JPH0695584A - 運転訓練シミュレータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機器の現場模擬操作に関して、現場機器の知
識を容易に習得できるようにし、より実プラントに近い
訓練を可能とする。 【構成】 中央制御室で行うプラント機器の操作を模擬
するための中央模擬操作盤１と、プラント機器の現場操
作を模擬するための現場操作コンソール１１と、中央模
擬操作盤１および現場操作コンソール１１からの操作信
号に基づいてプラントの動特性を模擬演算するととも
に、現場操作コンソール１１からの入力情報により映像
表示指令を出力する模擬演算手段５と、実プラントの現
場の映像を予め記録し、模擬演算手段５からの映像表示
指令により対応する操作機器の実プラントにおける現場
の映像を再生する現場映像記録再生手段３３と、現場操
作コンソール１１に設置され、現場映像記録再生手段３
３から送られる現場映像を表示する現場映像表示手段３
５とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、発電プラント等の工業
プラントの運転訓練等に用いられる運転訓練シミュレー
タに関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば発電プラント等の工業プラントで
は、プラントを安全かつ安定に運転するため、プラント
の運転員は、通常の運転操作を円滑に行うだけでなく、
異常発生時における処置を迅速に行うことのできるよう
に、運転訓練シミュレータを用いてプラントの運転訓練
を行っている。

【０００３】このような運転訓練シミュレータの従来例
を図７に示す。この図において、符号１は中央模擬操作
盤であり、実プラントの中央制御室に設置されている中
央操作盤を模擬したものである。この中央模擬操作盤１
を操作することによって、その操作内容、例えば弁の開
／閉信号、ポンプの起動／停止信号等が、中央操作信号
として中央入力制御手段３を経由して模擬演算手段５に
入力される。模擬演算手段５は、中央模擬操作盤１から
の中央操作信号により、温度、流量、圧力等のプラント
の物理的特性や、弁開度、ポンプ等のアクチュエータ状
態および制御装置の状態等を模擬演算し、その模擬演算
結果を中央出力制御手段７を介して中央模擬操作盤１上
の記録計、指示計あるいはランプ等に出力する。

【０００４】また、この運転訓練シミュレータにおいて
は、ＣＲＴおよびキーボード等を備えた指導員コンソー
ル９より、指導員によりプラント初期状態等の種々のシ
ミュレーション条件が設定され、模擬演算手段５に与え
られる。

【０００５】さらに、最近の運転訓練シミュレータにお
いては、中央模擬操作盤１とは別に、現場操作コンソー
ル１１を設け、プラント現場で実施される弁、ポンプ等
の機器操作やこれに付随する制御出力、トランスミッタ
の切替操作等も模擬する傾向にある。通常、この現場操
作を模擬するにはあまりにも数が膨大となるため、現場
コンソール１１に全ての操作端並びに表示器を設けるこ
とはせず、ＣＲＴ等の表示手段１３およびキーボード等
の入力手段１５により対象となる現場操作端１７を選択
し、共通現場操作端１７および共通現場表示器１９を用
いてそれぞれの現場操作を模擬する方法をとっている。

【０００６】この現場操作コンソール１１からの現場操
作信号は、現場入力制御手段２１を介して模擬演算手段
５に入力される。模擬演算手段５は、現場操作信号に基
づいてプラント模擬状態を算出し、現場出力制御手段２
３を介して現場操作コンソール１１上の共通現場表示器
１９および表示手段１３に出力表示する。

【０００７】このようなＣＲＴ等の表示手段１３、キー
ボード等の入力手段１５、共通現場操作端１７および共
通現場表示器１９を備えた現場コンソール１１は、中央
模擬操作盤１のある中央制御室とは別の現場操作室に設
置される。

【０００８】この方法により、運転員は中央模擬操作盤
１からの運転操作だけでなく、現場機器のあらゆる操作
（中央操作不可能時の現場対応操作、さらにはセンサ故
障時の対応操作等）の訓練が訓練が可能となる。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、現場操作訓練を実施する際、現場コ
ンソール１１上のＣＲＴ等の表示手段１３、キーボード
等の入力手段１５により現場機器の選択を行うため、運
転員は対象現場機器の名称等は理解できるが、、実プラ
ントにおいての現場機器の位置、形状、周囲の様子等は
把握することができなかった。また、対象となる現場機
器の操作についても、現場機器の選択を行って共通の操
作端１７、表示器１９を用いて操作するため、実際の現
場操作とは異なる点もあり、運転員が現場操作訓練を実
施しても十分な現場操作知識を獲得することは難しかっ
た。

