JPH0699022B2 - 屠殺設備に於けるシャックルの自動落下装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、豚、牛などの屠体を処理するために設けられ
た屠場設備に於けるシャックルの自動落下装置に関す
る。

「従来の技術」 従来、屠場設備に於けるシャックルは、作業員により搬
送チェーンを介して搬送されて来る滑車部材からその都
度取り外されていた。たとえば、第10図を参照に説明す
ると、１は屠場設備に設けられたフリーカーブコンベア
としてのガイドレールで、このガイドレール１の下方に
は該ガイドレールに沿って搬送チェーン２が設けられて
いる。３は搬送チェーンにより運行され、かつ、上部に
滑車４を有すると共に下部にフック５が設けられた滑車
部材で、この滑車部材３には屠体６を吊り下げ固定する
シャックル７が取り外し可能に吊り下げられている。

ところで、上記シャックル７はチェーン８とパイプ９と
から成り、チェーン８はその上端部が滑車部材３のフッ
ク５と係合し、中途部はパイプ９に遊挿され、かつ下端
部はパイプ９の下端部に連結固定されている。

しかして、シャックル７から屠体６が自動的に外れた後
は、該シャックル７は作業員によってその都度滑車部材
３から取り外されていた。

したがって、シャックル７の取り外し作業が大変であ
る、シャックルを他のコンベアラインに移し変える作業
が容易でない、人件費がかかるなどの問題点が残されて
いた。

「本発明の目的」 本発明は、以上のような従来の問題点に鑑み、搬送チェ
ーンによって運ばれて来るシャックルを所定位置で自動
的に滑車部材から取り外すことができ、また滑車部材か
ら落下したシャックルをなるべく整頓状態に受け箱に収
納することができ、さらに、受け箱に収納したシャック
ルを別のガイドレールの吊り下げ部材に容易に吊り下げ
ることができ、よって、屠体の処理効率の向上と省力化
を図ることができる屠場設備に於けるシャックルの自動
落下装置を得るにある。

「本発明の目的を達成するための手段」 本発明の屠場設備に於けるシャックルの自動落下装置
は、ガイドレールに沿って移動する搬送チェーンと、こ
の搬送チェーンにより運行されかつ下部にシャックルを
吊り下げるフックが軸着された滑車部材と、この滑車部
材のフックを回転させることができるように支持部材を
介して前記搬送チェーンの近傍に設けられたフック用当
接片と、このフック用当接片の下方に設置され前記滑車
部材から落下するシャックルを収納する受け箱とから成
ることを特徴とする。

「発明の実施例」 以下、図面により本発明を詳細に説明する。第１図ない
し第７図に示す一実施例に於いて、10は屠場建屋、鉄骨
枠などの天井部材である。

11はこの天井部材10に付設されたシャックル搬送用のガ
イドレールで、このガイドレール11は断面Ｉ字型に形成
されている。

12はガイドレール11の下方に該ガイドレール11に沿って
配設された搬送チェーンである。

13は搬送チェーン12の移動に伴い該搬送チェーンと共に
移行する滑車部材である。この滑車部材13は第２図で示
すようにガイドレール11を走行する複数個の滑車14、14
と、これらの滑車14、14を上部に一方搬送チェーン12の
適宜な部位を貫通した下部にフック15をそれぞれ軸着し
た１対の軸受板16とから成る。

なお、前記フック15は１対の軸受板16に対して多少左右
に傾倒可能になるように間隙を設けて軸支されている。

17は滑車部材13に吊り下げられかつ屠体を吊り下げるこ
とができるシャックルである。このシャックル17は滑車
部材13のフック15と係合する矩形状の係合枠部18を外周
壁に一体的に有するフック部19と、このフック部19に上
端部が取付けられかつ下端部に屠体を吊り下げるための
リング部20とを有するチェーン21とから成る。

22は滑車部材13のフック15を回転させることができるよ
うに支持部材23を介して搬送チェーン12の近傍に設けら
れた全体としてＪあるいはＬ字状のフック用当接片であ
る。

しかして、前記支持部材23は第１図で示すように天井部
材10に固定的に垂下する複数本の支持棒24、24と、これ
らの支持棒の下端部に搬送チェーン12よりも下方でかつ
前述した滑車部材13のフック15の先端部より上方に位置
するように設けられた水平板25とから成り、前記水平板
25の上面の隅角部あるいは隅角部寄りの部位にはフック
用当接片22が第５図で示すように搬送チェーン12に対し
て交差状態となった時に所定の位置で止めるストッパー
部26が突設されている。また前記フック用当接片22は水
平板25の上面に回転自在に軸着された、本実施例では前
記ストッパー部26と当接する摺動部22aと、この摺動部2
2aから弧状に延設しかつ水平板25から突出するフック用
当接部22bとを有する。

27は滑車部材から落下するシャックル17を多数収納する
ことができるように前記フック用当接片22の下方に適宜
に配設された受け箱である。この受け箱27はシャックル
17が受け箱27の一箇所にいわゆるダンゴ状態に溜らない
ようにシャックル17の長さ、フック用当接片の回動位置
を考慮して床面等位置づけることが望ましい。

なお、受け箱27の位置はシャックル17との関係ではもっ
と下方に配設される場合もあるが、第１図、第６図等で
は受け箱27はシャックル17の下端部が受け箱27の一側壁
27aの上端部と摺接するように配設されている。

