JPH0699631A - リボンカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スプールをケース体内において一の方向に付
勢している金属製のスプリングを廃止して、コストダウ
ンと金属製ゴミの発生の防止とを図る。 【構成】 インクリボン１８を巻回した供給スプール１
２と巻取スプール１２´を合成樹脂製のケース体２内に
回転可能に収納してなるリボンカートリッジ１であっ
て、スプールの駆動軸等挿入部１５、１５´と反対側の
端部に突設された被支持ピン１７、１７´を回転可能に
支持する軸受部７、７´とケース体との間にスプールを
上記駆動軸等挿入部側のケース体内壁へ向かって押圧付
勢する弾接片１１、１１´を設け、該弾接片の基端側が
ケース体に一体に形成され自由端側がスプールの上記被
支持ピンの先端に弾接されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は新規なリボンカートリッ
ジに関する。詳しくは、帯状をしたリボン体を巻回した
スプールをケース体内に回転可能に収納してなるリボン
カートリッジであって、スプールをケース体内において
一の方向に付勢している金属製のスプリングを廃止し
て、コストダウンと金属製ゴミの発生の防止とを図った
新規なリボンカートリッジを提供しようとするものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】リボンカートリッジ、例えば、プリンタ
ーに使用するインクリボンをスプールに巻回してケース
体内に収納したインクリボンカートリッジがあり、この
インクリボンカートリッジをプリンターに装着すること
によってインクリボンをプリンターに供給するようにな
っている。

【０００３】図１３及び図１４はそのようなインクリボ
ンカートリッジの従来のものの一例ａを示すものであ
る。

【０００４】ｂはケース体であり、一端が開口された筒
状を為す２つのスプール収納部ｃ、ｃが連結部ｄ、ｄに
よって一体に連結されて成る。

【０００５】ｅ、ｅはスプール収納部ｃ、ｃの一端に形
成された開口、ｆ、ｆはスプール収納部ｃ、ｃの他端部
内に形成された支持壁であり、該支持壁ｆ、ｆには支持
孔ｇ、ｇが形成されている。

【０００６】ｈ、ｈはスプール収納部ｃ、ｃの互いに対
向した壁部に軸方向に延びるように形成されたスリット
である。

【０００７】ｉ、ｉはスプールであり、略円筒状に形成
されている。

【０００８】スプールｉ、ｉの一端部ｊ、ｊは被駆動部
とされ該被駆動部ｊ、ｊには一端に開口した連結凹部
ｋ、ｋが形成され、該連結凹部ｋ、ｋの内周面には軸方
向に延びる係合突条ｌ、ｌ、・・・が周方向に所定間隔
で配列されるように突設されている。

【０００９】ｍ、ｍはスプールｉ、ｉの一端寄りの位置
に突設されたフランジである。

【００１０】スプールｉ、ｉの他端は閉塞されており、
該閉塞端の中心部から被支持ピンｎ、ｎが突設されてい
る。

【００１１】しかして、スプールｉ、ｉはその被支持ピ
ンｎ、ｎがスプール収納部ｃ、ｃ内の支持壁ｆ、ｆの支
持孔ｇ、ｇに挿通されて回転可能に支持される。そし
て、フランジｍ、ｍは開口ｅ、ｅの内側に位置される。
このようにして、スプールｉ、ｉはケース体ｂのスプー
ル収納部ｃ、ｃ内に回転可能な状態で収納される。

【００１２】また、両端が各スプールｉ、ｉに止着さ
れ、かつ、一方のスプールｉに所定量巻回されたインク
リボンｏはスリットｈ、ｈを挿通され、スプール収納部
ｃとｃとの間でケース体ｂ外に露出される。

【００１３】ｐ、ｐはコイルスプリングであり、スプー
ルｉ、ｉの被支持ピンｎ、ｎに外嵌された状態でスプー
ルｉ、ｉの他端と支持壁ｆ、ｆとの間で縮設されてお
り、このコイルスプリングｐ、ｐの弾発力によりスプー
ルｉ、ｉのフランジｍ、ｍがスプール収納部ｃ、ｃの開
口ｅ、ｅの内側開口縁部に押し付けられ、これによっ
て、スプールｉ、ｉが妄りに回転するのが防止されてい
る。

