JPH0693103B2 - カラ−反転写真感光材料の処理方法 - Google Patents

カラ−反転写真感光材料の処理方法

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JPH0693103B2
JPH0693103B2 JP2260385A JP2260385A JPH0693103B2 JP H0693103 B2 JPH0693103 B2 JP H0693103B2 JP 2260385 A JP2260385 A JP 2260385A JP 2260385 A JP2260385 A JP 2260385A JP H0693103 B2 JPH0693103 B2 JP H0693103B2
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C5/00Photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents
    • G03C5/26Processes using silver-salt-containing photosensitive materials or agents therefor
    • G03C5/29Development processes or agents therefor
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はハロゲン化銀カラー反転写真感光材料の処理方
法に関する。詳しくは、黒白現像後、カラー反転現像処
理してカラー写真画像を得る方法において、高い感度
と、高い最高濃度を持ち、カラーバランスの整つた写真
画像を得る黒白現像処理方法に関する。又、処理条件を
変えることにより、異なる感度を得る増感処理方法また
は、迅速に画像を得る迅速処理方法に関する。
(従来技術) ハロゲン化銀カラー反転感光材料は、露光の許容域が狭
く、良好な画像を得るためには、極めて限られた適切な
露光が要求される。これは、最終の陽画像として鑑賞等
に用いられるため、カラーネガ感光材料と比較すると、
その階調が硬く設計されているためである。従つて、目
的および露光条件に応じた最適の感度の感光材料を使用
する必要がある。
又、速いシヤツター速度の要求されるスポーツ写真ある
いは露光に必要な光量の足りない舞台写真等の特殊なシ
ーンの撮影のため感度の高いカラー感光材料が要求され
るが、前記の如き極めて高い感度を必要とする目的を満
たすに十分な品質のカラー反転写真感光材料は少ない。
このような状況の中で、高感度カラー反転感光材料と、
露光の過不足を補うための処理による感度調節が、強く
望まれて来た。
これらの要望に答える目的で、従来より数多くの現像促
進法あるいは、増(減)感現像法が提案されて来た。
最も一般的に、永年にわたつて行われて来たのは、黒白
現像の時間を延長するか、あるいは、現像温度を高くす
る方法である。
しかしながら、このような増(減)感方法ではカラー反
転感光材料に対して必ずしも十分な増感処理適性を与え
るものではなく、 第1現像の時間を標準処理よりも非常に延長しないと
増感されないものであつたり、 高感度層と低感度層に分割された構成を採用した感光
材料においては両層の現像処理適性が異るため、増感処
理によつて階調の変化が生じたり、 第1現像の時間を延長して増感の程度を高めようとす
ると、発色画像濃度の大巾な低下を起すものであつた
り、 赤感層、緑感層、青感層の間の現像処理適性の相違に
より、増感処理した時にカラーバランスの劣化を起すも
のであつたりした。
また、高い感度を得る目的で、現像促進剤を使用する方
法が知られている。これらの化合物は、L.F.A.Mason著
の“Photographic Processing Chemistry"(1966)(Fo
cal Press London & New York)41〜44頁に記載されて
いるカチオン性界面活性剤、カチオン性色素、中性塩、
ポリアルキレンオキサイド、有機アミン等であるから、
これらの化合物を黒白現像液に添加すると現像促進能力
が不充分であつたり、カブリを増大させ、反転カラー画
像の最高濃度を低下させてしまう傾向が強く、実用には
不適であつた。
この欠点を改良したチオエーテル化合物を含有する黒白
現像液を使用する処理方法(特開昭57-63530号明細書)
も、現像の時間あるいは温度を変更して、増感度を変え
ると、青感、緑感、および赤感層の現像の進行が不揃い
となり、カラーバランスが崩れてしまう欠点があつた。
更に、この欠点を改良する方法として、2浴の黒白現像
液を使用する処理方法も知られている(特開昭59-81644
号明細書)。しかし、この方法は、良好な性能を得るこ
とはできるが、黒白現像の2工程からなるため、処理液
及び処理条件の管理が繁雑で、極めて微妙であり、一定
の写真性能を保持することが困難であつた。
一方、増感現像において、前述の欠点を改良するに有効
と考えられる方法として黒白現像における現像カブリを
抑制する方法が知られている。例えば、臭化物、沃化物
のようなハロゲン化合物は、広く知られ、黒白現像液に
汎用されている。しかし、増感現像した場合には、その
カブリ抑制力が充分ではなく、目的を満たすことはでき
ない。
また、米国特許第2,725,290号の明細書に記載される1
−フエニル−5−メルカプトテトラゾール、4−フエニ
ル−2−メルカプトチアゾール、2−メルカプトベンゾ
キサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、およ
び、1−2−ナフチル−5−メルカプトテトラゾール
は、黒白現像の高温処理を行つた場合、多層感材の上層
が過度に現像されるのを抑止する効果を持つ。しかし、
これらの化合物は、その現像抑制効果が極めて大きいた
め、少量使用で、上層の現像を抑制してしまう。従つ
て、下層の現像あるいはカブリを抑制させるために、増
量使用すると、上層の現像を過度に抑制してしまい、カ
ラーバランスが崩れてしまう欠点を持つ。
更に、これらの現像抑制剤(あるいはカブリ防止剤)よ
りも、作用の弱い化合物として、前述のL.F.A.Mason著
“Photographic Processing Chemistry"(1966)、39頁
〜41頁に5−メチルベンゾトリアゾール、6−ニトロベ
ンズイミダゾールが記載されている。これらの化合物
は、黒白現像時における下層のカブリ防止効果が小さ
く、また、増量使用すると下層の現像抑制作用が強く感
度の低下をきたしてしまう。
このように、多層からなるカラー反転写真感光材料を増
感処理または迅速処理する場合には、黒白現像時の各層
のカブリ防止効果をバランスさせることが必要である
が、最上層の現像に対する影響を少なくもしくはなくし
て、最下層の感度を下げることなく、黒白現像時のカブ
