JP2524476B2 - メ―キャップ用化粧組成物 - Google Patents

メ―キャップ用化粧組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、特に皮膚、眼、爪お
よび毛髪をメーキャップするための組成物であって、増
量剤または顔料として、フラーレン（fullerene）また
はフラーレン混合物を含有する化粧組成物に関する。
【０００２】
【従来の技術】美顔用メーキャップ製品としてはアイシ
ャドー、アイライナー、マスカラ、おしろい、メーキャ
ップファンデーション、ルージュ、頬紅、着色クリー
ム、普通型もしくはスリム型のリップスティックおよび
コンシーラー（concealer）スティック等が挙げられ
る。これらの全ての製品およびネイルエナメルには、こ
れらの製品に特定の色および種々の化粧特性（例えば、
良好な被覆力や心地よい塗布性等）を付与させるため
に、可変量の顔料および／または無機増量剤が配合され
ている。
【０００３】化粧品に常用されているこの種の顔料や無
機増量剤としては、次のものが例示される： (i) 粉砕した天然の無機化合物、例えば、タルク、セリ
サイトおよびマイカ等、(ii) 合成または天然の金属酸
化物、例えば、鉄酸化物、チタン酸化物およびクロム酸
化物等、(iii) 合成無機化合物、例えば、窒化硼素、ビ
スマスオキシクロリドおよび二酸化チタン被覆マイカ
等、(iv) 純粋金属、例えば、アルミニウムフレーク
等、(v) 特殊な化合物、例えば、ピロリン酸マンガンお
よびウルトラマリンやプルシャンブルー等（後者の化合
物は着色力のためのみに用いられている）。 カーボンブラックや合成もしくは天然のメラニンも顔料
源として用いられている。
【０００４】これらの全ての化合物のうち、配合物に任
意に含有させることのできるのは、暗褐色〜黒色の少量
の顔料のみであって、この種の顔料は、実質的には黒色
酸化鉄、カーボンブラックおよびメラニンである。その
他の顔料、例えば、グラファイト等も使用されることは
あるが、それらの黒色着色力は弱い。カーボンブラック
はアイライナーに広く利用されているが、粒径が小さい
ために分散させるのが困難である。凝集塊を分散させる
ためには、効果的な粉砕分散システムを使用しなければ
ならないため、媒体の粘度増加がもたらされることがよ
くある。黒色酸化鉄は分散に関しては問題はないが、そ
の着色力は普通であり、高温で不安定である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、優れた分
散性や着色力等を有する成分を含有する効果的なメーキ
ャップ用化粧組成物を提供するためになされたものであ
って、その基礎となる知見は、ダイアモンドやグラファ
イトとは異なった炭素の第三の有機化物であるフラーレ
ンがメーキャップ用化粧組成物の優れた顔料になり得る
ということである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】即ちこの発明は、適当な
化粧用ビヒクル中に、増量剤および／または顔料とし
て、フラーレンまたはフラーレン混合物を含有すること
を特徴とするメーキャップ用化粧組成物に関する。
【０００７】現在では周知のように、フラーレン分子
は、炭素原子から構成される完全閉鎖状中空球体から成
り、各球体には３２〜１０００個またはそれ以上の炭素
原子が含まれる。フラーレンに関するさらに詳細な情報
は下記の文献を参照されたい： (i) スマリー（R.E.Smalley）、「原子および分子クラ
スターにおける超音波性炭素クラスタービーム」、ベル
シュタイン（E.R.Berstein）編、物理理論化学、第６８
巻、エルセビール・サイエンス（ニューヨーク）、第１
頁〜第６８頁（１９９０年）、(ii) カール（R.F.Cur
l）ら、「フラーレン類」、サイエンティフィック・ア
