JPH0692320B2 - 不溶性ヒアルロナン、溶解性ハイラン及びそれらの塩に基づく徐放性製剤とその製造法 - Google Patents

不溶性ヒアルロナン、溶解性ハイラン及びそれらの塩に基づく徐放性製剤とその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、不溶性ヒアルロナン、溶解性ハイランのよ
うなその誘導体及びそれらの塩類に基く徐放性製剤、そ
の製造法並びにその使用に関する。
ヒアルロン酸(“HA")は、周知の天然に存在するポリ
サツカライドで、1−>4結合した繰り返しN−アセチ
ル−D−グルコサミンとD−グルクロン酸モノサツカラ
イド単位と1−>3グリコシド結合したジサツカライド
を含有する。ポリサツカライド類に対する一般に受け入
れられた命名法によれば、用語“ヒアルロナンhyaluron
an"が“ヒアルロン酸”に代つて多く用いられるように
なつてきている。ここで使用するヒアルロナンには、ヒ
アルロン酸、ナトリウム塩のようなその塩類が含まれ
る。ハイランは厳密にいえばヒアルロナンではない。し
かし、この発明の明細書の目的では、これら2つの用語
は、この発明に関してのこれらの用途及び適用が交換で
きるものであるため、交換できるように用いられる。ハ
イランは、ヒアルロナンの架橋したしかしそれにもかか
わらず溶解性である誘導体であり、その製法は1985年3
月12日に出願した米国特許出願710,929号(米国特許第
4,713,448号)に詳述されている。簡単にいえば、ハイ
ランはヒアルロナンをその場、すなわち組織から抽出す
る前の動物組織中で架橋反応に付すことにより作られ
る。このものは、架橋の性質にもかかわらず溶解性であ
る。これは、架橋の程度が、より伝統的な架橋ヒアルロ
ナンに比して比較的低いからである。ヒアルロナンは、
通常ナトリウム塩として存在する。ヒアルロナンの分子
量は一般に50,000〜8×106の範囲内で時により高い。
ヒアルロナンは、細胞外マトリツクスの主成分の一つで
あり、滑液や眼の硝子液のような組織中に多く見出され
ている。ヒアルロナンとその塩類は、水又は生理食塩水
中で非常に粘稠で弾性の溶液となる。
ヒアルロナンは、天然に存在するポリマーであるので、
生体に注入したとき異質体反応を起さず、生体適合性が
優れている。このような性質と公知の粘弾性との組合せ
で、ヒアルロナンを生体医学分野での使用を可能にす
る。従つて、ヒアルロナンのナトリウム塩の1%溶液
(商品名:ヒーロンHealon)は、眼のビスコサージエリ
ー(visco-surgery)に用いられている(L.A.Pape&E.
A.Balazs,Ophthalomology,87,No.7,1980)。ヒアルロナ
ンは、各種の重合性材料に生体適合性を付与するのにも
用いられる。(E.A.Balazs&A.Leshchiner,米国特許第4
500676号(1985年))。
一つの観点によれば、この発明は、不溶性ヒアルロナン
又は溶解性ハイラン、又はそれらの塩と、少なくとも1
つの生化学又は薬理学的活性を有する物質を含有する水
溶性製剤に関する。
他の観点によれば、この発明はヒアルロナンと、これと
共重合しうる少なくとも1つの他の親水性ポリマーの架
橋ゲルで、生化学又は薬理学的作用を有する少なくとも
1つの物質を含有するものを提供するものである。
なお他の観点によれば、この発明は上記の製品の製法に
関し、最後に、この発明は上記製品の使用法を提供する
ものである。
この発明は、不溶性ヒアルロナン又は溶解性ハイランに
基づく徐放性製剤に関する。両ケース共、非修飾もしく
は修飾したヒアルロン酸が、製剤から薬剤を徐放する賦
形剤として役立つ。
この発明による徐放性製剤は次の場合を含む。
1.薬剤物質が溶解又は分散されている溶解性ハイラン溶
液、 2.薬剤物質が分散され、巨大分子“ケージ(cage)”を
形成する架橋ヒアルロナンゲル、 3.薬剤物質が分散され、ヒアルロナンと少なくとも1つ
の他の親水性ポリマーの架橋混合ゲル、 4.ヒアルロナン又はヒアルロナンと少なくとも1つの他
の親水性ポリマーの架橋ゲルで、ヒアルロナン又は他の
ポリマーの巨大分子に共有結合で付いている薬剤物質を
含有するもの。
この発明による製品の薬剤成分としては、生化学又は薬
理活性を有し、かつ通常薬剤と考えられるどのような物
