JPH069418A - パナキンケコール化合物、及び制癌剤 - Google Patents

パナキンケコール化合物、及び制癌剤

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JPH069418A
JPH069418A JP4171091A JP17109192A JPH069418A JP H069418 A JPH069418 A JP H069418A JP 4171091 A JP4171091 A JP 4171091A JP 17109192 A JP17109192 A JP 17109192A JP H069418 A JPH069418 A JP H069418A
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JP
Japan
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panaquinquecol
compound
formula
panakinquecol
agent
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JP4171091A
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Inventor
Yasuo Fujimoto
康雄 藤本
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(1): 【化1】 〔式中、Aは水素又は次式(2)、(3)で表されるい
ずれかの基を、式(2): 【化2】 式(3): 【化3】 Bは水素またはアルカノイルオキシ基を、Dはメチル基
またはエチレン基を示す。nは5または6の整数。〕で
表されるパナキンケコール(Panaquinquecol) 化合物。
これらの化合物を有効成分として含有してなる制癌剤。 【効果】 本発明の化合物は、植物由来の制癌活性を有
する新規ポリアセチレン化合物である。当該化合物は、
マウス白血病細胞に対して極めて低濃度(IC50値=
0.5〜10μg/ml)で優れた癌細胞増殖抑制効果を発
揮する。このような優れた制癌作用を有する当該化合物
を有効成分とする本発明の制癌剤は、白血病をはじめと
する一般悪性腫瘍に対して臨床上極めて有用なものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アメリカニンジン(Pa
nax quinquefolium)の根または培養物から抽出される
新規化合物パナキンケコール(Panaquinquecol) に関す
るものである。更に本発明は、パナキンケコール化合物
を有効成分として含有してなる制癌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現在使用されている抗腫瘍剤は、その起
源、構造及び作用機序等により、アルキル化剤、代
謝拮抗物質、抗生物質、植物性アルカロイド、植
物由来抗腫瘍剤、ホルモン剤等に分類される。このう
ち、植物性アルカロイドとしては、キョウチクトウ科の
ツルニチニチ草(Vinca rosea Linn.)から単離されたビ
ンブラスチン(vinblastine)とビンクリスチン(vincri
stine)が知られており、これらは、各種白血病、悪性リ
ンパ腫及び小児腫瘍などに対して有効とされている。ま
た、植物由来抗腫瘍剤としては、メギ科のPodophyllum
Peltatumから抽出、単離されたプロレシド(proresi
d) が知られている。これはポドフィリン誘導体であ
り、比較的副作用の少ない制癌剤としてリンパ腫並びに
各種の癌に対して使用されている。
【0003】このような実情から、本発明者らは植物に
含まれる有用成分、特に抗腫瘍作用を有する成分の探索
を行ってきた。その結果、先にニンジン(Panax specie
s) に腫瘍細胞増殖抑制作用を有する成分が含まれてい
ることを見いだした(特開昭61−218524号)。
本発明者らは、これら化合物の制癌剤としての有用性に
注目して、更に他の新規な制癌活性化合物の探索を続け
てきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、制癌
活性を有する新規化合物を提供することである。さらに
本発明の目的は、制癌剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく、種々研究を重ねてきたところ、アメリカニ
