JPH0694390A - 熱交換器伝熱管用銅合金管及びその製造方法 - Google Patents
熱交換器伝熱管用銅合金管及びその製造方法Info
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- JPH0694390A JPH0694390A JP24162692A JP24162692A JPH0694390A JP H0694390 A JPH0694390 A JP H0694390A JP 24162692 A JP24162692 A JP 24162692A JP 24162692 A JP24162692 A JP 24162692A JP H0694390 A JPH0694390 A JP H0694390A
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- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C9/00—Alloys based on copper
- C22C9/02—Alloys based on copper with tin as the next major constituent
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C9/00—Alloys based on copper
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- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
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- C22C9/00—Alloys based on copper
- C22C9/06—Alloys based on copper with nickel or cobalt as the next major constituent
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 銅合金板条を溶接して製造された銅合金管に
おいて、空調用冷凍機等に使用される熱交換器用伝熱管
として好適であり、生産性が良好な銅合金管を得る。 【構成】 0.1乃至5 重量%のNi、0.01乃至2 重量%
のSn及び 0.005乃至0.05重量%のPを含有し、残部が
Cu及び不可避的不純物からなる銅合金板条を各成分が
固溶した状態で所定の管形状に加工し、その継目部を溶
接する。なお、前記銅合金板条には、必要に応じて、前
記元素の外に、 0.1乃至5 重量%のZn及び0.01乃至1
重量%のCoのうちの少なくともいずれか一方の元素を
添加してもよい。
おいて、空調用冷凍機等に使用される熱交換器用伝熱管
として好適であり、生産性が良好な銅合金管を得る。 【構成】 0.1乃至5 重量%のNi、0.01乃至2 重量%
のSn及び 0.005乃至0.05重量%のPを含有し、残部が
Cu及び不可避的不純物からなる銅合金板条を各成分が
固溶した状態で所定の管形状に加工し、その継目部を溶
接する。なお、前記銅合金板条には、必要に応じて、前
記元素の外に、 0.1乃至5 重量%のZn及び0.01乃至1
重量%のCoのうちの少なくともいずれか一方の元素を
添加してもよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空調用冷凍機等の熱交
換器用伝熱管として使用される銅合金管及びその製造方
法に関し、特に銅合金板条を所定の管形状に加工しその
継目部を溶接して製造される熱交換器伝熱管用銅合金管
及びその製造方法に関する。
換器用伝熱管として使用される銅合金管及びその製造方
法に関し、特に銅合金板条を所定の管形状に加工しその
継目部を溶接して製造される熱交換器伝熱管用銅合金管
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空調用冷凍機等に使用される熱交
換器用伝熱管には、加工性及びろう付け性の点から、主
に、リン脱酸銅からなる継目無管が使用されている。し
かし、近年、コストの点から、リン脱酸銅の溶接管が使
用されるようになった。
