JPH0692605B2 - チタン合金の粉末焼結製品の製造方法 - Google Patents

チタン合金の粉末焼結製品の製造方法

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JPH0692605B2
JPH0692605B2 JP1051448A JP5144889A JPH0692605B2 JP H0692605 B2 JPH0692605 B2 JP H0692605B2 JP 1051448 A JP1051448 A JP 1051448A JP 5144889 A JP5144889 A JP 5144889A JP H0692605 B2 JPH0692605 B2 JP H0692605B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、粉末焼結されたチタン合金製品の歩留り向上
および低コスト化に関わるチタン合金粉末焼結製品の製
造方法に関するものである。
[従来の技術] チタンおよびチタン合金は比強度が高く、また靱性、耐
食性、耐熱性などが優れた材料であるが、中でもチタン
合金は溶解、鍛造、切削性などに難点がある。そのため
にいわゆるNear Net Shape加工技術が種々試みられてお
り、その一つの有力な技術として粉末冶金法がある。チ
タン合金の粉末冶金法としては、原料粉末として所定の
合金成分の粉末を使用し、圧粉成型(以下CIPと記載す
る)、真空焼結の工程を経て製造した焼結チタン合金を
高温静水圧下で圧下して成形する(以下HIPと記載す
る)素粉末混合法が代表的なものである。
かかる素粉末混合法で製造したチタン合金は、鋳塊溶解
圧延法で製造したものとほぼ同等の引張特性、破壊靱
性、疲労特性を示すことが明らかになっている。また粉
末を出発材料とすれば、小ロット多品種の製品が容易に
最終製品形状(Net Shape)ないしは最終製品に近い形
状(Near Net Shape)に成形できる利点があり、今後市
場がますます拡大することが期待できる。
ここで、製品開発ニーズとして、チタンおよびチタン合
金の機能性を活用した小ロットの製品の供給を渇望され
ており、さらに低価格の製品を希望されることが多くな
った。しかしながら、上述の方法では、HIP(熱間静水
圧成形)処理を行っても、表面にミクロポロシティー
(残留空隙)が残存してしまい、素材の製品化の過程で
切削加工および表面機械仕上げ工程が必須であり、多大
な費用が必要でまたその工程も必然的に長くなり、低価
格化が計れない実情である。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は上述した製造工程をさらに簡素にした高能率の
製造法を提供するものである。
容易に最終製品形状ないしは最終製品に近い形状に成形
できる利点がある粉末冶金技術の工程で、真空焼結後の
焼結チタン合金中に存在するミクロポロシティーは、HI
P処理後にも焼結品の表面層には多数認められる。これ
らのミクロポロシティーが最終製品まで存在すると、疲
労亀裂の発生起点となり疲労特性が悪くなる。
一方、これまで、ショットピーニングにより機械部品の
疲労寿命が著しく向上するといわれている。この効果は
これまでバネ材や線材の疲労特性の向上に著しいことが
よく知られている{例えば金属便覧改訂4版(丸善、19
82)P812}が、粉末焼結製品では、一部の部品を除い
て、あまり普及していない。近年粉末焼結技術が大きく
進歩し、NearNet Shapeの技術が大幅に発達してきた
が、未だ製品の表面仕上げには機械研削仕上げがなさ
れ、その機械研削仕上げ面に更にショットピーニングを
行い、機械部品の疲労寿命を上げる努力がなされてい
る。粉末焼結半製品の表面層に残留した空隙の除去のた
めに機械研削仕上げすることは、製品製造コストを上げ
るばかりでなく、製品歩留りの低下の大きな要因であ
る。特に機能材料としてチタンおよびチタン合金材料の
使用ニーズが高まり、それらの製造コストの切り下げ要
求が多い。そのために製造工程をより簡素化して、その
機能特性を上げる必要が出てきた。そこで本発明者らは
所望の材料寸法と表面状態を得るために型材質の選択お
よび粉末焼結工程およびショットピーニングの表面仕上
工程を組み合わせて、製品製造工程の短縮と歩留り向上
および低コスト化の出来るチタン合金粉末焼結製品の製
