JPH0693216A - 電着塗料組成物および塗膜形成方法 - Google Patents

電着塗料組成物および塗膜形成方法

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JPH0693216A
JPH0693216A JP24095992A JP24095992A JPH0693216A JP H0693216 A JPH0693216 A JP H0693216A JP 24095992 A JP24095992 A JP 24095992A JP 24095992 A JP24095992 A JP 24095992A JP H0693216 A JPH0693216 A JP H0693216A
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JP
Japan
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coating
film
electrodeposition
electrodeposition coating
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JP24095992A
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English (en)
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Masateru Takimoto
政輝 滝本
Naotaka Yamamoto
尚孝 山本
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防錆性および外観性、特に高鮮映性に優れた
新規な電着塗料組成物を提供する。 【構成】 電着塗料中にメラミンシアヌレートを含有す
ることを特徴とする電着塗料組成物である。 【効果】 顕著な膜外観の向上が図られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な電着塗料組成物
および塗膜形成方法に関する。より詳しくは、良好な膜
外観を呈する電着塗料組成物および塗膜形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、市場に供給される自動車、家電
製品などでは、その塗装品質として、まず第1に防錆面
において、被塗物の全ての面が十分塗装され、腐食環境
から遮断されていること、さらにその塗膜が強靭で鋼板
への密着力が大きく、外からの衝撃を吸収したり、塗膜
厚さの一部(表層部)のみの破損にとどめ、鋼板面を露
呈させないこと、最悪の場合、鋼板面が露呈しても、そ
こからの錆の広がりを抑える防錆力のある材料を使うこ
となど、幅広い品質性能が要求されている。
【0003】こうした塗装品質における防錆面の非常に
高い要求性能を満足すべく、被塗物材料としての鋼板自
身に防錆力を付与する方法として、鋼板表面に亜鉛、亜
鉛と他の金属を含む合金めっきが施され、さらに鋼板の
表面処理としてクロメート処理が施されるなど、耐食性
の向上が図られている。
【0004】しかしながら、被塗物側のみの改良では、
上述したような防錆面での高度な品質要求に対応するこ
とは困難であり、電着塗装側のさらなる改良が強く求め
られている。
【0005】また近年、電着塗装自身の防錆力を向上さ
せることなく、該電着塗装を行う前に鋼板に、高防錆性
の有機被膜として、膜厚0.8〜3.0μm程度の薄膜
を被覆することで、防錆面での高度な品質要求に対応し
ようとする方法が開発されている。
【0006】こうした方法では、図1の如く、鋼板素地
1に亜鉛−ニッケルめっき2を施し、塗布型クロメート
3処理を行い、これに有機被膜4を設け、この上に電着
塗膜5を電着塗装し、さらに目的に応じて、中塗り塗
装、上塗り塗装を行う。
【0007】しかしながら、該下地有機被膜は、電気絶
縁体であるので、たとえ0.8〜1.0μm(乾燥時)
程度の薄膜であっても、その上に電着塗装を行う場合、
高電圧電着条件では、塗膜外観の肌荒れ、ガスピンポー
ルが発生しやすく、電気的負荷により該有機薄膜の素地
金属界面との密着性を破壊する傾向が見られる、さらに
標準電着条件では電着膜厚がつきにくいなどの欠点を有
している。
【0008】従って、該有機薄膜上に満足すべき電着塗
装を行うために、該下地有機被膜に対し好適な電着適性
を得るように様々な改質が提案されている。
【0009】こうした有機被膜を形成する組成物として
は、特開昭62−73938号、同62−283161
号、同64−65179号等に、シリカを含有させるこ
とによる電着適正付与手法が開示されている。
【0010】しかしながら、実際上電着適正を得るため
には、シリカ含有量20%以上が必要であり、このよう
なシリカ含有量ではプレス加工性、スポット溶接性が低
下し、さらに、脱脂工程でのシリカの溶解脱落による処
理むらの発生がある。
【0011】また、特開昭62−283161号等で
は、親水性樹脂(ポリアミド樹脂等)を含有させること
による電着適正付与手法が開示されている。
【0012】しかしながら、電着適正を得るためには、
親水性樹脂の含有量を5〜40%配合しなければなら
ず、耐食性が劣り、また使用溶剤が限定され(アルコー
ル系又は極性溶剤)、経済性等の点で不利である。
【0013】さらに特開昭50−146340号、特公
昭58−19706号等では、導電性顔料や金属の配合
が開示されている。
【0014】しかしながら、これは金属紛、亜鉛末、金
属炭化物等比較的粒子径の大きなものが配合されるた
め、電着塗膜の表面の凸凹が激しく膜平滑性に欠け、ま
た、プレス形成性が不十分という欠点がある。
【0015】また、特開昭62−283161号では、
ウレタン化ポリエステル樹脂、親水性ポリアミドおよび
ヒュームドシリカを含む組成物が開示されている。ま
た、特開平3−28277ではクリアー塗料中にメラミ
ンシアヌレートを配合して乳白光なメタリックな塗膜を
得る技術が提案されている。
【0016】しかしながら、目的とする防錆性の改良や
電着に適した組成と効果を示すものではない。
【0017】このように、防錆性、プレス加工性等のバ
ランスがとれた塗膜性能を発揮させるにはほど遠いのが
現状である。
【0018】上記問題点に鑑み、本発明者らは、特願平
4−71357号において、メラミンシアヌレート0.