換器用伝熱管には、加工性及びろう付け性の点から、主
に、リン脱酸銅からなる継目無管が使用されている。し
かし、近年、コストの点から、リン脱酸銅の溶接管が使
用されるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
リン脱酸銅からなる溶接管には生産性が低いという問題
点がある。以下にその理由について説明する。
リン脱酸銅からなる溶接管には生産性が低いという問題
点がある。以下にその理由について説明する。
【0004】通常、銅又は銅合金の溶接には圧接法(高
周波溶接及び抵抗溶接等)が用いられている。この圧接
法は、電気エネルギーを熱エネルギー(ジュール熱)に
変換して溶接する方法であり、電気伝導性及び熱伝導性
が低い材料ほど局部的に熱を印加しやすいため、溶接し
やすいことはよく知られている。従って、電気伝導性及
び熱伝導性が高いという熱交換器用伝熱管として優れた
特性を有するリン脱酸銅は、圧接法による溶接が難し
い。
周波溶接及び抵抗溶接等)が用いられている。この圧接
法は、電気エネルギーを熱エネルギー(ジュール熱)に
変換して溶接する方法であり、電気伝導性及び熱伝導性
が低い材料ほど局部的に熱を印加しやすいため、溶接し
やすいことはよく知られている。従って、電気伝導性及
び熱伝導性が高いという熱交換器用伝熱管として優れた
特性を有するリン脱酸銅は、圧接法による溶接が難し
い。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、溶接管としての生産性が高く、熱交換器用
伝熱管として好適の銅合金管及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。
のであって、溶接管としての生産性が高く、熱交換器用
伝熱管として好適の銅合金管及びその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る熱交換器伝
熱管用銅合金管は、0.1乃至5 重量%のNi、0.01乃至2
重量%のSn及び 0.005乃至0.05重量%のPを含有
し、残部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金を素
材とすることを特徴とする。
熱管用銅合金管は、0.1乃至5 重量%のNi、0.01乃至2
重量%のSn及び 0.005乃至0.05重量%のPを含有
し、残部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金を素
材とすることを特徴とする。
【0007】本発明に係る熱交換器伝熱管用銅合金管の
製造方法は、0.1乃至5 重量%のNi、0.01乃至2 重量
%のSn及び 0.005乃至0.05重量%のPを含有し、残部
がCu及び不可避的不純物からなる銅合金板条を各成分
が固溶した状態で所定の管形状に加工する工程と、その
継目部を溶接する工程とを有することを特徴とする。
製造方法は、0.1乃至5 重量%のNi、0.01乃至2 重量
%のSn及び 0.005乃至0.05重量%のPを含有し、残部
がCu及び不可避的不純物からなる銅合金板条を各成分
が固溶した状態で所定の管形状に加工する工程と、その
継目部を溶接する工程とを有することを特徴とする。
【0008】
【作用】本願発明者等は、継目溶接時の溶接が容易であ
って、製品とした場合に伸び及びろう付け部の強度が優
れた銅合金溶接管を得るべく、種々実験研究を行なっ
た。その結果、以下のことが判明した。
って、製品とした場合に伸び及びろう付け部の強度が優
れた銅合金溶接管を得るべく、種々実験研究を行なっ
た。その結果、以下のことが判明した。
【0009】即ち、所定量のNi、Sn及びPを含有す
る銅合金を各成分が固溶した状態に保持すると、銅合金
材の電気伝導度及び熱伝導度が効果的に低下し、従来の
リン脱酸銅に比して優れた溶接性が得られる。本発明は
このような実験結果に基づいてなされたものである。
る銅合金を各成分が固溶した状態に保持すると、銅合金
材の電気伝導度及び熱伝導度が効果的に低下し、従来の
リン脱酸銅に比して優れた溶接性が得られる。本発明は
このような実験結果に基づいてなされたものである。
【0010】次に各成分の添加理由及びその組成限定理
由について説明する。
由について説明する。
