィス30が設
けられている。一方、油圧制御バルブ18はケーシング
12内においてインプットシャフト11の側方に隣接し
てこれと平行をなして設けられている。この油圧制御バ
ルブ28において、ケーシング12内にはスプール31
が上下に移動自在に設けられており、且つ、このスプー
ル31は上部に設けられたスプリング32によって下方
に付勢支持されている。また、スプール31の下部外周
片にはソレノイド33が設けられており、このスプール
31にはソレノイド33を励磁することで上方への軸力
が与えられるようになっている。
【0012】このスプール31にはオイルリザーバ19
の作動油排出管20に通じる油路34,35とオイルポ
ンプ17の作動油供給管18に通じうる環状油路36と
が形成されると共に、反力プランジャ27のチャンバ2
9に作動油給排管37を介して通じる環状油路38と環
状油路36,38を相互に連通する油路39とが形成さ
れている。従って、通常、ソレノイド33の消磁状態で
は、スプール31が下降位置にあって作動油供給管18
と環状油路36とは連通している。そのため、オイルポ
ンプ17から作動油供給管18を介して油圧制御バルブ
28に供給された作動油は、環状油路36から油路3
9、環状油路38を通じて反力プランジャ27のチャン
バ29に供給されるようになっている。一方、ソレノイ
ド33の励磁状態では、スプール31が上昇位置にあっ
て作動油供給管18と環状油路36とは連通していな
い。そのため、オイルポンプ17から作動油供給管18
を介して油圧制御バルブ28に供給された作動油は、反
力プランジャ27のチャンバ29には供給されないよう
になっている。
の作動油排出管20に通じる油路34,35とオイルポ
ンプ17の作動油供給管18に通じうる環状油路36と
が形成されると共に、反力プランジャ27のチャンバ2
9に作動油給排管37を介して通じる環状油路38と環
状油路36,38を相互に連通する油路39とが形成さ
れている。従って、通常、ソレノイド33の消磁状態で
は、スプール31が下降位置にあって作動油供給管18
と環状油路36とは連通している。そのため、オイルポ
ンプ17から作動油供給管18を介して油圧制御バルブ
28に供給された作動油は、環状油路36から油路3
9、環状油路38を通じて反力プランジャ27のチャン
バ29に供給されるようになっている。一方、ソレノイ
ド33の励磁状態では、スプール31が上昇位置にあっ
て作動油供給管18と環状油路36とは連通していな
い。そのため、オイルポンプ17から作動油供給管18
を介して油圧制御バルブ28に供給された作動油は、反
力プランジャ27のチャンバ29には供給されないよう
になっている。
【0013】このようにソレノイド33に与える電流を
調整することで、操舵アシスト特性を制御することがで
きる。また、ソレノイド33を制御するコントロールユ
ニット(CU)40には車速センサ41、並びにエンジ
ン回転数センサ42等が接続されており、コントロール
ユニット40はこれらからの出力信号に基づいて、ソレ
ノイド33に与える電流量を設定してソレノイド33を
制御することができるようになっている。
調整することで、操舵アシスト特性を制御することがで
きる。また、ソレノイド33を制御するコントロールユ
ニット(CU)40には車速センサ41、並びにエンジ
ン回転数センサ42等が接続されており、コントロール
ユニット40はこれらからの出力信号に基づいて、ソレ
ノイド33に与える電流量を設定してソレノイド33を
制御することができるようになっている。
【0014】而して、例えば、車両の据え切り時や低速
走行操舵時には、ソレノイド33に最大電流を与えるよ
うにする。これにより、スプール31が最も上昇して環
状油路36がオイルポンプ17の作動油供給管18と連
通しなくなり、反力プランジャ27のチャンバ29への
オイル供給が行なわれなくなる。従って、この反力プラ
ンジャ27によりインプットシャフト11は拘束されな
くなり、ハンドルを軽快に操舵することができる。
走行操舵時には、ソレノイド33に最大電流を与えるよ
うにする。これにより、スプール31が最も上昇して環
状油路36がオイルポンプ17の作動油供給管18と連
通しなくなり、反力プランジャ27のチャンバ29への
オイル供給が行なわれなくなる。従って、この反力プラ
ンジャ27によりインプットシャフト11は拘束されな
くなり、ハンドルを軽快に操舵することができる。
【0015】そして、例えば、車両の中高速走行時に
は、車速の増加に応じてソレノイド33に与える電流を
減少させていく。すると、ハンドルの中立時には、スプ
ール31の軸力が電流現象に伴って低下し、これに伴い
スプール31が降下して環状油路36がオイルポンプ1
7の作動油供給管18と連通するようになり、反力プラ
ンジャ27のチャンバ29へオイル供給が行なわれるよ
うになる。従って、反力プランジャ27によりインプッ
トシャフト11は拘束されるので、ハンドルが中立に保
持される。そして、この中立状態でハンドルを微小に操
舵すると、オイルポンプ17の出力が上昇しようとする
が、この吐出圧は油圧制御バルブ28でほとんど制御さ
れることなく反力プランジャ27のチャンバ29に作用
する。そのため、ハンドルの中立状態の近傍では、操舵
力が増してハンドル中立手応えを十分に得ることがで
き、中立状態でのハンドル安定感が増加するようになっ
ている。
は、車速の増加に応じてソレノイド33に与える電流を
減少させていく。すると、ハンドルの中立時には、スプ
ール31の軸力が電流現象に伴って低下し、これに伴い
スプール31が降下して環状油路36がオイルポンプ1
7の作動油供給管18と連通するようになり、反力プラ
ンジャ27のチャンバ29へオイル供給が行なわれるよ
うになる。従って、反力プランジャ27によりインプッ
トシャフト11は拘束されるので、ハンドルが中立に保
持される。そして、この中立状態でハンドルを微小に操
舵すると、オイルポンプ17の出力が上昇しようとする
が、この吐出圧は油圧制御バルブ28でほとんど制御さ
れることなく反力プランジャ27のチャンバ29に作用
する。そのため、ハンドルの中立状態の近傍では、操舵
力が増してハンドル中立手応えを十分に得ることがで
き、中立状態でのハンドル安定感が増加するようになっ
ている。
【0016】また、この中高速走行時に操舵する際、通
常の操舵範囲内では、ハンドルの操舵に応じて(操舵力
の増大に応じて)オイルポンプ17の出力が上昇し、操
舵アシストを増大させるように作用する。一方で、オイ
ルポンプ17の吐出圧が油圧制御バルブ28で制御され
ながら反力プランジャ27のチャンバ29に作用する。
従って、この反力プランジャ27によりインプットシャ
フト11は拘束され、操舵手応え(操舵力)を増大させ
ることができる。
常の操舵範囲内では、ハンドルの操舵に応じて(操舵力
の増大に応じて)オイルポンプ17の出力が上昇し、操
舵アシストを増大させるように作用する。一方で、オイ
ルポンプ17の吐出圧が油圧制御バルブ28で制御され
ながら反力プランジャ27のチャンバ29に作用する。
従って、この反力プランジャ27によりインプットシャ
フト11は拘束され、操舵手応え(操舵力)を増大させ
ることができる。
【0017】この結果、中高速走行操舵時には、据え切
り時や低速走行操舵時に比べて反力プランジャ27の作
用する分だけ操舵力が増大する。つまり、操舵手応えが
大きくなって安定した操舵フィーリングが得られる。特
に、車速の増加に応じてソレノイド33に与える電流を
減少させていることで、高速になるほど操舵アシストが
減少して操舵力(操舵手応え)が大きくなり、より安定
した操舵フィーリングを得ることができる。
り時や低速走行操舵時に比べて反力プランジャ27の作
用する分だけ操舵力が増大する。つまり、操舵手応えが
大きくなって安定した操舵フィーリングが得られる。特
に、車速の増加に応じてソレノイド33に与える電流を
減少させていることで、高速になるほど操舵アシストが
減少して操舵力(操舵手応え)が大きくなり、より安定
した操舵フィーリングを得ることができる。
【0018】また、ソレノイド33を制御するコントロ
ールユニット40には車速センサ41とエンジン回転数
センサ43が接続されており、車速信号とエンジン回転
信号から検出系統などの異常を検知し、ソレノイド33
をオフにするなどしてフェイルセーフ制御を行うことが
できるようになっている。
ールユニット40には車速センサ41とエンジン回転数
センサ43が接続されており、車速信号とエンジン回転
信号から検出系統などの異常を検知し、ソレノイド33
をオフにするなどしてフェイルセーフ制御を行うことが
できるようになっている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、パワーステ
アリング装置において、実際には、車両の走行状態、つ
まり、直進走行であるか旋回走行であるか、また、加速
時であるか制動時であるか等によって要求される操舵力
特性が異なるものである。しかしながら、前述した従来
の電子制御式パワーステアリング装置にあっては、単
に、車速に対応して操舵アシスト量の制御を行っている
ので、常に最適な操舵フィーリングを得ることができな
い。
アリング装置において、実際には、車両の走行状態、つ
