JPH0695996B2

JPH0695996B2 - 皮膚表面色調解析方法及び装置

Info

Publication number: JPH0695996B2
Application number: JP2622289A
Authority: JP
Inventors: 宰小山内; 通雄河合
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1989-02-04
Filing date: 1989-02-04
Publication date: 1994-11-30
Anticipated expiration: 2009-11-30
Also published as: JPH02206426A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、皮膚表面色調解析方法及び装置、詳しくは、
人体、動物等の皮膚表面の色調、特に人体の皮膚表面の
色調及びシミ、ソバカス等、即ち、皮膚表面の状態の解
析評価を行う皮膚表面色調解析方法及び装置に関する。
従って、本明細書で「色調解析」という場合、「皮膚の
色調」のみならず「皮膚の表面状態」の種々の解析を意
味することもある。

〔従来の技術〕

従来より、皮膚の表面状態、特にシミ、ソバカス等を観
察するために、照射光として紫外線を用いることが行わ
れている。

また、一層鮮明な皮膚表面の画像を得るために、皮膚表
面のレプリカを作成し（例えばGC-SURFLEX−Ｆ而至歯
科工業株式会社）、皮膚表面の凹凸像を不透明物質に写
し取りそれを実体顕微鏡などで拡大観察したり、また顕
微鏡にビデオカメラ、Ａ−Ｄコンバーター、情報処理装
置をつけることにより皮膚の表面形態を解析することが
行われてきた（例えば、特開昭60-53121号公報）。

また、特開昭63-161935号公報には、偏光レンズを組込
んだ、肌荒れの定量化測定装置が記載されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、照射光として、紫外線を光源に用いる方法は、
シミ、ソバカス等を検出、観察出来るが皮膚に悪影響を
及ぼす。また特開昭60-53121号公報に記載の手段による
場合、レプリカを介しての間接観察になるため、精度に
欠ける上、レプリカ作成に時間・手間を要し且つレプリ
カの作成に際して被験者に不快感を与える等の問題があ
る。

また、皮膚表面及び化粧目的に適合した化粧料を選択す
る上で、皮膚表面の色調及びシミ、ソバカス等を検出、
観察し、皮膚表面の状態を出来る丈正確に把握して置く
ことが重要であるが、上述の手段による場合、皮膚表面
の色調及びシミ、ソバカス等を正確に検出、観察するこ
とは困難であった。

また、皮膚表面の色調を測定する方法として、色差計を
用いる方法があるが、色差計を用いる方法は、測定した
い皮膚表面部分を肉眼で定め、直接検知部分を皮膚に押
し当て、色調を測定するものであるため、皮膚表面の微
細な部位を選択し、所望の部位の色調を選択的に測定す
ることは不可能であり、精度の低いものである。

また、特開昭63-161935号公報に記載の装置は、測定時
における皮膚の光沢を分離除去することにより肌荒れの
定量化測定を精度良く行うために偏光レンズを組込んだ
もので、皮膚のシミ、ソバカス等の検出、観察を行うこ
とについては、何等考慮されておらず、この装置による
場合、皮膚映像は、カラー画像として得る必要はなく、
モノクロの濃淡画像が適している。

従って、本発明の主たる目的は、皮膚に悪影響を及ぼさ
ずにシミ、ソバカス等をカラー画像として容易且つ正確
に検出、観察できる皮膚表面色調解析方法及び装置を提
供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者らは、上記目的を達成すべく種々検討した結
果、第一及び第二の２つの偏光フィルターを用い、先ず
第一の偏光フィルターを通過させた照射光で皮膚表面の
所定部位を照射させた後、照射された皮膚表面像を、そ
の表面からの直接反射光を第二の偏光フィルターでカッ
トしてからカラー撮影すると、第二の偏光フィルターで
偏光させないでカラー撮影した場合には観察が困難であ
ったシミ、ソバカス等が明瞭にカラー撮影ができること
を知見した。

本発明は、上記知見に基づきなされたもので、皮膚表面
の所定部位を第一の偏光フィルターを通過させた照明光
により照明し、照明された皮膚表面像を第二の偏光フィ
ルターを通して撮像装置によりカラー撮影し、該撮像装
置からの皮膚表面のカラー画像信号をテレビモニターに
静止画像として写し出し、該静止画像を観察することに
より上記皮膚表面の所定部位の状態を解析する方法であ
って、上記のカラー撮影を行うに際し、上記第一の偏光
フィルターと上記第二の偏光フィルターとの位置関係を
変えることを特徴とする皮膚表面色調解析方法を提供す
るものである。

