JPH0694967B2 - 低温熱源利用の吸着式冷凍装置 - Google Patents

低温熱源利用の吸着式冷凍装置

Info

Publication number
JPH0694967B2
JPH0694967B2 JP60232500A JP23250085A JPH0694967B2 JP H0694967 B2 JPH0694967 B2 JP H0694967B2 JP 60232500 A JP60232500 A JP 60232500A JP 23250085 A JP23250085 A JP 23250085A JP H0694967 B2 JPH0694967 B2 JP H0694967B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fin
adsorption
finch
tube
heat source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60232500A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6291763A (ja
Inventor
昌生 松下
健三 奥
Original Assignee
西淀空調機株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 西淀空調機株式会社 filed Critical 西淀空調機株式会社
Priority to JP60232500A priority Critical patent/JPH0694967B2/ja
Publication of JPS6291763A publication Critical patent/JPS6291763A/ja
Publication of JPH0694967B2 publication Critical patent/JPH0694967B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は吸着剤の冷媒吸脱着作用を利用して冷凍運転を
行う吸着式冷凍装置に係り、特に、該冷凍機の吸脱着サ
イクル時間の短縮を図ることにより、単位時間当りの冷
凍能力を増大させ、吸着剤使用量の減少ならびに装置の
コンパクト化を図つた前記吸着式冷凍装置に関するもの
である。
(従来の技術) 近年の世界的なエネルギー資源枯渇の問題は、エネルギ
ー資源の乏しい我が国の将来にとつて極めて深刻な問題
であり、特に、エネルギー資源の無駄使いについては今
後、激しく管理して行く必要がある。
ところで、この種エネルギー資源のうちでも、とりわ
け、火力発電所で高温熱回収した後の冷却水あるいは化
学工場等で副次的に発生する80℃以下の低温熱源は、こ
れを回収する装置の効率,回収コスト等の問題が原因で
全く利用することなく廃棄しているのが現状である。
また、クリーンエネルギーの獲得を目指して開発が進め
られている太陽熱エネルギーの利用技術分野において
も、平板式集熱器で容易に得られる80℃以下の低温熱媒
を冷房運転の熱源として利用することが、装置コストお
よびランニングコストの面で最も有利であることが知ら
れているが、この場合においても、従来の吸収式冷凍機
を使用した冷房システムでは、熱源の温度が低いために
一般的な空調システムの温度条件(冷却水入口温度30
℃,冷却入口温度12℃,冷水出口温度7℃)を満足する
能力を十分発揮させることが出来ず、冷凍機の大型化等
による装置コストの高騰を免れなかつた。
そのため、最近では従来の吸収式冷凍機に替え、シリカ
ゲルあるいはゼオライト等の吸収剤の冷媒吸脱着作用を
応用した吸着式冷凍機を空調システムに組み込むことが
見直されつつある。
第8図は、この様な吸着式冷凍機の一例を断面により示
したものである。
この吸着式冷凍機は、一定量の冷媒を封入した横長円筒
状の真空容器(1)の内部に、太陽エネルギー収集器等
で得られた熱媒を通過させるフイン付の伝熱管(2)
と、利用側熱媒を通過させる直線状マニホールド
(3),(3)′と一体の板状の蒸発凝縮器(4),
