JPH0696571B2 - 8α,12−エポキシ−13,14,15,16−テトラノルラブダンの製造方法 - Google Patents

8α,12−エポキシ−13,14,15,16−テトラノルラブダンの製造方法

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JPH0696571B2
JPH0696571B2 JP31451586A JP31451586A JPH0696571B2 JP H0696571 B2 JPH0696571 B2 JP H0696571B2 JP 31451586 A JP31451586 A JP 31451586A JP 31451586 A JP31451586 A JP 31451586A JP H0696571 B2 JPH0696571 B2 JP H0696571B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、アビエチン酸を原料として、目的物質である
8α,12−エポキシ−13,14,15,16−テトラノルラブダン
を製造するための方法に関するものである。
8α,12−エポキシ−13,14,15,16−テトラノルラブダン
は、構造式 で示されるものであって、ケミカルアブストラクト誌の
命名法ではドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチルナ
フト[2・1−b]フランで称されるものであり、慣用
名ではアンブロックスと呼ばれる。
而してこの物質は、優れたアンバー香を有する香料とし
て有用である。
従来の技術 従来、この8α,12−エポキシ−13,14,15,16−テトラノ
ルラブダンは、マヌール又はスクレラオールを原料とし
て製造されているが、これらは共にニュージーランド産
の針葉樹から抽出して得られる物質であり、生産量が少
なく、高価である。
またロジン系の物質を原料として前記物質を製造する方
法としては、出願人が先に出願している特開昭60−5437
7号公報に示された方法が知られている。
この方法は、レボピマール酸を原料とし、酸化して開環
し、さらにエポキシ化して8α,12−エポキシ−13,14,1
5,16−テトラノルラブダンとするものである。
発明が解決しようとする問題点 しかしながらこの方法は、レボピマール酸を原料とする
ため、前記マヌール又はスクレラオールに比べれば安価
ではあるものの、レボピマール酸は、熱、鉱酸等によっ
て容易にアビエチン酸に異性化するため、ロジン中から
レボピマール酸のみを単離するのが困難であり、その利
用効率は必ずしも良いとは言えない。
本発明はかかる事情に鑑みなされたものであって、さら
に安価なアビエチン酸を原料として8α,12−エポキシ
−13,14,15,16−テトラノルラブダンを製造する方法を
提供することを目的とするものである。
問題点を解決する手段 而して本発明は、原料のアビエチン酸を酸化してプロピ
ル基に隣接する二重結合の位置において開環すると共
に、カルボン酸をエステル化して、構造式 (Rはアルキル基) で表わされる化合物とし、その2位のアルデヒド基を分
解して構造式 (Rはアルキル基) で表わされる化合物の混合物となし、次いでその1位の
側鎖を分解し、還元してヒドロキシエチレン基となすと
共に、5位のカルボン酸エステル基をも還元してヒドロ
キシメチレン基となして、構造式 で示される化合物の混合物とし、次いで1位及び5位の
ヒドロキシル基をマスクして紫外線を照射して2位をビ
ニル基とし、さらにその2位を分解して構造式 で示される化合物とし、さらにその1位の側鎖のヒドロ
キシル基と2位のヒドロキシル基との間でオキシド環を
形成し、6位のヒドロキシメチレン基を還元してメチル
基とすることを特徴とするものである。
実施例 以下、本発明の方法を、具体的に工程に従って説明す
る。
本発明においては、原料としてアビエチン酸を使用す
る。アビエチン酸はロジンの主成分として存在するもの
であって、下記の構造式(1)で示されるものであり、
ロジンからアルコール滲出、水蒸気蒸溜等の方法で分離