05〜20重量%、熱硬化性樹脂5〜30重量%、硬化
剤0〜20重量%および溶剤40〜95重量%(ただ
し、これらの成分の合計量は100重量%である。)よ
りなる防錆塗料組成物としての有機塗料を見出だし、上
記課題を解決したものである。
【0019】該防錆塗料組成物により、防錆性、プレス
加工性等のバランスがとれた塗膜性能を発揮させること
ができ、さらに該下地有機被膜では、最終塗装塗膜の耐
食性、次工程でのプレス加工性、組立時の溶接性および
表面処理実施後の電着塗装性の向上できる有機塗料を得
ることができるものである。
【0020】しかしながら、こうした有機被膜を形成す
る場合においても、優れた防錆性を付与することはでき
るものの、該有機被膜と電着塗膜との密着性および塗膜
外観を高次元で達成することは、なお困難であり、電着
塗膜側のさらなる改良が強く求まられている。
【0021】次に塗装品質として、美観面においては、
スタイルと外観仕上がりが、市場より強く要求されるこ
ともあって高い比重を占め、特に重要視されている。そ
のためには、まず光沢があり、よい色味であること、さ
らに平滑に仕上り、ごみ、ぶつ、流れ、塗り薄、むらな
どの塗装欠陥がないことなど、幅広い品質性能が要求さ
れている。
【0022】こうした塗装品質に対する美観面における
非常に高い要求性能に加え、最近では、塗膜の外観性能
として、さらに塗装表面に反射する映像が綺麗に映るよ
うな高鮮映性も合わせて要求されるなどより厳しい品質
性能が求められるように成っている。
【0023】こうした塗装品質における美観面の非常に
高い要求性能を満足すべく、被塗物材料としての鋼板の
段階から全ての塗装段階で外観性能に必要な平滑性を付
与する努力が払われている。
【0024】そのため鋼板では、最近極めて高い平滑度
を持った鋼板が使用されるように成ってきており、電着
塗装でも同様に、高鮮映性を含めた外観性能に必要な平
滑性を付与できるように、より均一な電着膜を形成可能
な塗料および塗膜形成方法の開発が強く求められてい
る。
【0025】また、この場合にも、前述の特願平4−7
1357号に示すように、下地有機被膜中にメラミンシ
アヌレートを含有させた場合、均一電着性が良好とな
り、電着膜の平滑性も向上することが本発明者らにより
確認されており、これにより後工程での中塗りおよび上
塗り塗装を行う場合の鮮映性を向上できる電着塗装を提
供することができることが確認されている。
【0026】
【課題を解決するための手段】したがって、本発明の目
的は、防錆性および外観性、特に高鮮映性に優れた新規
な電着塗料組成物および塗膜形成方法を提供することに
ある。
【0027】さらに本発明の他の目的は、被塗物の鋼板
を表面処理後に電着塗装する場合ならびに被塗物の鋼板
を表面処理後に、下地有機被膜を形成した後に電着塗装
する場合のいずれの場合にも優れた防錆性および外観
性、特に高鮮映性に優れた電着塗料組成物および塗膜形
成方法を提供することにある。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記諸
目的を達成するために、防錆性および外観性、特に高鮮
映性に優れた新規な電着塗料組成物および塗膜形成方法
について鋭意研究した結果、イソシアヌール環含有平面
構造化合物であるメラミンシアヌレートの化学構造が多
くの水素結合を含む平面構造を有する化合物であるとす
る化学構造上の特徴に着目し、該メラミンシアヌレート
を電着塗料そのものに配合することにより、該メラミン
シアヌレートの水素結合に起因する被塗装物、特に下地
有機被膜に対する電着時の通電点密度の付加により密着
性が向上するためより均一な(高平滑度な)電着膜が得
られることから、電着膜外観の向上が可能であることを
見出だし、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
たものである。
【0029】すなわち、本発明の目的は、電着塗料中に
メラミンシアヌレートを含有することを特徴とする電着
塗料組成物により達成することができる。
【0030】さらに本発明の他の目的は、素材に清浄
化、活性化または化成の少なくとも1つの処理を施す表
面処理工程、およびメラミンシアヌレート含有電着塗料
を電着塗装する工程を順次経ることを特徴とする塗膜形
成方法により達成することができる。
【0031】また本発明の他の目的は、素材に清浄化、
活性化または化成の少なくとも1つの処理を施す表面処
理工程、メラミンシアヌレートを必要に応じて含有した
下地有機被膜を形成する工程、およびメラミンシアヌレ
ート含有電着塗料を電着塗装する工程を順次経ることを
特徴とする塗膜形成方法によっても達成することができ
る。
【0032】
【作用】以下、本発明を詳しく説明する。
【0033】まず、本発明に用いるメラミンシアヌレー
ト化合物とは、化学式 (C で表される化合物で、詳しくは、2,4,6−トリアミ
ノ−1,3,5−トリアジン(以下メラミンと称する)
と2,4,6−トリヒドロキシ−1,3,5−トリアジ
ン(以下シアヌル酸と称する)および/またはその互変
異性体との等モル付加化合物で、固体状態にあっては、
メラミン分子とシアヌル酸分子が弱い水素結合状態でそ
れぞれ交互に隣接し、化1の如き平面構造を有した結晶
を形成していると推定され、
【0034】
【化1】
【0035】また、立体構造は、化2の如く一定の面間
隔を有する積み重ね構造、いわゆるグラファイト型の構
造であると推定されている。
【0036】
【化2】
【0037】なお、化1および化2中 C:シアヌル酸
分子、M:メラミン分子を表す。
【0038】これらのメラミンシアヌレート化合物とし
ては、特公昭60−33850号による製法で得られ、
日産化学工業株式会社からMCシリーズ(MC−FW、
MC−PW、MC−BW、MC−UW、MC−420、
MC−520、MC−600等)として市販されてい
る。この公報において、メラミンシアヌレートは、ポリ
エステル樹脂系成形物の難燃剤として紹介されている。
【0039】本発明に係るメラミンシアヌレート化合物
は、耐酸性、耐アルカリ性が良好でpH1〜14の範囲
で化学的変化がなく安定である。本発明のメラミンシア
ヌレート化合物を含有した電着塗料組成物は、カチオン
型電着塗装時に電着塗膜下のpHが12程度になって
も、電着時の電気的負荷による素地金属界面の密着性破
壊を防止する効果がある。
【0040】また、メラミンシアヌレート化合物は、水
に難溶性であることから、電着塗装時、塗膜下に侵入す
る水に溶解せず、電着阻害要因とはならない。
【0041】本発明に係るメラミンシアヌレートの電着
塗料への含有量は、該電着塗料組成物の固形分当り、好
ましくは0.05〜10重量%、より好ましくは1〜5
重量%である。該含有量が0.05重量%未満の場合に
は、メラミンシアヌレートの添加による電着性向上の効
果が十分に得られないため好ましくない。また該含有量
が10重量%を越える場合には、耐食性の低下をきたす
ため好ましくないものである。
【0042】また、発明に用いるメラミンシアヌレート
化合物では、平面構造を有するメラミンシアヌレート化
合物中の窒素がドナー性であり、分子サイズ的に見る
と、窒素原子は上下に振動しており、この窒素原子に接
近する相手電荷によって窒素原子は振動により電荷を反
転させることができ、電着塗装時に窒素原子の部分で電
荷の中和点とすることにより、急激な初期電流が流れる
事を押えて、スムースな造膜形成が可能となり、ガスピ
ンがなくなり、同時に平滑な塗膜が得られるものであ
る。このことにより本発明の電着塗料組成物は、僅かな
