JPH0692506B2 - 可逆的ゲルを形成する澱粉誘導体 - Google Patents

可逆的ゲルを形成する澱粉誘導体

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JPH0692506B2
JPH0692506B2 JP61002346A JP234686A JPH0692506B2 JP H0692506 B2 JPH0692506 B2 JP H0692506B2 JP 61002346 A JP61002346 A JP 61002346A JP 234686 A JP234686 A JP 234686A JP H0692506 B2 JPH0692506 B2 JP H0692506B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、その若干のものが熱ゲルを形成する可逆的ゲ
ルを形成する澱粉誘導体に関する。
多くの組成物、特に食品系の組成物において、組成物に
ゲルテクスチヤーをもたらすためにしばしば澱粉が使用
される。澱粉が前糊化された形態で使用されなければ、
澱粉含有組成物は、澱粉粒状物の糊化をもたらすために
蒸煮すなわち加熱処理(cook)され、そして次にゲルの
形成を起させるために、通常室温において12ないし24時
間冷却されなければならない。
澱粉は、2種の部分からなり、その一方の分子配列が直
鎖状でありそして他方が枝分れ鎖状であることはよく知
られている。澱粉の直鎖状部分は、アミロースとして知
られ、そして枝分れ鎖部分はアミロペクチンとして知ら
れる。ゲル形成は、澱粉のアミロース部分の老化に帰せ
られる。糊化後、冷却すると、直鎖部分は、連鎖ヒドロ
キシル基相互の親和力のために平行の配列に配向せしめ
られる。ヒドロキシル基は、水素結合によつて会合し、
かくして連鎖は、互いに結合して水に不溶性の団粒を形
成する。希薄水性系においては、老化した澱粉は、沈澱
するが、一方老化した澱粉の濃縮された溶液または分散
液は、ゲルを形成する。加熱による流動性液体への澱粉
ゲルの相転換(phase transfo−rmation)および冷却に
よるゲルの再形成は、しばしば容易には達成されないと
いうことはよく知られている。加熱により溶融せしめら
れるため剪断力を僅かしかあるいは全く必要としない澱
粉ゲルは、熱可逆性(thermoreversible)であると呼ば
れる。
ゲルを形成しない濃厚アミロース含有組成物が所望され
る場合には、誘導体澱粉がしばしば使用される。老化過
程に関与するために澱粉鎖に沿つて置換基群を導入する
ことによつて、安定化されていると称される非ゲル化澱
粉が得られる。通常の安定化変性は、澱粉鎖に沿つたヒ
ドロキシル基の若干のものをエステル化またはエーテル
化することによつて達成されうる。
下記の参考文献は、各種の澱粉エステルおよび澱粉エー
テル調製物を記載している: 米国特許第2,661,349号(1953年12月1日発行)は、澱
粉酸エステルを製造するために澱粉をC5−C8置換基を有
するコハク酸またはグルタール酸の無水物と反応せしめ
ることによつて置換多糖類を製造することを目的として
いる。
米国特許第2,876,217号(1959年3月3日発行)は、澱
粉をエピハロヒドリンと第三アミンとの反応生成物と反
応せしめることによる陽イオン性澱粉エーテルの製造を
目的としている。反応剤は、18個までの炭素原子を有し
うるアルキルまたはアルケニル基を含むといわれる。
米国特許第3,720,663号(1973年3月13日発行)の再発
行である米国再発行特許第28,809号(1976年5月11日発
行)は、澱粉をC1−C20モノカルボン酸またはモノスル
ホン酸のイミダゾリドと反応せしめることによる澱粉エ
ステルの製造を目的としている。米国特許第4,020,272
号(1977年4月26日発行)は、更に澱粉とC1−C20モノ
カルボン酸またはモノスルホン酸のN,N′−ジ置換イミ
ダゾリウム塩との反応によつて製造される澱粉エステル
を記載している。
米国特許第4,387,221号(1983年6月7日発行)は、C1
−C22アルキルまたはアルケニルスルホサクシネート澱
粉半エステルの製造を目的としている。
ゲル形成が始まる前に系を実質的に冷却することを必要
とする代りに、熱い間に急速にゲルテクスチヤーを形成
する能力を有する、ボデイーおよびコンシステンシー付
与ベヒクル、すなわちシツクナーを使用することによつ
て利益を得る多くの食品系および工業用系がある。加熱
なしにゲルを形成する系は、また調理を必要としない食
品系において有用であろう。
更に、次いで固体または溶解された成分を系に均一に混
入せしめるために、冷却または加熱により容易に相転換
しうるゲルを提供することはかなり重要なことであろ
う。
従つて、蒸煮すなわち加熱処理(cooking)することな
く室温においてまたは蒸煮後比較的高い温度において急
速に可逆的ゲルを形成するゲル化澱粉に対する要望があ
る。また蒸煮後に熱ゲルを形成するゲル化性澱粉に対す
る要望もある。
また、特開昭51−44578号公報には、エステル基置換度
1.0以上のデンプン飽和脂肪酸エステルの酸加水分解物
からなる液状油脂類用ゲル化剤が記載されているが、油
脂用のゲル化剤においては、より疎水性でかつ油脂と相
容性であるために1.0以上という高い置換度を必要とす
るが、水溶液または水分散液中でゲルを形成せしめるた
めのゲル化剤においては、そのような高い置換度は必要
ではなく、低い置換度のものでよい。このような低い置
換度の酸加水分解では液状油脂類用には使用できない。
本発明は、少なくともC12の直鎖状炭化水素鎖を有する
エーテルまたはエステル置換基を含有しそして0.25以下
の置換度(D.S.)を有する澱粉誘導体からなり、この澱
粉ベースが少なくとも17重量%のアミロース含量を有
し、そして多少誘導体化され、多少転化されそして/ま
たは多少架橋されてもよい、水中でゲルを形成するゲル
化剤(gelling agent)であって、約3〜8のpHにおけ
る熱糊化によって得られた、またはpH13またはそれ以上
における室温アルカリ糊化によって得られた澱粉誘導体
の水溶液または分散液を、冷却することによりあるいは
pH13以下に調整することによって可塑的ゲルを形成する
ことを特徴とする上記水中でゲルを形成するゲル化剤を
提供する。ゲル構造は、3〜8のpH値においてゲルを再
加熱するかまたはpHを13またはそれ以上に調整すること
によつて逆転されうる。
好ましい具体化例においては、約4〜7のpH値において
熱的に糊化された澱粉によつてそして70℃以上であって
ゲルが熱可逆性となる温度以下の温度において、少なく
ともC12の直鎖状炭化水素鎖を有する置換基を有しない
変性または未変性の澱粉のそれに比較して、95℃から70
℃まで冷却する間に粘度に実質的により大きな増加を示
す澱粉誘導体の水性分散液を用いることによつて、高温
ゲルが形成される。
澱粉分子への長鎖炭化水素置換基の結合によつて、若干