される。またロジン中のレボピマール酸もアビエチン酸
に異性化せしめ、利用することができる。
先ず、アビエチン酸(1)14g(46mmol)とトリメチル
アミンオキサイド二水和物0.7g(63mmol)とを、ブタノ
ール80mlと水24mlとの混合溶剤に溶解した溶液に、アル
ゴン雰囲気下で四酸化オスミウムのブタノール溶液(1g
/100ml)を室温で加え、20時間加熱還流した後室温まで
放冷する。
次いで、硫酸水素ナトリウムの水溶液(10g/40ml)を添
加し、30分間攪拌した後、減圧濃縮して乾固させる。残
渣に塩化メチレンとメタノールとの混合溶剤(1:1)100
mlを加えて溶解した後、シリカゲル70mlを加えて濃縮し
て乾固させる。
これをシリカゲルクロマトグラフィー(エタノール:n-
ヘキサン=1:5)にかけ、12.96gのジオール混合物を得
た。(収率80%) 得られたジオールの混合物を、そのままエトレン−メタ
ノール混合溶剤(1:1)100mlに溶解し、ジアゾメタンの
エチルエーテル溶液を加えて、定量的に構造式(2)及
び(2′)で示される物質の混合物を得た。
物質(2)及び(2′)の特性は次の通りであった。
物質(2) mp:109〜110℃(エーテル−石油エーテル) PMR(CDCl3):δ5.85(1H,m),3.85(1H,s),3.65(3
H,s) IR(KBr):3400,1725cm-1 分析値:計算値;C72.0,H9.84 実測値;C71.73,H9.84 物質(2′) mp:138〜139℃(エーテル−石油エーテル) PMR(CDCl3):δ5.70(1H,m),4.04(1H,s),3.65(3
H,s) IR(KBr):3400,1725cm-1 分析値:計算値;C72.0,H9.71 実測値;C71.94,H9.88 前記物質の混合物から物質(2)を分離し、当該物質
(2)10.7g(30.7mmol)を無水ベンゼン60mlに溶解
し、攪拌しながら室温で四酢酸鉛15g(33.9mmol)のベ
ンゼン(766ml)溶液を10分間で滴下する。滴下終了後1
5分間攪拌し、さらに飽和重炭酸ナトリウム水溶液を加
えて激しく攪拌する。
次に不溶物をセライト過で除いた後にベンゼン層飽和
食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥濃縮し、構造
式(3)で示される物質を9.57g得た。(収率90%) 物質(3)の特性は、次の通りであった。
PMR(CDCl3):δ9.38(1H,s),6.78(1H,m),3.67(3
H,s) IR(KBr):2700,1720−1700,1695,1621cm-1 MS:m/e 365(M+) ▲[α]D21 D▼:+36.5(c 1.31 CHCl3) 物質(3)154mg(0.445mmol)を無水ベンゼン5mlに溶
解し、エタンジチオール0.19ml(5eq)を加え、触媒と
してp-TsOHを添加して室温で一晩攪拌し、TLCで原料が
殆ど消失したことを確認した後に、酢酸エチルで希釈
し、INの苛性カリ水溶液で3回、合計20mlで洗い、無水
硫酸ナトリウムで乾燥濃縮した後、シリカゲルクロマト
グラフィー(エチルエーテル:n−ヘキサン=1:2)で精
製し、構造式(4)で示される物質140mgを、透明オイ
ルとして得た。(収率75%) 物質(4)の特性は、次の通りであった。
PMR(CDCl3):δ6.20(1H,br),5.07(1H,s),3.64(3
H,s),3.41−3.10(4H,m),1.20(3H,s),1.15(3H,
s),1.07(3H,s),0.80(3H,s) IR(neat):2950,1725,1715cm-1 MS:m/e 424(M+) 物質(4)350mg(0.825mmol)を特級酢酸エチル20mlに
溶解し、ラネーニッケル(W1)のエタノール懸濁液(10
0g/250ml)を加えて室温で激しく攪拌する。20分間隔で
TLCをチェックして、原料が消失するまでラネーニッケ
ルを添加する。
反応が終了したならば直ちにセライト過し、濃縮した
後シリカゲルクロマトグラフィー(エチルエーテル:n−