ンジン(Panax quinquefolium )の根またはそのカルス
の親油性成分に強い制癌活性を認め、当該活性物質を単
離しかつ構造決定したところ、当該化合物が新規化合物
であることを見出し、更に研究を重ねて本発明を完成し
た。
【0006】即ち本発明は、一般式(1)
【0007】
【化4】
【0008】〔式中、Aは水素又は次式(2)、(3)
で表されるいずれかの基を、式(2):
【0009】
【化5】
【0010】式(3):
【0011】
【化6】
【0012】Bは水素またはアルカノイルオキシ基を、
Dはメチル基またはエチレン基を示す。nは5または6
の整数。〕で表されるパナキンケコール化合物(1)に
関する。また、本発明はパナキンケコール化合物(1)
を有効成分として含有してなる制癌剤を提供するもので
ある。
【0013】以下に本発明を詳細に説明する。一般式
(1)において、アルカノイルオキシ基のアルカノイル
部分は、好ましくはアセチルである。
【0014】パナキンケコール化合物(1)に包含され
る化合物としては、一般式(1)においてAが式(2)
で示される基、Bが水素原子でDがメチル基であり、n
が6である化合物(パナキンケコール4)、A及びBが
水素原子、Dがエチレン基であり、nが5である化合物
(パナキンケコール5)、及びAが式(3)で示される
基、Bがアセトキシ基でDがメチル基であり、nが6で
ある化合物(パナキンケコール6)が挙げられる。
【0015】本発明のパナキンケコール化合物(1)
は、合成または植物からの抽出によって製造することが
できる。好ましくはアメリカニンジンの根またはそのカ
ルスを有機溶媒もしくは炭酸ガス臨界抽出法にて抽出
し、抽出された親油性成分を、例えばシリカゲルカラム
上で溶媒分画することによって得ることができる。抽出
法における原料としては、パナキンケコール化合物
(1)を含有するものであれば特に制限はなく、例えば
アメリカニンジン、オタネニンジン、トチバニンジン等
が例示される。
【0016】より詳細には、例えば以下の如く植物から
の抽出法にて製造される。例えば、アメリカニンジンの
根またはそのカルスを乾燥してミキサーにて粉砕後、好
ましくは超音波処理しながら酢酸エチル、または同等の
極性を有する有機溶媒、例えばジエチルエーテル、ヘキ
サン等を使用して抽出する。抽出液を濾過後、濃縮し、
濃縮物をカラムクロマトグラフィーに付す。
【0017】溶出液として、好適にはヘキサンと酢酸エ
チル混合溶媒を用い、その混合比を変えて順次溶出す
る。後述する制癌活性試験法にて、制癌活性が認められ
る溶出画分を更に高速液体クロマトグラフィー(シリカ
ゲルカラム)に付して、例えばヘキサンと酢酸エチルの
異なる混合比からなる溶媒にて溶出することによって、
パナキンケコール化合物(1)、例えばパナキンケコー
ル4、5及び6を得る。
【0018】かくして得られたパナキンケコール化合物
(1)のうち、例えばパナキンケコール4、5及び6の
物理的性質は、次の通りである。
【0019】(1)パナキンケコール4 物質の形態 油状 質量分析 HR-CIMS m/z 275.1652 [M+
1] + 分子式 C17233 旋光度 〔α〕D =−55.5°( CH
Cl3 ,c=1.0)1 H−NMR 表1に記載13 C−NMR 表2に記載 以上の物理的性状から、また1 H−及び13C− 1HCO
SYスペクトル(NMR)の解析結果から、パナキンケ
コール4は次式(4)で示される( 1,2,9,10-diepoxy-
3-oxoheptadeca-4,6-diyne)C17−ジアセチレン化合物
であると決定された。
【0020】
【化7】
【0021】(2)パナキンケコール5 物質の形態 油状 質量分析 HR-CIMS m/z 203.1457 [M+
1] + 分子式 C1419O 旋光度 〔α〕D =−90.0°( CH
Cl3 ,c=1.0)1 H−NMR 表1に記載13 C−NMR 表2に記載 以上の物理的性状から、また1 H−及び13C− 1HCO
SYスペクトル(NMR)の解析結果から、パナキンケ
コール5は次式(5)で示される( 6,7-epoxytetradec
-13-ene-1,3-diyne )C14−ジアセチレン化合物である
と決定された。
【0022】
【化8】
【0023】(3)パナキンケコール6 物質の形態 油状 質量分析 HR-CIMS m/z 319.1910 [M+
1] + 分子式 C19274 旋光度 〔α〕D =−27.0°( CH
Cl3 ,c=1.0)1 H−NMR 表1に記載13 C−NMR 表2に記載 以上の物理的性状から、また1 H−及び13C− 1HCO