の化学的に安定化された塩基を含む多くの非ゲル化澱粉
塩基は、ゲル化性澱粉となり、これらは更に澱粉が熱的
に糊化されそしてpHが約3〜8、好ましくは4〜6であ
る場合に高温ゲル化澱粉である。
高温ゲル化性澱粉は、通常のゲル化性澱粉のそれよりも
著しく高い温度、例えば70℃においてゲルテクスチヤー
をもたらし、そして更にゲル形成が起つた後に食品中へ
の各成分の容易な混入を促進するために熱可逆性である
ゲルを提供することが望ましい食品系におけるシツクナ
ーとして有用である。
上記の参考文献のいずれにも、本明細書中に記載された
澱粉の有する独特な高温ゲル化性あるいは可逆性ゲルを
意図しあるいは開示してはいない。
下記のデータは、本発明の例において使用された澱粉誘
導体の置換度を示す。
上記のD.Sデータは、本発明において示された処理水準
(30%またはそれ以下)においては仮定された100%の
反応効率においてさえはっきりと1.0以下である。これ
は、前述のように先行技術においては脂肪(有機系)を
ゲル化することを包含するものであるが、それに反して
本発明においては水をゲル化するものである点において
二つの系が異なっていることから予期される。
本発明は、更に、相転移剤の存在下に疎水性基置換環状
ジカルボン酸無水物と澱粉とをアルカリ性条件下で反応
させる工程を包含することを特徴とする水中での澱粉半
酸性エステルの改善された製造方法を提供する。
添付図面は、例2による特定の高温ゲル化性トウモロコ
シ澱粉の7%水性分散液の、熱による糊化後に冷却した
場合の、誘導体化されていないトウモロコシ澱粉に比較
した、粘度の実質的な増加を示すグラフである。
本発明において高温ゲル化性澱粉の製造において使用し
うる適当な澱粉ベースには、トウモロコシ、バレイシ
ヨ、タピオカ、コメ、サゴ、コムギ、ソルガム、高アミ
ローストウモロコシその他類似物を含む源泉から誘導さ
れうるもののような、少なくとも約17%のアミロースを
含有する澱粉が包含される。ワキシ−トウモロコシのよ
うなアミロース含量の少ない澱粉は、本発明においては
適当ではない。スターチフラワーもまた澱粉源として使
用されうる。
本発明の高温ゲル化誘導体の製造に有用な誘導体化反応
剤には、少くとも12個の炭素原子を含む直鎖状の飽和ま
たは不飽和の炭化水素を有するエーテル化またはエステ
ル化反応剤が包含される。いなかなる理論または機作に
も拘束されることを望まないが、目下のところ高温ゲル
形成およびゲル可逆性は、共有結合的に結合した長鎖炭
化水素基の、澱粉のアミロース成分と錯体を形成する能
力の機能であると信ぜられる。ある場合には、すなわち
炭化水素鎖がカルボキシル基(澱粉半酸性エステルが製
造される場合)または第四級アルカリ置換アミン基(陽
イオン反応剤が使用される場合)のような立体障害性基
に隣接する場合には、高温ゲル形成に要する炭化水素の
鎖長は、一般に少くとも14個の炭素原子を含むであろ
う。必要な鎖長の増加は、錯化に役立つ炭化水素鎖の長
さを制限する立体性基の障害効果であると信ぜられると
ころのものを補償する。
本発明による高温ゲル化澱粉エステルの製造に有用な適
当な反応剤群には、米国再発行特許28,809号および米国
特許第4,020,272号明細書に記載されているもののよう
な、一般式 (上式中、Zは または−SO2−であり、Aは少くとも12個の炭素原子を
有する直鎖状炭化水素基であり、R1またはHまたはC1
C4アルキルであり、R2はC1−C4アルキルであり、そして
X-は陰イオンである) で表わされるカルボン酸またはスルホン酸のイミダゾリ
またはN,N′−ジ置換イミダゾリウム塩が包含される。
高温ゲル化澱粉半酸性エステルを生産する本発明におい
て有用な反応剤のもう一つの適当な群には、米国特許第
2,661,349号(前出)に記載されている構造 (上式中、Rはジメチレンまたはトリメチレン基であり
そしてA′は少くとも14個の炭素原子を有する直鎖状炭
化水素基である) を有する置換環状カルボン酸無水物が包含される。上記
のジ−またはトリメチレン基は、高温ゲル化性に影響を
与えないであろうスルホン酸または低級アルキル(C1
C4)のような他の置換基を含有してもよい。
本発明において使用しうる第3の群の反応剤には、米国
特許第2,876,217号(前出)に記載されている下記構造 (上式中、R3およびR4は、互いに無関係にHまたはC1
C4アルキルであり、そしてA2は少くとも14個の炭素原子
を有する直鎖状炭化水素基である) を有する第三アミンとエピクロルドリンとの反応生成物
からなるエーテル化反応剤が包含される。
澱粉エーテル化またはエステル化反応は、例えば水性反
応媒質、有機溶媒または乾燥加熱反応技術を使用するこ
の技術分野における多数の公知技術によつて実施されう
る。本発明におけるゲル化澱粉は、好ましくは、20ない
し45℃の温度において水性反応媒質を使用して製造され
うる。
未変性の澱粉ベースは、好ましくは高温ゲル化澱粉の製
造に使用されるが、当該技術分野の専門技術者によく知
られた手法によつて製造された多少ないし中程度に転化
された澱粉もまた有用である。澱粉の分子量は、本発明
による誘導体のゲル形成能力に影響を与えるものと信ぜ
られる。ゲル化澱粉は、澱粉ベースの転化度が増加する
に従つてより弱いゲル形成を示すことが観察された。な
お許容されるゲル化生成物をもたらす最大の転化度(通
例の実験によつて容易に決定しうる)は、使用される澱
粉源および長鎖誘導体化の型に依存するということも観
察された。
多少架橋された澱粉ベースもまた本明細書中に記載され
た方法によつてゲル化性されうる。使用された澱粉ベー
ス、架橋剤および長鎖反応剤に左右されて変動する有効
架橋度の最高限度は、通例の実験によつて容易に決定さ
れうる。
本発明は、また他の官能性のイオン性および非イオン性
基を含有する澱粉にゲル化性を付与するためにも有用で
ある。他の官能基によつて澱粉上に付与された安定化効
果をある程度まで逆転せしめる長鎖炭化水素置換基の能
力がかなり重要である。例えば、酸化プロピレンを容い
て0.144またはそれ以下のヒドロキシプロピル置換度ま
で安定化されたトウモロコシ澱粉は、テトラデセニルコ
ハク酸無水物で処理した後にゲル化性にされた。本発明
によるゲル化澱粉への最大の追加的置換度は、使用され
た澱粉ベースおよびその誘導体化度ならびに長鎖反応剤
次第で変動することは了解されるであろう。
本発明におけるゲル化性澱粉は、長鎖炭化水素エステル
化またはエーテル化反応剤との反応に先立つて、同時
に、またはそれに続いて前記のように追加的に変成され
てもよい。もちろん、熟練した従業者は、長鎖反応剤ま
たはゲル化誘導体を不安定にする条件を用いるある種の
澱粉変性化反応が澱粉と長鎖反応剤とを反応させる前に
実施されなければならないことを了解するであろう。
本発明による変性澱粉の製造方法は、この技術分野の専
門家にはよく知られており、かつ文献に記載されてい
る。例えば、ウイスラー(R.L.Whistler)「炭水化物化
学における方法(Methods in Carbohydrate Chemistr
