JPH0693390A - 短パルス特性に優れたナノ結晶軟磁性合金および磁心 - Google Patents
短パルス特性に優れたナノ結晶軟磁性合金および磁心Info
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Abstract
した場合に優れた特性を示す。 【構成】 組織の少なくとも50%が粒径500オンク゛ストローム以
下の微細な結晶粒であり、組成式:Fe100-a-b-c-d-eCoa
XbM'cSidBeMnf(原子パ−セント)で表され、ここでXは
CuおよびAuから選ばれた少なくとも1種の元素、M'はTi,
Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれた少なくとも1種の元素
であり、 0<a≦10、0≦b≦3、0.1≦c≦10、0≦d≦20、2≦e≦1
5、0<f≦5、c+e≦20 である短パルス特性に優れたナノ結晶軟磁性合金。
Description
ち高磁化速度の条件下で優れた特性を示す、パルス電力
用に好適なナノ結晶合金およびこれを用いた磁心に関す
るものである。
電力用の用途がある。これらの用途では、高い電力パル
スの電気エネルギ−を生成するために100MT/sというよ
うな非常に急速な磁化反転が磁心材である軟磁性材料に
生じる。短パルス応用の例としてはエキシマレ−ザ等の
レ−ザの磁気パルス圧縮や、回路素子保護用の可飽和リ
アクトル、パルストランス、粒子加速器等があるが、動
作磁束密度は飽和磁束密度の2倍に近くかつ急速な磁化
反転が行われるため非常に大きな損失が磁心材料に発生
する。
化した場合、すなわち高速磁化条件下では磁心損失の小
さい材料が利用される。また、飽和特性も重要であり、
ある程度B−H曲線の角形性の良いことも重要である。
これは、パルス電力用の用途では磁性材料をリセットす
るために磁心材料に適当な外部磁界を印加するが、角形
性が悪く飽和特性が悪いとリセット磁界を大きくする必
要がありエネルギ−の損失となるばかりでなく装置が大
型化してしまうからである。また、これらの用途では負
の残留磁束密度から正の飽和磁束密度まで動作が行われ
るため角形性が良好な方が動作磁束密度を大きくするこ
とができ好ましい。さらに、動作磁束密度を大きくし磁
心を小型化するために飽和磁束密度が大きいことも重要
である。
性に優れたフェライトや、金属材料の中では比抵抗が高
い部類に属し、特表平4-502649号公報に記載されている
ようにフェライトより磁束密度が高いアモルファス材料
が用いられている。また、特公平4ー4393公報に記載され
ているようなFe基の超微細結晶材料もこれらの用途に適
している。
イトは飽和磁束密度が約5000Gと低いため磁心が大きく
なり、またB−H曲線の角形性が十分でないため動作磁
束密度を十分とれないといった問題がある。Co基アモル
ファス材料は非常に磁心損失が低く角形性が良好である
が、飽和磁束密度が9000G以下と低くフェライトと同様
磁心が大きくなってしまう問題や高価なCoを主体とする
材料であるため材料価格が著しく高い問題がある。Fe基
アモルファス材料の場合は飽和磁束密度は15000G以上と
大きいが、高速磁化条件下すなわち短パルスで磁化した
場合の磁心損失が他の材料より小さいものの十分とはい
えなかった。また、Fe基アモルファス材料は磁歪が大き
く、層間絶縁のために絶縁テープを層間にはさんだり、
セラミックス絶縁を行うと歪の影響により飽和特性が悪
くなり角形比も低下し、動作磁束密度を大きくするため
には大きなリセット磁界を印加する必要がある。また磁
心損失も十分低いとは言えず効率が低下する等の問題が
ある。図1に動作磁化曲線の模式図を示す。図中△Bは
動作磁束密度であり、Haは印加磁界である。領域1に
おいてはHaが増加し、次に領域2で最大値を取る。さ