質も使用できる。この物質は、水性媒体に溶解するもの
でも溶解しないものでもよい。また、比較的低分子量の
ものでも、高分子量のものでもよい。薬剤は、最終品の
使用目的に従つて選択すべきことは明らかであろう。さ
らに、1以上の薬剤物質を組合せて、この発明による製
品に用いることができると理解されるべきである。
上記したように、この発明の製品に薬剤放出性を与える
高分子成分は、水性媒体での溶解性を異にする各種の形
のヒアルロナン又はハイラン並びにヒアルロナンと他の
親水性ポリマーの組合せである。
我々は、ハイランの溶液が上記の放出性を与えることが
できることを見出した。ハイランで最も高重合した形、
たとえば分子量が8×106を越えるものが、顕著な粘弾
性を示す水又は生理食塩水の溶液を作る。
医薬物質をこの溶液に溶解又は分散すると、その拡散が
実質的に遅くなり、これがこのような形の放出性に寄与
する。カチオン基を含む薬剤では、カルボキシル基を有
するハイラン巨大分子とこの薬剤との間でのイオン交換
が起り得、この交換が、製剤からの薬剤の拡散を一層遅
くする。
上記したハイラン溶液は、また所謂酸パテ(putty)を
含む〔Balazs,A.E.,Fed.Proc.Vol.25,No.6,1817〜1822
(1966)〕。溶解性ハイラン及びヒアルロナンは、非常
に弾性でその溶液のpHが2.5あたりのとき殆んど硬いも
のであることが知られている。このパテの硬度は、溶液
中における溶解性ハイラン及びヒアルロナンと食塩の濃
度及び温度に主によるものである。このパテは、その密
度にかかわらず溶液と考えるべきである。これは、水で
一定の希釈でき、普通の溶液の性質をもった希釈液を与
えるからである。我々は、溶解性ハイラン及びヒアルロ
ナンの酸パテを形成する能力が、薬剤放出性をもつ製品
を得るのに簡便に使用できることを見出した。しかし、
これらの製品は、全く酸性であるのである場合のみに用
いうることを理解すべきである。
製品中の溶解ポリマーに基づくハイラン濃度は約0.05〜
4%(重量)の範囲とすることができ、かつ製品の最終
使用に従ってより高くすることもできる。薬剤濃度は、
巾広く変えることができるが、薬剤の溶解性、薬剤の薬
理活性、最終品の所望の効果などに従って選定するのが
好ましい。上記の製品は、注射可能なものとして用いう
るが、非溶解性ヒアルロナンを含有するこの発明の他の
製品は、注射可能な徐放性製剤として実質的に効率的で
ある。この理由により、局所適用の溶解性製品、たとえ
ば点眼剤や皮膚処理用の製品を用いるのが好ましい。
ハイランを含有する点眼剤は、目の表面に長く残留し、
目への薬剤のより長くより均一な作用をもたらすことを
見出した。
この発明による他のタイプの徐放性製剤は、ヒアルロナ
ンの不溶性架橋ゲルに基づくものである。ホルムアルデ
ヒド、エポキシド類、ポリアジリジル化合物、ジビニル
スルホンなどによる架橋ヒアルロナンを用いることがで
きる。好ましい架橋剤はジビニルスルホンである。この
物質は、ヒアルロナンと室温(約20℃)でアルカリ水性
液中で容易に反応し、架橋ヒアルロナンゲルを与える。
このゲルは、水及び水含有媒体中に膨潤する。膨潤比
は、ゲルの架橋度による。ヒアルロナンの分子量、反応
混合物中のヒアルロナンの濃度、アルカリ濃度、ヒアル
ロナンとジビニルスルホンの割合を含む因子を変化さす
ことにより架橋度を調整できることを見出している。こ
の反応は非常に速く、大抵の場合数分以内で強いゲルを
与える。このゲルの膨潤比は、20〜8000とすることがで
き、反応因子によつて、より大きくてもよい。
架橋ヒアルロナンゲルの膨潤比は、同じ反応条件で得た
他のポリサツカライドの架橋ゲルの膨潤比より実質的に
大きいことを見出している。このことはヒアルロナンの
特異な性質(他のポリサツカライドと比較して)とその
水溶液によつて説明できるであろう。水中で、ヒアルロ
ナンの大きな分子が、溶液中で非常に大きな容量をと
る。非常にフレキシブルで、長いランダムコイルを形成
することを見出している。たとえば、生理食塩溶液中の
水和ヒアルロナン分子の比体積は、約2〜6×103であ
る。このことは、ヒアルロナンの全く低い濃度の水溶液
で、立体排出現象がおこり、これは溶液の物理化学的性
質のみならずヒアルロナンと低分子物質の反応に実質的
に影響しないことを意味する。換言すれば、ヒアルロナ
ン溶液の性質は、他のポリサツカライドで起るのとは全
