JPH069518A - N−トリフェニルメチル−デヒドロアラニン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

N−トリフェニルメチル−デヒドロアラニン誘導体及びその製造方法

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JPH069518A
JPH069518A JP4162740A JP16274092A JPH069518A JP H069518 A JPH069518 A JP H069518A JP 4162740 A JP4162740 A JP 4162740A JP 16274092 A JP16274092 A JP 16274092A JP H069518 A JPH069518 A JP H069518A
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JP
Japan
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triphenylmethyl
dehydroalanine
derivative
group
reaction
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Withdrawn
Application number
JP4162740A
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English (en)
Inventor
Yasuo Kato
康夫 加藤
Kenji Fukumoto
研治 福元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp, Nippon Steel Chemical Co Ltd filed Critical Nippon Steel Corp
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Publication of JPH069518A publication Critical patent/JPH069518A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 次式(I) 【化1】 (上式中、R1 は水素原子またはアルキル基であり、R
2 はカルボキシル基の保護基である)で表されるN−ト
リフェニルメチル−デヒドロアラニン誘導体、ならびに
対応する3−ハロアラニン誘導体から強塩基の存在下で
の脱ハロゲン化水素反応による前記式(I)で表わされ
る誘導体の製造方法を提供する。 【効果】 N−保護基としてトリフェニルメチル基を選
ぶことにより、合成中間体としての利用価値が向上し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規化合物であるN−
トリフェニルメチル−デヒドロアラニン誘導体及びそれ
らの製造方法に関する。かかる誘導体は、非天然型アミ
ノ酸を始めとする各種化合物の合成中間体として有用で
ある。
【0002】
【従来の技術】デヒドロアラニン誘導体の2位アミノ基
に各種置換基を有する化合物は、多種多様なものが既知
である。例えば、2位にジメチルアミノ基を有するもの
は、Synthesis ,第1号,39頁(1990年)に、2
位がベンジリデンアミノ基であるデヒドロアラニン誘導
体は、Angew. Chem. Int. Ed. Engl. ,第23巻,38
0頁(1984年)、Chem. Ber.,112巻,107頁
(1979年)、J. Org. Chem. ,51巻,2981頁
(1986年)、及びBull. Chem. Soc. Jpn. ,第44
巻,474頁(1971年)に、2位にPh2 C=N−
を有する、ジフェニルメチレンアミノ基であるデヒドロ
アラニン誘導体は、Synthesis ,第9号,779頁(1
990年)、及びTetrahedron Letters ,第31号,1
57頁(1990年)に、また2位が2−ジメチルマレ
オニルアミノ基であるデヒドロアラニン誘導体は、Can.
J. Chem. ,第60巻、2380頁(1982年)に、
それぞれ公表されている。
【0003】これらの化合物は、Liebigs Ann. Chem.,
501頁(1988年)、Synthesis ,第7号,514
頁、Liebigs Ann. Chem.,527頁(1989年)、Te
trahedron Letters ,第31巻,157頁、Synthesis
,第9号,779頁(1990年)に記載されるよう