メリカン、第３２頁〜第４１頁（１９９１年１０月）、
(iii) ディーデリッヒ（F.Diederich）ら、「高級フラ
ーレン類：分離と特性決定」、サイエンス、第２５２
巻、第５４８頁〜第５５１頁（１９９１年４月）、およ
び(iv) スマリー、「巨大炭素球：バックミンスターフ
ラーレンの歴史」、ザ・サイエンシズ、第３１巻、第２
号、第２２頁〜第２８頁（１９９１年３月〜４月）。
【０００８】フラーレン類の中で、最も代表的なものは
Ｃ60フラーレンであり、その構造は、フットボールを連
想させる。他のフレレン類、特にＣ70およびＣ84も存在
する。フラーレン類は現在では一般に「バッキーボール
（buckyball）」として知られている。なお、Ｃ60フラ
ーレン分子は一般に、少量のＣ70フラーレンとＣ84フラ
ーレンを不純物として含んでいる。フラーレン類の調製
法並びにそれらの溶解度、結晶化度および色特性は多数
の文献、特に、クレッチュマー（W.Kraetschmer）らの
報文［ネイチャー、第３４７巻、第３５４頁〜第３５８
頁（１９９０年）、およびケミカル・アンド・エンジニ
アリング・ニュース、第２２頁〜第２５頁（１９９０年
１０月）］に記載されている。
【０００９】本発明による組成物に配合するフラーレン
はＣ60フラーレン、Ｃ70フラーレンおよびＣ84フラーレ
ン並びにこれらの任意の混合物である。好ましいフラー
レンは少量のＣ70フラーレンおよび、適当な場合には、
Ｃ84フラーレンを含有するＣ60フラーレンである。フラ
ーレン類の色は炭素原子の配置によって左右され、黄色
−オレンジ色から黒色にわたる。化粧組成物の顔料とし
ての用途とは無関係に、フラーレン類は良好な化粧特
性、特に良好な易塗布性と柔軟な接触性を有する。
【００１０】本発明による組成物に用いてもよいフラー
レン類としては、特に、下記のメーカーからの市販品が
例示される： (i) テキサス・フラーレンズ・コーポレイション（TEXA
S FULLERENES CORPORATION）（ヒューストン、テキサス
州）、(ii) マテリアル・アンド・エレクトロケミカル
・リサーチ・コーポレイション（MATERIAL AND ELECTRO
CHEMICAL RESEARCH CORPORATION）（タクソン、アリゾ
ナ州）、(iii) リサーチ・マテリアルズ・インコーポレ
イティッド（RESEARCH MATERIALS INC.）（ゴールデ
ン、コロラド州）、および(iv) アルドリッチ（ALDRIC
H）。 なお、アルドリッチ社からは、「フラーライト（Fuller
ite）」の商品名でＣ60／Ｃ70フラーレンが市販されて
いる。
【００１１】フラーレン含有化粧組成物は実質上美顔メ
ーキャップ用製品、即ち、アイシャドー、アイライナ
ー、マスカラ、おしろい、メーキャップファンデーショ
ン、ルージュ、頬紅、着色クリーム、普通型もしくはス
リム型のリップスティックおよびコンシラースティック
等として使用されるが、毛髪のメーキャップにも使用で
きる。フラーレン類は水性ネイルエナメルの配合成分と
しても使用できる。本発明による化粧組成物は、特に、
アイシャドー、アイライナーまたはマスカラ等として眼
のメーキャップに用いるのが好ましい。
【００１２】本発明による化粧組成物中のフラーレンま
たはフラーレン混合物の含有量は、該組成物の全重量に
対して０.０１〜５０重量％であり、所望の化粧効果に
応じて適宜選定すればよい。
【００１３】本発明によるメーキャップ用化粧組成物に
は、さらに化粧品に常用されている顔料および／または
増量剤を付加的に配合してもよい。無機顔料としては次
のものが例示される： (i) 二酸化チタン（ルチルまたは鋭錐石）（所望によ
り、表面処理してカラーインデックスＣＩ ７７８９１
に分類されるようにしてもよい）、(ii) ＣＩ ７７４９
９、７７４９２および７７４９１にそれぞれ分類される
