JPH0692408B2 - ヒポキサンチン及びその誘導体とグアニン及びその誘導体との相互分離方法 - Google Patents

ヒポキサンチン及びその誘導体とグアニン及びその誘導体との相互分離方法

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JPH0692408B2
JPH0692408B2 JP16846986A JP16846986A JPH0692408B2 JP H0692408 B2 JPH0692408 B2 JP H0692408B2 JP 16846986 A JP16846986 A JP 16846986A JP 16846986 A JP16846986 A JP 16846986A JP H0692408 B2 JPH0692408 B2 JP H0692408B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、グアニン、グアノシン及びグアニル酸より選
ばれる1以上の物質とヒポキサンチン、イノシン及びイ
ノシン酸より選ばれる1以上の物質とが存在する溶液
に、下記〔I〕式で表わせる化合物を加えて該化合物と
グアニン、グアノシン、グアニル酸より選ばれる1以上
の物質との付加化合物を生成した後に、ヒポキサンチ
ン、イノシン及びイノシン酸より選ばれる1以上の物質
の晶析を行ない、晶出したヒポキサンチン、イノシン及
びイノシン酸より選ばれる1以上の物質を採取すること
を特徴とするヒポキサンチン及びその誘導体とグアニン
及びその誘導体との相互分離方法に関する。
〔I〕式: 但し、RはH,CH3,C6H5又はCH3(H5C2O)CHを示す。
なお、本発明でヒポキサンチン誘導体とはイノシン及び
イノシン酸であり、グアニン誘導体とはグアノシン及び
グアニル酸である。
ヒポキサンチン、イノシン及びイノシン酸は医薬、調味
料あるいはその原料、研究用試薬として有効な物質であ
る。また、グアニル酸は調味料として有用な物質であ
り、グアニン、グアノシンはグアニル酸製造の前駆物質
となり得る。
ヒポキサンチン、イノシン及びイノシン酸の製法には種
々あるが、通常、これを蓄積する微生物を培養する方
法、リボ核酸を分解する方法などによって製造されてい
る。
しかし、一般にこれらの方法によって得られるヒポキサ
ンチン、イノシン及びイノシン酸はグアニン、グアノシ
ン及びグアニル酸より選ばれる1以上の物質を不純物と
して含有しており、これらの不純物は、ヒポキサンチ
ン、イノシン及びイノシン酸と、それぞれ、混晶を形成
するため晶析により完全に除去することは困難であっ
た。
本発明の目的は、多方面に用途を持つヒポキサンチン、
イノシン及びイノシン酸をグアニン、グアノシン及びグ
アニル酸から晶析により分離精製し、工業的に安価に製
造提供することにある。また、他の目的は、グアニン及
びその誘導体とヒポキサンチン及びその誘導体との相互
分離法を提供すること(実施例2)にある。ヒポキサン
チン及びその誘導体とグアニン及びその誘導体との相互
分離は、換言すれば、前者及び後者のいずれを目的物質
と考えるかにより、前者の後者からの分離精製法又は後
者の前者からの分離精製法とも称することができる。
従来、上記のような方法で得られたヒポキサンチン及び
その誘導体とグアニン及びその誘導体との混合物からヒ
ポキサンチン、イノシン及びイノシン酸を分離する方法
としてはイオン交換樹脂を用いる方法(特公昭46-358
1)、ナトリウムなどの金属塩として分離する方法(特
公昭42-12432)が多く用いられている。しかし、前者の
方法は、非常に繁雑な操作を必要とし、しかも大量の廃
液が発生するという欠点があり、一方、後者の金属塩と
して分離する方法は、ヒポキサンチン、イノシン及びイ
ノシン酸を遊離状態で分離する場合に比べると精製効果
は上がるが、不純物として含まれているグアニン、グア
ノシン及びグアニル酸を一度に除去することは難しく、
晶析を繰返さなければならない欠点があり、いずれも工
業的実施には余り有利ではなかった。
本発明者らは、さきに従来公知の方法によって得られた
ヒポキサンチン、イノシン及びイノシン酸をこれらと共
存する通常は不純物と考えられるグアニン、グアノシン
及びグアニル酸から分離する方法について研究した結
果、これらの不純物が混晶形成を行なう原因はその分子
構造の類似性にあると推定するに到った。
そこで、グアニン、グアノシン及びグアニル酸の2位の
アミノ基を選択的に化学修飾して、ヒポキサンチン、イ
ノシン及びイノシン酸との塩基部分の構造上の違いを強
調してやれば混晶形成を防止できるだろうと考え、種々
のアミノ基修飾試薬を試験した。その結果、〔I〕式に
示したグリオキサルに代表されるα‐ケトアルデヒドが
