JPH0697232B2 - 生化学分析装置 - Google Patents

生化学分析装置

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JPH0697232B2
JPH0697232B2 JP23985887A JP23985887A JPH0697232B2 JP H0697232 B2 JPH0697232 B2 JP H0697232B2 JP 23985887 A JP23985887 A JP 23985887A JP 23985887 A JP23985887 A JP 23985887A JP H0697232 B2 JPH0697232 B2 JP H0697232B2
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spotting
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は一層または多層の試薬層を有するテストフィル
ムに被検査液を点着し、所定時間恒温保持(インキュベ
ーション)を行ない、このインキュベーションの途中ま
たは終了後に試薬と被検査液との反応の度合を測定する
生化学分析装置に関するものである。
(従来の技術) 被検査液の中の特定の化学成分を定性的もしくは定量的
に分析することは様々な産業分野において一般的に行な
われている操作である。特に血液や尿等、生物体液中の
化学成分または有形成分を定量分析することは臨床生化
学分野において極めて重要である。
近年、被検査液の小滴を点着供給するだけでこの被検査
液中に含まれている特定の化学成分または有形成分を定
量分析することのできるドライタイプの化学分析スライ
ドが開発され(特公昭53-21677号,特開昭55-164356号
等)、実用化されている。これらの化学分析スライドを
用いると、従来の湿式分析法に比して簡単且つ迅速に試
料液の分析を行なうことができるため、その使用は特に
数多くの被検査液を分析する必要のある医療機関、研究
所等において好ましいものである。
このような化学分析スライドを用いて被検査液中の化学
成分等の定量的な分析を行なうには、被検査液を化学分
析スライドに計量点着させた後、これをインキュベータ
(恒温機)内で所定時間恒温保持(インキュベーショ
ン)して呈色反応(色素生成反応)させ、次いで被検査
液中の成分と化学分析スライドの試薬層に含まれる試薬
との組み合わせにより予め選定された波長を含む測定用
照射光をこの化学分析スライドに照射してその反射光学
濃度を測定する。
また、電解質測定用スライドを用いて、このスライドに
被検査液と参照液とを点着し、このスライドをインキュ
ベーションし、被検査液と参照液との間のイオン活量の
差に対応する電位差を測定して被検査液中のイオン活量
の定量的な分析を行なうことも知られている。
医療機関、研究所等においては、数多くの被検査液の分
析を行なう必要があるので、上述のような分析は自動的
に且つ連続的に行なえるようにするのが望ましい。この
ようなことから、上記スライドを用いて自動的に且つ連
続的に被検査液の分析を行なえるようにした化学分析装
置について種々の提案がなされている(たとえば特開昭
56-77746号)。また自動的かつ連続的に被検査液の分析
を行なうひとつの手段として、上記スライドのかわりに
試薬を含有させた長尺テープ状のテストフィルムを用
い、このテストフィルムを順次引き出して順に点着、イ
ンキュベーション、測定を行なう装置も提案されている
(たとえば米国特許3,526,480号明細書)。
(発明が解決しようとする問題点) 上記従来の技術では、上記電解質測定用スライド、化学
分析スライド、またはこの化学分析スライドの代わりに
長尺テープ状のテストフィルムを使用し(本明細書で
は、これらを合わせて「テストフィルム」と称する)、
これらテストフィルムの上に被検査液を点着し、その後
この点着したテストフィルムをインキュベータ内に搬送
し、所定時間インキュベーションしたテストフィルムを
測定手段が配置された位置に搬送して測定を行なう。こ
のため搬送の精度が悪いと、テストフィルム上の所定の
位置からやや外れた位置に被検査液が点着される、イン
キュベーション精度が低下する、点着された箇所からや
や外れた箇所の測定が行なわれる等の原因により測定精
度が低下するという問題点がある。
本発明は、上記問題点に鑑み、上記搬送による測定精度
への影響をなくし、高精度の測定を行なうことができる
ようにした生化学分析装置を提供することを目的とす
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、テストフィルム上に被検査液を点着し、その
後インキュベータによりインキュベーションを行ない、
測定手段により上記点着した部分変化を測定する生化学
分析装置において、インキュベータと測定手段が、とも
に点着手段によるテストフィルム上への点着が行なわれ
る位置に設けられていることを特徴とするものである。
(作 用) 本発明においては、インキュベータが点着位置に設けら
れているため、テストフィルムの搬送を停止してこのテ
ストフィルム上に点着した後、点着したテストフィルム
を再び搬送することなくその位置でインキュベーション
することができ、さらに測定手段もこの点着位置に設け
られているため、インキュベーションの途中または終了
後においてテストフィルムを停止したまま測定すること
ができる。
このように点着、インキュベーション、測定を一箇所で
行なうことにより、テストフィルムの搬送に起因する測
定精度の低下をなくすことができ高信頼かつ高精度の測
定を行なうことができる。
(実 施 例) 以下、図面を参照して本発明の実施例について説明す
る。
第1図は本発明に係る生化学分析装置の一実施例を示し
た斜視図である。
この実施例の生化学分析装置1には、透明な蓋2が備え
られており、この蓋2を開けて以下に述べる被検査液、
長尺テープ状の長尺テストフィルム3等をこの装置1内