く違った方法で、架橋の程度と架橋ゲルの挙動に影響す
る。
ヒアルロナンが硬度に膨潤した架橋ゲルを与えるという
特異な性質が、ヒアルロナンと他の親水性ポリマーの混
合物から作つた架橋ゲルの性質の修正に影響さす利点と
して用いうることを見出した。これらのポリマーには、
合成又は天然の他のポリサツカライド(たとえばヒドロ
キシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
キサンタンガム、グリコサミングリカン)、各種のタイ
プの蛋白及び糖蛋白(たとえば、コラーゲン、エラスチ
ン、アルブミン、グロブリン等)、硫酸化蛋白、合成水
溶性ポリマー(たとえばポリビニルアルコールとそのコ
ポリマー、ポリ(ヒドロキシエチル)メタクリレートの
コポリマー等)がある。換言すれば、水又は水性アルカ
リ液中で溶解し得、ジビニルスルホンすなわちヒドロキ
シ、アミノ又はスルフヒドリル基と反応しうる基を含有
するどのようなポリマーも、ヒアルロナンの高度に膨潤
した架橋混合ゲルを得るのに用いることができる。
架橋ヒアルロナンゲル又はヒアルロナンと他のポリマー
のゲルを得る簡便な方法は、乾燥ポリマー製品、すなわ
ち、フイルムの形で、架橋剤と処理し、次いで生成物を
所望の媒体に膨潤さすことからなるものである。かくし
て、ヒアルロナンはヒアルロナンと他のポリマー(又は
ポリマー類)の混合物から作つた乾燥フイルムを、水と
ヒアルロナンを溶解せず架橋剤に不活性な溶媒(たとえ
ばアセトン)の混合物中のビニルスルホン液で処理する
ことにより架橋できる。水と有機溶媒の割合を変えるこ
とにより、架橋フイルムの水中での膨潤比を簡便に調節
できる。しかし、これらの架橋生成物の膨潤比は、ヒア
ルロナン又はそれと他のポリマーとの溶液中で架橋させ
て得たゲルより通常実質的に少ない。
この発明による架橋ゲルは、そのまま又は、高分子多孔
質スポンジ、ガーゼ、高分子フイルムなどのような各種
支持体又は基質と組合せて用いることができる。
上記したヒアルロナンのゲル又はヒアルロナンと他のポ
リマーとのゲルは、薬理又は生理活性を有する物質を負
荷すると優れた徐放性製剤になることを見出した。
架橋ヒアルロナン(単独又は他のポリアニオンもしくは
中性ポリマーとの共架橋)は、所謂“分子ケージ(mole
cular cage)”を形成する。このケージに、各種の薬理
又は生化学活性を有する親水性又は疎水性分子が分散で
きる。したがつて、このケージは、各種分子サイズの物
質に対する貯蔵部を構成する。分子ケージの領域に含ま
れた物質は、それからの拡散によつて環境に放出されよ
う。放出過程は、排除量効果(exclusion volumeeffec
t)や分子ケージの細孔の大きさのような因子、及び高
分子網状構造とその中に含有された物質間の分子相互作
用により調節される。かくして、分子ケージは、薬剤又
は他の物質の皮膚又は他の組織への放出コントロールを
する貯蔵部を形成することになる。
薬剤とゲルを結合させるのには数種の方法があり、従つ
て数種の製品が得られる。
その方法の1つは、ゲルを薬剤の溶液に入れ、薬剤をゲ
ルに拡散さすことからなる。拡散工程は、通常ゆつくり
としており、薬剤濃度、溶液の温度、ゲル粒子の大きさ
等に従属する。この方法で得られる製品は、薬剤物質が
均一に分散されているゲルである。
同じタイプの製品を、ヒアルロナンゲルを脱水し、これ
を薬剤溶液中で再膨潤させて得ることができる。ゲルを
脱水するには、水混和性有機溶媒を用いるか、又は乾燥
によつて行うことができる。しかし、低温又は高めた温
度で乾燥した後のゲルは当初の程度の膨潤に再膨潤さす
ことができないので、溶媒を用いるのが好ましいことを
見出した。一方、ゲルを溶媒で脱水した後は、処理前と
同じ量に膨潤する。好ましい溶媒は、エタノールやイソ
プロパノールのようなアルコール、アセトンのようなケ
トンであり、他の溶媒も用いることができる。
上記のタイプの製品を得る他の方法は、架橋反応をヒア
ルロナンの比較的高濃度液で行いそれから得られる濃ヒ
アルロナンゲルを薬剤物質の溶液に膨潤させることから
なる。
これら3つの方法は、本質的に同じ製品を与えるが、各
方法は、他の方法と比較したとき、特定の製品を得るの
にそれぞれ有利であり、薬剤の性質、製剤における薬剤
の所望濃度、放出速度等のパラメーターを考慮して、方