また、本発明は、上記皮膚表面色調解析方法の実施に用
いられる好ましい解析装置として、皮膚表面の所定部位
をその全周囲方向から第一の偏光フィルターを通して照
射するリング状照明装置、該リング状照明装置により照
明された皮膚表面像を第二の偏光フィルターを通してカ
ラー撮影する撮像装置、及び該撮像装置からの皮膚表面
のカラー画像信号の表示手段を具備してなり、上記第一
の偏光フィルターは中央に同心円の中空部を有する円板
形状をしており、上記第二の偏光フィルターは円板形状
でその軸心を上記第一の偏光フィルターの軸心に一致さ
せて配してあり、上記第二の偏光フィルターの偏光面の
位置を、上記第一の偏光フィルターの偏光面に対して変
更自在になしてあることを特徴とする皮膚表面色調解析
装置を提供するものである。

〔作用〕

本発明の皮膚表面解析方法によれば、第一の偏光フィル
ターを通過して偏光された照射光によって皮膚表面の所
定部位が照射され、照射された皮膚表面像は第二の偏光
フィルターを通してカラー撮影され、その際、第二の偏
光フィルターの偏光面を第一の偏光フィルターの偏光面
に対して直角に位置させることにより、皮膚表面からの
直接反射光がカットされて皮膚表面像がカラー撮影さ
れ、その結果、シミ、ソバカス等が明瞭にカラー撮影さ
れる。

〔実施例〕

以下、先ず本発明の皮膚表面色調解析装置を、その実施
例について図面を参照しながら説明する。

尚、本発明の装置は、シミ、ソバカス等に検出、観察す
る上では、第１図における光線Ｌ、ビデオカメラ10及び
テレビモニター５以外の装置等は不要であるが、光線
Ｌ、ビデオカメラ10及びテレビモニター５以外の装置を
第１図に示す実施例における如く組合せることにより、
即ち、撮像装置からの皮膚表面のカラー画像信号を皮膚
表面の色調を表すデジタル信号に変えるデジタル信号発
生装置、並びに上記デジタル信号の記憶手段、その演算
手段、その表示手段及びそれらの制御手段を含む情報処
理装置を具備させることにより、皮膚表面の色調を、皮
膚以外の部分の影響を受けることなく直接的に高精度で
短時間に行うことが可能となる。

従って、以下においては、本発明の装置以外の装置を含
めて本発明を説明する。

第１図は、本発明の一実施例の概要をその使用態様と共
に示すブロック図、第２図は、第一及び第二の偏光フィ
ルターを組込んだ、リング状照明装置を備えた撮像装置
の一例であるビデオカメラの一例の要部を切欠して示す
縦断側面図である。

第１図において、10は、リング状照明装置（光ファイバ
ー型）１、拡大対物レンズ系11及び第一、第二の偏光フ
ィルター12,13を備えたビデオカメラ（カラー３管式も
しくは３板式のもの）で、第一の偏光フィルター12を通
過したリング状照明１からの照明光によって皮膚表面の
所定部位をその全周囲方向から照射し得るようになして
あり、照明された皮膚表面像は、第二の偏光フィルター
13により偏光処理が行われあるいは行われずに、拡大対
物レンズ系11により拡大された後、ビデオカメラ10の撮
像装置によりカラー撮影されるようになっている。そし
て、ビデオカメラ10からの皮膚表面の画像信号を、テレ
ビモニター５に静止画像として写し出せるようになして
ある。また、上記画像信号は、必要に応じ、ネガポジ反
転器２により反転後テレビモニター５に写し出し得るよ
うにもなしてある。また、図示していないが、テレビモ
ニター５の画像は必要に応じ、カラービデオプリントシ
ートにプリントできる機構を備えてある。