に収容しあるいは装置1より取り出すようになってい
る。この装置1には、たとえば血清,尿等の被検査液を
円状に配列して収容する被検査液収容手段4が備えられ
ており、ここに収容された被検査液は、後述するように
点着手段5により取り出され、上記テストフィルム3上
あるいは後述のスライド上に点着される。この被検査液
収容手段4の内側には、遠心分離手段6が備えられてい
る。この遠心分離手段6は、体液たとえば血液(全血)
を収容し、この血液を遠心分離して被検査液である血清
を生成すること等に用いられる。長尺テストフィルム3
は、被検査液中の測定したい特定の化学成分または有形
成分毎にその成分のみと呈色反応を示す試薬を含有させ
る等、測定項目に対応して複数の種類が用意されてい
る。この長尺テストフィルム3の未使用の部分は、フィ
ルム供給カセット7内に巻かれており、上記測定に使用
した部分は、フィルム巻取カセット8内に巻かれてい
る。フィルム巻取カセット8の一端には、たとえばバー
コード9により、この長尺テストフィルム3のロット番
号,個別番号,測定項目,使用期限等が示されている。
フィルム巻取カセット8内のリール10の中央部には、後
述するように長尺テストフィルム3を装置1内に収容し
たあと、この長尺テストフィルム3をフィルム供給カセ
ット7から引き出すためのモータの回転軸と係合する孔
11が設けられている。長尺テストフィルム3はカセット
7,8に巻かれたまま、装置1内に収容される。フィルム
供給カセット7とフィルム巻取カセット8とは、この図
に示すように分離されている。この装置1を用いて同時
に複数項目の測定が行なえるようテストフィルム収容手
段12には複数個の長尺テストフィルム3の未使用の部分
を並列させて収容できるよう構成されている。テストフ
ィルム収容手段12内のこの第1図の右端には、被検査液
中の電解質(たとえば、Na+,K+,Cl-等)を測定するため
の電解質測定用スライド(後述する)を収容する電解質
測定用スライド収容部14が設けられており、未使用のス
ライドはこの収容部14内に積み重ねて収容される。点着
手段5はその先端に点着用ノズル15を有し、レール16上
に乗せられた移動手段17によりレール16が延びる方向に
移動され、被検査液収容手段4,遠心分離手段6から被検
査液を取り出し、これをテストフィルム収容手段12内か
ら後述するテストフィルム搬送手段により引き出された
長尺テストフィルム3上および電解質測定用スライド収
容部14から押し出された電解質測定用スライド上に点着
する。また、移動手段17は、点着手段5を上下方向にも
移動可能なように構成されており、この移動手段17によ
り点着手段5がレール16の延びる左右方向に移動される
ときは、この点着手段は上昇した位置にあり、上記被検
査液の取り出し、点着、および後述する洗浄の際には、
下降される。
点着用ノズル15は、テストフィルム上に点着したあと後
述する作動順序に従い、電解質測定用スライド収容部14
と被検査液収容手段4との間にこの両者に近接して配置
されたノズル洗浄部18で洗浄され、次の点着に再使用さ
れる。
点着されたテストフィルムは、後述するようにインキュ
ベータによりインキュベーションされ、測定手段により
測定される。
装置1全体の作動の制御、測定データの処理等は、回路
部19とこの回路部19に接続されたコンピュータ20により
行なわれる。回路部19の前面に設けられた操作・表示部
21には、装置1の電源スイッチや装置1での消費電流を
モニタするための電流計等が備えられている。コンピュ
ータ20には装置1に指示を与えるキーボード22、指示の
ための補助情報や測定結果等を表示するCRTディスプレ
イ23、測定結果を印字出力するプリンタ24、および装置
1に各種の指示を与えるための命令や測定結果のデータ
等を記憶保存しておくためのフロッピィディスクを収容
するフロッピィディスク装置25が備えられている。
第2図は、第1図に斜視図を示した生化学分析装置1の
主要部の平面図である。
テストフィルム収容手段12は、この中から引き出しまた
は押し出された全てのテストフィルムあるいはスライド
の点着位置41,41′,41″が図に一点鎖線で示す直線上に
並ぶように構成されており、さらにこの直線上にノズル
洗浄部18、被検査液収容手段4内の被検査液取出し位置
40a、および遠心分離手段6内の被検査液取出し位置42a
が配列されるように構成されている。このように上記各
位置およびノズル洗浄部18を一直線上に配列したことに
より、後述する移動手段の構造が簡単となり、このこと
がこの装置1の故障減少、コストダウンに結びついてい
る。
被検査液収容手段4は、複数個に被検査液をほぼ円状に
配された収容部40に収容する構成となっている。また、
この被検査液収容手段4は、ほぼ円状に配された収容部
40が回転される構成となっており、この収容部40に収容
された被検査液のうち、次の測定に用いる被検査液が取
出し位置40aに位置するように自動的に回転される。収
容部40に収容された被検査液の蒸発による変質を防ぐた
めに、取出し位置40a以外の収容部40の上には図示しな
い蓋がかぶせられる。
遠心分離手段6は、体液を収容部42に収容するよう構成
されており、収容部42に収容された体液に遠心分離操作
を行ない、この操作終了後、被検査液収容手段4と同様
に点着手段によって取り出される順に取出し位置42aに
被検査液が位置するように回転制御される。ここで体液
とはたとえば血液(全血)であり、この全血を遠心分離
することにより、血球を沈降させて被検査液である血清
または血漿より分離する。したがって被検査液である血
清または血漿を別の容器に移さなくても、点着手段5に
より取り出すことが可能である。この遠心分離手段6の
収容部42の上にも、被検査液収容手段4の場合と同様に
図示しない蓋がかぶせられる。
点着手段5は、レール16上に乗った移動手段17によりレ
ールの延びる方向に移動され、取出し位置40aまたは取
出し位置42aから被検査液を取り出しテストフィルム上
