JP5943844B2 - 作物生産を促進するための天然代謝産物の使用 - Google Patents

作物生産を促進するための天然代謝産物の使用 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
〔関連出願に対する相互参照〕
本願は、参照によってその全体がすべての目的のために本明細書に援用される米国仮出願第61/290,473号(出願日:2009年12月28日)の、35 USC 119(e)に基づく利益を請求する。
〔分野〕
植物の栄養生長および生殖生長の一方または他方の局面を促進するために、天然代謝産の使用によって発芽を促進する組成物および方法が、記載されている。本開示は、作物生産を促進するための単独の天然代謝産物または肥料混合物の一部としての天然代謝産物を特に提供する。本開示は、植物生長制御因子および生体刺激物質をともなった、作物生産を促進するための天然代謝産物をさらに提供する。
〔背景〕
世界人口の増加および生産性のある耕作地の減少は、農業の効率に対する大きな要求を提起している。持続的農業は、土地の単位面積当たりの生産量が費用対効果を増加させることを必要とする。作物の量および質を向上させるために植物の栄養生長および生殖生長を操作することは、栽培者に長く求められていることである。野菜、果実、穀物、飼料および観賞植物の栽培品種も例外ではない。総収量は、器官の生成物(例えば、根、茎、葉、花、種子および果実)または植物の数量を器官または植物の重量によって乗じられた数量および重量の関数として表される。したがって、作物の総収量は、数量の増加、重量の増加、またはこの2つの組合せから生じ得る。栽培者が彼らの耕作地の収益性を向上させることに努めているので、数量およびサイズはますます重要になっている。
野菜、果実、堅果、穀物、飼料および観葉植物の総収量は、多くの要因に影響される。例えば、果実の数量は、花の数、および花を実らせる枝の数に左右され、果実のサイズは結実の数に左右される。種子の生産は、結実および果実のサイズの両方に影響する。また、果実のサイズは、光合成の生成物を果実に送る葉の数によって影響される。根、塊茎および球根の作物は、植物の地下にある部分に光合成産物を送る葉の数によって同じく影響される。植物の地上および地下にある部分は、植物の生長および作物の収量にさらに影響するホルモンを生成する。根の発達、栄養素の取り込み、水の利用効率、天候およびストレス(非生物性および生物性の)はすべて、光合成および植物の代謝、したがって果実のサイズに影響する。さらに、生産のすべての居面は、農業的な手法(例えば、枝打ち、施肥、灌注、ならびに栄養補助剤および植物生長制御因子の使用)によって影響される。
現在、植物生長制御因子(PGR)は、作物植物の栄養生長および生殖生長を操作するために利用可能な最も強力なツールの1つである。広範な一年生、二年生および多年生の作物に対して、PGRは生産の問題を解決するために使用されている。例えば、PGRは、不利な天候条件を回避するためか、または市場がより経済的に好都合な時期に収穫期を移すために開花を増大させるか、同調する開花を増大させるか、または開花期を変更するための葉への噴霧のように巧く使用されている。葉に使用されるPGRは、結実を向上させるか、6月の落果を減少させるか、収穫前の落果を防止して、収量を増大させるために一般的に使用されている。PGRの噴霧は、細胞分裂を刺激することによって直接的に果実のサイズを増大させるために使用される。形成される花の数を減少させるか、または落花もしくは落果を促すPGRの使用は、果実の数を減少させることによって直接的に果実のサイズを増大させる。PGRは、成熟過程、色付き、および特定の組織の成熟を早めるか、または遅らせて、市場において販売される生産物の品質を向上させるために、収穫前および収穫後の処理の両方として使用されている。PGRの新たな用途は、非生物性のストレスの不利な影響を克服することである。驚くべきことに、これらは、標準的な5つの群:オーキシン、サイトカイニン、ジベレリン、アブシジン酸およびエチレンのメンバーであるか、またはこれらの合成に影響を与えるいくつかの市販のPGRを用いて成功している。
しかし、多くのPGRは天然の植物ホルモンを模倣する合成化合物であるので、それらは、米国の環境保護庁によって執行される連邦殺虫剤殺菌剤殺鼠剤法に基づく規制を受けている。PGRが直面している規制の障害に加えて、それらの使用は、有機農産物を好む消費者の増加している一部のよって好ましく受け入れられない。したがって、当該技術において求められているのは、作物生産を促進するための天然化合物を利用する組成物および方法である。
〔概要〕
植物の栄養生長および生殖生長の一方または他方の局面を促進するために、天然代謝産物を使用によって発芽を促進する組成物および方法が、記載されている。本開示は、作物生産を促進するための単独の天然代謝産物または肥料混合物の一部としての天然代謝産物を特に提供する。本開示は、植物生長制御因子および生体刺激物質をともなった、作物生産を促進するための天然代謝産物をさらに提供する。本開示は、用途に応じて栄養補給剤、生体刺激物質または植物生長制御因子に自身が付着され得る、天然代謝産物をさらに提供する。
本開示は作物生産を促進する方法を提供する。当該方法は、作物植物の作物生産を促進するための精製された天然化合物の有効量を含んでいる組成物を作物植物に投与することを包含している。当該天然化合物は、アデノシン、アデノシンリン酸、イノシン、イノシンリン酸、アデニン、ヒポキサンチン、キサンチンおよびこれらの組合せからなる群から選択される。他の実施形態において、上記天然化合物は、ウリジン、ウリジン1リン酸、ウリジン2リン酸、ウリジン3リン酸およびウラシルからなる群から選択される。いくつかの好ましい実施形態において、上記天然化合物は、アデノシン1リン酸、アデノシン2リン酸、アデノシン3リン酸、イノシン、イノシン1リン酸、イノシン2リン酸、イノシン3リン酸、アデニン、ヒポキサンチンおよびキサンチンからなる群から選択される1つ以上を含んでいる。いくつかの好ましい実施形態において、上記組成物は、肥料、植物生長制御因子、生体刺激物質、および生理活性物質(例えば、殺虫剤、殺真菌剤、殺菌剤および/またはダニ駆除剤)を含んでいる。これらの実施形態の一部において、上記植物生長制御因子は、TIBA、IPAおよび6−BAの1つ以上を含んでいる。他の実施形態において、上記植物生長制御因子はヴェルミコンポストティー(Vermicompost tea)に付与されている。いくつかの実施形態において、上記肥料は、窒素、カリウム、マグネシウム、リン、カルシウム、硫黄、鉄、ホウ素、塩素、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、ニッケル、コバルト、ケイ素、セレンおよびこれらの組合せからなる群から選択される。本開示は、上記作物植物が多年生の結実植物である方法を提供する。いくつかの好ましい実施形態において、、多年生の上記結実植物は、リンゴ、アンズ、アボガド、柑橘類(例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、タンジェリン、ライムおよびシトロン)、桃、西洋ナシ、ペカン、ピスタチオおよびプラムからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、上記組成物は、以下の時期:(i)10%の開花;(ii)満開;(iii)花弁の落下の75日後;(iv)果実の果皮の最大の厚さ;および(v)果実の収穫の60日(好ましくは、75、90、105、120、135、150、175または180日(75〜180日))以上前の1つ以上において投与される。いくつかの実施形態において、上記作物植物は一年生の作物植物である。これらの実施形態の一部において、一年生の上記作物植物は、セロリ、ホウレンソウおよびトマトからなる群から選択される。いくつかの好ましい実施形態において、上記組成物は、1週間に1、2、3、4、5、6または7回にわたって投与される。本開示は、上記組成物が、葉への噴霧、灌注および幹への注入からなる群から選択される手法によって投与される方法を提供する。いくつかの実施形態において、促進された上記作物生産は生殖生長の促進を包含している。これらの実施形態の一部において、生殖生長の上記促進は、結実するシュートの増加、果実の数の増加、果実のサイズの増大、および果実の総収量の増加(植物体または基準区画あたりの)からなる群から選択される1つ以上を包含している。いくつかの好ましい実施形態において、生殖生長の上記促進は、植物体または基準区画あたりの商品価値の高い果実の収量(マンモス、ジャンボおよびラージの果実の収量)の増加を包含している。いくつかの実施形態において、果実のサイズの上記増大は、以下:作物植物あたりの果実の平均直径(未処理の作物植物の平均直径の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または10〜90%)の増大;作物植物あたりの果実の重量(未処理の作物植物の重量の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または10〜90%)の増大;作物植物あたりの果実の総重量(未処理の作物植物の総重量の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%もしくは90%、または10〜90%)の増大の1つ以上を包含している。いくつかの実施形態において、促進された上記作物生産は、栄養成長の促進を包含しており、栄養成長の当該促進は、葉の数および生長するシュートの数(植物体または基準区画あたり)の一方または両方の増加を包含している。いくつかの実施形態において、上記アデノシンは、生体刺激物質、栄養補助剤または植物生長制御因子として投与される。
本開示は、(i)精製された天然化合物ならびに(ii)肥料を含んでいる組成物をさらに提供する。当該天然化合物は、アデノシン、アデノシンリン酸、イノシン、イノシンリン酸、アデニン、ヒポキサンチン、キサンチンおよびこれらの組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、上記天然化合物は、ウリジン、ウリジン1リン酸、ウリジン2リン酸、ウリジン3リン酸およびウラシルからなる群から選択される。いくつかの好ましい実施形態において、上記天然化合物は9−β−D−アデノシンを含んでいる。いくつかの好ましい実施形態において、上記天然化合物は、アデノシン1リン酸、アデノシン2リン酸、アデノシン3リン酸、イノシン、イノシン1リン酸、イノシン2リン酸、イノシン3リン酸、アデニン、ヒポキサンチンおよびキサンチンからなる群から選択される1つ以上を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記肥料は、窒素、カリウム、マグネシウム、リン、カルシウム、硫黄、鉄、ホウ素、塩素、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、ニッケル、コバルト、セレン、ケイ素およびこれらの組合せからなる群から選択される。また、本開示は、生理活性物質(例えば、殺虫剤、殺真菌剤、殺菌剤および/またはダニ駆除剤)をさらに含んでいる組成物を提供する。