リを抑制することは非常に困難な問題であつた。
(発明が解決しようとする問題点) 従つて、上記の如き欠点を解決し、かつ増感の程度を自
在にコントロールでき、更に標準処理の際に何らの悪影
響を示さない技術の開発が望まれていた。
本発明の第1の目的は、高い感度と高い最高濃度、特に
赤感層の高い感度と高い最高濃度をたもち、更に良好な
カラーバランスを有する写真画像を得るカラー反転感光
材料の現像処理方法を提供することである。第2の目的
は、条件変更により、同一の感光材料で異なる感度の良
好な写真画像を得るカラー反転感光材料の現像処理方法
を提供することである。
第3の目的は、短時間に良好な写真画像を得るカラー反
転感光材料の迅速現像処理方法を提供することである。
(問題点を解決するための手段) これらの本発明の目的は、像様に露光されたハロゲン化
銀カラー反転写真感光材料を処理する方法において、下
記の化合物群Aから選択された少なくとも一種の化合物
と下記の化合物群Bから選択された少なくとも一種の化
合物とを組合わせて含有し、化合物群Aの含有量が1.0
×10-6〜0.5×10-3モル/lであり、かつA/B=1/2〜1/500
である黒白現像液を用いることによつて達成しうること
を見出した。
化合物群A(下記の一般式A−I〜A−IVのいずれかで
表わされる有機複素環化合物からなる群) 式中、Q1、Q2、Q3、Q4及びQ5は、置換基を有してもよい
5員もしくは6員の複素環を形成するに必要な原子群ま
たはベンゼン環と縮合した5員、もしくは6員の複素環
を形成するに必要な原子群を表わし、Rは置換もしくは
無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基
または置換もしくは無置換のアラルキル基を表わし、M
は水素原子、アルカリ金属原子または、アンモニウムイ
オンを表わす。
化合物群B ベンゾイミダゾール化合物、インダゾール化合物、ベン
ゾトリアゾール化合物、ベンゾオキサゾール化合物及び
ベンゾチアゾール化合物からなる群。ただし、これらの
化合物は、チオール基、チオエーテル結合、チオケトン
基またはジスルフイド結合を有さない。
前述の本発明の化合物群A及び化合物群Bを併用した黒
白現像液を用いてカラー反転感光材料を処理すると両者
の化合物を相互にうまく調和して作用して、カラーバラ
ンス(特に上層と下層)のとれたカラー画像を得ること
ができたことは驚くべきことであつた。
上記の化合物の中には、公知の化合物が含まれており、
例えば米国特許2,725,290号明細書には、カラー現像液
においてメルカプトアゾール化合物とベンゾトリアゾー
ル化合物をカブリ防止剤として併用してもよいとの記載
がある。しかしながら、該特許には併用によつてどのよ
うな効果が得られるのかは示唆されておらず、ましてや
カラー現像液とは全く組成が異なる、反転カラー処理の
黒白現像液に本発明の化合物を添加した場合については
開示されておらず、示唆する記述もない。
かかる状況の中で本発明に示した二種類の化合物が従来
とは異なる使用方法にて、全く新たな効果作用を示すこ
とが見出された。
次に一般式(A)について詳しく説明する。式中、Q1
Q5は互いに同じでも異なつてもよく置換基を有してもよ
い5員、6員の複素環を形成するに必要な原子群又はベ
ンゼン環と縮合した5員、6員の複素環を形成するに必
要な原子群を表す。
該複素環としては、ピロール環、ピラゾール環、イミダ
ゾール環、イミダゾリン環、ベンツイミダゾール環、ベ
ンツイミダゾリン環、トリアゾール環、テトラゾール
環、チアゾール環、チアゾリン環、ベンゾチアゾール
環、ナフトチアゾール環、ベンゾチアゾリン環、オキサ
ゾール環、オキサゾリン環、ベンツオキサゾール環、ベ
ンツオキサゾリン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリ
アジン環、ピラジン環、チアジン環、オキサジン環、チ
アジアゾール環、オキサジアゾール環、テトラアザイン
デン環等がある。該複素環の置換基としては、置換もし
くは未置換のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、
オクチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル基、
ジメチルアミノエチル基、エトキシカルボニルエチル
基、アシルオキシエチル基、メチルチオエチル基、モル
ホリノメチル基等)、アリル基、置換もしくは未置換の
アリール基(例えばフエニル基、ナフチル基、カプロア
ミドフエニル基、ニトロフエニル基、クロルフエニル
基、メチルフエニル基、エトキシフエニル基、メタンス
ルホニルフエニル基、カルボキシフエニル基、スルホキ
シフエニル基、カルバモイルフエニル基、ジメチルアミ
ノフエニル基等)、置換もしくは未置換のアラルキル基
(例えばベンジル基、クロルベンジル基、メトキシベン
ジル基等)、ハロゲン原子(例えばクロル、ブロム、ヨ
ード等)、ニトロ基、置換未置換のアルコキシ基(例え
ばメトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等)、
置換未置換のアリールオキシ基(例えばフエノキシ基、
メチルフエノキシ基、クロルフエノキシ基等)、置換未
置換のアルキルチオ基(例えばメチルチオ基、メトキシ
エチルチオ基、ヒドロキシエチルチオ基等)、置換,未
置換のアリールチオ基(例えばフエニルチオ基、カルボ
キシフエニルチオ基、ナフチルチオ基等)、−COOM1、 −COOR1、−SO3M1、−SO3R1、 −SO−R1、−SO2R1、−NH2、 −NHR1−NHCOR1、 −NH・CO・NH・R1、−NHCO2R1、 −CONH−R1、−CONH2、−SO2NH2、 −SO2NHR1、{M1は水素原子、NH4又はナトリウム原子、
カリウム原子などのアルカリ金属原子を表わし、R1、R2
は置換、未置換のアルキル基、アリール基、アラルキル
基、複素環基(例えばピリジン環、チアジアゾール環、
イミダゾール環等)を表わす。}などを挙げることがで
きる。これらの置換基の炭素数としては8以下のものが
好ましい。
Rは置換未置換のアルキル基(例えばメチル基、エチル
基、オクチル基、ヒドロキシエチル基、メトキシエチル
基、ジメチルアミノエチル基、エトキシカルボニルエチ
ル基、アシルオキシエチル基、メチルチオエチル基、モ
ルホリノメチル基等、好ましくは総炭素数7以下)、置
換未置換のアリール基(例えばフエニル基、ナフチル
基、カプロアミドフエニル基、ニトロフエニル基、アミ
ノフエニル基、クロルフエニル基、メチルフエニル基、
エトキシフエニル基、メタンスルホニルフエニル基、カ
ルボキシフエニル基、スルホキシフエニル基、カルバモ
イルフエニル基、ジメチルアミノフエニル基等、好まし
くは総炭素数10以下)または置換未置換のアラルキル基
