JPH0694589A - 高温部品の寿命診断方法 - Google Patents

高温部品の寿命診断方法

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JPH0694589A
JPH0694589A JP24061392A JP24061392A JPH0694589A JP H0694589 A JPH0694589 A JP H0694589A JP 24061392 A JP24061392 A JP 24061392A JP 24061392 A JP24061392 A JP 24061392A JP H0694589 A JPH0694589 A JP H0694589A
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JP24061392A
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Itaru Murakami
上 格 村
Nagatoshi Okabe
部 永 年 岡
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)
  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 診断結果が過度に安全側に偏ることなく、材
料寿命データの揺らぎを考慮した高精度かつ高信頼度の
高温部品の寿命診断方法を提供する。 【構成】 材料寿命特性算出装置4は材料データベース
1の高温部品の実験寿命データから推定寿命特性データ
を算出する。寿命分布解析装置6は推定寿命特性データ
の確率分布を近似する。揺らぎ分布解析装置7は上記確
率分布と実験寿命データとの差異に関連する揺らぎデー
タを求め、この揺らぎデータの揺らぎ分布を算出する。
統合信頼度解析装置8は上記確率分布と上記揺らぎ分布
とに基づき任意の信頼水準での確率分布を求め、この任
意の信頼水準での確率分布から、実機プラント部品の温
度や圧力や運転履歴などの運転環境と非破壊検査結果か
ら得た材料劣化状態の下での部品の信頼度を算出し、上
記信頼水準と上記信頼度とから部品の統合信頼度を算出
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高温部品の寿命診断方法
に係り、特に蒸気タービンやガスタービン等の構造部品
のように長期にわたって高温状態で使用される高温部品
の寿命診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】火力発電プラントなどには蒸気タービン
やガスタービンが広く使用されている。このような蒸気
タービンやガスタービンなどに使用される構造部品は、
長期間にわたって高温かつ高圧の流体に晒されるため、
定常運転中の遠心力によるクリープ損傷や、起動・停止
時の応力による低サイクル疲労損傷や、振動などによる
高サイクル疲労損傷を被る。このような損傷が亀裂に発
展すると、プラント全体の健全性や補修性に重大な影響
を及ぼすため、亀裂発生寿命を定期的に診断する保守管
理が不可欠である。
【0003】このような高温構造部品の寿命診断方法の
一つが特公平1−27377号公報に開示されている。
この寿命診断方法は、高温で使用される構造部材の温度
や圧力や回転数や負荷などの使用状態量から温度応力を
算出すると共に、構造部材の材料硬さや分極特性や磁気
特性や金属組織や欠陥などの材料状態量から引張り・疲
労・クリープなどの材料特性を算出し、これらの算出値
を運転履歴に応じて修正して、損傷の蓄積量と進行状態
とを算出し、許容値と比較することによって構造部材が
支障を来すことなく使用することができる期間を予知診
断するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の寿命
診断方法は評価部材の健全性を確保するために実験デー
タの最下限値に基づき寿命を算出する必要があるので、
診断結果が過度に安全側に偏ってしまうという問題があ
る。
【0005】また、構造部品の補修・交換を含めた合理
的な保守計画を立案するためには、亀裂発生確率が極め
て低い裾野領域における部品の信頼度を推定する必要が
ある。しかしながら、この低い裾野領域では材料ロット
のばらつきなどに起因する材料寿命データの揺らぎによ
って亀裂発生確率が大きく左右されてしまうにも拘ら
