JPH0698358B2 - し尿系汚水の処理方法 - Google Patents

し尿系汚水の処理方法

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JPH0698358B2
JPH0698358B2 JP3158590A JP3158590A JPH0698358B2 JP H0698358 B2 JPH0698358 B2 JP H0698358B2 JP 3158590 A JP3158590 A JP 3158590A JP 3158590 A JP3158590 A JP 3158590A JP H0698358 B2 JPH0698358 B2 JP H0698358B2
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克之 片岡
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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

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  • Physical Water Treatments (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、し尿,浄化槽汚泥などのし尿系汚水を、著し
く省エネルギー,省資源及び省スペース的に高度に浄化
することができる新規な処理方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、し尿を嫌気性消化してBODを除去したのち、消化
汚泥を固液分離し、その分離液(消化脱離液と呼ばれ
る)に多量にアルカリ剤を添加し、pHを11以上に上昇さ
せてアンモニア(NH3)をストリッピングして除去する
方法が公知となっている。また、し尿に直接アルカリ剤
を添加し、高pH条件でNH3をストリッピングしたのち、
生物学的に硝化脱窒素する方法も公知となっている。さ
らに、NH3をスチームストリッピングする方法も公知で
ある。
しかし、これらの従来法では、し尿又はし尿の嫌気性消
化脱離液のMアルカリ度が約8000〜10000mg/lと極めて
高濃度であるため、pH緩衝性が著しく高く、その結果、
Ca(OH)2,NaOHなどのアルカリ剤を数万mg/lと多量に添
加しない限り、NH3ストリップに好適な高pHに上昇させ
ることができず、ランニングコストが高額になり、到底
実用化できなかった。このため、し尿処理は現在、NH3
ストリップを全く必要としない生物学的硝化脱窒素プロ
セスが、はるかに合理的と認められ、し尿処理プロセス
の主流になっている。
即ち、し尿処理技術の発展の歴史をふりかえると、 (イ)し尿の嫌気性消化→散水床又は活性汚泥処理 ↓ (ロ)し尿の嫌気性消化→NH3ストリップ→活性汚泥処
理 ↓ (ハ)し尿のNH3ストリップ→生物学的硝化脱窒素 ↓ (ニ)し尿の20倍希釈生物学的硝化脱窒素 ↓ (ホ)し尿の無希釈高負荷生物学的硝化脱窒素 ↓ (ヘ)プロセス(ホ)への限外過膜の適用 という順序で変遷してきており、NH3ストリップ法は、
欠点が多い過去の技術として位置づけられ、現在ではま
ったく見捨てられており、プロセス(ヘ)がし尿処理の
最新技術として広く認められているのが現状である。
また、NH3ストリップを行うにしても、その実施位置
は、し尿の嫌気性消化処理(古典的なメタン発酵法)の
直後、あるいはし尿の生物学的硝化脱窒素処理の直前に
限られており、それ以外の位置でNH3ストリップを行う
という概念は全くなかった。即ち、従来のNH3ストリッ
プ法のし尿処理への適用は、次の2フローに限定されて
おり、それら以外の試みは今まで存在しなかった。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかし、前記フロー,のいずれも、NH3ストリップ
