JPH069613Y2 - 超音波プローブ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は例えば凸面状に配設された振動子を順次走査
して得られた体内超音波診断画像に基づいて医用診断を
行う超音波プローブ、特に走査信号を伝送するケーブル
と振動子との接続に関する。

［従来の技術］ 超音波プローブは超音波ビームが放射される凸面状に配
設された振動子と、これら振動子に接続される多芯ケー
ブルよりなり、超音波プローブは診断部位の体表皮に配
置したり体内診断部位に挿入して、凸面状に配設された
振動子を走査して体内の広い部位に亙り超音波ビームを
放射する。体内臓器の組織からの反対信号を超音波断層
画像としてその臓器の組織や組織境界部が表示され、画
像表示を観測して診断が行われている。

超音波プローブにおける凸面状に配設された複数の振動
子は、シールド被覆された多芯線よりなるケーブルと接
続され伝送された走査信号により励振される。複数の振
動子は順次選択され同時励振されて超音波ビームを形成
し、全ての振動子に亙り走査が行われて生体内の広い部
位に亙り順次超音波ビームが放射される。

ケーブルの芯線をそれぞれ個別に被覆するシールドは一
点接地されており、振動子とケーブルの配置により振動
子へ配線される芯線の露出寸法が長くなり、接地される
シールドの長さも不均一になる。

［考案が解決しようとする課題］ 従来の超音波プローブは上記のように構成され、扇状走
査を行い生体内視野の広い部位に亙る各種臓器の画像表
示に用いられている。しかしケーブルの芯線を被覆する
シールドは一点接地が行われ、それぞれ芯線が接続され
るランド位置が異なるので芯線の露出寸法が長くなり、
且つシールドの配線長も不均一になるので雑音誘導を受
け易く更に配線作業に時間を要する。プローブ内におけ
る複数の振動子とケーブルとの接続には保守点検を容易
にするためコネクタを介して行われることがあり、コネ
クタを収納するにはプローブの寸法が大きくなり、婦人
科における子宮内診断のように体内へ挿入して用いられ
る場合は、寸法の小さいことが要求されるので利用でき
ないという問題点があった。

この考案はかかる問題点を解決するためになされたもの
で、振動子とケーブルとの接続は接続ボードを介して行
われ、芯線の露出寸法が小さく且つシールドの接地線が
短く、接地効果にすぐれ干渉雑音の影響が小さく、配線
作業が短時間に行え、プローブ寸法が小さくなり体内各
種部位の診断が容易に行える超音波プローブを得ること
を目的とする。

［課題を解決するための手段］ この考案に係わる超音波プローブは、凸面状に配設され
超音波ビームを放射する複数の振動子を順次走査する信
号を伝送するシールド被覆された多芯線よりなるケーブ
ルを備えたものにおいて、上記振動子へ接続される配線
パターンを有するランドを一方の面に設け上記ランドの
スルーホールの周縁部と電気的に隔離された導体部を他
方の面に有する合成樹脂材よりなる接続ボードを備え、
ケーブルから各々シールド被覆された芯線が上記スルー
ホールが設けられたランドへ接続されると共にその各シ
ールドは上記導体部へ接続される。

［作用］ この考案においては、凸面状に配設され超音波ビームを
放射する振動子とケーブルとの接続は接続ボードを介し
て行われ、接続ボードは一方の面に配線パターンを有す
るランドと、他方の面にランドからのスルーホールを電
気的隔離した導体部が設けられているので、 ケーブルの芯線とシールド被覆は接続ボードのランドと
導体部へそれぞれ配線され、振動子と接続ボードの配線
パターンは直接配線できるので、複数の接続ボードを用
いての振動子への配線は短時間に行える。

芯線の露出寸法が小さく且つシールドの接地線も短くで
きるので接地効果が改善され、干渉雑音の影響が小さく
鮮明な画像表示が得られ更にプローブ寸法が小さくでき
る。

［実施例］ 本考案の一実施例を添付図面を参照して詳細に説明す
る。

第１図はこの考案の一実施例を示す正面図、第２図は第
１図の背面図、第３図は接続ボードの一例を示す要部断
面図を示し、 図において、１は凸面状に配設された振動子、２は振動
子へ走査信号を伝送するケーブル、３はケーブル２を構
成する芯線、４は芯線３を被覆するシールド、５は振動
子１とケーブル２へ接続される接続ボード、６は接続ボ
ード５の一方の面に設けられ振動子１へ個別に接続され
る配線パターン、７は配線パターンに接続されるラン
ド、８は接続ボード５の多方の面に設けられた導体部、
９は接続ボード５の両面に設けられたランド７を接続す
るスルーホールを示している。

