JPH0695070B2 - 懸濁物中の物質の大きさ及び又は濃度の測定方法 - Google Patents

懸濁物中の物質の大きさ及び又は濃度の測定方法

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JPH0695070B2
JPH0695070B2 JP3361001A JP36100191A JPH0695070B2 JP H0695070 B2 JPH0695070 B2 JP H0695070B2 JP 3361001 A JP3361001 A JP 3361001A JP 36100191 A JP36100191 A JP 36100191A JP H0695070 B2 JPH0695070 B2 JP H0695070B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流体媒体中に懸濁した固
体粒子、非相溶性液滴又は気泡の大きさ及び/又は濃度
のその場での測定に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの化学プロセスの実施において、反
応媒体中の懸濁相の存在の検知、その濃度、粒子の大き
さ、それらの両者を測定することが正しいプロセス制御
上必要となる。かかるプロセスの側に反応液中に結晶を
形成する場合がある。結晶化のさいしょを知ることはし
ばしば、所望の大きさと純度の結晶をつくるようそのプ
ロセスをコントロールする上で必要となる。結晶化のは
じまりを知るのに通常は反応媒体を視覚でモニターした
り、結晶化熱に基づく発熱を検知したり、結晶の存在に
基づく反応媒体の濁りを検知したりする。これらの公知
の方法は正しいプロセス制御にとって十分な感度や機能
上の許容度があるとはいえない場合が多い。懸濁物中の
固体粒子の大きさと濃度を測定する他の多くの方法も知
られているが、それらのほとんどは測定用の懸濁物から
サンプルを分ける必要があり、従って液滴や気泡の測定
には利用できない。これらの公知法は、粒子の大きさや
濃度が変化する場合には、その変化の原因が懸濁物から
サンプルを分けたときに急激になくならない限り、利用
できない。
【0003】
【発明の開示】本発明で用いる繊維光学プローブは、媒
体とは異なる屈折率をもつ粒子を含有する透明又は半透
明媒体を通る光が散乱する現象を利用するものである。
この効果はチンダル散乱として知られている。光の通過
長単位当りの散乱光のフラクションは、粒子の表面積、
媒体と粒子の屈折率(又は、粒子が非透明のときは、粒
子表面の屈折力)に依存し、且つ照射光の波長に関する
粒子の相対的な大きさに依存する。比較的低い粒子濃度
では、他の要因がほぼ一定すると、散乱した光のフラク
ションは濃度と実質上線状の関係になる。しかし比較的
高濃度では、照射光と散乱学の両方が2次散乱によって
希釈され、集めた散乱光と濃度とは非線状関係になる。
【0004】本発明で用いるに適するプローブは、光源
から連続相反応媒体へと、予め定めた領域又は面積を照
射するように、光を運ぶための1又は2以上の光学繊維
を用いる。このプローブはまた照射領域中の粒子によっ
て散乱した光を集め、これを検知器に送るための1又は
2以上の光学繊維を用いる。光学繊維の使用により、照
射光源と集光検知器を、モニターされる媒体から安全な
距離に設置することができる。
【0005】照射光用繊維と散乱光を集めるための繊維
の両方共、測定すべき媒体と向き合った一端に透明窓を
有する流体用のしっかりした1つのプローブ包囲体(h
ousing)内に包含される。包囲体の材料は媒体の
熱と成分に対する抵抗性を持ち媒体自体に所望の面積と
深さで浸漬できるものであればいづれでもよい。光学繊
維はプローブ包囲体の長軸方向に配向し、照射光用繊維
の縦軸と集光用繊維の縦軸が包囲体の縦軸上の共通点で
交差している。この配置により適切な照射領域と適切な
照射視界とが得られる。
【0006】より具体的には、本発明で用いうるプロー
ブは、縦軸を有する包囲体と;該包囲体の一端を閉じ且
つ内外面を持つ透明窓と;包囲体の一端に入り包囲体内
を通っている少くとも2本の細長い光学繊維とからな