らに領域3になるといったんHaは減少しほぼ一定の値
を示す。領域4になると再びHaは増加し、領域5にお
いて飽和に達する。図1の磁化曲線と縦軸に囲まれる面
積が磁心損失に相当する。
Fe-Cu-Nb-Si-Bに代表されるFe基超微結晶合金は、10000
Gを超える高い磁束密度と低い磁心損失を有するため前
記用途に適している。しかし、磁心損失が低いのは磁化
速度が小さい場合であり、特に1MT/sを超えるよう
な磁化速度が大きい短パルスの磁化条件下では磁心損失
が増加し、アモルファス材料との差も小さくなり必ずし
も十分な特性ではない。このため、高磁化速度の条件下
すなわち短パルスで磁化した場合に優れた特性を示す超
微結晶軟磁性合金および磁心の出現が望まれている。
めに鋭意検討の結果、Mnが短パルス特性改善に極めて有
効な元素であること、またCoは短パルス特性改善に有効
であるとともに飽和磁束密度改善にも有効であることを
知見した。本発明はこの知見に基づきなされたものであ
り、組織の少なくとも50%が粒径500オンク゛ストローム以下の微
細な結晶粒であり、組成式:Fe100-a-b-c-d-eCoaXbM'cS
idBeMnf(原子パ−セント)で表され、ここで、XはCuお
よびAuから選ばれた少なくとも1種の元素、M'はTi,Zr,H
f,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれた少なくとも1種の元素であ
り、 0<a≦10、0≦b≦3、0.1≦c≦10、0≦d≦20、2≦e≦1
5、0<f≦5、c+e≦20 である超微結晶軟磁性合金である。
短パルス特性を改善する効果を有する元素であり、後述
するCoとともに本発明合金の特徴をなす。Mn量が5at%を
超えると飽和磁束密度の低下を招き好ましくないので0
<f≦5とする。特に好ましい範囲はfが0.1から5の範囲
である。CoはMnと同様短パルス特性改善とともに、飽和
磁束密度を増加し動作磁束密度を大きくする効果も有す
る。Co量が10at.%を超えると逆に短パルス特性が著しく
劣化するので、0<a≦10とする。Coの特に好ましい範囲
は0.1≦a≦0.8であり、この範囲で特に優れた短パルス
特性が得られる。なお、Coの一部をNiで置換してもよ
い。本発明において短パルス特性改善に効果を有するMn
とCoを複合添加するが、これはMnとCoを比較すると短パ
ルス特性改善効果についてはMnが優位にあるが、Mnは合
金の飽和磁束密度を低下させるので、これをCoの飽和磁
束密度向上効果で補うのである。XはCuおよびAuから選
ばれた少なくとも1種の元素であり結晶粒を微細化し、b
cc相を形成しやすくする効果を有する。X量bは0から3で
ある。bが3を超えると脆化が著しく磁心形成が困難であ
るためである。特に好ましいbの範囲は0.1から2であ
る。この範囲で特に短パルス特性が優れている。M'はT
i,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれた少なくとも1種の元
素であり、結晶粒を微細化するとともに軟磁気特性を向
上する効果を有する。M'量cが0.1未満では結晶粒微細化
の効果がなく、10を超えると飽和磁束密度の著しい減少
を招き動作磁束密度を大きくできないため好ましくな
い。Siは比抵抗を増大し高周波特性を改善する効果を有
する。Si量cが20at%を超えると磁束密度の著しい低下を
もたらし好ましくない。特に好ましい範囲は5から18で
ある。Bは結晶粒微細化の効果を有し、B量eが2未満では
結晶粒微細化の効果がなく、12を超えると軟磁気特性が
劣化し好ましくない。特に好ましい範囲はeが5から12で
ある。また、M'とBの総和c+eは20at%以下である必要が
ある。これはM'とBの総和が20at%を超えると飽和磁束密
度の著しい低下を招き、動作磁束密度を大きくすること
