JPH069938Y2 - 箱板と被せ外箱とから成る包装用箱の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案は、箱板と被せ外箱とから成る段ボール等製包
装用箱の構造に関する。

（従来技術） 箱板と被せ外箱とから成る段ボール製包装用箱の一般的
構造を第１図および第２図によって示す。

即ち、箱板アの側壁カの外側に沿って被せ外箱サを被せ
ようとする場合、隙間を作らない意味からは被せ外箱サ
の内径を箱板アの外形に密着するサイズに定めればよい
のであるが、されだと側壁カが内側折込みの二重構造の
場合、あるいは一重の立上がり構造の場合のいずれにお
いても、被せ外箱サの下端縁が箱板アの側壁上縁に当っ
て（第２図（イ）、（ロ）点線部分）、被せ作業が円滑
に捗らないため、一般的には箱板アの外径に対し被せ外
箱サの内径を広く取っている。

しかしこの従来方式では、第２図（イ）、（ロ）に示さ
れるように、箱板アの側壁カと被せ外箱サの内側面との
間に生ずる隙間Ｓから塵埃が侵入して梱包品を汚す虞が
あり、顧客よりのクレームの原因となり、またバンドを
掛けると被せ外箱サの下端縁から箱板アの底隅にかけて
バンドが食込んで梱包品の破損を招き、バンドの弛みの
原因ともなっている。

なおこのように被せ外箱サの内径を広く取った場合で
も、被せ作業においてその下端縁が箱板アの側壁上縁に
当ることがあり、円滑さにおいて今一の改善が望まれて
いた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、従来のかかる実情に鑑みてなされたもので、
従来と発想を換え、箱板の側壁を逆に外側へ二重に折り
返すことにより、その折返部に被せ外箱の下端縁の案
内、滑走板的作用を果させるとともにその弾撥力により
密着状態で被着できるようにしたものであり、その他、
バンド掛けや外箱のトメシロ部分の段違いによって生ず
る隙間などについても可及的にこれをなくすための工夫
を加えたものである。

［考案の構成］ （実施例） 以下図面の実施例によって説明すると、第３図におい
て、１が箱板であり、１２がこれに被せる被せ外箱であ
る。

箱板１は第４図の展開図に示すように、矩形底壁２の四
辺に内側折り目３を介して側壁４を形成し、その側壁４
の辺方向中間に外側折り目５を介して折返部６を形成す
る。この折返部６の両端辺縁は鉛直状を成すが、若干外
拡りのテーパー状６ｂに形成した態様が第５図に示され
る。そして外側折り目５は、段ボールのうねと直交方向
に対応する側壁４，４の辺方向中間においては二条の折
り目５ａ，５ｂを以て構成して、折返し上縁に水平面５
ｃを形成してある。また折返部６のバンド掛け相当部に
は所定間隔の切込み１０，１０を入れるとともに被せ外
箱のトメシロ部（二重合わせ部）相当部に切込み１１を
入れてある。またさらに段ボールのうね方向に対応する
前記側壁４，４の両傍には、内側折り目７を介して前記
外側折り目５より内幅の袖片８を設けてある。

そして前記各側壁４を立上がらせるに当り、この袖片８
を直角状に折曲してうねと直交方向に対応する側壁４，
４の外側へ平線９で固着するとともに側壁４立上げ後外
側へ折返した折返部６の折返し付近部６ａを前記側壁４
上部に平線９で固着して折返部６と側壁４の挟角が２０
°〜４５°を保持するようにして、折返部６の弾発力を
相対的に抑止してある。このように挟角を下限２０°と
したのはそれを下回ると密着作用が減殺され、また上限
を４５°としたのはそれを上回ると被せる際の抵抗とな
って作業の円滑性を欠如するからで、上記数値範囲が最
も理想的な開度であることによる。

（作用） 今、以上の構成に係る箱板１に被せ外箱１２を被せるに
は、被せ外箱１２の下端縁１２ａを箱板１の直上方から
降下させるようにするのであるが（第３図）、この場合
箱板１の四囲の折返部６が、被せ外箱１２の下端縁１２
ａの案内、滑走板的作用を果して、極めて円滑に被着が
行えるものであり、また折返部６が保持する弾撥力によ
り箱板１の側壁４（具体的には折返部６）と被せ外箱１
２の内側面相互が密着状態で被着される（第６図イ乃至
ニ）。

この場合、被せ外箱のトメシロ部（二重合わせ部）は、
側壁４の折返部６に切込み１１を有するから、第８図に
示すように段違いによる隙間の発生を防ぐことができ
る。また後のバンド掛けにおいては、折返部６のバンド
掛け相当部に所定間隔の切込み１０，１０を入れてある
から、第７図に示すように局部的なバンド締付けによる
隙間の発生を防止する。