に、非天然型アミノ酸を始めとする、各種化合物の非常
に有用な合成中間体として知られている。しかしなが
ら、これらの化合物のアミノ基の保護基(ジフェニルメ
チレン、ベンジリデン等)は脱保護の際、希塩酸中での
反応や水素添加等の条件を必要とすることから、各種官
能基の導入後に脱保護すると、好ましくない副反応が起
こることや、炭素鎖伸長の際に、用いるアルキルリチウ
ムや、還元剤として広く用いられているLiAlH4
NaBH4 に対して、これらの保護基が不安定であると
いった欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】合成中間体として使用
する各種反応条件下で安定であることに加えて、より温
和な反応条件下で脱保護可能な保護基を有する合成中間
体を提供することは、最終生成物として生理活性物質の
製造を目的とする場合に特に重要であろう。従って、本
発明の目的は、特に、合成中間体として使用する場合に
さらされる反応条件下で安定で、かつ温和な反応条件下
で脱離できる保護基をアミノ基に担持するデヒドロアラ
ニン誘導体の提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべくアミノ酸のN−置換基として使用されてい
るトリフェニル基に着目した。しかしながら、目的とす
るN−トリフェニルメチルデヒドロアラニン誘導体の合
成については従来技術文献に未載であり、かつ既存の方
法の適応においても、従来のN−保護デヒドロアラニン
誘導体の合成法における、ピルビン酸エステルと各種ア
ミンとの反応では、用いるトリフェニルメチルアミンの
立体障害による反応性の低さの為、目的物が全く得られ
なかったり、また出発原料としてセリンやスレオニンと
いった高価な基質を用いなければならず、工業的には有
利な方法ではないことが判明した。
【0006】そこで、本発明者らは、3−ハロ−2−ア
ミノ酸のアミノ基を予めトリフェニルメチル基で保護し
ておき、その後特定条件下で脱ハロゲン化水素反応を行
うことにより効率よく対応する2,3−デヒドロ誘導体
が製造でき、そしてこの誘導体のトリフェニルメチル基
は本発明の目的に沿った機能を発揮することを見い出し
本発明に到った。
【0007】従って、本発明によれば、次式(I)
【0008】
【化3】
【0009】(上式中、R1 は水素原子またはアルキル
基であり、R2 はカルボキシル基の保護基である)で表
されるN−トリフェニルメチル−デヒドロアラニン誘導
体が提供される。
【0010】また、予めアミノ基をトリフェニルメチル
基で保護した次式(II)
【0011】
【化4】
【0012】(上式中、R1 は水素原子またはアルキル
基であり、R2 はカルボキシル基の保護基であり、Xは
ハロゲン原子である)で表されるN−トリフェニルメチ
ル−3−ハロアロニン誘導体を有機溶媒中、強塩基の存
在下に脱ハロゲン化水素反応を行うことを特徴とする上
記N−トリフェニルメチル−デヒドロアラニン誘導体の
製造方法も提供される。
【0013】こうして得られる本発明のN−トリフェニ
ルメチル−デヒドロアラニン誘導体のトリフェニルチメ
ル基は、例えば、10mM塩酸、酢酸や、亜鉛/塩酸、B
irch還元といった、より温和な条件で脱保護でき、
かつアルキルリチウムといった有機金属化合物や、Li
AlH4 ,NaBH4 といった各種還元剤に安定である
といった利点を有している。そのため、本発明のN−ト
リフェニルメチル−デヒドロアラニン誘導体は、従来の
デヒドロアラニン誘導体と比較してさらに広範囲の反応
に応用が出来、従来不可能であった化合物の合成に応用
できることが期待される化合物である。
【0014】式(I)で示される本発明の誘導体におい
て、R1 のアルキル基としては、その鎖長または形状
(直鎖もしくは分岐鎖)は特に制限されるものでなく、
それを利用して生成される最終目的化合物に応じて適当
に選ばれるが、通常、炭素数10個以下の直鎖及び分岐
鎖のものを挙げることができる。さらに、合成中間体と
しての利用率や出発原料の製造の容易さを考慮すると、
炭素数5個以下の低級アルキル基が好ましい。従って、
1 の好ましい具体的な基としては、水素原子、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、
n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチ
ル基等が挙げられる。
【0015】R2 は、アミノ酸誘導体またはペプチド合
成分野で通常使用されるカルボキシル基の保護基であっ
て、例えば、未置換もしくは置換ベンジル基、ジフェニ