まり、直進走行であるか旋回走行であるか、また、加速
時であるか制動時であるか等によって要求される操舵力
特性が異なるものである。しかしながら、前述した従来
の電子制御式パワーステアリング装置にあっては、単
に、車速に対応して操舵アシスト量の制御を行っている
ので、常に最適な操舵フィーリングを得ることができな
い。
【0020】また、車両が走行中の路面の状態、即ち、
路面が滑りやすいかどうかによってもドライバの操舵力
特性が異なるものである。車両が乾燥している路面を走
行するときには、タイヤと路面との間に十分なグリップ
力があり、旋回時であっても、ドライバはこのときの車
両の走行状態を適切に把握することができる。しかし、
車両が濡れている路面や積雪があるような路面を走行す
るときには、タイヤと路面との間のグリップ力は低く、
旋回時には両者の間に滑りや発生しやすく、ドライバは
このときの車両の走行状態を適切に把握することが困難
である。
路面が滑りやすいかどうかによってもドライバの操舵力
特性が異なるものである。車両が乾燥している路面を走
行するときには、タイヤと路面との間に十分なグリップ
力があり、旋回時であっても、ドライバはこのときの車
両の走行状態を適切に把握することができる。しかし、
車両が濡れている路面や積雪があるような路面を走行す
るときには、タイヤと路面との間のグリップ力は低く、
旋回時には両者の間に滑りや発生しやすく、ドライバは
このときの車両の走行状態を適切に把握することが困難
である。
【0021】従来の電子制御式パワーステアリング装置
にあっては、車速に対応して操舵アシスト量の制御を行
ってハンドルの重みを調整しているので、路面の状態に
対応した操舵アシスト量の制御は行われていない。従っ
て、乾燥路でも、また、積雪路でも車速の低下によって
ハンドルの操舵アシスト量が増加して操舵力特性が軽く
なってしまい、積雪路等のグリップ力の低下した路面で
の操舵の安定性が十分ではなかった。
にあっては、車速に対応して操舵アシスト量の制御を行
ってハンドルの重みを調整しているので、路面の状態に
対応した操舵アシスト量の制御は行われていない。従っ
て、乾燥路でも、また、積雪路でも車速の低下によって
ハンドルの操舵アシスト量が増加して操舵力特性が軽く
なってしまい、積雪路等のグリップ力の低下した路面で
の操舵の安定性が十分ではなかった。
【0022】なお、電子制御式パワーステアリング装置
としては前述したものの他に、ファジィルールに従って
アシスト量を変化させるパワーステアリング装置が、特
開平2−182576において開示されている。このパ
ワーステアリング装置は、操舵センサと車速センサと路
面センサとを具え、各センサから入力される信号に基づ
いてファジィ推論を行うことでステアリングの操舵アシ
スト量を設定するものである。
としては前述したものの他に、ファジィルールに従って
アシスト量を変化させるパワーステアリング装置が、特
開平2−182576において開示されている。このパ
ワーステアリング装置は、操舵センサと車速センサと路
面センサとを具え、各センサから入力される信号に基づ
いてファジィ推論を行うことでステアリングの操舵アシ
スト量を設定するものである。
【0023】即ち、このパワーステアリング装置にあっ
ては、操舵センサに基づく操舵力が大きくなれば操舵ア
シスト量を大きくし、車速センサに基づく車速が大きく
なれば操舵アシスト量を小さくし、また、路面センサに
基づく路面粗さが大きくなれば操舵アシスト量を小さく
している。この場合、路面センサは超音波の反射の時間
差によって路面粗さ、即ち、路面の凹凸を検出するもの
であって路面が滑りやすいかどうかを検出するものでは
ない。
ては、操舵センサに基づく操舵力が大きくなれば操舵ア
シスト量を大きくし、車速センサに基づく車速が大きく
なれば操舵アシスト量を小さくし、また、路面センサに
基づく路面粗さが大きくなれば操舵アシスト量を小さく
している。この場合、路面センサは超音波の反射の時間
差によって路面粗さ、即ち、路面の凹凸を検出するもの
であって路面が滑りやすいかどうかを検出するものでは
ない。
【0024】従って、このパワーステアリング装置にあ
っても、前述したように、路面の状態に対応した操舵ア
シスト量の制御を行うことはできず、積雪路等のグリッ
プ力の低下した路面での操舵の安定性が十分ではなく、
車両の走行状況を適切に把握して常に最適な操舵フィー
リングを得ることができないという問題がある。
っても、前述したように、路面の状態に対応した操舵ア
シスト量の制御を行うことはできず、積雪路等のグリッ
プ力の低下した路面での操舵の安定性が十分ではなく、
車両の走行状況を適切に把握して常に最適な操舵フィー
リングを得ることができないという問題がある。
【0025】本発明は、上述の問題点を解決するもので
あって、車両の走行状態に応じて最適な操舵特性を得る
ことのできる電子制御式パワーステアリング装置を提供
することを目的とする。
あって、車両の走行状態に応じて最適な操舵特性を得る
ことのできる電子制御式パワーステアリング装置を提供
することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明の電子制御式パワーステアリング装置は、車
両のステアリング機構における操舵アシスト量を電子制
御する電子制御式パワーステアリング装置において、車
両の走行速度を検出する車速検出手段と、車両が走行す
る路面の摩擦係数を検出する路面摩擦係数検出手段と、
前記車両の走行速度並びに路面摩擦係数を入力条件とし
て目標アシスト量を設定する目標アシスト量設定手段と
を具えたことを特徴とするものである。
めの本発明の電子制御式パワーステアリング装置は、車
両のステアリング機構における操舵アシスト量を電子制
御する電子制御式パワーステアリング装置において、車
両の走行速度を検出する車速検出手段と、車両が走行す
る路面の摩擦係数を検出する路面摩擦係数検出手段と、
前記車両の走行速度並びに路面摩擦係数を入力条件とし
て目標アシスト量を設定する目標アシスト量設定手段と
を具えたことを特徴とするものである。
【0027】また、本発明の電子制御式パワーステアリ
ング装置は、車両のステアリング機構における操舵アシ
スト量を電子制御する電子制御式パワーステアリング装
置において、車両の走行速度を検出する車速検出手段
と、車両が走行する路面の摩擦係数を検出する路面摩擦
係数検出手段と、前記車両の走行速度並びに路面摩擦係
数を入力条件としてファジィルールに基づいて目標アシ
スト量を設定する目標アシスト量設定手段とを具えたこ
とを特徴とするものである。
ング装置は、車両のステアリング機構における操舵アシ
スト量を電子制御する電子制御式パワーステアリング装
置において、車両の走行速度を検出する車速検出手段
と、車両が走行する路面の摩擦係数を検出する路面摩擦
係数検出手段と、前記車両の走行速度並びに路面摩擦係
数を入力条件としてファジィルールに基づいて目標アシ
スト量を設定する目標アシスト量設定手段とを具えたこ
とを特徴とするものである。
【0028】また、本発明の電子制御式パワーステアリ
ング装置は、請求項2記載の電子制御式パワーステアリ
ング装置において、目標アシスト量設定手段を、車両の
走行速度を評価するメンバシップ関数と路面摩擦係数を
評価するメンバシップ関数とを用い、前記車両の走行速
度の増加に伴って前記目標アシスト量を低減すると共に
前記路面摩擦係数の増加に伴って前記目標アシスト量を
低減するファジィルールに基づいて前記目標アシスト量
を設定するように構成したことを特徴とするものであ
る。
ング装置は、請求項2記載の電子制御式パワーステアリ
ング装置において、目標アシスト量設定手段を、車両の
走行速度を評価するメンバシップ関数と路面摩擦係数を
評価するメンバシップ関数とを用い、前記車両の走行速
度の増加に伴って前記目標アシスト量を低減すると共に
前記路面摩擦係数の増加に伴って前記目標アシスト量を
低減するファジィルールに基づいて前記目標アシスト量
を設定するように構成したことを特徴とするものであ
る。
【0029】また、本発明の電子制御式パワーステアリ
ング装置は、請求項2記載の電子制御式パワーステアリ
ング装置において、目標アシスト量設定手段は、車両の
旋回領域にて路面摩擦係数の増加に伴って目標アシスト
量を低減するように構成したことを特徴とするものであ
る。
ング装置は、請求項2記載の電子制御式パワーステアリ
ング装置において、目標アシスト量設定手段は、車両の
旋回領域にて路面摩擦係数の増加に伴って目標アシスト
量を低減するように構成したことを特徴とするものであ
る。
【0030】
【作用】車速検出手段は車両の走行速度を検出し、ま
た、路面摩擦係数検出手段は車両が走行する路面の摩擦
係数を検出し、目標アシスト量設定手段がその車両の走
行速度と路面の摩擦係数とを入力条件として目標アシス
ト量を設定することで、車両の走行旋回状態に応じて最
適な操舵特性が得られる。そして、その入力条件として
路面の摩擦係数速度を用いたことで、車両が走行する路
面の状態に合わせて目標アシスト量を設定することで、
操舵操作の安定度が向上する。
た、路面摩擦係数検出手段は車両が走行する路面の摩擦
係数を検出し、目標アシスト量設定手段がその車両の走