【0011】Ni(ニッケル) Niを添加し、固溶状態に保持することによって、銅合
金材の電気伝導度及び熱伝導度が低下し、溶接性が向上
する。しかし、Ni含有量が 0.1重量%未満の場合は、
電気伝導度及び熱伝導度を低下させる効果を十分に得る
ことができない。一方、Ni含有量が 5重量%を超える
場合は、伸びが低下し、熱交換器用伝熱管に加工すると
きのヘアピン曲げ、拡管及びフレア等の加工時に割れ等
が発生しやすくなる。従って、Ni含有量は 0.1乃至5
重量%とする。なお、Ni含有量のより好ましい範囲は
0.2乃至3 重量%である。
金材の電気伝導度及び熱伝導度が低下し、溶接性が向上
する。しかし、Ni含有量が 0.1重量%未満の場合は、
電気伝導度及び熱伝導度を低下させる効果を十分に得る
ことができない。一方、Ni含有量が 5重量%を超える
場合は、伸びが低下し、熱交換器用伝熱管に加工すると
きのヘアピン曲げ、拡管及びフレア等の加工時に割れ等
が発生しやすくなる。従って、Ni含有量は 0.1乃至5
重量%とする。なお、Ni含有量のより好ましい範囲は
0.2乃至3 重量%である。
【0012】Sn(スズ) Snは、通常、銅中に固溶して銅合金材の電気伝導度及
び熱伝導度を低下させる効果がある。また、Snは銅合
金材の伸び及びろう付け後の強度を向上させる効果があ
る。しかし、Sn含有量が0.01重量%未満の場合は、電
気伝導度及び熱伝導度を低下させる効果を十分に得るこ
とができない。一方、Sn含有量が 2重量%を超える
と、耐力が過剰に高くなって、熱交換器用伝熱管に加工
するときの加工(ヘアピン曲げ、拡管及びフレア等)が
困難になる。このため、Sn含有量は0.01乃至2 重量%
とする。なお、Sn含有量のより好ましい範囲は0.05乃
至1.5 重量%である。
び熱伝導度を低下させる効果がある。また、Snは銅合
金材の伸び及びろう付け後の強度を向上させる効果があ
る。しかし、Sn含有量が0.01重量%未満の場合は、電
気伝導度及び熱伝導度を低下させる効果を十分に得るこ
とができない。一方、Sn含有量が 2重量%を超える
と、耐力が過剰に高くなって、熱交換器用伝熱管に加工
するときの加工(ヘアピン曲げ、拡管及びフレア等)が
困難になる。このため、Sn含有量は0.01乃至2 重量%
とする。なお、Sn含有量のより好ましい範囲は0.05乃
至1.5 重量%である。
【0013】P(リン) Pも、Snと同様に、銅中に固溶して銅合金材の電気伝
導度及び熱伝導度を低下させる効果がある。また、Pを
添加することによって、銅合金材を大気溶解で容易に製
造することが可能となり、ろう付け時の水素脆化を防止
できる。但し、P含有量が 0.005重量%未満の場合は、
ろう付け時の水素脆化を防止する効果が十分でない。一
方、P含有量が0.05重量%を超えると、耐応力腐食割れ
性が低下する。従って、P含有量は 0.005乃至0.05重量
%とする。なお、P含有量のより好ましい範囲は0.01乃
至0.04重量%である。
導度及び熱伝導度を低下させる効果がある。また、Pを
添加することによって、銅合金材を大気溶解で容易に製
造することが可能となり、ろう付け時の水素脆化を防止
できる。但し、P含有量が 0.005重量%未満の場合は、
ろう付け時の水素脆化を防止する効果が十分でない。一
方、P含有量が0.05重量%を超えると、耐応力腐食割れ
性が低下する。従って、P含有量は 0.005乃至0.05重量
%とする。なお、P含有量のより好ましい範囲は0.01乃
至0.04重量%である。
【0014】Zn(亜鉛) Znも、銅中に固溶して銅合金材の電気伝導度及び熱伝
導度を低下させる効果がある。また、Znは酸素との親
和力が強いため、溶接時に優先酸化して他の添加元素の
酸化を抑制するため、銅合金材の溶接性が向上する効果
を有する。しかし、Zn含有量が 0.1重量%未満の場合
は、これらの効果を十分に得ることができない。一方、
Zn含有量が 5重量%を超えると、耐力が過剰に高くな
って、熱交換器用伝熱管に加工するときの加工(ヘアピ
ン曲げ、拡管及びフレア等)が困難になる。従って、Z
nを含有する場合は、その含有量を 0.1乃至5 重量%と
することが好ましい。なお、Zn含有量のより好ましい
範囲は 0.2乃至3 重量%とである。
導度を低下させる効果がある。また、Znは酸素との親