ヘキサン=1:2)で精製し、構造式(5)及び(5′)
で示される物質の混合物234mgを、透明シロップとして
得た。(収率85%) 物質(5),(5′)の特性は、次の通りであった。
PMR(CDCl3):δ5.30(1H,br),3.62(3H,s)…………
(5) δ4.80(1H,s),4.49(3H,s),3.64(1H,s) …………
(5′) δ1.20(3H,s),1.11(3H,s),1.04(3H,s),0.78(3H,
s) なお物質(5)と(5′)との比率は、ビニル基の水素
が示すδ5.30,δ4.80の積分比から、約3:1と推定され
る。
IR(neat):2950,1720cm-1 MS:m/e 334(M+),316(M+−H2O) 物質(5)と(5′)との混合物234mg(0.7mmol)を無
水塩化メチレン5mlに溶解し、−78℃で2-6ルチジン0.41
ml(5eq)及びトリメチルシリルトリフルオロメタンス
ルホネート0.25ml(2eq)を加え、冷却バスを外して一
晩室温で攪拌する。
その後飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗った後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィ
ー(エチルエーテル:n−ヘキサン=1:10)で精製し、構
造式(6)及び(6′)で示される物質の混合物264.5m
gを、透明シロップとして得た。(収率93%) 物質(6),(6′)の特性は、次の通りであった。
PMR(CDCl3):δ5.20(1H,s) …(6) δ4.56(1H,s) …(6′) δ4.30(1H,t,J=6Hz),3.47(3H,s),1.10(3H,s),0.
87(3H,s),0.80(3H,s),0.67(3H,s) δ4.30のシリルエノールエーテルのビニルプロトンの積
分値が1H分あることから、所望のレギオケミストリーを
有するエノールのみが得られていることがわかる。
物質(6)と(6′)との混合物3.5305g(8.7mmol)を
特級酢酸エチル200mlに溶解し、ピリジン2.6ml(1.3%v
/v)を添加し、−78℃で2.5lのオゾンを120分間吹きこ
み、TCLにて原料が消失したことを確認した後、ジメチ
ルスルフィド0.8ml(1.2eq)を添加して室温まで昇温し
た。
これを濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(エチル
エーテル:n−ヘキサン=1:3)で精製して、構造式
(7)及び(7′)で示される物質の混合物1.189gを、
透明オイルとして得た。(収率49.2%) 物質(7),(7′)の特性は、次の通りであった。
PMR(CDCl3):δ9.86(0.75H,s),9.63(0.25H,s),5.
4(0.75H,s),4.8(0.25H,s),4.4(0.25H,s),3.67(3
H,s),1.06(3H,s),0.8(3H,s),0.72(3H,s) IR(neat):2950,2710,1720,1680,1640cm-1 アルゴン雰囲気下に、水素化リチウムアルミニウム650m
g(4eq)をテトラヒドロフラン10mlに懸濁させ、ここに
氷冷下で前記物質(7)と(7′)との混合物1.189g
(4.28mmol)をテトラヒドロフラン40mlに溶解した溶液
を滴下し、室温で2時間攪拌する。反応が終了したなら
ばセライト過して、構造式(8)及び(8′)で示さ
れる物質の混合物891.5mgを、透明オイルとして得た。
(収率83%) 物質(8),(8′)の特性は、次の通りであった。
PMR(CDCl3):δ5.3(0.75H,s),4.76(0.25H,s),3.7
3(0.25H,s),3.5−2.9(6H,m) IR(neat):3300,2950,1635cm-1 MS:m/e 252(M+),234(M+−H2O) 物質(8),(8′)の混合物334.9mg(1.33mmol)
を、アルゴン雰囲気下に9mlの塩化メチレンに溶解し、
−78℃で0.77mlの2.6-ルチジン(5eq)及びt-ブチルジ