行速度と路面の摩擦係数とを入力条件として目標アシス
ト量を設定することで、車両の走行旋回状態に応じて最
適な操舵特性が得られる。そして、その入力条件として
路面の摩擦係数速度を用いたことで、車両が走行する路
面の状態に合わせて目標アシスト量を設定することで、
操舵操作の安定度が向上する。
【0031】また、目標アシスト量設定手段がその車両
の走行速度と路面摩擦係数とを入力条件としてファジィ
ルールに基づいて目標アシスト量を設定することで、少
ないルール数で細かい制御が可能となる。
の走行速度と路面摩擦係数とを入力条件としてファジィ
ルールに基づいて目標アシスト量を設定することで、少
ないルール数で細かい制御が可能となる。
【0032】目標アシスト量設定手段は、車両の走行速
度を評価するメンバシップ関数と路面摩擦係数を評価す
るメンバシップ関数とを用い、車両の走行速度の増加に
伴って目標アシスト量を低減すると共に路面摩擦係数の
増加に伴って目標アシスト量を低減するファジィルール
によって目標アシスト量を設定する。従って、車速や路
面摩擦係数の増加に応じて操舵アシスト量が低減される
ことで、高速になるほど操舵力特性が重くなって操舵操
作感が安定したものになり、また、濡れ手すべりやすい
路面ほど操舵力特性が重くなって路面の状態に応じた操
舵感を得られ、運転者が走行状況を把握できる。
度を評価するメンバシップ関数と路面摩擦係数を評価す
るメンバシップ関数とを用い、車両の走行速度の増加に
伴って目標アシスト量を低減すると共に路面摩擦係数の
増加に伴って目標アシスト量を低減するファジィルール
によって目標アシスト量を設定する。従って、車速や路
面摩擦係数の増加に応じて操舵アシスト量が低減される
ことで、高速になるほど操舵力特性が重くなって操舵操
作感が安定したものになり、また、濡れ手すべりやすい
路面ほど操舵力特性が重くなって路面の状態に応じた操
舵感を得られ、運転者が走行状況を把握できる。
【0033】目標アシスト量設定手段が車両の旋回領域
にて路面摩擦係数の増加に伴って目標アシスト量を低減
するようにしたことで、例えば、車両が雨や雪などによ
って濡れた路面を走行して旋回を開始したとき、アシス
ト量を低減してハンドルには重みが与えられ、操作安定
感が向上する。
にて路面摩擦係数の増加に伴って目標アシスト量を低減
するようにしたことで、例えば、車両が雨や雪などによ
って濡れた路面を走行して旋回を開始したとき、アシス
ト量を低減してハンドルには重みが与えられ、操作安定
感が向上する。
【0034】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
細に説明する。
【0035】
【実施例】図1に本発明の電子制御式パワーステアリン
グ装置の一実施例に係るパワーステアリング用油圧制御
部の概略構成、図2にファジィ制御に用いる車速のメン
バシップ関数を表すグラフ、図3にファジィ制御に用い
る横加速度のメンバシップ関数を表すグラフ、図4横加
速度及び路面摩擦係数の演算のメンバシップ関数を表す
グラフ、図5に各メンバシップ関数の適合度からパワー
ステアリングアシスト量をスケルトン法により求める演
算処理を表すグラフ、図6に路面摩擦係数の演算のフロ
ーチャート、図7にファジィ制御を表すフローチャー
ト、図8に車速及び横加速度、路面摩擦係数の各メンバ
シップ関数からスケルトン法によりアシスト量を求める
演算処理の具体的な制御例、図9及び図10に本実施例
のファジィ制御による操舵リニアリティに関する効果を
示すグラフを示す。なお、従来と同様の機能を有する部
材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
グ装置の一実施例に係るパワーステアリング用油圧制御
部の概略構成、図2にファジィ制御に用いる車速のメン
バシップ関数を表すグラフ、図3にファジィ制御に用い
る横加速度のメンバシップ関数を表すグラフ、図4横加
速度及び路面摩擦係数の演算のメンバシップ関数を表す
グラフ、図5に各メンバシップ関数の適合度からパワー
ステアリングアシスト量をスケルトン法により求める演
算処理を表すグラフ、図6に路面摩擦係数の演算のフロ
ーチャート、図7にファジィ制御を表すフローチャー
ト、図8に車速及び横加速度、路面摩擦係数の各メンバ
シップ関数からスケルトン法によりアシスト量を求める
演算処理の具体的な制御例、図9及び図10に本実施例
のファジィ制御による操舵リニアリティに関する効果を
示すグラフを示す。なお、従来と同様の機能を有する部
材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0036】本実施例の電子制御式パワーステアリング
装置はファジィ推論によってパワーステアリング用油圧
制御部を制御するものであるが、電子制御式パワーステ
アリング装置の機械的な部分(ハード構成)は、前述し
た従来例のものとほぼ同様に構成されているものであ
り、その点については簡単に説明する。
装置はファジィ推論によってパワーステアリング用油圧
制御部を制御するものであるが、電子制御式パワーステ
アリング装置の機械的な部分(ハード構成)は、前述し
た従来例のものとほぼ同様に構成されているものであ
り、その点については簡単に説明する。
【0037】図1に示すように、インプットシャフト1
1は図示しないステアリングホイール(ハンドル)から
操舵力を受けるもであり、ケーシング12内に回転自在
に支持されている。このインプットシャフト11の下端
にはピニオンギヤ13が相対回転自在に装着されてお
り、また、インプットシャフト11の中空部内にはトー
ションバー14が内装され、その上端のみがインプット
シャフト11に結合されている。ピニオンギヤ13はト
ーションバー14の下端とセレーション結合し、且つ、
このピニオンギヤ13はラック15と噛み合っており、
インプットシャフト11による操舵力がトーションバー
14を介してピニオンギヤ13に伝達され、更に、ラッ
ク15に伝わり、このラック15を軸方向に駆動するこ
とで車輪の操舵を行うことができるようになっている。
1は図示しないステアリングホイール(ハンドル)から
操舵力を受けるもであり、ケーシング12内に回転自在
に支持されている。このインプットシャフト11の下端
にはピニオンギヤ13が相対回転自在に装着されてお
り、また、インプットシャフト11の中空部内にはトー
ションバー14が内装され、その上端のみがインプット
シャフト11に結合されている。ピニオンギヤ13はト
ーションバー14の下端とセレーション結合し、且つ、
このピニオンギヤ13はラック15と噛み合っており、
インプットシャフト11による操舵力がトーションバー
14を介してピニオンギヤ13に伝達され、更に、ラッ
ク15に伝わり、このラック15を軸方向に駆動するこ
とで車輪の操舵を行うことができるようになっている。
【0038】ケーシング12内のロータリバルブ16は
インプットシャフト11とピニオンギヤ13との周方向
の位相差に応じて開閉するようになっており、オイルポ
ンプ17の作動油供給管18及びオイルリザーバ19の
作動油排出管20が接続されている。一方、パワーステ
アリング用油圧シリンダ21はシリンダ22内にピスト
ン23が軸方向移動自在に支持されて構成され、このピ
ストン23のピストン軸24はラック15の途中に固結
されている。そして、ピストン23はシリンダ22内を
左右に仕切り、油室25,26を形成している。
インプットシャフト11とピニオンギヤ13との周方向
の位相差に応じて開閉するようになっており、オイルポ
ンプ17の作動油供給管18及びオイルリザーバ19の
作動油排出管20が接続されている。一方、パワーステ
アリング用油圧シリンダ21はシリンダ22内にピスト
ン23が軸方向移動自在に支持されて構成され、このピ
ストン23のピストン軸24はラック15の途中に固結
されている。そして、ピストン23はシリンダ22内を
左右に仕切り、油室25,26を形成している。
【0039】従って、インプットシャフト11に操舵力
が入力されると、トーションバー14が捩じれを生じな
がらピニオンギヤ13に操舵力を伝達し、ピニオンギヤ
13がインプットシャフト11に対して操舵側へ位相差
を生じるようになり、この位相差に応じてロータリバル
ブ16が駆動する。そして、このロータリバルブ16の
開閉に応じてオイルポンプ17から作動油が油圧シリン
ダ22の各油室25,26に供給されることで、操舵ア
シスト力がラック15に与えられ、操舵方向へ所要の操
舵アシスト力が生じるようになっている。
が入力されると、トーションバー14が捩じれを生じな
がらピニオンギヤ13に操舵力を伝達し、ピニオンギヤ
13がインプットシャフト11に対して操舵側へ位相差
を生じるようになり、この位相差に応じてロータリバル
ブ16が駆動する。そして、このロータリバルブ16の
開閉に応じてオイルポンプ17から作動油が油圧シリン
ダ22の各油室25,26に供給されることで、操舵ア
シスト力がラック15に与えられ、操舵方向へ所要の操
舵アシスト力が生じるようになっている。
【0040】また、インプットシャフト11の下部外周
には操舵時に操舵反力を与えて操舵力(操舵手応え)を
増大させる反力プランジャ27が設けられており、油圧