造方法を発明した。
手始めにエンジン部品のコネクッティングロッドの軽量
化を検討し、低コスト化を可能にする粉末焼結されたチ
タン合金製品の製造技術を開発した。特にショットピー
ニングによる表面改質効果を十分に発揮できるように次
の三点の工夫を行った。
1)疲労特性の向上:ショットピーニングによる残留圧
縮応力の発生とその活用。
2)製品表面層の残留空隙の無害化:表面層に存在する
ミクロポロシティーの圧潰とその近傍の加工硬化の促進
と硬化した層の剥離。
3)製品表面の美麗化:機械研削に匹敵する外観と光沢
の確保。
本発明はこれらの基礎的な知見のうち、特に2)を発展
させ完成したものである。
[課題を解決するための手段および作用] 本発明の着眼点は、本発明者が長年にわたり研究してき
た合金粉末法および素粉末混合法によるチタン合金の粉
末焼結製品の製造技術とショットピーニング技術にあ
る。すなわち、従来の溶解法に代わって所定の合金成分
となるよう予め機械的に混合している混合粉末を、金型
プレス、冷間静水圧プレス(CIP)などで所定の形状に
圧粉成形した圧粉成形体に、さらに真空焼結およびHIP
の工程を経て製造した焼結チタン合金のHIP製品の表面
層に多数みられる残留空隙除去を製造工程簡素化のため
にショットピーニングを用いて行うものである。従来法
では粉末焼結製品の表面層に残留した空隙を機械研削に
より除去していた。本発明ではその残留空隙をショット
ピーニングにより圧潰して表面から深さ方向に表面層を
加工硬化させ併せて、ショットピーニングにより残留圧
縮応力を発生させ、ショットピーニング中に圧潰した残
留空隙の界面部を剥離起点にして加工硬化した表面部分
を剥離させ、機械研削相当の表面に仕上げる。即ちチタ
ン合金粉末焼結製品を製造するに際し、構成金属元素粉
末を混合、圧粉成型、真空焼結の工程を経て製造した焼
結チタン合金を700℃以上β変態点温度までのα+β2
相域で加圧し、その半製品の表面層に残留した空隙をシ
ョットピーニングして除去して表面仕上げをすることを
特徴とするチタンおよびチタン合金の粉末焼結製品の製
造方法を確立した。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明において、チタン合金とは、Tiに例えばAl,V,Mo,
Cr,Zr,Sn,Feなどの1種または2種以上と含有せしめて
なるチタン合金である。焼結製品の変態点は示差熱分析
により決定した。
チタン合金の構成金属元素粉末を混合し、最終製品形状
ないし最終製品に近い形状に成形のために圧粉成型し
て、真空焼結の工程を経て製造した焼結チタン合金をHI
P処理する。
多数の残留空隙が生成している圧粉成形後焼結処理した
半製品をHIP処理した製品を切断して断面組織を観察す
ると、残留空隙が製品の内部まで深く存在することがあ
る。このことは、製品使用特性の規格を満足しないこと
になる。CIP後焼結処理した半製品をHIP処理すると、特
定の静水圧と特定の温度条件によりHIP製品の表面層に
残留空隙が集まった様相となる。それが表面下約200μ
mまでの深さに散見されることが多い。これ以上の深さ
になると、本発明の効果が少なくなるので、残留空隙の
存在する深さを150μmを限定の基準にしている。
この深さが浅いほど、ショットピーニングによる剥離代
が少なく、歩留りは高くなる。これらの残留空隙の存在
する深さはHIPの加熱温度と加圧力による。700℃以上β
変態点温度までのα+β2相域で加圧することにより約
150μmの深さに残留空隙を抑制できる。
700℃未満のHIPの加熱温度では表面下約200μm以上残
留空隙がみられるようになり疲労特性、引張特性などが
悪くなる。またβ変態点以上の加熱では組織が粗大化し
て、疲労特性、引張特性などが悪くなる。加圧力は特定
しないが、ここで限定した加熱温度条件では、250kg/cm
2以上の圧力を用いて1時間以上の静水圧プレス条件で
よい結果を得ることが出来る。また加圧力が高いほど、
残留空隙の存在する深さが浅くなる。そのHIP半製品の
表面層に残留した空隙をショットピーニングにより圧潰
し、加工硬化した層を剥離して、除去して表面仕上げを
する。鋼球を投射するショットピーニングでは、鋼球の
サイズ、硬さ、投射速度などが残留空隙の圧潰を左右す
る。その条件はチタン合金の成分系に応じて選定する。
その基準はチタン合金の硬度を計測し、それ以上の硬さ