ルメチル基等のアラルキル基、R1 について定義するよ
うなアルキル基、特に、それらの低級アルキル基を好ま
しいものとして挙げることができる。
【0016】以上のように特定される本発明のN−トリ
フェニルメチル−デヒドロアラニン誘導体は、もう一つ
の本発明である上記式(II)のN−トリフェニルメチル
−3−ハロアラニン誘導体からの脱ハロゲン化水素反応
によって効率よく製造することができる。
【0017】上記式(II)で表されるN−トリフェニル
メチル−3−ハロアラニンエステル類は、それ自体既知
の方法で製造される3−ハロ−2−アミノ酸類のエステ
ルを通常のアミノ基の保護条件下、例えば、トリエチル
アミンの存在下、クロロトリフェニルメタンでN−トリ
フェニルメチル化して得ることができる。
【0018】3−ハロ−2−アミノ酸またはそのエステ
ルの製造方法としては、例えば、特公昭58−2214
0号公報、特開昭57−188548号公報等に記載の
方法またはそれらの改良方法によって製造することがで
きるが、R1 が水素原子を表す3−ハローアラニンは、
酵素変換方法を使用して3−ハロ−2−ケトプロピオン
酸から安価に製造することができる(国際公開WO92
/05268号明細書参照)。式(II)のXで表わされ
るハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素
原子のものが利用できるが、原料製造の容易性及び本発
明の脱ハロゲン化水素反応の効率を考慮すると、塩素原
子が特に好ましい。なお、これらの出発原料は、安価に
供給されるラセミ体に由来するものを利用することが都
合よい。
【0019】上記式(II)で示される3−ハロアラニン
誘導体を脱ハロゲン化水素反応させるのに必要な強塩基
としては、CsF、水素化ナトリウム(NaH)といっ
た無機塩類や、カリウム−t−ブトキシド(t−BuO
K)、t−ブチルリチウム(t−BuLi)、1,8−
ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン(DB
U)といった有機塩基類が挙げられる。これらの強塩基
の使用量は式(II)で示される3−ハロアラニン誘導体
に対して等モル量で充分であるが、過剰に使用すること
によって反応は促進される傾向にある。
【0020】反応の際、出発原料であるN−トリフェニ
ルメチル−3−ハロアラニン誘導体を溶解させ反応の進
行を促進する為、有機溶媒中にて反応を行うことが好ま
しい。使用する有機溶媒としては、それらの原料を溶解
させるものなら制限されないが、アセトニトリル、プロ
ピオンニトリル、ブチロニトリル、バレロニトリルとい
ったニトリル系の溶媒やジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、テトラヒドロフランといった親水性の
非プロトン性極性溶媒の使用が好ましい。反応温度は室
温から150℃の範囲が好ましく、その中でも反応時間
と副反応の制御という点から、室温から90℃近辺が特
に好ましい。
【0021】反応生成物は、反応液よりジクロロメタ
ン、酢酸エチル、ジエチルエーテルといった有機溶媒を
用いて抽出し、乾燥後濃縮する事だけで、純粋な目的物
を得る事が出来る。
【0022】
【実施例】以下、実施例に基いて、本発明を更に詳細に
説明する。
【0023】実施例1 N−トリフェニルメチル−デヒ
ドロアラニンベンジルエステルの合成
【0024】
【化5】
【0025】N−トリフェニルメチル−3−クロロアラ
ニンベンジルエステル46mg(0.1mmol)を無水アセ
トニトリル(5mL)に溶かした後、フッ化セシウム15
1mg(1mmol)を加え90℃で4時間攪拌した。5%炭
酸水素ナトリウム溶液(5mL)を加え反応を停止し、ジ
クロルメタン(15mL×3回)で抽出した。有機層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥後、ジクロロメタン/ジイソ
プロピルエーテルで再結晶することにより、N−トリフ
ェニルメチル−デヒドロアラニンベンジルエステル40
mgを無色針状結晶として得た。収率97%。
【0026】1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz )
δ:7.19〜7.38(m,20H),5.85(br
s ,1H),5.19(s,2H),4.86(dd,1
H,J=0.85,1.7Hz),3.73(d,1H,
J=0.85Hz)13 C−NMR(CDCl3 ,100MHz )δ:165.
9,144.5,136.6,135.6,129.
1,128.5,128.3,128.0,127.
