JPH0699247B2 - 柑橘類の果実の甘味性改良方法 - Google Patents
柑橘類の果実の甘味性改良方法Info
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- JPH0699247B2 JPH0699247B2 JP1120377A JP12037789A JPH0699247B2 JP H0699247 B2 JPH0699247 B2 JP H0699247B2 JP 1120377 A JP1120377 A JP 1120377A JP 12037789 A JP12037789 A JP 12037789A JP H0699247 B2 JPH0699247 B2 JP H0699247B2
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- triacontanol
- citrus
- fruits
- fruit
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- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01N—PRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
- A01N31/00—Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing organic oxygen or sulfur compounds
- A01N31/02—Acyclic compounds
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- Environmental Sciences (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、柑橘類の果実の改良された生育方法に関する
ものである。更に詳細には、本発明は1−トリアコンタ
ノールを有効成分として含有する処理液によって柑橘類
を処理することによってその果実の甘味性を増大させ
る、換言すれば果実のブリックス/酸比(Birx/acid ra
tio)を向上させる、方法に関するものである。
ものである。更に詳細には、本発明は1−トリアコンタ
ノールを有効成分として含有する処理液によって柑橘類
を処理することによってその果実の甘味性を増大させ
る、換言すれば果実のブリックス/酸比(Birx/acid ra
tio)を向上させる、方法に関するものである。
[従来技術] オレンジ、ネーブル及びグレープフルーツ等の柑橘類の
果実には、糖質分とクエン酸成分とを含んでおり、これ
らが独特の味覚の基になっている。
果実には、糖質分とクエン酸成分とを含んでおり、これ
らが独特の味覚の基になっている。
すなわち、これらの甘味(風味)は基本的には柑橘類の
果汁の可溶性固型分の全量(主として庶糖と他の糖分で
あり通常ブリックス比重計で測定される)を標準的なア
ルカリで滴定して算出した酸成分(主としてクエン酸及
び他の有機酸)のトータルパーセントで除いたブリック
ス/酸比(Birx/acid ratio)と称されるパラメータで
表示される。
果汁の可溶性固型分の全量(主として庶糖と他の糖分で
あり通常ブリックス比重計で測定される)を標準的なア
ルカリで滴定して算出した酸成分(主としてクエン酸及
び他の有機酸)のトータルパーセントで除いたブリック
ス/酸比(Birx/acid ratio)と称されるパラメータで
表示される。
一般に、柑橘類での果実は、この比の値によって甘味性
が評価されるが、酸味を減少させるか又は糖分を主体と
するブリックスの値を増大させてブリックス/酸比(Bi
rx/acid ratio)を向上させることによって甘味の向上
をはかることが要望されている。
が評価されるが、酸味を減少させるか又は糖分を主体と
するブリックスの値を増大させてブリックス/酸比(Bi
rx/acid ratio)を向上させることによって甘味の向上
をはかることが要望されている。
従来から柑橘類の果実の甘味性を改良する方法として、
ヒ酸ナトリウム、ヒ酸鉛等のヒ素化合物を用いることが
知られている。しかしながら、ヒ素化合物は毒性の心配
があるため、米国では1987年以来グレープフルーツ用等
の極く限られた用途以外は使用が禁止されている。