(4)′とを所要間隔を置いて水平に収設し、該蒸発凝
縮器(4),(4)′の周囲を円筒状の耐発散遮蔽物
(5),(5)′で包囲すると共に、前記伝熱管(2)
の外周におけるフイン(6)の対向間隙にゼオライト,
活性炭,活性アルミナ又はシリカゲル等の固体吸着剤
(7)を取付けた構造を有し、脱着運転時においては、
前記伝熱管(2)に熱源から供給される流体を通過さ
せ、固体吸着剤(7)を加熱して脱着すると、該固体吸
着剤(7)から吐き出された冷媒蒸気は蒸発凝縮器
(4),(4)′の表面で凝縮してこれに付着する。ま
た、吸着運転時においては、前記伝熱管(2)に冷却水
を流し、固体吸着剤(7)を冷却すると、該固体吸着剤
(7)は、真空容器(1)内の冷媒蒸気および前記蒸発
凝縮器(4),(4)′表面の冷媒を吸着するため、冷
媒が容器(1)内で蒸発する際に蒸発凝縮器(4),
(4)′から熱を奪い、該蒸発凝縮器(4),(4)′
と一体の直線状マニホールド(3),(3)′内を通過
する利用側熱媒を冷却する。
かくして上記吸着・脱着を交互に反復して行い冷却され
た利用側熱媒をビル等の空調に使用する。(特開昭60−
36852号公報参照) ところで、この種の吸着式冷凍機は、一般に吸着剤
(7)の吸脱着に要する時間が短い程、単位時間当りの
冷凍能力が増し、連続運転冷凍能力も大巾に向上する
が、容器(1)内の冷媒の量(吸着剤の飽和吸着量)
は、装置が運転されるときの空調システムの温度条件、
即ち、冷凍能力および設定温度を設計基準にして求めら
れるため、このときに必要な吸着剤の量も必然的に決定
される。従つて、吸着剤の量を同じと仮定すれば、これ
を充填保持する伝熱管(2)の形状等によつて吸脱着サ
イクル時間、特に吸着時のスピードが大きく左右される
ことになる。
また、蒸発凝縮器側においても同様に冷媒の凝縮保持能
力、特に、冷媒を均一な液膜状態で保持すれば、前記吸
着剤(7)の吸着スピードをより早めることが出来る。
(発明が解決しようとする問題点) ところが、従来の吸着式冷凍装置は、一般に100〜300℃
の比較的高い熱源の利用を目標とし、脱着終了時の吸着
剤温度を高く、冷媒吸着量を多く設計することが出来、
これによつて必要な冷凍能力を確保することが可能なた
め、伝熱管(2)のフイン形状,フイン高さ等の工夫が
なされず、単に通常のフイン付伝熱管の外周に固体吸着
剤を保持せしめたものに過ぎないことから、これを80℃
以下の低温熱源を利用して運転した場合は冷媒吸着量が
大巾に減少し、単位時間当りの冷凍能力が著しくダウン
して空調システムの温度条件を満足出来なくなる問題を
生じる。なお、かかる問題を克服すべく吸着剤の充填量
および保持する伝熱管本数を増加することも不可能では
ないが、この場合は冷凍装置が大型化し、製品価格の高
騰を招く問題がある。
本発明はかかる従来の吸着式冷凍機が有していた装置の
大型化の問題に着目してなされたもので、粒状固体吸着
剤を充填保持するフインチユーブのフインピツチおよび
フイン高さを規定し、吸着剤とフインチユーブとの熱交
換および吸着剤と冷媒蒸気との接触を良好ならしめるこ
とにより、吸脱着サイクル時間を短縮し、もつて前記問
題点を解消せんとするものである。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するための本発明の構成を実施例に対応
する第1図乃至第3図にもとづいて詳細に説明する。
所定量の冷媒を封入した真空の胴体(11)は、その内部
に低温熱源からの熱媒、特に80℃以下の熱源側流体を通
過させる第1のフインチユーブ(12)と、利用側流体を
通過させる第2のフインチユーブ(14)とを収設してお
り前記第1のフインチユーブ(12)のフイン間隙(18)
には粒状シリカゲルの如き粒状固体吸着剤(19)が充填
保持されている。
前記第1のフインチユーブ(12)は、そのフインピツチ
(P)が1乃至10mmの範囲に、また、フイン高さ(H)
が5乃至20mmの範囲に設定されていると共に、吸着剤
(19)を充填保持したフイン間隙(18)において、胴体
(11)内の冷媒蒸気が自由に流通し、吸着剤(19)と冷