上記のように構成された超音波プローブにおいて、凸面
状に配設された複数の振動子１は接続ボード５のそれぞ
れの配線パターン６へ接続される。接続ボード５上の配
線パターン６は、例えば可撓性を有する合成樹脂材上に
複数の当該振動子１への配線が高密度に形成され、且つ
接続ボード５は小型寸法をなしている。シールド４被覆
された多数の芯線３よりなるケーブル２の芯線３は、接
続ボード５のスルーホール９が設けられたランド７へま
たそのシールド４はランド７と電気的に隔離された導体
部８へ短い寸法にてそれぞれ接続される。従って配線パ
ターン６へ接続されるランド７まではシールドされた芯
線３が配線され、接続ボード５は寸法が小さいので、ラ
ンド７から振動子１までの配線パターン６による露出寸
法が小さくでき、シールド４の接地線も短くできるので
接地効果が向上する。従ってシールド効果がすぐれ干渉
雑音の影響が軽減できる。

また振動子１への配線には接続ボード５が複数用いられ
るが配線作業は簡単且つ確実に行うことができる。従っ
て干渉雑音が軽減され鮮明な画像表示が行える。

第４図は接続ボード配線の一例を示す側面図、第５図は
第４図の上面図を示し、複数の振動子１とケーブル２と
の接続には高密度の配線パターン６を有する複数の接続
ボード５が用いられ、接続ボード５は更に可撓性をなす
合成樹脂材よりなるとき、振動子１への接続の自由度が
得られるので効率よく配線作業が行える。複数の接続ボ
ード５は振動子１が配設される方向に併設され小さい容
積内に収納できる。

第６図はこの考案に係わる超音波プローブの一例を示す
外形図、図において１、２、５は上記実施例と同一であ
り、１０は振動子１ならびに接続ボード５を保持するプ
ローブ、１１はプローブ１０の把手を示している。

凸面状に配設された振動子１ならびに接続ボード５は小
形にできるのでプローブ１０の外形寸法が小さくでき
る。

把手１１の操作により小形寸法のプローブ１０は容易に
診断部位に配置または診断部位に挿入されて、扇状の走
査を行わせることにより広い部位に亙り雑音などの干渉
の少ない鮮明な診断画像が得られる。またプローブ１０
の寸法が小さいので各種の診断部位に適合できる。

上記例は振動子１が凸面状に配列している場合を示して
いるが、振動子１が直線状に配列されたときにも同様に
利用できる。

［考案の効果］ この考案は以上説明したとおり、凸面状に配設された振
動子と走査信号を伝送する多芯ケーブルとの接続が接続
ボードを介して行われる簡単な構造により、可撓性を有
する合成樹脂材よりなる接続ボードは一方の面に高密度
配線パターンを有するランドと、他方の面に導体部が形
成されて小形寸法にできる。

ケーブルと振動子との接続は近接した位置で接続ボード
を用いて行われてケーブルから各々シールド被覆された
芯線が接続ボードのランドへ接続されると共にその各シ
ールドは接続ボードの導体部へ接続され、且つランドか
ら振動子までの露出寸法が小さくシールドと導体部との
接地線も短くできるので配線作業が簡単になり、接地効
果ならびに遮蔽効果が向上され干渉雑音の影響が軽減で
きる。

走査される超音波の視野が拡大でき干渉雑音が軽減され
た鮮明な表示画像を観測しつつ、異常部位の診断が正し
く行える。プローブの寸法が小さくできるので各種部位
の診断に利用できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す正面図、第２図は第
１図の背面図、第３図は接続ボードの一例を示す要部断
面図、第４図は接続ボード配線の一例を示す側面図、第
５図は第４図の上面図、第６図はこの考案に係わる超音
波プローブの一例を示す外形図である。 図において、１は振動子、２はケーブル、３は芯線、４
はシールド、５は接続ボード、６は配線パターン、７は
ランド、８は導体部、９はスルーホール、１０はプロー
ブ、１１は把手である。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】凸面状に配設され超音波ビームを放射する
   複数の振動子を順次走査する信号を伝送するシールド被
   覆された多芯線よりなるケーブルを備えた超音波プロー
   ブにおいて、 上記振動子へ接続される配線パターンを有するランドを
   一方の面に設け上記ランドのスルーホールの周縁部と電
   気的に隔離された導体部を他方の面に有する合成樹脂材
   よりなる接続ボードを備え、ケーブルから各々シールド
   被覆された芯線が上記スルーホールが設けられた上記ラ
   ンドへ接続されると共にその各シールドは上記導体部へ
   接続されることを特徴とする超音波プローブ。