が困難なためである。また本発明合金は原料や雰囲気か
らの不可避不純物である酸素、炭素、窒素、硫黄、アル
ミ等を含有しても良い。微細な結晶粒は粒径500オン゛ストロー
ム以下である必要がある。これは、粒径が500オンク゛ストローム
を超えると短パルス特性が著しく劣化するためである。
また、微細な結晶粒は組織の少なくとも50%である必要
がある。これは微細な結晶粒が50%未満の場合は磁歪が
増加し、大型磁心の場合には角形比が十分高くならない
等の問題が生ずるため好ましくないからである。
る。まず、周知の単ロ−ル法や双ロ−ル法の液体急冷法
や、スパッタ法や蒸着法等の気相急冷法等により前記組
成のFe基アモルファス合金薄帯や膜を形成する。次にこ
の合金をアルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス雰囲気
中あるいは真空中で熱処理し組織の少なくとも50%が平
均粒径500オンク゛ストローム以下の結晶粒からなる本発明ナノ結
晶軟磁性合金を製造する。結晶粒は主にbcc相である。
本発明合金は薄膜でも使用可能であるが通常の用途には
主に薄帯で使用される。薄帯の場合板厚は25μm以下が
望ましい。この範囲で短パルス特性に優れた特性が得ら
れやすい。特に好ましい範囲は2から15μmである。この
範囲で特に優れた短パルス特性が得られる。薄帯の幅は
通常1mm以上であるが、本発明に係わる用途には幅が10m
m以上、好ましくは20mm以上、より好ましくは40mm以上
のものがエッジ部の影響が減るため占積率向上の観点か
ら考えると適している。また、本発明合金の中で比抵抗
が120μΩ・cm以上の合金が特に短パルス特性に優れてい
る。
なる磁心である。前記組成の合金薄帯を次にこの合金薄
帯を巻回すあるいは切断、打ち抜き、フォトエッチ等を
行いこれを積層する等した後アルゴンガスや窒素ガス等
の不活性ガス雰囲気中あるいは真空中等で熱処理し上記
微細結晶粒からなる合金薄帯磁心を作製する。熱処理は
無磁場中あるいは磁路方向に磁界を印加しながら行う。
磁場中熱処理を行うことにより動作磁束密度をリセット
磁界をあまりかけずに大きくすることが可能となる。な
お磁界は直流磁界に限定されず交流磁界、パルス磁界で
も良い。この場合磁心の磁心損失による発熱により熱処
理効果を得ることも可能である。また、磁心材料に通電
し、ジュール熱により発熱させ熱処理効果をえることも
可能である。
化物で被覆し層間絶縁を行うと特に広幅材において短パ
ルス特性が改善される。特に高電圧を印加する用途では
層間絶縁を行う必要がある。層間絶縁の方法としては、
電気泳動法によりMgO、Al2O3等の酸化物を付着させる方
法、金属アルコキシド溶液を表面につけこれを熱処理し
SiO2等の酸化物を形成させる方法、リン酸塩やクロム酸
塩処理を行い表面に酸化物の被覆を行う、CVD法、スパ
ッタ法等により表面に絶縁膜を形成する方法等がある。
また熱処理後再巻きを行いその際絶縁テ−プを薄帯と重
ねて巻回し層間絶縁する方法も可能である。絶縁テ−プ
としてはポリイミドやポリエステル等の有機テ−プや、
雲母テ−プ、セラミック繊維テ−プやガラス繊維テ−プ
等の無機質のものでも良い。必要に応じてこの磁心を無
機系ワニスや有機系ワニスに浸漬し含浸を行う場合があ
る。本発明の磁心の合金薄帯の占積率は通常磁心に対し
50%以上85%以下程度である。85%を超えると角形性が悪
くなり好ましくない。50%未満では動作磁束密度が大き
くとれず、また飽和後の見かけ上の透磁率が大きくなる
ため好ましくない。また、スパッタ法等の薄膜技術を用
いた磁心も本発明に含まれる。この場合大きな磁心の製
造は困難であるが、小型で極短パルス領域において高性
能の磁心を得ることが可能となる。
本発明はこれらに限定されるものではない。
さ18μmのアモルファス合金を単ロ−ル法により作製し
た。次に薄帯表面に金属アルコキシド溶液をつけ乾燥さ