ず、上述した従来の寿命診断方法はデータの揺らぎを何
ら考慮していないため、寿命診断結果が信頼性に欠ける
場合があるといった問題もある。そこで、本発明の目的
は、診断結果が過度に安全側に偏ることなく、材料寿命
データの揺らぎを考慮した高精度かつ高信頼度の高温部
品の寿命診断方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に請求項1に記載の発明に係る高温部品の寿命診断方法
は、高温部品の実験寿命データから推定寿命特性データ
を算出する寿命特性データ算出工程と、上記推定寿命特
性データの確率分布を近似する確率分布近似工程と、上
記確率分布と実験寿命データとの差異に関連する揺らぎ
データを求め、この揺らぎデータの揺らぎ分布を算出す
る揺らぎ分布算出工程と、上記確率分布と上記揺らぎ分
布とに基づき任意の信頼水準での確率分布を求め、この
任意の信頼水準での確率分布から、実機プラント部品の
温度や圧力や運転履歴などの運転環境と非破壊検査結果
から得た材料劣化状態の下での部品の信頼度を算出する
信頼度算出工程と、上記信頼水準と上記信頼度とから部
品の統合信頼度を算出する統合信頼度算出工程とを具備
することを特徴とするものである。
【0007】この構成にあっては、上記寿命特性データ
算出工程は上記実験寿命データから部品の寿命中央デー
タを算出し、上記実験寿命データを上記寿命中央データ
で割った値を上記推定寿命特性データとし、上記確率分
布近似工程は、確率分布形状として3母数ワイブル分布
を使用し、上記揺らぎ分布算出工程は、上記実験寿命デ
ータと上記3母数ワイブル分布の推定値との比の対数を
上記揺らぎとすることが望ましい。また、上記揺らぎ分
布は3母数ワイブル分布の位置母数の分布であることが
好ましい。
【0008】請求項4に記載の発明に係る高温部品の寿
命診断方法は、高温部品の実験寿命データから推定寿命
特性データを算出する寿命特性データ算出工程と、上記
推定寿命特性データの確率分布を近似する確率分布近似
工程と、上記確率分布と実験寿命データとの差異に関連
する揺らぎデータを求め、この揺らぎデータの揺らぎ分
布を算出する揺らぎ分布算出工程と、上記確率分布と上
記揺らぎ分布とに基づき任意の信頼水準での確率分布を
求め、この任意の信頼水準での確率分布から、実機プラ
ント部品の温度や圧力や運転履歴などの運転環境と非破
壊検査結果から得た材料劣化状態とに基づくと共に将来
の運用予想に基づく部品の信頼度を算出する信頼度算出
工程と、上記信頼水準と上記信頼度とから部品の統合信
頼度を算出する統合信頼度算出工程と、上記統合信頼度
と許容信頼度とを等しくなるまで、上記統合信頼度の算
出を繰返す繰返し工程と、上記統合信頼度と許容信頼度
とが等しくなるまでの期間を余寿命として算出する余寿
命算出工程とを具備することを特徴とするものである。
【0009】
【作用】請求項1に記載の発明にあっては、高温部品の
実験寿命データから推定寿命特性データを算出した後
に、この推定寿命特性データの確率分布を近似する。次
いで上記確率分布と実験寿命データとの差異に関連する
揺らぎデータを求め、この揺らぎデータの揺らぎ分布を
算出する。この後に、上記確率分布と上記揺らぎ分布と
に基づき任意の信頼水準での確率分布を求め、この任意
の信頼水準での確率分布から、実機プラント部品の温度
や圧力や運転履歴などの運転環境と非破壊検査結果から
得た材料劣化状態の下での部品の信頼度を算出する。こ
の信頼水準と上記信頼度とから部品の統合信頼度を算出
する。
【0010】請求項4に記載の発明にあっては、高温部
品の実験寿命データから推定寿命特性データを算出した
後に、上記推定寿命特性データの確率分布を近似する。
次いで、上記確率分布と実験寿命データとの差異に関連
する揺らぎデータを求め、この揺らぎデータの揺らぎ分
布を算出する。この後に、上記確率分布と上記揺らぎ分
布とに基づき任意の信頼水準での確率分布を求め、この
任意の信頼水準での確率分布から、実機プラント部品の
温度や圧力や運転履歴などの運転環境と非破壊検査結果
から得た材料劣化状態とに基づくと共に将来の運用予想
に基づく部品の信頼度を算出する。上記信頼水準と上記
信頼度とから部品の統合信頼度を算出し、この統合信頼
度と許容信頼度とを等しくなるまで、上記統合信頼度の
算出を繰返し、上記統合信頼度と許容信頼度とが等しく
なるまでの期間を余寿命として算出する。
【0011】