メチルシリルトリフルオロメタンスルホナート(2.6e
q)を添加し、冷却バスを外して2時間攪拌した。
次に塩化メチレンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
して濃縮した後シリカゲルクロマトグラフィー(エチル
エーテル:n−ヘキサン=1:10)で精製し、構造式(9)
及び(9′)で示される物質の混合物604.5mgを、透明
シロップとして得た。(収率94.7%) 物質(9),(9′)の特性は、次の通りであった。
PMR(CDCl3):δ5.4(0.75H,s),4.8(0.25H,s),4.33
(0.25H,s),3.9−2.7(4H,m),0.73(18H,m),0.06(1
2H,s) IR(neat):2950,1635cm-1 MSm/e:481(M++1) 物質(9),(9′)の混合物106mg(0.22mmol)を特
級イソプロパノール20mlに溶解し、ここにキシレン0.4m
lを加えて、氷冷下窒素を吸込みながら、高圧水銀ラン
プで約1時間紫外線照射を行い、溶剤を溜去して、構造
式(10)で示される物質106mgを、黄褐色オイルとして
得た。
物質(10)の特性は、次の通りであった。
PMR(CDCl3):δ5.77(1H,s),5.48(1H,s),3.8−3.3
(2H,m),3.18,2.88(AB,1H,1H,J=10Hz),0.9(18H,
s),0.7(3H,s),0.68(3H,s),0.06(12H,s) CMR(CDCl3):δ148.67,105.83,71.30, 62.35,51.51,47.82,39.63, 38.73,38.09,35.69,27.19, 26.02,25.90,25.32,24.08, 18.87,18.28,17.7,14.94,−5.22,−5.57 IR(neat):2950,1655cm-1 MSm/e:480(M+) ▲[α]24 D▼:+19.5(c 1.0 CHCl3) 物質(10)650mg(1.35mmol)を、特級アセトン39mlに
溶解し、氷冷下に、テトラエチルアンモニウムヒドロキ
サイドの10%水溶液0.2ml(0.2eq)、t-ブチルハイドロ
パーオキサイドの70%水溶液0.4ml(〜3eq)及び、四酸
化オスミウムのt-ブタノール溶液(1g=100ml)1.7ml
(0.05eqを、この順序で加え、反応溶液の色が紫からほ
とんど透明になるまで室温で攪拌する。
然る後、50℃に加温しながら3日間攪拌し、室温に戻し
てから、ジメチルスルフィド0.4mlを加えて濃縮し、シ
リカゲルクロマトグラフィーで分離精製し、構造式(1
1)で示される物質497mgを、淡黄色オイルとして得た。
(収率71%) 物質(11)の特性は、次の通りであった。
PMR(CDCl3):δ4.39(1H,s 3級アルコールの水酸
基),3.9−3.75(1H,s),3.55−3.66(1H,br),3.18,2.
88(AB,1H,1H,J=10Hz),2.4−2.12(1H,br),0.92(9
H,s),0.9(9H,s),0.87(3H,s),0.64(3H,s),0.08
(12H,s) IR(neat):3300,2950cm-1 MSm/e:明白なフラグメントなし ▲[α]24 D▼:+17.8(c 0.94 CHCl3) 物質(11)79.5mg(0.155mmol)を無水ピリジン2mlに溶
解し、氷冷下に、メタンスルホニルクロライド0.155ml
(1.2eq)を添加し、冷却バスを外してそのまま一晩攪
拌する。
続いてピリジンを溜去して、シリカゲルクロマトグラフ
ィー(エチルエーテル:n−ヘキサン=1:1)で精製し、
構造式(12)で示される物質73mgを、淡黄色オイルとし
て得た。(収率80%) 物質(12)の特性は、次の通りであった。
PMR(CDCl3):δ4.32(1H,s),4.31,4.21(AB,1H,1H,J
=11Hz),3.84−3.66(1H,m),3.16,2.86(AB,1H,1H,J
=10Hz),3.07(3H,s),0.90(9H,s),0.87(9H,s),0.