y)」第IV巻(1964年)第279−311頁;ウイスラーほか
(R.L.Whistler et al.)「澱粉:その化学および技術
(Starch:Chemistry and Technology)」第2版(1984
年)第311−366頁;およびダビツトソンおよびシテイツ
グ(R.Davidson and N.Sittig)「水溶性樹脂(Water−
Soluble Resins)」第2版(1968年)第2章参照。
本発明において有用な長鎖炭化水素反応剤(すなわち、
置換された環状ジカルボン酸無水物)の疎水性により、
標準水性反応においては、上記の反応体は、澱粉と少量
のみ反応し、それによつて多量の残渣未反応の反応剤が
最終反応生成物中に不純物として残存する。更に、これ
らの水性反応は、消費された苛性ソーダの量によつて示
されているように、比較的緩やかな速度で進行する。
粒状澱粉は、相転移剤の少なくとも5%、好ましくは7
〜15%(反応剤の重量を基準にして)の存在下に温和な
水性反応条件(すなわち、pH8において20〜40℃で)の
下に、疎水性の(C10またはより高級な)炭化水素置換
環状ジカルボン酸無水物を用いて有利に処理されうるこ
とが見出された。これらの反応は、澱粉回収の際に生ず
る不可視の未反応の反応剤を用いることによつて速やか
に進行する。本発明において有用な適当な相転移剤に
は、一般に有機第四級塩、第三アミン、およびポリアル
キレンオキシドエーテルまたはアエステルが包含され
る。
本発明において使用される有機第四級塩は、一般式(A
M)+X-(ここにAは合計して少くとも10個の炭素原子を
有する1価または多価炭化水素基よりなる4個の共有結
合によつてMに結合された塩分子の有機部分であり、M
は窒素、リン、ヒ素、アンチモンおよびビスマスよりな
る群から選択されたものであり、そしてX-は水性条件下
で溶イオン(AM)から解離する陰イオン、好ましくは
ハロゲンおよびヒドロキシル陰イオンよりなる群から選
択された陰イオンである)で表わされる。トリオクチル
メチルアンモニウムクロライドおよびアリクワツト(Al
iquat )336(C8−C10炭化水素基の混合物を有しジエ
ネラル・ミルズ・ケミカル社(General Mills Chemical
s)から市販されるトリカプリリルメチルアンモニウム
クロライドとして言及される)の有機塩が好ましく使用
される。これらの塩は、米国特許第3,992,432号明細書
(1976年11月16日発行)に記載されている。他の有用な
第四級有機塩には、例えば、ベンジルトリエチルアンモ
ニウムクロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムク
ロライド、n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブ
ロマイド、n−ヘキサデシルピリジニウムブロマイド、
n−ヘキサデシル−トリ−n−ブチルホスホニウムブロ
マイド、テトラ−n−オクチルアンモニウムブロマイ
ド、およびトリデシルメチルアンモニウムクロライドが
包含される。
本発明において相転移剤として使用される第三アミン
は、また合計で少なくとも10個の炭素原子を有する炭化
水素基も含有すべきである。代表的な第三アミンには、
例えばオクチルジメチルアミンおよびジデシルメチルア
ミンが包含される。
本発明において相転移剤として使用されるポリアルキレ
ンオキサイドエーテルおよびエステルには、例えばポリ
オキシエチレン(4)ソルビタンモノラウレート、ポリ
オキシエチレン(4)ソルビタンモノステアレート、ポ
リオキシエチレン(8)ステアレート、ポリオキシエチ
レン(4)ラウリルエーテル、およびポリオキシエチレ
ン(4)ノニルフエニルエーテルが包含されうる。
高温度においてゲルを生ずることに加えて、本発明によ
る澱粉誘導体は、また糊化後に僅かに冷却するのみで急
速な粘度上昇をも示す。ブラベンダー(Brabender)に
よる粘度測定によつて最もよく認められる澱粉誘導体の
多くの粘度は、冷却中に95℃ないし70℃の温度において
最高またはほとんど最高の数値まで劇的に上昇する。こ
の挙動は、かなり低い温度(すなわち、50℃以下)にお
いて最高値に達するまで極めて徐々に上昇する誘導体化
されていない澱粉ベースとは著しく異なる。
ほとんどの置換澱粉から一般に予期されるように、可逆
的ゲル澱粉のゲル強度は、誘導体化されていない澱粉ベ
ースよりも多少弱い。本発明における糊化された澱粉
は、また剪断に対して影響され易い。ブラベンダーによ
る粘度分析中に遭遇するように、冷却中に一定の剪断条
件に曝されるならば、本発明による澱粉はゲルを形成し
ない。しかし、生じた安定な澱粉ペーストがその後で再
加熱されそして次に剪断されることなく冷却されるなら
ば、澱粉は、まさに高温度においてゲルを形成するであ
ろう。
本発明によるゲル化澱粉は、熱的にあるいは化学的に糊
化されうる。熱的糊化は、澱粉またはその誘導体に実質
的効果を有しない条件下に水中で澱粉を煮沸することに
よつて行なわれる。高温ゲル化性を得るために、澱粉分
散液または溶液は、約3ないし8、好ましくは4〜6の
範囲内のpH値を有すべきである。9〜10ないし1〜2の
pH値において、高温ゲルを形成せず、またそれらは、室
温において数時間放置した後においてもゲルを形成しな
い。ゲルは、このゲルを再加熱することにより、または
pHを13またはそれ以上に調整することによつて逆転され
うる。このゲルは、冷却するかまたはpHを13以下に調整
することによつて容易に再形成される。
化学的糊化(低温糊化とよ呼ばれる)は、典型的にはア
ルカリ金属(例えば、カルシウム、バリウム、カリウ
ム、ナトリウム、リチウム、ベンジルトリメチルアンモ
ニウム、およびテトラメチルアンモニウムハイドロオキ
サイド)、一定の塩(例えば、サルチル酸ナトリムウ、
チオシアン酸ナトリウム、アンモニウムまたはカリウ
ム、ヨウ化ナトリウムおよびカリウム)および有機化合
物(例えば尿素)の水溶液を使用して室温において行な
われる。糊化は収着された化学薬品が一定の臨界的な濃
度を超えた場合に起る。水の存在は、必須条件ではな
い。しかしながら、本発明の目的では、それは存在する
であろうし、またゲルの形成にとつて必要であろう。本
発明の目的のみでは、必要な高いpH値および糊化をもた
らすに必要なように調整された相対的量の水、アルカリ
および澱粉を用いて糊化をもたらすべくアルカリが使用
される。臨界的な濃度水準は、アルカリおよび澱粉ベー
スの両方の種類に依存する。一般に、反応剤の膨潤力
は、濃度と共に増大する。上記の臨界的濃度水準に関す
るそれ以上の論議およびその水準の例は、ウイスラー
(R.L.Whistler)およびパスコール(E.F.Pascall)に
より編集された“澱粉:その化学および技術(Starch:C
hemistry and Technology)”第I巻第304−306頁(New
York:Academic Pres.1967)ならびにダビツドソン(R.