和力が強いため、溶接時に優先酸化して他の添加元素の
酸化を抑制するため、銅合金材の溶接性が向上する効果
を有する。しかし、Zn含有量が 0.1重量%未満の場合
は、これらの効果を十分に得ることができない。一方、
Zn含有量が 5重量%を超えると、耐力が過剰に高くな
って、熱交換器用伝熱管に加工するときの加工(ヘアピ
ン曲げ、拡管及びフレア等)が困難になる。従って、Z
nを含有する場合は、その含有量を 0.1乃至5 重量%と
することが好ましい。なお、Zn含有量のより好ましい
範囲は 0.2乃至3 重量%とである。
【0015】Co(コバルト) Coを添加し、銅合金中に固溶状態に保持することによ
って、Niと同様に、銅合金材の電気伝導度及び熱伝導
度を効果的に低下させることができる。また、Coはろ
う付け時の結晶粒の粗大化を抑制する効果が優れている
ため、銅合金中にCoを添加することにより銅合金材の
疲労強度が向上する。但し、Co含有量が0.01重量%未
満の場合は、電気伝導度及び熱伝導度を低下させる効果
が十分でないと共に、結晶粒の粗大化を抑制する効果も
十分でない。一方、Co含有量が1重量%を超えると、
製品としての耐力が高くなり、伸びが低下するため、空
調機用冷凍機等に使用される熱交換器用伝熱管としての
各種加工(ヘアピン曲げ、拡管及びフレア等)に耐えら
れない。従って、Coを添加する場合は、その含有量を
0.01乃至1重量%とすることが好ましい。
って、Niと同様に、銅合金材の電気伝導度及び熱伝導
度を効果的に低下させることができる。また、Coはろ
う付け時の結晶粒の粗大化を抑制する効果が優れている
ため、銅合金中にCoを添加することにより銅合金材の
疲労強度が向上する。但し、Co含有量が0.01重量%未
満の場合は、電気伝導度及び熱伝導度を低下させる効果
が十分でないと共に、結晶粒の粗大化を抑制する効果も
十分でない。一方、Co含有量が1重量%を超えると、
製品としての耐力が高くなり、伸びが低下するため、空
調機用冷凍機等に使用される熱交換器用伝熱管としての
各種加工(ヘアピン曲げ、拡管及びフレア等)に耐えら
れない。従って、Coを添加する場合は、その含有量を
0.01乃至1重量%とすることが好ましい。
【0016】なお、上述のZn及びCoは選択的添加元
素であり、必要に応じていずれか一方又は両方の元素を
添加すればよい。
素であり、必要に応じていずれか一方又は両方の元素を
添加すればよい。
【0017】次に、本発明方法について説明する。上述
した各元素を含有する銅合金材の電気伝導度及び熱伝導
度を低下させて溶接性を向上させるためには、各成分
(特に、Ni、P及びCo)を銅合金中に固溶した状態
に保持することが必要である。
した各元素を含有する銅合金材の電気伝導度及び熱伝導
度を低下させて溶接性を向上させるためには、各成分
(特に、Ni、P及びCo)を銅合金中に固溶した状態
に保持することが必要である。
【0018】Ni及びPは 300乃至500℃の温度範囲で
Ni3 P及びNi2P等の化合物として析出しやすく、
Co及びPも400乃至550℃の温度範囲でCo2P等の化
合物として析出しやすいため、各成分を固溶状態に保持
するためには、熱間圧延時の終了温度をこれらの析出温
度以上とし、熱間圧延後は水等で急冷することが必要で
ある。熱間圧延終了温度は 600℃以上であることが好ま
しい。また、必要に応じて、熱間圧延後に溶体化処理を
施してもよい。更に、銅合金板条を所定の管形状に加工
し、その継目部を溶接する溶接工程に至るまでの中間的
な熱処理も、NiとPとの化合物及びCoとPとの化合
物が析出しやすい温度範囲は避けて、高温且つ短時間で
熱処理することが好ましい。
Ni3 P及びNi2P等の化合物として析出しやすく、
Co及びPも400乃至550℃の温度範囲でCo2P等の化
合物として析出しやすいため、各成分を固溶状態に保持
するためには、熱間圧延時の終了温度をこれらの析出温
度以上とし、熱間圧延後は水等で急冷することが必要で
ある。熱間圧延終了温度は 600℃以上であることが好ま
しい。また、必要に応じて、熱間圧延後に溶体化処理を
施してもよい。更に、銅合金板条を所定の管形状に加工
し、その継目部を溶接する溶接工程に至るまでの中間的
な熱処理も、NiとPとの化合物及びCoとPとの化合
物が析出しやすい温度範囲は避けて、高温且つ短時間で