(例えばベンジル基、クロルベンジル基、メトキシベン
ジル基等、好ましくは総炭素数10以下)、を表わす。
Mは水素原子、アルカリ金属原子(ナトリウム原子、カ
リウム原子など)またはアンモニウムウオンを表わす。
次に、本発明の化合物群Aに含まれる化合物のうち好ま
しいものの具体例を示すが、本発明の範囲はこれによつ
て限定されるものではない。
次に化合物群Bについて詳しく説明する。
該ベンツイミダゾール化合物、インダゾール化合物、ベ
ンゾオキサゾール化合物、ベンゾトリアゾール化合物及
びベンゾチアゾール化合物は置換基を有していてもよ
く、置換基としては、置換,未置換のアルキル基(例え
ばメチル基、エチル基、オクチル基、ヒドロキシエチル
基、メトキシエチル基、ジメチルアミノエチル基、エト
キシカルボニルエチル基、モルホリノメチル基等)、ア
リル基、置換,未置換のアリール基(例えばフエニル
基、ナフチル基、カプロアミドフエニル基、ニトロフエ
ニル基、クロルフエニル基、メチルフエニル基、メタン
スルホニルフエニル基、カルボキシフエニル基、スルホ
キシフエニル基、カルバモイルフエニル基、ジメチルア
ミノフエニル基等)、置換,未置換のアラルキル基(例
えばベンジル基、クロルベンジル基、メトキシベンジル
基等)、ハロゲン原子(例えばクロル、ブロム、ヨード
等)、ニトロ基、置換,未置換のアルコキシ基(例えば
メトキシ基、エトキシ基、メトキシエトキシ基等)、置
換,未置換のアリールオキシ基(例えばフエノキシ基、
メチルフエノキシ基、クロルフエノキシ基等)、−COOM
2、−COOR1、 −SO3M2、−SO3R1、−SO−R1、−SO2R1、−NH2、−NH
R1−NHCOR1、−NHCONHR1、−NHCO2R1、−CONHR1、−CON
H2、−SO2NH2、−SO2NHR1(M2、R1、R2は化合物群Aの
中で定義されたMまたはRと同一のもの)を表わす。こ
れらの置換基の炭素数は8以下のものが好ましい。
好ましいものの具体例を次に示すが、本発明の範囲はこ
れによつて限定されるものではない。
本発明の化合物群Aの反転カラー処理用黒白現像液への
添加量は1当り1.0×10-6モルから0.5×10-3モルであ
ることが好ましい。また本発明の化合物群Bの反転カラ
ー処理用黒白現像液への添加量は1当り、0.5×10-5
モルから1.0×10-1モルであることが好ましく、特に1.0
×10-5モルから1.0×10-2モルであることが好ましい。
本発明の化合物群AとBとの使用比率(モル比)として
は好ましくはAを1としてBが2〜500である。
本発明に用いられるハロゲン化銀カラー写真感光材料と
しては、反転カラーフイルムや反転カラーペーパーなど
のハロゲン化銀反転カラー写真感光材料である。
本発明の感光材料の写真処理には、例えばリサーチ・デ
イスクロージヤー、第176巻第28〜30頁に記載されてい
るような公知のカラー画像形成法のいずれをも用いるこ
とができる。処理温度は普通18℃から60℃の間に設定さ
れるのが好ましい。処理時間としては黒白現像の場合1
〜15分程度であり、発色現像の場合1〜10分程度であ
る。
本発明の好ましい実施態様であるカラー反転感光材料の
処理には、通常、 黒白現像(第1現像)→水洗→反転→発色現像→調整浴
→漂白→定着→水洗→安定→乾燥のステツプが用いられ
る。この工程には更に前浴、前硬膜浴、中和浴、停止
浴、水洗などを設けてもよい。反転はかぶらし浴にて行
なつてもよく、再露光にて行なつてもよい。またかぶら
し剤を発色現像浴に加えることにより省略することもで
きる。更に調整浴あるいは安定浴を省略することもでき
る。又、漂白と定着を同時に行う漂白定着液も使用する
ことができる。
定着工程または漂白定着工程の後には、水洗、安定化な
どの処理工程を行なうことが一般的に行なわれている
が、水洗工程だけを行なつたり逆に実質的な水洗工程を
設けず安定化処理工程だけを行なうなどの簡便な処理方
法を用いることもできる。
本発明に用いる黒白現像液には、知られている現像主薬
を用いることができる。現像主薬としては、ジヒドロキ
シベンゼン類(たとえばハイドロキノン)、3−ピラゾ
リドン類(たとえば1−フエニル−3−ピラゾリド
ン)、アミノフエノール類(たとえばN−メチル−p−
アミノフエノール)、1−フエニル−3−ピラゾリン
類、アスコルビン酸、及び米国特許4,067,872号に記載
の1,2,3,4−テトラヒドロキノリン環とインドレン環と
が縮合したような複素環化合物などを、単独もしくは組
合せて用いることができる。
本発明に用いる黒白現像液には、その他必要により保恒
剤(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩など)、緩衝剤(例
えば、炭酸塩、硼酸、硼酸塩、アルカノールアミン)、
アルカリ剤(例えば、水酸化物、炭酸塩)、溶解助剤
(例えば、ポリエチレングリコール類、これらのエステ
ル)、pH調整剤(例えば、酢酸の如き有機酸)、増感剤
(例えば、四級アンモニウム塩)、現像促進剤、界面活
性剤、消泡剤、硬膜剤、粘性付与剤などを含有させるこ
とができる。
本発明に用いる黒白現像液にはハロゲン化銀溶剤として
作用する化合物を含ませる必要があるが、通常は上記の
保恒剤として添加される亜硫酸塩がその役目を果す。こ
の亜硫酸塩及び他の使用しうるハロゲン化銀溶剤として
は、具体的にはKSCN、NaSCN、K2SO3、Na2SO3、K2S2O5
Na2S2O5、K2S2O3、Na2S2O3などを挙げることができる。
又、現像促進作用を付与するために現像促進剤が用いら
れるが、特に特開昭57-63580号明細書に記載された下記
一般式(III)の化合物を単独あるいは2種以上の併
用、さらには上記ハロゲン化銀溶剤を併用しても良い。
一般式(III) これらのハロゲン化銀溶剤の使用量は、余りに少なすぎ
ると現像進行が遅くなり、逆に多すぎるとハロゲン化銀
乳剤にかぶりを生ぜしめる為、自ら好ましい使用量が存
在するが、その量の決定は当業者が容易になしうるもの
である。
たとえばSCN-は現像液1当り0.005〜0.02モル、特に
0.01〜0.015モルであることが好ましく、SO3 -2は、0.05
〜1モル、特に0.1〜0.5モルであることが好ましい。
一般式(III)の化合物を、本発明の黒白現像液に添加
して使用する場合の添加量は、好ましくは現像液1当
り5×10-6モル〜5×10-1モル、更に好ましくは1×10
-4モル〜2×10-1モルである。
更に、本発明の黒白現像液には膨潤抑制剤(例えば、硫
酸ナトリウムなどの無機塩)、硬水軟化剤(例えば、ポ
リリン酸類、アミノポリカルボン酸、ホスホン酸類、ア
ミノホスホン酸類等とその塩)、を含有させることがで
きる。
この様にして調整された現像液のpH値は所望の濃度とコ
ントラストを与えるに充分な程度に選択されるが、約8.