L.Davidson)編”水溶性ガムおよび樹脂便覧(Handbook
of Water−Soluble Gums and Resins)”中ルーテンベ
ルク(M.W.Rutenberg)による第22章:澱粉およびその
変性(Starch and Its Modifications)(New York:McG
raw Hill Book Co.,1980)第22−17ないし22−18頁に見
出されるであろう。
化学的に糊化された澱粉は、pH値が低下された場合にゲ
ルを形成する。例えば、澱粉がアルカリによつてpH約13
において糊化された場合には、pHが12以下まで低下され
たときにゲルが形成される。このゲルは、pH値を上昇さ
せることにより、またはゲルをpH3〜8において加熱す
ることによつて反転されうる。熱的に糊化された澱粉に
ついては、ゲルは、pHが低下せしめられるかあるいは溶
液が冷却された場合に、容易に再形成される。pHを低下
させるために、酸が一緒に添加される。前述のように、
剪断力は、ゲル形成を妨げることがある。
以下の例は、本発明の実施をより詳細に例示するもので
あるが、それら本発明の範囲を限定することを意図する
ものではない。各例において、すべての部および百分率
の数値は重量で示されており、そしてすべての温度は特
記しない限り摂氏で示されている。本発明において高温
ゲル化澱粉のブラベンダー粘度は、下記の手続によつて
試験された: 全部で17.15〜36.02gの無水澱粉を490gの合計装入量と
するのに十分な蒸留水中にスラリ化する。次に無水の固
体スラリ3.5〜7.4gをブラベンダーカツプに注入する。
粘度は、700cgの張力カートリツジ〔ブラベンダー・イ
ンストルメンツ・インコーポレーテツド社(C.W.Braben
der Instruments Inc.,Hackensack,New Jersey)により
製造されたもの)を備えたヴイスコ−アミロ−グラフ
(Visco−Amylo−Graph)使用して次のようにして測定
される:澱粉スラリを95℃まで急速に加熱し、そしてそ
の温度に15分間保持して糊化を起させる。その後で澱粉
分散液の温度を毎分約1.5℃の割合で55℃まで冷却す
る。高アミロース澱粉の試料については、17%の固体ス
ラリを上記の手法を使用するに先立つてジエツト蒸煮を
行なつた。
例1 この例は、高温ゲル化である澱粉誘導体の製造を例示す
る。
以下の手法に従つて澱粉を各種C10−C18直鎖アルキル−
またはアルケニル置換コハク酸無水物10%と反応せしめ
ることによりトウモロコシ澱粉の一連の長鎖コハク酸塩
誘導体を製造した: トウモロコシ澱粉約100部(現状のままで)および相転
移剤たるトリオクチルメチルアンモニウムクロライド
(TOMAC)0.7部を水道水約125部中でスラリ化し、そし
て希薄水酸化ナトリウム(3%)の添加によりpHを8に
調整した。全部で10部のアルキルまたはアルケニルコハ
ク酸無水物反応剤を、撹拌した上記の澱粉スラリに徐々
に添加し、そして希釈水酸化ナトリウムの計量添加によ
つてpHを8に維持した。周囲温度において撹拌を5.5〜2
5時間の間続けた。反応が終了した後に、希塩酸(3:1)
を用いてpHを約5.5に調整した。得られた澱粉半エステ
ルを過により回収し、約5〜6のpHの水で3回洗滌し
そして空気で乾燥した。
それぞれの澱粉誘導体の8g(現状のままで)宛をガラス
コツプ中の水96gに添加しそして沸騰水浴(BWB)中に置
いた。上記澱粉スラリをガラス撹拌棒で約2分間撹拌
し、その間澱粉は糊化した。次いでゴムのストツパーの
撹拌棒とコツプの上に置いた。一方澱粉は、糊化を完了
せしめるために20分間蒸煮し続けた。BWBを除去した直
後に各澱粉を評価し、そして高温度におけるゲル形成の
存在または不存在について観察した。もし、澱粉蒸煮物
がなお熱い(すなわち、約70℃以上)である間に急速な
ゲル形成が観察された場合には、その澱粉は、高温(H
T)ゲル化性と称せられる。
トウモロコシ、澱粉を、前記と同じ反応条件を使用して
n−オクタデシルジナトリウムサクシネート(このもの
は澱粉分子と反応することができない)と配合した。澱
粉と長鎖サクシネートとこの配合物のゲル化性を澱粉誘
導体のそれと比較した。
第1表には、各種の澱粉半エステルの高温度ゲル形成デ
ータが示されている。
上記の結果は、少なくとも14個の炭素原子を有する直鎖
状炭化水素鎖を有する澱粉半エステルは、高温度ゲル化
性を有することを示している。
高温度ゲル化性サクシネート誘導体のブラベンダー評価
(前記した)は、95℃から70℃までの冷却サイクルの間
に、トウモロコシ澱粉に比較して顕著な粘度増加をもた
らしたことを示した。冷却サイクルの上記の部分の間
に、誘導体(固形分6.9〜7.4%において評価)は、すべ
てトウモロコシ澱粉ベースのみによってもたらされた粘
度増加に比較して、約700ないし1150ブラベンダー単位
の粘度増加を示した。
例2 この例は、高温度ゲル化トモロコシ澱粉誘導体のゲル強
度を、誘導体化されていないトウモロコシ澱粉ベースと
70℃において比較する。この例もまた各澱粉分散物の冷
却した際の粘度増加を比較する。
例1に記載したようにトウモロコシ澱粉を1%のアリク
ワツト(Aliquat )336〔ゼネラル・ミルズ・ケミカル
ス社(General Mills Chemicals)から市販されている
トリカプリリルメチルアンモニウムクロライド〕の存在
下に10%のテトラデセニルコハク酸無水物と反応せしめ
た。誘導体化された澱粉(Y)およぶ誘導体化されてい
ないトウモロコシ澱粉ベース(X)の7%固形物(乾燥
基準で算出)スラリを調製した。試料を例1と同様にBW
B中で蒸煮し、次いで70℃まで冷却しそしてその温度に
保持した。ベネトロメーター(penetrometer)〔スチー
ブンス・レフラ・テクスチヤ・アナライザー(Stevens
LFRA Texture Analyzer)〕を使用して、70℃に1、2
および16時間保持した後に、両方の試料のゲル強度を測
定し、そして冷却され室温において16時間保持された糊
化された試料のゲル強度とを比較した。ゲル強度は、試
料#6(直径1インチの円筒)を使用して0.04mmの距離
において0.の速度設定においてグラム単位で測定され
た。結果を第II表に見出されるであろう。
結果は、トウモロコシ澱粉誘導体が70℃においては顕著
なゲル構造を有し、そしてそれはもし室温まで冷却され
た場合と実質的に同じゲル強度まで一定期間に亘つて増
加したことを示した。しかしながら、トウモロコシ澱粉
ベースは、最初70℃においてゲル構造を有さず、またそ
の温度において長時間に亘つてほとんど増加しなかつ