〔図面の簡単な説明〕
図1は、ネーブルオレンジの1年にわたる開花、結実および果実の発育を示す時系列である。木は、12月中旬から1月中旬に起こる不可逆的な花成への確定(有限性)をともなって、11月下旬から1月にかけて栄養生長から生殖(花の)生長に移行する。花成および落果は2月から5月中旬または6月にかけて起こる。結実は2月から7月にかけて起こる。落果は4月から8月にかけて起こり得る。果実の生育は3段階に分かれている。2月から7月のかけて起こり得る第1段階において、果実のサイズが緩やかに増大する。第1段階の終わりは、果皮の最大の厚さによって特徴付けられ、南のカリフォルニア州のアービンから北のカリフォルニア州のマデラまでにおいて、ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジおよびマンダリンについて、およそ6月10日から7月26にかけて起こると実験的に示されている。第1段階の終わりは、より薄い果皮を有している栽培品種(すなわちマンダリン<バレンシア<ネーブル)について、この期間のうちのより早期に起こり、非結実年より結実年においてより早期に起こる。6月から11月にかけて起こり得る第2段階において、果実のサイズは急速に増大する。11月から翌年の1月にかけて起こり得る第3段階は、果実のサイズの増大がふたたび緩やかになる成熟段階である。第1段階および第2段階(それぞれ早期の落果および6月の落果の期間)は、果実の維持および収量の増加にとって重要な期間である。第1段階の終わりから第2段階までは、果実のサイズの増大にとって重要な期間である。前収穫期は9月から12月にかけて起こり得、収穫期は12月から遅くとも翌年の1月までに起こり得る。図1は、カリフォルニア州のリバーサイドにおけるシトレンジ属(Troyer citrange)の台木に対する樹齢25年の“Washington”ネーブルオレンジ木に基づいている。
図2は、カリフォルニア州における“Hass”アボカドの約1.5年にわたる開花、結実および果実の発育を示す時系列である。カリフォルニア州における“Hass”アボカドは、7月の終わりから8月の初めにかけて栄養生長から生殖生長(花芽形成)に移行する。花序の形成は、11月から翌年の1月までに起こり得る。開花は3月から5月にかけて起こり得る。受粉および施肥は3月から6月にかけて起こり得る。結実は、3月から、6月中旬か7月上旬にかけて起こり得る。早期の落果は、3月から、6月中旬か7月上旬にかけて起こり得る。6月の落果は6月上旬から8月にかけて起こり得る。果実の生育は3段階に分かれている。4月から、6月中旬〜7月上旬にかけて起こり得る第1段階において、果実のサイズは緩やかに増大する。6月中旬〜7月上旬から、11月にかけて起こり得る第2段階において、果実のサイズは急速に増大する。第3段階において、果実は、細胞分裂を継続させ、翌年の収穫まで継続する成熟(20.8%の乾燥物質の含有量が法的な成熟である)の一部として乾燥物質およびオイルを蓄積し続ける。果実の保持および収量の増加によって重要な時期は3月から8月にかけてである。果実のサイズの増大にとって重要な期間は、7月上旬から11月にかけて、およびふたたび3月下旬〜4月上旬から、翌年の収穫までにかけてである。収穫期は、2月から秋にかけて起こり得、主な採取は3月から6月にかけて起こる。図2はサンディエゴの環境条件に基づいている。
また、トマトの果実の成長は、果実の生育の同じ3段階を介して進行する。さらに、トマトの果実の生育の3段階は、相関する同じ落果の期間:果実の生育、早期の落果の第1段階;果実の生育、6月の落果の期間の第2段階;および果実の生育、前収穫の落果の第3段階を有している。すべての作物(一年生、二年生または多年生;野菜、果実、穀類、飼料または観賞植物)は、商品作物(器官または植物体の全体)の数、大きさおよび総収量を増大させるための、葉、土壌または灌注によって付与され、木本の作物の場合に幹に注入される栄養補助剤、肥料または植物生長制御因子を対象とし得る生物季節の段階を有している。
〔定義〕
本開示の完全な理解を保証するために、以下の定義が与えられる。
本明細書において使用されるとき、“天然代謝産物”という用語は、代謝に関与する天然に存在する物質(例えば、代謝の生成物または代謝に必須の生成物)を指す。いくつかの実施形態において、天然代謝産物はアデノシンである。本明細書において使用されるとき、“天然化合物”という用語は、同様に天然に存在する物質を指すが、単離された化合物は、生物学的または化学的に生成されている。簡便さのために、“天然代謝産物”および“天然化合物”という用語は、本明細書において交換可能に使用される。いくつかの好ましい実施形態において、天然化合物は、プリンヌクレオシド(例えば、アデノシン、イノシン);プリンヌクレオシドの1リン酸、2リン酸もしくは3リン酸(例えば、AMP、ADP、ATP、IMP、IDP、ITP);またはプリン塩基(例えば、アデニン、ヒポキサンチン、キサンチン)である。好ましい実施形態において、天然代謝物はアデノシンを含んでいる。好ましい実施形態において、上記プリンヌクレオシドは、D立体異性体(例えば、9−β−D−アデノシン、9−β−D−イノシン)を含んでいるか、または当該D立体異性体から実質的になる。
本明細書において使用されるとき、“精製された”という用語は、その天然の環境から取出されている(例えば、単離されているか、または分離されている)代謝物質(例えばアデノシンなど)を指す。“精製された”化合物は、それらが天然に会合している他の構成要素の、少なくとも50%、好ましくは75%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%を含んでいない。
本明細書において使用されるとき、“栄養補助剤”という用語は、植物の通常の成長に必要な基本的な代謝産物の1つ以上を、植物によって容易に利用可能な形態において含んでいる組成物を指す。いくつかの実施形態において、栄養補助剤は、天然代謝産物であるアデノシンを含んでいる。いくつかの好ましい実施形態において、アデノシンは9−β−D−アデノシンである。好ましい他の実施形態において、栄養補助剤は、ピリミジンヌクレオシド、ピリミジン塩基またはピリミジンヌクレオチド、アミノ酸、有機酸、抗酸化剤、糖およびビタミン、酵素補助因子と組み合わせて、天然代謝産物であるアデノシンを含んでいる。
本明細書において使用されるとき、“肥料”という用語は、植物の成長、果実の成長および種子の生成にとっての17の必須栄養素の1つ以上、ならびに植物の成長によって有益であると示されている種々の成分のいずれかを指す。肥料は、植物の根による取り込みのために、液体または固体として作物の土壌に加えられ得る(例えば、土壌注入、灌注)か、または葉、花序、花、果実および芽を介した取り込みのために植物の樹冠に塗布され得る。肥料は、有機物(すなわち腐敗した植物または動物によって構成される)または無機物(すなわち単一または複数の化学物質または鉱物によって構成される)であり得る。肥料は、必須元素:窒素、リン、カリウム、カルシウム、硫黄、マグネシウム、ホウ素、塩素、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、モリブデンおよびニッケルを種々の割合において含み得る。また、肥料は、有益な元素:コバルト、ケイ素、セレンおよびクロムを含み得る。尿素(例えば、低いビウレット尿素)は好ましい窒素肥料の例である。
本明細書において使用されるとき、“植物生長制御因子”および“PGR”という用語は、植物ホルモンの作用を模倣するために使用される天然に存在する植物ホルモンの化学合成の類似物を指す。天然に存在する植物ホルモンは、5つの分類:オーキシン、ジベレリン(GA)、サイトカイニン、エチレンおよびアブシジン酸(ABA)のうちの1つに一般的に該当する。植物生長制御因子としては、2,3,5−トリヨード安息香酸(TIBA);9−ヒドロキシフルオレン−9−カルボン酸(HFCA);2−(4−クロロフェノキシ)−2−メチルプロピオン酸(クロフィブリン酸(clofibric acid));4−クロロフェノキシ酢酸(4−CPA);2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D);2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5−T);3,5,6−トリクロロ−2−ピリジロキシ酢酸(3,5,6−TPA);4−(2,4−ジクロロフェノキシ)酪酸(2,4−DB);トリス[2−(2,4−ジクロロフェノキシ)エチル]亜リン酸(2,4−DEP);2−(2,4−ジクロロフェノキシ)プロピオン酸(ジクロルプロプ(dichlorprop));2−(2,4,5−トリクロロフェノキシ)プロピオン酸(フェノプロプ(fenoprop));1−ナフタレン酢酸(NAA);インドール−3−酪酸(IBA);インドール−3−酢酸(IAA);4−クロロインドール−3−酢酸(4−CI−IAA);2−フェニル酢酸(PAA);2−メトキシ−3,6−ジクロロ安息香酸(ジカンバ(dicamba));4−アミノ−3,5,6−トリクロロピコリン酸(トルドン(tordon)またはピクロラム(picloram));α−(p−クロロフェノキシ)イソ酪酸(PCIB);1−ナフトール;(2−ナフチロキシ)酢酸;ナフテン酸カリウム;ナフテン酸ナトリウム;N−(3−メチルブト−2−エニル)−1H−プリン−6−アミン(2iP);N−ベンジル−1H−プリン−6−アミン(ベンジルアデニンおよびそのリボシド);N−フルフリル−1H−プリン−6−アミン(キネチン);(E)−2−メチル−4−(9H−プリン−6−イルアミノ)ブト−2−エン−1−オール(ゼアチン);6−ベンジルアミノプリン(6BA);イソペンテニルアデニンおよびそのリボシド;ゼアチンおよびそのリボシド;1−(2−クロロ−4−ピリジニル)−3−フェニル尿素(CPPU)、フォルクロフェヌロン(forchlorfenuron)、および合成の他のジフェニル尿素型のサイトカイニン;シス、トランス−アブシジン酸;S−(+)−アブシジン酸;(S)−5−(1−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチル−4−オキソ−1−シクロヘキシ−2−エニル)−3−メチル−ペンタ−(2Z,4E)−ジエノイン酸;ジベレリン酸(GA、GA、GA、GA4+7、GA、GA4,7,9、GA);フルリドン(1−メチル−3−フェニル−5−[3−トリフルロメチル(フェニル)]−4−(1H)−ピリジノン);アバミン;1−ブタノール;1−メチルシクロプロペン(MCP);アミノエトキシビニルグリシン;エテフォン;ならびにエスレルが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において使用されるとき、“生体刺激物質”という用語は、植物に使用すると、植物の健康状態および成長を向上させる、肥料または農薬のいずれでもない化合物または組成物を指す。生体刺激物質という用語は、ピリミジンヌクレオチド、ピリミジンヌクレオシド、ピリミジン塩基、アミノ酸、有機酸、糖、ビタミン、酵素の補助因子、抗酸化剤、フミン酸、フルボ酸、ケルプ(海藻)、およびコンポストティーを包含しているが、これらに限定されない。