5〜約11.5の範囲にある。
かかる第1現像液を用いて増感処理を行なうには通常、
標準処理の最大3倍程度迄の時間延長を行なえばよい。
このとき処理温度を上げれば、増感処理のための延長時
間を短縮することができる。
本発明に用いられるカブラセ浴には公知のカブラセ剤を
含むことができる。すなわち第1スズイオン−有機リン
酸錯塩(米国特許第3,617,282号明細書)、第1スズイ
オン有機ホスホノカルボン酸錯塩(特公昭56-32616号公
報)、第1スズイオン−アミノポリカルボン酸錯塩(英
国特許第1,209,050号明細書)などの第1スズイオン錯
塩、水素化ホウ素化合物(米国特許第2,984,567号明細
書)、複素環アミンボラン化合物(英国特許第1,011,00
0号明細書)などのホウ素化合物、などである。このカ
ブラセ浴(反転浴)のpHは、酸性側からアルカリ性側ま
で広い範囲に亘つており、pH2〜12、好ましくは2.5〜1
0、特に好ましくは3〜9の範囲である。
本発明に用いる発色現像液は、芳香族第一アミン現像主
薬を含有する一般的な発色現像液の組成を有する。芳香
族第一級アミン発色現像主薬の好ましい例は、以下の如
きp−フエニレンジアミン誘導体である。N,N−ジエチ
ル−p−フエニレンジアミン、2−アミノ−5−ジエチ
ルアミノトルエン、2−アミノ−5−(N−エチル−N
−ラウリルアミノ)トルエン、4−〔N−エチル−N−
(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン、2−メチ
ル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)
アミノ〕アニリン、N−エチル−N−(β−メタンスル
ホアミドエチル)−3−メチル−4−アミノアニリン、
N−(2−アミノ−5−ジエチルアミノフエニルエチ
ル)メタンスルホンアミド、N,N−ジメチル−p−フエ
ニレンジアミン、米国特許3656950号明細書、同3698525
号明細書などに記載の4−アミノ−3−メチル−N−エ
チル−N−メトキシエチルアニリン、4−アミノ−3−
メチル−N−エチル−N−β−エトキシエチルアニリン
および4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−β−
ブトキシエチルアニリンやこれらの塩(例えば硫酸塩、
塩酸塩、亜硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩など)等
が好ましい代表例である。
発色現像液にはその他に既知の現像液成分化合物を含ま
せることができる。例えば、アルカリ剤、緩衝剤等とし
ては、苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸ソーダ、炭酸カリ、
リン酸ソーダ又はカリ、メタホー酸カリ、ホー砂などが
単独、又は組み合わせで用いられる。
発色現像液には通常保恒剤として用いられる亜硫酸塩
(たとえば亜硫酸ソーダ、亜硫酸カリ、重亜硫酸カリウ
ム、重亜硫酸ソーダ)やヒドロキシルアミンなどを加え
ることができる。
発色現像液には必要により、任意の現像促進剤を添加で
きる。例えば米国特許第2648604号明細書、特公昭44-95
03号公報、米国特許3671247号明細書で代表される各種
のピリジニウム化合物やその他のカチオニツク化合物、
フエノサフラニンのようなカチオン性色素、硝酸タリウ
ムや硝酸カリウムの如き中性塩、特公昭44-9504号公
報、米国特許2533990号明細書、米国特許2531832号明細
書、同2950970号明細書、同2577127号明細書記載のポリ
エチレングリコールやその誘導体、ポリチオエーテル類
などのノニオン性化合物、特公昭44-9509号公報、ベル
ギー特許682862号記載の有機溶剤や有機アミン、エタノ
ールアミン、エチレンジアミン、ジエタノールアミンな
ど、そのほかL.F.A.Mason著Photographic Processing C
hemistryのP40〜43(Focal Press−London−1966)に記
述されている促進剤を用いることができる。
更に発色現像液にはエチレンジアミン四酢酸、ニトリロ
トリ酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノジ酢
酸、N−ヒドロキシメチルエチレンジアミン三酢酸、ジ
エチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミ
ン六酢酸などで代表されるアミノポリカルボン酸、1−
ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホン酸、Researc
h Disclosure 18170号記載の有機ホスホン酸、アミノト
リス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミン−N,N,
N′,N′−テトラメチレンホスホン酸などのアミノホス
ホン酸、特開昭52-102726号、同53-42730号、同54-1211
27号、同55-4024号、同55-4025号、同55-126241号、同5
5-65955号、同55-65956号、及びResearch Disclosure 1
8170号記載のホスホノカルボン酸などの硬水軟化剤を含
有することができる。
発色現像液中に競争カプラーや補償現像薬も加えること
ができる。
競争カプラーとしてシトラジン酸、J酸、H酸などが有
用である。
補償現像薬としてp−アミノフエノール、N−ベンジル
−p−アミノフエノール、あるいは1−フエニル−3−
ピラゾリドン、4−メチル−1−フエニル−3−ピラゾ
リドン、4,4′−ジメチル−1−フエニル−3−ピラゾ
リドン等の本発明以外の1−フエニル−3−ピラゾリド
ン類を併用することができる。
発色現像液のpHは約8〜13の範囲が好ましい。発色現像
液の温度は20℃〜70℃の範囲に選ばれるが、好ましいの
は30℃〜60℃である。
発色現像後の写真乳剤層は通常、漂白処理される。漂白
処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし、個別に行
なわれてもよい。漂白剤としては鉄(III)、コバルト
(IV)、クロム(VI)、銅(II)などの多価金属の化合
物、過酸類、キノン類、ニトロン化合物などが用いられ
る。たとえばフエリシアン化物、重クロム酸類、鉄(II
I)またはコバルト(III)の有機錯塩、たとえばエチレ
ンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,2
−シクロヘキサンジアミン四酢酸、ニトリロトリ酢酸、
1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢酸などのアミノ
ポリカルボン酸類あるいはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸
などの有機酸の錯塩;過硫酸塩、過マンガン酸塩;ニト
ロソフエノールなどを用いることができる。これらのう
ちフエリシアン化カリ、エチレンジアミン四酢酸鉄(II
I)ナトリウムおよびエチレンジアミン四酢酸鉄(III)
アンモニウムは特に有用である。アミノポリカルボン酸
鉄(III)錯塩は独立の漂白液においても、一浴漂白定
着液においても有用である。
漂白または漂白定着液あるいは、その前浴(例えば調整