せながら薄帯を巻回し外径35mm、内径25mmのトロイダル
巻磁心を作製した。この磁心を窒素ガス雰囲気の炉中に
入れ磁路方向に5 Oeの磁場を印加しながら熱処理を行っ
た。熱処理条件は、昇温速度5゜C/min、保持温度550゜C、
保持時間1時間、および冷却速度2゜C/minである。熱処理
後薄帯表面にはSiO2を主成分とする膜が形成していた。
また、ミクロ組織観察の結果薄帯は粒径500オンク゛ストローム以
下のbcc相が主体の組織であった。
/dtが1MT/sにおける磁心損失を測定した。得られた結果
を表1に示す。
n1なる組成の合金溶湯を単ロール法により急冷し幅20m
m、厚さ18μmのアモルファス合金薄帯を作製した。次
に、この合金薄帯をロ−ルと接触した面を外側にして一
つは層間絶縁なし、もう一つはMgOの層間絶縁を行いな
がら巻回し巻磁心を作製した。次にこの磁心を磁路方向
に5 Oeの直流磁場を印加しながら550゜Cで1時間熱処理を
行った。熱処理後の磁心材は粒径約140オンク゛ストロームのbcc
相が形成していた。次にこの磁心の短パルス特性を測定
した。磁心損失の磁化速度依存性を図2に示す。層間絶
縁を行った磁心の方が磁心損失が低く高速磁化条件の特
性により優れていることが分かる。
0.8Cu1Nb3Si14B8Mn0.8合金の磁化速度dB/dtが1MT/sにお
ける磁心損失を測定した。得られた結果を表2に示す。
板厚が薄い程磁心損失が低く25μm以下において低い値
が得られる。特に15μm以下において特に低い磁心損失
が得られる。このように板厚が25μm以下より好ましく
は15μm以下の場合磁心損失が300J/m3以下で特に短パル
ス特性が優れている。
なる組成の合金溶湯を単ロール法により急冷し幅50mm、
厚さ18μmのアモルファス合金薄帯を作製した。次に、
この合金薄帯をロ−ルと接触した面を外側にしてSiO2の
層間絶縁を行いながら巻回し巻磁心を作製した。次にこ
の磁心を磁路方向に5 Oeの直流磁場を印加しながら550゜
Cで1時間熱処理を行った。熱処理後の磁心材は粒径約14
0 のbcc相が組織の約80%形成していた。比較のため本
発明外の組成の合金を用いた場合とアモルファス合金を
用いた磁心も作製した。磁心損失の磁化速度依存性を図
3に示す。
ナノ結晶軟磁性合金より磁心損失が低く優れていること
が分かる。また、アモルファス合金よりも高速磁化条件
の磁心損失が低く優れている。
単ロール法により急冷し、幅15mm、厚さ15μmのアモル
ファス合金薄帯を作製した。次に、この合金薄帯をロ−
ルと接触した面を外側にしてSiO2の層間絶縁を行いなが
ら巻回し巻磁心を作製した。次にこの磁心を磁路方向に
最大磁界5 Oeの50Hzの交流磁場を印加しながら550゜Cで1
時間熱処理を行った。熱処理後の磁心材は粒径500オンク゛ス
トローム以下のbcc相が組織の50%以上形成していた。
失および比抵抗を測定した。得られた結果を表3に示
す。
Mn1なる組成の幅25mm、厚さ18μmのアモルファス合金を
単ロ−ル法により作製した。次に薄帯表面に金属アルコ
キシド溶液をつけ乾燥させながら薄帯を巻回し外径35m
m、内径25mmのトロイダル巻磁心を作製した。この磁心
を窒素ガス雰囲気の炉中に入れ磁路方向に5 Oeの磁場を
印加しながら熱処理を行った。熱処理条件は、昇温速度
5゜C/min、保持温度550゜C、保持時間1時間、および冷却
速度2゜C/minである。熱処理後薄帯表面にはSiO2を主成
分とする膜が形成していた。また、ミクロ組織観察の結
果薄帯は粒径500オンク゛ストローム以下のbcc相が主体の組織で
あった。次にこの合金の飽和磁束密度と磁化速度dB/dt
が1MT/sにおける磁心損失を測定した。得られた結果を
表4に示すが、Co量が0.1〜10の範囲で飽和磁束密度
および磁心損失ともに良好な値を示す。特にCo量が0.