【００１０】本発明は、かかる点に対処してなされたも
ので、現場機器の位置、形状、周囲の様子等の各現場機
器の操作に伴う種々の知識を得ることができる現場操作
訓練が可能な運転訓練シミュレータを提供することを目
的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の運転
訓練シミュレータは、中央制御室で行うプラント機器の
操作を模擬し、中央操作信号を入力するための中央模擬
操作盤と、プラント現場にて行うプラント機器の操作を
模擬し、現場操作信号を入力するための現場操作コンソ
ールと、中央模擬操作盤および現場操作コンソールから
の操作信号に基づいてプラントの動特性を模擬演算する
とともに、現場操作コンソールからの入力情報により映
像表示指令を出力する模擬演算手段と、実プラントの現
場の映像を予め記録し、模擬演算手段からの映像表示指
令により対応する操作機器の実プラントにおける現場の
映像を再生する現場映像記録再生手段と、現場操作コン
ソールに設置され、現場映像記録再生手段から送られる
現場映像を表示する現場映像表示手段とを具備すること
を特徴とする。

【００１２】

【作用】上記構成において、模擬演算手段は、中央模擬
操作盤または現場操作コンソールから入力した操作信号
に基づいてプラントの動特性を模擬演算し、演算結果で
あるプラント状態を中央模擬操作盤および現場操作コン
ソール上の表示器へ出力する。このとき、現場操作コン
ソールからの操作指令の場合には、模擬演算手段は、現
場操作コンソールからの入力情報、すなわち操作機器の
選択情報および操作指令情報とともに映像表示指令を映
像表示制御手段を介して現場映像記録再生手段に出力す
る。現場映像記録再生手段は、実プラントの現場の映像
を収録しており、模擬演算手段からの映像表示指令によ
り対応する現場映像を再生し現場映像表示手段に表示す
る。

【００１３】これにより、現場操作コンソールから現場
操作機器を選択および操作するタイミングに合わせて、
対応する現場映像が現場映像表示手段に表示されるた
め、運転員は、現場操作する際の現場機器に関するより
広い知識を習得することができる。

【００１４】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。なお、従来例と共通する部分には同一符号を付し
て説明する。

【００１５】図１は、本発明の運転訓練シミュレータの
一実施例を示すもので、従来例と比較して、映像表示制
御手段３１と、現場映像記録再生手段３３と、現場映像
表示手段３５とを加えた構成となっている。すなわち、
本実施例は、中央模擬操作盤１と、模擬演算手段５、中
央入力制御手段３、中央出力制御手段７、現場入力制御
手段２１、現場表示制御手段２３、映像表示制御手段３
１からなる模擬演算装置３７と、指導員コンソール９
と、ＣＲＴ等の表示手段１３、この表示手段１３に接続
されるタッチスクリーン１５a およびキーボード１５b
等の入力手段１５からなる現場操作コンソール１１と、
この現場操作コンソール１１に付設される現場映像表示
手段３５と、この現場映像表示手段３５に接続される現
場映像記録再生手段３３とで構成されている。

【００１６】上記構成において、中央模擬操作盤１は、
実プラントにおける中央操作盤と同型のもので、運転員
はこの中央模擬操作盤１上の各種ランプ、指示計等によ
りプラントの状態を把握し、中央模擬操作盤１上の各種
操作スイッチによりプラント運転操作を行うことができ
る。中央入力制御手段３は、中央模擬操作盤１上の弁の
開／閉あるいはポンプの起動／停止操作を中央操作信号
として入力し、模擬演算手段５に渡す。模擬演算手段５
は、中央入力制御手段３を介して入力した中央操作信号
をもとにプラントの物理的特性や弁、ポンプ等のアクチ
ュエータ状態、制御装置の機能を模擬演算する。中央出
力制御手段７はその演算結果を中央模擬操作盤１上の各
種ランプ、指示計等の表示器へ出力する。

【００１７】現場操作コンソール１１は、中央模擬操作
盤１で操作できる機器またはこれらの機器に付随する制
御装置の実プラントの現場における操作並びにトランス
ミッタの切換操作等を模擬操作できるように構成された
もので、ＣＲＴ等の表示手段１３と、この画面上に装着
されるタッチスクリーン１５a さらにはキーボード１５
b 等の入力手段１５とからなる対話型操作手段を有す
る。さらに、現場操作コンソール１１には、この操作手
段による操作タイミングに合わせて現場映像を表示する
ＣＲＴ等の現場映像表示手段３５が付設されている。