液)には、米国特許3042520号明細書、同3241966号明細
書、特公昭45-8506号公報、特公昭45-8836号公報、特開
昭53-95630号明細書などに記載の漂白促進剤をはじめ、
種々の添加剤を加えることもできる。
本発明の定着浴としては、定着剤として、チオ硫酸のア
ンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩が30g/l〜200
g/lの程度で用いられ、その他に、亜硫酸塩、異性重亜
硫酸塩などの安定化剤、カリ明ばんなどの硬膜剤、酸酢
塩、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、などのpH緩衝剤など
含むことができる。定着液のpHは3〜10であり、より好
ましくは5〜9である。
本発明の処理方法は、色素形成カプラーが感光材料中に
含まれているカラー写真法、たとえば米国特許2322027
号明細書、同2376679号明細書、同2801171号明細書に記
載の方法に用いることができるだけなく、発色剤を現像
液中に含むカラー写真法、たとえば米国特許2252718号
明細書、同2590970号明細書、及び同2592243号明細書に
記載の方法にも適用できる。
しかし現在に於いては、前者の方法が主に行なわれてい
る。色素形成カプラーが感光材料中に含まれる場合、一
般に多層感光材料が用いられており、カプラーは製造工
程中、保存中、及び処理工程中にある層中に留まつて他
の層へ拡散しないことが望ましい。
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀乳剤は画像露光
によつて潜像を形成しうる臭化銀、沃化銀、沃臭化銀、
塩臭化銀、塩沃臭化銀、塩化銀のいずれであつてもよい
(これらは内部にかぶり核を持つていてもいなくともよ
い)。
上記の写真乳剤中のハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ
(球状または球に近似の粒子の場合は粒子直径、立方体
粒子の場合は稜長を粒子サイズとし、投影面積にもとづ
く平均で表わす)は特に問わないが3μ以下が好まし
い。粒子サイズ分布はせまくても広くてもいずれでもよ
い。
写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体のよ
うな規則的(regular)な結晶体を有するものでもよ
く、また球状、板状などのような変則的(irregular)
な結晶形をもつもの、あるいはこれらの結晶形の複合形
をもつものでもよい。種々の結晶形の粒子の混合から成
つてもよい。
さらに上記の写真乳剤は粒子内部にかぶり核を持たない
乳剤と粒子内部にかぶり核を持つ乳剤とを混合してもよ
い。上記の粒子内部にかぶり核を持たない乳剤の調製方
法及び、混合の比率に関しては特願昭58-88939号に記載
された方法を用いることができる。
これらの写真乳剤はP.Glafkides 著 Chimie et Physiqu
e Photographique (Paul Montel社刊、1967年)、G.
F.Duffin著 Photographic Emulsion Chemistry(The Fo
cal Press刊、1966年)、V.L.Zelikman at al 著Making
and Coating Photographic Emulsion(The Focal Pres
s刊、1964年)などに記載された方法を用いて調製する
ことができる。
ハロゲン化銀粒子形成または物理熟成の過程において、
カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム
塩またはその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄塩ま
たは鉄錯塩などを共存させてもよい。
ハロゲン化銀乳剤は、化学増感を行なわないで、いわゆ
る未後熟(Primitive)乳剤のまま用いることもできる
が、通常は化学増感される。化学増感のためには、前記
GlafkidesまたはZelikmanらの著書あるいはH.Frieser編
Die Grundlagen der Photographicschen Prozesse mit
Silberhalogeniden(Akademische Verlahsgesellschaf
t,1968)に記載の方法を用いることができる。
すなわち、銀イオンと反応し得る硫黄を含む化合物や活
性ゼラチンを用いる硫黄増感法、還元性物質を用いる還
元増感法、金その他の貴金属化合物を用いる貴金属増感
法などを単独または組合せて用いることができる。硫黄
増感剤としては、チオ硫酸塩、チオ尿素類、チアゾール
類、ローダニン類、その他の化合物を用いることができ
る。
還元増感剤としては第一すず塩、アミン類、ヒドラジン
誘導体、ホルムアミジンスルフイン酸、シラン化合物な
どを用いることができる。
貴金属増感のためには金錯塩のほか、白金、イリジウ
ム、パラジウム等の周期律表VIII族の金属の錯塩を用い
ることができる。
本発明の感光材料の各感光性写真乳剤層には色形成カプ
ラー、すなわち発色現像処理において芳香族1級アミン
現像薬(例えば、フエニレンジアミン誘導体や、アミノ
フエノール誘導体など)との酸化カツプリングによつて
発色しうる化合物を含有する。例えば、緑感性乳剤層に
用いられるマゼンタカプラーとして、5−ピラゾロンカ
プラー、ピラゾロンベンツイミダゾールカプラー、シア
ノアセチルクマロンカプラー、開鎖アシルアセトニトリ
ルカプラー等があり、青感性乳剤層に用いられるイエロ
ーカプラーとして、アシルアセトアミドカプラー(例え
ばベンゾイルアセトアニリド類、ピバロイルアセトアニ
リド類)、等があり、赤感性乳剤層に用いられるシアン
カプラーとして、ナフトールカプラー、およびフエノー
ルカプラー、等がある。これらのカプラーは分子中にバ
ラスト基とよばれる疎水基を有する非拡散のものが望ま
しい。カプラーは銀イオンに対し4当量性あるいは2当
量性のどちらでもよい。
本発明の写真乳剤は、メチン色素類その他によつて分光
増感されてよい。用いられる色素には、シアニン色素、
メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニ
ン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色
素、スチリル色素、およびヘミオキソノール色素が包含
される。特に有用な色素はシアニン色素、メロシアニン
色素および複合メロシアニン色素に属する色素である。
これらの色素類には塩基性異節環核としてシアニン色素
類に通常利用される核のいずれをも適用できる。すなわ
ち、ピロリン核、オキサゾリン核、チアゾリン核、ピロ
ール核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール
核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピリジン核な
ど;これらの核に脂環式炭化水素環が融合した核;およ
びこれらの核に芳香族炭化水素環が融合した核、すなわ
ち、インドレニン核、ベンズインドレニン核、インドー
ル核、ベンズオキサゾール核、ナフトオキサゾール核、
ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレ
ナゾール核、ベンズイミダゾール核、キノリン核などが
適用できる。これらの核は炭素原子上に置換されていて