ヒ酸ナトリウム、ヒ酸鉛等のヒ素化合物を用いることが
知られている。しかしながら、ヒ素化合物は毒性の心配
があるため、米国では1987年以来グレープフルーツ用等
の極く限られた用途以外は使用が禁止されている。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の主たる目的は、安全性が高く毒性の心配のない
処理剤を用いて柑橘類の果実の甘味を増大させる方法、
すなわちブリックス/酸比(Birx/acid ratio)を向上
させる方法、を提供することにある。本発明の他の目的
は、広い地域での使用が可能でかつ簡単に実施可能な、
柑橘類の甘実の甘味性を増大させる方法、すなわちブリ
ックス/酸比(Birx/acid ratio)を向上させる方法、
を提供することにある。
処理剤を用いて柑橘類の果実の甘味を増大させる方法、
すなわちブリックス/酸比(Birx/acid ratio)を向上
させる方法、を提供することにある。本発明の他の目的
は、広い地域での使用が可能でかつ簡単に実施可能な、
柑橘類の甘実の甘味性を増大させる方法、すなわちブリ
ックス/酸比(Birx/acid ratio)を向上させる方法、
を提供することにある。
[課題を解決する手段] 本発明によれば、柑橘類の果実を生育するに当り、開花
期から果実の収穫期との間で、1−トリアコンタノール
を含有する分散液の有効量により、該柑橘類の樹木、好
ましくは少なくとも葉又は/及び果実を含む部分、を少
なくとも1回処理することにより、柑橘類の果実の甘味
性すなわちブリックス/酸比(Birx/acid ratio)を向
上させる方法が提供される。
期から果実の収穫期との間で、1−トリアコンタノール
を含有する分散液の有効量により、該柑橘類の樹木、好
ましくは少なくとも葉又は/及び果実を含む部分、を少
なくとも1回処理することにより、柑橘類の果実の甘味
性すなわちブリックス/酸比(Birx/acid ratio)を向
上させる方法が提供される。
本発明方法において使用する1−トリアコンタノール
は、化学式CH3(CH2)28CH2OHで表わされ、ミリシルアル
コールとしても知られているもので、分子量438.83、融
点88℃および密度0.777を有する長鎖脂肪族アルコール
である。この1−トリアコンタノールは、室温では固体
結晶として存在し、水に不溶で、エーテル及びベンゼン
等には可溶の物質である。
は、化学式CH3(CH2)28CH2OHで表わされ、ミリシルアル
コールとしても知られているもので、分子量438.83、融
点88℃および密度0.777を有する長鎖脂肪族アルコール
である。この1−トリアコンタノールは、室温では固体
結晶として存在し、水に不溶で、エーテル及びベンゼン
等には可溶の物質である。
かかる1−トリアコンタノールは、リース(Ries)及び
スウィーリィ(Sweeley)の米国特許4,150,970号に記載
されている通り、植物生長調整剤として公知であり、毒
性の問題は小さいとされている。上記特許には、1−ト
リアコンタノールを水性分散液として、牧草、トウモロ
コシ、イネ、野菜類等の作物に施用することにより、そ
の生長を調整しうることが開示されている。しかしなが
ら、果実に施用することは全く知られておらず、現に柑
橘類の樹木に1−トリアコンタノールの水性分散液を施
用しても実質的な生長調整効果は殆んど認められない。
スウィーリィ(Sweeley)の米国特許4,150,970号に記載
されている通り、植物生長調整剤として公知であり、毒
性の問題は小さいとされている。上記特許には、1−ト
リアコンタノールを水性分散液として、牧草、トウモロ
コシ、イネ、野菜類等の作物に施用することにより、そ
の生長を調整しうることが開示されている。しかしなが
ら、果実に施用することは全く知られておらず、現に柑
橘類の樹木に1−トリアコンタノールの水性分散液を施
用しても実質的な生長調整効果は殆んど認められない。
しかるに、本発明者は、1−トリアコンタノールの分散
液を、柑橘類の開花期から果実収穫期、好ましくは初期
生理落果開始期から果実の収穫の3日前までの間に、該
柑橘類の樹木、好ましくは少なくとも葉又は/及び果実
を含む部分に施用することによって、生長の調整ては全
く別の効果、すなわち、果実の甘味性(Birx/acid rati
o)を増大させ得るという全く予想外の効果を発現し得
ることを見出し、本発明に到達したものである。
液を、柑橘類の開花期から果実収穫期、好ましくは初期