黒色、黄色および赤褐色の酸化鉄、(iii) マンガンバイ
オレット（ＣＩ ７７７４２）、(iv) 群青（ＣＩ ７７
００７）、(v) 水和酸化クロム（ＣＩ ７７２６９）、
(vi) フェリックブルー（ＣＩ ７７５１０）、および(v
ii) 無機または有機表面処理剤として用いられている全
ての無機顔料。
【００１４】有機顔料としては、特に次のものが例示さ
れる：Ｄ＆Ｃ レッド Ｎo.１９（CI 45170)、Ｄ＆Ｃ レ
ッド Ｎo.９（CI 15585)、Ｄ＆Ｃ レッド Ｎo.２１（CI
45380)、Ｄ＆Ｃ オレンジ Ｎo.４（CI 15510)、Ｄ＆Ｃ
オレンジ Ｎo.５（CI 45370)、Ｄ＆Ｃ レッド Ｎo.２
７（CI 45410)、Ｄ＆Ｃ レッド Ｎo.１３（CI 15630)、
Ｄ＆Ｃ レッド Ｎo.７（CI 15850-1)、Ｄ＆Ｃ レッド
Ｎo.６（CI 15850-2)、Ｄ＆Ｃ イエロー Ｎo.５（CI 19
140)、Ｄ＆Ｃ レッド Ｎo.３６（CI 12085)、Ｄ＆Ｃ オ
レンジ Ｎo.１０（CI 45425)、Ｄ＆Ｃ イエロー Ｎo.６
（CI 15985)、Ｄ＆Ｃ レッド Ｎo.３０（CI 73360)、Ｄ
＆Ｃ レッド Ｎo.３（CI 45430)、 カーボンブラック
（CI 77266)、およびコチニールカーミンを基剤とする
レーキ。
【００１５】下記の顔料から選択される真珠箔顔料の使
用も可能である： (i) 白色真珠箔顔料、例えば、ビスマスオキシクロリド
および二酸化チタン被覆マイカ等、(ii) 着色真珠箔顔
料、例えば、酸化鉄含有チタンマイカ、フェリックブル
ーもしくは酸化クロム含有チタンマイカ、前記の有機顔
料含有チタンマイカおよびビスマスオキシクロリド含有
チタンマイカ等、および(iii) 無機または有機表面処理
剤として用いられている全ての有機顔料。
【００１６】本発明における付加的な顔料の配合量は、
組成物の重量の０.０１〜９０重量％、好ましくは０.５
〜３０重量％である。
【００１７】増量剤としては、特に下記のものから選択
される： (i) シリカ、(ii) 粒径が一般に４０μｍよりも小さい
球状の水和マグネシウムシリケートであるタルク（タル
クは吸湿特性を有しており、クリーム様感触があるので
特に好適である）、(iii) 大きさが２〜２００μｍ（好
ましくは、５〜７０μｍ）で、厚さが０.１〜５μｍ
（好ましくは、０.２〜３μｍ）の鱗片状の種々の組成
を有するアルミノシリケートであるマイカ［マイカは天
然物（例えば、白雲母、真珠雲母、バナジン雲母、リシ
ア雲母、黒雲母）であってもよく、合成品であってもよ
く、一般的には透明であり、皮膚に繻子様の外観をもた
らす）、(iv) デンプン、特に米デンプン、(v) 大きさ
が一般に３０μｍよりも小さい等方性粒子であって、脂
肪吸収特性を有する水和アルミニウムシリケートである
カオリン、(vi) 大きさが一般に数μｍを越えない粒状
の酸化亜鉛および酸化チタン（酸化チタンの場合には１
μｍ以下であってもよい。これらの酸化物は、クリーム
様感触、良好な被覆能および適度の不透明性を有す
る。）、(vii) 窒化ホウ素、(viii) 粒径が１０μｍよ
りも小さい炭酸カルシウム沈澱物（該沈澱物はクリーム
様の感触とつや消し様の外観を付与する。）、(ix) 特
に香料結合特性を有する炭酸マグネシウムまたは炭酸、
(x) 炭素原子数が８〜２２、好ましくは１２〜１８の有
機カルボン酸から誘導される金属セッケン、例えば、ス
テアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリ
ン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛およびミリスチン酸マグ
ネシウム等（これらの金属セッケンは一般に粒径は１０
μｍよりも小さく、クリーム様感触を有し、皮膚に対す
るおしろいの乗りを促進する。）、(xi) 粒径が５０μ