の点着位置41,41′に点着する。電解質測定用スライド
上には、参照液と被検査液の双方を点着する必要がある
ため、2つの点着位置41′,41″がある。点着位置41′
には被検査液が点着され、点着位置41″には、参照液が
点着される。
第3図は、第1図に斜視図を示した生化学分析装置1
の、第2図のX−X′に沿った断面図を示している。第
1図,第2図と同一の部材には同一番号を付してある。
長尺テストフィルム3はフィルム供給カセット7および
フィルム巻取カセット8に収容されたまま、この装置内
に収容される。フィルム供給カセット7は、テストフィ
ルム収容手段を構成する保冷庫50に収容され、フィルム
巻取カセット8は巻取室51に収容される。
このように長尺テストフィルム3の未使用の部分をフィ
ルム供給カセット7に収容したため、この未使用の長尺
テストフィルム3に手を触れることなく、テストフィル
ム収容手段内に収容できる。
フィルム巻取カセット8の一端には、前述したようにこ
の長尺テストフィルム3のロット番号,個別番号,測定
項目,使用期限等の情報が記載されたたとえばバーコー
ド9が付されており、巻取室51内のこのフィルム巻取カ
セット8が収容されたときのバーコード9に対応する位
置に備えられたバーコード読取手段52により、このバー
コード9に記載された情報が読み取られる。この読み取
られた情報は、例えば第1図に示したフロッピィディス
ク装置25内のフロッピィディスクに記憶され、測定項目
の管理、フィルム供給カセット7内に残っている未使用
フィルムの残長の管理、長尺テストフィルム3のロット
間のバラつきによる測定値の誤差の補正等に用いられ
る。また長尺テストフィルム3を途中まで使用して一旦
装置1から取り外した場合でも、第1図に示したキーボ
ード22から消去命令が入力されるか、あるいはこの長尺
テストフィルム3の有効期限切れ等のために自動的な消
去がなされない限りフロッピィディスクはこの長尺テス
トフィルム3の個別番号,未使用フィルムの残長等を記
憶しているので、長尺テストフィルム3が再使用のため
に再びテストフィルム収容手段12内に収容された場合
に、この再収容された長尺テストフィルム3の個別番号
とフロッピィディスク内に記憶された情報が対比され、
長尺テストフィルムの未使用の残長等が再び管理され
る。
尚、前述したバーコード9はフィルム供給カセット7に
付し、バーコード読取手段52を保冷庫50内に備えてもよ
い。また、長尺テストフィルム3のロット番号,使用期
限等の情報を装置1に伝達する手段は前述したバーコー
ド9とバーコード読取手段52に限られるものではなく、
フィルム供給カセット7またはフィルム巻取カセット8
に情報を記録して長尺テストフィルム3を装置1内に収
容したときにその情報を読み取ることが可能なものであ
ればいかなる手段であってもよい。
保冷庫50は、断熱材を使用した保冷庫壁50aで囲まれ、
この保冷庫壁50aの一面には、保冷庫50内を所定の低温
低湿に保つための冷却除湿装置58が取りつけられファン
60により保冷庫50内の空気を循環させている。
第4図は、未使用の長尺テストフィルム3を種々の温湿
度条件下に置いた場合の経時変化の速度を、この長尺テ
ストフィルム3を測定に使用できる日数で表示した一例
のグラフである。この図の円内の数字が、その円に対応
する温湿度条件下に置いた場合の使用可能日数を表わし
ている。図の左下端(低温低湿)になると、使用可能日
数が急激に増える。したがって長尺テストフィルム3を
保冷庫50内に収容し、この長尺テストフィルム3の使用
期限,使用頻度等を考慮して決定した所定の低温低湿に
保つようにすることにより、この長尺テストフィルム3
を装置1内に収容したまま長期間保存することができ
る。
第3図に戻り、さらに説明を継続する。
フィルム巻取カセット8が巻取室51内に収容されるとこ
のフィルム巻取カセット8内のリール10の中央部に設け
られた孔11にこの巻取室51内に設けられた長尺テストフ
ィルム3用テストフィルム搬送手段を構成するテストフ
ィルム巻取用モータ53の回転軸が係合し、このモータ53
の回転に従って長尺テストフィルム3がフィルム供給カ
セット7から保冷庫50の引出口49を経由して引き出され
フィルム巻取カセット8に巻取られる。前述したように
フィルム供給カセット7とフィルム巻取カセット8とが
分離しているため、保冷庫50の引出口49は、この長尺テ
ストフィルムが通過できるだけの開口を設けておくだけ
でよいので、保冷庫の冷却除湿の効率が良い。また、フ
ィルム供給カセット7とフィルム巻取カセット8との間
隔の異なる機種にも、このフィルムを使用することがで
きる。さらに、このように長尺テストフィルム3の使用
済みの部分をフィルム巻取カセット8内に収容するよう
に構成したため、被検査液が点着され汚れた使用済フィ
ルムに手をふれることなく装置1から取り出して癈却等
を行なうことができる。なお、この癈却に関しては、フ
ィルム巻取カセット8に使用済フィルムを巻取るかわり
にフィルム巻取カセット8をなくし、巻取室51の部分に
フィルムを収容する装置1への装着,取外しの自在な箱
を設けておき、巻取室51の入口付近に使用済フィルムを
切断するカッターを配置し、使用済フィルムを切断して
箱内に収容するようにし、この箱内に収容された使用済
のフィルムに手をふれずにこの箱ごと装置1から取り出
し、この使用済フィルムの癈却等を行なうことができる
ように構成してもよい。尚この場合には、テストフィル
ムの搬送は、テストフィルムを挾持して搬送する搬送ロ
ーラを設けて行なうようにすればよい。
フィルム供給カセット7とフィルム巻取カセット8の間
の長尺テストフィルム3が露出した部分は、シャッタ54
が備えられたインキュベータ55の間を通過し、光電スイ
ッチ56の投受光部の間を通過するように装着される。イ
ンキュベータ55の下部には、長尺テストフィルム3と被
検査液との呈色反応による光学濃度を測定するための測
定手段を構成する測光部57が配置されている。