生理落果開始期から果実の収穫の3日前までの間に、該
柑橘類の樹木、好ましくは少なくとも葉又は/及び果実
を含む部分に施用することによって、生長の調整ては全
く別の効果、すなわち、果実の甘味性(Birx/acid rati
o)を増大させ得るという全く予想外の効果を発現し得
ることを見出し、本発明に到達したものである。
本発明で使用する1−トリアコンタノールは、前述の如
く水に難溶性であり、これを水溶液として樹木に施用す
ることはできない。そこで、本発明方法では、1−トリ
アコンタノールを柑橘類の樹木に施用するに当っては、
これを水に分散した水性分散液の形で用いる。水性分散
液中の1−トリアコンタノールの濃度は、少なくとも10
-3ppb以上、好ましくは10-1ppb以上とされる1−トリア
コンタノールが、あまりに低濃度の場合は本発明の効果
が乏しくなる。一方、濃度の上限は制限を受けないが、
1−トリアコンタノールの分散性及び経済性の面から、
一般に100ppm以下、好ましくは500ppb以下の濃度が用い
られる。
く水に難溶性であり、これを水溶液として樹木に施用す
ることはできない。そこで、本発明方法では、1−トリ
アコンタノールを柑橘類の樹木に施用するに当っては、
これを水に分散した水性分散液の形で用いる。水性分散
液中の1−トリアコンタノールの濃度は、少なくとも10
-3ppb以上、好ましくは10-1ppb以上とされる1−トリア
コンタノールが、あまりに低濃度の場合は本発明の効果
が乏しくなる。一方、濃度の上限は制限を受けないが、
1−トリアコンタノールの分散性及び経済性の面から、
一般に100ppm以下、好ましくは500ppb以下の濃度が用い
られる。
1−トリアコンタノールの水性分散液は、この化合物が
液中において極めて小さい微粒子(超微粒子)として分
散し、かつ安定に保持されるように調製されるのが好ま
しく、そのために、種々の分散剤(乳化剤等)が用いら
れる。また、樹木に1−トリアコンタノール分散液を施
用した場合、1−トリアコンタノールが樹木の葉や果実
等に展着しやすいように、各種の展着剤(Wetting agen
t)を用いてもよい。
液中において極めて小さい微粒子(超微粒子)として分
散し、かつ安定に保持されるように調製されるのが好ま
しく、そのために、種々の分散剤(乳化剤等)が用いら
れる。また、樹木に1−トリアコンタノール分散液を施
用した場合、1−トリアコンタノールが樹木の葉や果実
等に展着しやすいように、各種の展着剤(Wetting agen
t)を用いてもよい。
なお、1−トリアコンタノールは、固体(粉末)として
樹木に施用しても効果が乏しく、また、アルコール、ベ
ンゼン、エーテル等に溶解して用いるのは、樹木が損傷
したり、施用中に火災が生じるおそれがあるため、好ま
しくない。
樹木に施用しても効果が乏しく、また、アルコール、ベ
ンゼン、エーテル等に溶解して用いるのは、樹木が損傷
したり、施用中に火災が生じるおそれがあるため、好ま
しくない。
1−トリアコンタノールの水性分散液を調製する際に用
いる分散剤としては、米国特許第4,150,970号に記載の
「Tween 20」(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウ
レート)のほかに、ソディウムオクタデシルサルフェー
ト、ソディウムタロアルキルサルフェート、NP−25 ラウリル硫酸ソーダ等の1種又は2種以上が用いられ
る。
いる分散剤としては、米国特許第4,150,970号に記載の
「Tween 20」(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウ
レート)のほかに、ソディウムオクタデシルサルフェー
ト、ソディウムタロアルキルサルフェート、NP−25 ラウリル硫酸ソーダ等の1種又は2種以上が用いられ
る。
水性分散液中では、1−トリアコンタノールが平均粒子
径0.5μm以下の微粒子の形で存在するのが好ましく、
平均粒子径0.3μm以下の超微粒子の形で存在するのが
特に好ましい。
径0.5μm以下の微粒子の形で存在するのが好ましく、
平均粒子径0.3μm以下の超微粒子の形で存在するのが
特に好ましい。
1−トリアコンタノールを超微粒子で存在させる場合に
は、分散液の安定性を保つために、分散剤(乳化剤)と
して、「Tween 20」と、ソディウムオクタデシルサルフ
ェート又はソディウムタロアルキルサルフェートとを併
用するのが好ましい。
は、分散液の安定性を保つために、分散剤(乳化剤)と