熱処理することが好ましい。
【0019】上述の如く、本発明に係る銅合金管は、所
定量のNi、Sn、P、Zn及びCoを含有するため、
伸びが良好であり、空調溶冷凍機等に使用される熱交換
器用伝熱管に加工する場合の加工性が優れている。ま
た、ろう付け後の強度も良好であり、銅合金管の薄肉化
が可能であるため、空調用冷凍機等の熱交換器の軽量化
が可能である。
定量のNi、Sn、P、Zn及びCoを含有するため、
伸びが良好であり、空調溶冷凍機等に使用される熱交換
器用伝熱管に加工する場合の加工性が優れている。ま
た、ろう付け後の強度も良好であり、銅合金管の薄肉化
が可能であるため、空調用冷凍機等の熱交換器の軽量化
が可能である。
【0020】また、本発明方法においては、上述の各成
分が固溶した状態で管形状に加工し、その継目部を溶接
するため、電気伝導度及び熱伝導度がリン脱酸銅からな
る従来の熱交換器用溶接管に比して低下する。このた
め、溶接性がリン脱酸銅に比して著しく向上する。
分が固溶した状態で管形状に加工し、その継目部を溶接
するため、電気伝導度及び熱伝導度がリン脱酸銅からな
る従来の熱交換器用溶接管に比して低下する。このた
め、溶接性がリン脱酸銅に比して著しく向上する。
【0021】
【実施例】次に、本発明の実施例についてその比較例と
比較して説明する。
比較して説明する。
【0022】先ず、下記表1に示す組成の銅合金を溶製
した。但し、比較例1は従来のリン脱酸銅である。その
後、これらの銅合金を 850℃の温度で熱間圧延した。但
し、熱間圧延終了温度が 600℃になるようにした。ま
た、圧延終了後は直ちに水冷して、厚さが10mmの板材を
得た。そして、この熱間圧延材を冷間圧延して、厚さが
0.4mmの板材を得た。
した。但し、比較例1は従来のリン脱酸銅である。その
後、これらの銅合金を 850℃の温度で熱間圧延した。但
し、熱間圧延終了温度が 600℃になるようにした。ま
た、圧延終了後は直ちに水冷して、厚さが10mmの板材を
得た。そして、この熱間圧延材を冷間圧延して、厚さが
0.4mmの板材を得た。
【0023】次に、これらの板材を管状に加工しその継
目部を周波数が400kHzの条件で高周波溶接(出力一定)
して、直径が9.52mmの溶接管を得た。
目部を周波数が400kHzの条件で高周波溶接(出力一定)
して、直径が9.52mmの溶接管を得た。
【0024】これらの溶接管に対し、溶接時の導電率及
び接手強度比(溶接部の強度/母材強度)が0.90以上と
なる溶接速度を調べた。その結果も表1に併せて示す。
び接手強度比(溶接部の強度/母材強度)が0.90以上と
なる溶接速度を調べた。その結果も表1に併せて示す。
【0025】
【表1】
【0026】これらの溶接管を熱処理でO材として、伸
び、耐力、ヘアピン曲げにおける曲げ部の状態、ろう付
け後の強度及び耐SCC性を調べた。その結果を下記表
2に示す。但し、ヘアピン曲げにおける曲げピッチは2
5.4mmとした。また、ろう付け条件は、N2 +10体積%
H2 雰囲気中において830 ℃で30秒である。耐SCC性
は、ヘアピン曲げ部(曲げピッチが25.4mm)を濃度が12
重量%NH3 水を入れたデシケータ中に常温で2時間保
管した後、外径の50%まで押しつぶして、割れの有無に
より評価した。
び、耐力、ヘアピン曲げにおける曲げ部の状態、ろう付
け後の強度及び耐SCC性を調べた。その結果を下記表
2に示す。但し、ヘアピン曲げにおける曲げピッチは2
5.4mmとした。また、ろう付け条件は、N2 +10体積%
H2 雰囲気中において830 ℃で30秒である。耐SCC性
は、ヘアピン曲げ部(曲げピッチが25.4mm)を濃度が12
重量%NH3 水を入れたデシケータ中に常温で2時間保
管した後、外径の50%まで押しつぶして、割れの有無に
より評価した。
【0027】
【表2】
【0028】この表2から明らかなように、実施例1乃
至10はいずれもリン脱酸銅(比較例1)に比して溶接
速度が向上し、特に実施例3,9,10においては、リ
ン脱酸銅の約2倍以上の溶接速度が得られた。
至10はいずれもリン脱酸銅(比較例1)に比して溶接
速度が向上し、特に実施例3,9,10においては、リ
ン脱酸銅の約2倍以上の溶接速度が得られた。
【0029】また、これらの実施例は、耐力の増加が抑