もよい。
メロシアニン色素または複合メロシアニン色素にはケト
メチレン構造を有する核として、ピラゾリン−5−オン
核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−2,
4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジオン核、ローダニ
ン核、チオバルビツール酸核などの5〜6員異節環核を
適用することができる。
これらの中でも特に水溶性基を少なくとも2ケ有する増
感色素が有用である。かかる色素については本出願人に
よる特願昭58-10091号に記述されている。
これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組
合せを用いてもよく、増感色素の組合せは特に強色増感
の目的でしばしば用いられる。
増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色
素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であつて、
強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。
本発明の各感光性乳剤層は各々が2層以上に分離されて
いてもよい。この場合より感度の高い層を同一感色性を
持つより感度の低い層の上部に配置することが好まし
い。
本発明の各感光性写真乳剤層及び中間層または他の構成
層の結合剤としては、ゼラチンを用いるのが有利である
が、それ以外の親水性コロイドも用いることができる
(たとえばゼラチン誘導体)。
ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか酸処理ゼラチ
ンやBull.Soc.Sci.Phot.Japan,No,16、30頁(1966)に
記載されたような酵素処理ゼラチンを用いてもよい。
本発明の感光材料には感度上昇、コントラスト上昇、ま
たは現像促進の目的で、例えばポリアルキレンオキサイ
ドまたはそのエーテル、エステルアミンなどの誘導体、
チオエーテル化合物、チオモルフオリン類、四級アンモ
ニウム塩化合物、ウレタン誘導体、尿素誘導体、イミダ
ゾール誘導体、3−ピラゾリドン類等を含んでもよい。
本発明の感光材料にはカブリ防止剤または安定剤として
種々の化合物を含有させることができる。すなわちアゾ
ール類たとえばベンゾチアゾリウム塩、ニトロインダゾ
ール類、トリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ベン
ズイミダゾール類(特にニトロ−またはハロゲン置換
体);ヘテロ環メルカプト化合物類たとえばメルカプト
チアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカ
プトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール
類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フエニル−5
−メルカプトテトラゾール)、メルカプトピリジン類;
カルボキシル基やスルホン基などの水溶性基を有する上
記のヘテロ環メルカプト化合物類;チオケト化合物たと
えばオキサゾリンチオン;アザインデン類たとえばテト
ラアザインデン類;(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3
a,7)テトラアザインデン類);ベンゼンチオスルホン
酸類;ベンゼンスルフイン酸;などのようなカブリ防止
剤または安定剤として知られた多くの化合物を加えるこ
とができる。
本発明の写真感光材料には、写真乳剤層その他の構成層
に無機または有機の硬膜剤を含有してよい。例えばクロ
ム塩(クロム明ばん、酢酸クロムなど)、アルデヒド類
(ホルムアルデヒド、グリオキサール、グルタールアル
デヒドなど)、N−メチロール化合物(ジメチロール尿
素、メチロールジメチルヒダントインなど)、ジオキサ
ン誘導体(2,3−ジヒドロキシジオキサンなど)、活性
ビニル化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒド
ロ−S−トリアジン、1,3−ビニルスルホニル−2−プ
ロパノールなど)、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロ
ル−6−ヒドロキシ−S−トリアジンなど)、ムコハロ
ゲン酸類(ムコクロル酸、ムコフエノキシクロル酸な
ど)、などを単独または組合わせて用いることができ
る。
本発明の感光材料は現像主薬を含有しうる。現像主薬と
して、リサーチ・デイスクロージヤー、第176巻P29の
「Developing agents」の項に記載されているものが用
いられうる。
本発明によりつくられる感光材料には、写真乳剤層その
他の構成層にフイルター染料として、あるいはイラジエ
ーシヨン防止その他種々の目的で、染料を含有してよ
い。このような染料として、リサーチ・デイスクロージ
ヤー、第176巻P25〜26の「Absorbing and filter dye
s」の項に記載されているものが用いられる。
本発明の感光材料は、また帯電防止剤、可塑剤、マツト
剤、潤滑剤、紫外線吸収剤、螢光増白剤、空気カブリ防
止剤などを含有しうる。
ハロゲン化銀乳剤層および/または他の構成層は支持体
上に塗布される。塗布方法はリサーチ・デイスクロージ
ヤー、第176巻P27〜28の「Coating procedures」の項に
記載されている方法を用いうる。
(実施例) 以下に実施例を掲げ本発明を詳細に説明する。
実施例1 トリアセテートフイルムベース上に、以下の順序に第1
〜第12層を塗布して、カラー反転写真感光材料を作つ
た。
第1層;ハレーシヨン防止層(黒色コロイド銀を含有す
るゼラチン層)。
第2層;ゼラチン中間層。
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンを、ジブチルフ
タレート100cc及び酢酸エチル100ccに溶解し、10%ゼラ
チンの水溶液1kgと高速撹拌して得られた乳化物2kgを化
学増感していない微粒子乳剤(粒子サイズ0.06μ、1モ
ル%沃臭化銀乳剤)1kgとともに10%ゼラチン1.5kgに混
合し、乾燥膜厚2μになるように塗布した(銀量0.4g/m
2)。
第3層;低感度赤感乳剤層 シアンカプラーである2−(ヘプタフルオロブチルアミ
ド)−5−{2′−(2″,4″−ジ−t−アミノフエノ
キシ)ブチルアミド}−フエノール100gを、トリクレジ
ルホスフエート100cc及び酢酸エチル100ccに溶解し、10
%ゼラチン水溶液1kgと高速攪拌して得られた乳化物500
gを、赤感性の沃臭化銀乳剤1kg(銀70g、ゼラチン60gを
含み、ヨード含量は6モル%)に混合し、乾燥膜厚1μ
になるように塗布した。(銀量0.5g/m2) 第4層;高感赤感乳剤層 シアンカプラーである2−(ヘプタフルオロブチルアミ
ド)−5−{2′−(2″,4″−ジ−t−アミノフエノ
キシ)ブチルアミド}−フエノール100gを、トリクレジ
ルホスフエート100cc及び酢酸エチル100ccに溶解し、10
%ゼラチン水溶液1kgと高速攪拌して得られた乳化物100
0gを、赤感性の沃臭化銀乳剤1kg(銀70g、ゼラチン60g
を含み、ヨード含量は6モル%)に混合し、乾燥膜厚2.