り;該繊維は該包囲体の反応側の端部における該窓の内
面で対向し且つ終っている対応する端部を有し、該繊維
の該終端は該包囲体の縦軸から放射的に離れており且つ
相互に円囲的に離れており、該繊維はそれらの縦軸に沿
って伸びる仮想シリンダー形を有し且つ該窓の外面方向
に向けて相互に収斂し且つ該包囲体の縦軸上に中心を持
つ視界(field ofview)内で相互に交差し
ている。
【0007】本発明は流体媒体中に懸濁している動いて
いる光反射性粒子の大きさと濃度の測定法にあり、該方
法は、 (a)該流体媒体によって移動されることができ且つ該
粒子によって反射されることのできる光を該流体媒体の
領域に照射し; (b)反射した光を集め; (c)集めた光の強度の平均強度と分散(variat
ions)を測定し; (d)強度の平均強度と分散の測定値と、同様の粒子を
含有する同様の媒体の少くとも1の他の懸濁物に対し上
記工程(a),(b)及び(c)を適用して得た対応す
る値とを対比する、各工程からなる。
【0008】以下、本発明で用いうるプローブを図に基
づいて説明する。図1は1態様の部分断面図であり図2
の線1ー1をとったものである。図2は図1の態様の正
面図である。図3は図1に類似するが図4の線3−3を
とったものであり、別の態様を示している。図4は図3
の態様の正面図である。図5は図3に類似する別の態様
を示したものである。図6は本発明のプローブを用いる
方法を示す該略図である。
【0009】図1の態様のプローブは一般的に番号1で
示され、モニターされるべき流体媒体中に浸漬できる金
属又は他の適宜の材料からつくられた中空、円筒状の細
長い包囲体2からなる。以後、流体媒体をサンプルとい
う場合がある。包囲体2はその一端に外部ねじ3を有し
ている。包囲体2のねじを有する端部に、包囲体の自由
端上に密封されているフランジ5付きの支持体4が係合
している。フランジに隣接して、支持体の包囲体の内部
を流体密封状につなぐように密封リング7と一致するみ
ぞ6がある。支持体4は別の密封部材9と密封状態を形
成するように環状みぞ8を有する。
【0010】支持体4と環状密封部材9上に、適宜の厚
さ、たとえば2mm、を有しガラス、石英、サファイア
等の適宜の材料でつくられた透明窓10が密封されてい
る。支持体4と窓10は、内部ねじ穴12を有するキャ
ップ11によって組立られた状態にされる。内部ねじ穴
12には包囲体2のねじ端が係合される。キャップは窓
10の余分な端部を覆いかつ密封するフランジ13を有
する。
【0011】包囲体2の反対側の端部は、14における
ように、外部ねじを有し、キャップ16の対応するねじ
スカート15と係合するようになっている。
【0012】キャップ16は3つの軸方向に伸びた開口
18を有し、これらは包囲体2の縦軸19のまわりに放
射状かつ円周状に均一の間隔をおいて設けられている。
各開口間の円周状の間隔は好ましくは120゜だが、他
の間隔でも用いることは云うまでもない。
【0013】各開口18を通って、好ましくは均一直径
の、光学繊維が伸びている。適宜の密封部材21により
キャップ16と繊維20との間を流体密封状態にする。
繊維は、包囲体内を通り、支持体4中につくられた開口
22中に固定された対応する端部を有する。開口22は
包囲体の軸19のまわりに、好ましくは放射状且つ円周
状に一定間隔で、配置される。しかし開口18とは異な
り、開口22の軸は包囲体の隣接端方向に向けて収斂し
ている。収斂角は、後記するように、かわりうる。繊維
20は開口22を通り窓10の内面と接する。好ましく
は、繊維及び窓と同様の屈折率をもつ光学カップリング
ゲル又はオイルの薄い塗膜23を窓と繊維の対向端間に
入れて繊維/窓界面での屈折ロスを減少する。
【0014】繊維20の少くとも1本は光源から光を受
け入れる位置に配置した自由端を有し、その光を窓10
を通し流体サンプルの領域に照射する。残りの繊維は後
記するように1又は2以上の光検知器と対にされる。し
かし繊維20のすべての縦軸は窓10の外面をこえてプ
ローブの縦軸上にある共通点24でプローブの長軸と互
いに交差すると述べれば十分である。照射(用)繊維の
直径は窓を通して実質上円周状の光線25を通すに足れ
ばよい。集光繊維の直径は好ましくは照射繊維と同じで