8,126.8,95.4,71.2,67.3 その他、化合物の構造はH−H COSY,C−H C
OSY,NOESYといった各種NMRにより確認し
た。 IR(液膜)νmax 3400,3060,3030,1
705,1615,1485,1440,1295,1
195,1170,745,695cm-1 ・融点 164−166℃
【0027】実施例2 N−トリフェニルメチル−デヒ
ドロアラニンメチルエステルの合成
【0028】
【化6】
【0029】N−トリフェニルメチル−3−クロロアラ
ニンメチルエステル76mg(0.2mmol)を無水アセト
ニトリル(12mL)に溶かした後、フッ化セシウム30
0mg(2mmol)を加え90℃で4時間攪拌した。5%炭
酸水素ナトリウム溶液(10mL)を加え反応を停止し、
ジクロルメタン(15mL×3回)で抽出した。有機層を
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、分取用シリカゲル薄層
クロマトグラフィーで精製することにより、N−トリフ
ェニルメチル−デヒドロアラニンメチルエステル65mg
を無色油状物質として得た。収率95%。
【0030】1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz )
δ:7.20〜7.40(m,15H),5.82(br
s ,1H),4.79(dd,1H,J=1.0,1.0
Hz),3.75(s,3H),3.70(d,1H,J
=1.0Hz)13 C−NMR(CDCl3 ,100MHz )δ:166.
4,144.5,136.6,129.1,127.
9,126.8,95.1,71.1,52.5 その他、化合物の構造はH−H COSY,C−H C
OSY,NOESYといった各種NMRにより確認し
た。 IR(液膜)νmax 3400,3060,3030,1
710,1615,1485,1440,1305,1
210,745,695cm-1
【0031】実施例3 N−トリフェニルメチル−デヒ
ドロアラニンエチルエステルの合成
【0032】
【化7】
【0033】N−トリフェニルメチル−3−クロロアラ
ニンエチルエステル78mg(0.2mmol)を無水アセト
ニトリル(12mL)に溶かした後、フッ化セシウム30
0mg(2mmol)を加え90℃で4時間攪拌した。5%炭
酸水素ナトリウム溶液(10mL)を加え反応を停止し、
ジクロルメタン(15mL×3回)で抽出した。有機層を
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、分取用シリカゲル薄層
クロマトグラフィーで精製することにより、N−トリフ
ェニルメチル−デヒドロアラニンエチルエステル70mg
を無色油状物質として得た。収率98%。
【0034】1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz )
δ:7.19〜7.33(m,15H),5.84(br
s ,1H),4.60(dd,1H,J=0.5,1.0
Hz),4.24(q,2H,J=7.3Hz),3.69
(d,1H,J=1.0Hz),1.29(t,3H,J
=7.0Hz)13 C−NMR(CDCl3 ,100MHz )δ:166.
0,144.5,136.9,129.1,127.
8,126.8,94.7,71.1,61.6,1
4.1 その他、化合物の構造はH−H COSY,C−H C
OSY,NOESYといった各種NMRにより確認し
た。 IR(液膜)νmax 3400,3060,2960,1
705,1618,1485,1445,1305,1
205,1180,745,695cm-1
【0035】実施例4 N−トリフェニルメチル−デヒ
ドロアラニン−n−プロピルエステルの合成
【0036】
【化8】
【0037】N−トリフェニルメチル−3−クロロアラ
ニン−n−プロピルエステル82mg(0.2mmol)を無
水アセトニトリル(12mL)に溶かした後、フッ化セシ
ウム300mg(2mmol)を加え90℃で4時間攪拌し
た。5%炭酸水素ナトリウム溶液(10mL)を加え反応
を停止し、ジクロルメタン(15mL×3回)で抽出し
た。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、分取用シ
リカゲル薄層クロマトグラフィーで精製することによ
り、N−トリフェニルメチル−デヒドロアラニン−n−
プロピルエステル70mgを無色油状物質として得た。収
率94%。
【0038】1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz )
δ:7.21〜7.33(m,15H),5.84(br
s ,1H),4.80(dd,1H,J=0.85,1.