【００１４】そして、このリボンカートリッジａがプリ
ンターに装着されると、スプールｉ、ｉの連結凹部ｋ、
ｋにプリンターの図示しない駆動軸や従動軸が内嵌状に
連結され、この時、スプールｉ、ｉは他端側に僅かに押
圧されて、そのフランジｍ、ｍは開口ｅ、ｅの内側開口
縁部から離間してフランジｍ、ｍとケース体ｂとの間の
摩擦接触が解消される。

【００１５】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来のインク
リボンカートリッジａにあっては、インクリボンｏを使
いきってインクリボンカートリッジａを廃棄するときに
コイルスプリングｐ、ｐが金属製のゴミとなり、その処
理が難しいという問題がある。

【００１６】また、金属部材としてのコイルスプリング
ｐ、ｐが別個に必要となる分、その材料費が高く、ま
た、組立工数も掛かるため、コストが高くなるという問
題がある。

【００１７】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明リボンカ
ートリッジは、上記した課題を解決するために、スプー
ルの駆動軸等挿入部と反対側の端部に突設された被支持
ピンを回転可能に支持する軸受部とケース体との間にス
プールを上記駆動軸等挿入部側のケース体内壁へ向かっ
て押圧付勢する付勢手段を設け、該付勢手段の基端側が
ケース体に固定され自由端側がスプールの上記被支持ピ
ンの先端に弾接されるようにしたものである。

【００１８】また、本発明リボンカートリッジは、スプ
ールの駆動軸等挿入部と反対側の端部に突設された被支
持ピンを回転可能に支持する軸受部とスプールを上記駆
動軸等挿入部側のケース体内壁へ向かって押圧付勢する
付勢手段を設け、該付勢手段の基端側がケース体に固定
され自由端側がスプールの上記被支持ピンの根元部を挟
んだ状態で該被支持ピンが突設された端部に弾接される
ようにしたものである。

【００１９】

【作用】従って、本発明リボンカートリッジにあって
は、リボン体を使いきってリボンカートリッジを廃棄す
る場合でも、金属製のゴミが出ることはなく、ゴミ処理
が容易になるとともに、別部材としての金属製のコイル
スプリングが不用となる分材料費及び組立工数が減少
し、コストの低減に寄与することになる。

【００２０】

【実施例】以下に、本発明リボンカートリッジの詳細を
図示した実施例に従って説明する。尚、図示した実施例
は、本発明をインクリボンカートリッジに適用したもの
である。

【００２１】図１乃至図７は本発明リボンカートリッジ
の第１の実施例１を示すものである。

【００２２】２はインクリボンカートリッジ１のケース
体である。

【００２３】ケース体２は略円筒状をした２つのスプー
ル収納部３、３′が左右に離間した状態で平行に位置す
るように前後の連結部４、４′によって連結されて成
る。

【００２４】スプール収納部３、３′はその前端が開口
５、５′され、後端が閉塞されている。

【００２５】また、スプール収納部３、３′の互いに対
向した側面壁には前後方向に長い挿通切欠６、６′が形
成されている。

【００２６】更に、スプール収納部３、３′の内部の後
端部には支持壁７、７′が形成され、該支持壁７、７′
にはそれぞれ上方へ向かって開口するように略Ｕ字状を
した支持切欠８、８′が形成されている。

【００２７】９、９′はスプール収納部３、３′の内部
の後端部で上記支持壁７、７′と後端壁との間の位置に
立設された壁部であり、該壁部９、９′には左右に離間
して上下方向に平行に延びかつ上端に達したそれぞれ２
条のスリット１０、１０、・・・が形成され、これらス
リット１０と１０との間及び１０と１０との間が弾接片
１１、１１′とされる。