80(3H,s),0.64(3H,s),0.06(12H,s) IR(neat):3300,2950cm-1 MSm/e:明白なフラグメントなし ▲[α]24 D▼:+3.24(c 1.04 CHCl3) 物質(12)70mg(0.199mmol)を無水テトラヒドロフラ
ン3mlに溶解し、アルゴン雰囲気下に、リチウムヘキサ
メチルジシラジドのテトラヒドロフラン溶液を1.2等量
加え、室温で1時間攪拌した。
次いで0.5規定クエン酸水溶液を1滴加え、テトラヒド
ロフランを溜去した後、クロロホルムで抽出して無水硫
酸ナトリウムで乾燥し濃縮した後、シリカゲルクロマト
グラフィー(エチルエーテル:n-ヘキサン=1.5)で精製
し、構造式(13)で示される物質58mgを、透明オイルと
して得た。
物質(13)の特性は、次の通りであった。
PMR(CDCl3):δ3.70−3.50(2H,m),3.20,2.90(AB,1
H,1H,J=9.5Hz),2.76,2.48,2.76,2.48(AB,1H,1H,J=
4.5Hz),0.91(9H,s),0.89(9H,s),0.82(3H,s),0.7
0(3H,s),0.08−0.01(12H,m) IR(neat):2950cm-1 MSm/e:496(M+),481(M+−Me) ▲[α]22.5 D▼:+15.1(c 1.02 CHCl3) リチウムアルミニウムハイドライド13mg(5eq)をアル
ゴン雰囲気下無水テトラヒドロフラン1mlに懸濁させ、
そこに物質(13)32mg(0.067mmolを無水テトラヒドロ
フラン2mlに溶解したものを氷冷下で滴下し、10分間そ
のまま攪拌した後過熱還流し、6時間後に室温に戻し、
硫酸ナトリウム(10水塩)で過剰の試薬を反応させ、セ
ライト過して、構造式(14)で示される物質25.5mg
を、透明オイルとして得た。(収率80%) 物質(14)の特性は、次の通りであった。
PMR(CDCl3):δ3.88−3.28(3H,m),3.20,2.90(AB,1
H,1H,J=9Hz),1.18(3H,s),1.18(3H,s),0.90(18H,
s),0.81(3H,s),0.68(3H,s),0.33(12H,s) IR(neat):3350,2950cm-1 ▲[α]24 D▼:+1.41(c 1.08 CHCl3) 物質(14)81.5mg(0.164mmol)をテトラヒドロフラン8
mlに溶解し、氷冷下で6規定塩酸1.6mlを加え、1時間
攪拌した後重炭酸ナトリウムを加えて中和し、構造式
(15)で示される物質の粗生成物を得た。
物質(15)の粗生成物68.5mgをアルゴン雰囲気下に無水
ピリジン3mlに溶解し、メシチレンスルホニルクロライ
ド61mgを添加し、2日間室温で攪拌し、溶媒を溜去した
後シリカゲルクロマトグラフィー(エチルエーテル:n-
ヘキサン=4:1及び、アセトン:n-ヘキサン=1:1)で精
製し、構造式(16)で示される物質36mgを、白色結晶と
して得た。
物質(16)の特性は、次の通りであった。
PMR(CDCl3):δ3.96−3.6(2H,m),3.50,3.16(AB,1
H,1H,J=10.5Hz),2.44(1H,s),1.1(3H,s),0.88(3
H,s),0.8(3H,s) IR(KBr):3400,2950cm-1 MS:252(M+),237(M+−CH3) ▲[α]24 D▼:−6.32(c 1.03 CHCl3) 分析値:計算値;C76.14,H11.19 実測値;C76.44,H11.29 物質(16)5mg(0.0198mmol)を、アルゴン雰囲気下にD
ME1mlに溶解し、無水テトラエチルエチレンジアミン0.2
5mlを添加し、−78℃でn-ブチルリチウム0.02ml(1.51m
mol/ml)(1.5eq)を滴下し、10分間攪拌した後ジメチ
ルアミノホスホリックジクロライド0.011ml(5eq)を滴
下し、室温で2時間攪拌した後、ドライアイスコンデン
サーを用いて無水ジメチルアミンを0.15ml滴下し、さら
に室温で一晩攪拌する。続いて溶媒を溜去し、酢酸エチ
ルで抽出してシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、
構造式(17)で示されるホスホルアミデートの粗生成物
8mgを得た。
次に、アルゴン雰囲気下に2系ナルコルベンにリチウム
を入れておき、そこへドライアイスコンデンサーを用い