5μになるように塗布した。(銀量0.8g/m2) 第5層;中間層 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンを、ジブチルフ
タレート100cc及び酢酸エチル100ccに溶解し、10%ゼラ
チンに水溶液1kgと高速攪拌して得られた乳化物1kgを、
10%ゼラチン1kgに混合し、乾燥膜厚1μになるように
塗布した。
第6層;低感緑感乳剤層 シアンカプラーの代りにマゼンタカプラーである1−
(2,4,6−トリクロロフエニル)−3−{3−(2,4−ジ
−t−アミルフエノキシアセタミド)ベンズアミド}−
5−ピラゾロンを用いた他は第1層の乳化物と同様にし
て得られた乳化物300gを、緑感性の沃臭化銀乳剤1kg
(銀70g、ゼラチン60gを含み、ヨード含量は7モル%)
に混合し、乾燥膜厚1.3μになるように塗布した。(銀
量1.1g/m2) 第7層;高感緑感乳剤層 シアンカプラーの代りにマゼンタカプラーである1−
(2,4,6−トリクロロフエニル)−3−{3−(2,4−ジ
−t−アミルフエノキシアセタミド)ベンズアミド}−
5−ピラゾロンを用いた他は第1層の乳化物と同様にし
て得られた乳化物1000gを、緑感性の沃臭化銀乳剤1kg
(銀70g、ゼラチン60gを含み、ヨード含量は6モル%)
に混合し、乾燥膜厚3.5μになるように塗布した。(銀
量1.1g/m2) 第8層;黄色フイルター層 黄色コロイド銀を含む乳剤を、乾燥膜厚1μになるよう
塗布した。
第9層;低感青感乳剤層 シアンカプラーの代りにイエローカプラーであるα−
(ピバロイル)−α−(1−ベンジル−5−エトキシ−
3−ヒダントイニル)−2−クロロ−5−ドデシルオキ
シカルボニルアセトアニリドを用いた他は第1層を乳化
物と同様にして得られた乳化物1000gを、青感性の沃臭
化銀乳剤1kg(銀70g、ゼラチン60gを含み、ヨード含量
は7モル%)に混合し、乾燥膜厚1.5μになるように塗
布した。(銀量0.4g/m2) 第10層;高感青感乳剤層 シアンカプラーの代りにイエローカプラーであるα−
(ピバロイル)−α−(1−ベンジル−5−エトキシ−
3−ヒダントイニル)−2−クロロ−5−ドデシルオキ
シカルボニルアセトアニリドを用いた他は第1層を乳化
物と同様にして得られた乳化物1000gを、青感性の沃臭
化銀乳剤1kg(銀70g、ゼラチン60gを含み、ヨード含量
は6モル%)に混合し、乾燥膜厚3μになるように塗布
した。(銀量0.8g/m2) 第11層;第2保護層 第2層で用いた乳化物1kgを、10%ゼラチン1kgに混合
し、乾燥膜厚2μになるように塗布した。
第12層;第1保護層 表面をかぶらされた微粒子乳剤(粒子サイズ0.06μ、1
モル%沃臭化銀乳剤)を含む10%ゼラチン水溶液を銀塗
布量0.1g/m2、乾燥膜厚0.8μになるように塗布した。
以上のようにして調製した試料を4800°Kの光源にて、
露光面照度1000ルツクスのもとにて白色光にてセンシト
メトリー用ウエツジを通して露光し、次いで後記反転増
感処理を行つて色画像を得た。
ここで用いた処理工程及び処理液は以下の通りである。
増感処理工程 工程 時間 温度 第一現像 10分 38℃ 水 洗 2分 〃 反 転 2分 〃 発色現像 6分 〃 調 整 2分 〃 漂 白 6分 〃 定 着 4分 〃 水 洗 4分 〃 安 定 1分 常 温 乾 燥 処理液の組成は以下のものを用いた。
下記の組成をもつ現像液を黒白現像液とし、そこに表1
に示したような本発明の化合物群A並びにB、あるいは
比較化合物を添加した。
黒白現像液 水 700ml ニトリロ−N,N,N−トリメ チレンホスホン酸5ナトリウ ム塩 2g 亜硫酸ナトリウム 20g ハイドロキノン・モノスルフオ ネート・カリウム塩 30g 炭酸ナトリウム(1水塩) 30g 1−フエニル・4メチル・4− ヒドロキシメチル−3ピラゾ リドン 2g 臭化カリウム 2.5g チオシアン酸カリウム 1.2g ヨウ化カリウム(0.1%溶液) 2ml 水を加えて 1000ml (pH10.1) 反転液 水 700ml ニトリロ・N,N,N−トリメ チレンホスホン酸・6ナトリ ウム塩 3g 塩化第1スズ(2水塩) 1g p−アミノフエノール 0.1g 水酸化ナトリウム 8g 氷酢酸 15ml 水を加えて 1000ml 発色現像液 水 700ml ニトリロ−N,N,N−トリメ チレンホスホン酸6ナトリウ ム塩 2g 亜硫酸ナトリウム 7g 第3リン酸ナトリウム(12水 塩) 36g 臭化カリウム 1g 沃化カリウム(0.1%溶液) 90ml 水酸化ナトリウム 3g シトラジン酸 1.5g N・エチル−N−(β−メタン スルフオンアミドエチル)− 3・メチル−4−アミノアニ リン・硫酸塩 11g 3,6−ジチアオクタン−1, 8−ジオール 1g 水を加えて 1000ml 調整液 水 700ml 亜硫酸ナトリウム 12g エチレンジアミン、テトラ酢酸 ナトリウム(2水塩) 8g チオグリセリン 0.4ml 氷酢酸 3ml 水を加えて 1000ml 漂白液 水 800g エチレンジアミンテトラ酢酸ナ トリウム(2水塩) 2.0g エチレンジアミンテトラ酢酸鉄 (III)アンモニウム(2水塩) 120.0g 臭化カリウム 100.0g 水を加えて 1000ml 定着液 水 800ml チオ硫酸アンモニウム 80.0g 亜硫酸ナトリウム 5.0g 重亜硫酸ナトリウム 5.0g 水を加えて 1000ml 安定液 水 800ml ホルマリン(37重量%) 5.0ml 富士ドライウエル 5.0ml 水を加えて 1000ml ここで表中、添加化合物群Aの添加量は黒白現像液1
当り、4.5×10-6モル、Bの添加量は7.5×10-5モルであ
る。
表中の特性値ΔDmax、ΔCBは、イエロー・マゼンタ・シ
アンの各画像について次のような値を表わす。
ΔDmax=(処理II時のDmax値)−(処理I時のDmax値) ΔCB=(処理II時のCB値)−(処理I時のCB値) ここでDmaxとは、反転処理における最大濃度を示す。最
大濃度は、未露光部分であり、黒白現像液に現像されな
いハロゲン化銀量に対応し、黒白現像でカブリが抑えら
れると最大濃度はより正の値となる。またC.B.とは反転
処理におけるカラーバランスを示し、マゼンタ画像の濃
度が1.00となる露光量が与えられた時のイエロー・シア
ン各画像の濃度をDB,DRとして、次のように表わされ
る。
C.B.(イエロー)=DB−1.00 C.B.(シアン)=DR−1.00 例えば、処理Iに比べてカラー・バランスがイエローに
ずれている場合にはイエローのΔC.B.は、正の値をと
る。逆にカラー・バランスがブルーにずれている場合に
は、イエローのΔC.B.は、負の値をとる。撮影用反転フ