この図に示すように保冷庫50とインキュベータ55を近接
して配置したことにより、1回の測定毎にフィルム供給
カセット7から引き出す長尺テストフィルム3の長さが
短かくて済み、同じ長さの長尺テストフィルム3で最大
回数の測定ができるように工夫されている。
第5図はこのインキュベータ55の第3図のV−V′に沿
った断面図である。
長尺テストフィルム3がフィルム供給カセット7から引
き出され、この図の紙面の裏面から表面の方向に間欠的
に移動されるが、この移動の際には、インキュベータ55
の上蓋55aがこの図の矢印A方向に移動する。長尺テス
トフィルム3が移動されると、上蓋55aがこの図の矢印
B方向に移動し、この図に示すように長尺テストフィル
ム3が上蓋55aにより押される。その後シャッタ54がこ
の図の矢印C方向に移動し点着手段5が下降して点着ノ
ズル15から孔59を通じて長尺テストフィルム3上に被検
査液が点着される。さらにその後シャッタ54がD方向に
移動してこの図に示すように孔59をふさぎ、外部との空
気の出入りを防いで内部が所定の温度(例えば37℃)と
なるようにインキュベーションされる。このインキュベ
ーションの途中または終了後に測定部57によりこの長尺
テストフィルムの上記点着を行なった部分の光学濃度が
測定される。この実施例は上述のようにシャッタ54を設
けているが、シャッタ54を癈して、インキュベータ55の
上蓋55a自体が図に示した矢印A,Bの方向以外に、矢印C,
Dの方向にも動くように構成してもよい。この場合に
は、インキュベータ55の上蓋55aに点着用の孔59を設け
る必要はなく、上蓋55aをC方向に移動して点着を行な
った後、D方向に移動して元の位置に復帰させてインキ
ュベーションするようにすればよい。
このように点着,インキュベーション,測定を一カ所で
行なうと、確実に点着した位置がインキュベーションさ
れ、確実に点着した位置が測定されることになる。ま
た、インキュベータ55に対する点着位置41が常に一定で
あるため、このインキュベータ55内部の温度分布が一定
であり、反応も一定になり測定精度が向上する。さら
に、点着,インキュベーション,測定がそれぞれ別の位
置で行なわれた場合は点着からインキュベーション、イ
ンキュベーションから測定に移る毎に上記モータ53を回
転制御する必要があるが、上記のように1カ所で行なう
ことによりこのような複雑な制御を行なう必要はない。
第3図の光電スイッチ56は、長尺テストフィルム3に設
けられた孔または目印を検出するものであり、この光電
スイッチ56の信号により長尺テストフィルム3が一回の
測定に必要な長さだけフィルム供給カセット7から引き
出される。この引き出した回数を第1図に示したコンピ
ュータ20で数え、長尺テストフィルム3の未使用の残長
が所定量以下となったときに作業者に音,光等で警告す
る。また長尺テストフィルム3の最終付近には、このフ
ィルム3の一回の測定長毎に設けられた孔または目印と
は光電スイッチ56で区別できる孔または目印等を設けて
おき、光電スイッチ56でこの孔等を検知したときは、こ
の長尺テストフィルム3をこれ以上ムリに引き出すこと
のないよう安全策が講じられている。長尺テストフィル
ム3の最終を判断するには、コンピュータ20で数えた値
のみに依存することもできるが、途中でこの長尺テスト
フィルム3をこの装置1から取り外したとき、人為的に
この長尺テストフィルム3を多少巻きあげ、その後再収
容した場合等を考え、長尺テストフィルム3自身に最終
の目印等を設けておいた方がよい。点着手段5には、こ
の点着手段5の点着用ノズル15の先端15aに通じる細い
管43がこの点着手段内に設けられており、さらにこの管
43は可とう性をもつ管44に連通し、後述するようにこれ
らの管43,44を通して被検査液が点着手段内に移され、
テストフィルム上に点着される。また、これらの管43,4
4を通して参照液および洗浄液が吐出される。
この点着用ノズル15の近傍には、このノズルと並行して
液面検出計45が設けられている。この液面検出計45は、
この先端45aが点着用ノズル15の先端15aよりやや上方
(たとえば高さの差が約2.5mm)となるように取りつけ
られており、被検査液収容手段4または遠心分離手段6
に収容された被検査液を取り出すために点着手段5が移
動手段17により下げられたとき、点着用ノズル15の先端
15aがこの被検査液内に液浸し、液面検出計45の先端45a
がこの被検査液と接触したという液面検出計45からの信
号が信号線46を通じて第1図に示す回路部19に伝達さ
れ、この信号に基づいて点着手段5の下降を停止させる
ためのものである。こうすることにより、被検査液の量
にかかわらず、この被検査液の液面から常に一定の深さ
に点着用ノズル15の先端15aを液浸させることができ
る。
第6図は、第2図のY−Y′に沿った電解質測定スライ
ド収容部14の断面図を示したものである。
電解質測定用スライド30がスライドマガジン61内に積み
重ねられ、スライドマガジン61の底板63がバネ62により
押し上げられる。積み重ねられたスライド30のうち1番
上のスライド30′は、スライドマガジン61の上板64に押
しあてられる。スライド30用テストフィルム搬送手段を
構成するスライド搬送部材65は図示しない駆動手段によ
り図に示したEおよびFの方向に移動可能に設けられて
いる。このスライド搬送部材65がE方向に移動すると、
このスライド搬送部材の先端65aがスライドマガジン61
に設けられたスリット66にはいり込み、この先端65a
で、スライドマガジン61内の1番上のスライド30′が押
され、このスライド30′はスリット66′を通ってスライ
ドマガジン61から押し出され、インキュベータ68の中に
はいる。このインキュベータ68の位置でシャッタ69が開
いて点着が行なわれ、シャッタ69が閉じてインキュベー
ションされ、電位差を測定するための測定手段を構成す
る測定部70が図のG方向に移動して電位測定用プローブ
67がインキュベータ68内のスライド30″の図示しない電