1〜0.8の範囲磁心損失が低い。また、Coが無添加の場
合、飽和磁束密度が劣る。
13.5B6.5Mnf組成の幅25mm、厚さ18μmのアモルファス合
金を単ロ−ル法により作製した。次に薄帯表面に金属ア
ルコキシド溶液をつけ乾燥させながら薄帯を巻回し外径
35mm、内径25mmのトロイダル巻磁心を作製した。この磁
心を窒素ガス雰囲気の炉中に入れ磁路方向に5 Oeの磁場
を印加しながら熱処理を行った。熱処理条件は、昇温速
度5゜C/min、保持温度550゜C、保持時間1時間、および冷
却速度2゜C/minである。熱処理後薄帯表面にはSiO2を主
成分とする膜が形成していた。また、ミクロ組織観察の
結果薄帯は粒径500オンク゛ストローム以下のbcc相が主体の組織
であった。次にこの合金の飽和磁束密度と磁化速度dB/d
tが1MT/sにおける磁心損失を測定した。得られた結果を
表5に示すが、Mnを添加することにより磁心損失を低
減できることがわかる。また、Mn量を増加させると飽
和磁束密度が減少する傾向にある。したがって、飽和磁
束密度と磁心損失の両特性を兼備させるためには、Co
およびMnを複合添加することが必要である。また、Mn
量が5%を越えると飽和磁束密度の著しい減少に加え、
磁心損失が増加する傾向にあるので好ましくない。
わち高磁化速度の条件下で優れた特性を示す、パルス電
力用に好適なナノ結晶合金およびこれを用いた磁心を得
ることができるためその効果は著しいものがある。
心損失の磁化速度依存性を示した図である。
心損失の磁化速度依存性を示した図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 組織の少なくとも50%が粒径500オンク゛ストロー
ム以下の微細な結晶粒であり、組成式:Fe100-a-b-c-d-e
CoaXbM'cSidBeMnf(原子パ−セント)で表され、ここで
XはCuおよびAuから選ばれた少なくとも1種の元素、M'は
Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Mo,Wから選ばれた少なくとも1種の元
素であり、 0<a≦10、0≦b≦3、0.1≦c≦10、0≦d≦20、2≦e≦1
5、0<f≦5、c+e≦20であることを特徴とする短パルス
特性に優れたナノ結晶軟磁性合金。 - 【請求項2】 0.1≦a≦0.8である請求項1に記載の短
パルス特性に優れたナノ結晶軟磁性合金。 - 【請求項3】 0.1≦f≦5である請求項1〜2のいずれ
かに記載の短パルス特性に優れたナノ結晶軟磁性合金。 - 【請求項4】 磁化速度dB/dtが1MT/sにおける磁心損失
が400J/m3以下である請求項1〜4のいずれかに記載の
短パルス特性に優れたナノ結晶軟磁性合金。 - 【請求項5】 0.1≦b≦2、5≦d≦18、5≦e≦12である
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の短パルス特性に
優れたナノ結晶軟磁性合金。 - 【請求項6】 板厚が25μm以下である請求項1〜請求
項5のいずれかに記載の短パルス特性に優れたナノ結晶
軟磁性合金。 - 【請求項7】 板厚が2から15μmの範囲である請求項6
に記載の短パルス特性に優れたナノ結晶軟磁性合金。 - 【請求項8】 比抵抗が120μΩ・cm以上である請求項1
ないし請求項8のいずれかに記載の短パルス特性に優れ
たナノ結晶軟磁性合金。 - 【請求項9】 請求項1〜請求項8に記載のナノ結晶軟
磁性合金から構成されたことを特徴とする磁心。 - 【請求項10】 ナノ結晶合金の表面に絶縁層が形成さ
れていることを特徴とする請求項10に記載の磁心。 - 【請求項11】 ナノ結晶合金薄帯の間に絶縁フィルム
を挿入した構造を有することを特徴とする請求項10に
記載の磁心。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24241292A JP3374981B2 (ja) | 1992-09-11 | 1992-09-11 | 短パルス特性に優れたナノ結晶軟磁性合金および磁心 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24241292A JP3374981B2 (ja) | 1992-09-11 | 1992-09-11 | 短パルス特性に優れたナノ結晶軟磁性合金および磁心 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0693390A true JPH0693390A (ja) | 1994-04-05 |
JP3374981B2 JP3374981B2 (ja) | 2003-02-10 |
Family
ID=17088747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24241292A Expired - Lifetime JP3374981B2 (ja) | 1992-09-11 | 1992-09-11 | 短パルス特性に優れたナノ結晶軟磁性合金および磁心 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3374981B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0693673A3 (de) * | 1994-07-21 | 1996-03-20 | Vacuumschmelze Gmbh | Magnetischer Wegsensor |
JP2013065827A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-04-11 | Hitachi Metals Ltd | 巻磁心およびこれを用いた磁性部品 |
JP2017002395A (ja) * | 2015-05-04 | 2017-01-05 | カーペンター テクノロジー コーポレーションCarpenter Technology Corporation | 超低コバルトの鉄−コバルト磁性合金 |
-
1992
- 1992-09-11 JP JP24241292A patent/JP3374981B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0693673A3 (de) * | 1994-07-21 | 1996-03-20 | Vacuumschmelze Gmbh | Magnetischer Wegsensor |
JP2013065827A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-04-11 | Hitachi Metals Ltd | 巻磁心およびこれを用いた磁性部品 |
JP2017002395A (ja) * | 2015-05-04 | 2017-01-05 | カーペンター テクノロジー コーポレーションCarpenter Technology Corporation | 超低コバルトの鉄−コバルト磁性合金 |
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JP3374981B2 (ja) | 2003-02-10 |
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