本明細書において使用されるとき、“作物生産”という用語は、栄養生長(シュート、葉)および生殖生長(花、果実、種子)の一方または両方の局面を指す。したがって、作物生産の促進は、植物の器官(果実、種子/堅果、花、花序、シュートおよび葉が挙げられるが、これらに限定されない)の数量およびサイズの増大の一方または両方を包含している。本明細書において使用されるとき、“数量”という用語は、植物の器官の数(例えば、栄養性のシュートの数、葉の数、生殖性(花)のシュートの数、花序の数、花の数、果実の数)の増加を指す。本明細書において使用されるとき、“サイズ”という用語は、植物の器官の重量、長さ、面積、直径、周径または体積を指し、本明細書において使用されるとき、“数量”という用語は、植物の器官の数を指す。サイズの増大は、植物のサイズ(例えば、高さ、幅)、シュートのサイズ(例えば、長さ、直径、周径)、葉のサイズ(例えば、長さ、幅、面積)、および果実のサイズ(例えば、直径、周径、体積、重量)の1つ以上の増大を包含している。好ましい実施形態において、作物生産の増大は、未処理の対照植物の各値と比べたときの、果実の生産量(例えば、作物植物ごとの果実(合計、ラージ、高い商品価値)の数、作物植物ごとの果実(合計、ラージ、高い商品価値)の重量、または作物植物ごとの果実の総収量)における少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、75%、85%、95%、100%、150%、200%の正味の増大である。作物生産は、作物植物ごとの総キログラム数、作物植物ごとの平均キログラム数、作物植物ごとの果実の総数、作物植物ごとの果実の数の平均、果実ごとの直径の平均ミリメートル数、または果実ごとの平均グラム数において一般的に表される。
本明細書において使用されるとき、“総収量”という用語は、植物の器官の数量によって乗じられるサイズの積を指す。好ましい実施形態において、総収量の増大は、未処理の対照植物の値と比べたときの栄養生長および生殖生長の一方または両方の総収量の、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、75%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%または500%の正味の増大である。
本明細書において使用されるとき、“投与する”という用語は、作物植物が本明細書に記載の組成物(例えば、栄養補助剤、肥料、植物の成長調節因子およびこれらの組合せ)を受ける種々の様式を指す。投与の方法としては、葉への噴霧、灌注、土壌への散布、土壌への注入、幹への注入(枝への注入が挙げられる)、および幹への塗布(枝への塗布が挙げられる)が挙げられるが、これらに限定されない。植物に供給する手法である葉への噴霧は、液体の形態における組成物を植物の樹冠に対して直接的に塗布することに直接的に関する。典型的に、葉はそのような塗布の標的であるが、代替的に、芽、花序、花および果実は、単独のか、または葉に加えた、葉への噴霧の対象であり得る。一方で、灌注は、植物の根による取り込みのために組成物を根域に投与することに直接的に関する。幹への注入は、植物の幹または枝に組成物を投与することに直接的に関する。当該技術において公知のように、幹への注入は、多くの異なる昆虫および疾患、ならびに栄養不足の問題を処置するための、環境を考慮した効率的な方法である。また、噴霧が実行可能な選択肢ではない住宅、公園、水路または環境的に注意を払うべき他の区域と非常に近い区域において、一部の木は噴霧するには大き過ぎるか、または根の系は土壌の処理にとって利用可能であり得ず、そのような場合に、幹への注入を最上または唯一の利用可能な選択肢にさせる。
本明細書において使用されるとき、“有効量”という用語は、所望の作用をもたらすために必要な物質の量を指す。いくつかの実施形態において、アデノシンの有効量は、好適な様式(例えば、果実の発育の段階を生じさせる適切な時点に使用されるアデノシンの適切な製剤)において作物植物に投与される場合に果実のサイズ(周径、重量および/または体積)を増大させるアデノシンの量である。いくつかの実施形態において、アデノシンの有効量は、好適な様式(例えば、果実の発育の段階を生じさせる適切な時点に使用されるアデノシンの適切な製剤)において作物植物に投与される場合にシュートおよび果実の数の一方または両方を増加させるアデノシンの量である。典型的に、葉への噴霧によって作物植物に投与されるアデノシンの有効量は、0.023kg/エーカー〜0.189kg/エーカー(例えば、エーカーあたり950mLの水に加えられている25mg/L〜エーカーあたり1900mLの水に加えられている100mg/L)である。典型的に、灌注によって作物植物に投与されるアデノシンの有効量は、3ヶ月の生長期の全体にわたって植物体ごとに合計して0.35μg〜35μg、または3ヶ月の生長期の全体にわたって1.4mg/4000の植物体/エーカー〜140mg/4000の植物体/エーカーである。典型的に、幹への注入によって作物植物に投与されるアデノシンの有効量は、250mg〜2500mg/木/使用である。200木/エーカーの密度および1g/木の用量において、0.2kg/エーカーのアデノシンは、例示的な用途において使用される。
本明細書において使用されるとき、“発芽”および“出芽”という用語は、休眠状態の芽が成長を再開し、栄養性または生殖性の促進されたシュートの生長を生じる現象を指す。休眠状態の芽は、外部要因または内生要因のために生長していない、生長可能な芽を指す。しかし、すべてのシュートは休眠状態の芽から発達するわけではない。芽は、シュートの主軸と同時に新規に発達し得る。また、これらの芽が形成され、生長して、シュートの栄養生長および生殖生長を促進する現象は、“発芽”および“出芽”である。
本明細書において使用されるとき、“果皮の最大の厚さ”という用語は、果実(例えば柑橘類)生育の細胞分裂段階の終了の時期を指す。
本明細書において使用されるとき、“開花”という用語は、花が開いている(例えば、葯の開裂を受けている)時期を指す。10%の開花、60%の開花などの用語は、木の南西にある1/4において開花している花の割合を指す。
本明細書において使用されるとき、“満開”という用語は、花の芽の50%以下が開いている植物の開花サイクルにおける時期を指す。
本明細書において使用されるとき、“落花”という用語は、花の75%が木の北東の1/4において落果している時期を指す。
本明細書において使用されるとき、“樹冠”という用語は、土壌の面より上にある、幹を除く植物の構成部分を指す。したがって、樹冠という用語は、枝、葉、花序、花、芽および果実を包含している。
本明細書において使用されるとき、“作物植物”という用語は、穀類、豆類、飼料作物、茎および葉の作物、塊茎、トウモロコシ、球根および根の作物、果実および種子の食用植物、果実および堅果の作物、飲料用の作物、オイル、脂肪および蜜蝋の作物、スパイス、香水および香味、ならびに観賞植物、樹木および繊維の作物を一般的に指す。作物植物としては、コメ、コムギ、トウモロコシ、オオムギ、カラスムギ、モロコシ、ライムギ、キビ、ダイズ、ピーナッツ、ソラマメ、エンドウマメ、ヒヨコマメもしくはガルバンゾ、ササゲ、レンティル、キマメ、グアール、アルファルファ、クローバ、ミヤコグサ、カラスノエンドウ、スイートクローバ、ハギ、ルピナス、スーダングラス、ケンタッキーブルーグラス、スズメノチャヒキ、チモシー、カモガヤ、ウシノケグサ、バミューダグラス、ダリスグラス、バヒアグラス、ライグラス、ベントグラス、サトウキビ、チョウセンアザミ、アスパラガス、ブロッコリ、メキャベツ、キャベツ、セロリ、チャード、ハクサイ、コラード、エンダイブ、コールラビー、レタス、パセリ、ダイオウ、ホウレンソウ、ジャガイモ、カッサバ、サツマイモ、テンサイ、タロイモ、ニンジン、セイヨウワサビ、キクイモ、タマネギ、パースニッップ、ダイコン、ルタバガ、サルシファイ、カブ、ヤム、トマト、ナス、ウリ科、オクラ、コショウ、柑橘類(スイートオレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツが挙げられる)、グレープ、バナナ、核果(例えば、アンズ、ネクタリン、モモ、プラム)、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、マルベリー、キイチゴ、クランベリー、カラント、セイヨウナシ、アボカド、カシュー、ココナッツ、ナツメヤシ、イチジク、グアバ、ライチ、マクラジャ、マンゴー、オリーブ、パパイヤ、パイナップル、ザクロ、アーモンド、ブラジルナッツ、ハシバミ、マカダミアナッツ、ペカン、ピスタチオ、クルミ、ヒマワリ、コーヒー、茶、カカオ、コーラ、ホップ、ベニバナ、ココナッツ、アフリカアブラヤシ、トウゴマ、セイヨウアブラナ、ゴマ、ヒマワリ、アマニ、アブラギリ、ダイズ、カルナバ、キャンデリラ、ホホバ、黒コショウ、シナモン、チョウジ、バニラ、ミント、オレガノ、オールスパイス、アニス、アンゲリカ根、マスタード、セージ、ショウガ、バラ油、ベルガモット、カンファー、イランイランノキ、シトロネラグラス、ユーカリ、ゼラニウム油、ラベンダー、ローズマリー、タイム、テルペンチン、綿、アマ、麻、クリスマスツリー(種々の針葉樹)、常緑の観賞植物、バラ、キク、カーネーション、アイリス、ツツジおよびロドデンドロンが挙げられるが、これらに限定されない。
“作物植物”という用語は、一年生植物、二年生植物および多年生植物を包含している。多年生植物は2年を超えて生育する。一方で、一年生植物は、1年において出芽し、開花し、枯れ、二年生植物は、2年においてその生活環を終える。本開示における実施形態はすべての作物植物にあてはまる。