メラミンシアヌレート化合物の含有で良好な電着適正が
得られ、また、メラミンシアヌレート化合物の含有量を
変えることにより通電点密度のコントロールが可能であ
る以外に、スローイングパワーが向上し、エッジ部への
付き回り性が良くなりエッジ防錆力の向上、塗膜外観の
向上等の特性向上効果、さらに塗装時の導電性が良くな
るため厚膜塗装が可能となり、また、従来の電着塗料で
は2コートが難しく、1コート仕上に限定されていたも
のが、電着性の改良により2コートや多重コート仕上げ
が可能である。
【0043】さらにまた、電着塗膜が塩基性で、電極反
応が還元反応のため金属イオンの溶出がなく耐食性、耐
塩基性に優れたカチオン型電着塗装が多く行われるよう
になっており、本発明の塗膜形成方法では、電着塗料組
成物のゼータ(Zeta)電位が表1に示すようにpH7以上
でマイナス、pH7未満ではプラスに転化することか
ら、カチオン電着時の造膜メカニズムに合致し、スムー
ズな造膜が可能となるものである。
【0044】
【表1】
【0045】次に、本発明に用いられる電着塗料の主成
分樹脂としては、特に限定されるものでなく、カチオン
型樹脂系であってもアニオン型樹脂であってもよく、ま
た水溶性型でも分散型でもよい。例えば、乾性油または
ポリブタジエンのような液状ゴムのα、β−エチレン性
不飽和2塩基酸またはその無水物付加物、場合によりエ
ポキシ化した樹脂を主骨格とするもの、およびその変性
誘導体、例としてマレイン化油樹脂やマレイン化ポリブ
タジエン樹脂およびアミン変性エポキシ化ポリブタジエ
ン樹脂等、樹脂状ポリオールの脂肪酸エステルを主骨格
とするものおよびその変性誘導体、例としてエポキシ樹
脂、エステル化樹脂等、アルキッド樹脂を主骨格とする
もの、アクリル樹脂を主骨格とするもの等が挙げられ
る。
【0046】上記主成分樹脂は、その硬化反応のメカニ
ズムに従って、ラジカル重合や酸化重合によって樹脂自
体で硬化する自己架橋タイプと、硬化剤、例えばメラミ
ン樹脂やブロックポリイソシアネート化合物のような硬
化剤により硬化する硬化剤タイプ、両者を併用するタイ
プとがあるが、これらの場合、マンガン、コバルト、ニ
ッケル、鉛、錫等の金属化合物を触媒として使用でき
る。
【0047】このうち、カチオン型樹脂系の主成分樹脂
の例としては、つぎのものを挙げることができる。
【0048】(1)カチオン性基およびイソシアネート
基と反応しうる官能基、例えば、水酸基、アミノ基、イ
ミノ基等を有するカチオン性基体樹脂と、ブロック剤で
ブロックしたブロックポリシアネートとの混合物。
【0049】(2)ヨウ素価50〜500、塩基性基が
固形分100g当り30〜300ミリモルおよび数平均
分子量500〜5000を有する樹脂(A)と、1分子
中に少なくとも2個のベンゼン核と少なくとも1個のエ
チレン性ビニル基を有し、かつ酸性基が固形分100g
当り5〜350ミリモルおよび数平均分子量500〜5
000を有する樹脂(B)とを成分(A)の塩基性基1
モルに対し成分(B)の酸性基0.03〜0.5モルの
割合で含み、かつ少なくとも1部を酸で中和したものを
含有する陰極電着塗料組成物(特開平1−271467
号公報)。
【0050】(3)マイクル付加反応し得るエステル基
含有化合物(B)がマイクル付加反応し得る二重結合を
少なくとも二つ含有する化合物(C)にマイクル付加反
応したマイクル付加反応生成物(A)より成る、カルボ
ン酸とアミドまたはエステルを形成する基を含有する合
成樹脂のための硬化性成分において、反応生成物(A)
が1成分当り平均して少なくとも1つの重合性二重結合
および少なくとも二つのエステル交換可能なあるいはア
ミド交換可能なエステル基を有し、そして化合物(B)
が(b1)CH−活性アルキルエステルと(b2)ポリ
イソシアネートとより成る反応生成物であることを特徴
とする、上記合成樹脂用硬化性成分を用いる塗料調整物
(特開昭62−192463号公報)。
【0051】(4)(i)スルホニウム基またはホスホ
ニウム基、(ii)(i)と架橋し得る部分、および
(iii)(i)と(ii)との間の架橋反応を触媒し
得る部分を有するフィルム形成性電着性源を有する水性
カチオン電着性被覆組成物(特開昭63−179983
号公報)。
【0052】これらのうちでは、(1)が最も好まし
い。該(1)を構成するカチオン性基体樹脂には公知の
エポキシ樹脂系やアクリル樹脂系等があるが、このよう
なカチオン性基体樹脂の具体例としては、活性水素を有
するものであってアミノ基を有するエポキシ樹脂が挙げ
られる。
【0053】該エポキシ樹脂としては、平均して1分子
当り1またはそれ以上のエポキシ基を有する化合物で、
特にエポキシ基数2のエポキシ樹脂が好ましい。有用な
エポキシ樹脂は、ビスフェノールAとエピクロルヒドリ
ンから得られるエポキシ樹脂、ビスフェノールFとエピ
クロルヒドリンあるいは水素化ビスフェノールAとエピ
クロルヒドリンから得られるポリグリシジルエーテル等
が例示される。ビスフェノールAとエピクロルヒドリン
との反応によって得られるエポキシ樹脂が特に好まし
い。
【0054】この他、エポキシ樹脂を有するアクリルポ
リマーであってもよい。このようなポリマーは不飽和エ
ポキシ基含有モノマー、例えばグリシジル(メタ)アク
リレートと1またはそれ以上の他の重合性エチレン系不
飽和モノマーとの重合により得られる、該ポリマーの例
としては米国特許4001156号の第3欄第59行か
ら第5欄第60行に開示されている。
【0055】カチオン化剤として、アミノ基含有エポキ
シ樹脂に使用される塩基性アミノ化合物は第1級アミ
ン、第2級アミン、第3級アミンに他、ポリアミン類、
アルカノールアミン類のいずれであってもよい。好まし
くは塩基性アミノ化合物はジエチルアミン、ジプロピル
アミン、N−メチルエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジメ
チルシクロヘキシルアミン、ジメチルエタノールアミ
ン、ジエチレントリアミン等がある。ジエチレントリア
ミンのごときポリアミンを使用するときは、その第1級
アミン基を予めアセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンのようなケトンと反応させて得られる
ケチミン誘導体とするのがよい。ケチミン生成反応は1
00℃以上に加熱して生成水を留去することにより容易
に進行する。活性水素を有しない第3級アミンを用いる
ときは、これを適宜の酸、例えば硼酸、リン酸、硫酸、
酢酸、乳酸、等で酸アミン塩にかえて使用する。
【0056】互いに反応するアミノ化合物と、エポキシ
樹脂の使用量に関して、その相対的な量はカチオン塩の
量、例えば、所望のカチオン塩基の形成量に基づいて変
化し、さらにエポキシ樹脂の分子量にも依存する。カチ
オン塩基形成量および反応生成物の分子量は、得られた
カチオンポリマーが水性媒体と混合された場合に、安定
な分散液を形成するように選択される。これらの塩基性
アミン化合物とエポキシ樹脂との反応は一般に、常温で
混合しただけでも起こるが、反応を完結させるためには
約20〜200℃、好ましくは、50〜150℃で1〜
5時間程度加熱するのが好ましい。
【0057】上記の反応並びに反応生成物は、例えば特
開昭51−103135号公報、特公昭55−3238
5号公報、特開昭53−65327号公報、特開昭53
−65328号公報、特開昭52−87498号公報等
に記載の方法によって製造すればよい。
【0058】これらカチオン性基体樹脂と共に使用する
ブロックポリイソシアネートはポリイソシアネートにブ
ロック剤を付加させることによって得られ、ブロック剤