して、「Tween 20」と、ソディウムオクタデシルサルフ
ェート又はソディウムタロアルキルサルフェートとを併
用するのが好ましい。
分散液は微酸性に調整するのがよく、pHにして6〜7の
範囲内にするのが好ましい。
範囲内にするのが好ましい。
本発明に従って、1−トリアコンタノールの分散液を柑
橘類の樹木に施用する場合、その時期及び方法等が重要
である。以下、これらについて説明する。
橘類の樹木に施用する場合、その時期及び方法等が重要
である。以下、これらについて説明する。
(a)施用時期 上記分散液は、開花時から果実収穫時までの間に施用さ
れる。好ましくは、初期生理落果(いわゆる“June dro
p")開始期から果実の収穫の3日前までの間に施用され
る。
れる。好ましくは、初期生理落果(いわゆる“June dro
p")開始期から果実の収穫の3日前までの間に施用され
る。
施用は、気温が0℃以上、好ましくは20〜40℃のときに
行なうべきで、冬期の夜間等の気温が極めて低いときの
施用は効果が乏しい。
行なうべきで、冬期の夜間等の気温が極めて低いときの
施用は効果が乏しい。
(b)施用方法 上記の1−トリアコンタノール分散液を、柑橘類の樹木
の葉及び/又は果実を含む部分に施用するのが好まし
い。樹木の幹のみに施したり、根のみに施すのは効果が
少ない。一般に、樹木に全体又は樹枝ごとに、スプレー
するのが適当であるが、他の方法で施用することも可能
である。
の葉及び/又は果実を含む部分に施用するのが好まし
い。樹木の幹のみに施したり、根のみに施すのは効果が
少ない。一般に、樹木に全体又は樹枝ごとに、スプレー
するのが適当であるが、他の方法で施用することも可能
である。
(c)施用量 1−トリアコンタノールは極めて微量でも効果がある。
適当な量は、柑橘類の樹木の大きさに依存するが、米国
の通常の大きさの樹木では1樹当り20〜50lの水性分散
液を施用するのが適当である。
適当な量は、柑橘類の樹木の大きさに依存するが、米国
の通常の大きさの樹木では1樹当り20〜50lの水性分散
液を施用するのが適当である。
(d)施用回数 上記分散液は、柑橘類の樹木に少なくとも1回施用する
必要がある。1−トリアコンタノールは1回の施用でも
十分な効果があるが、必要あれば2回以上施用しても構
わない。
必要がある。1−トリアコンタノールは1回の施用でも
十分な効果があるが、必要あれば2回以上施用しても構
わない。
[発明の効果] 本発明者の研究によれば、上述の如く1−トリアコンタ
ノールの分散液の処理ですることにより、収穫した柑橘
類の果実は、かかる処理を行なわないものに較べて甘味
性が増大していることが確認された。すなわち、果実の
甘味は上述した通り、果実中に含まれる糖分(ブリック
スに相当する)と酸分との比((Birx/acid ratio)に
よって評価されるが、本発明方法に従って1−トリアコ
ンタノール分散液で処理すると、処理しないものに比べ
て上記比の値が約5〜10%向上し、柑橘類の品種、施用
条件によっては50%近く向上する場合も認められる。し
かも、毒性の心配のあるヒ素化合物を使用しないため、
安全性の問題もない。
ノールの分散液の処理ですることにより、収穫した柑橘
類の果実は、かかる処理を行なわないものに較べて甘味
性が増大していることが確認された。すなわち、果実の
甘味は上述した通り、果実中に含まれる糖分(ブリック
スに相当する)と酸分との比((Birx/acid ratio)に
よって評価されるが、本発明方法に従って1−トリアコ
ンタノール分散液で処理すると、処理しないものに比べ
て上記比の値が約5〜10%向上し、柑橘類の品種、施用
条件によっては50%近く向上する場合も認められる。し
かも、毒性の心配のあるヒ素化合物を使用しないため、
安全性の問題もない。
本発明方法は、いかなる種類の柑橘類に対しても適用可
能であり、例えばオレンジ類、タンジェロー類、ネーブ
ル類、グレープフルーツ類、レモン類、ライム類、ウン
シュウミカン類等に適用し得るが、とりわけオレンジ類
に対して効果が大きい。
能であり、例えばオレンジ類、タンジェロー類、ネーブ
ル類、グレープフルーツ類、レモン類、ライム類、ウン
シュウミカン類等に適用し得るが、とりわけオレンジ類
に対して効果が大きい。
[実施例] 以下に本発明の実施例をあげて、本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。