〔詳細な説明〕
植物の栄養生長および生殖生長の一方または両方の局面を、天然代謝産物の使用によって促進する組成物および方法が、開示されている。作物生産を促進するための単独の天然代謝産物または肥料混合物の一部としての天然代謝産物を特に提供する。本開示は、植物生長制御因子および生体刺激物質をともなった、作物生産を促進するための天然代謝産物をさらに提供する。いくつかの実施形態において、上記天然代謝産物は、アデノシン、アデノシンリン酸(AMP、ADP、ATP)、イノシン、イノシンリン酸(IMP、IDP、ITP)、アデニン、ヒポキサンチン、およびキサンチンの1つ以上を含んでいる。いくつかの好ましい実施形態において、上記天然代謝産物はアデノシンを含んでいる。いくつかの好ましい実施形態において、アデノシンは、D−立体異性体(例えば9−β−D−アデノシン)を含んでいるか、または当該D−立体異性体から実質的になる。以下の詳細な説明において、9−β−D−アデノシンを含んでいる例示的な方法および組成物が示されている。しかし、本開示はそれに限定されず、したがって作物生産を促進する好適な他の組成物および方法は、アデノシンに加えてか、またはアデノシンに代えて、アデノシンリン酸、イノシン、イノシンリン酸、アデニン、ヒポキサンチンおよびキサンチンを含んでいる。いくつかの好ましい実施形態において、イノシンは、D−立体異性体(例えば9−β−D−イノシン)を含んでいるか、または当該D−立体異性体から実質的になる。
(I.作物生産を促進する方法)
本開示は作物生産を促進する方法を提供する。当該方法は、天然代謝産物を含んでいる組成物を作物植物に投与することによって栄養性および生殖性のシュートの一方または両方の数の増加した生成をもたらす出芽を促進することに関する。いくつかの実施形態において、天然代謝産物は、アデノシン、アデノシンリン酸(AMP、ADP、ATP)、イノシン、イノシンリン酸(IMP、IDP、ITP)、アデニン、ヒポキサンチン、およびキサンチンの1つ以上を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記組成物は栄養補助剤としての使用を対象にしており、他の実施形態において、上記組成物は植物の成長調節因子または生体刺激物質としての使用を対象にしている。本開示は、トマト、コショウ、ストロベリー、栄養性および花成性の観賞用の草本植物または木本植物、ならびに他の野菜、穀類、コメ、飼料および一年生、二年生および多年生の果実および種子の作物生産業の標準的な手法と両立する。
これまでの研究者は、綿の種子に対するAMPの投与が種子の発芽の促進に有効であることを示している(米国特許第4,209,316号)。一方で、本開示は、促進された発芽の結果として作物生産を促進していない。さらに、好ましい実施形態において、本開示は、AMPではなく、アデノシンの投与を包含している。
1−トリコンンタノールまたは9−β−L−アデノシンの使用が、収穫される縮物の部分の品質を向上させると報告されている(米国特許第5,217,738号)。いくつかの例において、これは、収穫された果実または野菜の酸に対する糖の割合を増加させることに関していた。さらなる報告において、9−β−L−アデノシンは、乾燥重量を増大させるために苗に投与されるか、または堅固さもしくは保存の安定性を向上させるために果実または野菜の収穫の60日以内に1回、植物に投与された(米国特許第5,009,698号および米国特許第5,234,898号)。一方で、本開示は、天然代謝産物(アデノシンなど、好ましくは9−β−D−アデノシン)を含んでいる組成物の、果実または野菜の収穫前に作物植物に対する投与に関する。さらに、本開示は、植物の生長(例えばシュートの栄養生長)を一般的に促進することではなく、発芽を促進することによって作物生産を促進することに関する。好ましい実施形態において、本開示は、天然代謝産物の繰返し投与、および/または植物生長の特定の(複数の)段階における投与に関する。したがって、本開示の組成物および本発明は、以上に参照した特許と大きく異なる。
A.トマトの生産量を増加させる方法
トマトの生成を促進する例示的な方法は、実施例1に示されており、以下に簡潔にまとめられている。いくつかの実施形態において、アデノシンは、およそ1日に1回、2日に1回、7日に1回、10日に1回にわたって、アデノシンを根域に移動させるために十分な水における灌注を介してトマトに投与されて、3ヶ月の生長期を通して0.35μg〜35μg/植物、または3ヶ月の生長期を通して1.4mg/4000植物/エーカー〜140mg/4000植物/エーカーを供給する。さらなる実施形態において、アデノシンは、7〜10日に1回にわたる葉への噴霧のように使用されて、3ヶ月の生長期を通して0.35μg〜35μg/植物、または3ヶ月の生長期を通して1.4mg/4000植物/エーカー〜140mg/4000植物/エーカーを供給する。付加的な実施形態において、アデノシンは、良好な樹冠の被覆度をもたらすために十分なガロン数の、1エーカーごとの水における2.5mg/L、50mg/Lまたは100mg/Lにおいて、植物季節学の重要な段階に使用される。当該段階は、例えば、開花の開始の直前、満開期、結実期(果実の生育の第1段階)、果実のサイズが急速に増大する期間(果実の生育および6月の落果の第2段階)、または結実期(果実の生育の第1段階)およびふたたび果実のサイズが急速に増大する期間(果実の生育および6月の落果の第2段階)の間もしくは直前である。アデノシンを含んでいる組成物の投与を介してトマトの生産を促進する本開示の方法は、未処理の対照および利用可能な標準的な手法(3ヶ月の成長期の全体において月に3回の3ガロン/エーカーにおいて使用されるヴェルミコンポストティー)と比較して好ましいと予想される。
B.マンダリンの生産量を増加させる方法
柑橘類の生産を促進する例示的な方法は、実施例2に示されており、以下に簡潔にまとめられている。いくつかの実施形態において、上記方法は、アデノシンを含んでいる組成物を葉への噴霧によってマンダリンの木に投与することに関する。樹冠への塗布に関する好適な方法は以下の通りである。(1)果皮の最大の厚さのときに投与されるアデノシン(25mg/L);(2)果実の直径が17〜20mmのときに投与されるアデノシン(25mg/L);(3)果実の直径が17〜20mmのときに投与されるアデノシン(50mg/L);(4)果皮の最大の厚さのときに投与されるアデノシン(50mg/L);(5)果実の直径が17〜20mmのときに投与されるアデノシン(100mg/L);(6)果皮の最大の厚さのときに投与されるアデノシン(100mg/L);(7)75%の落果のときに投与されるアデノシン(50mg/L);(8)75%の落果のときおよび果皮の最大の厚さのときに投与されるアデノシン(50mg/L)。処理は、1エーカーにつき100〜500ガロンにおいて行われ得る。特に断りがない限り、例示的な処理は、1エーカーにつき250ガロンにおいて行われる。したがって、アデノシンは、1エーカーにつき約18.93〜23.66gから1エーカーにつき約75.71〜94.63gの量において使用される。試験方法において処理につき15の個々の木がある。収穫時に、果実の生産量(果実のkg数/木、果実の数/木、および果実の品質)が評価される。
アデノシンを含んでいる組成物の投与を介して柑橘類の生産を促進する、本開示の方法は、未処理の対照および利用可能な標準的な手法と比較して好ましいと予想される。柑橘類の生産の促進は、保持される果実、およびしたがって果実のサイズに対する作用のありまたはなしにおける果実の数の増加によって特に実現される。マンダリン木のための利用可能な標準的な手法は以下の通りである。(1)良好な被覆度のために十分なガロン数を用いて、100ガロンの水につき1〜8液量オンスにおけるGA(Valent Biosciences Corp.が提供している4%のPROGIBB(登録商標))、マンダリンおよびマンダリン混成種の50%の落花から落花の3週間後までに1〜2回;(2)マンダリンおよびマンダリン混成種の75%の落花から21〜35日後に1エーカーにつき500ガロンにおいて、100ガロンの水につき0.67オンスの2,4−D(AmVac Corp.が提供しているCITRUSFIX(登録商標))(1ガロンにつき3.34ポンドの2,4−D−イソプロピルエステル);(3)果皮の最大の厚さのときに使用される1%の低いビウレット尿素。ProGibb(登録商標)は、所望されるよりも多い結実をもたらすことによって、最終的な果実のサイズを低下させ得、落葉がストレス条件の木に生じ得るので、ProGibb(登録商標)を注意して使用する必要がある。アデノシンはこの注意を必要とせず、商品価値の高い果実の収量の増加におけるその有効性は、GAのように着果数に敏感(隔年結実)ではない。同様に、CITRUSFIX(登録商標)は、果実の乾燥(特に“Nules”および乾燥もしくは顆粒化し易い栽培品種において)を引き起こし得るので、CITRUSFIX(登録商標)を注意して使用する必要がある。さらに、CITRUSFIX(登録商標)は、6年未満の樹齢の木に使用できず、葉の生長が盛んな期間に使用できない。アデノシンは、マンドリンの果実の品質に対する負の作用を有していなかった。さらに、実施例2に記載されている3年の調査のうちの1年において、アデノシンは、酸性度を低下させ、可溶性の固体(糖)の総量の、酸に対する割合を増加させるという所望の作用を有していた(表2−5を参照)。
本開示は、柑橘類、アボカド、ピスタチオ、ならびに常緑および落葉性の木の果実および堅果の標準的な手法と両立する。植物生長調節因子、生体刺激物質、栄養補助剤、および肥料のずべては、米国の環境保護庁および州当局による規制の変化する程度に左右されるが、本開示の活性成分は容易に利用可能な天然代謝産物である。さらに、6−ベンジルアデニン(6−BA)は、リンゴおよびピスタチオに対する使用について残留許容度の要件から以前に免除されているので、アデノシンおよびその前駆体は、これらの作物および他の作物に対する使用について同様に免除されるはずである。さらに、アデノシンが前駆体であるAMPは、GRAS(安全と一般的に認識されている)化合物である。