の解離温度でブロック剤が解離してイソシアネート基が
発生し、上記基体樹脂中の官能基と反応し硬化する。
【0059】ブロックポリイソシアネートには、従来の
電着塗料用ビヒクル成分として用いられている全てのポ
リイソシアネート剤が使用できる。代表的なポリイソシ
アネート類を以下に例示する。トリメチレンジイソシア
ネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチ
レンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブ
チレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシア
ネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、エチリデ
ンジイソシアネート、ブチリデンジイソシアネートなど
の脂肪族化合物、1,3−シクロペンタンジイソシアネ
ート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,
2−シクロヘキサンジイソシアネートなどの脂肪族環式
化合物、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニ
レンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシ
アネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,
4−ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族化合物、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4
−または2,6−トルエンジイソシアネートまたはそれ
らの混合物、4,4′−トルイジンジイソシアネート、
1,4−キシレンジイソシアネートなどの脂肪族−芳香
族化合物、ジアニシジンジイソシアネート、4,4′−
ジフェニルエーテルジイソシアネート、クロロジフェニ
ルジイソシアネートなどの核置換芳香族化合物、トリフ
ェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、
1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6
−トリイソシアネートトルエンなどのトリイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニル−ジメチルメタン−2,
2′,5,5′−テトライソシアネートなどのテトライ
ソシアネート、トルエンジイソシアネートダイマー、ト
ルエンジイソシアネートトリマーなどの重合したポリイ
ソシアネートなどがある。
【0060】ブロック剤としては、例えば芳香族系ポリ
イソシアネートの場合には、1−クロロ−2−プロパノ
ール、エチレンクロルヒドリンなどのハロゲン化炭化水
素、n−プロパノール、フルフリルアルコール、アルキ
ル基置換フルフリルアルコールなどの脂肪族または複素
環式アルコール、フェノール、m−クレゾール、p−ニ
トロフェノール、p−クロロフェノール、ノニルフェノ
ールなどのフェノール類、メチルエチルケトンオキシ
ム、メチルイソブチルケトンオキシム、アセトンオキシ
ム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム類、アセチ
ルアセトン、サセト酢酸エチル、マロン酸エチルなどの
活性メチレン化合物、その他、カプトラクタムなどを挙
げることができ、特に好ましいものは、オキシム類、ア
ルコール類では、フルフリルアルコールとアルキル基置
換フルフリルアルコールである。脂肪族ポリイソシアネ
ートの場合は、上記のうちフェノール類とオキシム類が
よい。これらのブロック剤は、比較的低温(70〜14
0℃)で解離するが、その他のブロック剤をも用いるこ
とができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパ
ノールなどの脂肪族アルコール、ベンジルアルコールな
どの芳香族アルコール類、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテルなどのエーテル類が挙げら
れる。
【0061】ブロック剤の解離触媒としては、ジブチル
錫ラウレート、ジブチル錫オキシド、ジオクチル錫など
の有機錫化合物や、N−メチルモルホリンなどのアミン
類、酢酸鉛などの金属塩が使用できる。触媒の濃度は、
通常カチオン電着塗料中の塗膜形成樹脂固形分に対し
0.3〜5重量%、好ましくは1〜3重量%である。
【0062】次に、アニオン型樹脂系として具体的な主
成分樹脂の例としては、以下に挙げることができる。
【0063】(1)側鎖結合ブロックを含み、末端エポ
キシ基の少なくとも一方を該エポキシ基と反応し得る活
性水素化合物との反応によって開環し、ヒドロキシカル
ボン酸でハーフブロックしたジイソシアネート化合物を
反応させることによって導入されたカルボキシル基を主
鎖末端に有している変性エポキシ樹脂(特開平1−23
6224号公報)。
【0064】(2)ソルビン酸、無水マレイン酸、数平
均分子量500以上のエポキシ樹脂、不飽和樹脂酸およ
び1〜3価の有機酸と1〜4価のアルコールを縮合して
得られる樹脂(特開昭60−81261号公報)。
【0065】(3)側鎖および/または主鎖に、遊離カ
ルボン酸基、共役ジエン結合したα、β−不飽和モノカ
ルボン酸残基を有する乾性油または共役ジエン重合体も
しくは共重合体のいずれかを変性してなる樹脂(特開平
1−146971号公報)。
【0066】(4)カルボキシル基および水酸基および
/または窒素原子に結合したアルコキシルアルキル基を
含むアクリル系共重合体(I)と、アミノプラスト樹脂
(II)との合計量に対して0.1〜10重量%含まれる
スルホン酸基含有重合体(III)からなる電着塗料組
成物(特開昭62−56683号公報)。
【0067】さらに、電着塗料には、媒体である水のほ
かに必要に応じて下記のような添加物、有機溶剤および
顔料を使用することができる。
【0068】該添加物としては、塗膜形成樹脂を水媒体
中に分散する際に使用する添加物として、例えば、カチ
オン性樹脂の場合にギ酸、酢酸、乳酸、スルファミン酸
などの酸類、アニオン性樹脂の場合にアンモニア、アミ
ン、無機アルカリなどの塩基類および界面活性剤が挙げ
られる。
【0069】該添加物の濃度は、通常、電着塗料中の塗
膜形成樹脂固形分に対し、0.1〜15重量%、特に1
〜10重量%の範囲とすることが好ましい。
【0070】前記有機溶剤としては、樹脂の溶解、塗膜
の粘度調整、塗料調整などの目的に使用される溶剤成分
で、例えばキシレン、トルエンなどの炭化水素類、エチ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、イソプロピルア
ルコール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレング
リコール、プロピレングリコールなどのアルコール類、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘ
キシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエー
テル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテルなどのエーテル類、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセチル
アセトンなどのケトン類、エチレングリコールモノエチ
ルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチル
エーテルアセテートなどのエステル類の単独または混合
物が挙げられる。この場合の電着塗料に対する有機溶剤
濃度は、約0.01〜25重量%、好ましくは0.05
〜約15重量%である。
【0071】上記顔料としては、例えば、カーボンブラ
ック、黒鉛、酸化チタン、亜鉛華などの着色顔料、ケイ
酸アルミニウム、カオリンなどの体質顔料、ストロンチ
ウムクロメート、塩基性ケイ酸鉛、塩基性硫酸鉛、リン
モリブデン酸アルミニウムなどの防錆顔料の単独または
混合物が挙げられる。該電着塗料組成物の固形分濃度
は、5〜30重量%、特に7〜20重量%が好ましい。
【0072】次に、本発明の塗膜形成方法において使用
できる素材としては、鋼板はもとより冷延鋼板、亜鉛め
っき鋼板(亜鉛−アルミニウム、亜鉛−ニッケル等の合
金を含む)、ステンレス鋼板、アルミニウム板、銅板、
真鍮板等の導電性材料、FRP、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリアミド、アクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリウレ
タン、各種のゴム等の非導電性材料に導電性材料を含有
または無電解めっき等で導電性に改質したものがあげら
れ、また、導電性材料と非導電性材料を接着、固着等に
より一体化したものも挙げられる。
【0073】次に、本発明の塗膜形成方法における表面
処理工程では、上記素材に、清浄化、活性化、化成など
の処理を単独もしくは組合わせた表面処理が施される。
該表面処理工程では、素材に付着している油類が完全に
除去し、素材表面に化学的に安定な無機質膜を形成(被
膜化成)させることにより、素材表面を不活性化し、防
錆力を与えると共に、素材と塗膜の付着性を助けること
のできるように表面処理できるものであればよく、従来
から用いられているあらゆる方法が適用できる。例え
ば、清浄化処理としては、アルカリ脱脂としてスプレー
方式により弱〜中アルカリ脱脂剤を、あるいはディップ
方式により強アルカリ脱脂剤を用いて、または電解洗浄
などの手段を用いて油類が完全に除去される。活性化処
理としては、エッチング、金属析出などの手段が適用さ
れる。また化成処理としては、通常、リン酸鉄系、リン
酸カルシウム系、さらに電着塗装との関連も強く、性
能、管理面に優れるリン酸亜鉛系(例えば、リン酸亜鉛
結晶を主成分とし、これに促進剤、表面調整剤など添加
したものなど)の化成剤を用いて該素材に化成被膜(例
えば、リン酸亜鉛被膜を0.2〜5g/mの範囲で
被覆させるリン酸亜鉛処理など)を生成反応させる化成
処理法、または結晶間をシールし、防食能を与えるため
に、6価クロムを含有させた塗料組成物(金属クロム量
が2〜50g/mの範囲で被覆するクロメート処理、
但し、クロム公害を勘案してあまり利用されず)、ノン
クロム塗料組成物の一つとして、シリカ(SiO
を含有させた塗料組成物(特開昭62−57,470、
特開昭63−123,472および特開平1−167,
381等)、ビヒクル、Al2 3 またはAl(OH)
3 とSiO2 の混合物およびメラミンシアヌレート化合
物を主成分とする塗料組成物(特願平4−23474
3)、ビヒクルおよび[Sb(OH)2 (Cr
4 2 の錯体化合物を主成分とする塗料組成物
(特願平4−22940)などを薬液として化成被膜を
形成して、該素材表面を不活性化し、防錆力を与えると
共に、素材と塗膜の付着性を高める表面処理方法などが
挙げられるが、これらの処理に限らず下塗り塗料の密着
性を向上させる化成処理であればいずれの方法でもさし
つかえない。
【0074】さらに、本発明の塗膜形成方法におけるメ
ラミンシアヌレートを必要に応じて含有した下地有機被
膜を形成する工程では、先述した従来技術として提案さ
れている下地有機被膜の形成方法を用いることができる
(特開昭62−73938号、同62−283161
号、同64−65179号、同50−146340号、
特公昭58−19706号、特開平3−28277号、
特願平4−71357号など)。
【0075】好ましくは、特願平4−71357号に提
案されているメラミンシアヌレートを含有した下地有機
被膜を形成する方法である。該方法による形成被膜によ
り、防錆性、プレス加工性等のバランスがとれた塗膜性
能を発揮させることができ、さらに該下地有機被膜で
は、最終塗装塗膜の耐食性、次工程でのプレス加工性、
組立時の溶接性および表面処理実施後の電着塗装性の向
上できる有機塗料を得ることができるものである。
【0076】本発明の塗膜形成方法におけるメラミンシ
アヌレート含有電着塗料を電着塗装する工程としては、
先述のメラミンシアヌレート含有電着塗料を塗料浴温1
5〜40℃、好ましくは25〜30℃、印加電圧50〜
500V、好ましくは150〜250V通電時間は被塗
物塗料浴中に完全に浸漬している状態で30秒〜10
分、好ましくは60秒〜4分など従来から常用されてい
る条件で行われる。必要な電着塗料の厚さは、焼付塗膜
として5〜50μm、好ましくは10〜35μmであ
る。
【0077】電着塗装を行った後は、通常、余分に付着
した塗料を除去するために水洗処理を施すが、水洗後の
水切りが不十分であると、次工程の塗装時に凹み、弾
き、仕上りムラなどを生じる原因となるので、十分な水
切りとエアブローを行うことが望ましい。ついで、14
0〜200℃、好ましくは160〜180℃で10〜6
0分間、15〜25分間加熱硬化することで、所望の塗
膜を形成することができるものである。
【0078】次に本発明の電着塗料塗膜の上に、中塗り
塗料としてアルキド樹脂系またはポリエステル樹脂、ア
クリル樹脂系塗料を一般的方法、例えば静電吹付塗装に
よって塗装し、130〜180℃、好ましくは130〜
170℃で焼き付けて膜厚20〜60μm、好ましく
は、20〜40μmの中塗り塗膜を形成する方法などが
挙げられるが、これらの塗料や塗装方法に限らず中塗り
塗料の密着性を向上させるものであればいずれの塗料や
塗装方法でもさしつかえない。
【0079】続いて、上塗り塗装では、上記中塗り塗料
塗膜の上に塗装するので、使用する塗料は特定のタイプ
のものに限定されない。すなわち、公知の水性型、溶剤
型、スラリー型、粉体型のいずれも使用できる。樹脂と
しては、通常の焼付型塗料に使用するものであれば任意
である。
【0080】また、該上塗り塗装は、1コート仕上げで
も多重コート仕上げでもよく、多重コート仕上げとする
場合、下層のコート仕上げをメタリックまたはソリッド
カラー仕上げとし、上層のコート仕上げをクリヤー仕上
げとしてもよい。また上塗り塗膜の膜厚は、20〜60
μm、好ましくは、40〜60μm、焼付温度は、13
0〜180℃、好ましくは140〜160℃とすること
が望ましいものである。
【0081】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をより具体的に説
明する。なお、以下の実施例および比較例での添加量の
重量%は、塗料組成物の固形分当りである。
【0082】実施例1 被塗物として、冷間圧延鋼板にリン酸亜鉛処理(サーフ
ダインセレクト4000、片膜量2g/m2 )を施した
後に、塗布型クロメート処理40mg/m2 (6価クロ
ム換算)を施してなる亜鉛めっき鋼板(板厚、0.6m