ｍよりも小さい合成ポリマー、例えば、ポリエチレン、
ポリエステル（例えば、ポリエチレンイソフタレートも
しくはテレフタレート等）またはポリアミド等の粉末
（この種の粉末は吸収特性を有しており、皮膚にビロー
ド様の外観を付与する。）、およびメタクリル酸塩粉
末、および(xii) 中空微小球、例えば、ケマノード・プ
ラスト・エイビー社（KEMANORD PLAST AB）の市販品で
あって、仏国特許第８６／０９,２８９号（第２,６０
０,５３２号）明細書に記載されている「エクスパンセ
ル（Expancel）」の中空微小球等。 本発明における付加的な増量剤の配合量は組成物重量の
０.０１〜９０重量％である。
【００１８】本発明による組成物の形態は水中油滴型も
しくは油中水滴型の乳濁液または溶剤を媒体とする懸濁
液であってもよく、あるいは流動状粉末、圧縮状粉末ま
たは無水ペーストであってもよい。この種の異なる形態
の組成物の調製法は当業者にとっては周知のところであ
る。
【００１９】乳濁液形態の場合、組成物には当該分野で
周知の界面活性剤を配合することができ、その配合量
は、組成物の重量の０.０１〜３０重量％である。特に
好ましい態様は、アニオン性またはノニオン性界面活性
剤を組成物の全重量に対して、２〜３０重量％配合する
ことによって調製されるアニオン性またはノニオン性乳
濁液である。
【００２０】単独または混合物として使用してもよいア
ニオン性界面活性剤としては、以下に挙げる化合物のア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩またはアミノ
アルコール塩が例示される： (i) アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェ
ート、アルキルアミドスルフェートおよびエーテルスル
フェート、アルキルアリールポリエーテルスルフェー
ト、モノグリセリドスルフェート、(ii) アルキルスル
ホネート、アルキルアミドスルフォネート、アルキルア
リールスルフォネート、α−オレフィンスルフォネー
ト、パラフィンスルフォネート、(iii) アルキルスルフ
ォサクシネート、アルキルエーテルスルフォサクシネー
ト、アルキルアミドスルフォサクシネート、(iv) アル
キルスルフォサクシナメート、(v) アルキルスルフォア
セテート、アルキルポリグリセロールカルボキシレー
ト、(vi) アルキルフォスフェート／アルキルエーテル
フォスフェート、および(vii) アシルサルコシネート、
アルキルポリペプチデート、アルキルアミドポリペプチ
デート、アシルイセチオネート、アルキルタウレート。
【００２１】他のアニオン性界面活性剤としては、脂肪
酸、例えば、オレイン酸、リシノール酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、ヤシ油脂肪酸および水素化ヤシ油脂
肪酸等の塩類、特にステアリン酸アミンのようなアミン
塩等が挙げられる。さらに、炭素原子数８〜２０のアシ
ル残基を有するアシルラクチレートおよび次式： Ａlk−（ＯＣＨ2−ＣＨ2）n−ＯＣＨ2−ＣＯＯＨ （式中、Ａlkは炭素原子数１２〜１８の鎖状アルキル基
を示し、ｎは５〜１５の整数を示す）で表されるポリグ
リコールエーテルカルボン酸またはそれらの塩類も挙げ
られる。
【００２２】単独または混合物として使用してもよいノ
ニオン性界面活性剤としては、特に、ポリエトキシル
化、ポリプロポキシル化またはポリグリセロール化した
炭素原子数８〜１８の脂肪鎖を有する脂肪酸類、アルキ
ルフェノール類およびアルコール類が挙げられる。さら
に、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマ
ー、プロピレンオキシドおよびエチレンオキシドと脂肪
アルコールとの縮合物、ポリエトキシル化脂肪アミド、