さらに、クレメンタインマンダリンによる産生を樹冠への塗布によって促進する方法は、以下の(1)〜(8)の通りである。(1)果皮の最大の厚さのときに投与されるアデノシン(25mg/L);(2)果実の直径が17〜20mmのときに投与されるアデノシン(25mg/L);(3)果実の直径が17〜20mmのときに投与されるアデノシン(50mg/L);(4)果皮の最大の厚さのときに投与されるアデノシン(50mg/L);(5)果実の直径が17〜20mmのときに投与されるアデノシン(100mg/L);(6)果皮の最大の厚さのときに投与されるアデノシン(100mg/L);(7)75%の落果のときに投与されるアデノシン(50mg/L);(8)75%の落果のときおよび果皮の最大の厚さのときに投与されるアデノシン(50mg/L)。これらの方法は、未処理の対照および利用可能な標準的な手法(9)と比べて、好ましいと予測される。(9)良好な被覆度のために十分なガロン数を用いた、100ガロンの水につき1〜8液量オンスにおけるGA(Valent BioSciences Corp.が提供している4%のPROGIBB(登録商標))、マンダリンおよびマンダリンの混成種の50%の落花から、落花後の3週間までの1〜2回の塗布。特に断りがない限り、すべての処理は、木ごとに2ガロンの水である。試験方法において処理ごとに15の木がある。収穫期に、果実の産生量が評価される(果実のkg/木、果実の数/木、および果実の品質)。
C.アボカドの生産を促進する方法
アボガドの産生を促進する例示的な方法は、実施例3に示されており、以下に簡潔にまとめられている。いくつかの実施形態において、上記方法は、“HASS”アボカド木の幹への注入によって、アデノシンを含んでいる組成物を投与することに関する。以下の(1)〜(5)の処理が、カリフォルニア州のアービンにおける商業的な果樹園における結実する“HASS”アボカド木の幹に1月中旬に注入される(1g/木)。(1)アデノシン(Sigma Chemical);(2)6−BA(Sigma Chemical);(3)GA(40%のPROGIBB、Valent BioSciences Corp.);(4)TIBA(Sigma Chemical);および(5)TIBA+アデノシン。各物質を、50〜60mlの蒸留水に溶解させて木につき1gの割合において、木につき2つのシリンジを用いて使用した。(6)未処理の結実対照の木を含めて、処理ごとに5本の木が複製としてあった。それぞれの木について、枝(12インチの長さ)(木の1/4の部分のそれぞれにおける果実ありの1枝および果実なしの1枝)に、タグを付けた。タグつきの枝における花のシュート(無限花序および有限花序)、栄養性のシュートおよび活動していない芽の数を、春の開花期にカウントした。アデノシンを含んでいる組成物の投与を介してアボカド産生を促進させる、本開示の方法は、未処理の対照および葉もしくは土壌に使用される施肥手法と比べて、好ましいと予想される。現在、枝打ちの後にシュートの生長を抑制するための、植物成長制御因子の1つであるナフタレン酢酸(NAA)は、米国においてアボカドに対する使用について登録されている。表3−1に表されている結果から、作物生産を促進するためのアデノシンの使用は、落葉性の他の果実作物における植物成長制御因子の使用と比べて、好ましいと予想される。特に、アボカド産生の増加は、花および果実の数を増加させる発芽を促進すること、ならびに花および果実の保持を促進することによって実現可能である。アデノシンを含んでいる組成物をアボカド木に投与する好適な他の方法としては、(1)満開期/開花期;または(2)果実のサイズが急速に増大する直前の果実の直径が17〜20mmのときに使用される、1エーカーにつき250〜500ガロンの水における25〜50mg/Lの葉への噴霧が挙げられる。
(II.作物生産を促進する組成物)
本開示は、作物生産を促進するための天然代謝産物を含んでいる組成物を提供する。作物生産を促進することは、栄養生長および生殖生長の一方または両方の局面を促進することを包含している。いくつかの実施形態において、天然代謝産物は、アデノシン、アデノシンリン酸(AMP、ADP、ATP)、イノシン、イノシンリン酸(IMP、IDP、ITP)、アデニン、ヒポキサンチン、およびキサンチンの1つ以上を含んでいる。以下の記載において特に断りがない限り、本開示の組成物を使用する特定されているつきは、南カリフォルニアの気候および季節を指す。当業者は、他の生育条件(例えば南半球)のために、開示されている技術を容易に変更し得る。
アデノシン(およびアデニン)は、DNA、RNAおよびATP(すべての生物のエネルギー流通)の合成のためにすべての生物における前駆物質として機能する偏在性の代謝産物である。また、植物において、アデノシンはサイトカイニン合成のための前駆物質として機能する。したがって、アデノシンなどは、栄養補助剤として適切に分類され得、生長促進剤のわずかにしか利用できない有機体の栽培者による使用のために調合され得る。さらに、アデノシンはまた、果実の保持、シュートの発達、および春の発芽を促進して、花の密度および総収量を向上させ得る。したがっていくつかの実施形態において、アデノシンを含んでいる組成物は、植物生長調節因子としての使用のために調合され得る。本開示の組成物は、多年生植物および一年生植物の果実作物(柑橘類、アボカド、ピスタチオ、ペカン、アンズ、モモ、プラム、トマト、コショウ、ストロベリー、ラズベリー、およびブルーベリーが挙げられるが、これらに限定されない)の作物産生を促進するための使用に好適である。
現在、カリフォルニア州においてマンダリンに対する使用について登録されている2つの植物生長調節因子(結実(若い果実の保持)を促進するジベレリン酸(GA)および果実のサイズを増大させる2,4−ジクロロオキシ酢酸(2,4−D))がある(UC Pest Management Guidelines、www.ipm.ucdavis.edu/PMG/r107900111.html)。最近の研究(Chao and Lovatt, Final Report to the Citrus Research Board, 2007)は、木ごとの果実の総数(木ごとの果実のkg数としての総収量ではない)を首尾よく増加させ、かつ商品価値の高いサイズの大きい果実の収量を、木ごとのkg数および数の両方として増加させるために作物の少ない年(約550の果実/木)において、早期に(60%の開花の開始)、頻度高く(4回)、およびより高い割合において(15または25mgのGA/L)GAを使用することが有益であることを示している。結実年(約1200の果実/木)において、GAを使用しないことがより良好である。試験された結実年において、GA処理は、総収量および商品価値の高いサイズの大きい果実(ラージ、ジャンボおよびマンモス荷箱のサイズ)の収量のいずれかを低下させるか、または作用を示さなかった。マンダリンの果実のサイズを増大させるための2,4−Dの使用は、低いジュース含量を有している傾向にあるか、または果樹園において顆粒化する傾向にあるマンダリンおよびマンダリンの混成種(特に“Nules”クレメンタイン)における果実の乾燥を引き起こし得る原因を担っている(UC Pest Management Guidelines、www.ipm.ucdavis.edu/PMG/r107900111.html)。したがって、マンダリンの果実のサイズを増大させる新たな技術のための余地がある。さらに、PGRとしての2,4−Dの継続する登録は再検討中である(Federal Register, Vol. 73, No. 248, 2008)。2,4−Dの登録が取り消されるた場合、ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジおよびマンダリンの果実のサイズを増大させ、収穫期の落花を防止する新たなPGRが必要になる。
葉への施肥は、土壌の条件(低温、土壌の低い湿度、pH、塩濃度)が土壌に使用される肥料を無効にさせる場合に栄養に対する植物の要求に応え得る。したがって、葉への施肥は、栄養素を植物に送る土壌の能力のなさを克服し、土壌の欠陥を補充する有効な方法である。栄養素(特にリン、カリウム、および微量元素)は、土壌に固定されると、植物にとって利用不能になる。光合成のための主な器官である葉に対して直接に栄養素を与えることは、植物の代謝機構が必須栄養素の低い利用能によって損なわれないことを保証する。収量の利益および栽培者の収入の正味の増加を実現するために重要なことは、栄養素の要求が高くなるか、または土壌の状態が栄養素の取り込み制限すると知られている作物の生物季節学の重要な段階に対する葉の肥料の適用時期を適切に選ぶことである。柑橘類およびアボカドの木の果実にとって、この手法は、1/3〜1/2の葉の拡張の標準的な時期(3月)における葉の肥料の使用と対照的であり、細いクチクラおよび大きな表面積を有している葉を対象にし、土壌に使用される肥料を用いて実現される収量と等しい収量をもたらす(Embleton and Jones, J Environ Quality, 3:388-392, 1974; and Labanauskas et al., Proc 1st Intl Citrus Symp, 3:1535-1542, 1969)。
葉に使用されるアデノシン(など)との組合せの使用のための、柑橘類にとって好ましい葉への施肥処理としては、以下の処理(1)〜(6)が挙げられるが、これらに限定されない。(1)果実のサイズを下げることなく、発芽を促進して花の発達、結実および総収量を補助し、合計の可溶性の固体(TSS)および酸に対するTSSの割合を増加させるためにアデノシンが使用される場合の、冬の後期(1月または2月)において、単独にか、またはカリウムおよびリン(064gal/エーカーの亜リン酸カリウム(0−28−26))と組み合わせて使用される窒素(23ポンド/エーカーの尿素(46%の窒素、0.25%のビウレット))。(2)より冷たい土壌のせいでZnがこのときにわずかになり得るので、アデノシンが果実のサイズを下げることなく、結実および総収量を増加させるために使用される場合における、木の南西にある1/4(SWTQ)において10%の開花のときの、亜鉛(1ポンド/エーカーのZnSO(36%のZn))。(3)ホウ素が、においてわずかになり得、標準的な組織分析によって十分なホウ素を示す植物においてさえ結実を損なうので、アデノシンが結実、総収量および商品価値の高いサイズの大きい果実の収量を増大させるために使用される場合における、SWTQにおいて10%の開花のときの、ホウ素(1.3ポンド/エーカーのSolubor(20.5%のB))。(4)商品価値の高いサイズの大きな果実の収量(総収量を下げることなく)、TSS、および酸に対するTSSの割合を増大させる相乗効果を得るため、ならびに夏のシュートの栄養生長を促進して翌春の花序の数および翌年の総収量を増大させるために、アデノシンがNWTQにおける75%の落花のとき、75%の落花の後の10日のとき、または果皮の最大の厚さのときに使用される場合における、5月および6月におけるカリウムおよびリン(0.49gal/亜硝酸カリウム(0−28−26))。(5)総収量を下げることなく、商品価値の高いサイズの大きい果実の収量を増大させる相乗効果を得るため、TSSおよび酸に対するTSSの割合を増大させるため、ならびに案角シュートの栄養生長を促進して翌春の花序の数および翌年の総収量を増大させるために、アデノシンがNWTQにおける75%の落花のときに使用される場合における、果皮の最大の厚さのときの窒素(23ポンド/エーカーの尿素(46%のN))。(6)窒素およびカリウムを与えて商品価値の高いサイズの大きい果実の成長を補助するためにアデノシンが好ましい使用時期の1以上に使用される場合における、休眠状態(2月)、開花後(〜4月)、および果実の急速な成長(7月〜8月)のときの、硝酸カリウム(25ポンドのKNO/エーカー)。