あり、集光繊維25aの延長軸に沿った仮想円筒形が光
線25と交差するとき、2つの背対背円錐(back−
to−back cones)の形を有する視界(fi
eld of view)26を形成する。この意味に
ついて後記する。
【0015】図3はプローブ1に対応するプローブ1a
を示す。但しプローブ1aは凸形外表面10bを持ち、
フランジ13aはキャップ11の自由端で凸表面上で覆
い密封している。窓10aの最大厚さはプローブの長軸
19にあり、厚さはたとえば約3mmである。プローブ
1と1aの他の相違点は後者の支持体4aが3つではな
く4つの開口22aを有することである。開口22aは
プローブ1aの長軸のまわりに放射状且つ円周状に一定
間隔で配置され、繊維の長軸は収斂し相互に共通点24
aで軸19と交差する。収斂角は軸19に対し約20°
である。交差点24aは窓10aの凸形外面10bを越
えて伸びていず、そこと付合した位置にある。
【0016】開口22aの各々に光学繊維20の各々が
挿入される。2本の対向する繊維が1又は2以上の光源
と対になり光線25aを窓10aを通してサンプル中に
運ぶ。他の2本の繊維は1又は2以上の光検知器とつな
がり、点24aに隣接するサンプルの領域中で粒子によ
って散乱した光をそこに運ぶ。
【0017】図3から明らかなように、繊維軸の交差点
でもたらされる視界26aと包囲体軸は窓10aの凸形
外面と一致する円錐の基礎と実質上同じ形状の円錐形を
している。それ故、視界26aは図1の態様で生ずる視
界26より小さい。
【0018】26aに示すような円錐形視界を得るため
に凸形外面を有する窓を用いることは必須ではない。
【0019】図5の態様では、窓10aは平らな外面と
キャップ11bの自由端にフランジ13bの下にある円
周状フランジ27を有する。フランジ13bと27の間
には環状密封部材28がある。支持体4bは支持体4及
び4aと類似しており、窓10bの内面の下にあり且つ
3又は4本の光学繊維20用開口22bを有している。
光学繊維20の縦軸は収斂し窓10bの外面に位置する
共通点24bで相互に縦軸19bと交差している。その
結果として視界26bは円錐形をし窓の外面にその基礎
がくるよう位置する。
【0020】上記プローブの使用において、サンプルに
光を運ぶ光学繊維はサンプルからはなれた位置に端部を
有し、図6に示すように適宜の光源29に光学的に接続
している。この繊維を以下照射繊維という。残る繊維の
離れた端部は1又は2以上の適宜の光検知及び強度測定
器30及び31とそれぞれ接続している。これら残る繊
維を以下集光繊維という。
【0021】図6では1本の照射繊維と集光繊維を示し
ているがこれは専ら説明の目的のものである。
【0022】適当な光源の例としては光放射ダイオード
(LED)、レーザーダイオード、連続波(CW)ガス
レーザー、白熱灯、スペクトル灯がある。適当な検知器
30としては光ダイオード、光電子倍増器がある。適当
な強度測定器31としてはフォトメーターがある。好ま
しい検知及び測定器はフォトダイオードとトランスイン
ピーダンス増幅器からなりそこからのアウトプットを適
当な対照コンピューター32又はこの方法と対照して操
作しうる同等の機能を有するものと一体化する。
【0023】より具体的には、好ましい光源としてHo
neywellモデル SPX4689−04 GaA
1AS LEDがある。これは約0.8ミクロンの波長
で光を出し、直径が約1ミクロン又はそれ以上の粒子の
懸濁物に特に適している。この光源はHewlett−
Packardモデル 6181C DC電源で強化さ
れうる。適当な検知器30はMath Associa
tesモデル E−5100シリコン PIN フォト
ダイオード増幅器である。適当な測定器/増幅器31は
UDTモデル101A増幅器(United Dete
ctor Technology製)である。適当な対
照(コントロール)/コンピューター32はIntel
単一ボードコンピューターモデル SBC−80/2
4である。各光学繊維は0.6mmのコア直径を有する
プラスチッククラッドシリカ繊維である。これらの繊維
源としてはQuartz Productscorp.