制御バルブ28の制御によってインプットシャフト11
を拘束して操舵反力を与えるようになっている。即ち、
反力プランジャ27はインプットシャフト11の外周を
包囲するように本実施例ではケーシング12に均等間隔
で4個設けられており、その外端部側にチャンバ29が
形成されている。一方、油圧制御バルブ28はケーシン
グ12内においてインプットシャフト11の側方に隣接
してこれと平行をなして設けられている。この油圧制御
バルブ18において、ケーシング12内にはスプール3
1が上下に移動自在に設けられており、且つ、このスプ
ール31は上部に設けられたスプリング32によって下
方に付勢支持されている。また、スプール31の下部外
周片にはソレノイド33が設けられており、このスプー
ル31にはソレノイド33を励磁することで上方への軸
力が与えられるようになっている。
には操舵時に操舵反力を与えて操舵力(操舵手応え)を
増大させる反力プランジャ27が設けられており、油圧
制御バルブ28の制御によってインプットシャフト11
を拘束して操舵反力を与えるようになっている。即ち、
反力プランジャ27はインプットシャフト11の外周を
包囲するように本実施例ではケーシング12に均等間隔
で4個設けられており、その外端部側にチャンバ29が
形成されている。一方、油圧制御バルブ28はケーシン
グ12内においてインプットシャフト11の側方に隣接
してこれと平行をなして設けられている。この油圧制御
バルブ18において、ケーシング12内にはスプール3
1が上下に移動自在に設けられており、且つ、このスプ
ール31は上部に設けられたスプリング32によって下
方に付勢支持されている。また、スプール31の下部外
周片にはソレノイド33が設けられており、このスプー
ル31にはソレノイド33を励磁することで上方への軸
力が与えられるようになっている。
【0041】このスプール31にはオイルリザーバ19
の作動油排出管20に通じる油路34,35とオイルポ
ンプ17の作動油供給管18に通じうる環状油路36と
が形成されると共に、反力プランジャ27のチャンバ2
9に作動油給排管37を介して通じる環状油路38と環
状油路36,38を相互に連通する油路39とが形成さ
れている。従って、ソレノイド33の消磁状態では、ス
プール31が下降位置にあって作動油供給管18と環状
油路36とは連通しており、作動油はオイルポンプ17
から作動油供給管18を介して油圧制御バルブ28に供
給され、環状油路36から油路39、環状油路38を通
じて反力プランジャ27のチャンバ29に供給される。
一方、ソレノイド33の励磁状態では、スプール31が
上昇位置にあって作動油供給管18と環状油路36とは
連通しておらず、作動油は油圧制御バルブ28には供給
されない。
の作動油排出管20に通じる油路34,35とオイルポ
ンプ17の作動油供給管18に通じうる環状油路36と
が形成されると共に、反力プランジャ27のチャンバ2
9に作動油給排管37を介して通じる環状油路38と環
状油路36,38を相互に連通する油路39とが形成さ
れている。従って、ソレノイド33の消磁状態では、ス
プール31が下降位置にあって作動油供給管18と環状
油路36とは連通しており、作動油はオイルポンプ17
から作動油供給管18を介して油圧制御バルブ28に供
給され、環状油路36から油路39、環状油路38を通
じて反力プランジャ27のチャンバ29に供給される。
一方、ソレノイド33の励磁状態では、スプール31が
上昇位置にあって作動油供給管18と環状油路36とは
連通しておらず、作動油は油圧制御バルブ28には供給
されない。
【0042】このような油圧制御バルブ28はコントロ
ールユニット(CU)51によって制御されるようにな
っている。即ち、このコントロールユニット51には車
速センサ41、並びに操舵角センサ52、エンジン回転
数センサ42等が接続されている。また、パワーステア
リング用油圧シリンダ21の各油室25,26にはパワ
ーステアリング装置の作動圧力PL ,PR を検出する圧
力センサ53が装着されており、コントロールユニット
51にはこの圧力センサ53が接続されている。
ールユニット(CU)51によって制御されるようにな
っている。即ち、このコントロールユニット51には車
速センサ41、並びに操舵角センサ52、エンジン回転
数センサ42等が接続されている。また、パワーステア
リング用油圧シリンダ21の各油室25,26にはパワ
ーステアリング装置の作動圧力PL ,PR を検出する圧
力センサ53が装着されており、コントロールユニット
51にはこの圧力センサ53が接続されている。
【0043】このコントロールユニット51は横加速度
演算部54と路面摩擦係数演算部55とファジィ演算に
より目標アシスト量を設定するファジィ演算部56とを
有している。そして、コントロールユニット51におい
て、横加速度演算部54では、車速センサ41から入力
された車速Vと操舵角センサ52から入力された操舵角
haとに基づいて車両に生じる横加速度GY を算出してフ
ァジィ演算部56に出力する。そして、路面摩擦係数演
算部55では、パワーステアリング用油圧シリンダ21
の圧力センサ53から入力された圧力PL ,PR をに基
づいて路面摩擦係数(路面μ)を算出してファジィ演算
部56に出力する。ファジィ演算部56では、車速セン
サ41から入力された車速Vと横加速度演算部54から
入力された横加速度GY と路面摩擦係数演算部55から
入力された路面μとからファジィ演算を行い、その演算
結果を油圧制御バルブ28に出力し、ソレノイド33に
与える電流量を設定してソレノイド33を制御するよう
になっている。
演算部54と路面摩擦係数演算部55とファジィ演算に
より目標アシスト量を設定するファジィ演算部56とを
有している。そして、コントロールユニット51におい
て、横加速度演算部54では、車速センサ41から入力
された車速Vと操舵角センサ52から入力された操舵角
haとに基づいて車両に生じる横加速度GY を算出してフ
ァジィ演算部56に出力する。そして、路面摩擦係数演
算部55では、パワーステアリング用油圧シリンダ21
の圧力センサ53から入力された圧力PL ,PR をに基
づいて路面摩擦係数(路面μ)を算出してファジィ演算
部56に出力する。ファジィ演算部56では、車速セン
サ41から入力された車速Vと横加速度演算部54から
入力された横加速度GY と路面摩擦係数演算部55から
入力された路面μとからファジィ演算を行い、その演算
結果を油圧制御バルブ28に出力し、ソレノイド33に
与える電流量を設定してソレノイド33を制御するよう
になっている。
【0044】このファジィ演算部56では、図2に示す
ように、車速Vから走行状態に関する適合度(グレー
ド)を求めるメンバシップ関数と、図3に示すように、
横加速度GY に関する適合度を求めるメンバシップ関数
と、図4に示すように、横加速度GY 及び路面摩擦係数
μの演算値に関する適合度を求めるメンバシップ関数と
を適用し、車両の走行状態における車速Vの適合度及び
横加速度GY の適合度、横加速度GY 及び路面摩擦係数
μの演算値に関する適合度をそれぞれ求める。そして、
これらの適合度から、図5に示すように、台集合を示す
グラフからスケルトン法によって制御量、即ち、操舵ア
シスト量を決定し、ソレノイド33に与える電流量を制
御するようになっている。
ように、車速Vから走行状態に関する適合度(グレー
ド)を求めるメンバシップ関数と、図3に示すように、
横加速度GY に関する適合度を求めるメンバシップ関数
と、図4に示すように、横加速度GY 及び路面摩擦係数
μの演算値に関する適合度を求めるメンバシップ関数と
を適用し、車両の走行状態における車速Vの適合度及び
横加速度GY の適合度、横加速度GY 及び路面摩擦係数
μの演算値に関する適合度をそれぞれ求める。そして、
これらの適合度から、図5に示すように、台集合を示す
グラフからスケルトン法によって制御量、即ち、操舵ア
シスト量を決定し、ソレノイド33に与える電流量を制
御するようになっている。
【0045】本実施例では、車速Vのメンバシップ関数
として走行状態を、図2に示すように、3段階の状態に
分け、車速Vが0〜75km/hを「低速走行モード」、
30〜120km/hを「中速走行モード」、75km/h
以上を「高速走行モード」と設定しており、これらのモ
ードに対する適合度を車速Vに対応して決定する。一
方、アシスト制御量の評価を、図5に示すように、3段
階の状態に分け、「S(スモール)」、「M(ミディア
ム)」、「B(ビッグ)」と設定しており、評価Sでは
アシスト量を100%とし、評価Bではアシスト量を0
%としている。
として走行状態を、図2に示すように、3段階の状態に
分け、車速Vが0〜75km/hを「低速走行モード」、
30〜120km/hを「中速走行モード」、75km/h
以上を「高速走行モード」と設定しており、これらのモ
ードに対する適合度を車速Vに対応して決定する。一
方、アシスト制御量の評価を、図5に示すように、3段
階の状態に分け、「S(スモール)」、「M(ミディア
ム)」、「B(ビッグ)」と設定しており、評価Sでは
アシスト量を100%とし、評価Bではアシスト量を0
%としている。