工程の運転費が高額という欠点があるほか、フローで
は、各種の阻害要因が存在するために嫌気性消化反応が
著しく遅く、し尿の滞留日数25〜30日という巨大なタン
クが必要という重大欠点があった。
また、フローでは、NH3ストリップ工程でBODが全く除
去されないので、生物学的硝化脱窒素処理工程でのエア
レーション動力が著しく多いという致命的欠点があり、
生物学的硝化脱窒素単独処理に比べメリットが存在しな
い。このため、全く実用化されていない。
即ち、フロー及びは、現在主流の生物学的硝化脱窒
素処理に比べ、格別の技術的価値がないことが認識され
ている。
本発明は、これら従来技術の欠点を完全に解決し、 NH3ストリップとBOD除去に必要な運転コストを著しく
減少させる。
嫌気性消化(メタン発酵)の反応速度を飛躍的に増加
させる。
現在、最も合理的と認められ、実績も数多い生物学的
硝化脱窒素処理プロセスよりもはるかに省エネルギー,
省スペースが可能な革新的プロセスを確立する。
ことを解決課題としている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、し尿系汚水を固液分離して懸濁固形物を除去
し、加温下で気液接触によりアンモニアを放散したの
ち、固定化メタン生成菌によってメタン発酵処理してBO
Dを除去し、該処理液を生物学的硝化脱窒素処理するこ
とを特徴とするし尿系汚水の処理方法である。
〔作用〕
本発明の作用を、一実施態様を示す第1図を参照しなが
らし尿を例にとって説明する。
粗大異物を除去したし尿1に凝集剤2(カチオン系ポリ
マ,カチオン系とアニオン系ポリマの併用又はFeCl3
ノニオン系ポリマの併用が好適である)を添加し、し尿
1中のSS,コロイドを凝集フロック化し、スクリーン,
遠心分離,沈殿などの固液分離工程3で凝集フロックを
分離し、SSが除去されたし尿4(凝集分離し尿と呼ぶ)
と分離汚泥5を得る。
分離汚泥5は、スリクリュープレス,ベルトプレス,フ
ィルタプレスなどの汚泥脱水機6によって、脱水ケーキ
7と脱水分離液8に分離される。
一方、凝集分離し尿4と脱水分離液8(SSが大部分除去
されているが、NH3,溶解性BODは、原し尿とほぼ同一濃
度を示す。)を加温部9において加温(70〜100℃程度
が好適)し、液中のNH4HCO3を加熱により下記の化学反
応を進ませ、 遊離NH3,遊離CO2に分解させる。
なお、加温部9の熱源は、後記のCH4ガス23の燃焼熱を
利用できる。
この熱分解反応によりし尿中のアルカリ度成分(HC
O3 -)がCO2に分解し、NH4 +イオンが遊離NH3に変化する
ので、加温後の液のpHは上昇する。pH上昇度が充分でな
いときは、加温液にNaOH,Mg(OH)2などのアルカリ剤10
〔なお、Ca(OH)2を使用するとCaCO3スケールが生成す
るのでCa(OH)2はさけるべきである。〕を少量添加
し、pH10〜12の条件でNH3ストリップ工程11(充填塔,
棚段塔)などに供給し、加温空気またはスチーム等のス
トリップ用ガス12を向流で接触させてNH3を放散させ
る。13はファン又はスチーム発生機である。この放散操
作によりNH3とCO2が除去され、し尿1はSSとNH3とアル
カリ度が高度に除去された流出液14となる(なお、溶解
性BODは、この工程においてもほとんど除去されな
い)。また、放散されたNH3含有ガス15は、触媒燃焼工
程16によるN2への酸化又はH3PO4,H2SO4液等の吸収によ
って処分される。
しかして、NH3ストリップ工程11からの流出液14は、pH
がアルカリ性を示すので、酸17を添加してpH7〜8に低
下させ、熱交換器Aにより水温を35℃程度に低下させて
固定化メタン生成菌による中温のメタン発酵工程18に供
給し、メタン発酵処理によって溶解性BODをCH4およびCO
2に転換して除去する。なお、高温メタン菌(至適温度5
2〜55℃)による処理を行うときは、熱交換器Aによる