の球状物を10m/sec以上で投射すると、20分から40分の
投射時間で残留空隙を圧潰、剥離して美麗な金属光沢を
得られる。鋼球のサイズは限定しないが、焼結製品およ
びHIP製品の表面粗さよりも大きい100μmから600μm
の径の鋼球で投射することにより、その目的を達成でき
る。
[実施例] (1)2種類の粉末、すなわち、その組成がチタン99.6
%よりなるスポンジチタン粉末と、その組成がアルミニ
ウム60%,バナジウム40%の添加用母合金粉末を用意し
た。
(2)第1工程:チタン粉末と添加用母合金粉末を重量
比9:1の混合比で機械的に混合した。
第2工程:その混合粉末を所定の弾力性のある型に挿
入、充填した。HIP後において製品で10mm径の疲労と引
張の試験片となるようにCIP用の試験片を作製した。
第3工程:充填粉末を冷間静水圧プレス(CIP)により
圧粉成形した。第4工程:圧粉体を真空度10-6torr,125
0℃で焼結処理した。第5工程:1000kg/cm2,900℃,3時間
の条件下で熱間静水圧プレスをした。第6工程:ショッ
トピーニングの無いものと有るものの比較をするため
に、ショットピーニング条件として0.6mm径の鋼球(硬
さHv590)を48m/secで投射、20分、40分の2水準行っ
た。また機械研削も比較材にした。なお、この合金のβ
変態点は990℃である。
(3)従来法(ショットピーニング無し)および本発明
の方法で作ったTi-6Al-4V合金の金属組織の表面部の特
徴を第1図、第2図、第3図に示す。
第2図から明らかなように、本発明の方法で製造した合
金は残留空隙が圧潰している。また第3図は第2図の圧
潰した残留空隙近傍の加工硬化層が剥離した表面部を示
している。
この合金から引張試験片、疲労試験片を製作しそれぞれ
の試験を行った。疲労試験条件は軸荷重、R(応力比)
=−1.0,f(周波数)=20Hz,大気中、室温である。引張
試験結果を表1に、また疲労特性を第4図に示す。この
結果が示すように、本発明法による合金は従来法に比べ
て機械研削仕上げした材質特性と同等の特性が得られ
た。
[発明の効果] 本発明の特徴は複雑な形体をもつ焼結体の製品について
も、投射角度などを工夫することにより残留空隙の少な
い健全な製品を機械研削工程を省いて製造できる。その
結果、製品の歩留り向上および低コスト化が達成でき
る。このチタン合金の粉末焼結製品の製造方法は純チタ
ンの粉末焼結製品についても適用し効果がある。
なお、本発明は回転電極法等により製造した合金粉末を
用いたHIP処理製品の表面成形用にも著しい効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はTi-6Al-4Vからなる組成を持つチタン合金をHIP
処理したままの光学顕微鏡による金属組織の写真、 第2図は第1図と同一組成を持つチタン合金を本発明の
方法で作ったショットピーニング20分鋼球を投射したも
のの光学顕微鏡による金属組織の写真、 第3図は第1図、第2図と同一組成を持つチタン合金を
本発明の方法で作ったショットピーニング40分鋼球を投
射したものの光学顕微鏡による金属組織の写真、 第4図は従来法と本発明法の合金材の疲労特性を示すグ
ラフ、 である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−188735(JP,A) 特開 昭61−246333(JP,A) 特開 昭63−130732(JP,A) 特開 平1−159358(JP,A) 特公 平1−29864(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン合金粉末焼結製品を製造するに際
    し、構成金属元素粉末を混合、圧粉成型、真空焼結の工
    程を経て製造した焼結チタン合金を700℃以上β変態点
    温度までのα+β2相域でHIP(熱間静水圧成形)し、
    その半製品の表面層に残留した空隙をショットピーニン
    グして除去して表面仕上げをすることを特徴とするチタ
    ン合金の粉末焼結製品の製造方法。
JP1051448A 1989-03-03 1989-03-03 チタン合金の粉末焼結製品の製造方法 Expired - Fee Related JPH0692605B2 (ja)

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