また、３はデジタル信号発生装置を構成するＡ−Ｄコン
バーター、４は情報処理装置で、ネガポジ反転器２は必
要に応じビデオカメラ10からの画像信号を反転させるこ
とにより皮溝等を明確化し得るものであるが、皮膚表面
の色調の測定においては、通常ネガポジ反転器２を必要
としない。従って、通常、ビデオカメラ10からの画像信
号は、反転されずにＡ−Ｄコンバーター３によりデジタ
ル信号化された後、情報処理装置４に入力されるように
なしてある。

そして、上記情報処理装置４には、上記デジタル信号の
記憶手段８、その演算手段、その表示手段（CRT表示装
置７）及びそれらの制御手段を含むカラー画像処理ユニ
ット６が付いており、入力された上記デジタル信号の画
像をCRT表示装置７により肉眼観察し得るようになして
あり、且つ皮膚表面上の任意の部分を画面上で指定し、
指定された範囲のデジタル信号の画像を３色（R.G.B.）
に分光し、それぞれの反射光の強度を演算し、皮膚表面
の色調を測定し得るようになしてある。またこの時情報
処理装置４に入力される信号あるいは演算後の信号を外
部メモリー８に保存しておき、必要に応じ他の皮膚表面
の画像と比較できるようになっており、また上記CRT表
示装置７に表示される画像をプリンター９によりプリン
トできるようになっている。尚、CRT表示装置７に例え
ば四分割画像を表示できるようにしておくことにより異
なる皮膚表面の画像、例えば年代の異なる女性それぞれ
の皮膚表面の画像の比較を容易且つ正確に行うことがで
きる。

上記実施例で用いたリング状照明装置１を装備したビデ
オカメラ（画像装置）10について詳述すると、ビデオカ
メラ10は、外観上は第２図に示す如く、円筒状本体部21
と円筒状導光部23と、それらを結合する円筒状回転部22
とからなっており、円筒状本体部21の先端部と円筒状回
転部22の後端部、及び円筒状導光部23の後端部と円筒状
回転部22の先端部は、何れも該回転部22を外側にしてそ
れぞれ螺合している。そして、円筒状本体部21の後端部
からは、光源Ｌに通じる光ファイバーｇの束がチューブ
Ｔを通して導出され且つ皮膚表面のカラー画像信号をテ
レビモニター５に送るための信号ケーブルＷが導出され
ており、また、円筒状導光部22の先端部は皮膚表面に当
接される観察孔部24となしてある。リング状照明装置１
は、ビデオカメラ10の円筒状本体部21の先端部の内周に
一定巾にわたって装着されており、各光ファイバーｇの
先端がビデオカメラ10の光軸と同軸の円周状をなすよう
に且つ各光ファイバーｇの向きが該光軸と同一方向とな
るように配設することにより光ファイバーｇは円形の光
照射先端を形成している。

また、前記円筒状導光部22の後端部の内壁には、該内壁
に沿って且つ前記リング状照明装置１の光ファイバーｇ
の照射先端前面に対応させて第一の偏光フィルター12が
配設されている。この偏光フィルター12は、全体形状が
同心円の中空部を有する円板形状で、その軸心がビデオ
カメラ10の光軸と同軸をなすように配置され、光ファイ
バーｇの照射先端から照射された照射光Ｒが第２図に示
す如く該偏光フィルター12を通過して観察孔部24におい
て円柱面状に集光され、観察孔部24内において当接され
た皮膚表面をその全周囲方向から照明するようになって
いる。

また、第２図に示す如く、筒状本体部21の先端部近傍の
中央には、拡大対物レンズ系11がビデオカメラ10の光軸
に中心を一致させて配設してあり、該拡大対物レンズ系
11の前方には第二の偏光フィルター13が配設してあり、
観察孔部24内において、第一の偏光フィルター12を通過
した照射光により照射された皮膚表面像は、必ず第二の
偏光フィルター13を通過してから拡大対物レンズ系11を
経て本体部21内に装備された撮像装置によりカラー撮影
され、撮影された皮膚表面像はカラー画像信号として信
号ケーブルＷからテレビモニター５に送られるようにな
してある。

本発明の装置は、上述の如く構成されているため、本体
部21、回転部22及び導光部24相互間の距離関係及び角度
を回転部22を回転させることにより調整できるから、第
一の偏光フィルター12の偏光面と第二の偏光フィルター
13の偏光面との角度を変えることにより第二の偏光フィ
ルター13を通過する反射光に偏光をかけて反射光の一
部、例えば直接反射光をカットすることができ、また上
記観察孔部24を皮膚表面に当接した際に該皮膚表面に焦
点が合うように、対向レンズ等11の焦点に合わせを行う
ことも可能である。