明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。
なお、特にことわらない限り、実施例中の「部」「%」
「比」等は全て重量に基くものである。また、各指標の
評価測定方法は次の通りである。
「比」等は全て重量に基くものである。また、各指標の
評価測定方法は次の通りである。
評価・測定方法 (a)甘味性 甘味性は、全酸成分に対するブリックスの比(すなわ
ち、Birx/total acid)で定義される。ブリックス(Bri
x)は柑橘類の果実の果汁における可溶性固型分の合計
量を意味する。すなわち、可溶性成分の多くは主に庶糖
であり、少量の有機酸、ビタミン、蛋白、遊離アミノ
酸、植物精油、グルコシド等を含む。他の化合物も極く
少量存在するが、全可溶性固型分のおよそ85%は庶糖で
ある。これらは、ブリックス(Brix)比重計により測定
される。この測定装置は、比重を測定しブリックス度
(Brix dgree)として表示する。また、20℃における純
粋な庶糖分のパーセントを読むこともできる。
ち、Birx/total acid)で定義される。ブリックス(Bri
x)は柑橘類の果実の果汁における可溶性固型分の合計
量を意味する。すなわち、可溶性成分の多くは主に庶糖
であり、少量の有機酸、ビタミン、蛋白、遊離アミノ
酸、植物精油、グルコシド等を含む。他の化合物も極く
少量存在するが、全可溶性固型分のおよそ85%は庶糖で
ある。これらは、ブリックス(Brix)比重計により測定
される。この測定装置は、比重を測定しブリックス度
(Brix dgree)として表示する。また、20℃における純
粋な庶糖分のパーセントを読むこともできる。
(b)滴定可能な全酸成分 全酸成分は以下のように測定される。柑橘類の果汁中の
酸は大部分クエン酸であり、少量のリンゴ酸、酒石酸、
コハク酸もまた存在する。ブリックス・テストに用いた
と同一の果汁の25ccがピペットにより試料として採取さ
れエーレンマイヤーフラスコ中に滴下される。3〜4滴
のフェノールフタレイン試示薬が加えられる。一方、ビ
ュレットには0.3125N苛性ソーダの溶液で満たす。この
苛性ソーダ溶液はゆっくりと均一な攪拌下に違ったピン
ク色(但し赤ではない)になるまでフラスコ中へ滴下さ
れ、フェノールフタレインの終点に達する。一般に、そ
れは「全酸成分」と呼ばれているが、果汁には滴定不能
な更に他の酸成分も現実に存在するから、厳密には、
「滴定可能な酸」と言うべきである。完全なテストで
は、滴定により検出される酸は常に無水のクエン酸のパ
ーセントとして表示される。
酸は大部分クエン酸であり、少量のリンゴ酸、酒石酸、
コハク酸もまた存在する。ブリックス・テストに用いた
と同一の果汁の25ccがピペットにより試料として採取さ
れエーレンマイヤーフラスコ中に滴下される。3〜4滴
のフェノールフタレイン試示薬が加えられる。一方、ビ
ュレットには0.3125N苛性ソーダの溶液で満たす。この
苛性ソーダ溶液はゆっくりと均一な攪拌下に違ったピン
ク色(但し赤ではない)になるまでフラスコ中へ滴下さ
れ、フェノールフタレインの終点に達する。一般に、そ
れは「全酸成分」と呼ばれているが、果汁には滴定不能
な更に他の酸成分も現実に存在するから、厳密には、
「滴定可能な酸」と言うべきである。完全なテストで
は、滴定により検出される酸は常に無水のクエン酸のパ
ーセントとして表示される。
参考例1 [1−トリアコンタノール水性分散液の調製] 10ppmのソジウムタロアルキルサルフェートを溶解した
水中に、1−トリアコンタノールを添加し、超音波処理
を行なって1−トリアコンタノールの分散液を得、次い
で大きな1−トリアコンタノール粒子をガラスフィルタ
ーを用いて除去し、1−トリアコンタノールの濃度が約
800ppm、分散粒子の平均粒径が0.5μm以下の微分散液
を調製した。
水中に、1−トリアコンタノールを添加し、超音波処理
を行なって1−トリアコンタノールの分散液を得、次い
で大きな1−トリアコンタノール粒子をガラスフィルタ
ーを用いて除去し、1−トリアコンタノールの濃度が約
800ppm、分散粒子の平均粒径が0.5μm以下の微分散液
を調製した。
この微分散液を水で希釈して1−トリアコンタノールの
濃度が、それぞれ0.67ppbの分散液(以下“分散液L"と
いう)および1.33ppbの分散液(以下“分散液H"とい
う)の2種の分散液を調製した。
濃度が、それぞれ0.67ppbの分散液(以下“分散液L"と