「作 用」 上記構成にあっては、シャックル17を受け箱27に収納し
ようする時、まず第５図で示すようにフック用当接片22
を搬送チェーン12と交差するように実線の位置まで回転
し、当接片22の摺動部22aを支持部材のストッパー部26
に当接させる。

次に搬送チェーン12が移動し、例えばシャックル17が搬
送チェーン12により第６図の仮想線の位置から実線の位
置へと移行すると、滑車部材13のフック15がフック用当
接片22の当接部22bと当接する。そうすると、搬送チェ
ーン12がそのまま移動するにしたがって、前記フック15
が第６図を基準とした場合反時計方向に回転すると共
に、多少当接片22の先端部側へ傾倒する。その結果、シ
ャックル17は第７図で示す係合枠部18が滑車部材のフッ
ク15を滑動し、シャックル17は第７図で示すように仮想
線で示す位置から実線で示す位置へと落下する。このと
きシャックル17のリング部20はすでに受け箱27の一側壁
27aを摺動し、その上端縁を乗り越えている。

「異なる実施例」 次に第８図および第９図で示す異なる実施例につき説明
する。なお、前記本発明の実施例と同一の部分には同一
の符号を符し、重複する説明を省略する。

第８図および第９図で示す実施例において、前記本発明
の実施例と主に異なる点はシャックル17Aを収納する受
け箱27Aである。

すなわち、第８図を基準とした場合、受け箱27Aの一側
壁30にシャックル17Aの下端部を収納部31に案内するた
めのケース状突出部32を形成し、この突出部32の一側壁
33にシャックル17Aのチェーン21Aと摺接するガイドロー
ラ34が水平方向に適宜に軸支されている。また受け箱27
Aの背面壁35の上端縁には落下するシャックル17Aを収納
部31に案内するための傾斜板36が連設されている。

上記構成にあっては、第８図で示すようにシャックル17
Aが仮想線で示す位置へ移行して来ると、シャックル17A
は、まずガイドローラ34と当接し、該ガイドローラ34に
よってその下端部が受け箱27Aの突出部32内へと導かれ
る。しかして、搬送チェーン12Aの移動に伴い滑車部材1
3Aがさらに移動すると、前記シャックル17Aのリング部2
0Aは突出部32の内面を摺動する。そして、シャックル17
Aの係合枠部18Aが滑車部材13Aのフック15Aから滑動して
外れるころには、シャックル17Aはタイミング良く全体
として伸びた状態で収納部31に落下する。

「本発明の効果」 以上の説明から明らかなように本発明にあっては、次に
列挙するような効果がある。

（１）搬送チェーンにより移行して来る滑車部材のフッ
クをフック用当接片に当接させることにより、シャック
ルを自動的に落下させることができる。

特に当接片の当接部が弧状に形成されている場合は、フ
ックが回転すると同時に多少横方向に傾倒するので、シ
ャックルは滑車部材から容易に外れる。

（２）落下したシャックルをフック用当接片の下方に配
設した受け箱に収納することができる。

（３）したがって、上き（１）、（２）により省力化を
図ることができる。それ故に屠体の処理工程において作
業能率の向上を十分期待できる。

（４）受け箱にシャックルを案内するガイドローラや傾
斜板を設けた実施例の場合、落下したシャックルを整頓
状態に収納することができる。

（５）その他シャックルが、滑車部材のフックと係合す
る係合枠部を有するフツク部と、このフック部に上端部
が取付けられ下端部に屠体を吊り下げるためのリング部
を有するチェーンとから成る実施例の場合は、受け箱に
収納したシャックルを別のガイドレールの吊り下げ部材
に容易に吊り下げることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第７図は本発明の一実施例を示す各説明
図、第８図および第９図は本発明の異なる実施例を示す
各説明図、第10図は従来の実施例を示す説明図である。
なお、第２図ないし第５図は本発明の要部を示す各概略
説明図である。 10……天井部材、11……ガイドレール、 12、12A……搬送チェーン、 13、13A……滑車部材、15、15A……フック、 17、17A……シャックル、18、18A……係合枠部、 19……フック部、20、20A……リング部、 21、21A……チェーン、22、当接片、 23……支持部材、27、27A……受け箱、 34……ガイドローラ、36……傾斜板。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ガイドレールに沿って移動する搬送チェー
   ンと、この搬送チェーンにより運行されかつ下部にシャ
   ックルを吊り下げるフックが軸着された滑車部材と、こ
   の滑車部材のフックを回転させることができるように支
   持部材を介して前記搬送チェーンの近傍に設けられたフ
   ック用当接片と、このフック用当接片の下方に設置され
   前記滑車部材から落下するシャックルを収納する受け箱
   とから成る屠場設備に於けるシャックルの自動落下装
   置。
2. 【請求項２】受け箱の一側壁にはシャックルのチェーン
   に摺接するガイドローラが水平方向に軸架されているこ
   とを特徴とする請求項１記載の屠場設備に於けるシャッ
   クルの自動落下装置。
3. 【請求項３】シャックルは、滑車部材のフックと係合す
   る係合枠部を有するフック部と、このフック部に上端部
   が取付けられ下端部に屠体を吊り下げるためのリング部
   を有するチェーンとから成ることを特徴とする請求項１
   記載の屠場設備に於けるシャックルの自動落下装置。