ピスタチオのために、アデノシンは、花(子房および/または花粉)の栄養素の水準を向上させて結実(堅果)を向上させるために、新たな花序のための未熟な先端部への芽の肥大のとき(2月下旬から3月上旬)に葉の肥料とともに使用される。例示的な処理としては、(1)窒素(6ポンド/エーカーの尿素(46%のN,0.25%のビウレット));(2)亜鉛(5ポンド/エーカーのZnSO(36%のZn))と組み合わせた窒素(6ポンド/エーカーの尿素(46%のN、0.25%のビウレット));(3)ホウ素(5ポンド/エーカーのSolubor(20.5%のB));または(4)亜鉛(5ポンド/エーカーのZnSO(36%のZn))およびホウ素(5ポンド/エーカー)と組み合わせた窒素(6ポンド/エーカーの尿素(46%のN、0.25%のビウレット))が挙げられる。葉が栄養素の取り込みのために十分に細いクチクラ、および栄養素の取り込み量が木の生理、結実(堅果)および堅果に影響するために十分に大きい表面積を有している場合に、アデノシン(など)は、1/2〜2/3までの葉の拡張のときに葉の肥料とともに使用される:(1)亜鉛(2ポンド/エーカーのZnSO(36%のZn));(2)窒素(6ポンド/エーカーの尿素(46%のN));または(3)亜鉛(2ポンド/エーカーのZnSO(36%のZn))および窒素(6ポンド/エーカーの尿素(46%のN))の組合せ。アデノシン(など)は、仁の充填を促進するために6月上旬、7月上旬および8月中旬に葉の肥料とともに使用される:(1)カリウム(10ポンド/エーカーのKTS(0−0−25−17S));(2)カリウム(10ポンド/エーカーのKNO(13−0−38));(3)窒素(6ポンド/エーカーの尿素(46%のN、0.25%のビウレット));または(4)カリウム(10ポンド/エーカーのKTS(0−0−25−17S))および窒素(6ポンド/エーカーの尿素(46%のN、0.25%のビウレット))の組合せ。
アボガドのために、アデノシンおよび葉の肥料を含んでいる好適な処理は、以下の通りである。(1)生長可能な珠柄および珠柄に達する花粉管の数を増加させるための、アボカドの花序の拡張の直前(花序の発達のカリフラワー段階)における、200ガロンの水/110木/エーカーにおける1.45ポンドにおいて使用されるホウ素(1869L/haにおける1.63kgのB)、または200ガロンの水/エーカーにおける50ポンドにおいて使用される尿素−窒素(46−0−0、0.25%以下のビウレット、23ポンドのN)(1869L/haにおける25.8kgのN)(Jaganath and Lovatt, Acta Hort, 1:181-184, 1998)。(2)花序の発達のカリフラワー段階における亜硝酸カリウム(Nutri-Phite、0−28−26;200ガロンの水/エーカーにおける2.6クオート(1869L/haにおける6LのNutri-Phite))(Gonzalez et al., in press)。すべての栄養素がすべての作物種の葉を介して取り込まれるわけではなく、取り込まれるとしても、幾分かの栄養素は師管部を移動しない。“Hass”アボカドの発達する花序は、樹冠に使用された肥料を取り込む一方で、特にカリフォルニアの生長条件における“Hass”アボカドの葉は、多くの栄養素を効率的に取り込まない。しかし、生産の利益は、(1)〜(3)の3つの重要な木の生物季節学的な段階に対する、適切な時期における土壌への窒素(硝酸アンモニウムとしての25ポンドの窒素/エーカー(56kg/ha))の使用によって得られる。(1)休眠状態〜初期の結実および有限の花のシュートの頂端におけるシュートの生長開始(およそ4月中旬);(2)急速な細胞分裂および果実のサイズの有意な増大の時期(6月下旬〜7月上旬);および(3)花序の形成(7月下旬〜8月上旬)。アデノシン(など)は、土壌への使用/灌注、葉への使用または幹への注入のように、以下の(1)〜(4)の時期の1つ以上において投与される。(1)春の発芽、花の密度、結実および総収量を増大させるための冬の後期(1月または2月);(2)結実および総収量を増大させるための花序発達のカリフラワー段階または満開期;(3)6月の落果を減少させ、果実の生長を促進して、果実のサイズおよび商品価値の高いサイズの大きい果実の収量を増大させるため、収穫前の落果を減少させるため、夏の栄養生長を刺激して翌春の花序の数を増加させるための、6月下旬〜7月上旬;(4)収穫前を防止し、夏のシュートの生長を補助し、現在の作物の果実の生長を促進させて、果実のサイズおよび商品価値の高いサイズの大きい果実の収量を増大させるための、8月上旬。
本開示の天然代謝産物(アデノシンなど)は、pH安定化剤、抗酸化剤(または保存期間を向上させる他の化合物)、および生理活性物質(例えば、殺虫剤、殺真菌剤、殺菌剤および/またはダニ駆除剤)とともに調合され得る。さらに、天然代謝産物は、農業において通常に使用される調製物の標準的な様式(例えば、乾燥混合物、顆粒、吸湿し得る粉末、乳剤および水性溶液など)のいずれか1つを形成するために、担体、または必要に応じて他の補助剤との混合物に調合され得る。
好適な固体の担体は、クレイ、タルク、カオリン、ベントナイト、白土、炭酸カルシウム、珪藻土(diatomaceous earth)、シリカ、合成の炭酸カルシウム、珪藻土(kieselguhr)、ドロマイト、粉末の酸化マグネシウム、フラー土および石膏などである。また、固体の構成物は、液体における粉末または粒子の分散を容易にするための、界面活性剤を天然代謝産物の他に含んでいる分散可能な粉末または粒子の形態であり得る。
液体組成物としては、1つ以上の表面活性剤(界面活性剤)とともに天然代謝産物(アデノシンなど)を含有している溶液、分散体または乳剤が挙げられる。表面活性剤は、例えば湿潤剤、分散剤、乳化剤、または懸濁剤である。組成物が葉の噴霧剤として使用されるこれらの用途において、界面活性剤は好ましく使用される。界面活性剤は、噴霧滴における表面張力を低下させて、使用される物質が、玉状にならずに葉の表面に広がり、葉を覆うことを保証する。これは、使用された物質の植物への吸収を容易にする。また、界面活性剤は、葉または他の組織の表面上における蝋状物質の粘度および結晶構造を変化させることによって、物質の取り込みに直接的に影響し得る(Tu and Randall, Chapter 8-Adjuvants. In: Tu et al., [Eds.] Weed Control Methods Handbook: Tools and Techniques For Use In Natural Areas. The Nature Conservancy p. 219, 2001)。
一般的に、任意の数の界面活性剤は、この構成成分の目的のために使用され得る。例えば、界面活性剤は、イオン性の界面活性剤、アニオン性の界面活性剤、カチオン性の界面活性剤、または両性イオン性の界面活性剤を包含し得る。界面活性剤は配合されて本開示の組成物に存在し得るか、または代替的に、界面活性剤は植物に対する投与の間に導入され得る。そのような例において、投与は、自動化された手段または手動の手段を介して実施されるか否かにかかわらず、界面活性剤は、事前に本開示の組成物と組み合わせられ得るか、または分けて同時に調剤され得る。本開示の組成物において有用なカチオン性の界面活性剤としては、エトキシアミン、アミンオキシド、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、イミダゾリニウム誘導体、およびアルキルベンジルジメチルアンモニウムハライドが挙げられるが、これらに限定されない。本開示に照らして有用な非イオン性の界面活性剤は、一般的に、ポリエーテル化合物(ポリアルキレンオキシド、ポリオキシアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコールとしても知られている)である。より詳細には、ポリエーテル化合物は、一般的に、ポリオキシプロピレングリコール化合物、またはポリオキシエチレングリコール化合物である。本開示において有用なアニオン性の界面活性剤は、例えば、カルボン酸アルキル、直鎖状のスルホン酸アルキルベンゼン、スルホン酸パラフィン、および第2級n−アルカンのスルホン酸塩、スルホスクシネートエステルおよび硫酸化された直鎖状のアルコールを包含している。本開示において有用な両性イオン性または両性の界面活性剤としては、α−N−アルキルアミノプロピオン酸、n−アルキル−α−イミノジプロピオン酸、カルボン酸イミダゾール、アミンオキシド、スルホベタインおよびスルテインが挙げられるが、これらに限定されない。
界面活性剤は、有用な量において組成物に存在し得るが、好ましい実施形態において、約0.01〜約25%、より好ましくは約0.01%〜約10%、より一層好ましくは約0.05%〜約5%の量において存在し得る。界面活性剤は、天然代謝産物の溶解を容易にし、植物による天然代謝産物の吸収および/または所望の応答を誘導する効果を促進する有用な量において、本開示の組成物に存在する。好ましい実施形態において、界面活性剤は、約0.05%〜約5%の量において存在しているポリソルベートである。好ましい実施形態において、界面活性剤は、約0.05%〜約5%の量において存在しているポリソルベート20(ポリオキシエチレン20 ソルビタンモノラウリル酸塩)である。
また、本開示の組成物は懸濁剤を含み得る。好適な懸濁剤は、例えば、疎水性のコロイド(例えば、ポリビニルピロリドンおよびナトリウムカルボキシメチルセルロース)および植物性のゴム(例えば、アカシアゴムおよびトラガカントゴム)である。
水性溶液、分散剤または乳剤は、水または有機溶媒(必要に応じて、表面活性剤、固着剤、湿潤剤、分散剤または乳化剤の1つ以上を含んでいる)に天然代謝産物を溶解させることによって調製され得る。好適な有機溶媒は、例えば、アルコール、炭化水素、オイルおよびスルホキシドである。アルコールを用いる実施形態において、メタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコール、およびジアセトンアルコールが好ましい。オイルを用いる実施形態において、石油が好ましい。スルホキシドのうち、ジメチルスルホキシドが好ましい。