【0046】そして、車速Vのメンバシップ関数の低速
走行モードに関してはアシスト制御量の評価S、また、
中速走行モードに関しては評価M、高速走行モードに関
しては評価B1というようにそれぞれ対応させている。
即ち、車速Vが上昇すると操舵アシスト量を低減してハ
ンドルを重くする、というルールを設定している。
走行モードに関してはアシスト制御量の評価S、また、
中速走行モードに関しては評価M、高速走行モードに関
しては評価B1というようにそれぞれ対応させている。
即ち、車速Vが上昇すると操舵アシスト量を低減してハ
ンドルを重くする、というルールを設定している。
【0047】また、横加速度GY のメンバシップ関数と
して走行状態を、図3に示すように、横加速度GY が0
〜1.0Gの領域までは横加速度GY の増大に応じて適
合度がリニアに増大し、横加速度GY が1.0Gで適合
度が1で一定となるように設定されている。そして、こ
の横加速度GY のメンバシップ関数は、その適合度に応
じてアシスト制御量の評価B2に対応させている。即
ち、横加速度GY が上昇すると操舵アシスト量を低減し
てハンドルを重くする、というルールを設定している。
して走行状態を、図3に示すように、横加速度GY が0
〜1.0Gの領域までは横加速度GY の増大に応じて適
合度がリニアに増大し、横加速度GY が1.0Gで適合
度が1で一定となるように設定されている。そして、こ
の横加速度GY のメンバシップ関数は、その適合度に応
じてアシスト制御量の評価B2に対応させている。即
ち、横加速度GY が上昇すると操舵アシスト量を低減し
てハンドルを重くする、というルールを設定している。
【0048】更に、横加速度GY 及び路面摩擦係数μの
演算値のメンバシップ関数に対する適合度はそのうちの
一方を採用するようにしている。即ち、横加速度GY の
メンバシップ関数として走行状態を、図4(a)に示すよ
うに、横加速度GY が0〜0.5Gの領域ではこの横加
速度GY の増大に応じて適合度がリニアに増大し、横加
速度GY が0.5〜1.0Gの領域では適合度が1で一
定となるように設定されている。また、路面μのメンバ
シップ関数として走行状態を、図4(b)に示すように、
路面μが0〜0.25の領域では適合度が1で一定であ
り、0.25以上の領域では、路面μの増大に応じて適
合度がリニアに減少し、路面μが0.8のときに適合度
が0となるように設定されている。
演算値のメンバシップ関数に対する適合度はそのうちの
一方を採用するようにしている。即ち、横加速度GY の
メンバシップ関数として走行状態を、図4(a)に示すよ
うに、横加速度GY が0〜0.5Gの領域ではこの横加
速度GY の増大に応じて適合度がリニアに増大し、横加
速度GY が0.5〜1.0Gの領域では適合度が1で一
定となるように設定されている。また、路面μのメンバ
シップ関数として走行状態を、図4(b)に示すように、
路面μが0〜0.25の領域では適合度が1で一定であ
り、0.25以上の領域では、路面μの増大に応じて適
合度がリニアに減少し、路面μが0.8のときに適合度
が0となるように設定されている。
【0049】本実施例では、横加速度GY のメンバシッ
プ関数に対する適合度と路面μのメンバシップ関数に対
する適合度とのうちの小さい方を採用している。なお、
この適合度の決定方法にあっては、小さい方を採用する
方法だけでなく、平均値を採用しても良いものである。
そして、この横加速度GY 及び路面μのメンバシップ関
数は、その適合度に応じてアシスト制御量の評価B2に
対応させている。即ち、車両の旋回走行状態で路面μが
上昇すると操舵アシスト量を低減してハンドルを重くす
る、というルールを設定している。
プ関数に対する適合度と路面μのメンバシップ関数に対
する適合度とのうちの小さい方を採用している。なお、
この適合度の決定方法にあっては、小さい方を採用する
方法だけでなく、平均値を採用しても良いものである。
そして、この横加速度GY 及び路面μのメンバシップ関
数は、その適合度に応じてアシスト制御量の評価B2に
対応させている。即ち、車両の旋回走行状態で路面μが
上昇すると操舵アシスト量を低減してハンドルを重くす
る、というルールを設定している。
【0050】このように求められた車速Vの適合度と横
加速度GY の適合度と路面μ(横加速度GY )の適合度
とから、図5に示す演算処理のグラフを用いてスケルト
ン法により目標アシスト量を得ることができるようにな
っている。
加速度GY の適合度と路面μ(横加速度GY )の適合度
とから、図5に示す演算処理のグラフを用いてスケルト
ン法により目標アシスト量を得ることができるようにな
っている。
【0051】なお、ここで、路面摩擦係数演算部54に
よる路面摩擦係数(路面μ)の演算方法について、図6
のフローチャートに基づいて説明する。図6に示すよう
に、ステップE1において、路面摩擦係数演算部54
は、車速センサ41から車速V、操舵角センサ52から
操舵角ha、圧力センサ53から圧力PL ,PR をそれぞ
れ読込む。そして、ステップE2において、パワーステ
アリング装置の左右の油室25,26の圧力PL ,PR
の差圧からパワステ圧PS を算出してステップE3に移
行する。ステップE3では、パワステ圧PS と操舵角ha
との比、即ち、P S /haを演算して求める。
よる路面摩擦係数(路面μ)の演算方法について、図6
のフローチャートに基づいて説明する。図6に示すよう
に、ステップE1において、路面摩擦係数演算部54
は、車速センサ41から車速V、操舵角センサ52から
操舵角ha、圧力センサ53から圧力PL ,PR をそれぞ
れ読込む。そして、ステップE2において、パワーステ
アリング装置の左右の油室25,26の圧力PL ,PR
の差圧からパワステ圧PS を算出してステップE3に移
行する。ステップE3では、パワステ圧PS と操舵角ha
との比、即ち、P S /haを演算して求める。
【0052】そして、ステップE4において、係数Kμ
を図示しないマップから読み出す。このマップは車速V
に対する係数Kμを規定したものであり、予め、CU5
1内のメモリに記憶されている。なお、この係数Kμ
は、下式で表すことができるものであり、マップはこの
数式から得られる。 Kμ=1+C2・V2 /(C1・C3・V2 ) C1,C2,C3は定数である。
を図示しないマップから読み出す。このマップは車速V
に対する係数Kμを規定したものであり、予め、CU5
1内のメモリに記憶されている。なお、この係数Kμ
は、下式で表すことができるものであり、マップはこの
数式から得られる。 Kμ=1+C2・V2 /(C1・C3・V2 ) C1,C2,C3は定数である。
【0053】ステップE4にて係数Kμをマップから読
み出した後、ステップE5では、ステップE3で算出さ
れたパワステ圧PS と操舵角haとの比PS /haにこの係
数Kμを乗算することにより路面μを算出する。即ち、
このことはパワステ圧PS と操舵角haと車速Vとから路
面μが算出されることを意味するものである。
み出した後、ステップE5では、ステップE3で算出さ
れたパワステ圧PS と操舵角haとの比PS /haにこの係
数Kμを乗算することにより路面μを算出する。即ち、
このことはパワステ圧PS と操舵角haと車速Vとから路
面μが算出されることを意味するものである。
【0054】このようにしてパワステ圧PS と操舵角ha
と車速Vとから路面μを算出するわけであるが、このよ
うな路面μの演算方法についてはすでに本出願人が出願
しているものであり、詳細は出願明細書である、特願平
2−179238(平成2年7月6日出願)を参照して
頂きたい。
と車速Vとから路面μを算出するわけであるが、このよ
うな路面μの演算方法についてはすでに本出願人が出願
しているものであり、詳細は出願明細書である、特願平
2−179238(平成2年7月6日出願)を参照して
頂きたい。
【0055】ここで、上述した本実施例の電子制御式パ
ワーステアリング装置において、コントロールユニット
51による制御手順を図7のフローチャートに基づいて
説明する。
ワーステアリング装置において、コントロールユニット
51による制御手順を図7のフローチャートに基づいて
説明する。
【0056】図7に示すように、まず、ステップS1に
おいて、車速センサ41は走行中の車両の走行速度Vを
検出し、車速のセンサ信号をCU51(路面摩擦係数演
算部53及び横加速度演算部54、ファジィ演算部5
6)に出力してステップS2に移行する。ステップS2
において、操舵角センサ52は車両の操舵角haを検出
し、操舵角のセンサ信号をCU51(路面摩擦係数演算
部53及び横加速度演算部54)に出力してステップS
3に移行する。ステップS3では、CU51が車速Vと
操舵角haのセンサ信号としてのアナログ信号をデジタル
信号に変換処理し、横加速度演算部54にて車速Vと操
舵角haとに基づいて車両に生じる横加速度G Y を算出す
る。また、ステップS4では、前述したように、パワス
テ圧PS と操舵角haと車速Vとから路面μを算出する。
おいて、車速センサ41は走行中の車両の走行速度Vを
検出し、車速のセンサ信号をCU51(路面摩擦係数演
算部53及び横加速度演算部54、ファジィ演算部5