第一の偏光フィルター12及び第二の偏光フィルター13と
しては、皮膚表面の所定部位を第一の偏光フィルター12
を通過させた照明光により照明し、照明された皮膚表面
像を第二の偏光フィルター13を通して撮像装置によりカ
ラー撮影する上で支障のないものであれば特に制限され
ず、またそれらの配置関係も両偏光フィルター12、13が
同軸上に配設され両者の位置関係（角度）を適宜調整可
能になしてあれば実施例に制限されるものではない。

また、上記本体部21、回転部22及び導光部23相互の螺合
部の表面近傍に、適宜角度目盛を付して置けば、第一の
偏光フィルター12の偏光面と第二の偏光フィルター13の
偏光面との角度調節を行う上で便利である。

上記拡大対物レンズ系11としては、皮膚表面に応じて、
該皮膚表面の色調を解析し易い適宜な大きさに拡大し得
るものが選択使用される。

また、上記リング状照明装置１は、その照射角度を皮膚
表面に対して30°〜90°となるように設けるのが好まし
い。

尚、上記光源Ｌは、特に制限されたものではなく、例え
ば色温度3000°K,30Wのハロゲンランプや、キセノン，
タングステンランプ等が用いられる。また、光ファイバ
ーｇも、その径や束の大きさに制限されるものではな
く、例えば径50μのものを略直径5mmの束にしたものが
用いられる。また、拡大対物レンズ系11は、皮膚表面に
焦点が位置するように、長焦点深度を有するもので、倍
率60〜400倍のものを用いるのが好ましい。

また、本発明で用いられるリング状照明装置１は、第一
の偏光フィルター12を通して、皮膚表面の所定部位を、
その全周方向から照明できるものであればその形状、構
造等に制限されない。

次に、第１図及び第２図に示す実施例の装置による本発
明の解析方法の好ましい実施態様を、人体の皮膚表面の
色調の解析に適用した場合について第１図を参照しなが
ら説明する。

尚、本発明の方法は、第一の偏光フィルター12を通過し
た照明光により照明された皮膚表面像を第二の偏光フィ
ルター13を通して撮像装置によりカラー撮影し、該撮像
装置からの皮膚表面のカラー画像信号をテレビモニター
５に静止画像として写し出すもので、その結果、シミ、
ソバカス等を検出、観察できるが、以下には第１図に示
す実施例の装置全体を用いた場合、即ち、撮像装置から
の皮膚表面のカラー画像信号をデジタル信号発生装置に
より皮膚表面の色調を表すデジタル信号に変えて情報処
理装置に入力し、入力されたデジタル信号のカラー画像
をCRT表示装置に表示させた後、CRT表示装置に表示され
たカラー画像を肉眼観察することにより、該カラー画像
の任意の部分を画面上で指定し、指定した部分のカラー
画像信号を、上記デジタル信号の記憶手段、その演算手
段、その表示手段及びそれらの制御手段を含む上記情報
処理装置により解析する皮膚表面色調解析方法も含めて
説明する。

先ず、ビデオカメラ10の観察孔部24を、第１図に示す如
く、解析対象の皮膚表面に当接させ、光源Ｌからの光を
リング状照明装置１の光ファイバーｇにより導きその先
端から照射する。その結果、照射光は導光部23内に設け
た偏光フィルター１を通過して観察孔部24内の皮膚表面
をその全周囲方向から照明する。そして照明された皮膚
表面像は、偏光フィルター13を通して拡大対物レンズ系
11により拡大された後、カラー画像信号として信号ケー
ブルＷによりテレビモニター５に送られ、そこで静止画
像として写し出される。この際、回転部22を回転さるこ
とにより、第二の偏光フィルター13を通過する反射光を
偏光させることができるから、第一の偏光フィルター12
の偏光面に対して第二の偏光フィルター13の偏光面を90
°回転させれば、第一の偏光フィルター12を通過した照
射光の直接反射光を第二の偏光フィルター13ですべてカ
ットでき、その結果、皮膚表面の散乱反射光のみが第二
偏光フィルター13を通過することになり、シミ、ソバカ
ス等を明瞭にカラー撮影できる。また、第二偏光フィル
ター13により偏光をかけなければ、即ち第二の偏光フィ
ルター13の偏光面を第一の偏光フィルター12の偏光面と
合わせておけば、皮膚表面像を再現性良くカラー撮影で
きる。更に、回転部23の回転角度を変えることにより偏
光度合を種々代えてカラー撮影することもできるから、
皮膚表面の同一所定部位について２以上の静止画像をテ
レビモニター５に写しだすことも出来る。そして、テレ
ビモニター５に静止画像として写し出された皮膚表面の
カラー画像をプリントすれば、第二の偏光フィルター13
による偏光前の画像と偏光後の画像とを直接的に比較観
察することもできる。