水性溶液、分散剤または乳剤の形態において使用される組成物は、高い割合の天然代謝産物(アデノシンなど)を含んでいる濃縮物の形態において一般的に供給されており、当該濃縮物は、使用前に水を用いて希釈される。これらの濃縮物は、長期間の保存に耐えること、およびそのような保存の後に、十分な期間にわたって均質性を維持して従来の噴霧器具によって使用可能にする水性調製物を形成するために水を用いて希釈可能であることを一般的に求められている。一般的に、濃縮物は、10〜60重量%の天然代謝産物(アデノシンなど)を好適に含み得る。
本開示の組成物がともに配合され得る例示的な化合物としては、殺虫剤(例えば、アバメクチン、アセフェート、アセタミプリド、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホスメチル、ビフェントリン、ビンフェナゼート、ブプロフェジン、カルボフラン、クロルフェナピル、クロルフルアズロン、クロルピリフォス、クロルピリフォスメチル、クロマフェノジド、クロチアンジン、シフルトリン、ベータ−シフルトリン、シハロトリン、ラムダ−シハロトリン、シペルメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ジアジノン、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、フェノチカルブ、フォノキシカルブ、フェノプロパトリン、フェンプロキシメート、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルシトリネート、タウ−フルバリネート、フルフェノクスロン、フォノホス、ハロフェノジド、ヘキサフルムロン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、イソフェンホス、ルフェヌロン、マラチオン、メタルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メトミル、メトプレン、メトキシクロル、モノクロトホス、メトキシフェノジド、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、パラチオン、パラチオン−メチル、ペルマトリン、ホレート、ホサロン、ホスメト、ホスファミドン、ピリミカルブ、プロフェンフォス、ピメトロジン、ピリダリル、ピリプロキシフェン、ロテノン、スピノサド、スルプロフォス、テブフェノジド、テフルベンズロン、テフルトリン、テルブフォス、テトラクロルビンホス、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタブ−ナトリウム、トラロメトリン、トリクロルフォンおよびトリフルムロン);殺真菌剤(例えば、アシベンゾラル、アゾキシストロビン、ベノミル、ブラスチシジン−S、Bordeaux混合物(三塩基性の硫酸銅)、ブロムコナゾール、カルプロパミド、カプタフォル、カルベンダジム、クロロネブ、クロロタロニル、酸塩化銅、銅塩、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、(S)−3,5−ジクロロ−N−(3−クロロ−1−エチル−1−メチル−2−オキソプロピル)−4−メチルベンザミド(RH 7281)、ジクロシメト(S-2900)、ジクロメジン、ジクロラン、ジフェノコナゾール、(S)−3,5−ジヒドロ−5−メチル−2−(メチルチオ)−5−フェニル−3−(フェニルアミノ)−4H−イミダゾール−4−オン(RP 407213)、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、ドジン、エディフェンホス、エポキシコナゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンカラミド(SZX0722)フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、酢酸フェンチン、水酸化フェンチン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルメトベル(RPA 403397)フルキノコナゾール、フルシラゾール、フルトラニル、フルトリアフォル、フォルペット、ホセチル−アルミニウム、フララキシル、フラメタピル(S-82658)、ヘキサコナゾール、イプコナゾール、イプロベンフォス、イプロジオン、イソプロチオラン、カスガマイシン、クレソキシム−メチル、マンコゼブ、マネブ、メフェノキサム、メプロニル、メタラキシル、メトコナゾール、メトミノストロビン/フェノミノストロビン(SSF-126)、ミコロブタニル、ネオ−アソジン(メタンアルソン酸酸化鉄)、オキサジキシル、ペノコナゾール、ペンシクロン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロパモカルブ、プロピコナゾール、ピリフェノクス、ピラクロストロビン、ピリメタニル、ピロキロン、キノキシフェン、スピロキサミン、硫黄、テブコナゾール、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート−メチル、チラム、チアジニル、トリアジメフォン、トリシクラゾール、トリフロキシストロビン、トリチコナゾール、バリダマイシンおよびビンコロゾリン);殺線虫剤(例えば、アルビカルブ、オキサミルおよびフェナミホス);殺細菌剤(例えば、ストレプトマイシン);およびダニ駆除剤(例えば、アミトラズ、シノメチオネート、クロロベンジレート、サイヘキサチン、ジコフォル、ジエノクロル、エトキサゾール、酸化フェンブタンチン、フェンプロパトリン、フェンpyロキメート、ヘキシチアゾクス、プロパルジト、ピリダベンおよびテブフェンピラド)が挙げられるが、これらに限定されない。これらの農学的な保護剤についての一般的な参考文献は、The Pesticide Manual, 12th Edition, Tomlin, Ed., British Crop Protection Council, Farnham, Surrey, United Kingdom, 2000である。
〔実験〕
以下の実施例は、本開示の好ましいある実施形態および局面を証明し、さらに例示するために示されており、本開示の範囲の限定として解釈されるべきではない。
(略語)
本開示の完全な理解を保証するために、以下の略語が規定される。ABA(アブシジン酸);Ado(アデノシン);6−BA(ベンジルアミノプリンまたはベンジルアデニン);2,4−D(2,4−ジクロロフェノキシ酢酸);2,4,5−T(2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸);GA(ジベレリン);GA(ジベレリン酸);IAA(インドール−3−酢酸);IBA(インドール−3−酪酸);IPA(イソペンテニルアデニン);NAA(1−ナフタレン酢酸);TIBA(2,3,5−トリヨード安息香酸);PGR(植物成長調節因子);およびVeg(栄養性)。
(統計分析)
すべてのデータを、特に断りがない限り、100節ごとのシュートの数の平均として記録した。分散の分析を、栄養生長および花芽生長、マンダリンの花芽(葉ありおよび葉なし)の生成およびアボガドの花芽(有限および無限)の生成および開花期における両方の作物植物の栄養性の枝の生成としての花の程度、ならびにマンダリンの収量に対する、SAS統計プログラムの一般線形モデル手法(SAS Inst. Inc., Cary, NC)を用いた処理の作用を試験するために使用した。平均値を、P=0.05におけるフィッシャーの最少有意差法、Duncanの多重範囲検定、Dunnett's two-tailed T-testまたはを用いて、した。
〔実施例1:トマトの生産量を増加させるための、灌注によるアデノシンの投与〕
本実施例では、灌注によるアデノシンの使用を介して実現された、トマト植物体(cv. Supersweet 100)による果実の生産量の増加について説明する。Sigma Chemical Co.から得たアデノシン(9−β−D−アデノシン)(カタログ番号:A9251)を、“Supersweet 100”トマトの根域に物質を移動させるために十分な量の蒸留水において使用した。処理2および3を受ける植物を、10日に1回、処理した。処理、5、6および7を受ける植物を、毎日処理した。実験の終了(植付けの75日後)までに各処理において植物が受けるサイトカイニンまたはアデノシンの総量を、以下の表1−1における括弧内に示す。ヴェルミコンポストティー(vermicompost tea)におけるIPA濃度を、放射線免疫アッセイによって決定した。
Figure 0005943844
データは、同じ濃度の6−ベンジルアデニンおよびイソペンテニルアデニンと比較して、アデノシンが生長性の側枝および生殖性の側枝の数、葉の数、果実の数、ならびに果実の直径を有意に増加させたことを示している。しかし、アデニンは、主枝および主根の長さを有意に変化させなかったので、植物の生長に対する一般的な作用を有していなかった。アデノシンの有効濃度がIPAの有効濃度より高かったことは、栄養補給剤として機能するアデノシンと一致しており、PGR様のIPAとは一致していない。結果は、作物生産量を促進するアデノシンの能力を証明している。この実施例において、アデノシンは、発芽を刺激して、側枝の分枝を促進し、栄養性の側枝を増加させる。発芽の促進および側枝の分枝の促進におけるアデノシンの作用は、生殖性の枝の数、花の数および(保持されている)結実の数を増加させる大きく正の作用を有していた。アデノシンは、植物体ごとの果実の数の、未処理の対照を87.5%上回る正味の増加を生じた。果実の数に加えて、アデノシンは、個々の果実のサイズを有意に増大させた(例えば、横径を増大させた)。アデノシンは、個々のトマト果実のサイズの平均を、未処理の対照植物から得られた果実を61%だけ上回って増大させた。シュートの成長に対するアデノシンの作用は、植物体ごとの葉の数の有意な増加をもたらした。アデノシン処理した植物体は、未処理の植物体より2.85倍多い葉を有していた。
〔実施例2:マンダリンの生産量を増加させるための、葉への噴霧によるアデノシンの投与〕