【実施例】以下に本発明による高温部品の寿命診断方法
の実施例を図1乃至図10を参照して説明する。図1は
蒸気タービンロータのクリープ損傷に関する寿命診断方
法に本発明を適用した第1の実施例を示したものであ
る。蒸気タービンロータは定常運転中、高温の環境下で
毎分数千回の回転数で回転するため、クリープ損傷の診
断が特に重要である。
【0012】図1及び図2において、材料データベース
1には蒸気タービンロータの部品材料のクリープ破断試
験結果のデータが格納されている。運転環境データベー
ス2には高温部品の温度や応力や運転履歴などの運転環
境データが格納され、非破壊検査データベース3には材
料の硬さ測定結果や分極試験結果や組織観察結果などの
非破壊検査データが格納されている。材料データベース
1のクリープ破断試験結果データは例えば、図3のグラ
フに示したように、ラーソンミラーパラメータPや試験
応力σや材料のビッカース硬度Hvなどである。なお、
ラーソンミラーパラメータPは、試験温度Tと破断時間
trとから次式(a)で表される。 P=T{C+log(tr)} (a) 材料寿命特性算出装置4は、材料データベース1のクリ
ープ破断試験結果データのラーソンミラーパラメータP
を関数P=f(σ,Hv)で近似し、この関数の係数を
求め、クリープ破断特性の中央寿命特性を算出する。具
体的には、材料寿命特性算出装置4はラーソンミラーパ
ラメータPを下記の式(b)の関数で近似する。 P=A・Hv+B A=Σai・(logσ) B=Σbi・(logσ) (b) ただし、i≧0、aiとbiは定数である。この式
(b)に示した近似関数は、図3の試験結果データを代
入することによって係数aiとbiが求められ、寿命中
央値、即ち推定クリープ破断寿命が決定される。
【0013】図4は縦軸に等価応力を、横軸にラーソン
ミラーパラメータPをとったグラフである。この等価応
力はビッカース硬度が220の試験材料で試験を行った
場合に相当する応力であり、図4から明らかなように実
線で示された式(b)の近似関数はプロットされた試験
データと良好に一致しており、寿命中央特性は式(b)
により精度良く推定できたことが分かる。このように、
試験温度や試験圧力及び劣化状態の異なるデータも統一
的に評価することができるため、本実施例では式(b)
のクリープ破断特性中央値でクリープ破断時間の実験値
を割った値μを無次元化寿命と定義し、この無次元化寿
命μについて統計解析を行う。即ち、 μ=(クリープ破断実験値)/(推定クリープ破断中央値) (c) 以上のように、材料寿命特性算出装置4は、材料データ
ベース1のクリープ破断時間の実験データから推定クリ
ープ破断中央値を推定し、これらの両者の比である無次
元化寿命μを算出する。寿命診断装置5は、寿命分布解
析装置6と揺らぎ分布解析装置7と統合信頼度解析装置
8とから構成される。
【0014】この寿命分布解析装置6は、μ値を昇順に
並び変え、順序統計により累積破断確率Fを求める。図
5は、ワイブル確率紙上の縦軸に累積破断確率Fを、横
軸に無次元化寿命μを夫々とったグラフであり、これか
ら明らかなように累積破断確率Fはμ=0.3近傍で下
限値が存在する。このため、本実施例では累積破断確率
Fとμ値との関係が3母数ワイブル分布に従うものと推
定する。即ち、累積破断確率Fとμ値との関係は以下の
式(d)で表すことができる。式(d) F(μ)=1−e[−{(μ−γ)/β}m] (d)
【0015】次に、寿命分布解析装置6は、累積破断確
率Fが3母数ワイブル分布に近似することを検証する。
この検証は以下のように行われる。
【0016】累積破断確率Fが3母数ワイブル分布に従
う場合には、式(d)の(μ−γ)を横軸にとり、累積
破断確率Fをワイブル確率紙上にプロットすると、直線
関係が成立する。図6は解析の結果、最適解として得ら
れたγを用いて累積破断確率Fをプロットしたもので、
良好な直線関係が得られることが分かる。そこで、寿命
分布解析装置6は、式(d)の3母数ワイブル分布の母
数m,β及びγの最適近似値を求め、上記の直線関係の
検定を行う。以上のように、寿命分布解析装置6は、累
積破断確率Fを求め、これが3母数ワイブル分布に近似
することを検定する。しかしながら、この寿命分布解析
装置6によって求めた3母数ワイブル分布形状は、あく
まで実験データから推定した分布関数の期待値に過ぎ
ず、真の寿命分布形状はこれとは異なった値を示す可能
性を否定できない。蒸気タービンロータは損傷が発生し