6)に出力してステップS2に移行する。ステップS2
において、操舵角センサ52は車両の操舵角haを検出
し、操舵角のセンサ信号をCU51(路面摩擦係数演算
部53及び横加速度演算部54)に出力してステップS
3に移行する。ステップS3では、CU51が車速Vと
操舵角haのセンサ信号としてのアナログ信号をデジタル
信号に変換処理し、横加速度演算部54にて車速Vと操
舵角haとに基づいて車両に生じる横加速度G Y を算出す
る。また、ステップS4では、前述したように、パワス
テ圧PS と操舵角haと車速Vとから路面μを算出する。
【0057】そして、ステップS5において、ファジィ
演算部56で、図2に示すメンバシップ関数のグラフか
ら車速Vの走行状態に関する適合度を求め、且つ、図3
に示すメンバシップ関数のグラフから横加速度GY の走
行状態に関する適合度を求め、且つ、図4に示すメンバ
シップ関数のグラフから路面μ走行状態に関する適合度
を求める。そして、ステップS6では、これらの各適合
度から、図5に示す演算処理のグラフを用いてスケルト
ン法により目標とするアシスト量を決定する。更に、ス
テップS7において、この目標アシスト量を対応する油
圧制御バルブ28のソレノイド33に与える電流量に変
換し、ステップS8にて、操舵アシスト量を制御するこ
の電流量を駆動回路、つまり、油圧制御バルブ28のソ
レノイド33に出力する。
演算部56で、図2に示すメンバシップ関数のグラフか
ら車速Vの走行状態に関する適合度を求め、且つ、図3
に示すメンバシップ関数のグラフから横加速度GY の走
行状態に関する適合度を求め、且つ、図4に示すメンバ
シップ関数のグラフから路面μ走行状態に関する適合度
を求める。そして、ステップS6では、これらの各適合
度から、図5に示す演算処理のグラフを用いてスケルト
ン法により目標とするアシスト量を決定する。更に、ス
テップS7において、この目標アシスト量を対応する油
圧制御バルブ28のソレノイド33に与える電流量に変
換し、ステップS8にて、操舵アシスト量を制御するこ
の電流量を駆動回路、つまり、油圧制御バルブ28のソ
レノイド33に出力する。
【0058】ここで、図8に示すスケルトン法によりア
シスト量を求める演算処理に基づいて具体的な車両の走
行状態におけるファジィ制御について説明する。例え
ば、車速Vが60km/hで低μ路を旋回している状況を
考える。この場合、車速Vが60km/hで旋回走行して
いるときの横加速度GY は0.3Gであり、路面μは
0.3となっている。
シスト量を求める演算処理に基づいて具体的な車両の走
行状態におけるファジィ制御について説明する。例え
ば、車速Vが60km/hで低μ路を旋回している状況を
考える。この場合、車速Vが60km/hで旋回走行して
いるときの横加速度GY は0.3Gであり、路面μは
0.3となっている。
【0059】従って、図8に示すように、車速Vが60
km/hのときは、中速走行モードでの適合度が0.6
7、低速走行モードでの適合度が0.33となり、中速
走行に対応するアシスト制御量の評価はM、低速走行に
対応するアシスト制御量の評価はSとなる。また、この
ときの横加速度GY は0.3Gであり、適合度は0.3
3となる。更に、このときの横加速度GY 及び路面μの
演算値において、横加速度GY は0.3Gで適合値は
0.6で、一方、路面μは0.3であり、適合度は0.
9となり、両者のうちの小さい方を採用するので適合度
は0.6となる。
km/hのときは、中速走行モードでの適合度が0.6
7、低速走行モードでの適合度が0.33となり、中速
走行に対応するアシスト制御量の評価はM、低速走行に
対応するアシスト制御量の評価はSとなる。また、この
ときの横加速度GY は0.3Gであり、適合度は0.3
3となる。更に、このときの横加速度GY 及び路面μの
演算値において、横加速度GY は0.3Gで適合値は
0.6で、一方、路面μは0.3であり、適合度は0.
9となり、両者のうちの小さい方を採用するので適合度
は0.6となる。
【0060】そして、このようにして求めた車速V及び
横加速度GY 、路面μの適合度からスケルトン法によ
り、即ち、適合度に対応する高さの重心位置を求めて目
標とするアシスト量を決定する。即ち、車速Vが60km
/hでの旋回走行状態では、車速Vに関するアシスト制
御量の評価はMでその適合度は0.67であると共に評
価Sでその適合度は0.33であり、横加速度GY に関
するアシスト制御量の評価はB2でその適合度は0.3
であり、且つ、路面μに関するアシスト制御量の評価は
B2でその適合度は0.6である。従って、アシスト量
は35%となる。
横加速度GY 、路面μの適合度からスケルトン法によ
り、即ち、適合度に対応する高さの重心位置を求めて目
標とするアシスト量を決定する。即ち、車速Vが60km
/hでの旋回走行状態では、車速Vに関するアシスト制
御量の評価はMでその適合度は0.67であると共に評
価Sでその適合度は0.33であり、横加速度GY に関
するアシスト制御量の評価はB2でその適合度は0.3
であり、且つ、路面μに関するアシスト制御量の評価は
B2でその適合度は0.6である。従って、アシスト量
は35%となる。
【0061】このように車両が車速V=60km/hで低
μ路を旋回している場合、車速Vが高く、横加速度GY
が作用し、且つ、路面μが低いので、パワーステアリン
グの操舵アシスト量は35%と低いのである。即ち、車
両がある程度高速で走行していると、車速Vは高いので
一般的にはパワーステアリングの操舵アシスト量を低減
してハンドルを重くしている。しかし、このときは車両
が低μ路、即ち、滑りやすい路面を走行しているので、
乾燥路では重くても低μ路では操舵力が軽くなり、ハン
ドル操舵が不安定となる虞がある。従って、本実施例で
は、この車両が走行している路面の摩擦係数μをメンバ
シップ関数として適用することで、車両が低μ路を走行
しているときには、路面μの増減によりパワーステアリ
ングの操舵アシスト量を低減してハンドルを通常よりや
や重たくしているのである。
μ路を旋回している場合、車速Vが高く、横加速度GY
が作用し、且つ、路面μが低いので、パワーステアリン
グの操舵アシスト量は35%と低いのである。即ち、車
両がある程度高速で走行していると、車速Vは高いので
一般的にはパワーステアリングの操舵アシスト量を低減
してハンドルを重くしている。しかし、このときは車両
が低μ路、即ち、滑りやすい路面を走行しているので、
乾燥路では重くても低μ路では操舵力が軽くなり、ハン
ドル操舵が不安定となる虞がある。従って、本実施例で
は、この車両が走行している路面の摩擦係数μをメンバ
シップ関数として適用することで、車両が低μ路を走行
しているときには、路面μの増減によりパワーステアリ
ングの操舵アシスト量を低減してハンドルを通常よりや
や重たくしているのである。
【0062】以上のように、本実施例の電子制御式パワ
ーステアリング装置にあっては、車速Vの増減のほか
に、車両が走行している路面の摩擦係数μをメンバシッ
プ関数として適用し、これらのメンバシップ関数に対応
してファジィ推論によって操舵アシスト量が制御される
ので、車両が滑りやすい路面を走行しているときには、
路面μが低くなることからアシスト量が低減され、この
分だけハンドルが重たくなる。従って、車速状態が違っ
ても低μ路走行時には、常に、ドライバが滑りやすい路
面をハンドルで実感しながら操縦できるのである。
ーステアリング装置にあっては、車速Vの増減のほか
に、車両が走行している路面の摩擦係数μをメンバシッ
プ関数として適用し、これらのメンバシップ関数に対応
してファジィ推論によって操舵アシスト量が制御される
ので、車両が滑りやすい路面を走行しているときには、
路面μが低くなることからアシスト量が低減され、この
分だけハンドルが重たくなる。従って、車速状態が違っ
ても低μ路走行時には、常に、ドライバが滑りやすい路
面をハンドルで実感しながら操縦できるのである。
【0063】また、本実施例の電子制御式パワーステア
リング装置にあっては、横加速度G Y をメンバシップ関
数として適用し、これらのメンバシップ関数に対応して
ファジィ推論によって操舵アシスト量が制御されるの
で、車両によるコーナーへの進入時には、横加速度GY
(操舵角)が大きくなることからアシスト量の減少度合
が増加して、この分だけハンドルが重たくなる。従っ
て、車速状態が違ってもコーナーの進入時には、常に、
ドライバがコーナーへの進入をハンドルで実感しながら
操縦できるのである。また、横加速度GY に関するメン
バシップ関数にこの横加速度GY に対して適合度がリニ
アに変化する操舵リニアリティ領域が設けられているの
で、操舵リニアリティが確保される。
リング装置にあっては、横加速度G Y をメンバシップ関
数として適用し、これらのメンバシップ関数に対応して
ファジィ推論によって操舵アシスト量が制御されるの
で、車両によるコーナーへの進入時には、横加速度GY
(操舵角)が大きくなることからアシスト量の減少度合
が増加して、この分だけハンドルが重たくなる。従っ
て、車速状態が違ってもコーナーの進入時には、常に、
ドライバがコーナーへの進入をハンドルで実感しながら
操縦できるのである。また、横加速度GY に関するメン