て無水エチルアミンを約2ml滴下し、−78℃で、前記ホ
スホルアミデート(17)の粗生成物を無水テトラヒドロ
フラン0.5mlとt-ブタノール0.005mlとの混合溶剤に溶解
したものをシリンジで滴下して冷却バスを外し、室温で
1時間攪拌する。
次いで塩化アンモニウムで過剰のリチウムを反応させた
後、綿栓過し、エチルエーテルで抽出してシリカゲル
カラム(エチルエーテル:n-ヘキサン=1:4)で精製し、
4mgの8α,12−エポキシ−13,14,15,16−テトラノルラ
ブダンを透明な結晶として得た。(物質(16)に対する
収率86%) 得られた物質の特性は、次の通りであった。この結果は
既知の8α,12−エポキシ−13,14,15,16−テトラノルラ
ブダンの特性と完全に一致している。
mp:73〜74℃ IR(neat):1010cm-1 分子量:236 13C−NMR:79.7ppm 64.8ppm(C−12,−CH2−O−)、 33.6ppm(C−18,−CH3) 作用 本発明においては、先ずアビエチン酸の二重結合を酸化
すると共にカルボン酸をエステル化し、さらにその骨格
を前記二重結合の位置で開環することにより、構造式
(3)で示される物質が得られる。
次に、当該開環により生じた2位のアルデヒド基を分解
してメチル基とすることにより、構造式(5′)の物質
とすると共に、当該メチル基のプロトンがそのメチル基
に隣接する二重結合に転移し、前記物質(5′)の異性
体である構造式(5)で示される物質も生じ、その両者
の混合物が得られる。
次に、この物質(5)及び(5′)を混合物のまま処理
し、1位の側鎖を分解してホルミルメチレン基となし、
さらにこれを還元してヒドロキシエチレン基となすと共
に、5位のエステルをも還元してヒドロキシメチレン基
となし、構造式(8)及び(8′)で表わされる物質の
混合物が得られる。
次に、1位及び5位のヒドロキシル基をマスクし、紫外
線を照射することにより、2位がビニル基となり、構造
式(10)で示される物質が得られる。而してこの2位の
ビニル基を酸化し、分解して2位にメチル基及びヒドロ
キシル基を形成し、マスクを除去して構造式(15)で示
される物質が得られる。
而して1位の側鎖端末のヒドロキシル基と2位のヒドロ
キシル基とでオキシド環を形成し、5位のヒドロキシル
基を還元することにより、8α,12−エポキシ−13,14,1
5,16−テトラノルラブダンが得られるのである。
発明の効果 本考案は安価なロジンの主成分であって大量に含まれる
アビエチン酸を原料とし、さらにそのロジン中に多量に
含まれるレボピマール酸をも容易にアビエチン酸に異性
化することにより利用することができるので、安価に製
造することができると共に、高収率で8α,12−エポキ
シ−13,14,15,16−テトラノルラブダンを製造すること
ができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アビエチン酸を酸化してプロピル基に隣接
    する二重結合の位置において開環すると共に、カルボン
    酸をエステル化して構造式 (Rはアルキル基) で表わされる化合物とし、その2位のアルデヒド基を分
    解して構造式 (Rはアルキル基) で表わされる化合物の混合物となし、次いでその1位の
    側鎖を分解し、還元してヒドロキシエチレン基となすと
    共に、5位のカルボン酸エステル基をも還元してヒドロ
    キシメチレン基となして、構造式 で示される化合物の混合物とし、次いで1位及び5位の
    ヒドロキシル基をマスクして紫外線を照射して2位をビ
    ニル基とし、さらにその2位を酸化し、分解して構造式 で示される化合物とし、さらにその1位の側鎖のヒドロ
    キシル基と2位のヒドロキシル基との間でオキシド環を
    形成し、6位のヒドロキシメチレン基を還元してメチル
    基とすることを特徴とする、8α,12−エポキシ−13,1
    4,15,16−テトラノルラブダンの製造方法
JP31451586A 1986-12-24 1986-12-24 8α,12−エポキシ−13,14,15,16−テトラノルラブダンの製造方法 Expired - Lifetime JPH0696571B2 (ja)

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