イルムにおいては、カラー・バランスの整つた画像を得
るためにΔC.B.値は0であることが好ましい。なお、増
感処理である処理Iにおいても標準処理(6分現像)と
同様に好ましいカラー・バランスを得た。
さらに、処理Iとは黒白現像液で10分間の増感現像し、
それ以降反転処理を行なう場合を示し、処理IIとは、表
1に示した化合物を各々添加した黒白現像液で、処理I
で得られたマゼンタ画像の感度と同等になるまで現像
し、以後反転処理を行なう場合を示す。
表1の結果より、A群の化合物のみを添加した場合には
(No.8、9)、イエローのΔC.B.が正の値となり、処理
Iに比べて著しくカラー・バランスがイエローにずれた
画像しか得られないことを示している。またB群の化合
物のみを添加した場合には、(No.10)、シアンのΔCB
が正の値となり、処理Iに比べてカラー・バランスがシ
アンにずれた画像しか得られないことを示している。し
たがつてA、B両群の化合物を併用した場合には、イエ
ロー、シアンのΔCBがともに正の値となり、カラー・バ
ランスがシアン・イエローにずれた画像しか得られない
ことが当然予想される。しかしながら、実際に両者を併
用して添加した場合には、シアンとイエローについてΔ
CBはゼロまたは絶対値の小さな値であり、処理Iに比べ
て、カラー・バランスのずれはほとんどないことを示し
ている。またΔmaxも正の値を示し、処理Iに比べて最
大濃度の高い画像が得られ、黒白現像でのカブリが抑え
られていることがわかる。このように本発明の処理方法
により、現像時間を延長して増感処理を行なつても最大
濃度が高くしかもカラー・バランスのずれの少ない反転
カラー・写真画像が得られることが示された。
実施例2 実施例1において用いた黒白現像液に、表2に示した如
く、化合物群Aおよび/またはBの化合物を添加し、更
に、各々に現像促進剤として HO−CH2CH2−S−CH2CH2−S−CH2CH2OH を現像液1当り0.20g/l添加した黒白現像液を用い現
像時間を9分とした以外は、実施例1と同様にカラー反
転処理を行なつた。
表2に示したように、本発明の化合物群A並びにBで表
わされる化合物を各々添加した黒白現像液に現像促進剤
を加えた場合にも、実施例1と同様にΔCBの絶対値は小
さく、ΔDmaxの高い画像が得られる。したがつて、現像
時間を延長して(6分→9分)増感処理を行なつた場合
に比べて本発明の方法によれば最大濃度が高くしかもカ
ラー・バランスのずれの少ない反転カラー写真画像が得
られることがわかる。
実施例−3 黒白現像液への添加物の添加量を表3のごとく変化させ
た以外は、実施例1と同様の方法で評価を行った。な
お、添加物はA群からはA−2、B群からはB−2を用
いた。結果を表3に示した。
表3に示された結果より、化合物群AとBの使用比率
(モル比)がAを1としてBが2〜500の範囲であると
カラーバランスのずれがなく高い最大濃度が得られ良好
な結果が得られた。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、従来の方法では、達成しえなか
つた多くの好ましい特性を得ることができる。
第1に、高い感度を得る条件下で処理を行つた場合に、
高い最高濃度と、良好なカラーバランスを有する写真画
像を得ることができる。すなわち、高い感度を得るため
に、黒白現像の温度を高くしたり、時間を長くしたり、
あるいは、現像促進剤を用いて、現像を速めたりした場
合にも、従来の方法では、最下層(赤感層)の現像カブ
リが大きく、その結果最終カラー画像のシアン色像の最
高濃度が低下し、カラーバランスも強い赤色味を帯び画
像の品質を大きく低下したのが、本発明の方法によれ
ば、この欠点がなくなり、第1の目的を達成し得るので
ある。
第2に、ある一定の処理液を使用しながら、処理の条件
を変更することにより、同一の感光材料で、異なる感度
の良好な写真画像を得ることができる。すなわち、従来
から行なわれている黒白現像の温度、時間あるいは攪拌
の強さを変えることにより、同一の感光材料で、感度を
変えることができる。本発明の方法によれば、青感、緑
感および赤感の各層の現像の進行を、近似した状態にで
きるため異なる感度においてもカラーバランスが近似し
ており、充分満足される好ましい品質の画像を得ること
ができる。
第3には、従来から知られる現像促進方法を用いて、短
時間に迅速に処理する場合にも、高い最高濃度と良好な
カラーバランスの画像を得ることができる。すなわち、
迅速に処理する目的で、種種の黒白現像促進法を採用し
た場合、充分な現像促進効果は、カラー画像の最高濃度
の低下とカラーバランスの崩れを伴う。本発明の方法に
よれば、これらの欠点を生じることなく、良好な品質の
画像を短時間に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−63530(JP,A) 特開 昭60−126652(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】像様に露光されたハロゲン化銀カラー反転
    写真感光材料を処理する方法において、下記の化合物群
    Aから選択された少なくとも一種の化合物と下記の化合
    物群Bから選択された少なくとも一種の化合物とを組合
    わせて含有し、化合物群Aの含有量が1.0×10-6〜0.5×
    10-3モル/lであり、かつ化合物群Aと化合物群Bとのモ
    ル比がA/B=1/2〜1/500である黒白現像液を用いて処理
    することを特徴とするハロゲン化銀カラー反転写真感光
    材料の処理方法。 化合物群A(下記の一般式A−I〜A−IVのいずれかで
    表わされる有機複素環化合物からなる群) (式中、Q1、Q2、Q3、Q4及びQ5は、置換基を有してもよ
    い5員もしくは6員の複素環を形成するに必要な原子群
    またはベンゼン環と縮合した5員もしくは6員の複素環
    を形成するに必要な原子群を表わし、Rは置換もしくは
    無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基
    または置換もしくは無置換のアラルキル基を表わし、M
    は水素原子、アルカリ金属原子または、アンモニウムイ
    オンを表わす。) 化合物群B ベンゾイミダゾール化合物、インダゾール化合物、ベン
    ゾトリアゾール化合物、ベンゾオキサゾール化合物及び
    ベンゾチアゾール化合物からなる群。ただし、これらの
    化合物は、チオール基、チオエーテル結合、チオケトン
    基またはジスルフイド結合を有さない。
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