がある。
【0024】サンプル中に照射することを意図した光以
外の光が存在する場合は、光源からの光の波長以外の波
長を有する光を除くため集光繊維端と検知器30の間に
光学繊維をはさんでもよい。
【0025】周囲の光を十分に除く必要がある場合に
は、光源2aとして単色光のCWガスレーザー、レーザ
ーダイオード又はスペクトル灯を使用し、フィルター3
3,29として狭いバンド通過フィルター又はモクロメ
ーターを使用しうる。
【0026】使用時、プローブ1は、粒子の存在を検知
すべきサンプル35を含む容器34中に周知のチューブ
保持具をつかって挿入されうる。また媒体中の所望の位
置に浸漬されうる。
【0027】ここで用いる用語「粒子」は、反応媒体中
に非連続相として存在するすべての形の物質を包含する
意味である。それ故、用語「粒子」はガス中又は非相溶
性液体中の液滴や、液体中の気泡やガス又は液体中の固
体粒子のような物質を当然に包含する。
【0028】図1の態様は低濃度の粒子を含有するサン
プルのモニタリングに好ましく用いられる。それは低濃
度を有するサンプルの方が高濃度サンプルよりにごりが
少なく、その結果、照射光線によるサンプルの透過に対
する妨害が少ないことによる。それ故、光線25は第3
図や第5図のようなプローブデザイン43に比較して相
対的により大量のサンプルを照射することができる。
【0029】視界26は集光繊維20の仮想の円筒25
aを光線25と交差するように窓10の外面をこえて投
影することにより決定される。視界中26の粒子はある
光を反射又は散乱し、ある散乱光は集光繊維によって集
められ、検知器と強度測定器に送られる。
【0030】サンプル中の粒子濃度が比較的高い場合に
は、第3図又は第4図のプローブが好ましい。この場
合、照射繊維によって放射した光線25aはサンプル中
への透過が比較的浅いが、視界26aは窓の外面で始ま
り、それにより視界中で粒子によって散乱した光を集光
繊維で集めることが可能となる。
【0031】本発明で用いるプローブの感度は(1)視
界にきた光量、(2)サンプル中の粒子によって散乱し
た光を集め検知器に送る効率及び(3)粒子によって散
乱した以外の光(外来光)を除く効率に依存する。非常
に低濃度の粒子(ppmからppbの単位)の検知には
外来光の除去は最も重要といえる。外来光の主な源はサ
ンプルと窓の間の界面での照射光の反射によってもたら
される。窓−サンプル界面での反射は代表的には0.1
〜1%、又は10−4〜10−8Wであり、サンプルの
屈折率で異なる。非常に低濃度の粒子から集めた散乱光
は10−13Wというほど低い。それ故、反射光の実質
的すべてを除く必要があるといえる。プローブの形状は
他の要件を満足する限り反射光を最大限に除くよう選ぶ
べきである。これは繊維の縦軸とプローブの縦軸の角
度、繊維とプローブの長軸の間隔、繊維間の円周間隔、
窓から反射した光が集光繊維端にこないような窓の厚さ
の選択によって達成される。典型的には、これらの反射
光がプローブ軸又は照射繊維に対向し、隣接集光繊維間
にあるプローブ軸の側にくるようにこれらの因子を選択
する。照射繊維を相互に対向して配置することにより、
かかる繊維の一方から反射した光が集光繊維上にくる可
能性を最小にする。
【0032】集光繊維によって集め且つ運んだ光の量
は、(1)それらの全断面積(即ち集光繊維の数と各断
面積の積)、(2)繊維の端部とそれらの軸の交差点と
の距離の2乗の逆数及び(3)照射繊維と集光繊維間の
角度にほぼ比例する。実験により最適角度は、直径0.