媒蒸気との接触を可及的良好ならしめるための空隙(2
1)を具有している。
なお、前記第1のフインチユーブ(12)および第2のフ
インチユーブ(14)としては通常、垂直な伝熱管(1
6),(22)の外周に水平なフイン(17),(23)を取
付けたエロフイン型あるいは複数の伝熱管(16),(2
2)を長方形フイン(17),(23)で連結したクロスフ
イン型の熱交換器が使用されるが、特に第2のフインチ
ユーブ(14)は、胴体(11)内の冷媒全量を表面に凝縮
させて液膜状態で保持する必要から、その伝熱面積が充
分広く設計されており、更に、伝熱面積を増加するた
め、必要に応じて多数の凹凸が形成される。
(作用) 上記構成を備えた本発明の吸着式冷凍装置は、第1のフ
インチユーブ(12)に80℃以下の熱源側流体を通過させ
て吸着剤(19)の加熱脱着を行いながら第2のフインチ
ユーブ(14)に冷却水を流し、前記吸着剤(19)から脱
着された冷媒蒸気を凝縮させて液膜状態で保持する。
この間、第1のフインチユーブ(12)側においては、そ
のフインピツチ(P)が1〜10mm、フイン高さ(H)が
5〜20mmの範囲に設定され、フイン間隙(18)に充填保
持される吸着剤(19)とフインチユーブ(12)との間に
熱伝達が良好に維持されているため、脱着に要する時間
の短縮が図られる。
また、吸着運転時においては、第2のフインチユーブ
(14)に利用側流体を通過させ、第1のフインチユーブ
(12)に冷却水を流して吸着剤(19)を冷却すると、吸
着剤(19)は胴体(11)内部の冷媒蒸気を吸着し、同時
に第2のフインチユーブ(14)の表面から冷媒液が蒸発
してフインチユーブ(14)から気化熱を奪うため、利用
側流体が冷却される。このとき、第1のフインチユーブ
(12)側においては、前記フインピツチ(P)およびフ
イン高さ(H)の関係で吸着剤(19)とフインチユーブ
(12)との熱伝達が効率良く維持され、吸着剤(19)の
冷却作用が向上すると共に、フイン間隙(18)内の流通
空隙(21)の存在により冷媒蒸気と吸着剤(19)との接
触が良くなり、吸着スピードが早められる。
かくして、吸脱着に要するサイクル時間が短縮されるた
め、吸着剤の量を増加することなしに、単位時間当りの
冷凍能力が増し、一般の空調システムの温度条件を満足
する連続運転冷凍能力を確保し、80℃以下の低温熱源を
有効に利用して空調を行うことが出来る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付図面にもとづいて詳細に説
明する。
第1図は本発明に係る吸着式冷凍装置の正断面図、第2
図は同吸着式冷凍装置の側断面図、第3図は同装置に含
まれる第1のフインチユーブおよび第2のフインチユー
ブの拡大断面図、第4図は同吸着式冷凍装置を適用した
冷房システムの回路図であつて、(イ)は脱着運転時の
状態、(ロ)は吸着運転時の状態を夫々示している。
これらの図において、(11)は本発明の吸着式冷凍装置
の本体を構成する胴体、(12)は該胴体(11)の内部空
間(13)に収設された薄形のクロスフイン型熱交換器か
らなる第1のフインチユーブ、(14)は該第1のフイン
チユーブ(12)と所要間隔を置いて平行に配設された凝
縮器および蒸発器兼用の第2のフインチユーブであつ
て、前記胴体(11)の内部には所要量の水などが冷媒と
して封入されていると共に、該胴体(11)の内部空間
(13)が真空に保たれている。
前記第1のフインチユーブ(12)は、垂直な伝熱管(1
6)の外面に、これと直交して多数の水平なフイン(1
7)を取付けたもので、伝熱管(16)外周のフイン間隙
(18)には、シリカゲルの如き粒状の固体吸着剤(19)
が充填され、これがフインチユーブ(12)の表裏面に張
設し金網(20),(20)′によつて保持されている。ま
た、上記第1のフインチユーブ(12)は、そのフインピ
ツチ(P)が1〜10mmの範囲に、フイン高さ(H)が5
〜20mmの範囲に設定されていると共に、隣接するフイン
間隙(18)において、ここに充填された状態の吸着剤
(19)間の空隙(21)を冷媒蒸気が自由に流通して、伝
