JPH0699842B2 - かつらの装着方法およびかつら装着用連結糸 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明はかつらの装着方法およびかつら装着用連結糸に
関する。

なお、ここで「かつら」とは、ネット状部材、ベース状
部材など形態を問わず自毛の毛根近傍に装着される増毛
部材を言う。

「従来の技術と問題点」 従来、かつらの装着方法としては、たとえば接着剤や両
面テープを用いてかつらを頭部に接着固定する方法があ
る。しかし、この方法で頭皮に直接接着剤等を塗布する
ので通気性が悪く、蒸れや悪臭の原因になるという問題
点があった。またヘヤーピンなど自毛束挾持具を用いて
かつらを頭部に装着固定する方法がある。しかし、この
方法は頭皮とかつらのベースとの間に設けられる固定金
具としての自毛束挾持具が一般的に金属性のものである
ため、装着感が悪く、しかも、毛体にその挾着力あるい
は機械的負荷がかかり、そのため毛体が傷付いたりある
いは毛根が痛められ、脱毛化の原因になると言う問題点
があった。

「本発明の解決しようとする問題点」 本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、頭部は通気性
が良いため蒸れや悪臭の原因とならず、また数十本から
なる毛束体を締結するため、一本一本の毛根にかかる負
荷は少なく、したがって、毛根を痛めるなど脱毛化の原
因ともならず、さらに頭部にソフトなタッチで確実かつ
強固に装着することができるかつらの装着方法を得るに
ある。

また本発明は自毛束と連結糸の結び目が容易に滑らず、
かつ、自毛束とかつらを確実かつ強固に連結することが
できるかつら装着用連結糸を得るにある。

「問題点を解決するための手段」 本発明のかつらの装着方法は、中途部に複数の輪が片崩
れしないように糊剤を介し筒状あるいは連続的に接合す
る結び目を有する連結糸をあらかじめ形成する連結糸形
成工程と、次に自毛束を適宜に折曲した状態で当該折曲
部を連結糸の前記結び目に通す自毛束貫設工程と、次に
連結糸の両端部側を互いに引張ることにより前記結び目
で自毛束を締付ける自毛束締付工程と、次に連結糸の一
端部側をかつらの適宜部位に縫い合せるかつら装着用固
定工程と、しかる後に連結糸の前記一端部側を自毛束の
前記貫通する折曲部のループ内に挿通した後にその他端
部側と結ぶ糸端部結着工程とから成ることを特徴とす
る。

また本発明のかつら装着用連結糸は、かつらと自毛束と
を連結するかつら装着用の連結糸に於いて、中途部に複
数の輪が片崩れないように耐滑剤を含む糊剤を介して筒
状にあるいは連続的に接合する結び目を有することを特
徴とする。

「本発明の実施例」 以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明す
る。

第１図ないし第６図はかつらの装着方法の一実施例を示
す。

しかして、Ａは中途部に複数の輪が片崩れしないように
後述する仮止め糊剤を介し筒状あるいは連続的に接合す
る結び目を有する連結糸をあらかじめ形成する連結糸形
成工程である。この工程Ａの上記連結糸は第２図で示す
よう形成される。

すなわち、まず棒状体１に適当な材質から成る繊維糸２
の一端部側2aを巻き付けるように添し（ａ）、一方向に
ぐるぐると少なくとも３回以上巻き付け（ｂ）、次に巻
き付きによって形成された筒状あるいは連続的に接合す
る結び目2bが片崩れしないようにバルサムなど耐滑剤を
含む仮り止め糊剤３を結び目2bの表面に軽く塗布する
（ｃ）。しかる後に結び目2bから棒状体１を引き抜き、
繊維糸２の巻き付けた側の一端部側2aをその他端部側2c
と反対側の方に位置するように前記結び目2bに挿通する
（ｄ）。これにより第７図で示すようなかつら装着用の
連結糸４が出来上がる。なお、望ましくは連結糸４の結
び目2bの内面にも上記糊剤３を塗着する。

Ｂは数十本の自毛束を適宜に折曲した状態で当該折曲部
を連結糸の前記結び目2bに通す自毛束貫設工程である。

この自毛束貫設工程Ｂを第３図に概略的に示すと、自毛
束５をヘヤピン状に２つ折り（ｅ）し、その折曲部5aを
連結糸４の結び目2bに貫通状態に通す（ｆ）。この場合
連結糸４の結び目2bがより毛根部に近づくようにするこ
とが望ましい。