冷却は実質的に不要である。また、酸17の添加はメタン
発酵処理のスタートアップ時のみ添加すればよい。
このように、し尿系汚水を、 「SSとNH3をあらかじめ高度に除去したのち、固定化メ
タン生成菌を利用したメタン発酵工程でメタン発酵処理
する」 という概念は、従来例のない新概念であり、本発明技術
思想の骨子である。即ち、本発明のように、固定化メタ
ン生成菌による発酵の前段で、NH3ストリップを行うと
いう考え方は、従来全く存在しなかったのである。
ここで、本発明に言う「固定化メタン生成菌」とは、メ
タノスリックス系,メタノサルシナ系メタン生成菌が自
己を凝集体に造粒する現象(自己固定化と呼ばれる)を
利用したもの、ゼオライト,砂,セラミック,活性炭な
どの微粒子を核としてメタン生成菌がペレット化したも
の(これも自己固定化に含まれる),各種充填部材表面
にメタン生成菌の生物膜を発達させたもの,及び有機親
水性高分子ゲル(ポリビニルアルコール,ポリアクリル
アミド)内にメタン菌を包括固定化したものなどの総称
を意味する。
図示例は、メタン生成菌の自己固定化現象を利用した上
向流嫌気性スラッジブランケット方(UASB法とも呼ばれ
る)を示したものである。19は中温のメタン発酵工程18
内に形成された粒径0.5〜2mm程度の固定化メタン生成菌
の流動層(ブランケット)であり、本発明によればメタ
ン生成菌が極めて高濃度(150000〜180000mg/lMLSS)に
維持できることが実験的に確認された。
20は、メタン発酵工程18で発生したCH4ガスの捕集部、2
1は固定化メタン生成菌の沈殿分離部、22は発生したCH4
ガスを捕集部20へ導くための邪魔板である。CH4ガス23
は、加温部9及び触媒燃焼工程16のガス加温用に有効利
用される。
本発明者の実験によれば、次のような重要知見が見出さ
れた。
「固定化メタン生成菌を、活性の高い状態で高濃度に維
持し、メタン発酵速度(BOD除去速度)を高い値に保つ
には、UASB法などの固定化メタン生成菌による発酵工程
18の流入液のSSとNH3を低濃度に保つことが必須要件で
ある。さもないと、メタン生成菌の固定化が阻害され、
粒状物が形成され難くなる。(NH3の毒性を充分に除去
するめには、従来のようなHCl,CO2による中和法では不
充分である。)さらに、運転初期に種核として添加した
メタン生成菌粒状物が破壊分散してしまう現象を引き起
こす。しかも、高濃度のNH3がメタン生成菌の活性を阻
害する。」 即ち、本発明は、UASB法などの固定化メタン生成菌によ
って、し尿系汚水を浄化する場合には、加温下で充分NH
3をストリップ除去することが、固定化メタン生成菌の
活動にとって理想的状況をもたらすことを見出して完成
されたもので、従来法のし尿の古典的嫌気性消化処理
(固定化メタン生成菌を用いない)に後続してNH3スト
リップするという考え方とは対照的な新プロセスであ
る。
本発明によれば、し尿を滞留時間0.4〜0.5日という、従
来知られていなかった高速度でメタン発酵でき、BODの9
0%以上を除去でき、かつNH3を極めて合理的に除去でき
ることを確認した。
しかして、メタン発酵流出液24は、し尿中のSS,NH3,BOD
の90〜95%程度が除去されているが、少量のBOD,NH3
多量のCOD,PO4 3-,色度が残留しているので、メタン発
酵流出液24に対し、生物学的硝化脱窒素処理工程25でさ
らに処理を行う。
生物学的硝化脱窒素処理工程25は、脱窒素部26,硝化部2
7,液循環ポンプ28を備えた硝化液循環方式をとってお
り、メタン発酵処理液24中に少量残留するNH3,BODは、
硝化脱窒素処理により高度に除去され、10mg/l以下とな
る。また、COD,PO4 3-,色度は、硝化脱窒素処理水中にF
eCl3などの無機凝集剤29と粉末活性体30等を添加し、限
外過膜(UF膜)などの固液分離手段31によって高度に
除去される。
32は、極めて高度に浄化された高度処理水であり、33は