7Hz),4.12(t,2H,J=6.7Hz),3.6
9(d,1H,J=0.85Hz),1.67(tq,2
H,J=6.7,7.4Hz),0.94(t,3H,J
=7.4Hz)13 C−NMR(CDCl3 ,100MHz )δ:166.
1,144.6,136.9,129.1,127.
8,126.8,94.7,71.1,67.2,2
1.9,10.4 その他、化合物の構造はH−H COSY,C−H C
OSY,NOESYといった各種NMRにより確認し
た。 IR(液膜)νmax 3390,3055,2960,1
705,1615,1485,1445,1295,1
200,1180,745,695cm-1
【0039】実施例5 N−トリフェニルメチル−デヒ
ドロアラニン−n−ブチルエステルの合成
【0040】
【化9】
【0041】N−トリフェニルメチル−3−クロロアラ
ニン−n−ブチルエステル75mg(0.18mmol)を無
水アセトニトリル(10mL)に溶かした後、フッ化セシ
ウム273mg(1.8mmol)を加え90℃で4時間攪拌
した。5%炭酸水素ナトリウム溶液(10mL)を加え反
応を停止し、ジクロルメタン(15mL×3回)で抽出し
た。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、分取用シ
リカゲル薄層クロマトグラフィーで精製することによ
り、N−トリフェニルメチル−デヒドロアラニン−n−
ブチルエステル69mgを無色油状物質として得た。収率
99%。
【0042】1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz )
δ:7.19〜7.33(m,15H),5.84(br
s ,1H),4.79(d,1H,J=0.9Hz),
4.16(t,2H,J=6.6Hz),3.68(s,
1H),1.63(m,2H),1.36(m,2
H),0.92(t,3H,J=7.3Hz)13 C−NMR(CDCl3 ,100MHz )δ:166.
0,144.5,136.8,129.1,127.
8,126.8,94.7,71.1,65.5,3
0.5,19.1,13.7 その他、化合物の構造はH−H COSY,C−H C
OSY,NOESYといった各種NMRにより確認し
た。 IR(液膜)νmax 3195,3050,2950,1
705,1605,1485,1440,1295,1
200,1180,745,695cm-1
【0043】実施例6 N−トリフェニルメチル−デヒ
ドロアラニン−n−ペンチルエステルの合成
【0044】
【化10】
【0045】N−トリフェニルメチル−3−クロロアラ
ニン−n−ペンチルエステル20mg(0.05mmol)を
無水アセトニトリル(5mL)に溶かした後、フッ化セシ
ウム80mg(0.5mmol)を加え90℃で4時間攪拌し
た。5%炭酸水素ナトリウム溶液(5mL)を加え反応を
停止し、ジクロルメタン(5mL×3回)で抽出した。有
機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、分取用シリカゲ
ル薄層クロマトグラフィーで精製することにより、N−
トリフェニルメチル−デヒドロアラニン−n−ペンチル
エステル18mgを無色油状物質として得た。収率98
%。
【0046】1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz )
δ:7.20〜7.33(m,15H),5.84(br
s ,1H),4.79(dd,1H,J=0.85,1.
0Hz),4.15(t,2H,J=6.8Hz),3.6
8(d,1H,J=0.85Hz),1.65(m,2
H),1.25(m,4H),0.89(t,3H,J
=7.9Hz)13 C−NMR(CDCl3 ,100MHz )δ:166.
0,144.6,136.9,127.9,127.
3,126.8,94.7,71.1,65.8,2
8.2,28.1,22.3,13.9 その他、化合物の構造はH−H COSY,C−H C
OSY,NOESYといった各種NMRにより確認し
た。 IR(液膜)νmax 3395,3055,2960,1
705,1610,1485,1445,1300,1
205,1180,745,695cm-1
【0047】実施例7 N−トリフェニルメチル−デヒ
ドロアラニンイソプロピルエステルの合成
【0048】
【化11】
【0049】N−トリフェニルメチル−3−クロロアラ
ニンイソプロピルエステル30mg(0.074mmol)を
無水アセトニトリル(7mL)に溶かした後、フッ化セシ
ウム112mg(0.74mmol)を加え90℃で4時間攪
拌した。5%炭酸水素ナトリウム溶液(5mL)を加え反
応を停止し、ジクロルメタン(10mL×3回)で抽出し
た。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、分取用シ
リカゲル薄層クロマトグラフィーで精製することによ
り、N−トリフェニルメチル−デヒドロアラニンイソプ
ロピルエステル26.6mgを無色油状物質として得た。
収率97%。1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz )δ:7.19
〜7.33(m,15H),5.84(brs ,1H),
5.05(m,1H),4.77(dd,1H,J=0.