極と接触し電位差が測定される。電位差測定後この測定
部70は、図のHの方向に移動し、待機位置(図に示した
位置)に戻る。このインキュベータ68は、第5図に示し
た長尺テストフィルム3用のインキュベータ55とほぼ同
様な構造であるが、前述したようにスライド搬送部材65
により押し出されたスライド30′を収納でき、この収納
したスライド30″上に被検査液と参照液との双方をそれ
ぞれの所定位置に点着でき、さらに第5図の測光部57の
かわりに第6図の矢印Gの方向に移動した測定部70のプ
ローブ67が所定の電極と接触して電位差が測定できるよ
うになっている。
ここで、シャッタ69を設けずに、インキュベータ68の上
蓋68aでこのシャッタ69の代用をしてもよいことは、前
述した長尺テストフィルム3の場合と同様である。さら
に点着,インキュベーション,測定を1カ所で行なうこ
とにより、スライド搬送部材65によるスライド30′の押
し出しの制御が簡単化されること、測定精度が向上する
こと等、前述の長尺テストフィルム3の場合と同じ効果
を得ることができる。
測定の終了したスライド30″はスライド搬送部材65によ
りさらに第6図の左方向に押されスライド癈却部71に収
納される。スライド搬送部材65は、その後図の矢印Fの
方向に動き、図に示した待機位置に戻る。
以上のように一枚ずつスライド30がスライドマガジン61
から押し出されると、スライドマガジン61の底板63がバ
ネ62に押されて上昇し、この底板63から一部スライドマ
ガジン61の外部に突出した突起部63aが近接スイッチ72
と並ぶ位置まで達すると、スライド30を補充するよう作
業者に警告が出され、補充しないままその後所定の枚数
のスライド30がこのスライドマガジン61から押し出され
て、このスライドマガジン61内にスライド30がなくな
り、さらに電位差を測定すべき被検査液があるときは、
その被検査液の測定のための点着等を行なわずに装置1
が停止する。
第7図は、第1図に示した被検査液収容手段4とその内
側に配置した遠心分離手段6の第2図のZ−Z′に沿っ
た断面図である。
被検査液収容手段4は、その上部に被検査液を入れるサ
ンプルカップ80をほぼ円状に複数収容可能な収容部40が
回転可能に設けられ、またモータ81を回転することによ
り、ギア82,82′,82″を介してこの収容部40が回転され
るように構成されている。この被検査液収容手段4から
取り出されて点着される順に、被検査液が第2図に示し
た被検査液取出し位置40aに位置するように、モータ81
の回転が制御される。
遠心分離手段6は、その上部の収容部42に液体のはいっ
たサンプルカップ80′を配置できるように構成されてい
る。このサンプルカップ80′は、カップの管理上および
コスト低減上、被検査液収容手段4のサンプルカップ80
と同一のものが用いられる。
モータ83は遠心分離操作をするときの駆動源であり、モ
ータ85は、モータ81と同様に遠心分離後の被検査液(体
液)が第2図に示す被検査液取出し位置42aに位置する
ようにこのサンプルカップ80′を回転するためのもので
ある。
遠心分離操作を行なうには、クラッチ84を介してモータ
83の動力が回転軸87に伝わるようにクラッチ84が接続さ
れ、モータ85は、クラッチ86により回転軸87から切り離
される。そこでモータ83が回転し、サンプルカップ80′
が高速で回転されることにより遠心力によりこのカップ
80′の中の体液の遠心分離が行なわれる。このようにし
て所定時間遠心分離操作が行なわれた後、クラッチ84に
よりモータ83が回転軸87から切り離され、モータ85がク
ラッチ86により回転軸87に接続されてモータ85が回転せ
しめられ、これにより、前述のように遠心分離後の被検
査液(サンプルカップ80′)が第2図に示す被検査液取
出し位置42aに移動せしめられる。
このように被検査液収容手段4の内側の空間を利用し
て、この空間内に遠心分離手段6を配置したことにより
この装置1全体の大きさを小さくすることができる。ま
た、被検査液収容手段4のほぼ円状に配列された収容部
40の内側に遠心分離手段6の収容部42を配置したことに
より被検査液を測定のためにこの装置1に収容する作業
をほぼ同じ場所で行なうことができ、操作性を向上させ
ている。
第8図は点着用ノズル15の中央を通る点着手段5に設け
られた管43に連通する配管の系統図である。
管43は、前述のように可とう性の管44と連通し、この可
とう性の管44は、管90の一端と連通している。管90はそ
の途中で吸引・吐出手段96のシリンダ97内の空間98に連
通する管93と連通し、他端は電磁弁99のポート100に配
管されている。管91はこの電磁弁99のポート101と電磁
弁103のポート104とを結んでいる。電磁弁99のポート10
2には吸引・吐出手段107のシリンダ108内の空間109に連
通する管94が配管されている。この電磁弁99は外部から
入力された信号により管90と管94とを連通させると同時
に管91と管94を切り離すか、またはその逆に管91と管94
とを連通させると同時に管90と管94を切り離すかのいず
れかに切替えられる。電磁弁103のポート106には、管95
の一端が配管され、この管95の他端は参照液110のはい
ったタンク111の口111aを通ってこのタンク111の底近傍
まで延び、このタンク111内の参照液110に液浸してい
る。このタンク111内の液面検出計112は、タンク111内
にある参照液110の液量のモニタ用である。この参照液
の液量が図示しない信号線により第1図に示す回路部19
に伝達され、この液量が少なくなると作業者に音,光等
により警告が発せられる。電磁弁103のポート105には、
管92の一端が配管され、この管95の他端は洗浄液113の
はいったタンク114の口114aを通ってこのタンク114の底
近傍まで延び、このタンク114内の洗浄液113に液浸して
いる。このタンク114内にはタンク111と同様に液面検出
計115が設けられている。電磁弁103は外部から入力され