分離されて移送される返送汚泥、34は余剰汚泥である。
また、35はメタン発酵工程18で発生する余剰メタン生成
菌であり、発生量は少量である。なお、余剰汚泥34,35
は、し尿1の固液分離工程3に供給し、し尿中のSSと共
に凝集後、脱水処分すれば良い。
従来、最新技術として高い評価を受けているし尿を無希
釈で生物学的硝化脱窒素処理する方式では、硝化処理用
曝気槽での発泡がすさまじく、消泡剤を添加しない限り
運転不可能であるが、本発明では生物学的硝化脱窒素処
理の前段でNH3の放散および固定化メタン生成菌によるB
OD除去を行うので、生物学的硝化工程での酸素要求量が
大幅に少なくなる。この結果、エアレーション空気量も
少なくてすみ、発泡は著しく減少し、消泡剤は不要であ
る。
また、近年、浄化槽汚泥のし尿処理施設への搬入量が急
激に増加してきているが、本発明では、このような浄化
槽汚泥を合理的に併用処理することができる。
即ち、浄化槽汚泥41をそのまま、又は浄化槽汚泥41に脱
水助剤を加え、遠心脱水機,ベルトプレス,フィルタプ
レスなどの脱水機42で脱水して得られた脱水分離液43、
あるいはこれと場内雑排水44を、前述したメタン発酵流
出液24に合流させて、生物学的硝化脱窒素処理工程25で
処理することが好ましい。もしも、し尿1に多量の浄化
槽汚泥や雑排水を混入させて、 に供給すると、CH4ガス発生ポテンシャルの少ない浄化
槽汚泥ないし浄化槽汚泥の脱水分離液が流入するとにな
り、NH3ストリップ用の加温熱量,ストリップ用ガス12
の増加、及びメタン発酵槽所要容積の増加を引き起こす
という欠点がある。従って、し尿1と多量の浄化槽汚泥
41を併合処理する場合に本発明は卓越した合理性をも
つ。
なお、メタン発酵工程18から発生するメタンガスの燃焼
熱によって、NH3ストリップ工程への供給液を加温した
り、スチーム発生用ボイラ燃料としたりすることが好ま
しい。
次に本発明のその他の好適な実施態様を説明する。(こ
れらの実施態様も、従来知られていない独自のものであ
る。) (a)し尿を加温下でNH3ストリップ処理すると、NH3
トリップ工程11から激しい悪臭と発泡が生ずるが、粉末
活性炭をNH3ストリップ11への流入液に添加すると、悪
臭と発泡防止に著しい改善効果があり、しかもし尿のCO
D,色度も除去できる複合効果がある。また、Fe塩をスト
リップ工程11への流入液に添加する方法も大きな効果が
あり、し尿中のPO3 3-,色度などを凝集除去すると同時
に、防臭,発泡防止効果の複合効果がある。
(b)触媒燃焼工程16からの排ガス中にNOxが含まれる
場合は、その排ガスを生物学的硝化脱窒素処理工程25に
吸収させ、NOxを生物学的に吸収除去する。
(c)NH3ストリップ用の空気を触媒燃焼排ガス又は脱
水ケーキの焼却排ガスで加温し、温度50℃以上の空気に
すると、NH3ストリップ効果を向上できる。
〔実施例〕
第1図の実施態様に従って、本発明の実証実験を行っ
た。
表−1左欄の水質を有するし尿(粗大異物を除去してあ
る)に、カチオン系ポリマ〔エバグロースC104G(商品
名)〕を250mg/l添加し、1分間攪拌したところ大きな
フロックが形成した。このフロックを目開き1mmのロー
タリーウェッジワイヤスクリーンで分離したのち、その
分離液を30分沈殿したところ、表−1右欄の水質を得
た。(SSとBOD,CODが大幅に除去されているのが明らか
である。) 次に、表−1右欄の凝集分離液を85℃に加温し、1時間
滞留させたのち、充填塔(充填材高さ8m,液質量速度300
0kg/m2・時,気液比2.0)に供給し、温度70℃の空気と
向流で気液接触させてNH3をストリップした。
この結果、このNH3ストリップ塔からの流出液は表−2
の水質となり、NH4-Nとアルカリ度が大幅に除去され、
また、pH値が著しく上昇していた。(NaOHなどのアルカ
リ剤の添加は不必要であった。) 次に、表−2の水質のNH3ストリップ塔流出液を35℃ま