m)を使用した。
【0083】次に該被塗物にエポキシ樹脂(エピコート
1007、油化シェルエポキシ株式会社製)とブロック
イソシアナート(コロネート2513、日本ポリウレタ
ン工業株式会社製)との有機組成(固形分重量比)が1
0/3に調整された有機塗料を塗布し、最高到達板温度
150℃、20秒の条件で焼付し、乾燥膜厚が1.0μ
mの油性下地有機被膜を形成した。
【0084】続いて、カチオン型電着塗料(パワートッ
プU−600、塗料組成がエポキシ/低温解離型ブロッ
クイソシアネート樹脂の低温焼付型タイプ、日本ペイン
ト株式会社製)にメラミンシアヌレート化合物(MC−
600、日産化学工業株式会社製、以下同じ)を0.0
5重量%添加して調整された電着塗料を用いて、浴温度
28℃、電着電圧200Vの電着条件下で、30秒間昇
圧し、ついで2分30秒間電着を行った後、170℃で
20分間焼付して膜厚17μmの電着塗膜が形成された
試験片を得た。
【0085】実施例2 有機塗料に新たにメラミンシアヌレート化合物を3重量
%添加し、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシアヌ
レート化合物を0.05重量%の代わりに3重量%添加
した以外は、実施例1と同様にして、膜厚18μmの電
着塗膜が形成された試験片を得た。
【0086】実施例3 有機塗料に新たにメラミンシアヌレート化合物を5重量
%添加し、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシアヌ
レート化合物を0.05重量%の代わりに5重量%添加
した以外は、実施例1と同様にして、膜厚19μmの電
着塗膜が形成された試験片を得た。
【0087】実施例4 有機塗料に新たにメラミンシアヌレート化合物を5重量
%添加し、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシアヌ
レート化合物を0.05重量%の代わりに10重量%添
加した以外は、実施例1と同様にして、膜厚22μmの
電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0088】実施例5 被塗物として、亜鉛めっき鋼板の代わりに鋼板に亜鉛−
ニッケルめっきの目付量30g/m2 を施した後に、塗
布型クロメート処理40mg/m2 (6価クロム換算)
を施してなる亜鉛−ニッケルめっき鋼板(板厚、0.6
mm)を使用した以外は、実施例1と同様にして、膜厚
17μmの電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0089】実施例6 有機塗料に新たにメラミンシアヌレート化合物を3重量
%添加し、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシアヌ
レート化合物を0.05重量%の代わりに3重量%添加
した以外は、実施例5と同様にして、膜厚18μmの電
着塗膜が形成された試験片を得た。
【0090】実施例7 有機塗料に新たにメラミンシアヌレート化合物を5重量
%添加し、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシアヌ
レート化合物を0.05重量%の代わりに5重量%添加
した以外は、実施例5と同様にして、膜厚19μmの電
着塗膜が形成された試験片を得た。
【0091】実施例8 有機塗料に新たにメラミンシアヌレート化合物を5重量
%添加し、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシアヌ
レート化合物を0.05重量%の代わりに10重量%添
加した以外は、実施例5と同様にして、膜厚22μmの
電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0092】実施例9 カチオン型電着塗料(パワートップU−600、塗料組
成がエポキシ/低温解離型ブロックイソシアネート樹脂
の低温焼付型タイプ、日本ペイント株式会社製)の代わ
りにカチオン型電着塗料(パワートップU−53、塗料
組成がアミン変性エポキシ樹脂の標準タイプ、日本ペイ
ント株式会社製)を用い、さらに浴温度28℃、電着電
圧200Vの電着条件の代わりに浴温度27℃、電着電
圧270Vの電着条件とした以外は、実施例1と同様に
して、膜厚17μmの電着塗膜が形成された試験片を得
た。
【0093】実施例10 有機塗料に新たにメラミンシアヌレート化合物を3重量
%添加し、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシアヌ
レート化合物を0.05重量%の代わりに3重量%添加
した以外は、実施例9と同様にして、膜厚18μmの電
着塗膜が形成された試験片を得た。
【0094】実施例11 有機塗料に新たにメラミンシアヌレート化合物を5重量
%添加し、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシアヌ
レート化合物を0.05重量%の代わりに5重量%添加
した以外は、実施例9と同様にして、膜厚19μmの電
着塗膜が形成された試験片を得た。
【0095】実施例12 有機塗料に新たにメラミンシアヌレート化合物を5重量
%添加し、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシアヌ
レート化合物を0.05重量%の代わりに10重量%添
加した以外は、実施例9と同様にして、膜厚22μmの
電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0096】実施例13 被塗物として、亜鉛めっき鋼板の代わりに鋼板に亜鉛−
ニッケルめっきの目付量30g/m2 を施した後に、塗
布型クロメート処理40mg/m2 (6価クロム換算)
を施してなる亜鉛−ニッケルめっき鋼板(板厚、0.6
mm)を使用した以外は、実施例9と同様にして、膜厚
17μmの電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0097】実施例14 有機塗料に新たにメラミンシアヌレート化合物を3重量
%添加し、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシアヌ
レート化合物を0.05重量%の代わりに3重量%添加
した以外は、実施例13と同様にして、膜厚18μmの
電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0098】実施例15 有機塗料に新たにメラミンシアヌレート化合物を5重量
%添加し、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシアヌ
レート化合物を0.05重量%の代わりに5重量%添加
した以外は、実施例13と同様にして、膜厚19μmの
電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0099】実施例16 有機塗料に新たにメラミンシアヌレート化合物を5重量
%添加し、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシアヌ
レート化合物を0.05重量%の代わりに10重量%添
加した以外は、実施例13と同様にして、膜厚22μm
の電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0100】実施例17 被塗物に有機塗料を塗布することなく油性下地有機被膜