法の選択をするのが望ましい。
この発明による他のタイプの徐放性製剤は、薬剤が、ゲ
ルを形成するヒアルロナン及び/又は他のポリマーの巨
大分子に共有結合されているものである。この徐放性製
剤は、上記のタイプより放出速度が実質的に遅い特徴を
有する。この徐放性製剤からの薬剤の放出は、生体内で
行われる多数の代謝工程の結果のように、ゲルが生体で
分解されて生じる。この分解工程は、拡散より通常ゆつ
くりしておりこの発明の他のタイプの製品を提供する。
しかし、分解工程の速度は、ゲル中の架橋の密度の調整
を含む数種の手段や、ヒアルロナンより生体で容易に分
解されるポリマー、例えば蛋白とヒアルロナンを共架橋
させることにより調節できる。混合ゲル中のかようなポ
リマー成分の濃度を変えることによって、分解速度、従
つて薬剤放出速度を簡便に調節できる。
このタイプの製品の他の可能な例としては、薬剤のポリ
マー分子への結合に、生理環境下で加水分解速度を調節
できる化学結合を用いるものである。
このタイプの製品を得るには、架橋剤と反応しうる薬剤
物質を用いることである。この場合、薬剤のポリマーへ
の結合は、ゲル形成に使用される架橋反応中に生ずる。
他の方法は、架橋ゲルを形成後に、化学修飾するもの
で、ヒアルロナンの反応性水酸基又はヒアルロナンと共
架橋させるポリマーの反応性基を用い、これに化学反応
で薬剤物質を結合させることからなるものである。代り
に、付加的な反応性基を架橋ゲルに化学的処理を行つ導
入し、ヒアルロナン又は共架橋ポリマーの巨大分子に影
響させ、この新たに導入された反応性基に薬剤を結合さ
せればよい。
この発明による徐放性製剤は、通常の薬剤が使用される
適用に用いることができる。たとえば注射可能又は注入
可能なものとして、眼科及び皮膚科領域における局所用
製剤として用いられる。これらの製品の第1の利点は、
製品のポリマー成分、すなわち不溶性ヒアルロナン又は
溶解性ハイランが顕著な生体適合性を有し、ヒトに使用
しても併発症の原因とならないことである。高分子材
料、スポンジ、ガーゼ等のような他の材料と組合すこと
により、この発明の薬剤放出製品は、避妊用具、創傷用
ドレツシング、薬剤放出パツチ類(ばんそうこう、眼帯
など)等を含む多数の医療具として用いることができ
る。
上記した製品を得る工程を詳述する。
医薬物質が溶解又は分散されるハイラン溶液を得るの
に、通常の方法を用いることができる。何れかの原料か
ら得られるハイラン又はそのナトリウム塩を水又は生理
食塩水に所望濃度に溶解し、次いでその溶液に薬剤を溶
解又は分散する。又は、薬剤の溶液もしくは分散液にハ
イラン溶液を混合する。ポリマー濃度は、製品の最終用
途やハイランの分子量によつて選ばれる。高分子量のポ
リマー、すなわち分子量1×106又はそれ以上のハイラ
ンを使用するのが好ましいことを見出した。この分子量
のハイランの使用可能な濃度は、眼科用液の0.05重量%
のような低いものから、皮膚用製剤の2重量%又はそれ
以上のような高いものまで変えることができる。薬剤濃
度は、製品の所望した活性によつて選ばれる。
上記したように、架橋ゲルを得るのに好ましい架橋剤は
ジビニルスルホンである。架橋ゲルを得るには、何らか
の原料からのヒアルロナン又はそのナトリウム塩を希ア
ルカリ液に溶解する。ヒアルロナンの分子量は50,000〜
8×106でより高くてもよい。分子量は反応に影響し、
分子量が高い程架橋ゲルを得る可能性が高い。
反応混合物中のアルカリ濃度は0.005M〜0.5Mでより高く
てもよい。下限値は、媒体のpHを9より低くしない必要
性から、また上限値はヒアルロナンのアルカリ液中で加
水分解をさけることから決められる。通常、アルカリ濃
度を減少さすとより膨潤比の大きなゲルが得られるが、
これはより少ないジビニルスルホンが架橋反応に関与す
るからであろう。
原料液中のヒアルロナンの濃度は、1重量%〜8重量%
で、より高くてもよい。濃度が下限値より低いと、低い
ヒアルロナン/ジビニルスルホン比でも架橋ゲルを得る
ことができない。濃度が高すぎると、溶液が取扱いが困
難になる程粘稠になる。ヒアルロナン濃度は、実質的に
ゲルの膨潤挙動に影響する。すなわち膨潤比はヒアルロ
ナン濃度とともに通常減少する。
反応混合物中のヒアルロナン/ジビニルスルホン比が、
架橋ヒアルロナンの膨潤比を調節するのに簡便に用いう