熱管(16)に近い部分の吸着剤(19)にも冷媒蒸気が接
触し易いよう吸着剤(19)の粒径および空隙(21)の大
きさが設定されている。なお、ここで云う前記フイン高
さ(H)とは伝熱管(16)の外面、即ちフイン(17)の
取付部分からフイン間隙(18)外方端の冷媒蒸気の出入
口までの距離を指すもので、フイン(17)の外形状が伝
熱管(16)と同心円形状以外の多角形の場合は、放射方
向距離の平均値がこれに該当する。従つてクロスフイン
コイルを使用した場合は、伝熱管(16)の配列間隔はも
ちろん熱交換器全体の厚みが問題になる。
また、吸着剤は、その粒径が小さい程、単位量当りの冷
媒蒸気との接触面積が増加し、吸着スピードを高めるこ
とが可能であるが、粒径をあまり小さくし過ぎると充填
密度が高く、空隙(21)を冷媒蒸気が通過し難くなるた
め、その点を考慮して粒径を設定することが肝要であ
る。
一方、前記第2のフインチユーブ(14)は第1のフイン
チユーブ(12)と同様なクロスフイン型熱交換器であつ
て、垂直な伝熱管(22)の外周に設けられたフイン(2
3)が略々水平に維持され、表面で凝縮した冷媒全量を
均一な厚さの液膜状態に保持し得るようになつていると
共に、前記伝熱管(22)およびフイン(23)の表面には
伝熱面積の増大を図るための凹凸(24)および波形面
(25)が形成されている。
上記構成からなる吸着式冷凍機は、前記第1のフインチ
ユーブ(12)に設けられた入口ポート(12a)が三方弁
(V1)を介して太陽熱エネルギー収集器,ボイラあるいは
廃熱回収用熱交換器の低温熱源(26)の熱媒出口(26
a)および冷却塔の如き冷却水供給源(27)の冷却水出
口(27a)に夫々ポンプ(P1),(P2)を介して持続されてい
ると共に、出口ポート(12b)が三方弁(V2)を介して前
記低温熱源(26)の熱媒入口(26b)および冷却水供給
源(27)冷却水入口(27b)に接続されている。
また、前記第2のフインチユーブ(14)は、その入口ポ
ート(14a)が三方弁(V3)を介して蓄熱槽(28)から配
管(29)を介して利用側熱媒を汲み上げるポンプ(P3)お
よび前記ポンプ(P2)の吐出口に接続されていると共に、
出口ポート(14b)は三方弁(V4)を介して前記蓄熱槽(2
8)に利用側熱媒を供給する配管(30)および前記冷却
水供給源(27)の冷却水入口(27b)に夫々接続されて
いる。
前記蓄熱槽(28)は、上部を流体が通過可能な仕切り壁
(31)により低温槽(32)と高温槽(30)とに区画した
タンクであつて低温槽(32)よりポンプ(P4)で汲み上げ
られた利用側熱媒は常時空調用熱交換器(34)に供給さ
れ、温度上昇した熱媒が高温槽(33)に還流するように
なつており、ポンプ(P3)とポンプ(P4)との循環量の差を
吸収すると共に、前記吸着式冷凍機から供給される熱媒
を蓄冷して、休止時間(脱着に要する時間)における空
調対象域への冷熱供給を連続的に行う役割を有してい
る。
本発明の冷媒量調整装置は叙上の構成を具備するもので
あるが、次にその作用について順を追つて説明する。
先ず、第4図(イ)に示す脱着運転時において、ポンプ
(P1)を駆動し、低温熱源(26)の熱媒出口(26a)より
三方弁(V1)を通じて第1のフインチユーブ(12)の入口
ポート(12a)に80℃以下の流体(実際には60〜80℃)
を供給することにより吸着剤(19)を加熱すると共に、
ポンプ(P2)を駆動し、冷却水供給源(27)より三方弁(V
3)を通じて第2のフインチユーブ(14)に冷却水(30〜
32℃)を供給し、該フインチユーブ(14)を冷却する
と、前記吸着剤(19)の脱着により胴体(11)の内部空
間(13)に吐き出された冷媒蒸気が第2のフインチユー
ブ(14)の表面で凝縮し、フイン(23)および伝熱管
(22)の表面に均一な液膜を形成する。
このとき、第1のフインチユーブ(12)側においては、
フインピツチ(P)が1〜10mm、フイン高さ(H)が5
〜20mmの範囲に規定され、伝熱管(16)およびフイン
(17)によつて包囲されるフイン間隙(18)に吸着剤