た。この誘導体の室温ゲル強度は、トウモロコシ澱粉ベ
ースのそれよりも低いことが判つた。錯化は老化の量を
多少減少させ、従つて誘導体の全体のゲル強度を弱める
ものと信ぜられる。
テトラデセニル澱粉サクシネートYおよびトウモロコシ
澱粉対照Xの7%固形物(乾燥基準)スラリもまた前述
の手法に2つの僅少な変更を加えてブラベンダーを用い
る評価によつて比較した。各澱粉スラリの全仕込量は、
490gの代りに461.7gであり、そして各澱粉分散物は、55
℃の代りに27℃まで冷却された。添附の図面に示された
結果は、澱粉Yの粘度は、僅かに95℃から80℃までの冷
却したのみでかなり増加したことを示している。対照の
澱粉Xの粘度は、約80℃までの冷却に際して増加し始め
ず、次いで更に冷却すると極めて緩やかにのみ増加し始
めた。
例3 この例は、トウモロコシ澱粉以外の澱粉ベースを使用す
る高温度ゲル化澱粉の製造を例示する。
試料は、例2に記載されているように調製され、そして
回収された。これらの澱粉試料の高温ゲル化性データ
は、第III表に見出されるであろう。
結果は、少なくとも約17%のアミロースを含有する他の
澱粉ベースは、高温ゲル化誘導体の製造に使用されうる
ことを示した。ワキシ−トウモロコシのような低アミロ
ース含有ベースは、本発明において使用できないことが
判つた。
ブラベンダー評価もまた高温ゲル化澱粉誘導体について
は、高アミローストウモロコシ澱粉誘導体を除いてそれ
ぞれのベースに比較して、95℃から70℃までの最初の冷
却サイクル中に劇的な粘度増加を示した。高アミロース
誘導煮沸試験において体は、他の澱粉ベース誘導体に比
較して、冷却した際により高い温度において剪断なしで
ゲル形成を始めることが観察されたという事実によつ
て、これらの誘導体がブラベンダー試験の剪断条件に一
層敏感であることが結論された。ワキシ−トウモロコシ
誘導体は、高温度粘度増加を示さず、このことは更に、
完了せしめるためには十分なアミロース含量を必要とす
ることを示している。
例4 この例は、本発明において用いられる澱粉サクシネート
の誘導体の高温ゲル化性に及ぼす糖添加の影響を例示す
る。
固形物7%の無水澱粉(例2によるテトラデセニルトウ
モロコシ澱粉サクシネート)およびサツカロースまたは
フルクトース20〜30%を含有する水性スラリを調製し、
そして高温ゲル形成およびブラベンダー粘度について評
価を行なつた。糖類は、高温ゲル形成を阻害しないかあ
るいは添加した糖を含有しない対照試料と比較してゲル
強度を弱めることはなかつた。糖類の存在下の誘導体に
おいては、急速な粘度増加が、糖を含有しない誘導体に
比較して多少低い温度において起つた(すなわち83℃の
代りに75℃)。
例5 この例は、本発明による澱粉サクシネートの誘導体の高
温ゲル化性に及ぼす各種塩の影響を例示する。
固形物7%の無水澱粉(例2のテトラデセニルコーンス
ターチサクシネート)および塩化ナトリウム、塩化マグ
ネシウム、塩化カルシウムまたはリン酸ナトリウムのい
ずれか2〜5%を含有する水性スラリを調製し、そして
高温ゲル形成およびブラベンダー粘度について評価を行
なつた。
結果は、そのような処理水準においては、塩化ナトリウ
ムおよび塩化マグネシウムは、高温ゲル形成を阻害しな
いことを示した。実のところ、塩化ナトリウムの存在
は、塩化ナトリウムを含有しない誘導体に比較してより
高い温度において、誘導体の急激な粘度増加を生ぜしめ
た(すなわち82℃の代りに89℃)。塩化カルシウムおよ
びリン酸ナトリウムの存在下では、サクシネート誘導体
は、高温ゲル化性でもなく、また室温まで冷却した場合
にゲルを形成し得なかつた。
例6 この例は、高温ゲル化澱粉の熱的可逆性を例示する。
非誘導コーンスターチベースおよび例2によりテトラデ
セニルコーンスターチサクシネートの水性スラリ(7%
固形物)を澱粉を完全に糊化せしめるために、BWBにお
いて20分間蒸煮しそして次に24時間に亘つて室温まで冷
却した。試料は、両方ともゲルを形成した。前記の如
く、澱粉サクシネートは、高温ゲル化性であつたが、コ
ーンスターチベースは、室温に放置した場合にのみゲル
を形成した。
澱粉サクシネートおよび澱粉ベースのゲルを最初は温和
に撹拌しながらBWB内で30分間再煮沸した。澱粉サクシ
ネートゲルは、再加熱すると流動性分散物まで容易に溶
融し、このものは、それが前に糊化後に有していたと同
様のコンシステンシーを有していた。逆に、トウモロコ
シ澱粉のゲルは、容易には溶融せずむしろ非流動性の塊
状のコンシステンシーを示した。
BWBから取出した後、再冷却すると、澱粉サクシネート
は、高温度ゲル化性を示した。24時間の間に室温まで完
全に冷却した後に、トウモロコシ澱粉のゲルは、ずんぐ
りしたテクスチヤーを有し、一方澱粉サクシネートゲル
は、それが再加熱に先立つて有していたと同じ均一な外
観を呈していた。
例7 この例は、架橋が高温ゲル化澱粉誘導体に及ぼす影響を
例示する。
A. 米国特許第2,500,950号(1950年3月21日発行)に
記載されているようにして、エピクロルヒドリン0.003
%で架橋されたトウモロコシ澱粉を調製した。この澱粉
の少量宛を次にオクタデシルコハク酸無水物10%かまた
はテトラデセニルコハク酸無水物10%で処理し、そして
後に例1におけると同様に糊化を行なうために蒸煮し
た。両方の誘導体は、高温ゲル化性を有していたが、架
橋されたペース単独では観察されなかつた。C−18アル
キル誘導体は、C−14アルケニル誘導体と比較して、室
温においてはその架橋されたベースよりも弱いゲル強度
しか有しないことが認められた。
B. 米国特許第2,328,537号(1943年9月7日発行)に
記載されているように、トウモロコシ澱粉をオキシ塩化
リン0.002〜0.02%を用いて架橋した。架橋された澱粉
を次に例1と同様にしてテトラデセニルコハク酸無水物
10%で処理した、架橋剤0.01までをもつて架橋された誘
導体は、高温ゲル化性であつた。より高度に架橋された
試料(架橋剤0.015〜0.02%を用いて調製)は、高温ゲ
ル化性ではない。
例8 この例は、高温ゲル化澱粉誘導体に及ぼす他の置換基の
影響を例示する。
A.テトラデセニルコハク酸無水物で処理するに先立つて
下記のようにしてヒドロキシプロピル化された澱粉試料
を調製した。
それぞれにトウモロコシ澱粉100部、水125部、水酸化ナ
トリウム1.5部および硫酸ナトリウム25部よりなるスラ
リを装入された一連の反応容器に、全部で0.2〜10部の
プロピレンオキサイド(PO)を添加した。反応容器を密
閉し、次いで40℃において16時間撹拌した。それぞれの
スラリを室温まで冷却した後に、3:1の硫酸水溶液を用