【００２８】このようなケース体２は、上下２つ割りに
された合成樹脂製の上ハーフ２ａと下ハーフ２ｂとが上
下で突き合わせ状に結合されることによって形成され
る。

【００２９】また、これらケースハーフ２ａ、２ｂは稍
弾性を有する合成樹脂で形成されている。

【００３０】１２、１２′はスプールであり、略円筒状
をしている。

【００３１】スプール１２、１２′の前端寄りの位置に
はフランジ１３、１３′が形成されており、また、スプ
ール１２、１２′の前端部１４、１４′は被駆動部とさ
れ、前端に開口した連結凹部１５、１５′が形成され、
該連結凹部１５、１５′の内周面には軸方向に延びる係
合突条１６、１６、・・・、１６′、１６′、・・・が
周方向に等間隔に形成されている。

【００３２】スプール１２、１２′の後端は閉塞されて
おり、該閉塞端の中心には被支持ピン１７、１７′が突
設されている。

【００３３】しかして、スプール１２、１２′はケース
体２のスプール収納部３、３′内に回転可能な状態で収
納される。このとき、スプール１２、１２′の被支持ピ
ン１７、１７′は支持壁７、７′の支持切欠８、８′に
回転可能に支持される。また、スプール１２、１２′の
フランジ１３、１３′はスプール収納部３、３′の前面
開口５、５′の内側に位置した状態となる。

【００３４】そして、ケース体２の壁部９、９′に設け
られた弾接片１１、１１′がスプール１２、１２′の被
支持ピン１７、１７′の先端に弾接し、これによって、
スプール１２、１２′には前方へ向けての移動力が付勢
されて、フランジ１３、１３′がスプール収納部３、
３′の開口５、５′の内側開口縁部に弾接された状態と
なる。

【００３５】１８はインクリボンであり、その両端部が
スプール１２、１２′にそれぞれ止着され、供給側のス
プール１２にその大部分が巻回されている。そして、イ
ンクリボン１８はスプール収納部３、３′の挿通切欠
６、６′を通され、この挿通切欠６と６′との間で外部
に露出している。

【００３６】しかして、上記インクリボンカートリッジ
１がプリンターに装着されると、巻取側のスプール１
２′の連結凹部１５′にはプリンターの図示しない駆動
軸が内嵌係合され、供給側のスプール１２の連結凹部１
５にはプリンターの図示しない従動軸が内嵌係合され
る。

【００３７】そして、スプール１２、１２′に駆動軸や
従動軸が連結されると、スプール１２、１２′は、これ
ら駆動軸や従動軸によって後方へ向けて稍押圧されるの
で、弾接片１１、１１′を稍後方へ向けて撓ませながら
稍後方へ移動し、これによってフランジ１３、１３′が
ケース体２の開口５、５′の内側開口縁部から稍後方へ
離間し、フランジ１３、１３′とケース体２内面との間
の摩擦接触がなくなり、スプール１２、１２′の回転に
支障がなくなる。

【００３８】この時、若し図６及び図７に示すように、
支持壁７、７′とそれに形成された支持切欠８、８′が
無いと、図７に示すように、スプール１２、１２′が弾
接片１１、１１′の傾きに追従して傾いてしまい、イン
クリボン１８に皺が出来てしまったり、あるいはインク
リボン１８をうまく巻取ることが出来なかったりと言う
事故が生じるが、このリボンカートリッジ１にあって
は、スプール１２、１２′の後端部の被支持ピン１７、
１７′が支持壁７、７′の支持切欠８、８′に支持され
ているので、スプール１２、１２′の水平が保たれる。

【００３９】図８乃至図１２は本発明リボンカートリッ
ジの第２の実施例１Ａを示すものである。

【００４０】この実施例１Ａも本発明をインクリボンカ
ートリッジに適用したものである。

【００４１】尚、この実施例１Ａは、上記実施例１と比
較して、スプールの被支持ピンを支持する軸受部とスプ
ールを付勢する付勢手段が異なるのみで、その他の部分
は上記第１の実施例１におけると同様であるので、該同
様の部分には上記第１の実施例で同様の部分に付した符
号と同じ符号を付して説明を省略する。

