JPH0699279B2

JPH0699279B2 - 化粧料

Info

Publication number: JPH0699279B2
Application number: JP60170955A
Authority: JP
Inventors: 重則熊谷; 和久大野; 允久辻田; 修哉玉置; 力斉藤
Original assignee: TOPII KOGYO KK; Shiseido Co Ltd
Current assignee: TOPII KOGYO KK; Shiseido Co Ltd
Priority date: 1985-08-02
Filing date: 1985-08-02
Publication date: 1994-12-07
Anticipated expiration: 2009-12-07
Also published as: JPS6230707A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は合成雲母を配合してなる使用性、仕上がり、化
粧もち、安定性および成型性が良好な化粧料に関する。

［従来の技術］従来の化粧料の体質顔料としてはタルク、カオリン、マ
イカ、二酸化チタン、亜鉛華、樹脂粉末等が使用されて
いる。これらは化粧料ののび、つき、カバー力、成型性
等を勘案し配合量を決定している。しかしながら、従来
の原料を用いた化粧料では使用性、仕上がり、化粧も
ち、安定性、成型性等の点ですべてが必ずしも満足でき
るものではなかった。すなわち、従来使用されていた化
粧品用体質顔料の概念では、艶をだすためには鱗片状の
マイカやパール剤が使用されているが、これらを配合す
ると成型性が悪くなるという欠点があった。また、滑沢
性を良くするために、ある程度粒径の大きい粉末が使用
されるが、これを配合するとザラつきを感じるようにな
り、また球状樹脂粉末のナイロンパウダーやポリエチレ
ンパウダーなども用いられているが、これを使用すると
成型性が悪くなるという欠点があった。さらにカバー
力、密着感を出すために二酸化チタンや亜鉛華を配合す
るが、のびが悪くなるという欠点があった。またマイ
カ、タルク、カオリンは触媒活性があるため、香料、オ
イルの劣化をひきおこし、変臭の原因になることがわか
っている。

［発明が解決しようとする問題点］本発明者らは、こうした事情に鑑み、化粧料の使用性、
仕上がり、成型性等について鋭意研究を重ねた結果、合
成雲母を配合した化粧料はのびが良く、密着性が良好
で、なめらかで、カバー力があり、艶がありかつ成型性
が良く、さらに香料、オイルに対する劣化作用の少ない
優れた性質を持つ化粧料であることを見出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。

［問題点を解決するための手段］すなわち、本発明は下記一般式で表される合成雲母を配合することを特徴とする化粧料
である。

以下、本発明の構成について詳述する。

本発明で用いる合成雲母は、上記一般式で示される非膨
潤または限定膨潤型の合成雲母で、水中で全く膨潤しな
いかまたは膨潤はするが微細粒子となって分散するまで
はいかないものである。

具体例をあげれば K Mg₃(AlSi₃O₁₀)F₂（フッ素金雲母）、 K Mg₃(AlSi₃O₁₀)(OH)₂（合成金雲母）、 K Mg_5/2(Si₄O₁₀)F₂（カリ四ケイ素雲母）、 Na Mg₂Li(Si₄O₁₀)F₂（Naテニオライト）、 K_2/3Mg_{2 1/3}Li_2/3(Si₄O₁₀)F₂、 K_1/3Mg_{２ 2/3}Li_1/3(Si₄O₁₀)F₂、 Na Mg₂Li(Ge₄O₁₀)F₂、 Na Mg_5/2(Ge₄O₁₀)F₂、 Na_2/3Mg_{２ 1/3}Li_2/3(Ge₄O₁₀)F₂、 Na_1/3Mg_{２ 2/3}Li_1/3(Ge₄O₁₀)F₂ 等がある。

合成法は、例えば、フッ素金雲母の場合、無水ケイ酸約
40部、酸化マグネシウム約30部、酸化アルミニウム約13
部及びケイフッ化カリウム約17部を混合した後1400℃〜
1500℃で熔融し更に1300℃〜1400℃で晶出させる方法等
があげられる。また、合成金雲母の場合には酸化マグネ
シウム、酸化アルミニウム、K₂O・6SiO₂の混合物をTuttl
eの熱水合成装置を使用し、900〜950℃、圧力15000Psi
で５〜24時間熔融し結晶化させる方法等があげられる。

本発明はこれらの１種又は２種以上が適宜選択され、配
合される。配合量は本発明の化粧料全量中、0.1〜99重
量％程度である。0.1重量％未満では上記した効果が十
分に得られず好ましくない。