いてpH3に調整し、次いで回収するに先立ちpHを6まで
上げた。澱粉試料を過により回収し、pH6の水で4回
洗滌しそして空気乾燥した。
ヒドロキシプロピル化された全部の澱粉を例2に記載し
たように10%のテトラデセニルコハク酸無水物(TDSA)
を用いて処理し、そして高温ゲル形成について評価し
た。結果を第IV表に示す。
上記の結果は、少なくとも2%のプロピレンオキサイド
で処理された試料は、安定な澱粉蒸煮物をもたらした
が、一方より少ないプロピレンオキサイドで処理された
澱粉は、室温まで冷却した後には安定でなかつた。これ
らの結果は、二重処理された澱粉(すなわちPOおよびTD
SA)は、<0.144の理論的置換度(D.S.)に相当する<
5%のプロピレンオキサイドで処理された場合に高温ゲ
ル化性であつたことを示している。より高いプロピレン
オキサイド置換度(0.144のD.S.)においては、二重処
理澱粉は、可逆的な室温ゲルを形成する。より高いPO置
換度(>0.144で0.275までのD.S.)においてされ、二重
処理された澱粉は、ゲルを形成しなかつた。
上記の二重処理された試料は、テトラデセニルコハク酸
無水物反応剤のみで処理された澱粉試料に比較して、よ
り弱いゲルをもたらし、そして剪断力に対してより敏感
であるように思われる。最も重要なことは、適度のヒド
ロキシプロピル化による安定化を逆転せしめた長鎖反応
剤による処理によつてもたらされる効果であつた。
B. 米国特許第2,876,217号(前出)に記載された陽イ
オン性澱粉エーテルを、テトラデセニルコハク酸無水物
で処理するに先立つて以下に記載するように調製した。
トウモロコシ澱粉100部および水125部を含有する一連の
澱粉スラリに、水酸化カルシウム0.5〜2.1部を添加し
(反応のpHを少くとも12に保つために)、次いでジエチ
ルアミノエチルハイドロクロライド(DEC)の50%水溶
液0.4ないし6.0部を添加した。反応を室温において18時
間行なつた。pHを3.0に調整するために、3:1の水性塩化
水素酸溶液を添加した。その後で、澱粉を過により回
収し、pH3の水で4回洗滌し、そして空気乾燥した。窒
素0.14%(乾燥基準)を含有する少くとも1%のDECで
処理された陽イオン性澱粉は、安定な澱粉蒸煮物をもた
らすが、一方より少ないDECで処理された澱粉は、室温
まで冷却された後にゲルを形成するが、このものは、ト
ウモロコシベースのそれよりも弱い。全部の陽イオン性
澱粉を例1に記載されているように10%のテトラデセニ
ルコハク酸物で更に処理し、そして高温ゲル形成につい
て評価した。
二重処理されたすべての試料は、高温ゲル化性であり、
上記の二重処理されたヒドロキシプロピル化試料に比較
してより強いゲル構造を有していた。蒸煮すると上記の
試料は、また泡立つた。より強いゲルの形成は、陽イオ
ン性および陰イオン性の置換基の間のイオン相互作用に
帰せられる。
例9 この例は、高温ゲル化性を有する澱粉誘導体をもたらす
他の反応剤の使用を例示する。
N−メチルイミダゾールとC10−C16アルキルカルボン酸
クロライド、ベンゾイルクロライドおよびシクロヘキサ
ノイルクロライドとの反応生成物でトウモロコシ澱粉を
処理した。
澱粉は、米国特許第4,020,272号(前出)に記載された
手法を用いて上記の反応剤と反応せしめた。この手法
は、トウモロコシ澱粉(現状のままで)100部をpH8の水
150部中でスラリ化し、そして次にこのスラリに上記反
応剤を徐々に添加した。反応は、例1に記載されている
ようにしてpHを8に保ちながら室温において2ないし3
時間実施された。反応が終了したときに、スラリのpHを
3:1の塩化水素酸を用いて4に調整した。澱粉エステル
誘導体を過により回収し、約4のpHを有する水で3回
洗滌し、そして空気乾燥した。反応データならびに7%
固形物スラリの高温ゲル化性を第V表に示す。
上記の結果は、少くとも12個の炭素原子を含む長鎖炭化
水素置換基を有する澱粉エステル誘導体のみが高温度ゲ
ルをもたらすことを示している。シクロアルキルおよび
アリール置換基、例えばシクロヘキサンおよびベンゼン
のそれは、高温度ゲル化澱粉をもたらさなかつた。
C12−C16高温度ゲル化誘導体の7.35%無水固形物および
5.5のpHにおけるブラベンダー評価は、冷却サイクル中
の急速な粘度増加をすべての試料がもたらしたことを示
した。これらの誘導体はそれぞれ、95℃から70℃までの
間に、トウモロコシ澱粉ベースのみによつて経験された
粘度増加に比較して約1,100ブラベンダー単位だけ増加
した。
例10 長鎖第四級アミンエポキシド反応剤を使用して高温ゲル
化澱粉エーテルを製造した。使用された反応剤は、エピ
クロルヒドリンとC10−C16アルキルジメチルアミンとの
反応生成物からなるものであった。
米国特許第2,876,217号(前出)に記載された手法を用
いて反応剤と反応せしめた。この手法は、硫酸ナトリウ
ム10部および水酸化ナトリウム2部を含有する水125な
いし150部中に澱粉(現状のまま)100部をスラリ化する
ことを包含するものであった。全部で5〜10部の反応剤
を添加した。混合物を40℃において16時間撹拌し、そし
て次に3:1の塩酸でpHを3に調整した。澱粉エーテルを
別し(メタノールを過助剤として添加した)、次い
で約3のpHを有する水で3回洗滌し、そして空気乾燥し
た。反応および高温ゲル化のデータを第VI表に示す。
これらの結果は、少なくとも14個の炭素原子を含む長鎖
炭化水素置換基を有する澱粉エーテル誘導体のみが高温
ゲルを形成したことを示した。
前記の澱粉サクシネートおよび全エステル誘導体ほど劇
的ではないが、ここに記載された7%無水固形物含量に
おけるトウモロコシベース澱粉エーテルのブラベンダー
評価は、これらの誘導体が冷却中に70℃以上においてト
ウモロコシベースに比較して顕著な粘度増加(200ブラ
ベンダー単位)の生じたことを示した。
例11 この例は、加水分解が高温ゲル化澱粉誘導体に及ぼす影
響を例示する。
トウモロコシ澱粉の試料を塩酸を用いて9,20,25および4
0の水流動性(WF)まで加水分解した。バレイシヨおよ
びタピオカの澱粉を同様に加水分解した。これらの加水
分解された試料を1.0%のアリクワツト(Aliquat )33
6の存在下にテトラデセニルコハク酸無水物10%と室温
において24時間反応せしめ、例1と同様にして回収し、
そして例3に記載された加水分解されていない澱粉サク
シネートと比較した。
これらの澱粉の水性8〜15%固形物(現状のままで)ス
ラリを例1におけると同様にして蒸煮し、次いで高温ゲ
ル化性について評価した。流動トウモロコシ澱粉のう
ち、25またはそれ以下の流動度を有するものから調製さ