た信号により管91と管92とを連通させると同時に管91と
管95を切り離すか、またはその逆に管91と管95とを連通
させると同時に管91と管92とを切り離すかのいずれかに
切替えられる。
吸引・吐出手段96は被検査液を点着ノズル15の先端15a
から吸引し、および同先端15aから点着するためのもの
である。被検査液を吸引するには、前述のようにノズル
の先端15aを被検査液収容手段4内または遠心分離手段
6内に収容された被検査液中に液面検出計45の先端45a
がこの被検査液面と接触するまで液浸する。このとき電
磁弁99は、管90と管94が離れ管91と管94が連通するよう
に制御される。この状態でモータ116を図に示す矢印I
の方向に回転させ、この回転力がカム板117とリンク機
構118を介して直線運動に変えられピストンロッド119に
伝わりこのピストンロッド119が図の下方に移動してピ
ストン124を引き下げ、シリンダ97内の空間98を広げ
る。こうすることにより被検査液は点着ノズル15の先端
15aから管43,44,90内に移る。テストフィルム上にこの
被検査液を点着するには、点着手段5を点着すべきテス
トフィルムの位置に移動し、前述のシャッタ54またはシ
ャッタ69を開いて点着ノズル15を下げ、その後モータ11
6を図のJ方向に回転するとこの駆動力がカム板117とリ
ンク機構118を介してピストンロッド119に伝わり、この
ピストンロッド119が図の上方に移動してピストン124を
押し上げ、この移動量に対応した液量の被検査液が点着
される。
参照液110を点着ノズル15の先端15aから吐出させるに
は、以下に述べるように制御される。まず電磁弁99は管
91と管94とが連通し、管90と管94とが切り離されるよう
に制御され、電磁弁103は管91と管95とが連通し管91と
管92とが切り離されるように制御される。この状態でモ
ータ120が図に示すKの方向に回転するとこの回転力が
カム板121とリンク機構122を介して直線運動に変えら
れ、ピストンロッド123に伝わりこのピストンロッド123
が図の下方に移動してピストン125を引き下げ、シリン
ダ108内の空間109を広げる。こうすることにより管95、
電磁弁103、管91、電磁弁99、管94を通じて参照液110が
シリンダ108内の空間109に移される。次に電磁弁99を管
90と管94とが連通して管91と管94とが切り離されるよう
に制御する。その後モータ120を図に示す矢印Lの方向
に回転するとピストンロッド123が図の上方に移動して
ピストン125を押し上げ、この移動量に対応した量の参
照液110が点着ノズル15の先端15aから吐出される。
洗浄液113を点着ノズル15の先端15aから送り出す制御方
法は、シリンダ108内の空間109に洗浄液を移すときに電
磁弁103を管91と92とが連通して管91と管95とが切り離
されるように制御される点を除き、前述の参照液を送り
出す場合と同様である。
上記のように配管したことにより、点着用ノズル15は被
検査液用のノズルと参照液用のノズルとを兼用すること
となり、たとえば特開昭61-173131に示したような二連
のものを用いる必要がない。このようにノズル1本で済
むため、機構が簡単となり故障が減少し、またコストが
低下することとなる。
また参照液110を入れたタンク111の口111aを管95を挿入
できるだけの小さいものにしておくことにより、この参
照液110を被検査液と同様にサンプルカップ80に入れて
収容部40に置く場合と比較して、この参照液の蒸発を防
止できて変質を防ぐことができ、さらにタンク111を十
分な大きさとしておくことによりこの参照液110を長期
間補充しなくて済むこととなる。
次に第1図に斜視図で示した本発明に係る生化学分析装
置の一実施例の作動の概要について述べる。この装置1
が正常に作動したか否かのモニタ手段を設け、正常に作
動しなかった場合に装置を停止させ、作業者に警告する
等の処置を自動的に行なわせることは常套手段であるの
で、ここでは正常に作動しなかった場合の処理について
は一部を除き説明は省略する。
まず、必要なテストフィルムが装置1内に収容されてい
ない場合は、これを収容した後装置1の電源スイッチが
作業者により作動せられ、装置1に電力が供給される。
この電源スイッチが切られていても、テストフィルム収
容手段12内にテストフィルムがあるときは、冷却除湿装
置58には通電され、保冷庫50内は所定の温湿度状態に保
たれている。
装置1に電力が供給されると、この装置1の初期設定が
以下の順になされる。すなわち、 点着手段5が上昇位置にない場合は、移動手段17により
点着手段5が上昇位置に移動される。
点着手段5が移動手段17によりレール16の所定の一端に
寄せられる。
点着手段5が移動手段17により洗浄部18の方向に移動さ
れ、洗浄部18の位置に到達したときに図示しない位置検
出手段から信号が出力され、この位置で停止される。こ
のとき、点着手段5がレール16の所定の一端に寄せられ
た位置から洗浄部18の位置に到着するまでに点着手段5
をレール16に沿った方向に移動させる図示しないモータ
の軸に取りつけたパルスエンコーダから発せられたパル
スを数えることにより、このモータの軸と点着手段5の
レール16に沿った方向への動きに滑りがないことが確認
される。
第8図に示すピストン124,125がそれぞれ空間98,109が
最狭となる点(始点)にあるか否かがモニタされ、始点
にない場合、モータ116,120をそれぞれ矢印J,Lの方向に
回転させピストン124,125が始点に移動される。この間
電磁弁99は管90と管94とが連通するよう制御されてい
る。シリンダ108内の空間109等に残留していた液がある
場合、この液は管43を経由して点着ノズル15の先端15a
から洗浄部18内に吐出される。
各シャッタ54,69がインキュベータ内部をふさぐ閉じ位
置にあることがモニタされ、インキュベータ55,68内が
所定の温度状態に保たれる。