グアニン、グアノシン及びグアニル酸の2位のアミノ基
と選択的に反応し、アミノ基を有さないヒポキサンチ
ン、イノシン及びイノシン酸とは全く反応しないことが
判明した。さらに、〔I〕式で表わされる化合物とグア
ニン、グアノシン及びグアニル酸との反応生成物はヒポ
キサンチン、イノシン及びイノシン酸とは混晶を形成せ
ず、ほとんど晶析母液に淘汰されるという推定が正しか
ったことも実験結果より明らかになった。
〔I〕式で表わされる化合物とグアニン、グアノシン及
びグアニル酸との反応は以前より知られているものであ
るが(Shapirs etal,Biochemistry,vol.5,No.9,P.P.279
9-2807(1966))、ヒポキサンチン、イノシン及びイノ
シン酸の晶析に応用して不純物であるグアニン、グアノ
シン及びグアニル酸を除去する試みは初めてである。
本発明が適用されるべきヒポキサンチン及びその誘導体
より選ばれる1以上の物質とグアニン及びその誘導体よ
り選ばれる1以上の物質との混合物の溶液は、製法的に
発酵法、合成法、RNA分解法等の由来が考えられるが、
〔I〕式で表わされる化合物はいかなる製法で製造され
たグアニン、グアノシン及びグアニル酸とも反応する。
なお、上記溶液に不純物としてアミノ酸、ペプチド、タ
ンパク質等が含まれていると、これらが〔I〕式の化合
物と反応するため、グアニン又はその誘導体との反応収
率がやや低下するが、その場合は前記溶液に添加する
〔I〕式の化合物の量を増やしてやると良い。また、各
種の塩類が含まれていても反応は進行するので問題な
い。
〔I〕式で表わされる化合物とグアニン、グアノシン及
びグアニル酸との付加反応条件であるが、反応pHは7〜
11、好ましくは9〜10である。pHが7以下であると反応
が殆んど進行しなくなり、一方11以上であると副反応が
進み、反応の制御が困難であって、好ましくない。
反応温度は温度が高い程、反応が速くなるため、特に制
限はない。通常10〜60℃の範囲から操作しやすい温度を
選択すればよい。
また、反応時間は反応液のpH、温度によって支配される
ため、予め実験を行なって適当な時間を定めるとよい。
〔I〕式で表わされる化合物の添加量は、ヒポキサンチ
ン及びその誘導体より選ばれる1以上の物質とグアニン
及びその誘導体より選ばれる1以上の物質との混合物の
溶液に含まれるグアニン及びその誘導体の量並びにアミ
ノ酸、ペプチド、タンパク質等の量によって異なるが、
淘汰しようとするグアニン、グアノシン及びグアニル酸
と等モルは少なくとも加える必要がある。なお、この反
応は平衡反応であるため、タンパク質やアミノ酸のよう
に〔I〕式の化合物と反応性を有する物質が存在する
と、それらと〔I〕式の化合物との反応が進行し、
〔I〕式の化合物とグアニン、グアノシン及びグアニル
酸との反応生成物が元へ戻り〔I〕式の化合物が無益に
消費されることが起こり得る。従って、本発明を実際に
行うときは予備的実験を行なって最適な〔I〕式の化合
物の添加量を決めるとよい。
また、反応終了時には反応液のpHを7以下に下げること
により、反応を停止させることができる。
次にヒポキサンチン、イノシン及びイノシン酸の晶析法
であるが、遊離状態あるいは各種金属塩のいずれの方法
によっても高純度の結晶を分離することが可能である。
ただし、グアニン、グアノシン及びグアニル酸と〔I〕
式で表わされる化合物の反応生成物はpH7以上では、反
応の可逆性により不安定であるため、ヒポキサンチン及
びその誘導体の晶析pHは7以下であることが好ましい。
なお、ヒポキサンチン及びその誘導体の晶析の際、母液
に溶存したグアニン、グアノシン及びグアニル酸と
〔I〕式の化合物との反応生成物は、母液をアルカリ性
条件下で加熱することで分解されるため、グアニン、グ
アノシン及びグアニル酸を、遊離状態又は適宜な塩の形
で回収することが可能である(実施例2)。
以下実施例を示す。
実施例1 イノシン940gおよびグアノシン20g(グアノシン含量2.0
83%)を含む水溶液4.5lに水酸化ナトリウム100gを添加
し、該溶液のpHを9.0に調節した。該溶液の温度を40℃
に調整後、40%グリオキサル水溶液32.3mlを添加し、40
℃で1時間反応させた。反応終了後、35%塩酸を滴下し
pH7.0にてイノシンを晶析し、5℃まで冷却して一夜放
置した。
析出したイノシン結晶を濾集し、少量の冷水で洗浄し
た。これを乾燥してイノシン896g及びグアノシン0.13g
を含むイノシン結晶を得た(グアノシン含量0.015
%)。収率95.3%。
実施例2 5′‐イノシン酸10.0gおよび5′‐グアニル酸10.0g
(5′‐グアニル酸含量50%)を含有する水溶液80mlを
50℃に加熱したのち水酸化ナトリウムで該溶液のpHを9.