たは55℃に冷却し、固定化メタン生成菌による中温また
は高温のUASB処理装置に流入させた。装置内の固定化メ
タン生成菌の種菌としては、ビール工場廃水処理に稼動
しているUASB実装置の固定化メタン生成菌を30000mg/l
菌体投入した。UASB処理装置のし尿滞留時間は12時間に
設定した。運転開始後2ケ月間は順養期間とし、61日目
から3ケ月にわたり、その処理水質を分析した結果、表
−3の平均処理水質を得た。
表−3のように、し尿滞留時間12時間(0.5日)とい
う、従来知られていなかった高速度でBODの90%以上が
除去された。運転開始後5ケ月目のUASB処理装置の自己
固定化メタン生成菌のブランケット固形物濃度は中温,
高温処理のいずれも150000〜160000mg/lと極めて高濃度
であり、このことが高速のBOD除去を可能にした主因の
一つであり、またUASB処理装置への流入し尿のSSとNH3
が著しく少ないため、固定化メタン生成菌の阻害要因が
なく、活性の高い固定化メタン生成菌が形成されたこと
が、もう一つの主因であると考えられる。なお、固定化
メタン生成菌の粒径は0.5〜1.5mmであった。
しかして、表−3のUASB処理水を、無希釈で生物学的硝
化脱窒素→限外過(UF)プロセスで高度処理した。
生物学的硝化脱窒素処理工程の運転条件は次表のように
設定した。
また、硝化脱窒素処理工程から流出するスラリーをUF膜
に供給する管路に、FeCl3を3500mg/l添加し、pH5.0で凝
集処理をさせたのち、粉末活性炭を800mg/l添加し、1
時間攪拌後、UF膜モジュールに供給して膜分離した。こ
の結果、UF膜透過水の平均水質は表−4となった。
〔比較例1〕 し尿中のSSとNH3を除去するとなく、直接UASB法による
メタン発酵を試みた。UASB法のし尿滞留日数を本発明法
と同一の0.5日に設定、温度35℃で運転した。
固定化メタン生成菌種菌の添加条件も、本発明と同一に
した。
UASB法の運転開始後、10日目からUASB処理槽の上部水面
に激しいスカム発生が起き、添加した固定化メタン生成
菌がスカムに付着して浮上し、固定化メタン生成菌のブ
ラケットが消失してしまった。このまま、1ケ月間運転
を続けたが、BOD除去率は25%程度と著しく少なく、高
率のメタン発酵処理は全く不可能であることが確認され
た。
〔比較例2〕 し尿にカチオン系ポリマを本発明法と同一条件で添加
し、し尿のSSを除去したものをNH3ストリップ処理せず
にUASB処理する方法を試みた。
しかし、UASB処理の運転開始後1ケ月目においても高い
BOD除去率が得られず、UASB処理槽内で酸発酵が支配的
となった。このため、添加した固定化メタン生成菌は分
散し、処理水に流出してしまった。このまま、さらに1
ケ月運転を続けたが、BOD除去率は20%にすぎず、消化
ガス発生量は0.3l/l・し尿と著しく少なかった。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明は、前記した従来法とは全く
逆に、 「メタン発酵の前段で、SSの固液分離と加温下のNH3
トリップ処理に行い、さらに古典的嫌気性消化法を廃し
て固定化メタン生成菌による高速メタン発酵処理を行
う」 という新概念を適用して合理的にプロセス構成をしたの
で、次のような大きな効果が得られる。
固定化メタン生成菌によるメタン発酵処理は、高濃度
のSSとNH3に阻害されるが、本発明は固定化メタン生成
菌へのこのようなマイナス要因を完全に解消した結果、
理想的環境のもとで活性の高い固定化メタン生成菌によ
る高速メタン発酵処理を行える。この結果、し尿系汚水
の滞留日数0.4〜0.5日という従来知られていない高速度
で、BODを90%以上除去することができる。
従来、最新のし尿処理技術として知られている、無希
釈,高負荷型の生物学的硝化脱窒素→限外過プロセス
の所要滞留日数は8〜10日であることと比べて、本発明
がいかに高速でBODを除去できるかが明らかである。