SYスペクトル(NMR)の解析結果から、パナキンケ
コール6は次式(6)で示される( 8-acetoxy-9,10-ep
oxy-heptadeca-4,6-diyne-1-ene-3-ol)C17−ジアセチ
レン化合物であると決定された。
【0024】
【化9】
【0025】表1、表2にパナキンケコール4、5、及
び6それぞれの 1H−NMR、13C−NMRのスペクト
ルデータを記す。表中に示した炭素原子の番号は、それ
ぞれの表下の構造式上部に記した番号に対応する。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】上述したパナキンケコール化合物の精製
は、制癌活性を指標にして進められる。この制癌活性は
マウス白血病細胞(L1210)に対する成育阻害活性
をもって示され、以下の制癌活性試験法によって実施さ
れる。また、精製されたパナキンケコール化合物の腫瘍
細胞増殖抑制活性もこの方法にて測定される。
【0029】−制癌活性試験− マウス白血病細胞L1210を10%子牛血清を含有す
るRPMI1640培養液に添加、懸濁して、培養液中
の細胞濃度が約1×105 cells/mlになるように調整す
る。このRPMI1640細胞浮遊培養液を等量ずつプ
ラスチックウエルに分注し、その各々に各濃度のパナキ
ンケコールサンプルのメタノールまたはアセトン溶液を
加え、5%炭酸ガスを含む空気中で37℃にて3日間培
養した。対照実験としてパナキンケコールを含まない等
量のメタノールまたはアセトン溶液を添加した細胞浮遊
培養液を同様に培養した。培養後、トリパンブルー染色
液にて染色し、生細胞数を計測して対照に対する細胞増
殖抑制率を次式により求めた。
【0030】
【数1】
【0031】本発明の制癌剤は、パナキンケコール化合
物(1)を有効成分としてなるものである。この場合の
パナキンケコール化合物(1)は、合成、抽出のいずれ
によって製造されたものでもよい。また抽出の場合、パ
ナキンケコール化合物(1)を含有するエキス剤であっ
てもよい。エキスとしては、アメリカニンジンを原料と
した上記精製ステップにおいて酢酸エチル、ヘキサン、
ジエチルエーテル等の抽出処理で得られる脂溶性抽出物
が使用できる。また、炭酸ガス臨界抽出法において抽出
またはメタノール処理後炭酸ガス抽出処理によって得ら
れるものが使用される。
【0032】エキスは濃縮の程度により軟エキス、また
は濃縮後乾燥、粉砕して乾燥エキスに調製することもで
きる。これはそのままで制癌剤(エキス剤)として調製
できるが、またそれに後述のような添加剤を配合せしめ
て、様々な態様の制癌剤に調製することもできる。
【0033】エキス剤における本発明のパナキンケコー
ル化合物(1)の含有量は、通常0.1〜90重量部、
好ましくは1〜10重量部、更に好ましくは3〜15重
量%である。
【0034】本発明の制癌剤は、経口及び非経口のいず
れの態様をもって投与されることができる。経口投与形
態としては、例えば錠剤、軟・硬カプセル剤、顆粒剤、
細粒剤、散剤、シロップ剤、エキス剤等の剤形が挙げら
れる。更に必要に応じて、それら剤形に腸溶性や徐放性
を付与することもできる。好ましくは、サイクロデキス
トリン吸着錠剤、またはカプセル剤である。また、非経
口投与形態としては、水溶液、懸濁液、乳濁液等の静脈
注射剤、点滴剤及び固体状又は懸濁粘稠液状の態様をも
った坐剤等の剤形が挙げられる。好ましくは、注射剤で
ある。
【0035】上記様々な態様の制癌剤におけるパナキン
ケコール化合物(1)の含有量は、上述したエキス剤と
同様である。
【0036】本発明の制癌剤は、医薬上許容される適当
な担体、添加剤を添加配合していてもよい。例えば、崩
壊剤(例えば、界面活性剤、多価アルコール等)、賦形
剤(例えば、ショ糖、乳糖、デンプン、結晶セルロース
等)、滑沢剤(タルク、ステアリン酸マグネシウム
等)、保存量、矯味剤、着色料等が挙げられる。また、
注射剤としては、許容される緩衝剤(例えば、グルコー
ス、塩化ナトリウム等)、溶解補助剤(例えば、エタノ
ール、プロパノール等)、懸濁化剤(ソルビトール、マ
ニトール等)、等張剤等を添加することができる。更
に、必要に応じて医薬上許容される被覆形成物質(例え
ば、酢酸フタル酸セルロース等)、コーティング助剤等
を使用して常法に従って、腸溶性製剤にすることもでき
る。
【0037】本発明のパナキンケコール化合物(1)
は、ヒトをはじめとしてウシ、イヌ、ラット、マウス等
の哺乳動物に対して抗腫瘍活性を有する。しかして、本