バシップ関数にこの横加速度GY に対して適合度がリニ
アに変化する操舵リニアリティ領域が設けられているの
で、操舵リニアリティが確保される。
【0064】更に、本実施例の電子制御式パワーステア
リング装置にあっては、ファジィ推論により、「車速V
が上昇すると操舵アシスト量を低減してハンドルを重く
する」というルールと、「横加速度GY が上昇すると操
舵アシスト量を低減してハンドルを重くする」というル
ールと、「車両の旋回走行状態で路面μが上昇すると操
舵アシスト量を低減してハンドルを重くする」という3
つのルールに基づいて操舵アシスト量を制御すること
で、少ないルール数でより細かい制御を可能とすること
ができる。
リング装置にあっては、ファジィ推論により、「車速V
が上昇すると操舵アシスト量を低減してハンドルを重く
する」というルールと、「横加速度GY が上昇すると操
舵アシスト量を低減してハンドルを重くする」というル
ールと、「車両の旋回走行状態で路面μが上昇すると操
舵アシスト量を低減してハンドルを重くする」という3
つのルールに基づいて操舵アシスト量を制御すること
で、少ないルール数でより細かい制御を可能とすること
ができる。
【0065】ここで、このような本実施例の電子制御式
パワーステアリング装置を車両に適用した場合につい
て、ハンドル操舵力及び戻り感を実験に基づいて具体的
に評価する。即ち、操舵リニアリティ特性については図
9のグラフに示すようなものとなる。この図9におい
て、横軸は操舵角、縦軸は操舵力を示しており、実線は
本実施例の電子制御式パワーステアリング装置(EP
S)の特性を示し、破線は従来の電子制御式パワーステ
アリング装置(EPS)の特性を示している。
パワーステアリング装置を車両に適用した場合につい
て、ハンドル操舵力及び戻り感を実験に基づいて具体的
に評価する。即ち、操舵リニアリティ特性については図
9のグラフに示すようなものとなる。この図9におい
て、横軸は操舵角、縦軸は操舵力を示しており、実線は
本実施例の電子制御式パワーステアリング装置(EP
S)の特性を示し、破線は従来の電子制御式パワーステ
アリング装置(EPS)の特性を示している。
【0066】図9に実線で示すように、本実施例のEP
Sは、従来のEPSに比べて操舵角の大きい領域まで、
つまり、車両に生じる横加速度GY の大きい領域まで広
い領域にわたって比較的リニアな操舵特性が得られる。
これは、横加速度GY に関するメンバシップ関数におけ
る操舵リニアリティ領域に対応して得られるものであ
る。また、操舵の中立付近では従来のものに比べて傾き
がやや急になっており、この領域での操舵反力が増大し
て操舵中立感が向上し、ハンドル戻り感も向上する。
Sは、従来のEPSに比べて操舵角の大きい領域まで、
つまり、車両に生じる横加速度GY の大きい領域まで広
い領域にわたって比較的リニアな操舵特性が得られる。
これは、横加速度GY に関するメンバシップ関数におけ
る操舵リニアリティ領域に対応して得られるものであ
る。また、操舵の中立付近では従来のものに比べて傾き
がやや急になっており、この領域での操舵反力が増大し
て操舵中立感が向上し、ハンドル戻り感も向上する。
【0067】また、低μ路におけるハンドル操舵力の操
舵リニアリティ特性については図10のグラフに示すよ
うなものとなる。この図10において、実線は本実施例
のEPSの特性を示し、一点鎖線は本実施例のEPSで
路面μの制御を行わなかった場合の特性を示し、破線は
従来のEPSの特性を示している。図10に実線で示す
ように、本実施例のEPSは、路面μの制御を行わなか
った場合のEPSに比べて操舵角の大きい領域までリニ
アな操舵特性が維持される。
舵リニアリティ特性については図10のグラフに示すよ
うなものとなる。この図10において、実線は本実施例
のEPSの特性を示し、一点鎖線は本実施例のEPSで
路面μの制御を行わなかった場合の特性を示し、破線は
従来のEPSの特性を示している。図10に実線で示す
ように、本実施例のEPSは、路面μの制御を行わなか
った場合のEPSに比べて操舵角の大きい領域までリニ
アな操舵特性が維持される。
【0068】なお、上述の実施例において、電子制御式
パワーステアリング装置の制御系を油圧式として説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、モータ
を使用した電動式パワーステアリング装置に適用しても
同様の効果を奏することができるものであり、また、電
子制御式パワーステアリング装置の機械系も上述の実施
例に限定されるものではなく、いずれのものに対しても
適用することができるものである。
パワーステアリング装置の制御系を油圧式として説明し
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、モータ
を使用した電動式パワーステアリング装置に適用しても
同様の効果を奏することができるものであり、また、電
子制御式パワーステアリング装置の機械系も上述の実施
例に限定されるものではなく、いずれのものに対しても
適用することができるものである。
【0069】また、上述の実施例において、コントロー
ルユニット51に横加速度演算部54を設け、この横加
速度演算部54が車速センサ41から入力された車速V
と操舵角センサ52から入力された操舵角haとに基づい
て車両に生じる横加速度GYを算出するようにしたが、
車両に横加速度検出センサを装着してこの横加速度G Y
を直接測定してもよいものである。更に、コントロール
ユニット51に路面摩擦係数演算部55を設け、この路
面摩擦係数演算部55が車速センサ41から入力された
車速Vと操舵角センサ52から入力された操舵角haと圧
力センサ53から入力された圧力PL ,PR (パワステ
圧PS )とに基づいて路面摩擦係数μを算出するように
したが、車両に路面摩擦係数検出センサを装着してこの
路面摩擦係数μを直接測定してもよいものである。ま
た、車速V及び横加速度GY 、路面μのメンバシップ関
数、並びに操舵アシスト量の評価をそれぞれ3段階に分
けたが、例えば5段階でもよい。そして、この操舵アシ
スト量をスケルトン法により求めたが、最大平均法や重
心法、面積法などによって求めてもよいものである。
ルユニット51に横加速度演算部54を設け、この横加
速度演算部54が車速センサ41から入力された車速V
と操舵角センサ52から入力された操舵角haとに基づい
て車両に生じる横加速度GYを算出するようにしたが、
車両に横加速度検出センサを装着してこの横加速度G Y
を直接測定してもよいものである。更に、コントロール
ユニット51に路面摩擦係数演算部55を設け、この路
面摩擦係数演算部55が車速センサ41から入力された
車速Vと操舵角センサ52から入力された操舵角haと圧
力センサ53から入力された圧力PL ,PR (パワステ
圧PS )とに基づいて路面摩擦係数μを算出するように
したが、車両に路面摩擦係数検出センサを装着してこの
路面摩擦係数μを直接測定してもよいものである。ま
た、車速V及び横加速度GY 、路面μのメンバシップ関
数、並びに操舵アシスト量の評価をそれぞれ3段階に分
けたが、例えば5段階でもよい。そして、この操舵アシ
スト量をスケルトン法により求めたが、最大平均法や重
心法、面積法などによって求めてもよいものである。
【0070】更に、上述の実施例では、コントロールユ
ニット(目標アシスト量設定手段)51がファジィルー
ルに基づいて目標アシスト量を設定するようにしたが、
その他の制御手段に基づいて目標アシスト量を設定して
もよいものである。
ニット(目標アシスト量設定手段)51がファジィルー
ルに基づいて目標アシスト量を設定するようにしたが、
その他の制御手段に基づいて目標アシスト量を設定して
もよいものである。
【0071】
【発明の効果】以上、実施例を挙げて詳細に説明したよ
うに、本発明の電子制御式パワーステアリング装置によ
れば、車速検出手段により車両の走行速度を検出すると
共に路面摩擦係数検出手段により車両が走行する路面の
摩擦係数を検出し、目標アシスト量設定手段が車両の走
行速度並びに路面摩擦係数を入力条件として目標アシス
ト量を設定するようにしたので、路面状況に応じて操舵
力の制御が可能となって操舵フィーリングを向上するこ
とができ、車両の走行状態に応じて最適な操舵特性が得
られ、且つ、その入力条件として路面摩擦係数を用いた
ことで、車両が走行する路面状態における操舵操作の安
定度を向上することができる。
うに、本発明の電子制御式パワーステアリング装置によ
れば、車速検出手段により車両の走行速度を検出すると
共に路面摩擦係数検出手段により車両が走行する路面の
摩擦係数を検出し、目標アシスト量設定手段が車両の走
行速度並びに路面摩擦係数を入力条件として目標アシス
ト量を設定するようにしたので、路面状況に応じて操舵
力の制御が可能となって操舵フィーリングを向上するこ
とができ、車両の走行状態に応じて最適な操舵特性が得
られ、且つ、その入力条件として路面摩擦係数を用いた
ことで、車両が走行する路面状態における操舵操作の安
定度を向上することができる。
【0072】また、目標アシスト量設定手段が車両の走
行速度並びに路面摩擦係数を入力条件としてファジィル