ポリエトキシル化脂肪アミン、エタノールアミド、グリ
コールの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステ
ル、およびオキシエチレン化等の処理に付したスクロー
スの脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールの脂肪酸
エステル、リン酸トリエステルおよびグルコース誘導体
の脂肪酸エステル等が挙げられる。この化合物群に属す
る別の化合物は、α−ジオール、一価アルコール、アル
キルフェノール、アミドまたはジグリコールアミドとグ
リシドールもしくはグリシドール前駆体との縮合生成物
である。主として使用されるノニオン性界面活性剤はポ
リエトキシル化またはポリグリセロール化アルコール、
例えば、ポリエトキシル化したステアリル、セチル／ス
テアリルもしくはオレイルアルコールである。優先的に
使用されるアニオン性界面活性剤はステアリン酸アミン
である。
【００２３】本発明による組成物は、１種または２種以
上の水溶性ポリマー、例えばポリアクリル酸誘導体等の
ゲルまたは水溶液もしくは水性アルコール溶液であって
もよく、あるいは、乳化剤、例えば、グッドリッチ（GO
ODRICH）社の市販品「ペムレンズ（Pemulens）」等を用
いて、オイルをゲル状に分散させることによって得られ
る乳化ゲルの形態であってもよい。
【００２４】本発明による組成物は、前述の成分のほか
に、化粧組成物において常用されている成分であって、
次の例示される成分から選択される成分を含有していて
もよい：粘滑剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、香料、増
粘剤、凝集剤、ポリマー、化粧品の分野において常用さ
れているアルカリ化剤または酸性化剤、水和剤および水
溶性活性物質。
【００２５】使用可能な増粘剤は天然物または合成品の
いずれであってもよい。天然の増粘剤としては、種々の
ゴム類、例えば、アラビアゴム、グアーゴムおよびイナ
ゴマメゴム等が例示され、合成増粘剤としては、セルロ
ール誘導体、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、デンプン誘導体、第４級ア
ンモニウム基を有するセルロールエーテル誘導体、カチ
オン性多糖類、アクリル系もしくはメタクリル系ポリマ
ーの塩類、ポリエンおよびポリシロキサン等が例示され
る。本発明による組成物の増粘化は、ポリエチレングリ
コールとポリエチレングリコールステアレートおよび／
またはジステアレートを配合しておこなってもよく、あ
るいはリン酸エステルと脂肪酸アミドの混合物を配合し
ておこなってもよい。
【００２６】本発明によれば、乳濁液の０.１〜５０重
量％は油性相であってもよく、該油性相はオイルおよび
／またはワックスから成る。ワックスとオイルは植物
性、動物性または鉱物性であってもよく、あるいは合成
品であってもよい。植物性オイルとしては、ホホバ油、
オリーブ油、甘扁桃油、アボカド油、ヤシ油、小麦の麦
芽油、トウモロコシ油、パーム油、ゴマ油、大豆油、ア
ルガン油、マツヨイグサ油、ルリジサ油および精油等が
例示される。動物性オイルとしては、特に魚油が例示さ
れる。鉱物油としては、液状のパラフィンおよびイソヘ
キサデカンが例示される。合成油としては、エチルパル
ミテート、イソプロピルパルミテート、２−エチルヘキ
シルパルミテート、アルキルミリステート、例えば、イ
ソプロピルミリステート、ブチルミリステートおよびセ
チルミリステート、ヘキシルステアレート、オクタン酸
トリグリセリド、デカン酸トリグリセリド、セチルリシ
ノレート、ステアリルオクタノエート、シリコーン油、
ペルフルオル化油およびフッ素化シリコーン油等が例示
される。また、油性相には着色剤、日焼け止め剤、抗酸
化剤、保存剤および親油性有効成分を含有させてもよ