(19)が充填保持されて、該吸着剤(19)とフインチユ
ーブ(12)との熱伝達が効率よく行われ、吸着剤(19)
の加熱および脱着作用が迅速に行われる。
また、第2のフインチユーブ(14)側においては、初め
フイン(23)および伝熱管(22)の表面で冷媒蒸気の凝
縮が始まり、やがてフイン(23)表面に冷媒液膜が形成
されてフイン(23)の熱伝達率は低下するが、垂直な伝
熱管(22)の表面で凝縮した冷媒液は、重力落下してフ
イン(23)に保持され、伝熱管(22)表面の液膜が常時
極めて薄い状態に維持されるため、凝縮時の熱伝達率が
極端に低下することがなく、作動温度範囲内で急速に凝
縮を終了させることが出来る。
次に、第4図(ロ)に示す吸着運転時の状態について説
明する。
ポンプ(P2)を駆動し、冷却水供給源(27)より三方弁(V
1)を通じて第1のフインチユーブ(12)に冷却水(30〜
32℃)を供給し、吸着剤(19)を冷却して胴体(11)内
の冷媒蒸気を吸着させると、第2のフインチユーブ(1
4)の表面に付着した冷媒が蒸発し、フインチユーブ(1
4)から気化熱を奪い、ポンプ(P3)の運転により蓄熱槽
(28)の高温槽(33)から配管(29)を通じて汲み上げ
られ三方弁(V3)を介して第2のフインチユーブ(14)に
供給される利用側熱媒を12℃より7℃程度まで冷却し、
三方弁(V4)から配管(30)を通じて蓄熱槽(28)の低温
槽(32)に供給するため、ポンプ(P4)の作動により蓄熱
槽(28)から空調用熱交換器(34)に7℃前後の利用側
熱媒が供給され、空気から顕熱を奪つて12℃まで昇温し
た熱媒が高温槽(33)に還流し、この間で循環を行つて
空調対象域の冷房を行う。
この間、第1のフインチユーブ(12)においては、前記
フインピツチ(P)およびフイン高さ(H)の関係から
吸着剤(19)とフインチユーブ(12)との熱伝達率が高
く維持され、吸着剤(19)の冷却作用が促進されると共
に、該吸着剤(19)を充填したフイン間隙(18)には、
外周の冷媒蒸気出入口から伝熱管(16)の外面に至る流
通空隙(21)が存在することから冷媒蒸気と吸着剤(1
9)との接触が良好になり、吸着スピードが早められ
る。
また、前記第2のフインチユーブ(14)側においては、
冷媒がフイン(23)の表面に液膜状態で保持されている
ため、蒸気が効率良く進行し、前記吸着剤(19)の吸着
スピード増加と相俟つて吸着時間を短縮することが出来
る。
なお、上記実施例においては、第1のフインチユーブ
(12)および第2のフインチユーブ(14)を単一の胴体
(11)内に隣接して収設した場合について説明したが、
胴体(11)の構成は別段、これに限定されるものではな
く、例えば、第1のフインチユーブ(12)を収設した容
器と第2のフインチユーブ(14)を収設する容器とを別
体に形成し、両容器を冷媒蒸気の移動に支障のない通路
断面積を有する配管を介して互いに連結構成することも
可能である。
また、第2のフインチユーブ(14)についても、例示し
た如き水平なフインをもつエロフイン型熱交換器,クロ
スフイン型熱交換器の外、伝熱管の外周に長尺のフイン
を螺旋状に巻着したもの等を用いることが出来る。
更に、上記実施例においては脱着のための休止時間を補
う目的で吸着式冷凍機と空調用熱交換器(34)との間に
蓄熱槽(28)を設けているが、前記休止時間が長時間に
及ぶ場合は、これに替えて前記吸着式冷凍機を2基以上
使用し、吸着運転および脱着運転を交互に実施すること
により連続運転を行うことも可能である。
前記第1図乃至第3図と略々同型式の装置を試作し、第
1のフインチユーブとして下記第1表の(A)欄に示す
フイン寸法をもつものと、(B)欄に示すそれ以外の寸
法のものとについて吸着スピードを比較する実験を行つ
た。
また、このときの運転条件は次の通りである。
(運転条件) (結果) 実験結果を第5図に示す。このグラフの横軸は経過時
間、縦軸は吸着剤重量に対する吸着された冷媒重量の割
合(重量パーセント)を夫々示している。
上記の結果よりフイン寸法を第1表(A)欄に設定した
ものは(B)欄のものと比較し、吸着運転開始後1分で