ールに基づいて目標アシスト量を設定するようにしたの
で、少ないルール数で細かい操舵制御が可能となり、車
速に応じて安定感と扱いやすさとをバランスさせた操舵
フィーリングが得られると共に操舵リニアリティが増し
て運転者が車両の走行状況を把握できるようになり、操
舵性能を向上することができる。
行速度並びに路面摩擦係数を入力条件としてファジィル
ールに基づいて目標アシスト量を設定するようにしたの
で、少ないルール数で細かい操舵制御が可能となり、車
速に応じて安定感と扱いやすさとをバランスさせた操舵
フィーリングが得られると共に操舵リニアリティが増し
て運転者が車両の走行状況を把握できるようになり、操
舵性能を向上することができる。
【0073】更に、本発明の電子制御式パワーステアリ
ング装置によれば、目標アシスト量設定手段が、車両の
走行速度を評価するメンバシップ関数と車両の路面摩擦
係数を評価するメンバシップ関数とを用い、車両の走行
速度の増加に伴って目標アシスト量を低減すると共に路
面摩擦係数の増加に伴って目標アシスト量を低減するフ
ァジィルールに基づいて目標アシスト量を設定するよう
にしたので、車速や路面摩擦係数の増加に応じて操舵ア
シスト量が低減されることで、高速になるほど操舵力特
性が重くなって操舵操作感を安定することができ、且
つ、すべりやすい路面ほど操舵力特性が重くなって路面
の度合いに応じた操舵感を得ることができる。
ング装置によれば、目標アシスト量設定手段が、車両の
走行速度を評価するメンバシップ関数と車両の路面摩擦
係数を評価するメンバシップ関数とを用い、車両の走行
速度の増加に伴って目標アシスト量を低減すると共に路
面摩擦係数の増加に伴って目標アシスト量を低減するフ
ァジィルールに基づいて目標アシスト量を設定するよう
にしたので、車速や路面摩擦係数の増加に応じて操舵ア
シスト量が低減されることで、高速になるほど操舵力特
性が重くなって操舵操作感を安定することができ、且
つ、すべりやすい路面ほど操舵力特性が重くなって路面
の度合いに応じた操舵感を得ることができる。
【0074】また、本発明の電子制御式パワーステアリ
ング装置によれば、目標アシスト量設定手段が車両の旋
回領域にて路面摩擦係数の増加に伴って目標アシスト量
を低減するようにしたので、例えば、車両が雨や雪など
によって濡れた路面を旋回走行しているとき、アシスト
量を低減してハンドルには重みが与えられることで、操
作安定感を向上することができる。
ング装置によれば、目標アシスト量設定手段が車両の旋
回領域にて路面摩擦係数の増加に伴って目標アシスト量
を低減するようにしたので、例えば、車両が雨や雪など
によって濡れた路面を旋回走行しているとき、アシスト
量を低減してハンドルには重みが与えられることで、操
作安定感を向上することができる。
【図1】本発明の電子制御式パワーステアリング装置の
一実施例に係るパワーステアリング用油圧制御部の概略
構成図である。
一実施例に係るパワーステアリング用油圧制御部の概略
構成図である。
【図2】ファジィ制御に用いる車速のメンバシップ関数
を表すグラフである。
を表すグラフである。
【図3】ファジィ制御に用いる横加速度のメンバシップ
関数を表すグラフである。
関数を表すグラフである。
【図4】ファジィ制御に用いる横加速度及び路面摩擦係
数の演算値のメンバシップ関数を表すグラフである。
数の演算値のメンバシップ関数を表すグラフである。
【図5】各メンバシップ関数の適合度からパワーステア
リングアシスト量をスケルトン法により求める演算処理
を表すグラフである。
リングアシスト量をスケルトン法により求める演算処理
を表すグラフである。
【図6】路面摩擦係数の演算のフローチャートである。
【図7】ファジィ制御を表すフローチャートである。
【図8】車速及び横加速度、横加速度及び路面摩擦係数
の演算値の各メンバシップ関数からスケルトン法により
アシスト量を求める演算処理の具体的な制御例を表す説
明図である。
の演算値の各メンバシップ関数からスケルトン法により
アシスト量を求める演算処理の具体的な制御例を表す説
明図である。
【図9】本実施例のファジィ制御による操舵リニアリテ
ィに関する効果を示すグラフである。
ィに関する効果を示すグラフである。
【図10】本実施例のファジィ制御による操舵リニアリ
ティに関する効果を示すグラフである。
ティに関する効果を示すグラフである。
【図11】従来の電子制御式パワーステアリング装置の
一例を表すパワーステアリング用油圧制御部の概略構成
図である。
一例を表すパワーステアリング用油圧制御部の概略構成
図である。
【図12】図11のXII−XII断面図である。
【図13】図11のXIII−XIII断面図である。
11 インプットシャフト 12 ケーシング 13 ピニオンギヤ 14 トーションバー 15 ラック 16 ロータリバルブ 17 オイルポンプ 19 オイルリザーバ 21 油圧シリンダ 25,26 油室 27 反力プランジャ 28 油圧制御バルブ 29 チャンバ 31 スプール 33 ソレノイド 41 車速センサ 51 コントロールユニット(CU) 52 操舵角センサ 53 圧力センサ 54 横加速度演算部 55 路面摩擦係数演算部 56 ファジィ演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B62D 127:00 137:00
Claims (4)
- 【請求項1】 車両のステアリング機構における操舵ア
シスト量を電子制御する電子制御式パワーステアリング
装置において、車両の走行速度を検出する車速検出手段
と、車両が走行する路面の摩擦係数を検出する路面摩擦
係数検出手段と、前記車両の走行速度並びに路面摩擦係
数を入力条件として目標アシスト量を設定する目標アシ
スト量設定手段とを具えたことを特徴とする電子制御式
パワーステアリング装置。 - 【請求項2】 車両のステアリング機構における操舵ア
シスト量を電子制御する電子制御式パワーステアリング
装置において、車両の走行速度を検出する車速検出手段
と、車両が走行する路面の摩擦係数を検出する路面摩擦
係数検出手段と、前記車両の走行速度並びに路面摩擦係
数を入力条件としてファジィルールに基づいて目標アシ
スト量を設定する目標アシスト量設定手段とを具えたこ
とを特徴とする電子制御式パワーステアリング装置。 - 【請求項3】 請求項2記載の電子制御式パワーステア
リング装置において、目標アシスト量設定手段を、車両
の走行速度を評価するメンバシップ関数と路面摩擦係数
を評価するメンバシップ関数とを用い、前記車両の走行
速度の増加に伴って前記目標アシスト量を低減すると共
に前記路面摩擦係数の増加に伴って前記目標アシスト量
を低減するファジィルールに基づいて前記目標アシスト
量を設定するように構成したことを特徴とする電子制御
式パワーステアリング装置。 - 【請求項4】 請求項2記載の電子制御式パワーステア
リング装置において、目標アシスト量設定手段は、車両
の旋回領域にて路面摩擦係数の増加に伴って目標アシス
ト量を低減するように構成したことを特徴とする電子制
御式パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15030793A JPH0710022A (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 電子制御式パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15030793A JPH0710022A (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 電子制御式パワーステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0710022A true JPH0710022A (ja) | 1995-01-13 |
Family
ID=15494152
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15030793A Pending JPH0710022A (ja) | 1993-06-22 | 1993-06-22 | 電子制御式パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0710022A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020114721A (ja) * | 2019-01-18 | 2020-07-30 | クノールブレムゼステアリングシステムジャパン株式会社 | ステアリング装置 |
-
1993
- 1993-06-22 JP JP15030793A patent/JPH0710022A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020114721A (ja) * | 2019-01-18 | 2020-07-30 | クノールブレムゼステアリングシステムジャパン株式会社 | ステアリング装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20000725 |