本発明の化粧料に上記した必須成分の他に通常化粧料に
用いられる他の成分本発明の効果を損なわない範囲で適
宜配合することができる。例えばタルク、カオリン、セ
リサイト、天然雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシ
ウム、炭酸カルシウム、珪ソウ土、ケイ酸マグネシウ
ム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バ
リウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属
塩、シリカ、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、セ
ラミクスパウダー等の無機粉末、ナイロンパウダー、ポ
リエチレンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、四弗
化エチレンパウダー、ジスチレンベンゼンピンホールポ
リマーパウダー、微結晶性セルロース等の有機粉体、酸
化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料、酸化鉄（ベンガ
ラ）、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の
無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、
黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色系顔料、マン
ゴバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系
顔料、酸化クロム、水酸化クロム、コバルトチタン酸等
の無機緑色系顔料、群青、紺青等の無機青色系顔料、酸
化チタンコーテッド雲母、酸化チタンコーテッドオキシ
塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテ
ッドタルク、魚鱗箔、着色酸化チタンコーテッド雲母等
のパール顔料、アルミニウムパウダー、カッパーパウダ
ー等の、金属粉末顔料、赤色104号、黄色４号、黄色５
号、緑色３号、青色１号、青色２号、赤色202号、赤色2
26号、赤色227号、赤色230号、橙色206号、橙色207号、
黄色202号、緑色201号、緑色204号、青色201号、緑色20
5号等のタール色素、カルミン酸、ラッカイン酸、カル
サミン、ブラジリン、クロシン等の天然色素をレーキ化
したもの、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、マ
イクロクリスタリンワックス、オゾケライト、セレシ
ン、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレ
インイソステアリン酸、セチルアルコール、ヘキサデシ
ルアルコール、オレイルアルコール、セチル２−エチル
ヘキサノエート、２−エチルヘキシルパルミテート、２
−オクチルドデシルミリステート、２−オクチルドデシ
ルガムエステル、ネオペンチルグリコール−２−エチル
ヘキサネート、イソオクチル酸トリグリセライド、２−
オクチルドデシルオレエート、イソプロピルミリステー
ト、イソステアリン酸トリグリセライド、ヤシ油脂肪酸
トリグリセライド、オリーブ油、アボガド油、ミツロ
ウ、ミリスチルミリステート、ミンク油、ラノリン等の
各種炭化水素、高級脂肪酸、油脂類、エステル類、高級
アルコール、ロウ類等の油分、アセトン、トルエン、酢
酸ブチル、酢酸エチル等の有機溶剤、アルキッド樹脂、
尿素樹脂等の樹脂、カンファ、クエン酸アセチルトリブ
チル等の可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、
界面活性剤、保湿剤、香料、水、アルコール、増粘剤等
があげられる。

［発明の効果］本発明の合成雲母を配合した化粧料は、今まで相反する
事象とされていた、カバー力がありながらのびが良くか
つ密着感があるという現象を実現することができ、のび
が良く、艶が有り、密着性が良好でなめらかに仕上が
り、カバー力があり香料、オイルに対する劣化作用が小
さくかつ粉末製品の場合には成型性が良い化粧料を具現
化することができた。

［実施例］次に実施例をあげて本発明を更に詳細に説明する。本発
明はこれにより限定されるものではない。配合量は重量
％である。

混合時間と光沢、隠蔽力、成型性光沢の測定はアート紙に両面テープを貼り付けこれに製
品を塗布し、日本電色工業社製簡易光沢計VG−2Pにて測
定した。

隠蔽力は白地と黒地のカラーマッチングペーパーに製品
を塗布し、日立カラーアナライルザー607で測色し白地
と黒地の色差をΔＥで表した。ΔＥが小さい程隠蔽力が
大きいことを表す。

成型性は、製品12gを内径7cmの中皿に120gkg/cmの圧力
で成型し、オルゼン硬度計にて針入硬度を測定した。数
値が小さい程硬度が高いこと即ち成型性が良いことを表
す。

（ただし、雲母は分級により粒子径１〜10μにそろえ
た。）（製法）上記処方の粉末部をナウターミキサーで30分混合したの
ち、油相部を添加し、ナウターミキサーで混合した。充
分混合するためには120分必要とするが、15分、30分、6
0分、でもサンプリングし、測定に供した。