た場合の社会的影響が非常に大きいため、極めて低い確
率領域での信頼度が問題になる。分布形状の誤差の影響
はこの低確率領域で大きく、特に本実施例のように寿命
分布が3母数ワイブル分布に従う場合には、位置母数γ
以下の寿命を持つ材料は存在しないこととなるため、推
定分布形状の信頼水準を求める必要がある。
【0017】そこで、本実施例では3母数ワイブル分布
の推定値と実験データとの比の対数、即ち図5及び図6
に示されたワイブル確率紙における直線(推定値)とプ
ロット点(実験データ)との水平方向のずれ量をデータ
の揺らぎと定義し、揺らぎ分布解析装置7によってこの
データの揺らぎを解析し信頼水準を求める。揺らぎ分布
解析装置7は、実験ロット毎のデータに対して揺らぎ量
の平均Mと分散Sとを算出し、揺らぎ量の分布関数を
求める。この揺らぎ量の分布関数、即ち前記の揺らぎの
定義により信頼区間rに対する破断発生確率Frは次式
(e)で表される。
【数1】 ここで、φは標準正規分布N(0,1)の分布関数であ
る。統合信頼度解析装置8は、式(d)の確率分布と式
(e)の揺らぎ分布とから任意の信頼水準での確率分布
を得る。即ち、式(e)に式(d)を代入すると、次式
(f)が得られる。
【数2】 統合信頼度解析装置8は、上記の式(f)から信頼水準
rに対する部材の信頼度Rrを求める。即ち、信頼水準
rに対する部材の信頼度Rrは下記の式(g)で表され
る。
【数3】 この式(g)に基づき、任意の信頼水準r,一般的には
0.9や0.95や0.99などの信頼水準rに対する
信頼度を求めることができる。しかしながら、信頼水準
を考慮した場合でも、下限値は存在し、下限値以下の信
頼度は必ず1となる。合理的な保守管理指針を導くため
には、下限値以下の信頼度を評価する必要がある。この
ため、統合信頼度解析装置8は、信頼水準rと信頼度R
rとを統合して、次のように統合信頼度Roを算出す
る。
【0018】即ち、寿命データの分布と揺らぎの分布に
応力−強度モデルと同様の考え方を適用すると、平均信
頼度Rmを考えることができ、この平均信頼度Rmの上
下界は、次式(h)で求められる。 Rr・r<Rm<1−(1−Rr)・(1−r) (h) ここで、式(g)から明らかなように、Rrはrの関数
として求められるため、0<r<1の区間でのRr・r
の最大値と1−(1−Rr)・(1−r)の最小値とを
数値計算によって求めることができ、これらの最大値及
び最小値により、平均信頼度Rmの下界及び上界を求め
ることができる。本実施例では、安全側の評価のために
Rr・rの最大値をもって部材の統合信頼度Roとす
る。この最大値は、信頼水準rを変化させて、Rr×r
の計算を繰り返すことによって求めることができる。
【0019】実機部品では、運転時間と共に材料劣化が
進行し、運転中のクリープ歪みの増加によって応力緩和
が起こるため、材料特性や負荷条件が変化する。このた
め、本実施例では実機部品の統合信頼度を式(g)から
算出する場合に、線形損傷則を用いて材料特性や負荷条
件の変化及び影響を考慮してμ値を次式(i)から求め
る。即ち、
【数4】 ここで、trは式(a)及び式(b)から、応力σと温
度Tとビッカース硬度Hvとの関数として求められる。
従って、運転環境データベース2からの温度や応力の履
歴と非破壊検査データベース3からの硬さの履歴とを式
(a)及び式(b)に代入しtrを求め、このtrを式
(i)に代入して、μを算出する。このように算出され
たμを用いることによって、実機部品の統合信頼度が式
(g)及び式(h)から算出することができる。次に、
本発明を蒸気タービンケーシングの寿命診断方法に適用
した第2の実施例を説明する。蒸気タービンケーシング
は起動及び停止時の熱応力による低サイクル疲労損傷が
主な損傷モードであるため、第2の実施例ではこの低サ
イクル疲労損傷の寿命診断を行う。
【0020】図7及び図8において、材料データベース
1には低サイクル疲労試験結果、例えば、図9のグラフ
に示した亀裂発生までの繰返し数Ncや試験で負荷した
全歪み範囲Δεtなどが格納されている。運転環境デー
タベース2にはプラントの起動・停止に伴う歪み量と起
動停止回数などのデータが格納されている。部品に生ず
る歪み量は、蒸気タービンの起動時の温度や起動方法に
よって一定ではない。そこで、本実施例では、起動時の
温度によって起動状態をベリホットとホットとウォーム
とコールドとに分類して夫々の起動状態での歪み量と起