る他の因子であることを見出した。この比を増加さす
と、より高い膨潤された柔かなゲルを与え(膨潤比は約
4000及びそれ以上)、この比を減少させると硬いより膨
潤が少ないゲルが得られる。一般にヒアルロナン/ジビ
ニルスルホン比は15:1〜1:5で、より低くてもよい。
架橋反応は普通室温、すなわち約20℃で行われるが、所
望によつてより低いか又は高い温度で行うことができ
る。しかし、ヒアルロナンは、温度を高めるとアルカリ
液中で比較的急速に分解し、分解が起これば分子量の低
下が得られたゲルの性質に影響することを注意すべきで
ある。架橋反応は比較的速く、ヒアルロナン濃度が充分
に高くヒアルロナン/ジビニルスルホン比が低いと普通
数分でゲルが生成する。しかし、反応混合物中のヒアル
ロナン濃度が低くても、ジビニルスルホンを加えて、普
通10〜15分でゲル形成反応が開始される。架橋反応の完
了には、殆んどの場合1時間で充分であることを見出し
ている。
ヒアルロナンと他の親水性ポリマーとの混合架橋ゲルを
得るのに、ヒアルロナン単独のときと同じ反応条件を用
いることができる。このゲルの膨潤比は、ポリマー混合
物中のヒアルロナン含量を変化さすことにより簡便に調
節できる。膨潤比は、普通ヒアルロナン含量を増加さす
と増加する。混合ゲルのポリマー混合物の組成は、架橋
ゲルの膨潤比、生体分解性、所望する薬剤放出の速度等
に従属し、広く変えることができる。混合物のヒアルロ
ナンの好ましい含量は5〜95重量%である。ヒアルロナ
ンと共架橋さすポリマー類の選択は、上記したような多
くの因子を考慮してなさるべきである。
拡散液を用いて架橋し膨潤したゲルに薬剤を詰め込むに
は、ゲルを薬剤液に導入すればよい。この方法の完了時
間は、ゲルの粒子サイズ、ゲルの膨潤比、方法での温
度、撹拌、溶液での薬剤濃度等に従属する。これらの因
子を適当に組合すことにより、膨潤したゲルは、比較的
に短かい時間で薬剤を負荷することができる。
架橋反応後に得られたゲルを薬剤溶液中で膨潤させると
良い結果を得ることができることを見出した。ゲル中に
存在する過剰のアルカリは、塩酸で中和でき塩化ナトリ
ウムを形成する。この塩化ナトリウムは多くの薬剤放出
製品で望まれるか又は少なくとも望まれない物質であ
る。
架橋ゲルを溶媒で脱水するには、何れかの形、例えば微
細粒子又は膜状のゲルを、溶媒好ましくはイソプロパノ
ールのような揮発性溶媒に導入すれば充分である。そし
てゲルから水を除去するのに充分な時間溶媒中に放置す
る。水の除去程度は、粒子サイズ、膜厚、ゲル/溶媒比
などに従属する。溶媒処理は、所望により数回繰り返す
ことができる。溶媒はゲルから常圧又は真空下、室温又
は昇温下で除去できる。このようにして脱水したゲル
を、薬剤溶液に導入すると当初の膨潤比に再膨潤する。
我々は、この方法が架橋ゲルに薬剤を負荷するのに非常
に簡便であることを見出した。
薬剤がゲル形成ポリマーに共有結合した徐放性製剤を必
要とする際は、薬剤をゲル製造中の反応混合物に直接導
入すればよい。本質的に同じ反応条件が使用できる。こ
のような際に適する薬剤は、架橋剤(例えばジビニルス
ルホン)に反応性の基を含有するものである。このよう
な基の例としては、ヒドロキシ、アミノ及びスルフヒド
リル基が挙げられる。抗生物質のゲンタマイシンがこの
方法に用いうる薬剤の例である。
次にこの発明を実施例によつて説明するが、これによつ
て限定されるものではない。
実施例1 この実施例は、ハイラン溶液の薬剤放出能を例証するも
のである。ハイランの涙膜(tear film)崩解時間(bre
ak-up times=B.U.T.)に関する効果を検視するためフ
ルオレツセンをモデル物質として用いた。
ロブスターのかぶと(コウム)から得たハイランのナト
リウム塩の0.15M水性塩化ナトリウム中0.1%溶液を作つ
た。
この溶液に最終のフルオレツセン濃度が0.125%になる
ように乾燥フルオレツセンナトリウムを加えた。同じ塩
化ナトリウム中の0.125%フルオレツセンナトリウム液
を対照として用いた。
2匹のアオタス・トリバルゴトウス(Aotus trivargotu
s)のサルにケタミン(12.5mg/kg)とロムパン(2mg/k
g)を筋注して麻酔し保存した。麻酔した各サルを固定
した。0.125%のフルオレツセンナトリウムを含有する
平衡させた塩溶液(BSS)の10μlの1滴を局所天滴し