表２の結果から実施例１は混合時間を長くしても光沢の
変化が少なく、比較例１、２よりも、つやがあるものが
得られた。

また、実施例１は比較例１、２に比べてΔＥが小さく、
隠蔽力が大きい。

更に、実施例１は比較例１、２に比べて成型性が良いこ
とがわかる。

明度製品を粉末色測定用セルに詰め、日立カラーアナライザ
ー607にて測色した。

表３より実施例２は比較例３、４、５よりも明度が高
く、白色の体質顔料として優れていることが明らかであ
る。

のび、密着感、つや、しっとりさ、カバー力、もち、肌
のきれいさ、匂い専門パネル10名により１〜５の５段階の官能評価を下記
のそれぞれの項目ごとに行った。

＊のび、密着感、つや、しっとりさ、カバー力１…………悪い２…………やや悪い３…………普通４…………やや良い５…………良い＊もち（塗布してから２時間後に判定した。）１…………化粧くずれがひどい２…………化粧くずれしている３…………やや化粧くずれしている４…………ほとんど化粧くずれしていない５…………全く化粧くずれしていない＊肌のきれいさ（仕上がりの化粧肌で判定した。）１…………非常にきたない２…………きたない３…………普通４…………きれい５…………非常にきれい＊匂い試作品を37℃恒温槽に１ケ月間放置したものを試作直後
のものと比較した。

１…………非常に変わっている２…………変わっている３…………やや変わっている４…………ほとんど変わっていない５…………全く変わらない結果は10名の５段階評価の平均値で下記のように表し
た。

◎……………4.5〜5.0 ○……………3.5〜4.4 △……………2.5〜3.4 ×……………1.5〜2.4 ××…………1.0〜1.4 表４より明らかなように実施例３、４は比較例６、７よ
りも、密着感、のび、しっとりさ、カバー力、もち、肌
のきれいさ、匂い安定性の全ての点において優れている
ことがわかる。

実施例４パウダーファンデーション次の処方に従い、常法によりパウダーファンデーション
を製造した。

（１）合成フッ素金雲母 61.4 （２）タルク 20.0 （３）酸化チタン 7.0 （４）赤色酸化鉄 0.5 （５）黄色酸化鉄 1.0 （６）黒色酸化鉄 0.1 （７）流動パラフィン 7.0 （８）シリコンオイル 2.0 （９）ソルビタンセスキオレート 1.0 （10）防腐剤適量（11）香料適量実施例４のパウダーファンデーションは、従来のものよ
りも隠蔽力があり、且つ、つやがあり、仕上がりが美し
かった。また成型性がよく、耐衝撃性が高った。

実施例５頬紅次の処方に従い、常法により頬紅を製造した。

（１）合成カリ四ケイ素雲母 85.0 （２）タルク 5.0 （３）赤色酸化鉄 0.4 （４）黄色酸化鉄 0.1 （５）群青 0.1 （６）赤色226号 0.4 （７）チタンマイカ 3.0 （８）スクワラン 4.0 （９）イソプロピルミリステート 2.0 （10）防腐剤適量（11）香料適量実施例５の頬紅は、従来のものよりも明度が高く、つや
があり、頬紅としての仕上りが美しかった。

実施例６乳化ファンデーション次の処方に従い、常法により乳化ファンデーションを製
造した。

（１）ステアリン酸 0.4 （２）イソステアリン酸 0.3 （３）イソプロピルミリステート 4.0 （４）スクワラン 12.0 （５）POE（10）ステアリルエーテル 2.0 （６）セチルアルコール 0.3 （７）合成Naテニオライト 10.0 （８）タルク 5.0 （９）顔料3.0 （10）防腐剤 0.03 （11）トリエタノールアミン 0.42 （12）プロピレングリコール 5.0 （13）精製水 57.19 （14）香料 0.3 実施例６の乳化ファンデーションは、従来のものよりも
明度が高く、つやがあり、仕上りが美しかった。

実施例７フェースパウダー次の処方に従い、常法によりフェースパウダーを製造し
た。

（１）合成金雲母 54.15 （２）タルク 40.0 （３）赤色酸化鉄 0.16 （４）黄色酸化鉄 0.15 （５）赤色226号 0.04 （６）スクワラン 4.5 （７）ソルビタンセスキオレート 1.0 （８）香料適量（９）防腐剤適量実施例７のフェースパウダーは、従来のものよりも明度
が高く、つやがあり、しっとりしていた。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者玉置修哉神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地株式会社資生堂研究所内 (72)発明者斉藤力神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地株式会社資生堂研究所内審査官池田正人

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】下記一般式で表される合成雲母を配合する
ことを特徴とする化粧料。