動停止回数とが運転環境データベース2から読み出され
る。
【0021】非破壊検査結果データベース3には上記第
1の実施例と同様に硬さ測定結果や分極試験結果や組織
観察結果などの非破壊検査データが格納されている。全
歪み範囲Δεtは弾性歪み範囲Δεeと塑性歪み範囲Δ
εpとに分割することができるので、材料寿命特性算出
装置4は、図9に示した繰返し数Ncと全歪み範囲Δε
tとの関係を以下の式(j)のように近似する。 Δε=Δε+Δεp =C1 Nca1+C2 Nca2 C1 =C11+C12・Hv a1=a11+a12・Hv (j) ここで、a11、a12、a2、C11、C12、C2
は材料定数である。こうして、材料寿命特性算出装置4
は低サイクル疲労の寿命中央値、即ち亀裂発生回数の推
定値を算出する。次いで、第1の実施例と同様に、この
寿命中央値に対する実験データの比μを次のように定義
する。 μ=(疲労亀裂発生回数実験値)/(推定疲労亀裂発生回数) (k)
【0022】図10は比μを横軸にとり、累積損傷発生
確率をワイブル確率紙上にプロットしたグラフである。
このグラフから明らかなように、この場合も第1実施例
のクリープ寿命と同様に3母数ワイブル分布に従うこと
が分かる。寿命診断装置5は、第1の実施例と全く同様
の構成であり、即ち、寿命分布解析装置6と揺らぎ分布
解析装置7と統合信頼度解析装置8とから構成され、3
母数ワイブル分布の推定値と実験データとの比の対数を
データの揺らぎと定義して、統合信頼度を算出する。式
(j)から明らかなように推定疲労亀裂発生回数Ncは
歪み量と硬度との関数であるので、実機の統合信頼度を
式(g)から算出するためには、第1の実施例の場合と
同様に、本実施例でもμを次式(l)から求める必要が
ある。
【数5】 この式(l)のμは、式(j)から逆算して求めた推定
疲労亀裂発生回数Ncを式(l)に代入することによっ
て算出することができる。更に、将来の部品の損傷量を
次のように求めることができる。即ち、硬度の変化量を
推定し、ベリホットとホットとウォームとコールドの各
運転条件でのNcを求めておき、運用予想値データメモ
リ部9にメモリされている各起動条件での単位時間当た
りの起動回数nを運用予想値として読み出して、n/N
cを加算することによって、単位時間経過後のμを算出
することができる。この手順を繰返すことによって、将
来の任意の時間におけるμと統合信頼度とを求めること
ができる。こうして求めた統合信頼度Roと許容信頼度
Rpとを比較して、両者が等しくなるまで繰返し計算を
行い、これらの統合信頼度と許容信頼度とが等しくなる
までの時間を余寿命として算出する。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように請求項1
に記載の発明によれば、高温部品の実験寿命データから
推定寿命特性データを算出する寿命特性データ算出工程
と、上記推定寿命特性データの確率分布を近似する確率
分布近似工程と、上記確率分布と実験寿命データとの差
異に関連する揺らぎデータを求め、この揺らぎデータの
揺らぎ分布を算出する揺らぎ分布算出工程と、上記確率
分布と上記揺らぎ分布とに基づき任意の信頼水準での確
率分布を求め、この任意の信頼水準での確率分布から、
実機プラント部品の温度や圧力や運転履歴などの運転環
境と非破壊検査結果から得た材料劣化状態の下での部品
の信頼度を算出する信頼度算出工程と、上記信頼水準と
上記信頼度とから部品の統合信頼度を算出する統合信頼
度算出工程とを具備するため、診断結果が過度に安全側
に偏ることなく、材料寿命データの揺らぎを考慮した高
精度かつ高信頼度の寿命診断を行うことができる。
【0024】また、請求項4に記載の発明によれば、高
温部品の実験寿命データから推定寿命特性データを算出
する寿命特性データ算出工程と、上記推定寿命特性デー
タの確率分布を近似する確率分布近似工程と、上記確率
分布と実験寿命データとの差異に関連する揺らぎデータ
を求め、この揺らぎデータの揺らぎ分布を算出する揺ら
ぎ分布算出工程と、上記確率分布と上記揺らぎ分布とに
基づき任意の信頼水準での確率分布を求め、この任意の
信頼水準での確率分布から、実機プラント部品の温度や
圧力や運転履歴などの運転環境と非破壊検査結果から得
た材料劣化状態とに基づくと共に将来の運用予想に基づ
く部品の信頼度を算出する信頼度算出工程と、上記信頼
水準と上記信頼度とから部品の統合信頼度を算出する統