2〜200ミクロンの粒子では約20゜〜25°の間で
あることが判明した。しかし約10゜と20°の間の角
度は最大値の約30%内の感度をもたらすことも判っ
た。
【0033】繊維からプローブの縦軸までの距離が繊維
直径の2〜3倍のときに3又は4本繊維プローブは特に
好ましい結果を与えることが判った。この場合繊維の縦
軸とプローブの縦軸との角度は10°と25°と間にあ
る。照射繊維と集光繊維間の円周状の間隔の選択も感度
と外来光反射の関係を調節しうる。比較的小さい間隔
(90°以下)ではよりよい外来光除去ができるが、感
度は大きい間隔(90゜以上)より劣る。実際上は、9
0°〜120゜の間隔が望ましい。
【0034】繊維間の円周状間隔と繊維直径とプローブ
の縦軸までの距離の比が一定とすると、感度は繊維直径
にほぼ比例する。これは繊維の断面積と交差点までの距
離の2乗が繊維直径の2乗に比例し、視界の深さ(即ち
照射繊維と集光繊維の視界が重なる領域の長さ)は繊維
直径と共に増加するという事実に基づく。200〜60
0ミクロンのコア直径を持つプラスチッククラッドシリ
カ繊維が最も好ましい。大きい直径(約600ミクロ
ン)はわずかによい結果をもたらすと共に取扱いが最も
容易であるので好ましい。大きいコア直径をもつ繊維は
高価で、曲げ半径が大きいため大きな直径のプローブが
必要となり、好ましいとは云いがたい。
【0035】照射繊維の直径は相互に同一であること
が、また集光繊維と同一であることが好ましい。LED
や幅広の光源、たとえば白熱灯、スペクトル灯、と共に
用いる場合は、小さい繊維ほど一般にサンプルに光を運
びにくく、大きい繊維ほど、それらが集光繊維によって
みられる領域の照射を増すよりもさらに外来光を増す。
CWレーザー又はレーザーダイオードからの集中光を照
射に用いる場合は、集光繊維よりも小さいコア直径を有
する繊維が好ましい。それは窓/サンプル界面からの反
射の直径がより小さいための外来光がより少なくなるこ
とによる。またプローブの界(field)の深さは照
射光線の直径が小さいため減少し、動的範囲を増加する
という結果をもたらす。レーザー光源を用い600ミク
ロンの直径の集光繊維を用いる場合は100〜300ミ
クロンのコア直径を持つ照射繊維を用いることが好まし
い。
【0036】用いる集光繊維の数により感度と経済性を
調節しうる。ほとんどの目的に対し1本の集光繊維で十
分だが高感度が必要な場合は本数を増やすことが望まし
い。
【0037】1本の照射繊維で光放射ダイオード、レー
ザー又はレーザーダイオードからの光を集めるのに十分
だが幅広源からの光を集めるには2本以上が好ましい。
【0038】測定に必要な最小限より多い繊維を用いた
プローブは繊維の破損を考慮するとより望ましいといえ
る。
【0039】本発明は上記に述べた装置を用いて流体媒
体中に懸濁している粒子、非相溶性液滴又は気泡の大き
さ、又は濃度、又はそれらの両方を同時に測定する方法
に関する。便宜上、用語「粒子」は、固体粒状物質、気
泡又は液滴をさすものとする。測定は密閉反応器、パイ
プ、又は他のプロセス機械の内でその場(in−sit
n)で行なわれうる。従ってこの方法はプロセス制御に
有用である。
【0040】この方法は攪拌され、振盪され、又は流動
され、さらには動力等の影響で粒子が動いているような
粒子が何らかの原因で動いている懸濁系に適用されう
る。
【0041】この方法は動いている光反射性粒子を含有
する流体域に一定強度の光を照射し、粒子によって反射
した光の一部を集め、測定することからなる。集めた反
射光の平均強度と強度の分散(variance)が計
算される。粒子の大きさの濃度は既知の大きさと濃度の
同様な粒子を含有する同様の媒体についての同じ測定か
ら得た値と計算した値との比較によって決定する。
【0042】照射光の波長と少なくとも同じ大きさを有
し且つ媒体とは異なる屈折率を有する粒子を含有する透
明又は半透明媒体域への照射により光の一部(フラクシ
ョン)が反射する。媒体内の一定容積の照射域から反射
した光のフラクションはその領域に存在する粒子の大き
さと数に依存すると共に粒子と媒体の屈折率に依存す
る。照射光の強度が照射域全体を通し一定でない場合、