8,1.0Hz),3.66(d,1H,J=1.0H
z),1.27(d,6H,J=6.2Hz)13 C−NMR(CDCl3 ,100MHz )δ:165.
5,144.6,137.2,129.1,127.
8,126.7,94.4,71.1,69.3,2
1.8 その他、化合物の構造はH−H COSY,C−H C
OSY,NOESYといった各種NMRにより確認し
た。 IR(液膜)νmax 3380,3055,2970,1
705,1620,1485,1445,1295,1
210,1105,745,695cm-1
【0050】実施例8 N−トリフェニルメチル−デヒ
ドロアラニンイソブチルエステルの合成
【0051】
【化12】
【0052】N−トリフェニルメチル−3−クロロアラ
ニンイソブチルエステル47mg(0.11mmol)を無水
アセトニトリル(10mL)に溶かした後、フッ化セシウ
ム170mg(1.1mmol)を加え90℃で4時間攪拌し
た。5%炭酸水素ナトリウム溶液(5mL)を加え反応を
停止し、ジクロルメタン(10mL×3回)で抽出した。
有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、分取用シリカ
ゲル薄層クロマトグラフィーで精製することにより、N
−トリフェニルメチル−デヒドロアラニンイソブチルエ
ステル40.7mgを無色油状物質として得た。収率96
%。
【0053】1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz )
δ:7.19〜7.33(m,15H),5.84(br
s ,1H),4.81(dd,1H,J=0.9,1.7
Hz),3.94(d,2H,J=6.6Hz),3.69
(d,1H,J=0.9Hz),1.95(m,1H),
0.93(d,6H,J=6.8Hz)13 C−NMR(CDCl3 ,100MHz )δ:166.
0,144.6,136.8,129.1,127.
8,126.8,94.7,71.6,71.1,2
7.7,19.1 その他、化合物の構造はH−H COSY,C−H C
OSY,NOESYといった各種NMRにより確認し
た。 IR(液膜)νmax 3390,3060,2960,1
705,1615,1485,1440,1305,1
290,1205,745,695cm-1
【0054】実施例9 (Z)−N−トリフェニルメチ
ル−α、β−ジデヒドロ−β−メチルアラニンメチルエ
ステルの合成
【0055】
【化13】
【0056】エリトロ−N−トリフェニルメチル−3−
クロロ−2−アミノ酪酸メチルエステル78mg(0.2
0mmol)を無水アセトニトリル(15mL)に溶かした
後、フッ化セシウム300mg(2.0mmol)を加え90
℃で4時間攪拌した。5%炭酸水素ナトリウム溶液(5
mL)を加え反応を停止し、ジクロルメタン(15mL×3
回)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、分取用シリカゲル薄層クロマトグラフィーで精製す
ることにより、(Z)−N−トリフェニルメチル−α、
β−ジデヒドロ−β−メチルアラニンメチルエステル7
0mgを無色油状物質として得た。収率99%。
【0057】1 H−NMR(CDCl3 ,400MHz )
δ:7.17〜7.34(m,15H),5.36(br
s ,1H),4.53(dd,1H,J=7.6,15.
1Hz),3.77(s,3H),1.58(d,3H,
J=7.6Hz)13 C−NMR(CDCl3 ,100MHz )δ:166.
9,145.1,131.3,129.4,127.