い。
【００２７】本発明によれば、流動状もしくは圧縮状の
粉末もしくは固体、ペーストまたは液体の化粧品形態で
あってもよい無水組成物には、結合剤を好ましくは、
０.０１〜９５重量％含有させてもよい。
【００２８】結合剤としては、特に次のものが例示され
る：動物性、植物性または合成のオイル、オイルとワッ
クスの混合物、特に、ミンク油、カメ油、大豆油、ブド
ウの種子油、ゴマ油、トウモロコシ油、菜種油、ひまわ
り油、綿実油、アボカド油、オリーブ油、ひまし油、ホ
ホバ油および落花生油等；炭化水素油、例えば、パラフ
ィン油、スクアレンおよび石油等；エステル、例えば、
イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテー
ト、ブチルステアレート、ヘキシルラウレート、イソノ
ニルイソノナネート、２−エチルヘキシルパルミテー
ト、２−ヘキシルデシルラウレート、２−オクチルデシ
ルパルミテート、２−オクチルドデシルミリステート、
ジ（２−エチルヘキシル）サクシネート、ジイソステア
リルマレート、２−オクチルドデシルラクテート、グリ
セリルトリイソステアレートおよびジグリセリルトリイ
ソステアレート等；シリコーン油、例えば、ポリ（メチ
ルシロキサン）、ポリ（メチルフェニルシロキサン）、
脂肪酸で変性したポリシロキサン、脂肪アルコールで変
性したポリシロキサン、ポリオキシアルキレンで変性し
たポリシロキサンおよびフッ素化シリコーン等；ペルフ
ルオル化および／またはオルガノフッ素化油；高級脂肪
酸、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸お
よびイソステアリン酸等；高級脂肪アルコール、例え
ば、セタノール、ステアリルアルコールおよびオレイル
アルコール等；ワックス、特に、カルナウバワックス、
カンデリラワックス、密臘、鯨臘、ラノリンおよびマイ
クロクリスタリンワックス等。
【００２９】結合剤は皮膚と接触したときに蒸発する揮
発性油を含んでいてもよく、該揮発性油は、化粧組成物
を皮膚に塗ったときの塗布拡散性を促進するので、該組
成物中に含有させるのは有用である。この種の揮発性油
（展着剤）は、一般的に、２５℃での飽和蒸気圧が少な
くとも０.５ミリバール（０.５×１０2Ｐa）のオイルで
ある。本発明による組成物に展着剤として配合し得る揮
発性油としては、シリコーン油、例えば、ヘキサメチル
ジシロキサン、シクロペンタジメチルシロキサン、シク
ロテトラメチルシロキサン、フッ素化油、例えば、「ガ
ルデン（GALDEN)」[モンテフルオス(MONTEFLUOS）］」の商品名
で市販されているフッ素化油、またはイソパラフィン
油、例えば、「イソパール（ISOPAR）（E、G、Lまたは
H）」の商品名で市販されているイソパラフィン油等が
例示される。
【００３０】前述のように、本発明による組成物は、水
性媒体中にフラーレンまたはフラーレン混合物を０.０
１〜１０重量％配合したネイルエナメルの形態であって
もよい。ネイルエナメルは、水混和性もしくは水分酸性
物質を含む合成の皮膜形成性水性分散液を含有し、該分
散液には皮膜形成性物質と通常の添加剤、例えば、増粘
剤、pＨ調整剤、架橋剤および消泡剤等が配合される。
合成水性分散液としては、特に、ポリビニルアセテー
ト、ポリウレタン、アクリル系のポリマーもしくはコポ
リマーまたはポリビニルアセテートコポリマー等の分散
液が例示される。この種の合成水性分散液の含有量は、
ネイルエナメルの１０〜８０重量％である。また、皮膜
形成性物質の配合量は、ネイルエナメルの全重量に対し
て５〜２０重量％である。皮膜形成性物質としては、特
に水溶性のセルロース誘導体が例示される。
【００３１】本発明によるネイルエナメルには、さらに
樹脂を配合してもよく、その一般的な配合量は、該エナ
メルの全重量に対して０.５〜１５重量％である。使用