即ち上記構成により、被せ外箱１２と箱板１とが、相互
に密着状態で且つ無理なく結合されるものである。

［考案の効果］ 以上によって明らかなように、本考案によれば、被せ外
箱と箱板相互が円滑容易に被着せしめられ梱包作業の効
率を良好とする。そしてその被着は密着状態で行われる
から内部への塵埃の侵入を防止して梱包品を保護し、且
つ梱包の安定性を確保する。バンドの局部的締付けによ
る隙間の発生、被せ外箱のトメシロ部の段違いによる隙
間の発生が、夫々折返部６に設けた切込１０，１０，１
１によって防止できることについては前記した通りであ
る。

側壁４の折返部６の両端辺縁を若干外拡りのテーパー状
６ｂに形成した態様においては、四隅における折返部６
相互の突合部に生ずる隙間をなくして、この部分からの
塵埃の侵入を防止するとともに隅部を補強する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の箱板と被せ外箱とから成る段ボール製包
装用箱の斜視図、第２図は同上の被せ状態を示す部分側
面図で、（イ）が第１図Ａ−Ａ縦断側面図、（ロ）が第
１図Ｂ−Ｂ縦断側面図、第３図は本考案の箱板と被せ外
箱とから成る段ボール製包装用箱の斜視図、第４図は同
上の箱板のみの展開図、第５図は同上の箱板のみの別の
態様の展開図、第６図は同上の被せ状態を示す部分側面
図で、（イ），（ロ）が第３図Ａ−Ａ縦断側面図、
（ハ），（ニ）が第３図Ｂ−Ｂ縦断側面図、第７図は同
上の梱包状態を示す斜視図、第８図は第７図Ｃ−Ｃ横断
平面図。 １……箱板、２……矩形底壁２、３……内側折り目、４
……側壁、５……外側折り目、５ａ，５ｂ……二条の折
り目、５ｃ……折返し上縁の水平面、６……折返部、６
ａ……折返し付近部、６ｂ……若干外拡りのテーパー
状、７……内側折り目、８……袖片、９……平線、１０
……切込み、１１……切込み、１２……被せ外箱、１２
ａ……その下端縁。

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】箱板１と被せ外箱１２とから成り、前記箱
   板１が、矩形底壁２の四辺に内側折り目３を介して側壁
   ４を形成し、またその側壁４の辺方向中間に外側折り目
   ５を介して折返部６を形成し、さらに一方向に対応する
   前記側壁４、４の両傍に内側折り目７を介して前記外側
   折り目５より内幅の袖片８を設け、前記各側壁４を立上
   がらせるに当り、この袖片８を直角状に折曲して他方向
   に対応する側壁４、４の外側へ固着し、側壁４立上げ後
   外側へ折返した折返部６の折返し付近部６ａを前記側壁
   ４上部に固着して折返部６の弾撥力を相対的に抑止して
   構成され、前記被せ外箱１２の下端縁１２ａが箱板１の
   前記折返部６の弾撥力により密着状態で被着できるよう
   にした、箱板と被せ外箱とから成る包装用箱の構造。
2. 【請求項２】袖片８の側壁４外側への固着手段および折
   返部６の折返し付近部６ａの側壁４上部への固着手段
   が、平線９打ちである実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の箱板と被せ外箱とから成る包装用箱の構造。
3. 【請求項３】折返部６と側壁４との挟角が２０°〜４５
   °を保持するように折返し部６を折返し付近部６ａの側
   壁４上部への固着して成る実用新案登録請求の範囲第１
   項又は第２項のうちいずれか一項記載の箱板と被せ外箱
   とから成る包装用箱の構造。
4. 【請求項４】側壁４の折返部６のバンド掛け相当部に所
   定間隔の切込み１０，１０を入れた実用新案登録請求の
   範囲第１項乃至第３項のうちいずれか一項記載の箱板と
   被せ外箱とから成る包装用箱の構造。
5. 【請求項５】側壁４の折返部６の被せ外箱のトメシロ部
   （二重合わせ部）相当部に切込み１１を入れた実用新案
   登録請求の範囲第１項乃至第４項のうちいずれか一項記
   載の箱板と被せ外箱とから成る包装用箱の構造。
6. 【請求項６】箱板と被せ外箱の材質が段ボールである実
   用新案登録請求の範囲第１項乃至第５項のうちいずれか
   一項記載の箱板と被せ外箱とから成る包装用箱の構造。