尚、上記の回転部23の回転により、第一の偏光フィルタ
ーと第二の偏光フィルター13との位置関係を変えずに焦
点合わせすることも可能である。

また、シミ、ソバカスの検出、観察に加えて、皮膚表面
の色調解析をする場合には、ビデオカメラ10によって撮
影された皮膚表面のカラー画像信号は、Ａ−Ｄコンバー
タ３によりデジタル信号化された後、情報処理装置４に
入力される。この際、ビデオカメラ10からの画像信号
を、必要に応じてテレビモニター５に写し出すことによ
り、解析すべき皮膚表面の部位の変更や焦点合わせを行
うことができる。

そして、情報処理装置４に入力された上記デジタル信号
の画像を、CRT表示装置７により肉眼観察し、この肉眼
観察により、皮膚表面の色調の測定に悪影響を及ぼすと
判断される部位、例えばホクロや毛の濃い部分等の部位
（測定除外部位）を除外し、該測定除外部位以外の部位
の色調について情報処理装置４を通して測定する。

上記の皮膚表面の色調測定法をその好ましい態様につい
て詳述すると、測定すべき皮膚表面の範囲をCRT表示装
置７の画面中央部に表示し（倍率30〜500倍として表示
するのが好ましい）、該画面中央部の10〜1,024（横方
向）×10〜1,024（横方向）ケ所（10²〜10⁶区画）のう
ち、上記の測定除外部位（区画）の測定を除外し、それ
以外の部位（区画）の画像について、それぞれRGBの３
成分に分光し、各区画におけるそれぞれの分光成分の強
度を測定し、それらの測定値を平均して各分光成分の反
射光の強度を算出し、算出した３成分の強度の測定値に
より皮膚表面の色調を測定する。

尚、情報処理装置４の画像処理ユニット６には、予め肉
眼観察による測定除外部位の指定、３成分の分光操作、
測定除外部位以外の各区画の各分光成分の反射光の強度
の測定及びそれら平均値の算出等に必要なデータが入力
されており、上記の色調測定操作は、これらのデータを
利用して行われるものである。また、上記の各区画の分
光強度の測定は、通常、各強度を64〜1,24段階、例えば
256段階（数字の大きい程強度が大）に分けて行い、そ
れぞれ各区画の平均値で強度を示すようにするのが便利
である。そして、256段階に分けた場合、白色、黒色、
赤色、緑色、青色である区画それぞれのR.G.B.値は次の
ように表される。

白色→（R.G.B.）＝（255,255,255,）黒色→（R.G.B.）＝（ 0, 0, 0,）赤色→（R.G.B.）＝（255, 0, 0,）緑色→（R.G.B.）＝（ 0,255, 0,）青色→（R.G.B.）＝（ 0, 0,255,）次に、試験例を挙げて本発明の皮膚表面色調解析装置を
用いた本発明の皮膚表面色調解析方法による効果を具体
的に説明する。

〔試験例１〕第１図及び第２図に示す本発明の皮膚表面色調解析装置
を用いその回転部22を回して、第一の偏光フィルター12
の偏光面と第二の偏光フィルター13の偏光面とが90°を
なすように調整して皮膚表面をカラー撮影しテレビモニ
ター５に写し出したところ、シミ、ソバカスを鮮明に検
出し、観察することができた。また、第二の偏光フィル
ター13による偏光をかけない以外は上記と同様にして皮
膚表面をカラー撮影しテレビモニター５に写し出したと
ころ、シミ、ソバカスは明瞭に検出できなかった。