し得る樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン系樹
脂、アクリレート／スチレン系樹脂およびビニル系樹脂
が例示される。本発明によるネイルエナメルには、さら
にまた、ネイルエナメルに常用されているアジュバン
ト、例えば、ＵＶ遮断剤等を配合してもよい。
【００３２】
【実施例】以下、本発明によるメーキャップ用化粧組成
物を実施例によって説明する。 実施例１：乳濁液形態のマスカラ 成 分 配合量(ｇ) トリエタノールアミンステアレート １５.０ 密臘 ８.０ パラフィン ３.０ コロホニー ２.０ オゾセライト １０.０ プロピル ｐ−ヒドロキシベンゾエート ２.０ メチル ｐ−ヒドロキシベンゾエート ２.０ アラビアゴム ０.５ ヒドロキシエチルセルロース １.０ Ｃ60／Ｃ70 フラーレン1) ５.０ 水（十分量） １００.０1) アルドリッチ社の市販品「フラーライト」 得られたマスカラをまつ毛に塗ると、暗褐色のメーキャ
ップがほどこされる。
【００３３】 実施例２：懸濁液形態のアイライナー 成 分 配合量(ｇ) ビニルピロリドン／ビニルアセテートコポリマー １２.５ ポリビニルアルコール ０.５ エチレンオキシド１５モルとオレイルアルコールとの縮合物 ２.５ プロピレングリコール ７.５ エチルアルコール ３.０ ポリアクリレートナトリウム塩 ０.５ メチルｐ−ヒドロキシベンゾエート ０.３ Ｃ60／Ｃ70／Ｃ84フラーレン1) ６.０ 水(十分量) １００.０1) テキサス・フラーレンズ・コーポレイション社の市販
品 得られたアイライナーによって暗褐色のメーキャップが
ほどこされる。
【００３４】 実施例３：普通型のリップスティック 成 分 配合量(ｇ) ブチル化ヒドロキシトルエン ０.１５ ラノリン １７.５０ マイクロクリスタリンワックス １５.００ カプリル酸／カプリン酸トリグリセリド １１.００ オクチルグリセリルベヘネート １１.００ チタン ６.００ Ｃ60／Ｃ70フラーレン1) ０.３０ 酸化鉄 ２.７０ ひまし油(十分量) １００.０1) アルドリッチ社の市販品「フラーライト」 得られたリップスティックの色は赤褐色である。
【００３５】 実施例４：圧縮状おしろい 成 分 配合量(ｇ) ポリエチレン粉末 ５.００ マイカ １２.００ イソプロピルミリステート １.５０ 液状パラフィン １.５０ 黄色酸化鉄 ０.８０ オレンジ色酸化鉄 ０.６０ Ｃ60／Ｃ70／Ｃ84フラーレン1) ０.１５ タルク(十分量) １００.０1) テキサス・フラーレンズ・コーポレイション社の市販
品 得られた圧縮状おしろいの色は褐色である。
【００３６】 実施例５：着色ゲルクリーム 成 分 配合量(ｇ) アクリル酸／Ｃ10／Ｃ30アルキルアクリレートコポリマー1) ０.１０ カーボポール(ＣＡＲＢＯＰＯＬ)2) ０.６０ トリエタノールアミン ０.８０ グリセロール ３.００ 防腐剤 ０.２０ シクロメチコン ２５.００ ナイロン１２ ５.００ 酸化鉄 ０.７５ Ｃ60／Ｃ70／Ｃ84フラーレン3) ０.１０ 酸化チタン ４.１５ 水(十分量) １００.０1) グッドリッチ社の市販品「パームレン(ＰＥＲＭＵＬＥ
Ｎ)−ＴＲ−１」2) グッドリッチ社の市販品3) テキサス・フラーレンズ・コーポレイション社の市販
品 得られたゲルの色は褐色である。