【００４２】１９、１９′はスプール収納部３、３′の
後端壁内面から前方へ向けて突設された軸受部であり、
上方が開放された樋状に形成されている。

【００４３】２０、２０及び２０′、２０′はスプール
収納部３、３′の後端壁内面のうち上記軸受部１９、１
９′の基部を挟んだ位置から突設された一対の舌状片で
あり、先ず上方斜め前方へ向けて突出した後湾曲しなが
ら下方稍斜め前方へ向けて延びている。そして、舌状片
２０と２０との先端間及び舌状片２０′と２０′との先
端間が連結片２１、２１′によって一体に連結されて弾
接片２２、２２′が形成される。

【００４４】尚、２３、２３′はスプール収納部３、
３′の前面壁内面のうち開口５、５′の開口縁に後ろ広
がりに形成されたテーパー部である。

【００４５】しかして、スプール１２、１２′はそれぞ
れの被支持ピン１７、１７′が軸受部１９、１９′上に
載置された状態で弾接片２２、２２′の自由端部がスプ
ール１２、１２′の後端面に弾接される。この時、各弾
接片２２、２２′の舌状片２０、２０及び２０′、２
０′は被支持ピン１７、１７′の基端部を左右から挟む
ように位置した状態となる。

【００４６】このように、弾接片２２、２２′の自由端
部がスプール１２、１２′の後端面に弾接されることに
よって、スプール１２、１２′には前方へ向けての移動
力が付勢されて、フランジ１３、１３′がスプール収納
部３、３′の開口５、５′の内側開口縁部に弾接された
状態となる。

【００４７】尚、スプール１２、１２′がプリンターの
駆動軸や従動軸によってスプール収納部３、３′内へ押
し込まれ過ぎて、スプール１２、１２′の前端がスプー
ル収納部３、３′内へ落ち込んでしまった場合、テーパ
ー部２３、２３′が無いと、図１１に示すように、スプ
ール１２、１２′がスプール収納部３、３′内に落ち込
んだままになってしまうが、このリボンカートリッジ１
Ａにあっては、スプール１２、１２′の前端が、図１２
に示すように、テーパー部２３、２３′に当接している
ので、弾接片２２、２２′によって与えられている前方
への移動力により、スプール１２、１２′の前端がテー
パー部２３、２３′を滑ってフランジ１３、１３′から
前の部分が開口５、５′から突出する。

【００４８】

【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、本発明リボンカートリッジは、帯状をしたリボン体
を巻回したスプールをケース体内に回転可能に収納して
なるリボンカートリッジであって、スプールの駆動軸等
挿入部と反対側の端部に突設された被支持ピンを回転可
能に支持する軸受部とケース体との間にスプールを上記
駆動軸等挿入部側のケース体内壁へ向かって押圧付勢す
る付勢手段を設け、該付勢手段の基端側がケース体に固
定され自由端側がスプールの上記被支持ピンの先端に弾
接されるようにしたことを特徴とする。

【００４９】また、本発明リボンカートリッジは、帯状
をしたリボン体を巻回したスプールをケース体内に回転
可能に収納してなるリボンカートリッジであって、スプ
ールの駆動軸等挿入部と反対側の端部に突設された被支
持ピンを回転可能に支持する軸受部とスプールを上記駆
動軸等挿入部側のケース体内壁へ向かって押圧付勢する
付勢手段を設け、該付勢手段の基端側がケース体に固定
され自由端側がスプールの上記被支持ピンの根元部を挟
んだ状態で該被支持ピンが突設された端部に弾接される
ようにしたことを特徴とする。

【００５０】従って、本発明リボンカートリッジにあっ
ては、リボン体を使いきってリボンカートリッジを廃棄
する場合でも、金属製のゴミが出ることはなく、ゴミ処
理が容易になるとともに、別部材としての金属製のコイ
ルスプリングが不用となる分材料費及び組立工数が減少
し、コストの低減に寄与することになる。