Ｃは連結糸４の両端部側2a、2cを互いに引張ることによ
り、前記結び目2bで自毛束５を締付する自毛束締付工程
である。

この自毛束締付工程Ｃの概略図は、第４図で示す符号ｇ
の通りである。この場合結び目2bを貫通した自毛束５の
折曲部5aはループ状になる。

Ｄは連結糸４の一端部側2aをかつら６の適宜部位に縫い
合せるかつら装着固定工程である。

このかつら装着固定工程Ｄは第５図の符号ｈで示すよう
に、たとえば連結糸４の一端部側2aを通した適宜な縫針
７をかつら６の外枠部6aに縫着することにより行なわれ
る。なお、上記かつら６はみの毛８を有するネット状の
タイプを示してあるが、ベース状タイプのものであって
も良い。

Ｅは連結糸４の一端部側2aを自毛束５の貫通する折曲部
5aのループ９内に挿通した後、その他端部側2cと結ぶ糸
端部結着工程である。

この糸端部結着工程Ｅの概略は第６図の符号ｉとｊで示
してある。この結着工程Ｅでは、符号ｉで示すように連
結糸４の一端部側2aを折曲部5aのループ９内に通した後
は、自毛束５を引き、折曲部5aと交差する連結糸４の交
差部分が結び目2b内に入り込むようにするのが望まし
い。なお、10は連結糸４の両糸端部に生じた結着部であ
る。

「発明の効果」 以上の説明から明らかなように本発明にあっては、次に
列挙するような効果がある。

（１）連結糸を用いてかつらと自毛束とを連結固定する
ので、従来のように自毛束挾持具の金属重量が自毛束に
かかることがない。したがって、自毛束への挾持あるい
は連結手段の物理的負荷を大巾に軽減することができ、
その結果、毛根を痛めるなど脱毛化の原因を少しでも解
消することができる。

（２）連結糸には複数の輪が糊剤を介し筒状にあるいは
連続的に接合する結び目2bが設けられているので、かつ
らを頭部に装着する際自毛束の折り曲げ部に生ずるルー
プ９に連結糸の一端部側2aを通し、かつ、その他端部側
2cと結着することができる。

したがって、自毛束のゆるみや抜け出しを防止すること
ができ、それ故かつらを自毛束に確実かつ強固に装着固
定することができる。

（３）従来のように接着剤や両面テープを用いていない
ので、かつらを頭部にソフトなタッチで装着することが
でき、したがって、通気性が良く、蒸れや悪臭を少しで
も軽減することができる。

（４）かつらを取り出す時は連結糸を切断すれば良い。
したがって、かつらを簡単かつ短時間に取り外すことが
できる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の方法の発明の一実施例を示す工程図、
第２図ないし第６図は前記方法の発明の各工程の概略説
明図、第７図は本発明の方法の発明の実施に直接使用さ
れる連結糸の一実施例を示す説明図である。 Ａ…連結糸形成工程、Ｂ…自毛束貫設工程、 Ｃ…自毛束締付工程、 Ｄ…かつら装着固定工程、 Ｅ…糸端部結着工程、 １…棒状体、２…繊維糸、 2a…一端部側、2b…結び目、 2c…他端部側、３…糊剤、 ５…自毛束、5a…折曲部、 ６…かつら、９……ループ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】中途部に複数の輪が片崩れしないように糊
   剤を介し筒状あるいは連続的に接合する結び目を有する
   連結糸をあらかじめ形成する連結糸形成工程と、次に自
   毛束を適宜に折曲した状態で当該折曲部を連結糸の前記
   結び目に通す自毛束貫設工程と、次に連結糸の両端部側
   を互いに引張ることにより前記結び目で自毛束を締付け
   る自毛束締付工程と、次に連結糸の一端部側をかつらの
   適宜部位に縫い合せるかつら装着固定工程と、しかる後
   に連結糸の前記一端部側を自毛束の前記貫通する折曲部
   のループ内に挿通した後にその他端部側と結ぶ糸端部結
   着工程とから成るかつらの装着方法。
2. 【請求項２】かつらと自毛束とを連結するかつら装着用
   の連結糸に於いて、中途部に複数の輪が片崩れないよう
   に耐滑剤を含む糊剤を介して筒状にあるいは連続的に接
   合する結び目を有することを特徴とするかつら装着用連
   結糸。