いう)および1.33ppbの分散液(以下“分散液H"とい
う)の2種の分散液を調製した。
なお、上記ソジウムタロアルキルサルフェートは化学式
CnH(2n+1)OSO3Naで表わされ、ここでnは14のものが3.8
%、16のものが27.9%、18のものが63.2%の組成であっ
た。
CnH(2n+1)OSO3Naで表わされ、ここでnは14のものが3.8
%、16のものが27.9%、18のものが63.2%の組成であっ
た。
参考例2 [1−トリアコンタノール超微粒子分散液の調製] 「Tween 20」(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウ
レート)の5%水溶液40mlを40mgの1−トリアコンタノ
ールと混合し、その混合液を90℃で20分間超音波処理し
た。この処理を5分間中断した後、更に加熱下に10分間
更に空冷下で25分間超音波処理を実施した。
レート)の5%水溶液40mlを40mgの1−トリアコンタノ
ールと混合し、その混合液を90℃で20分間超音波処理し
た。この処理を5分間中断した後、更に加熱下に10分間
更に空冷下で25分間超音波処理を実施した。
蒸留水を加えて40mlとし、濃度1000ppmの1−トリアコ
ンタノールの超微粒子分散液を得た。液中の分散微粒子
の大きさはN4コールターサブクロンアナライザー(米国
Coulter社製)で測定した結果、平均粒径70オングスト
ロームであった。
ンタノールの超微粒子分散液を得た。液中の分散微粒子
の大きさはN4コールターサブクロンアナライザー(米国
Coulter社製)で測定した結果、平均粒径70オングスト
ロームであった。
得られた分散液を水で希釈してそれぞれ1−トリアコン
タノール濃度が4ppbの分散液(分散液L′)と100ppbの
分散液(分散液H′)を得た。
タノール濃度が4ppbの分散液(分散液L′)と100ppbの
分散液(分散液H′)を得た。
実施例1 米国フロリダ州レイク・アルフレッド(Lake Alfred)
近くの、1エーカー当り90本の「ハムリン」種オレンジ
を植えた果樹園において、各樹木に対し背負い式噴霧器
を用いて次の条件で1−トリアコンタノールを含む上記
分散液L、分散液H(参考例1参照)を全樹散布した。
近くの、1エーカー当り90本の「ハムリン」種オレンジ
を植えた果樹園において、各樹木に対し背負い式噴霧器
を用いて次の条件で1−トリアコンタノールを含む上記
分散液L、分散液H(参考例1参照)を全樹散布した。
(a)施用時期 開花7ケ月後に施用、その14日後に果実を収穫した。
(b)施用濃度及び量等 濃度はそれぞれ0.67ppb(分散液L)及び1.33ppb(分散
液H)とし、各分散液は樹木1本当り30l施用した。な
お、各分散液のpHは6〜7に調整した。
液H)とし、各分散液は樹木1本当り30l施用した。な
お、各分散液のpHは6〜7に調整した。
(c)施用回数 それぞれ1回処理を行なった。
0.67ppb、1.33ppb1−トリアコンタノール分散液で処理
した樹木から収穫したオレンジ各300個(合計600個)
と、同一果樹園で無処理の樹木から収穫したオレンジ50
0個について、甘味性を測定したところ、次の第1表に
示す結果を得た。
した樹木から収穫したオレンジ各300個(合計600個)
と、同一果樹園で無処理の樹木から収穫したオレンジ50
0個について、甘味性を測定したところ、次の第1表に
示す結果を得た。
実施例2 米国フロリダ州ラベレ(Labelle)近くの、1エーカー
当り25本の「ハムリン」種オレンジを植えた果樹園にお
いて、各樹木に対し背負い式噴霧器を用いて次の条件で
上記分散液L、分散液H(参考例1参照)を全樹散布し
た。
当り25本の「ハムリン」種オレンジを植えた果樹園にお
いて、各樹木に対し背負い式噴霧器を用いて次の条件で
上記分散液L、分散液H(参考例1参照)を全樹散布し
た。
(a)施用時期 開化後71/4ケ月後に施用、その27日後に果実を収穫し
た。
た。
(b)施用濃度、量、pH及び施用回数 施用濃度、量、pH及び施用回数は実施例1と同一とし
た。
た。
0.67ppb、1.33ppb1−トリアコンタノール分散液で処理
した樹木から収穫したオレンジ各400個(合計800個)及
び同一果樹園で無処理の樹木から収穫したオレンジ500
個について、甘味性を測定したところ、次の第2表に示
す結果を得た。
した樹木から収穫したオレンジ各400個(合計800個)及
び同一果樹園で無処理の樹木から収穫したオレンジ500