〔試験例２〕第１図及び第２図に示す本発明の皮膚表面色調解析装置
を用いて、下記条件下に男性頬部表面の色調を測定し
た。

測定倍率:200倍（14インチCRT上で）。

照射角度：カメラ光軸に対し60度。

測定範囲:CRT表示装置７の画面上中央部の320 ×200カ所（64000区画）を測定。

測定法：（１）CRT表示装置の画面中央部に表示された64000区画
のうち、髭のある部分（計6400区画）を除外して測定し
次の結果を得た。

（R.G.B.）＝（211,160,109）（２）上記の64000区画全てについて測定し、次の結果
を得た。

（R.G.B.）＝（185,147, 93）上記の測定に際しては、上記64000区画における画像の
色をそれぞれR.G.B.の３成分に分光し、それぞれの強度
を、前記したようにそれぞれ256段階にクラス分けを行
い、測定した区画における３成分それぞれの強度を平均
し、それらを各成分の反射光の強度とした。

上記の結果から、上記（１）の測定値は、上記（２）の
測定値と比較し、赤もしくは白の方向に移動しているこ
とが判る。これは、上記（２）の手法による場合、髭の
黒色成分も含めて測定されるため、測定値が髭の影響に
より黒方向にシフトされることによるものと考えられ
る。

〔発明の効果〕

本発明の皮膚表面色調解析方法及び装置によれば、皮膚
に悪影響を及ぼさずにシミ、ソバカス等をカラー画像と
して容易且つ正確に検出、観察でき、更に実施例に示す
ように他の装置を組合せることにより、皮膚表面の色調
を、皮膚以外の部分の影響を受けることなく直接的に高
精度で短時間に行うことが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明装置の一実施例の概要を本発明法の実
施態様と共に示すブロック図、第２図は、第一及び第二
の偏光フィルターを組込んだ、リング状照明装置を備え
た撮像装置の一例であるビデオカメラの一例の要部を切
欠して示す縦断側面図である。１……リング状照明装置５……テレビモニター 10……カラービデオカメラ 11……拡大対物レンズ系 12……第一の偏光フィルター 13……第二の偏光フィルター 21……円筒状本体 22……円筒状回転部 23……円筒状導光部 24……観察孔部Ｌ……光源２……ネガポジ反転器３……Ａ−Ｄコンバーター４……情報処理装置６……カラー画像処理ユニット７……CRT表示装置８……外部メモリー９……プリンター

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】皮膚表面の所定部位を第一の偏光フィルタ
ーを通過させた照明光により照明し、照明された皮膚表
面像を第二の偏光フィルターを通して撮像装置によりカ
ラー撮影し、該撮像装置からの皮膚表面のカラー画像信
号をテレビモニターに静止画像として写し出し、該静止
画像を観察することにより上記皮膚表面の所定部位の状
態を解析する方法であって、上記のカラー撮影を行うに
際し、上記第一の偏光フィルターと上記第二の偏光フィ
ルターとの位置関係を変えることを特徴とする皮膚表面
色調解析方法。
【請求項２】上記のカラー撮影を行うに際し、上記第一
の偏光フィルターと上記第二の偏光フィルターとの位置
関係を変えることによって、皮膚表面の同一所定部位に
ついて２以上の静止画像をテレビモニターに写し出すこ
とを特徴とする請求項（１）に記載の皮膚表面色調解析
方法。
【請求項３】皮膚表面の所定部位をその全周囲方向から
第一の偏光フィルターを通して照射するリング状照明装
置、該リング状照明装置により照明された皮膚表面像を
第二の偏光フィルターを通してカラー撮影する撮像装
置、及び該撮像装置からの皮膚表面のカラー画像信号の
表示手段を具備してなり、上記第一の偏光フィルターは
中央に同心円の中空部を有する円板形状をしており、上
記第二の偏光フィルターは円板形状で軸心を上記第一の
偏光フィルターの軸心に一致させて配してあり、上記第
二の偏光フィルターの偏光面の位置を、上記第一の偏光
フィルターの偏光面に対して変更自在になしてあること
を特徴とする皮膚表面色調解析装置。