てまぶたを開かせた。色素を分布さすため手で2回まば
たきさせ、対照測定用に開かせて、第2のまばたき後直
ちにストツプウオツチを作動させた。目の涙フイルムを
破れ消失するまで、ブルーのフイルター(ニコンのスリ
ツトラツプ)を用いる暗所でのブロードビームスリツト
で走査した。この点でストツプウオツチを止め、時間を
記録した。
対照のB.U.T.を測定した後、対照と同じ技法を用い、同
じサルで0.1%ハイラン/0.125%フルオレツセン液をテ
ストした。
涙膜崩解時間値(B.U.T.)は表1に示す。SEM=平均値
の標準誤差,BSS=平衡させた塩溶液。
このデータは、眼の液中にハイランが存在すると涙膜が
角膜をカバーする時間を増大し、そのためこの液中でハ
イランと結合した分子の利用性が増大することを示す。
実施例2 この実施例は、サリチル酸を含有するハイランパテの製
造を示す。
2%ハイランのナトリウム塩を0.2N水性水酸化ナトリウ
ム液中で作る。この液50ml中にサリチル酸1.38g(0.01
M)を撹拌し、混合物2.5mlの4N水性水酸化ナトリウムを
加え、次いで少過剰の酸(約0.2ml)を加え混合物のpH
を約2.5とした。
得られた製品は、細かく分散したサリチル酸が均一に分
布された非常に弾性のあるハイランパテであつた。この
製剤は、皮膚の上に薄い層として塗布することができ、
サリチル酸を皮膚へゆつくり放出させるのに用いうる。
実施例3 この実施例は、ハイラン溶液から、放射能をラベルした
セロトニン〔N−ヒドロキシトリプタミン・ビノキソレ
ート,5-〔1,2-3H(N)〕〕の緩和な放出を示す。
ロブスターのかぶとから得たハイランのナトリウム塩の
0.1%水溶液を作り3H−セロトニン(1μCi/ml,3H−セ
ロトニンの最終濃度=40nM)と混合した。5mlの3H−セ
ロトニン/0.1%ハイランナトリウム塩溶液を透析チユー
ブ(10,000分子量をカツトオフ)に入れ、500mlの蒸留
水を含むビーカーに入れて、40nM3H−セロトニンの水溶
液5mlを、第2のビーカー中500mlの蒸留水に対し透析さ
せた。3時間までの一定の時間ごとに各ビーカーから、
0.05ml分を3組取り出し、24時間で1つを取り出し、透
析内容物を分析した。
0.1%ハイランナトリウム塩溶液とラベルした薬剤混合
物について、放出速度(μCi/時/ml)と放出%は、0.10
8(10分)と23%、0.096(60分)と14.6%、0.084(120
分)と27%、3時間での放出平均速度は0.098±0.032で
放出薬剤の33.7%であつた。24時間後にハイラン液中に
残存する添加薬剤は20%(0.78μCi)であつた。
ラベル化薬剤の水溶液について、放出速度(μCi/時/m
l)と放出%は、3.42(10分)と14.3%、0.204(60分)
と47.7%、0.16(120分)と70.4%である。3時間での
放出平均速度は0.303±0.192で薬剤の82.2%が放出され
た。24時間の時点で、薬剤の2%が透析バツクの中に残
渣した(98%放出)。
この結果は、薬剤の混合物にハイランが存在すると放出
速度がほぼ10倍減少することが分る。
実施例4 この実施例は、特定の形の架橋ヒアルロナンゲルを得る
例を示す。
ロブスターのかぶとから得たヒアルロナンのナトリウム
塩(NaClの0.15M液中の本来の粘度〔η〕3850、分子量
約2.5×106)の0.3410g0.2MNaOH液の8.1840gと混合し、
30分撹拌して、4重量%液を得る。次いで0.0721gのビ
ニルスルホンをこの溶液中に加え撹拌した。ヒアルロナ
ン/ジビニルスルホンの重量比は約4.7であつた。約15
分で強いゲルを形成した。このゲルを1時間放置し、1
の蒸留水に入れた。1夜放置して、ゲルを膨潤させ
た。次いで、水中で激しく撹拌して、小さな粒子にし
た。ゲル分子を濾過、数回水洗した。無色で水澄明粒子
を得た。ゲルの膨潤比を測定するため、約1gの評量サン
プルをガラスフイルター中3000rpmで2時間遠心分離し
た。次いで、フイルター上に残存した粒子を1NH2SO4
2mlで95〜98℃で3時間加水分解した。得られた澄明液
を冷却し1NNaOHの2mlで中和し、グルクロン酸含量をカ
ルバゾール法〔ヘキスウロン酸の自動測定法、Analytic
al Biochemistry 2,517〜558(1965)〕で測定した。