吸着量が約2倍,2分後で約1.7倍の吸着量を示し、フイ
ン寸法が吸着スピードに大きな影響を与えることが認め
られる。
なお、フインピツチ(P)を小さく、伝熱管(16)の単
位長さ当りのフイン(17)の枚数を多くする程、伝熱面
積が増加し、吸着剤(19)との熱伝達率が向上する傾向
にあるが、1mm未満では、フイン間隙(18)に充填され
る吸着剤(19)の粒径が小さく充填密度が高くなり、冷
媒蒸気の流通が阻外され、また、フインピツチ(P)が
10mmを越えるとフイン(17)と吸着剤(19)との熱伝達
速度が減少し、吸着スピードが低下する。
一方、フイン高さ(H)については、これを高くする
程、伝熱管(16)単位長さ当りの吸着剤充填量が多くな
り、伝熱管本数を減少させて装置のコンパクト化を図る
ことが可能であるが、20mmを越えるとフイン間隙(18)
内における冷媒蒸気の流動性が悪化し、また、反対にフ
イン高さ(H)を小さくすれば冷媒蒸気の流動性は良く
なる傾向にあるが、5mm未満では略々吸着スピードが平
行するにも拘らず伝熱管単位長さ当りの充填量が減少し
て徒らに伝熱管本数を増加させることになり、装置の大
型化を招く。
更に、第2のフインチユーブ(14)の構成による吸着ス
ピードの変化を調べるため、第6図に示す如きエロフイ
ン型のフインチユーブ(フインピツチ2mm,フイン高さ3m
m)をフイン(23)が水平になるように配置した場合
(イ)と、フイン(23)が略々垂直になるよう配置した
場合(ロ)について夫々吸着スピードを側定した。
なお、(イ)はフインチユーブ(14)の表面に冷媒蒸気
を凝縮させて保持させ、(ロ)はスプレー等で冷媒液を
散布した後、吸着運転を行い、伝熱管(22)内を流れる
流体の流量および出入口温度を測定し、これから吸着量
を算出した。
結果は第7図のグラフに示す通りである。なおグラフの
横軸は吸着時間、縦軸は吸着した冷媒の重量パーセント
である。
上記のグラフより、フイン(23)を水平に配置した場合
(イ)は3.5分で3.2%の冷媒を吸着しているのに対し、
フイン(23)を垂直に配置した場合(ロ)は等量の冷媒
を吸着するのに5.5分を要している。これは、フインチ
ユーブ(14)表面の冷媒液膜の状態によるもので、
(イ)の場合はフイン(23)および伝熱管(22)の表面
全体に薄く均一な冷媒液膜が形成され、蒸発スピードが
各部分で略々一定しているのに反し、(ロ)の場合は冷
媒液膜の厚さが、重力の作用等により不均一になり、各
部分での蒸発スピードが一定せず、冷媒が過剰に付着し
ている部分の蒸発が遅延するためと考えられる。
(発明の効果) 以上述べた如く、本発明の吸着式冷凍装置は、所定量の
冷媒を封入した胴体内部に外周のフイン間隙に吸着剤を
充填保持した第1のフインチユーブと、凝縮器蒸発器兼
用の第2のフインチユーブとを収設してなる吸着式冷凍
機における前記第1のフインチユーブのフインピツチを
1〜10mm,フイン高さを5〜20mmの範囲として、吸着剤
が早く均一に加熱・冷却されるように設定すると共に、
吸着剤を充填したフイン間隙に冷媒蒸気が流通する空隙
を具有せしめて吸着剤と冷媒蒸気との接触を可及的良好
ならしめたものであるから、前記第1のフインチユーブ
に通過させる熱源側流体として80℃以下の低温流体を利
用し、一般の空調システムの温度条件を満足する冷凍運
転を行うことが可能となり、また、吸脱着サイクル時間
の短縮により、吸脱着作用を数分で終了することが出
来、小容量の吸着剤で大容量の冷凍が行えるため、冷凍
装置のコンパクト化および装置コストの低減を図るとい
うすぐれた効果を発揮し、低温熱源の有効利用によるエ
ネルギー資源の節約に大いに寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る吸着式冷凍装置の正断面図、第2
図は同吸着式冷凍装置の側断面図、第3図は同装置に含
まれる第1のフインチユーブおよび第2のフインチユー
ブの拡大断面図、第4図は同吸着式冷凍装置を適用した
冷房システムの回路図であつて、(イ)は脱着運転時の
状態、(ロ)は吸着運転時の状態を夫々示している。ま