又は反射光の集光の効率が全体を通し一定でない場合、
粒子から検知した光(即ち集めた反射光)の強度は領域
中の粒子の位置に依存する。粒子が静止よりもむしろ動
いている場合、照射領域中の粒子の数と位置は時間と共
に変り、検知した光の強度に無秩序な変動(fluct
uation)を生ずる。これらの変動の大きさは存在
する粒子の大きさと数に依存する。
【0043】非凝集(monosized)粒子の希薄
懸濁物に一定強度の光を照射する場合は、各粒子から反
射する光のフラクションは定数とみなしうる。それ故、
検知した光の強度の分散は照射領域における粒子の数と
位置の統計的な変化に依存する。この場合検知した光の
平均強度(X)と検知した光の強度の分散は次式のよう
になる。
【0044】
【数1】 X=A(C/D) 式1 V=B(CD) 式2
【0045】但しDは粒子の直径、Cは粒子濃度、A
とBは粒子の屈折率又は屈折力、照射光の強度、照射
領域の大きさ、及び照射及び集光繊維の幾何学形状に依
存する量である。従ってAとBは粒子の構成物質、
懸濁媒体及び光学系の特定の組合せに対し定数となる。
【0046】式1と2は濃度(C)と直径(D)を同時
に解決し次の結果を与えうる:
【数2】 C=A(XV)1/2 式3
【0047】但しAとBはAとBに関係し次式で示
される定数である。
【数3】
【0048】既知の大きさと濃度の粒子の懸濁物が得ら
れる場合は、同様の媒体中に懸濁した未知の大きさと濃
度の同様の粒子の大きさと濃度は、両懸濁物に対し同じ
測定装置を用い既知と未知の懸濁物によって反射した光
の強度の平均と変動を測定し式3と式4を適用すること
によって決定することができる。
【0049】式3は粒子の大きさとは独立しており、ま
た式4は濃度とは独立している。従って大きさ又は濃度
のいづれかを独立に決定することができる。
【0050】媒体中の粒子の大きさの決定には、照射領
域の粒子の平均濃度が全媒体のそれと同じであることは
必づしも必要ではない。該領域中の粒子が代表であれば
十分である。従って、本発明は粒子濃度が媒体全体を通
し一定でないプロセスにおける粒子の大きさの決定にも
適用しうる。
【0051】既知の粒子の大きさと濃度をもつ安定なサ
ンプルが手に入らない場合、たとえば気泡や液滴の場合
は、校正をプロセス装置外で行なう必要がある。これは
しばしば、光の反射を測定すると同時に他の測定、たと
えば濃度と粒子の大きさの測定ができるフォトグラフィ
ー−イメージ分析等を同時に行なうことによって達成さ
れる。
【0052】既知の粒子の大きさと濃度の懸濁物が入手
できない場合には、同じ媒体中の同じ物質の2つの懸濁
物中の粒子の相対的な大きさと濃度が決定されうる。1
つのサンプルからの検知した光の平均強度と分散をXi
とViとし、その懸濁物中の粒子の濃度と平均の粒子の
大きさをCiとDiとし、且つ同じ媒体中の同じ物質の
第2の懸濁物における同じ変数をXj,Vj,Cj,D
jとすると次式の如くなる。
【0053】
【数4】
【0054】方向、即ちより小さいかより大きいか、及
び単一懸濁物中の粒子の濃度と平均大きさの変化の相対
的な大きさは、集めた光の平均強度と分散を繰返し測定
し、式7と8を適用することによって決定しうる。
【0055】上記の条件のすべてが合うとはいえない場
合もありうる。たとえば、ある工業プロセスでは粒子の
大きさと濃度が式1と2が正しく機能する範囲内にない
ことがありうる。この場合、大きさ、濃度、平均値及び
分散は複雑でありこれら変数の適切な表現を導びき出す
ことは容易でない。これらの場合、可能性ある範囲全体
にわたった粒子の大きさと濃度をもった多くの既知の懸
濁物を用いて実験的に非直線的な式の一般的な形を求め
ることができる。検知した光の平均強度と分散がその範
囲全体にわたる粒子の平均大きさと濃度の単調な凾数で
ある場合には、未知のサンプルからの検知光の平均強度
と分散の測定値をかくして得られた実験式に挿入するこ
とによって未知懸濁物の濃度と平均大きさの特有値を得
ることができる。
【0056】ポリスチレンビーズの濃度と平均大きさを
次の方法で決定した。 I.較正サンプル 既知の大きさのポリスチレンビーズの複数のサンプルを