個について、甘味性を測定したところ、次の第2表に示
す結果を得た。
実施例3 米国フロリダ州ラベレ(Labelle)近くの、1エーカー
当り125本の「バレンシア」種オレンジを植えた果樹園
において、背負い式噴霧器を用い、上記分散液L′、分
散液H′(参考例2参照)を各樹木に対し全樹散布し
た。
当り125本の「バレンシア」種オレンジを植えた果樹園
において、背負い式噴霧器を用い、上記分散液L′、分
散液H′(参考例2参照)を各樹木に対し全樹散布し
た。
(a)施用時期 開花後12 1/4ケ月後に施用。その15日後に果実を収穫し
た。
た。
(b)濃度及び量 濃度はそれぞれ4ppb(分散液L′)、100ppb(分散液
H′)とし、樹木1本当り30l施用した。各分散液のpH
は6〜7に調整した。
H′)とし、樹木1本当り30l施用した。各分散液のpH
は6〜7に調整した。
(c)施用回数 それぞれ1回とした。
4ppb、100ppb1−トリアコンタノール分散液で処理した
樹木からのオレンジ各500個(合計1000個)と同じ果樹
園における無処理の樹木からのオレンジ800個につい
て、甘味性を測定したところ、次の第3表に示す結果を
得た。
樹木からのオレンジ各500個(合計1000個)と同じ果樹
園における無処理の樹木からのオレンジ800個につい
て、甘味性を測定したところ、次の第3表に示す結果を
得た。
Claims (10)
- 【請求項1】柑橘類の樹木の少くとも一部を、その開花
期から果実の収穫期の間において、1−トリアコンタノ
ールを含有する分散液の有効量にて少なくとも1回処理
することにより、果実のブリックス/酸比(Birx/acid
ratio)を向上させることを特徴とする柑橘類の果実の
甘味性改良方法。 - 【請求項2】柑橘類の樹木における葉又は/及び果実を
分散液にて処理する請求項(1)に記載の方法。 - 【請求項3】分散液が1−トリアコンタノールの微粒子
を10-3ppb〜100ppm含有する水性分散液である請求項
(1)に記載の方法。 - 【請求項4】微粒子の平均粒径が0.5μm又はそれ未満
である請求項(3)に記載の方法。 - 【請求項5】分散液のpHが6〜7である請求項(1)に
記載の方法。 - 【請求項6】分散液を初期生理落果開始期から収穫の3
日前までに樹木に対して施用する請求項(1)に記載の
方法。 - 【請求項7】気温が0℃以上のときに分散液を施用する
請求項(1)に記載の方法。 - 【請求項8】分散液中に分散剤と展着剤とを含む請求項
(1)に記載の方法。 - 【請求項9】分散剤がソディウムタロアルキルサルフェ
ート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、
ソディウムオクタデシルサルフェート又はこれらの組合
せである請求項(8)に記載の方法。 - 【請求項10】分散液中の分散剤の濃度が0.1%又はそ
れ未満である請求項(8)に記載の方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US07/223,598 US4849012A (en) | 1988-07-25 | 1988-07-25 | Method for growing citrus fruits |
US223598 | 1988-07-25 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0236103A JPH0236103A (ja) | 1990-02-06 |
JPH0699247B2 true JPH0699247B2 (ja) | 1994-12-07 |
Family
ID=22837200
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1120377A Expired - Lifetime JPH0699247B2 (ja) | 1988-07-25 | 1989-05-16 | 柑橘類の果実の甘味性改良方法 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4849012A (ja) |
EP (1) | EP0352885B1 (ja) |
JP (1) | JPH0699247B2 (ja) |
BR (1) | BR8903686A (ja) |
DE (1) | DE68911783D1 (ja) |
ES (1) | ES2048284T3 (ja) |