【００１８】例えば、キーボード１５b から対話操作に
より表示手段１３に現場操作端選択用の系統画面を表示
し、表示された系統画面上にある所望の現場操作端をタ
ッチスクリーン１５a を介してタッチ選択することで、
表示されている画面番号および位置情報（ＸＹ座標）が
現場入力制御手段２１を介して模擬演算手段５に入力さ
れる。これにより、模擬演算手段５はどの操作端が選択
されたかを認識し、対応する操作端の操作ウィンドウ
（例えば、弁の場合は開／閉操作、指示値表示ポンプの
場合は起動／停止操作を行うことができるウィンドウ）
を現場表示制御手段２３を介して表示手段１３に表示す
るとともに、映像表示制御手段３１に対して当該操作端
の映像表示指令を出力する。

【００１９】現場映像記録再生手段３３は、例えばレー
ザディスク装置からなり、予め実プラントの現場映像を
収録したカメラより映像を録画しておき、映像表示制御
手段３１からの指令により任意の箇所から映像を再生
し、現場映像表示手段３５に表示することができるよう
構成されたものである。

【００２０】すなわち、映像表示制御手段３１が、模擬
演算手段５からの映像表示指令に基づいて現場映像記録
再生手段３３に対し、スタートおよびストップカウンタ
を出すことにより、該当する操作端の現場映像を現場映
像表示手段３５に表示することができる。

【００２１】指導員コンソール９は、例えばＣＲＴおよ
びキーボード等からなる対話型入出力装置で構成され、
対話操作により模擬演算手段５に対しプラント初期状態
等の模擬設定信号を与えることができる。

【００２２】次に、現場操作コンソール１１から操作す
る場合の本実施例の作用を図２のフローチャートに従っ
て具体例を挙げて説明する。

【００２３】まず、運転員は、現場操作コンソール１１
のキーボード１５b による対話操作により、表示手段１
３の画面上に現場操作端選択用の系統画面を表示し、こ
の系統画面上にある任意の現場操作端をタッチスクリー
ン１５a を介してタッチすることにより選択する（ステ
ップ１００）。

【００２４】このように運転員が画面上の現場操作端を
タッチすると、その選択信号は現場入力制御手段２１を
介して模擬演算手段５に入力される。模擬演算手段５
は、入力した選択信号から、表示されている系統図の画
面番号とタッチした現場操作端のＸＹ座標を認識すると
（ステップ１０１、１０２）、これらの情報をもとに、
画面番号単位でＸＹ座標に対するポイントインデックス
を持つ図３に示すようなタッチ情報テーブルにより、対
応する操作インデックスを検索し（ステップ１０３）、
操作端インデックスに対応する操作端を選択する（ステ
ップ１０４）。

【００２５】この結果、模擬演算手段５から現場表示制
御手段２３を介して表示手段１３に対し、対応する操作
端の操作ウィンドウの表示要求が出され、表示手段１３
の画面上に選択された操作端の操作ウィンドウが表示さ
れる（ステップ１０５）。

【００２６】さらに同時に、模擬演算手段５において、
操作端の選択に基づいて、図４に示すような映像判定ロ
ジックに従って映像カウンタインデックスＣ11が選択さ
れ、映像表示制御手段３１に与えられる。

【００２７】映像表示制御手段３１では、送られた映像
カウンタインデックスから図５に示すような映像カウン
タ情報テーブルにより、現場映像記録再生手段３３（以
下、レーザディスク装置として説明する。）に与えるス
タート／ストップカウンタを検索し、レーザディスク装
置３５に送る。すなわち、映像カウンタインデックスＣ
11に基づいて、スタートカウンタ（０００００）、スト
ップカウンタ（００００１）が映像表示制御手段３１内
の映像カウンタ情報テーブルで検索され、レーザディス
ク装置３３に送られる。

【００２８】レーザディスク装置３３では、映像表示制
御手段３１から送られるカウンタをもとに、図６に示す
ような映像フォーマットから、カウンタ（０００００〜
００００１）の建屋配置の映像が再生され、現場映像表
示手段３５に表示される（ステップ１０６）。

【００２９】この現場映像の表示要求は、図４の映像判
定ロジックにおけるリセットロジック４１により、他操
作端選択時または次の映像表示要求時に、リセット処理
（４３）される。すなわち、後優先処理となる。