塩化ナトリウム水溶液に懸濁した。平均直径0.222
mm、0.458mm及び0.621mmという異なる
大きさの3つのビーズサンプルを1.5〜15容量%の
濃度で上記溶液に懸濁させた。懸濁物を撹拌してビーズ
を運動状態に維持した。上記に示した装置を用いて各懸
濁物毎に3ミリセコンド間隔で1万回反射光の強度を測
定し、これら測定値の平均と分散を計算した。これは各
懸濁物毎に3回行なった。これらの値を用いて、リース
トスクエア(least squire)の方法によっ
て次の回帰式の定数を求めた。
【0057】
【数5】 C=K(XV)1/2+K 式9
【0058】II.未知サンプル ビーズの直径が未知であることを除いて、較正サンプル
と同様にして27の懸濁物をつくった。各懸濁物からの
検知光の強度の平均値と分散の値を上記の較正方法で用
いたと同じようにして決定した。
【0059】次いでこれらの値を線状の回帰式9と10
に挿入して濃度と平均直径の測定値を得た。次いで3つ
のサンプルの真の平均直径をマイクロフォトグラフィー
によって決定した。各未知懸濁物の粒子直径と濃度の測
定値と真の値は次表1の通りである。
【0060】
【表1】
【0061】以上の説明は例示のものであり、本発明を
一切制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプローブの1例を示す部分断面図。
【図2】図1の正面図。
【図3】本発明のプローブの別の1例を示す部分断面
図。
【図4】図3の正面図。
【図5】本発明のプローブのさらに別の1例を示す部分
断面図。
【図6】本発明のプローブを用いる工程概略図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レイ ダブリュー クリスマン アメリカ合衆国ミシガン州 48640 ミド ランドスエード ロード 5501 (72)発明者 ネイザン エヌ ヘイズ アメリカ合衆国ミシガン州 48640 ミド ランドフレデラル ストリート 315 (72)発明者 マイケル デイ メアドウス アメリカ合衆国テキサス州 77566 レー ク ジャクソン パイン ストリート 202

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体媒体中に懸濁している動いている光
    反射性粒子の大きさと濃度を測定するに際し、(a)該
    流体媒体によって送られ且つ該粒子によって反射されう
    る光を該流体媒体領域に照射し、(b)反射した光を集
    め、(c)集めた光の強度の平均強度と分散を測定し、
    そして(d)強度の平均強度と分散の測定値を、同様の
    粒子を含有する同様の媒体の少なくとも1の他の懸濁物
    に工程(a),(b)及び(c)を適用して得た対応す
    る値と比較することを特徴とする懸濁粒子の大きさと濃
    度の測定法。
  2. 【請求項2】 該他の懸濁物中の粒子の大きさと濃度が
    既知である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 流体媒体中に懸濁している動いている光
    反射性粒子の大きさを測定するに際し、(a)該流体媒
    体によって送られ且つ該粒子によって反射されうる光を
    該流体媒体領域に照射し、(b)反射した光を集め、
    (c)集めた光の強度の平均強度と分散を測定し、そし
    て(d)強度の平均強度と分散の測定値を、同様の媒体
    中に含まれる同様の粒子からなる少なくとも1の他の懸
    濁物に工程(a),(b)及び(c)を適用して得た対
    応する値と比較することを特徴とする懸濁粒子の大きさ
    の測定法。
  4. 【請求項4】 該同様の粒子の大きさが既知である請求
    項3記載の方法。
JP3361001A 1984-12-04 1991-12-18 懸濁物中の物質の大きさ及び又は濃度の測定方法 Expired - Lifetime JPH0695070B2 (ja)

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