発明の制癌剤の適用対象は上記哺乳動物であり、好まし
くはヒトである。
【0038】本発明の制癌剤の投与量は、腫瘍の種類、
状態、投与経路、剤形などによって異なるが、通常経口
投与の場合、大人では1日当たり、約0.01〜100
mg/kg体重(小人では0.01〜60mg/kg体
重)範囲で、その上限は好ましくは約50mg/kg体
重、更に好ましくは約10mg/kg体重程度である。
非経口投与の場合、1日あたりその上限は約10mg/
kg体重、好ましくは5mg/kg体重、更に好ましく
は2mg/kg体重が適当であり、当該量を1回または
数回に分けて投与することができる。
【0039】本制癌剤は単独で使用されてもよいし、別
の制癌剤または他の薬理作用を有するもの、例えば免疫
賦活剤等と併用されてもよい。
【0040】
【実施例】本発明をより詳細に説明するために実施例を
挙げるが、本発明はこれらによって何ら限定されるもの
ではない。
【0041】実施例1 パナキンケコール4、5及び6
の抽出及び分離精製 アメリカニンジンの根の乾燥物3.5kgをミキサーに
て粉砕後、超音波をかけながら4lの酢酸エチルにて3
回抽出した。次いで、抽出液を濾過後濃縮し、濃縮物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(カラム:30φ
×40cm、Wakogel P-300)に付した。
【0042】溶出液としてヘキサンと酢酸エチル混合溶
媒を用い、その混合比を変えて順次溶出したところ、ヘ
キサン:酢酸エチル=4:1で溶出した画分に制癌活性
が認められた。その画分を溶出順に4つのフラクション
に分画し(F1〜4)、F1及びF3について高速液体
クロマトグラフィー(以下、HPLCという)による更
なる精製を行った。
【0043】F1の画分に関して、溶出液としてヘキサ
ン:酢酸エチル=7:1を用いたHPLC(Senshu pac
k, silica 5251-N、20×250mm、流速6ml/min)
にて6画分(F1-1 〜F1-6 )を得るが、そのうち制癌
活性が認められたF1-3 を再びHPLC(同上、流速8
ml/min、溶出液ヘキサン:酢酸エチル=5:1)にて分
離精製したところ、精製された2画分に制癌活性が認め
られ、それぞれを窒素雰囲気中で濃縮及び結晶化を行っ
て純品なるパナキンケコール4(6mg)及びパナキン
ケコール5(34mg)を得た。
【0044】またF3の画分に関して、ヘキサン:酢酸
エチル=4:1を溶出液とするHPLC(Senshu pack,
silica 4251-N、10×250mm、流速3ml/min)に
て分画したところフラクションF3-2 に制癌活性が認め
られた。更に、この画分をHPLC(Senshu pack, sil
ica 4251-N、10×250mm、流速3ml/min、溶出液
ヘキサン:酢酸エチル=7:1)にて分取精製し、制癌
活性を有する画分を窒素雰囲気中で濃縮及び結晶化を行
って純品なるパナキンケコール6(8mg)を得た。
【0045】実施例2 非経口投与剤(注射剤・点滴
剤)1 パナキンケコール4を10mgを含有するように粉末ブ
ドウ糖5gを加えてバイアルに無菌的に分配し、密封し
た上、窒素、ヘリウム等の不活性ガスを封入して冷暗所
に保存する。使用前にエタノールに溶解し、0.85%
生理食塩水100mlを添加して静脈内注射剤とした。
当該注射剤は、1日あたり5〜30mlを症状に応じて
静脈内注射又は点滴にて投与することができる。
【0046】実施例3 非経口投与剤(注射剤・点滴
剤)2 実施例2におけるパナキンケコール4の代わりにパナキ
ンケコール5を使用して、実施例2と同様に処理して注
射剤・点滴剤を製造した。当該注射剤は、1日当たり5
〜30mlを症状に応じて静脈内注射又は点滴にて投与
することができる。
【0047】実施例4 非経口投与剤(注射剤・点滴
剤)3 実施例2におけるパナキンケコール4の代わりにパナキ
ンケコール6を使用して、実施例2と同様に処理して注
射剤・点滴剤を製造した。当該注射剤は、1日あたり5
〜30mlを症状に応じて静脈内注射又は点滴にて投与
することができる。
【0048】実施例5 非経口投与剤(注射剤・点滴
剤)4 パナキンケコール4を2mgを用いて、実施例2と同様
の方法にて注射剤を調製し、軽症用の静脈内注射剤とし
た。本剤は1日10〜100mlを症状に応じて静脈内
注射又は点滴にて投与する。
【0049】実施例6 腸溶性カプセル剤1 パナキンケコール4を5g、乳糖2.46g及びヒドロ
キシプロピルセルロース0.04gを各々とり、よく混
合したのち、常法に従って粒状に成形し、これをよく乾