を形成しなかった以外は、実施例9と同様にして、膜厚
17μmの電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0101】実施例18 カチオン型電着塗料にメラミンシアヌレート化合物を
0.05重量%の代わりに3重量%添加した以外は、実
施例17と同様にして、膜厚18μmの電着塗膜が形成
された試験片を得た。
【0102】実施例19 被塗物に有機塗料を塗布することなく油性下地有機被膜
を形成せず、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシア
ヌレート化合物を0.05重量%の代わりに5重量%添
加した以外は、実施例5と同様にして、膜厚19μmの
電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0103】実施例20 被塗物に有機塗料を塗布することなく油性下地有機被膜
を形成せず、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシア
ヌレート化合物を0.05重量%の代わりに10重量%
添加した以外は、実施例5と同様にして、膜厚19μm
の電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0104】実施例21 有機塗料に新たにメラミンシアヌレート化合物を3重量
%添加した以外は、実施例1と同様にして、膜厚17μ
mの電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0105】実施例22 有機塗料に新たにメラミンシアヌレート化合物を5重量
%添加し、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシアヌ
レート化合物を0.05重量%の代わりに10重量%添
加した以外は、実施例1と同様にして、膜厚22μmの
電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0106】実施例23 有機塗料に新たにメラミンシアヌレート化合物を3重量
%添加した以外は、実施例5と同様にして、膜厚17μ
mの電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0107】実施例24 有機塗料に新たにメラミンシアヌレート化合物を5重量
%添加し、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシアヌ
レート化合物を0.05重量%の代わりに10重量%添
加した以外は、実施例5と同様にして、膜厚22μmの
電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0108】実施例25 被塗物として、冷間圧延鋼板にリン酸亜鉛処理(サーフ
ダインセレクト4000、片膜量2g/m2 )を施した
後に、塗布型クロメート処理40mg/m2 (6価クロ
ム換算)を施してなる亜鉛めっき鋼板(板厚、0.6m
m)を使用した。
【0109】次に該被塗物にエポキシ樹脂(エポルジョ
ンEA55、カネボウ.エヌ.エス.シー株式会社
製)、アミン(エポルジョンHD51B、カネボウ.エ
ヌ.エス.シー株式会社製)、水酸化アルミニウム(ハ
イジライト、昭和電工株式会社製)、二酸化ケイ素(ス
ノーテックスOUP、日産化学工業株式会社製)の各組
成比率(固形分重量比)が順に64/16/15.9/
4.1に調整された有機塗料を塗布し、最高到達板温度
150℃、20秒の条件で焼付し、乾燥膜厚が1.0μ
mの水系下地有機被膜を形成した。
【0110】続いて、カチオン型電着塗料(パワートッ
プU−53、塗料組成がアミン変性エポキシ樹脂の標準
タイプ、日本ペイント株式会社製)にメラミンシアヌレ
ート化合物を0.05重量%添加して調整された電着塗
料を用いて、浴温度27℃、電着電圧270Vの電着条
件で、30秒間昇圧し、ついで2分30秒間電着を行っ
た後、170℃で20分間焼付して膜厚18μmの電着
塗膜が形成された試験片を得た。
【0111】実施例26 有機塗料に新たにメラミンシアヌレート化合物を10重
量%添加し、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシア
ヌレート化合物を0.05重量%の代わりに3重量%添
加した以外は、実施例25と同様にして、膜厚19μm
の電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0112】実施例27 次に該被塗物にエポキシ樹脂(エピコート1007、油
化シェルエポキシ株式会社製)とブロックイソシアナー
ト(コロネート2513、日本ポリウレタン工業株式会
社製)との有機組成(固形分重量比)が10/3に調整
された有機塗料を塗布し、最高到達板温度150℃、2
0秒の条件で焼付し、乾燥膜厚が1.0μmの油性下地
有機被膜を形成した。
【0113】次に該被塗物にエポキシ樹脂(エポルジョ
ンEA55、カネボウ.エヌ.エス.シー株式会社
製)、アミン(エポルジョンHD51B、カネボウ.エ
ヌ.エス.シー株式会社製)、水酸化アルミニウム(ハ
イジライト、昭和電工株式会社製)、二酸化ケイ素(ス
ノーテックスOUP、日産化学工業株式会社製)の各組
成比率(固形分重量比)を64/16/15.9/4.
1に調整し、さらにメラミンシアヌレート化合物を5重
量%添加した有機塗料を塗布し、最高到達板温度150
℃、20秒の条件で焼付し、乾燥膜厚が1.0μmの水
系下地有機被膜を形成した。
【0114】続いて、カチオン型電着塗料(パワートッ
プU−600、塗料組成がエポキシ/低温解離型ブロッ
クイソシアネート樹脂の低温焼付型タイプ、日本ペイン
ト株式会社製)にメラミンシアヌレート化合物(MC−
600、日産化学工業株式会社製、以下同じ)を5重量
%添加して調整された電着塗料を用いて、浴温度28
℃、電着電圧200Vの電着条件下で、30秒間昇圧
し、ついで2分30秒間電着を行った後、170℃で2
0分間焼付して膜厚19μmの電着塗膜が形成された試
験片を得た。
【0115】実施例28 有機塗料にメラミンシアヌレート化合物を5重量%の代
わりに3重量%添加し、さらにカチオン型電着塗料にメ
ラミンシアヌレート化合物を5重量%の代わりに10重
量%添加した以外は、実施例27と同様にして、膜厚2
0μmの電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0116】比較例1 カチオン型電着塗料にメラミンシアヌレート化合物を添
加しなかった以外は、実施例1と同様にして、膜厚22
μmの電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0117】比較例2 被塗物に有機塗料を塗布することなく油性下地有機被膜
を形成せず、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシア
ヌレート化合物をを添加しなかった以外は、実施例1と
同様にして、膜厚25μmの電着塗膜が形成された試験
片を得た。
【0118】比較例3 カチオン型電着塗料にメラミンシアヌレート化合物を添
加しなかった以外は、実施例9と同様にして、膜厚22
μmの電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0119】比較例4 被塗物に有機塗料を塗布することなく油性下地有機被膜