れた誘導体のみが高温ゲルを形成した。加水分解の程度
が上るに従って、得られる澱粉サクシネートは、加水分
解されていない誘導体に比較してより弱い高温ゲルをも
たらしたことが注目された。
40WFの試料は、ゲル化せずに、冷却中ならびに室温にお
いて安定なままであった。
誘導体化されたバレイシヨおよびたぴおか流動澱粉は、
いずれも高温ゲル化性ではなかった。
約20ないし60の水流動度を有する加水分解トウモロコシ
澱粉もまた例10によるC14第四級アミンエポキシド反応
剤10%と反応せしめ、そして同じ固形物含量において非
加水分解誘導体と比較した。全部の試料が高温ゲルを形
成した。しかしながら、加水分解度が増加するに従っ
て、高温ゲルは、次第に弱くなることが再び注目され
た。
上記の結果は、若干の転化ベースが高温ゲル化澱粉の製
造に使用されうることを示している。特定の澱粉ベース
および長鎖誘導体化がなお許容しうる高温ゲルを形成し
うる澱粉の加水分解の最高限度に影響を及ぼすことが判
った。
例12 この例は、高温ゲル化澱粉が熱ゲルを形成するpHを測定
する。テトラデセニルコハク酸無水物10%で処理するこ
とにより得られたトウモロコシ澱粉半エステルの試料
(各6g)を水94g中でスラリ化した。それらを所要の水
酸化ナトリウムまたは塩化水素酸の水溶液の添加により
1ないし10に亘るpH値に調整した。それらを次いで沸騰
水浴中で15分間蒸煮した、pH1および2において調製し
た蒸煮物は、酸加水分解のため水のように薄くなった。
室温において数時間冷却した後もゲルは、形成されなか
った。pH3〜8において調製した蒸煮物は、熱ゲルを形
成した。pH9および10において調製された試料は、熱ゲ
ルを形成せず、また、それらは冷却後もゲルを形成しな
かった。pH3〜8における再加熱および冷却の実施によ
り、ゲルは、熱的可逆性を示した。それらはまた下記の
例において示すようにpH13またはそれ以上への調整の実
施により、化学的可逆性を示した。
例13 この例は、化学的に糊化された澱粉が可逆的ゲルを形成
することを例示する。
10%のテトラデセニルコハク酸無水物を用いる処理によ
り生成されたトウモロコシ澱粉半エステルの試料(約7.
5g)を、水95ml中でスラリ化し、そして20%水酸化ナト
リウム5mlを添加した。このスラリ(ほぼpH13)を激し
て撹拌すると、数分後に澱料は完全に糊化した。充分な
塩化水素酸水溶液を添加すると、直ちにpHはそれぞれ1
0.6,6.0,3.5および1.0に減少した。全部の澱料試料は、
pHを低下させることによりゲル形成を示した。ゲルはpH
を13以上に上昇させることにより逆転し、そしてpHを低
下させると再びゲルが再形成された。pH6において形成
されたゲルもまた熱的に可逆性であった。これらのゲル
は熱糊化された澱粉と同じpH範囲、すなわち3〜8にお
いて熱可逆性であった。
例14 この例は、トウモロコシ澱粉を各種の相転移剤の存在下
に水性条件下で4種の異なった疎水性置換コハク酸無水
物と反応せしめることによる澱粉半酸性エステルの製造
を例示する。
粒状トウモロコシ澱粉約100部(現状のまま)および相
転移剤0.7部を水道水約125ないし150部中でスラリ化
し、そして希薄水酸化ナトリウム溶液の添加によりpHを
8に調整した。全部で10部のC8−C18疎水性置換コハク
酸無水物を撹拌した澱粉スラリに徐々に添加し、そして
希釈水酸化ナトリウムを計量添加することによるpHを8
に維持した。周囲温度において撹拌を18ないし20時間継
続した。反応が終了した後、pHを希塩酸(3:1)により
約5.5に調整した。得られた澱粉半酸性エステルを過
により回収し、約5〜6のpHを有する水を用いて3回洗
滌し、そして空気乾燥した。
調製された試料を第VII表に示す。
4種のコハク酸無水物反応剤を用いた類似の澱粉反応を
また相転移剤の不存在で実施し、過後に澱粉生成物を
観察しそして比較した。そして若干の試料においては蒸
煮後の澱粉のカルボキシル含量を比較した。後者は、類
似の澱粉反応生成物の置換度を示すものである。
澱粉試料A〜IおよびLの製造に使用した第四級塩は、
未反応の反応剤がもし多少でもあれば澱粉フイルターケ
ーキ上に残留する過の後に、顕著な未反応反応剤層が
存在する対照の試料と比較される澱粉生成物をもたらし
た、第三級アミン相転移剤を用いることにより類似の効
果が認められた。
より少量の疎水性オクテニルコハク酸無水物を用いた澱
粉試料A(比較例)は、2.42%のカルボキシル含量を有
していたが、一方相転移剤を用いずに調製された対照の
試料は5.35%のカルボキシル含量を有していた。得られ
た結果は、相転移剤が、この場合には、澱粉反応を改善
する代りに反応剤の加水分解を容易にしたことを示して
いる。
澱粉試料J(比較例)およびKは、水中で7%の澱粉固
形物で蒸煮され、そして相転移剤の不存在で調製された
同じ澱粉生成物(0)と比較された。試料JおよびO
は、未反応のトウモロコシ澱粉のそれに類似するゲルを
もたらした。しかしならがら、試料Kは、冷却した場合
にゲルを形成せず、凝集性、流動性のテクスチヤーを示
した。これらの結果は、陽イオンに結合した全部で8個
しか炭素原子を有しない第四級塩は、本発明による方法
において使用できないことを示している。
以上、要約して述べれば、本発明は、アミロース含有澱
粉ベースを、それに長鎖炭化水素鎖置基分を導入するエ
ーテル化またはエステル化反応剤を化学的に反応せしめ
ることによって製造された独特なゲル化特性を有する変
性澱粉を提供する。これらの澱粉によって形成された水
性ゲルは、熱的に、そしてpH的に可逆性を有し、熱的に
可逆性のゲルは、高温ゲルである。本発明は、水中で澱
粉半酸性エステルを製造する改善された方法において、
澱粉をアルカリ性条件下に相転移剤の存在で疎水性置換
環状ジカルボン酸無水物と反応せしめることを特徴とす
る方法を提供する。
本発明は、特許請求の範囲に記載されたゲル化剤、ゲ
ル、その可逆的反転方法および澱粉誘導体の製造方法を
要旨とするものであるが、その実施の態様として下記の
事項をも包含する。
1. 可逆的ゲルが、70℃以上そしてこのゲルが熱可逆性
となる温度以下の温度において、少なくともC12の直鎖
状炭化水素鎖を有する置換基を有しない変性または未変
性の澱粉の粘度増加に比較して、実質的に大なる粘度増
加を、95℃から70℃まで冷却する間に示す澱粉誘導体の
水溶液または水性分散液を用いて形成される特許請求の
範囲第1項記載のゲル化剤。
2. 澱粉ベースがトウモロコシ、高アミローストウモロ
コシ、タピオカ、バレイショおよびコメからなる群から
選択されたものであり;誘導体が澱粉ベースを少なくと