上記のほか、参照液,洗浄液が所定量以上それぞれタン
ク111,114内にあるかどうかのチェック、測定部70、ス
ライド搬送手段65が待機位置にあるかどうかのチェック
等がなされ、作業者への必要な警告、初期状態への自動
的な移動等がなされる。
以上概要を示したように、この装置1が初期状態に設定
されると作業者に対し、その旨の表示がなされる。
次に作業者は、遠心分離操作を必要としない被検査液
は、サンプルカップ80に入れて、このサンプルカップ80
を被検査液収容手段4内の所定位置に置く。遠心分離操
作の必要とする体液は、サンプルカップ80′に入れてこ
のサンプルカップ80′を遠心分離手段内の所定位置に置
く。この被検査液(体液)で、複数の測定項目のうちど
の項目の測定をするかという情報はキーボード22から入
力され、または、あらかじめこの情報が記憶されたフロ
ッピィディスクをフロッピィディスク装置25に挿入して
入力される。この入力した測定項目に対応したテストフ
ィルムがテストフィルム収容手段12内に収容されている
かのチェックが自動的に行なわれる。また被検査液(体
液)を被検査液収容手段4(遠心分離手段6)内に置い
たときの載置場所についても、キーボード22等により装
置1に入力される。複数の被検査液(体液)を同時に載
置する場合、上記の作業が繰り返される。
次に作業者が測定開始の指示をキーボード22等から装置
1に入力すると、自動測定作業が開始される。
まず、遠心分離手段6に体液が載置されている場合は、
前述したようなモータ83,85、クラッチ84,86の作動によ
り遠心分離操作が行なわれ、遠心分離操作終了後の体液
(被検査液)が測定順に被検査液取出し位置42aに配置
されるように制御される。
また、被検査液収容手段4に被検査液が載置されている
ときは、測定順に被検査液取出し位置40aに配置される
ように制御される。
以上の操作が終ったあと、初期状態で洗浄部18にあった
点着手段5が移動し、被検査液収容手段4または遠心分
離手段6から、前述のように液面検出計45で被検査液の
液面をモニタシしながらシリンダ97内の空間98を広げる
ことにより被検液を管43,44,90内に移す。複数の測定を
行なう場合でもひとつの被検査液を移す作業を1度で済
ませて全体の測定時間を短縮させるためにこの移す液量
は、すべての測定に十分な量とする。このようにして被
検査液を移す際には、管43,44,90内に後述する洗浄作業
により既に洗浄液が満たされていることが多いため、点
着用ノズル15の先端15aがまだ空気中にある状態でわず
かに空気を管43内に吸い込み、その後点着用ノズル15の
先端15aを被検査液に液浸させるように制御される。こ
のように空気層を介在させることにより洗浄液と被検査
液とが混合されないよう工夫されている。
次に点着手段5を上にあげ、あらかじめ指示されたテス
トフィルムの点着位置まで移動する。以下長尺テストフ
ィルム3に点着する場合と、スライド30に点着する場合
とに分けて説明する。
まず、長尺テストフィルム3に点着する必要のある場合
は、全体の測定時間を短縮するために、スライド30にも
点着する必要があっても、長尺テストフィルム3に先に
点着する。この長尺テストフィルム3への点着は第5図
の説明で述べたようにシャッタ54、インキュベータ55の
上蓋55aが作動して行なわれる。長尺テストフィルム3
は極力経時変化による劣化を押えるために点着に間に合
う直前にテストフィルム搬送手段によりフィルム供給カ
セット7から引き出される。
複数の長尺テストフィルム3に点着する必要がある場合
は、点着手段5の動作を最小にして全体の測定時間を短
縮させるために、必要な長尺テストフィルム3のうち一
番端に収容させたものから他の端に向かって順に点着を
することを基本とする。ただし、測定結果を至急知りた
い項目がある等の理由により、作業者が測定順序を指定
した場合は、その指定順序で点着する。
長尺テストフィルム3に点着されたあとは、前述したよ
うにインキュベーションされ、点着した部分の光学濃度
が測定され、この測定結果がコンピュータ20に入力され
て、必要な演算処理が行なわれ、記憶され、および出力
される。
スライド30への点着を行なう必要があるときは以下のよ
うに行なわれる。
長尺テストフィルム3にも点着する必要がある場合は、
必要な長尺テストフィルム3への点着が終了したあと、
スライド30の被検査液の点着位置41′へ点着手段5が移
動し、前述のようにして点着される。この点着に用いる
スライド30は、長尺テストフィルム3と同様にこのスラ
イド30の変質を防ぐために点着直前に保冷庫からスライ
ド搬送部材65により所定位置へ搬送される。被検査液を
スライド30に点着した後、点着手段5はノズル洗浄部18
の位置に移動する。ノズル洗浄部18には、小さな容器
(図示せず)が置かれている。この容器内にはたとえば
蒸留水が満たされ、またこの蒸留水は常に新しく入れか
わるよう流れている。点着手段5がノズル洗浄部18の位
置に移動すると、この点着手段5が移動手段17により下
げられ、点着用ノズル15の先端15aがこの蒸留水に液浸
される。
この移動中に前述した動作にしたがって第8図に示した
シリンダ108内に参照液が溜められる。上記蒸留水に点
着用ノズル15の先端15aが液浸したあと、管43等の内部
に残っていた被検査液が点着用ノズル15の先端15aから
吐出され、そのあとに洗浄液が管90等に満たされていた
ときはこの洗浄液も吐出され、さらにこの洗浄液と管90
内等で接して多少混合された参照液も吐出されて、点着
用ノズル15の先端15aまで参照液が満たされた状態とさ
れる。
このあと、スライド30の所定位置に参照液が点着され
る。スライド30に被検査液を点着したあと、できるだけ
すみやかに(たとえば3秒以内に)参照液も点着する必
要があるため、スライド30への被検査液の点着は、必要
な長尺テストフィルム3への点着が終了したあとに行な
われる。こうすることにより、長尺テストフィルム3へ
の点着とスライド30への点着の双方が必要とされる場合