7,126.6,112.5,71.6,51.9,1
3.7 その他、化合物の構造はH−H COSY,C−H C
OSY,NOESYといった各種NMRにより確認し
た。 IR(液膜)νmax 3380,3060,3020,2
950,1730,1700,1485,1440,1
345,1270,1205,825,745,700
cm-1
【0058】実施例10 N−トリフェニルメチル−デ
ヒドロアラニンベンジルエステルの合成
【0059】
【化14】
【0060】N−トリフェニルメチル−3−クロロアラ
ニンベンジルエステル100mg(0.29mmol)を無水
テトラヒドロフラン(5mL)に溶かした後、氷冷下、各
塩基(0.3mmol)を加え室温で4時間攪拌した。実施
例1に記載と同様な方法で、後処理及び精製を行ないN
−トリフェニルメチル−デヒドロアラニンベンジルエス
テルを得た。用いた塩基の種類及び収率を表1に示す。
【0061】 表 1 ────────────────────────────────── 塩 基 収率(%) ────────────────────────────────── 水素化ナトリウム 95 ────────────────────────────────── カリウム−t−ブトキシド 97 ────────────────────────────────── 1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン 85 ────────────────────────────────── t−ブチルリチウム 88 ──────────────────────────────────
【0062】実施例11 N−トリフェニルメチル−デ
ヒドロアラニンベンジルエステルの合成
【0063】
【化15】
【0064】N−トリフェニルメチル−3−クロロアラ
ニンベンジルエステル46mg(0.1mmol)を各種無水
溶媒(5mL)に溶かした後、各塩基(1mmol)を加え室
温で4時間攪拌した。実施例1に記載と同様な方法で、
後処理及び精製を行ないN−トリフェニルメチル−デヒ
ドロアラニンベンジルエステルを得た。用いた塩基の種
類、溶媒及び収率を表2に示す。
【0065】 表 2 ─────────────────────── 塩基 溶媒 収率(%) ─────────────────────── KF DMF 98 ─────────────────────── KF DMSO 95 ─────────────────────── CsF DMF 96 ─────────────────────── CsF DMSO 98 ───────────────────────
【0066】
【発明の効果】デヒドロアラニン誘導体は、非天然型ア
ミノ酸を始めとする各種有用物質の合成中間体として産
業上の利用が期待されていた。しかし窒素原子上の保護
基の脱保護の問題や、種々の反応試剤に対する安定性が
低かったため、充分な成果が上がってなかった。本発明
により、3−ハロ−N−トリフェニルメチル−α−アミ
ノ酸、特に安価に供給されるラセミ体3−クロロアラニ
ンまたは3−クロロ−2−アミノ酪酸より3段階で、安
価な塩基を用いて、収率良く、N−トリフェニルメチル
−デヒドロアラニン誘導体を合成する事が可能となり、
これらの化合物の工業的で安価な製造方法が確立でき
た。本発明の新規化合物は従来のデヒドロアラニン誘導
体と比較して、温和な条件で窒素上の保護基が脱保護で
き、かつ種々の反応試剤に対する安定性が高いため、よ
り幅広い合成中間体としての利用が期待される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I) 【化1】 (上式中、R1 は水素原子またはアルキル基であり、R
    2 はカルボキシル基の保護基である)で表されるN−ト
    リフェニルメチル−デヒドロアラニン誘導体。
  2. 【請求項2】 次式(II) 【化2】 (上式中、R1 は水素原子またはアルキル基であり、R
    2 はカルボキシル基の保護基であり、Xはハロゲン原子
    である)で表されるN−トリフェニルメチル−3−ハロ
    アラニン誘導体を有機溶媒中、強塩基の存在下に脱ハロ
    ゲン化水素反応を行うことを特徴とする請求項1記載の
    N−トリフェニルメチル−デヒドロアラニン誘導体の製
    造方法。
JP4162740A 1992-06-22 1992-06-22 N−トリフェニルメチル−デヒドロアラニン誘導体及びその製造方法 Withdrawn JPH069518A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013049638A (ja) * 2011-08-30 2013-03-14 Hokkaido Univ α−ヒドロキシ酸塩の製造方法

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