もC12の直鎖状炭化水素鎖を有するエーテル化またはエ
ステル化誘導体化剤の少なくとも約5%と反応せしめる
ことによって製造されたものであり;そして可逆的ゲル
が約4〜7のpHにおいて熱糊化によって得られた澱粉誘
導体の水溶液または水性分散液を冷却することにより、
あるいはpH13またはそれ以上において室温でのアルカリ
糊化によって得られた澱粉誘導体の水溶液または水性分
散液を約1〜10までpHを調製することにより形成された
ものである特許請求の範囲第1項記載のゲル化剤。
3. 澱粉誘導体が12ないし16個の炭素原子を有する直鎖
状炭化水素を有するカルボン酸またはスルホン酸のイミ
ダゾリドまたはN,N′−ジ置換イミダゾリウム塩と澱粉
とのエステル反応生成物;または14ないし18個の炭素原
子を有する直鎖状炭化水素で置換された環状ジカルボン
酸無水物と澱粉との半酸性エステル反応生成物;または
エーテル化剤と澱粉とのエーテル反応生成物であって、
そのエーテル化剤がエピクロルヒドリンと少なくとも14
ないし16個の炭素原子を有する直鎖状炭化水素基を有す
る第三アミンとの反応生成物である、上記2.記載のゲル
化剤。
4. 相転移剤が式(AX)+X-(ここに、Mは窒素、リ
ン、ヒ素、アンチモンおよびビスマスからなる群から選
択されたものであり、Aは合計で少なくとも10個の炭素
原子を有する複数の1価または多価の炭化水素基を含む
Mに共有結合的に結合した塩の有機部分であり、そして
Xは陰イオンである)で表される第四級有機塩;または
合計で少なくとも10個の炭素原子を有する炭化水素置換
基を含有する第三アミン;またはポリアルキレンオキサ
イドエーテルまたはエステルである特許請求の範囲第5
項に記載の方法。
5. 相転移剤がベンジルトリエチルアンモニウムクロラ
イド、テトラ−n−ブチルアンモニウムクロライド、n
−ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、n
−ヘキサデシルピリジニウムブロマイド、n−ヘキサデ
シル−トリ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、n−
ヘキサデシル−トリ−n−ブチルホスホニウムブロマイ
ド、テトラ−n−オクチルアンモニウムブロマイド、ト
リオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリカプリ
ルメチルアンモニウムクロライド、トリデシルメチルア
ンモニウムクロライド、オクチルジメチルアミンおよび
ジデシルメチルアミンからなる群から選択されたもので
ある上記4.記載の方法。
【図面の簡単な説明】
添付図面は、例2による特定の高温ゲル化トウモロコシ
澱粉誘導体Yの7%水性分散液が、熱糊化後に、冷却す
ることによって、誘導体化されていないトウモロコシ澱
粉に比較して粘度の実質的な増加を示すことを例示する
図表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーテイン・エム・テスラー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー州、 エジソン、ダーウイン・ブールバード、 507 (72)発明者 テレサ・エイ・ダーシヤール アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー州、 ノース・プレインフイールド、ロツク・ア ベニユー、1275 (56)参考文献 特開 昭51−44578(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともC12の直鎖状炭化水素鎖を有す
    るエーテルまたはエステル置換基を含有しそして0.25以
    下の置換度(D.S.)を有する澱粉誘導体からなり、そし
    てこの澱粉ベースが少なくとも17重量%のアミロース含
    量を有し、そして多少誘導体化され、多少転化されそし
    て/または多少架橋されていてもよい、水中でゲルを形
    成するゲル化剤であって、約3〜8のpHにおける熱糊化
    によって得られた、またはpH13またはそれ以上における
    室温アルカリ糊化によって得られた澱粉誘導体の水溶液
    または分散液を冷却することによりあるいはpH13以下に
    調整することによって、可逆的ゲルを形成することを特
    徴とする上記水中でゲルを形成するゲル化剤。
  2. 【請求項2】少なくともC12の直鎖状炭化水素鎖を有す
    るエーテルまたはエステル置換基を含有しそして0.25以
    下の置換度(D.S.)を有する澱粉誘導体からなり、そし
    てこの澱粉ベースが少なくとも17重量%のアミロース含
    量を有し、そして多少誘導体化され、多少転化されそし
    て/または多少架橋されていてもよい、水中でゲルを形
    成するゲル化剤であって、約3〜8のpHにおける熱糊化
    によって得られた、またはpH13またはそれ以上における
    室温アルカリ糊化によって得られた澱粉誘導体の水溶液
    または分散液を冷却することによりあるいはpH13以下に
    調整することによって、可逆的ゲルを形成することを特
    徴とする水中でゲルを形成するゲル化剤の有効量の、約
    3〜8のpHにおける水溶液または水性分散液から本質的
    になる熱可逆性ゲルあるいは約1〜10のpHにおける水溶
    液または水性分散液から本質的になるpH依存可逆性ゲル
    の可逆的反転方法において、上記熱可逆性ゲルをこのゲ
    ルが流動体となる温度に加熱するか、あるいはpH依存可
    逆性ゲルのpHを13またはそれ以上の値に調整することを
    特徴とする、上記ゲルの可逆的反転方法。
  3. 【請求項3】少なくともC12の直鎖状炭化水素鎖を有す
    るエーテルまたはエステル置換基を含有しそして0.25以
    下の置換度(D.S.)を有する澱粉誘導体からなり、そし
    てこの澱粉ベースが少なくとも17重量%のアミロース含
    量を有し、そして多少誘導体化され、多少転化されそし
    て/または多少架橋されていてもよい、水中でゲルを形
    成するゲル化剤を製造するにあたり、相転移剤の存在下
    で、水性アルカリ条件において粒状澱粉を直鎖状炭化水
    素置換基がC12またはそれ以上のものである疎水性炭化
    水素−置換環状ジカルボン酸無水物と反応させることを
    特徴とする、上記水中でゲルを形成するゲル化剤の製造
    方法。
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