を形成せず、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシア
ヌレート化合物をを添加しなかった以外は、実施例9と
同様にして、膜厚25μmの電着塗膜が形成された試験
片を得た。
【0120】比較例5 カチオン型電着塗料にメラミンシアヌレート化合物を添
加しなかった以外は、実施例5と同様にして、膜厚22
μmの電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0121】比較例6 被塗物に有機塗料を塗布することなく油性下地有機被膜
を形成せず、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシア
ヌレート化合物をを添加しなかった以外は、実施例5と
同様にして、膜厚25μmの電着塗膜が形成された試験
片を得た。
【0122】比較例7 カチオン型電着塗料にメラミンシアヌレート化合物を添
加しなかった以外は、実施例13と同様にして、膜厚2
2μmの電着塗膜が形成された試験片を得た。
【0123】比較例8 被塗物に有機塗料を塗布することなく油性下地有機被膜
を形成せず、さらにカチオン型電着塗料にメラミンシア
ヌレート化合物を添加しなかった以外は、実施例13と
同様にして、膜厚25μmの電着塗膜が形成された試験
片を得た。
【0124】実施例29 実施例1〜28および比較例1〜8で得られた試験片の
電着の完了した塗膜の表面を肉眼で観察した。
【0125】また、実施例1〜28および比較例1〜8
の全ての試験片の電着の完了した塗膜の膜厚は、電磁膜
厚計(ケット科学研究所製)を用いて測定した。
【0126】得られた結果および主な試験条件をそれぞ
れ表2に示す。
【0127】
【表2】
【0128】上記表2中の被塗物において、冷延とは冷
延鋼板(リン酸亜鉛処理した亜鉛めっき鋼板)、亜鉛と
はクロメート処理した亜鉛−ニッケルめっき鋼板であ
る。
【0129】また表2中の有機組成において、EPとは
エポキシ樹脂(エピコート1007)、BIcとはブロ
ックイソシアナート(コロネート2513)、水系EP
とはエポキシ樹脂(エポルジョンEA55)、アミンと
はアミン(エポルジョンHD51B)、Alとは水酸化
アルミニウム(ハイジライト)、Siとは二酸化ケイ素
(スノーテックスOUP)である。
【0130】さらに表2中のMCAとはメラミンシアヌ
レート化合物である。
【0131】さらにまた表2中の外観は電着完了塗膜の
表面を肉眼で観察し、次の評価基準に従って評点を付け
た。
【0132】 点数 評価基準 5 鏡の面に近いような平滑に仕上がっている。 4 若干の凹凸はあるが非常に平滑に仕上がっている。 3 通常の電着膜仕上がりレベルの平滑さに仕上がっている(従来のレベル は実用域にはあり)。 2 通常の電着膜仕上がりより凹凸が粗い面に仕上がっている。 1 かなりひどい凹凸や膜がうまく形成されていないところもあり、非常に 粗い面に仕上がっている。
【0133】実施例30 実施例3で得られた被塗物の試験片に、中塗り塗料とし
てオルガP−2グレーを用いて中塗り塗装し、10分間
放置した後、140℃で20分間焼結し、乾燥膜厚35
μmの中塗り塗膜を形成した。
【0134】続いて、該被塗物の試験片に、上塗り(ベ
ースコート)塗料としてシルバーメタリックのスーパー
ラックM−150を用いて塗装し、膜厚15μmに塗膜
し、常温で5分間放置した後、さらに上塗り(クリヤコ
ート)塗料としてスーパーラックO−150を用いて上
塗り塗装し、10分間放置した後、140℃で20分間
焼結し、乾燥膜厚40μmのメタリックカラーの上塗り
塗膜が形成された試験片を得た。
【0135】実施例31 実施例3で得られた被塗物の試験片の代わりに実施例2
で得られた被塗物の試験片を使用した以外は、実施例3
0と同様にして、メタリックカラーの上塗り塗膜が形成
された試験片を得た。
【0136】実施例32 実施例4で得られた被塗物の試験片に、中塗り塗料とし
てオルガP−2グレーを用いて中塗り塗装し、10分間
放置した後、140℃で20分間焼結し、乾燥膜厚35
μmの中塗り塗膜を形成した。
【0137】続いて、該被塗物の試験片に、上塗り塗料
としてオルガS−142ホワイトを用いて上塗り塗装
し、10分間放置した後、140℃で20分間焼結し、
乾燥膜厚40μmのソリッドカラーの上塗り塗膜が形成
された試験片を得た。
【0138】実施例33 実施例4で得られた被塗物の試験片の代わりに実施例8
で得られた被塗物の試験片を使用した以外は、実施例3
2と同様にして、ソリッドカラーの上塗り塗膜が形成さ
れた試験片を得た。
【0139】実施例34 実施例30〜33で得られた試験片の上塗り塗装後のN
SIC値及びNSIC*値を写像鮮明度測定器ICN−
1(スガ試験機製)を用いて測定した。
【0140】また、実施例30〜33の全ての試験片の
電着の完了した塗膜の膜厚は、電磁膜厚計(ケット科学
研究所製)を用いて測定した。
【0141】得られた結果および主な試験条件をそれぞ
れ表3に示す。
【0142】
【表3】
【0143】
【発明の効果】本発明の電着塗料の使用する場合、特に
下地有機薄膜(乾燥膜厚1.0μm)上に電着する場合
において、下記の諸点において顕著な膜外観の向上が見
られる。
【0144】1.電着膜外観が大幅に向上する(オレン
ジ肌がなくなり、フラットな均一電着膜が得られる。 2.高電圧条件で電着してもガスピンホールの発生がな
い。 3.電着初期から終了までの間、電流値の変動が少な
く、ほぼ一定クーロン量/分で電着できる。 4.下地有機薄膜を行わない冷間圧延鋼板(リン酸亜鉛
処理を施した後に、塗布型クロメート処理を施してなる
亜鉛めっき鋼板)に電着する場合は、メラミンシアヌレ
ート化合物の添加効果は目立たないが、高電圧時に顕著
なガスピンホール発生防止効果を奏する。
【0145】さらに本発明の電着塗料組成物は、カチオ
ン型またはアニオン型電着塗料として用いることがで
き、通電点が増すことにより均一に塗装されるばかり
か、スローイングパワーが向上し、エッジ部への付き回
り性が良くなりエッジ防錆力の向上、塗膜外観の向上等
の特性向上効果、さらに塗装時の導電性が良くなるため
厚膜塗装が可能となり、また、従来の電着塗料では2コ
ートが難しく、1コート仕上に限定されていたものが、
電着性の改良により2コートや多重コート仕上げが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】下地有機被膜を設けた場合における被塗物の電
着塗装後の断面構造を表す概略図である。
【符号の説明】
1:鋼板素地、 2:亜鉛−ニッケルめっき、 3:塗布型クロメート、 4:下地有機被膜、 5:電着塗装膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電着塗料中にメラミンシアヌレートを含
    有することを特徴とする電着塗料組成物。
  2. 【請求項2】 素材に清浄化、活性化または化成の少な
    くとも1つの処理を施す表面処理工程およびメラミンシ
    アヌレート含有電着塗料を電着塗装する工程を順次経る
    ことを特徴とする塗膜形成方法。
  3. 【請求項3】 素材に清浄化、活性化または化成の少な
    くとも1つの処理を施す表面処理工程、メラミンシアヌ
    レートを必要に応じて含有した下地有機被膜を形成する
    工程およびメラミンシアヌレート含有電着塗料を電着塗
    装する工程を順次経ることを特徴とする塗膜形成方法。
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