【００３７】 実施例６：メーキャップファンデーション 成 分 配合量(ｇ) グリセリルステアレート ２.２０ カプリル酸／カプリン酸トリグリセリド １５.００ メチルｐ−ヒドロキシベンゾエート ０.１０ プロピルｐ−ヒドロキシベンゾエート ０.１０ イミダゾリジニルウレア ０.３０ ２−ヒドロキシ−４−メトキシベンゾフェノン ０.５０ ２−エチルヘキシルジメチル−ｐ−アミノベンゾエート1) ０.５０ アルミニウムマグネシウムシリケート １.００ トリエタノールアミン １.００ カルボキシメチルセルロース ０.１６ アルミニウムデンプンオクテニルサクシネート2) ５.００ シクロメチコン １０.００ プロピレングリコール ２.００ グリセロール ３.００ ナトリウムラウロイルサルコシネート ０.６０ ステアリン酸 ２.２０ 黄色酸化鉄 ２.００ 赤色酸化鉄 １.４０ Ｃ60／Ｃ70フラーレン3) ０.６０ 酸化チタン ８.００ 水(十分量) １００1) バン・ダイク(ＶＡＮ ＤＹＫ)社の市販品「エスカロ
ール(ＥＳＣＡＬＯＬ)５０７」2) ナショナル・スターチ(ＮＡＴＩＯＮＡＬ ＳＴＡＲ
ＣＨ)社の市販品「 ドライ・フロー(ＤＲＹ ＦＬＯ)」3) アルドリッチ社の市販品「フラーライト」 得られたメーキャップファンデーションの色は褐色であ
る。
【００３８】
【発明の効果】本発明によるメーキャップ用化粧組成物
は、増量剤および／または顔料として、優れた分散性や
着色力等を有する成分(フラーレン類)を含有するので、
効果的な美顔用メーキャップ製品として幅広く利用する
ことができる。

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 適当なビヒクル中に、増量剤および／ま
    たは顔料として、フラーレンまたはフラーレン混合物を
    含有することを特徴とするメーキャップ用化粧組成物。
  2. 【請求項２】 フラーレンが、炭素原子数６０(Ｃ60)、
    ７０(Ｃ70)および８４(Ｃ84)のフラーレン並びにこれら
    の混合物から選択される請求項１記載の化粧組成物。
  3. 【請求項３】 フラーレンがＣ60フラーレンである請求
    項１記載の化粧組成物。
  4. 【請求項４】 フラーレン混合物がＣ60／Ｃ70フラーレ
    ン混合物である請求項１から３いずれかに記載の化粧組
    成物。
  5. 【請求項５】 フラーレンまたはフラーレン混合物の含
    有量が組成物の全重量に対して０.０１〜５０重量％で
    ある請求項１から４いずれかに記載の化粧組成物。
  6. 【請求項６】 付加的な顔料を、組成物の全重量に対し
    て０.０１〜９０重量％含有する請求項１から５いずれ
    かに記載の化粧組成物。
  7. 【請求項７】 少なくとも１種の増量剤を、組成物の全
    重量に対して０.０１〜９０重量％含有する請求項１か
    ら６いずれかに記載の化粧組成物。
  8. 【請求項８】 形態が、水中油滴型もしくは油中水滴型
    の乳濁液もしくは懸濁液、流動状もしくは圧縮状の粉
    体、固体、無水ペーストまたは水性ネイルエナメルであ
    る請求項１から７いずれかに記載の化粧組成物。
  9. 【請求項９】 水中油滴型もしくは油中水滴型の乳濁液
    が界面活性剤を、組成物の全重量に対して０.０１〜３
    ０重量％含有し、該乳濁液の油性相の含有量が、組成物
    の全重量に対して０.１〜５０重量％である請求項８記
    載の化粧組成物。
  10. 【請求項１０】 固体状または無水ペースト状であっ
    て、少なくとも１種の結合剤を、組成物の全重量に対し
    て０.０１〜９５重量％含有する請求項８記載の化粧組
    成物。
  11. 【請求項１１】 水性ネイルエナメルであって、合成分
    散液１０〜８０重量％、皮膜形成物質５〜２０重量％お
    よび樹脂０.５〜１５重量％含有する請求項１から８い
    ずれかに記載の化粧組成物。
  12. 【請求項１２】 フラーレンまたはフラーレン混合物を
    ０.０１〜１０重量％含有する請求項１１記載の化粧組
    成物。
  13. 【請求項１３】 増量剤および／または顔料としてのフ
    ラーレンまたはフラーレン混合物の使用。
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