燥して篩別してビン、ヒートシール包装等に適した顆粒
剤を製造した。次に、酢酸フタル酸セルロース0.5g
及びヒドロキシプロピルセルロースフタレート0.5g
を溶解して被覆基材となし、前記顆粒を浮遊流動させつ
つこの基材を被覆して腸溶性の顆粒剤とした。この組成
物をカプセルに充填して腸溶性カプセル製剤100個を
製造した。
【0050】実施例7 パナキンケコール化合物がエキ
スの態様である制癌剤 実施例1で得られた抽出液を、速やかに30℃に加温し
ながら減圧濃縮した。エキスの流動性がなくなった後
は、温度を室温に下げ更に減圧下で乾燥させた。これを
冷却後砕いて粉末にし乾燥エキスを調製した。次いで、
この乾燥エキス1gに乳糖90g及び炭酸マグネシウム
9gを加え混合したのち、篩いに通し本発明の制癌剤を
乾燥エキス剤の態様に調製した。
【0051】試験例1 制癌活性試験 精製されたパナキンケコール4、5及び6それぞれに関
して、前記制癌活性試験法によりマウス白血病細胞L1
210に対する細胞増殖抑制効果を調べたところ、表3
に示す結果が得られた。
【0052】
【表3】
【0053】各化合物のさまざまな濃度に対応する細胞
増殖抑制率から、50%細胞増殖抑制濃度(以下、IC
50値という)を求めると、その値はパナキンケコール4
及びパナキンケコール6は0.5μg/ml、パナキン
ケコール5は10μg/mlであり、特にパナキンケコ
ール4、6は癌細胞に対して極めて低濃度で細胞増殖抑
制効果を有することがわかった。
【0054】試験例2 (急性)毒性試験 ddY系マウス雌雄各10匹を一群とし、リッチフィー
ルド・ウィルコクソン法によりパナキンケコール化合物
の急性毒性を求めたところ、パナキンケコール4、5、
6の経口及び静脈注射における急性毒性(LD50)は表
4に示す通りであった。
【0055】
【表4】
【0056】
【発明の効果】本発明のパナキンケコール化合物
(1)、特にパナキンケコール4、5及び6は制癌活性
を有するポリアセチレン化合物として植物中で見出され
た新規化合物である。それら化合物のマウス白血病細胞
L1210に対するIC50値はそれぞれ0.5、10、
0.5μg/mlであり、特にパナキンケコール4、6
は極めて低濃度で優れた癌細胞増殖抑制効果を発揮す
る。このように哺乳動物細胞に対して優れた制癌作用を
有する当該化合物を有効成分としてなる本発明の制癌剤
は、各種白血病をはじめとし一般悪性腫瘍に対して臨床
上極めて有用なものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 〔式中、Aは水素または次式(2)、(3)で表される
    いずれかの基を、式(2): 【化2】 式(3): 【化3】 Bは水素またはアルカノイルオキシ基を、Dはメチル基
    またはエチレン基を示す。nは5または6の整数。〕で
    表されるパナキンケコール(Panaquinquecol) 化合物。
  2. 【請求項2】 パナキンケコール4、パナキンケコール
    5及びパナキンケコール6から選ばれる、請求項1記載
    のパナキンケコール化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のパナキンケコール化合物
    を有効成分として含有されてなる制癌剤。
  4. 【請求項4】 パナキンケコール化合物が Panax quin
    quefolium (アメリカニンジン)からのエキスの態様で
    ある、請求項3記載の制癌剤。
JP4171091A 1992-06-29 1992-06-29 パナキンケコール化合物、及び制癌剤 Pending JPH069418A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7186423B2 (en) * 1997-12-12 2007-03-06 Fx Life Sciences International Gmbh Processes of making North American ginseng fractions, products containing them, and uses as immunomodulators
US7594378B2 (en) 2004-03-30 2009-09-29 Kubota Corporation Mower tractor with rear grass collector assembly

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