NH3,BOD除去のためのエアレーションブロワー動力が
大幅に節減できる(最終段の硝化脱窒素処理工程に少量
のエアレーションが必要となるだけである)。
メタン発酵処理のための処理槽が従来より著しく縮小
できるので、メタン発酵槽の壁面からの放熱量が大幅に
減少する。この結果、メタン発酵槽を加温する熱量が減
少し、メタンガスの余剰量が増加する。この余剰ガスに
よって、放散NH3の触媒燃焼工程の加温及びNH3ストリッ
プ工程の加温熱量をまかなえる。従って、NH3放散とNH3
ガスの処分工程の運転コストを大幅に節減できる(スト
リップ用ガス供給用のファン以外のコストはほぼゼロに
なる)。
固定化メタン生成菌によるメタン発酵の前段に加温下
のNH3ストリップ工程を設けたので、NH3ストリップ工程
からの流出液をそのまま加温することなく、固定化メタ
ン発酵処理できる。従って、メタン発酵のための加温が
実質的に不要になり、しかも、NH3ストリップをきわめ
て効率よく行えるという複合効果がある。しかも、この
加温源に、発生したCH4ガスを利用できるので、運転コ
ストが非常に安いという極めて合理的なプロセスが実現
した。
固定化メタン発酵工程からの汚泥発生量が少ないの
で、汚泥処理コストが安く、脱水ケーキの水分も少な
い。
し尿系汚水中のCOD,色度,PO3 3-を除去するという効
果を得ると同時に、NH3ストリップ工程での悪臭発生と
発泡を防止できる。
メタン発酵に後続する生物学的硝化脱窒素処理工程
(無希釈処理)の発泡トラブルがない。
NH3の触媒燃焼工程からの排ガス中のNOxが多くなった
場合でも、合理的に解決できるので大気汚染を招かない
(NOxの生物学的硝化脱窒素工程への吸収,除去)。
し尿処理施設への浄化槽汚泥搬入量が多くなった場合
でも、し尿と浄化槽汚泥の両者を合理的に処理できる。
即ち、浄化槽汚泥が多量の場合においても、し尿の に悪影響を全く及ぼさないで、浄化槽汚泥を処理可能で
ある。
し尿,浄化槽汚泥,処理施設からの雑排水(施設内の
各種洗浄排水の意味)も、合理的に処理可能である。
NH3ストリップのためのpH上昇用アルカリ剤コストが
不要、または大幅に節減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施態様を示す系統説明図である。 1……し尿、2……凝集剤、3……固液分離工程、4…
…凝集分離し尿、5……分離汚泥、6……汚泥脱水機、
7……脱水ケーキ、8……脱水分離液、9……加温部、
10……アルカリ剤、11……NH3ストリップ工程、12……
ストリップ用ガス、14……流出液、15……NH3含有ガ
ス、16……触媒燃焼工程、17……酸、18……メタン発酵
工程、19……固定化メタン生成菌の流動層、20……CH4
ガス捕集部、21……沈殿分離部、22……邪魔板、23……
CH4ガス、24……メタン発酵流出液、25……生物学的硝
化脱窒素処理工程、26……脱窒素部、27……硝化部、28
……液循環ポンプ、29……無機凝集剤、30……粉末活性
炭、31……固液分離手段、32……高度処理水、33……返
送汚泥、34……余剰汚泥、35……余剰メタン生成菌、41
……浄化槽汚泥、42……脱水機、43……脱水分離液、44
……場内雑排水、A……熱交換器。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 11/04 A 7446−4D

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】し尿系汚水を固液分離して懸濁固形物を除
    去し、加温下で気液接触によりアンモニアを放散したの
    ち、固定化メタン生成菌によってメタン発酵処理してBO
    Dを除去し、該処理液を生物学的硝化脱窒素処理するこ
    とを特徴とするし尿系汚水の処理方法。
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