原料ゲル中のヒアルロナン含量を算出し、膨潤比を100/
〔ヒアルロナン〕%として表わした。但し、〔ヒアルロ
ナン〕%は膨潤ゲル中のヒアルロナンのパーセント。
ゲルの水中での膨潤比は820であつた。
実施例5 この実施例は、拡散法による、ヒアルロナンゲル粒子の
生理活性物質への負荷と、製品からのこの物質の緩和な
放出を示す。
この実験では、放射能ラベル化物質のヒドロキシトリプ
タミン・ビノキソレート、5-〔1,2-3H‐(N)〕を用い
た。実施例4に従つて得た架橋ヒアルロナンゲル粒子の
5mlと、この物質の40μM液5μlと混合し、混合物を
4時間放置した。次いで、混合物を透析チユーブに入
れ、0.15MNaCl水に対し24時間透析した。ラベル化物質
と架橋ゲルの混合物に対し、ラベル化物質の当初量の54
%が透析チユーブに残つた。一方、対照として用いた同
じ物質の水溶液では10%だけが残存した。これは、ヒア
ルロナンの架橋ゲルが低分子物質放出を5倍以上の因子
で遅くすることを意味する。
実施例6 この例は、ヒアルロナンゲル粒子に生理活性物質を脱水
によつて負荷し、製品からのゆつくりした放出を例証す
るものである。
実施例4に従つて得たヒアルロナンゲル粒子を用い、そ
の50mlにエチルアルコール100mlを混合し、6時間放置
した。次いで、縮少したゲル粒子を濾過で分離し、50ml
のエチルアルコールと混合し、4時間放置した。この粒
子を分離し、真空下室温(約20℃)で1時間乾燥した。
乾燥粒子を3H−セロトニン(1μCi/ml)の40nM水溶液5
0mlと混合し、4℃で4時間放置した。再膨潤ゲルの容
量は50mlであつた。2.5mlのゲル粒子/ラベル化薬剤混
合物を500mlの水に対し透析に付した。40nMラベル化セ
ロトニンの水溶液を作り、第2のビーカー中で500mlの
水で透析に付した。
ビーカーからのアリコートを規定のインターバルで取
り、48時間の期間中に放出された薬剤の量を測定するた
め放射能を測つた。
ゲル粒子/ラベル化薬剤の混合物に対し、1時間、24時
間及び48時間におけるそれぞれの薬剤のパーセント放出
は、33%、65%及び93%で、一方ラベル化薬剤の水溶液
はほんの4時間後に95%の薬剤を放出した。この結果
は、ヒアルロナンゲル粒子が、水性媒体中にこの薬剤の
放出速度を著しく減少さす能力のあることを示す。
実施例7 この実施例は、抗生物質のゲンタマイシンを含有するヒ
アルロナンゲル膜の製造と、その膜からの薬剤の放出を
例証するものである。
ロブスターのかぶとから得た空気乾燥したヒアルロナン
のナトリウム塩(約15重量%の水含量)1.60g(極限粘
度数4580cc/g.)を、48mlの0.2N水酸化ナトリウムに約
1時間撹拌して溶解した。0.29gのジビニルスルホンを5
mlの0.2N水酸化ナトリウムに加え、得られる溶液を上記
のヒアルロナンナトリウム塩溶液に加え、約2分撹拌
し、その際液状であつた反応混合物をガラス板上に注
ぎ、約1mm厚みの層とし、約1時間放置した。強い弾性
ゲルフイルムが形成され、これをイソプロパノール/水
(4:1)の混合物に45分間、次いで純イソプロパノール
に30分間つけて脱水した。脱水したフイルムを最初に空
気中30分、次いで真空下室温で30分間乾燥した。この乾
燥した乳白色の脆いフイルムの1cm2に、ゲンタマイシ
ンをリン酸緩衝液に溶解した液(5mg/ml)の0.5mlを置
き、4℃で18〜24時間インキユベートしてゲンタマイシ
ンを負荷した。
この処置後、各1cm2のフイルムを10mlの0.15MNaClで洗
い、このフイルム片を抗菌活性アツセイ(E.コリに対
し)して、フイルムが保持した抗菌性(効果の長さ)を
測定した。
このアツセイでは、不溶性ヒアルロナン膜/ゲンタマイ
シンのサンプルを、24の凹付フアルコンプレート(1.8c
m直径の凹部当り2ml容量)の凹部に形成した寒天(MC
A)表面に置いた。フイルムを塗布後直ちに、寒天くぼ
みに107希釈の24時間ペンアツセイエシエリヒア・コリ
培養物の0.10mlを加えた。対照は、寒天くぼみにゲンタ
マイシン液(10μg)とE.コリ、寒天くぼみにE.コリの
み、寒天くぼみに緩衝液とE.コリであつた。
37℃で24時間後に、細菌と不溶性ヒアルロナン膜/ゲン
タマイシンの全てくぼみは、細菌集落がなく、対照くぼ
み(±緩衝液)は10≧100集落で、ゲンタマイシンとE.