た、第5図は第1のフインチユーブのフイン寸法による
吸着スピードの違いを示すグラフ、第6図(イ)(ロ)
は、第2のフインチユーブの配置状態を示す概要図、第
7図は同フインチユーブのフインの傾きによる吸着スピ
ードの違いを示すグラフ、第8図は従来の吸着式冷凍機
の断面図である。 (11)…胴体,(12)…第1のフインチユーブ, (14)…第2のフインチユーブ, (16)(22)…伝熱管,(17)(23)…フイン, (18)…フイン間隙,(19)…吸着剤, (21)…空隙, (P)…フインピツチ,(H)…フイン高さ,

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定量の冷媒を封入した真空の胴体内部に
    外周のフイン間隙に吸着剤を充填保持した第1のフイン
    チユーブと、第2のフインチユーブとを収設し、第1の
    フインチユーブに熱源側流体を通過させ、第2のフイン
    チユーブに利用側流体を通過させて前記吸着剤の冷媒吸
    脱着作用により前記利用側流体の冷却を行なう吸着式冷
    凍機の前記熱源側流体として80℃以下の流体を第1のフ
    インチユーブに通過せしめる装置であつて、前記第1の
    フインチユーブのフインピツチは1〜10mm,フイン高さ
    は5〜20mmの範囲でありかつ吸着剤を充填したフイン間
    隙には冷媒蒸気が流通し吸着剤と冷媒蒸気との接触を可
    及的良好ならしめる空隙が具有されていることを特徴と
    する低温熱源利用の吸着式冷凍装置。
  2. 【請求項2】第1および第2のフインチユーブが垂直な
    伝熱管の外周に多数の水平なフインを取付けたクロスフ
    イン型又はエロフイン型の熱交換器である特許請求の範
    囲第1項記載の低温熱源利用の吸着式冷凍装置。
  3. 【請求項3】胴体が単体であり、該胴体の内部に第1の
    フインチユーブおよび第2のフインチユーブが所要間隔
    をおいて互いに隣接して収設されている特許請求の範囲
    第1項又は第2項記載の低温熱源利用の吸着式冷凍装
    置。
  4. 【請求項4】胴体が第1のフインチユーブを収納する容
    器と第2のフインチユーブを収納する容器とからなり、
    両容器が冷媒蒸気の流通を妨げない大きさの断面積を備
    えた通路によつて互いに連絡されている特許請求の範囲
    第1項乃至第3項のいずれかに記載の低温熱源利用の吸
    着式冷凍装置。
  5. 【請求項5】第2のフインチユーブが冷媒全量を液膜状
    態で保持するに足る伝熱面積を有している特許請求の範
    囲第1項乃至第4項のいずれかに記載の低温熱源利用の
    吸着式冷凍装置。
  6. 【請求項6】第2のフインチユーブがフイン又は伝熱管
    の外面に伝熱面積を増加するための凹凸を有している特
    許請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかに記載の低温
    熱源利用の吸着式冷凍装置。
JP60232500A 1985-10-17 1985-10-17 低温熱源利用の吸着式冷凍装置 Expired - Lifetime JPH0694967B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60232500A JPH0694967B2 (ja) 1985-10-17 1985-10-17 低温熱源利用の吸着式冷凍装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60232500A JPH0694967B2 (ja) 1985-10-17 1985-10-17 低温熱源利用の吸着式冷凍装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6291763A JPS6291763A (ja) 1987-04-27
JPH0694967B2 true JPH0694967B2 (ja) 1994-11-24

Family