【００３０】運転員は、このようにして現場映像表示手
段３５に映し出された建屋配置映像により、該当する現
場操作端の位置を知ることができる。

【００３１】次に、表示されている映像に対し、現場操
作コンソール１１より対話操作により確認信号を入力す
ることで、模擬演算手段５により図４に示す映像判定ロ
ジックに従ってカウンタインデックスＣ12が選択され、
映像表示制御手段３１に与えられる。映像表示制御手段
３１は、図５の映像カウンタ情報テーブルによりレーザ
ディスク装置３３に与えるスタート／ストップカウンタ
を検索し、レーザディスク装置３３に通知する。レーザ
ディスク装置３３では、映像表示制御手段３１より送ら
れてきたスタート／ストップカウンタをもとに、図６の
映像フォーマットから該当する道順の映像を、現場映像
表示手段３５の画面上に再生する（ステップ１０７）。

【００３２】以下同様にして、現場映像表示手段３５に
は、現場風景の映像、操作端の映像順次表示される（ス
テップ１０８、１０９）。

【００３３】このようにして、操作端の映像が現場映像
表示手段３５に映写された時点で、運転員が表示手段１
３に表示されている操作端の操作ウィンドウをタッチ操
作する（ステップ１１０、１１１）と、模擬演算手段５
は、その操作信号を現場入力制御手段２１を介して入力
し、所定の模擬演算を行うとともに、図４の映像判定ロ
ジックに従って操作信号が開操作か閉操作かにより映像
カウンタインデックスＣ15またはＣ16を選択し、映像表
示制御手段３１に通知する。これにより、同様にして現
場映像表示手段３５に実際の操作端の開動作または閉動
作の映像が映し出される（ステップ１１２、１１３）。

【００３４】以上により、運転員は現場操作コンソール
１１にて現場機器の模擬操作を行う際に、その操作端の
選択および操作に合わせて現場機器の建屋配置、中央操
作室より現場機器までの道順、現場の風景ならびに機器
の形状、動作状況等を映像として見ることができ、現場
機器操作に関するあらゆる知識を習得することができ
る。

【００３５】なお、上記実施例では、現場操作コンソー
ル１１の表示手段１３とは別に、現場映像を表示するた
めの表示手段３５を設けたが、表示手段１３として例え
ばマルチメディアタイプのＣＲＴを用いて、これに現場
映像の表示も行うようにしてもよい。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
運転員が現場模擬操作を行なう際、現場機器の位置、形
状、周囲の様子および操作端の動作状況等の実プラント
の現場を映像として見ながら訓練ができるため、現場機
器の知識を容易に習得できる上、より実プラントに近い
訓練が可能となり、中央操作室の訓練とあわせて、現場
操作に関してもより高度の訓練効果を得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の運転訓練シミュレータの構
成を示すブロック図である。

【図２】現場操作に伴う本発明の運転訓練シミュレータ
の動作を示すフローチャートである。

【図３】タッチ情報テーブルの構成例を示す図である。

【図４】映像判定ロジックを例示する図である。

【図５】映像カウンタ情報テーブルの構成例を示す図で
ある。

【図６】収録された映像とカウンタとの関係を示す映像
フォーマットを例示する図である。

【図７】運転訓練シミュレータの従来例を示すブロック
図である。

【符号の説明】

１………中央模擬操作盤 ３………中央入力制御手段 ５………模擬演算手段 ７………中央出力制御手段 ９………指導員コンソール １１………現場操作コンソール１１ １３………表示手段 １５………入力手段 １５a ……キーボード １５b ……タッチスクリーン ２１………現場入力制御手段 ２３………現場出力制御手段 ３１………映像表示制御手段 ３３………現場映像記録再生手段 ３５………現場映像表示手段 ３７………模擬演算装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 中央制御室で行うプラント機器の操作を
   模擬し、中央操作信号を入力するための中央模擬操作盤
   と、 プラント現場にて行うプラント機器の操作を模擬し、現
   場操作信号を入力するための現場操作コンソールと、 前記中央模擬操作盤および現場操作コンソールからの操
   作信号に基づいてプラントの動特性を模擬演算するとと
   もに、前記現場操作コンソールからの入力情報により映
   像表示指令を出力する模擬演算手段と、 実プラントの現場の映像を予め記録し、前記模擬演算手
   段からの映像表示指令により対応する操作機器の実プラ
   ントにおける現場の映像を再生する現場映像記録再生手
   段と、 前記現場操作コンソールに設置され、前記現場映像記録
   再生手段から送られる現場映像を表示する現場映像表示
   手段とを具備することを特徴とする運転訓練シミュレー
   タ。