【００５１】尚、上記各実施例に示した各部の具体的形
状や構造は、本発明を実施するに当たっての具体化のほ
んの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明
の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。

【図面の簡単な説明】

【図１】図２乃至図７と共に本発明リボンカートリッジ
の第１の実施例を示すもので、本図は斜視図である。

【図２】別の角度から見た斜視図である。

【図３】分解斜視図である。

【図４】使用していない状態を示す要部の縦断面図であ
る。

【図５】使用している状態を示す要部の縦断面図であ
る。

【図６】比較例の使用していない状態を示す断面図であ
る。

【図７】比較例の使用している状態を示す断面図であ
る。

【図８】図９乃至図１２と共に本発明リボンカートリッ
ジの第２の実施例を示すもので、本図は分解斜視図であ
る。

【図９】使用していない状態を示す要部の縦断面図であ
る。

【図１０】使用している状態を示す要部の縦断面図であ
る。

【図１１】比較例の問題点を示す要部の断面図である。

【図１２】図１１の比較例と同じ状態で本発明リボンカ
ートリッジの要部を示す断面図である。

【図１３】従来のリボンカートリッジの一例を示す水平
断面図である。

【図１４】図１３のＸＩＶ−ＸＩＶ線に沿う断面図であ
る。

【符号の説明】

１ リボンカートリッジ ２ ケース体 ７、７′ 軸受部 ９、９′ 壁部 １０ スリット １１、１１′ 付勢手段 １２ 供給スプール １２′ 巻取スプール １５、１５′ 駆動軸等挿入部 １７、１７′ 被支持ピン １８ リボン体 １Ａ リボンカートリッジ １９、１９′ 軸受部 ２０、２０′ 舌状片 ２２、２２′ 付勢手段

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 帯状をしたリボン体を巻回したスプール
   をケース体内に回転可能に収納してなるリボンカートリ
   ッジであって、スプールの駆動軸等挿入部と反対側の端
   部に突設された被支持ピンを回転可能に支持する軸受部
   とケース体との間にスプールを上記駆動軸等挿入部側の
   ケース体内壁へ向かって押圧付勢する付勢手段を設け、
   該付勢手段の基端側がケース体に固定され自由端側がス
   プールの上記被支持ピンの先端に弾接されるようにした
   ことを特徴とするリボンカートリッジ。
2. 【請求項２】 ケース体内に上記軸受部と平行に位置す
   るように設けられた壁部に一対の平行に延びるスリット
   を形成し、上記壁部のうち該一対のスリットに囲まれた
   部分を付勢手段としたことを特徴とする請求項１に記載
   のリボンカートリッジ。
3. 【請求項３】 帯状をしたリボン体を巻回したスプール
   をケース体内に回転可能に収納してなるリボンカートリ
   ッジであって、スプールの駆動軸等挿入部と反対側の端
   部に突設された被支持ピンを回転可能に支持する軸受部
   とスプールを上記駆動軸等挿入部側のケース体内壁へ向
   かって押圧付勢する付勢手段を設け、該付勢手段の基端
   側がケース体に固定され自由端側がスプールの上記被支
   持ピンの根元部を挟んだ状態で該被支持ピンが突設され
   た端部に弾接されるようにしたことを特徴とするリボン
   カートリッジ。
4. 【請求項４】 ケース体の内面から一対の舌状片を突設
   し、該舌状片の自由端間を連結し、この一対の舌状片を
   付勢手段としたことを特徴とする請求項３に記載のリボ
   ンカートリッジ。
5. 【請求項５】 ケース体内に、リボン体の供給を行う供
   給スプールと、リボン体の巻取を行う巻取スプールの２
   つのスプールを収納したことを特徴とする請求項１、請
   求項２、請求項３又は請求項４に記載のリボンカートリ
   ッジ。
6. 【請求項６】 付勢手段がケース体と一体に形成された
   ことを特徴とする請求項１、請求項２、請求項３、請求
   項４又は請求項５に記載のリボンカートリッジ。