合信頼度算出工程と、上記統合信頼度と許容信頼度とを
等しくなるまで、上記統合信頼度の算出を繰返す繰返し
工程と、上記統合信頼度と許容信頼度とが等しくなるま
での期間を余寿命として算出する余寿命算出工程とを具
備するため、上記請求項4に記載の発明の効果に加え
て、高温部品の余寿命を高精度に予測することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高温部品の寿命診断方法の第1の
実施例を示したブロック図。
【図2】上記第1の実施例の作用を示したフローチャー
ト。
【図3】クリープ破断試験結果を示したグラフ。
【図4】ラーソンミラーパラメータと等価応力との関係
を示したグラフ。
【図5】μと累積破断確率との関係を示したグラフ。
【図6】(μ−γ)と累積破断確率との関係を示したグ
ラフ。
【図7】本発明による高温部品の寿命診断方法の第2の
実施例を示したブロック図。
【図8】上記第2の実施例の作用を示したフローチャー
ト。
【図9】亀裂発生までの繰返し数と全歪み範囲との関係
を示したグラフ。
【図10】μと累積損傷発生確率との関係を示したグラ
フ。
【符号の説明】
1 材料データベース 2 運転環境データベース 3 非破壊検査結果データベース 4 材料寿命特性算出装置 6 寿命分布解析装置 7 揺らぎ分布解析装置 8 統合信頼度解析装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温部品の実験寿命データから推定寿命特
    性データを算出する寿命特性データ算出工程と、上記推
    定寿命特性データの確率分布を近似する確率分布近似工
    程と、上記確率分布と実験寿命データとの差異に関連す
    る揺らぎデータを求め、この揺らぎデータの揺らぎ分布
    を算出する揺らぎ分布算出工程と、上記確率分布と上記
    揺らぎ分布とに基づき任意の信頼水準での確率分布を求
    め、この任意の信頼水準での確率分布から、実機プラン
    ト部品の温度や圧力や運転履歴などの運転環境と非破壊
    検査結果から得た材料劣化状態の下での部品の信頼度を
    算出する信頼度算出工程と、上記信頼水準と上記信頼度
    とから部品の統合信頼度を算出する統合信頼度算出工程
    とを具備することを特徴とする高温部品の寿命診断方
    法。
  2. 【請求項2】上記寿命特性データ算出工程は上記実験寿
    命データから部品の寿命中央データを算出し、上記実験
    寿命データを上記寿命中央データで割った値を上記推定
    寿命特性データとし、上記確率分布近似工程は、確率分
    布形状として3母数ワイブル分布を使用し、上記揺らぎ
    分布算出工程は、上記実験寿命データと上記3母数ワイ
    ブル分布の推定値との比の対数を上記揺らぎとすること
    を特徴とする請求項1に記載の高温部品の寿命診断方
    法。
  3. 【請求項3】上記揺らぎ分布は3母数ワイブル分布の位
    置母数の分布であることを特徴とする請求項2に記載の
    高温部品の寿命診断方法。
  4. 【請求項4】高温部品の実験寿命データから推定寿命特
    性データを算出する寿命特性データ算出工程と、上記推
    定寿命特性データの確率分布を近似する確率分布近似工
    程と、上記確率分布と実験寿命データとの差異に関連す
    る揺らぎデータを求め、この揺らぎデータの揺らぎ分布
    を算出する揺らぎ分布算出工程と、上記確率分布と上記
    揺らぎ分布とに基づき任意の信頼水準での確率分布を求
    め、この任意の信頼水準での確率分布から、実機プラン
    ト部品の温度や圧力や運転履歴などの運転環境と非破壊
    検査結果から得た材料劣化状態とに基づくと共に将来の
    運用予想に基づく部品の信頼度を算出する信頼度算出工
    程と、上記信頼水準と上記信頼度とから部品の統合信頼
    度を算出する統合信頼度算出工程と、上記統合信頼度と
    許容信頼度とを等しくなるまで、上記統合信頼度の算出
    を繰返す繰返し工程と、上記統合信頼度と許容信頼度と
    が等しくなるまでの期間を余寿命として算出する余寿命
    算出工程とを具備することを特徴とする高温部品の寿命
    診断方法。
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