本実施例では、アデノシンの樹冠に対する使用によって実現された、クレメンタインマンダリン樹の商品価値の高い果実の数および収量の増加について説明する。Sigma Chemical Co.から得たアデノシン(9−β−D−アデノシン)(カタログ番号:A9251)を、柑橘類の果実の細胞分裂期の終端を示す果皮の最大の厚さのときに、400psiのハンドガン式の噴霧器を用いて、“Fina Sodea”クレメンタインマンダリン樹に対して1回塗布した。以下の表2−1に示されている通り、アデノシンの塗布は、57.16〜69.85の直径(ラージおよびジャンボの荷箱のサイズ)を有している果実、ならびにラージ、ジャンボおよびマンモスの荷箱のサイズの果実にとっての全体のプールにおける商品価値の高いマンダリンの果実の3年間の累積数を、総収量(木ごとの果実の平均数)を下げることなく有意に増加させた(P≦0.05)。以下の表2−2に示されている通り、アデノシンの塗布は、57.16〜69.85の直径(ラージおよびジャンボの荷箱のサイズ)を有している果実、およびならびにラージ、ジャンボおよびマンモスの荷箱のサイズの果実にとっての全体のプールにおける商品価値の高いマンダリンの果実の3年間の累積数を、総収量(木ごとの平均kg数(数量×サイズ))を下げることなく有意に増加させた(P≦0.05)。また、これらのデータは、実験の3年間を通して平均をとったときに有意であり(P≦0.05)、アデノシンが各年において正の作用を有していたことを証明している。アデノシンは、試験のいずれの年においても果実の品質に対する負の作用を有していなかった。3年間の試験において、アデノシン処理した木からの果実は、ジュースにおいて減少した酸を有しおり、ジュースの酸の割合に対してより高い可溶性の合計の固形分をもたらした(P=0.0570)(表2−4のa〜c)。
Figure 0005943844
これらのデータは、果皮の最大の厚さのときに塗布されたアデノシンの利益を強調している。商品価値の高い果実(57.16〜76.20の直径)の3年間の累積収量において、4735ポンド/200木/エーカーの統計的に有意な正味の増加があった。また、これらのデータは、繰返しの測定分析を用いた実験の3年間を通して平均をとったときに有意であり、アデノシンが各年において正の作用を有していたことを証明している。総収量に低下は認められず、アデノシン処理した木は、12460果実/200木/エーカー/3年(6799ポンドの果実/200木/エーカー/3年に等しい)の、数値の(有意ではない)正味の増加を有していた。
果実の数および商品価値の高い果実の収量(数量×サイズ)を増加させるための、葉に塗布したアデノシンの使用は、未処理の対照、および利用可能な標準的な以下の手法:(1)〜(3)と比べて、好ましいと予想される。(1)良好な適用範囲にとって十分なガロン数を用いた、100ガロンの水につき1〜8液量オンスにおけるGA(4%のPROGIBB(登録商標)、Valent BioSciences Corp.)、マンダリンおよびマンダリンの交配種の50%の花弁の落下から、花弁の落下から3週間後までに1〜2回の塗布;(2)マンダリンおよびマンダリンの交配種の50%の花弁の落下から21〜35日後における、1エーカーにつき500ガロンにおける、100ガロンの水につき0.67オンスの2,4−D(CITRUSFIX(登録商標)、AmVac Corp.)(3.34ポンド/ガロンの2,4−D−イソプロピルエステル);および(3)果皮の最大の厚さのときに塗布される1%の低いビウレット尿素。ProGibb(登録商標)は、所望されるよりも多い結実をもたらすことによって、最終的な果実のサイズを低下させ得、落葉がストレス条件の木に生じ得るので、ProGibb(登録商標)を注意して使用する必要がある。アデノシンはこの注意を必要とせず、商品価値の高い果実の収量の増加におけるその有効性は、GAのように着果数に敏感(隔年結実)ではない。同様に、CITRUSFIX(登録商標)は、果実の乾燥(特に“Nules”および乾燥もしくは顆粒化し易い栽培品種において)を引き起こし得るので、CITRUSFIX(登録商標)を注意して使用する必要がある。さらに、CITRUSFIX(登録商標)は、6年未満の樹齢の木に使用できず、葉の生長が盛んな期間に使用できない。アデノシンは、マンドリンの果実の品質に対する負の作用を有していなかった。さらに、3年の調査のうちの1年において、アデノシンは、酸性度を低下させ、可溶性の固体(糖)の総量の、酸に対する割合を増加させるという所望の作用を有していた。
〔実施例3:アボカドの生産量を増加させるための、幹への注入によるアデノシンの投与〕
本実施例では、“Hass”アボカド木の春の発芽を促進して、開花の程度およびアボカドの生産量を向上させるための、アデノシンの使用について説明する。促進された発芽は、Sigma Chemical Co.から得たアデノシン(9−β−D−アデノシン)(カタログ番号:A9251)の、単独または植物の成長調節因子との組合せの幹への注入を介して実現された。以下の(1)〜(5)の処理を、Irvine, CAにある商業的な果樹園における結実する“Hass”アボカド木の幹に、1月中旬に注入された(1g/木)。(1)アデノシン(Sigma);(2)6−BA(Sigma);GA(3)(40%のProGibb、Valent BioSciences Corp.);(4)TIBA(Sigma);および(5)TIBA+アデノシン。各物質を、50〜60mlの蒸留水に溶解させて木につき1gの割合において、木につき2つのシリンジを用いて使用した。(6)未処理の結実対照の木を含めて、処理ごとに5本の木が複製としてあった。それぞれの木について、枝(12インチの長さ)(木の1/4の部分のそれぞれにおける果実ありの1枝および果実なしの1枝)に、タグを付けた。タグつきの枝における花のシュート(有限および無限)、栄養性のシュートおよび活動していない芽の数を、春の開花期にカウントした。
Figure 0005943844
表3−1は、アデノシンおよび植物の成長調節因子(PGR)の1月における幹への注入の、結実する“Hass”アボカド木の春の開花に対する作用をまとめている。これらの結果は、1月における結実木の幹に対する単回の注入物として、TIBAとともに使用されたアデノシンが、春における発芽に対する果実の阻害作用を克服し、未処理の結実対照の木と比べて花のシュートの数を有意に増加させることを示している。処理は、有限の花のシュート(花部)の数(非結実年の開花期に典型的に少ないか、または存在しない)を有意に増加させた。さらに、処理は、結実している枝における花のシュートの数を有意に増加させ、果実を有している枝に多くの花のシュートをもたらす。ここで、当該果実は、果実なしの枝と比べて、発芽に対する直接的な阻害作用を有しており、発芽の阻害はより少ないと予想される。なお、アデノシン単独の有効性は、100節ごとの花のシュートの総数を増加させる(未処理の結実対照と有意に差はなかった)アデノシン+TIBAの有効性と等しかった。より高い割合において1月に投与されたか、または1月および7月にふたたび同じ割合において投与されたアデノシンは、P≦0.05において未処理の結実対照より有意に高い数値まで、花のシュートの総数を増加させると予想される。
本開示の種々の変更および変形は、本開示の範囲および精神から逸脱することなく、当業者に容易に理解される。開示内容は好ましい特定の実施形態に関連して説明されているが、請求されている開示事項は、そのような特定の実施形態に不当に限定されないことが理解される。実際に、当業者によって理解される記載の態様の、開示を実施するための種々の変更は、特許請求の範囲の範囲内にあると意図されている。
ネーブルオレンジの1年にわたる開花、結実および果実の発育を示す時系列1の図である。 カリフォルニア州における“Hass”アボカドの約1.5年にわたる開花、結実および果実の発育を示す時系列の図である。

Claims (17)

  1. 一年生作物植物の作物生産を促進する方法であって、
    上記一年生作物植物の作物生産を促進するように、9−β−D−アデノシンを少なくとも95重量%含んでいるヌクレオシドの有効量を含んでいる組成物を上記一年生作物植物に投与することを包含しており、
    促進された上記作物生産は生殖生長の促進を包含している、方法。
  2. 上記組成物は、肥料、植物成長因子および生体刺激物質の1つ以上をさらに含んでいる、請求項1に記載の方法。
  3. 上記組成物は、窒素、カリウム、マグネシウム、リン、カルシウム、硫黄、鉄、ホウ素、塩素、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、ニッケル、コバルト、ケイ素、セレンおよびこれらの組合せからなる群から選択される肥料をさらに含んでいる、請求項1に記載の方法。
  4. 上記一年生の作物植物は、セロリ、ホウレンソウおよびトマトからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 上記組成物は、1週間に1、2、3、4、5、6または7回にわたって投与される、請求項1に記載の方法。
  6. 上記組成物は、葉への噴霧によって投与される、請求項1に記載の方法。
  7. 上記組成物は、灌注によって投与される、請求項1に記載の方法。
  8. 生殖生長の上記促進は、結実するシュートの増加、果実の数の増加、果実のサイズの増大、および果実の総収量の増加からなる群から選択される1つ以上を包含している、請求項1に記載の方法。
  9. 生殖生長の上記促進は、植物体または基準区画あたりの商品価値の高い果実の収量の増加を包含している、請求項1に記載の方法。
  10. 促進された上記作物生産は栄養成長の促進をさらに包含しており、栄養成長の当該促進は、葉の数および生長するシュートの数の一方または両方の増加を包含している、請求項1に記載の方法。
  11. 上記アデノシンは生体刺激物質として投与される、請求項1に記載の方法。
  12. 上記アデノシンは栄養補助剤として投与される、請求項1に記載の方法。
  13. 上記アデノシンは植物生長制御因子として投与される、請求項1に記載の方法。
  14. (i)9−β−D−アデノシンを少なくとも95重量%含んでいるヌクレオシドおよび(ii)肥料を含んでいる、一年生作物植物の生殖生長の促進に有効な、組成物。
  15. 上記肥料は、窒素、カリウム、マグネシウム、リン、カルシウム、硫黄、鉄、ホウ素、塩素、マンガン、亜鉛、銅、モリブデン、ニッケル、コバルト、セレン、ケイ素およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項14に記載の組成物。
  16. 界面活性剤、pH安定化剤および抗酸化剤のうちの1つ以上をさらに含んでいる、請求項14または15に記載の組成物。
  17. 殺虫剤、殺真菌剤、殺菌剤およびダニ駆除剤からなる群から選択される生理活性物質をさらに含んでいる、請求項14または15に記載の組成物。
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