ID=16940298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60232500A Expired - Lifetime JPH0694967B2 (ja) 1985-10-17 1985-10-17 低温熱源利用の吸着式冷凍装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0694967B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04122961U (ja) * 1991-04-05 1992-11-05 株式会社豊田自動織機製作所 水素吸蔵放出式熱交換器
JPH05264118A (ja) * 1992-03-17 1993-10-12 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 冷凍機

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57179548A (en) * 1981-04-27 1982-11-05 Aisin Seiki Intermittent type absorbing cooler
FR2539854A1 (fr) * 1983-04-22 1984-07-27 Cetiat Installation de refrigeration par adsorption sur un adsorbant solide et procede pour sa mise en oeuvre
JPS6038565A (ja) * 1983-08-12 1985-02-28 松下電器産業株式会社 給湯機

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6291763A (ja) 1987-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0694968B2 (ja) 吸着式冷凍装置
KR930008821B1 (ko) 흡착식 축열장치 및 이를 포함하는 시스템
WO2001038802A1 (en) Absorption refrigerating machine
CN201535592U (zh) 一种采用降膜式发生器的溴化锂吸收式冷水机组
CN103673375B (zh) 双床连续吸附式制冷系统及其制冷方法和一种空调机组
CN2775567Y (zh) 热管隔离水平托盘高效蒸发器
JPH0694967B2 (ja) 低温熱源利用の吸着式冷凍装置
CN103277932A (zh) 余热冷管型旋转式吸附制冷空调装置
JPH07301469A (ja) 吸着式冷凍機
JPH0765819B2 (ja) 吸着剤循環による吸着式冷凍機
JPH0694965B2 (ja) 吸着式冷凍機の冷媒量調整装置
JPH0694966B2 (ja) 吸着式冷凍機
CN212538376U (zh) 一种兼具有风冷和蒸发冷的两用型换热器
CN114963605B (zh) 便携式冷藏箱及冷藏箱用吸附式制冷装置
CN117213033B (zh) 一种太阳能新风热回收装置
US3580001A (en) Absorption refrigeration machine with concentration control tank
CN101865571B (zh) 摆动式热管吸附式制冷发生器
JPH0517563Y2 (ja)
JP2003014332A (ja) 吸収式ヒートポンプ
JPH0442683Y2 (ja)
JPH10176872A (ja) 吸着式ヒートポンプ
JPS6017668A (ja) 冷却システム
CN1170126A (zh) 一泵制竖管降膜溴化锂制冷技术
KR200154750Y1 (ko) 흡수식 소형 냉·난방기
JPS63259360A (ja) 吸着式ヒ−トパイプおよび該吸着式ヒ−トパイプを使用した吸着式冷凍機

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term