でも、被検査液を被検査液収容手段4または遠心分離手
段6から取り出す作業は1回で済むことになり、全体の
測定時間が短縮できる。また、スライド30(Na+,K+,Cl-
電位差測定項目)の測定時間は約1分であり、長尺テス
トフィルム3(呈色反応)の測定時間は平均約4分であ
るので、最後にスライド30の項目を測定した方が全体の
測定時間が短縮できる。さらに前述したように、スライ
ド30への点着位置41′,41″、ノズル洗浄液18、被検査
液収容手段4を近接して配置したことにより、スライド
30に被検査液を点着したあと前述したような作動により
参照液を点着するまでの間の点着手段5の移動距離を最
小にでき全体の測定時間を短縮させることができる。
被検査液と参照液が点着されたスライド30は、前述のよ
うにインキュベーションされ、電位差が測定される。こ
の測定結果はコンピュータ20に入力されて必要な演算処
理が行なわれ、記憶され、および出力される。
以上のようにして点着が終了した後、点着手段5はノズ
ル洗浄部18の位置に移動し、前述したように点着用ノズ
ル15の先端15aが蒸留水に液浸される。その後、第8図
に示したピストン124,125が始点にない場合は始点の位
置に移動され、被検査液、参照液等が点着用ノズル15の
先端15aから吐出される。さらにその後前述した動作に
したがってシリンダ108内に洗浄液が溜められ、この洗
浄液がさらに点着用ノズル15の先端15aから吐出される
ことにより、洗浄される。
以上の動作が終了したあと、次に測定すべき被検査液が
まだ被検査液収容手段4内または遠心分離手段内にある
場合は、次に測定すべき被検査液が被検査液取出し位置
4a,42aに移動され、以上述べた作動が繰り返される。
尚、この実施例は長尺テストフィルムを使用して光学濃
度変化を測定することと、スライド使用して電位差を測
定することの双方の測定ができる生化学分析装置につい
て説明したが、このうちの一方のみの測定を行なう生化
学分析装置を構成することもできる。
また、光学濃度変化の測定を行う場合にも長尺テストフ
ィルムにかわり、スライドタイプのテストフィルムを用
いた生化学分析装置を構成してもよい。
また、この実施例では複数の長尺テストフィルムを収容
して複数項目の測定を行なうことができるが、一本の長
尺テストフィルムのみ収容できる単機能型の装置を構成
することも可能である。
(発明の効果) 以上詳細に説明したように、本発明の生化学分析装置
は、点着、インキュベーション、測定を一箇所で行なう
ことにより、テストフィルムの搬送に起因する測定精度
の低下をなくすことができ測定の信頼性が高く、かつ高
精度の測定を行なうことができる。
さらに、点着、インキュベーション、測定がそれぞれ別
の位置で行なわれた場合は点着からインキュベーショ
ン、インキュベーションから測定に移る毎にテストフィ
ルム搬送手段によりテストフィルムを搬送する必要が生
じ、この搬送の制御が複雑となるが、上記のように1カ
所で行なうことにより、このような複雑な制御を行なう
必要はない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る生化学分析装置の一実施例を示し
た斜視図、 第2図は、第1図に斜視図を示した生化学分析装置の主
要部の平面図、 第3図は第2図のX−X′に沿った断面図、 第4図は、未使用の長尺テストフィルムを種々の温湿度
条件下に置いた場合の経時変化の速度を、使用可能な日
数で表示した一例のグラフ、 第5図は第3図のV−V′に沿った断面図、 第6図は第2図のY−Y′に沿った断面図、 第7図は第2図のZ−Z′に沿った断面図、 第8図は、点着用ノズルに設けられた管に連通する配管
の系統図である。 1……生化学分析装置 3……長尺テストフィルム 4……被検査液収容手段 5……点着手段 6……遠心分離手段 7……フィルム供給カセット 8……フィルム巻取カセット 9……バーコード 12……テストフィルム収容手段 14……電解質測定用スライド収容部 15……点着用ノズル 17……移動手段、18……ノズル洗浄部 30……スライド、40,42……収容部 40a,42a……被検査液取出し位置 41,41′,41″……点着位置 43,44,90,91,92,93,94,95……管 45,112,115……液面検出計 50……保冷庫、51……巻取室 52……バーコード読取手段 53,81,83,85,116,120……モータ 55,68……インキュベータ、56……光電スイッチ 57……測光部、58……冷却除湿装置 61……スライドマガジン 65……スライド搬送部材、70……測定部 84,86……クラッチ 96,107……吸引・吐出手段 99,103……電磁弁、110……参照液 113……洗浄液

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検査液を収容する被検査液収容手段、前
    記被検査液と反応して変化を生ずるテストフィルムを収
    容するテストフィルム収容手段、このテストフィルム収
    容手段内に収容されたテストフィルムをこのテストフィ
    ルム収容手段外の所定位置に順次搬送するテストフィル
    ム搬送手段、前記被検査液収容手段から前記被検査液を
    取り出し前記所定位置に搬送されたテストフィルム上に
    所定量点着する点着手段、前記テストフィルムの前記点
    着された部分を所定時間所定温度に保つインキュベー
    タ、および前記所定時間経過の途中または経過後に前記
    テストフィルムの前記被検査液が点着された部分におけ
    る変化を測定する測定手段を有する生化学分析装置にお
    いて、 前記インキュベータと前記測定手段が、ともに前記点着
    手段による前記テストフィルム上への点着が行なわれる
    位置に設けられていることを特徴とする生化学分析装
    置。
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