制されて伸びが向上しているため、ヘアピン曲げも良好
である。更に、Sn及びCoを添加することにより、ろ
う付け熱処理後の強度も向上している。
制されて伸びが向上しているため、ヘアピン曲げも良好
である。更に、Sn及びCoを添加することにより、ろ
う付け熱処理後の強度も向上している。
【0030】一方、Sn含有量が多い比較例2,7及び
Zn含有量が多い比較例9は、いずれも耐力が過剰に高
くなって、ヘアピン曲げにおける曲げ部の状態が悪いも
のであった。また、Ni含有量が多い比較例3,8、C
o含有量が多い比較例6,12も、いずれも伸びが低下
してヘアピン曲げにおける曲げ部の状態が悪いものであ
った。更に、Pを含有していない比較例4,10は、ろ
う付け時の水素脆化でろう付け後の強度が低下してお
り、P含有量が大きい比較例5,11は耐SCC性が劣
る。
Zn含有量が多い比較例9は、いずれも耐力が過剰に高
くなって、ヘアピン曲げにおける曲げ部の状態が悪いも
のであった。また、Ni含有量が多い比較例3,8、C
o含有量が多い比較例6,12も、いずれも伸びが低下
してヘアピン曲げにおける曲げ部の状態が悪いものであ
った。更に、Pを含有していない比較例4,10は、ろ
う付け時の水素脆化でろう付け後の強度が低下してお
り、P含有量が大きい比較例5,11は耐SCC性が劣
る。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る銅合金
管は、所定量のNi、Sn、P、Zn及びCoを含有す
るから、ヘアピン曲げ、拡管及びフレア等における加工
性が優れており、空調用冷凍機等の熱交換器用伝熱管と
して極めて適している。
管は、所定量のNi、Sn、P、Zn及びCoを含有す
るから、ヘアピン曲げ、拡管及びフレア等における加工
性が優れており、空調用冷凍機等の熱交換器用伝熱管と
して極めて適している。
【0032】また、本発明方法においては、所定量のN
i、Sn、P、Zn及びCoを含有する銅合金板条を前
記各成分が固溶した状態で所定の管形状に加工し、その
継目部を溶接することにより銅合金管を得るから、電気
伝導度及び熱伝導度が低下した状態で溶接できて、溶接
作業が容易になる。これにより、銅合金管の生産性が向
上するという効果を奏する。
i、Sn、P、Zn及びCoを含有する銅合金板条を前
記各成分が固溶した状態で所定の管形状に加工し、その
継目部を溶接することにより銅合金管を得るから、電気
伝導度及び熱伝導度が低下した状態で溶接できて、溶接
作業が容易になる。これにより、銅合金管の生産性が向
上するという効果を奏する。
Claims (4)
- 【請求項1】 0.1乃至5 重量%のNi、0.01乃至2 重
量%のSn及び 0.005乃至0.05重量%のPを含有し、残
部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金を素材とす
ることを特徴とする熱交換器伝熱管用銅合金管。 - 【請求項2】 0.1乃至5 重量%のZn及び0.01乃至1
重量%のCoのうちの少なくとも一方の元素を更に含有
することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器伝熱管
用銅合金管。 - 【請求項3】 0.1乃至5 重量%のNi、0.01乃至2 重
量%のSn及び 0.005乃至0.05重量%のPを含有し、残
部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金板条を各成
分が固溶した状態で所定の管形状に加工する工程と、そ
の継目部を溶接する工程とを有することを特徴とする熱
交換器伝熱管用銅合金管の製造方法。 - 【請求項4】 前記銅合金板条は、 0.1乃至5 重量%の
Zn及び0.01乃至1重量%のCoのうちの少なくとも一
方の元素を更に含有することを特徴とする請求項3に記
載の熱交換器伝熱管用銅合金管の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24162692A JPH0694390A (ja) | 1992-09-10 | 1992-09-10 | 熱交換器伝熱管用銅合金管及びその製造方法 |
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