5に調節した。次に、フェニルグリオキサル6.3gを添加
して40℃で1時間反応させた。5′‐イノシン酸の溶解
度を低下させるために塩化ナトリウム11.5gを該液に溶
解したのち35%塩酸を滴下してpHを7.0まで下げて5′
‐イノシン酸の中和晶析を行なった。該溶液を5℃まで
冷却し一夜放置した。
析出した結晶(5′‐イノシン酸二ナトリウム)を濾集
し、少量の冷水で洗浄した。最後に乾燥して5′‐イノ
シン酸二ナトリウム6.5gおよび5′‐グアニル酸二ナト
リウム0.5gを含有する5′‐イノシン酸二ナトリウム結
晶7.2gを得た(5′‐グアニル酸含量7.1%)。
一方、液からは次のようにして5′‐グアニル酸を回
収した。即ち、晶析母液66mlに27%水酸化ナトリウムを
添加してpHを11.0に調整し、60℃で1時間加熱してフェ
ニルグリオキサルと5′‐イノシン酸の反応生成物を分
解した。次いで35%塩酸で該溶液のpHを7.5に調整し、
5℃まで冷却して晶析を行なった。
析出した結晶(5′‐グアニル酸二ナトリウム)を濾集
し、少量の冷水で洗浄した。最後に乾燥して5′‐グア
ニル酸二ナトリウム4.7g、および5′‐イノシン酸二ナ
トリウム2.6gを含有する5′‐グアニル酸二ナトリウム
結晶8.1gを得た。
実施例3 イノシンの酸分解法で製造したヒポキサンチンの粗結晶
15.0g(ヒポキサンチン13.5gおよびグアニン0.4g含有
(グアニン含量2.88%))を水300mlに溶解し、水酸化
ナトリウムでpH10.0に調整した。該液を40℃に加熱後、
ピルビンアルデヒド0.81gを添加し40℃で1時間反応さ
せた。反応終了後、35%塩酸を滴下してpH7.0でヒポキ
サンチンを中和晶析した。該液を5℃まで冷却し、析出
した結晶を濾集し、少量の冷水で洗浄した。
得られた結晶はヒポキサンチン11.6gおよびグアニン0.0
3gを含有したヒポキサンチン結晶であった(グアニン含
量0.26%)。収率85.9%。
実施例4 5′‐グアニル酸1.9gおよびグアノシン2.1gを不純物と
して含有する5′‐イノシン酸及びイノシン粗結晶混合
物25.0gを水150mlに溶解し、27%水酸化ナトリウムでpH
10.0に調整した。該溶液を35℃に加熱したのち、ケトキ
サル(〔I〕式でR=CH3(H5C2O)CHのもの)3.0gを添加
し、40℃、30分間反応させた。反応終了後35%塩酸該溶
液のpHを7.6に調整し、5℃まで冷却して析出した結晶
を濾集した。得られた結晶は5′‐イノシン酸及びイノ
シンを合わせて16.7g含有しており、不純物として5′
‐グアニル酸0.20gおよびグアノシン0.14gを含んでい
た。収率79.5%。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グアニン、グアノシン及びグアニル酸より
    選ばれる1以上の物質とヒポキサンチン、イノシン及び
    イノシン酸より選ばれる1以上の物質とが存在する溶液
    に、下記〔I〕式で表わせる化合物を加えて該化合物と
    グアニン、グアノシン、グアニル酸より選ばれる1以上
    の物質との付加化合物を生成した後に、ヒポキサンチ
    ン、イノシン及びイノシン酸より選ばれる1以上の物質
    の晶析を行ない、晶出したヒポキサンチン、イノシン及
    びイノシン酸より選ばれる1以上の物質を採取すること
    を特徴とするヒポキサンチン及びその誘導体とグアニン
    及びその誘導体との相互分離方法。 〔I〕式: 但し、RはH,CH3,C6H5又はCH3(H5C2O)CHを示す。
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