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US5217738A (en) * | 1992-04-17 | 1993-06-08 | Board Of Trustees Operating Michigan State University | Method for the treatment of harvested plant parts with L(+) adenosine or 1-triacontanol |
US6432432B1 (en) | 1999-03-05 | 2002-08-13 | Arch Chemicals, Inc. | Chemical method of making a suspension, emulsion or dispersion of pyrithione particles |
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FI115820B (fi) | 2003-06-10 | 2005-07-29 | Hantula Markku | Nestemäinen lehtilannoitekoostumus |
CN103960239B (zh) * | 2014-04-24 | 2015-12-30 | 山东圣鹏科技股份有限公司 | 一种抗植物病毒病组合物及其应用 |
CN109328812A (zh) * | 2018-09-18 | 2019-02-15 | 云南省农业科学院热带亚热带经济作物研究所 | 一种提高柚子糖分及其品质的方法 |
CN116519777B (zh) * | 2023-03-21 | 2024-04-12 | 四川省农业科学院农业质量标准与检测技术研究所 | 一种柑橘生产中增甜剂的识别方法 |
Family Cites Families (2)
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---|---|---|---|---|
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US4420329A (en) * | 1981-06-15 | 1983-12-13 | The Procter & Gamble Company | Stable colloidal dispersions of triacontanol |
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1988
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-
1989
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- 1989-05-17 ES ES89304961T patent/ES2048284T3/es not_active Expired - Lifetime
- 1989-05-17 DE DE89304961T patent/DE68911783D1/de not_active Expired - Lifetime
- 1989-05-17 EP EP89304961A patent/EP0352885B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1989-07-25 BR BR898903686A patent/BR8903686A/pt not_active Application Discontinuation
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BR8903686A (pt) | 1990-03-13 |
DE68911783D1 (de) | 1994-02-10 |
US4849012A (en) | 1989-07-18 |
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EP0352885B1 (en) | 1993-12-29 |
JPH0236103A (ja) | 1990-02-06 |
EP0352885A3 (en) | 1991-05-15 |
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