コリのくぼみは細菌を認めなかつた。
この同じ不溶性ヒアルロナン/ゲンタマイシンフイルム
を新しい寒天くぼみに入れ、新しい細菌を接種した。対
照は上記と同じである。24時間後に、各くぼみの細菌の
発育を検査した。細菌の発育のなかつた場合、各24時間
の間隔で不溶性ヒアルロナン/ゲンタマイシンフイルム
を新しいくぼみに移した。
これらの実験で、不溶性ヒアルロナン膜/ゲンタマイシ
ンサンプルは、満3日間(3回の移行)細菌の発育を阻
止し、不溶性ヒアルロナン膜が3日に渡つて使用抗生物
質の生理的有効量を徐々に放出することを示した。
実施例8 この実施例は、ヒアルロナンとコンドロイチン硫酸塩を
含有する混合ゲル膜に、ゲンタマイシンを負荷したもの
の製造並びにこの膜からの薬剤の放出を示すものであ
る。
ロブスターのかぶとから得たヒアルロナンのナトリウム
塩(極限粘度数3100cc/g.)の約1gを約45分で0.2N水酸
化ナトリウム40mlに溶解し、この溶液に約1.0gのコンド
ロイチン硫酸塩(シグマ社、混合異性体、グレードII
I)を溶解し、約15分間撹拌した。次いで、0.2NのNaOH
9.0mlに0.35gのジビニルスルホンを溶解した液を上記の
ポリマー液に加え約5分間撹拌した。液体である反応混
合物を、ガラス板上に1mmの薄い層として成形し、1時
間放置した。得られた強いゲルフイルムを最初にイソプ
ロパノール中30分、次いで新しいイソプロパノールに変
えて30分間保持した。脱水フイルムを空気中で約8時
間、50℃の真空下で3時間乾燥した。得られた乾燥乳白
色のフイルムを1cm2片にカツトし、0.1%125I−ゲンタ
マイシン含有のゲンタマイシン溶液(1mg/ml)の1mlに4
0℃で18〜24時間入れた。その後0.15MNaCl溶液10mlで洗
い、次いで0.15MNaCl溶液の10mlを入れたビーカー中に
置く。10μlのアリコートを間隔をおいて採取し、放射
能(125I)をガンマカウンターで測定した。室温で24時
間後に、1cm2不溶性ヒアルロナン/CS膜/ゲンタマイシ
ンは、元のゲンタマイシンの71%放出し、72時間後には
83%が放出された。ほぼ17%(1.65)のゲンタマイシン
が、不溶性ヒアルロナン/CS膜に会合して残存した。こ
の結果は、ゲンタマイシンが、不溶性ヒアルロナン−コ
ンドロイチン硫酸塩膜からゆつくりした速度で放出され
うることを示す。
実施例9 この実施例は、ゲンタマイシンがポリマーに共有結合し
た架橋ヒアルロナンゲルとそのゲルからのゲンタマイシ
ンの放出を例証するものである。
0.52gのヒアルロナンのナトリウム塩を約1時間かけて
0.2N水酸化ナトリウム19.4mlに溶解し、0.52gのゲンタ
マイシン硫酸塩をその溶液に加えて撹拌し、混合物のpH
を上げるため、4N水酸化ナトリウム1.0mlを加えた。得
られた均一の溶液に、1.0mlの0.2N水酸化ナトリウム中
0.23gのジビニルスルホン含有の溶液を加え、混合物を
約5分間撹拌した。なお液状である混合物をガラス板上
で、1mm厚のフイルムとして成形し、1時間放置した。
得られたゲルフイルムを30分間イソプロパノール−水
(9:1)混合物中で、次いで30分間純イソプロパノール
中で処理し、30分間空気中で乾燥し、最後に室温で真空
下60分乾燥した。得られた乾燥乳白色フイルムを50mlの
0.15MNaCl水中に入れ、4℃で24時間インキユベートし
た。
このNaCl洗液を第2の50mlのNaCl洗液に置き換え更に24
時間インキユベートした。これをもう一回繰り返した。
次いで、1cm2片のゲンタマイシン−不溶性ヒアルロナ
ンを、E.コリを接種(24時間ペンアツセイ培養物の107
希釈を0.1ml)した1.8cmの寒天くぼみに置いた。37℃で
24時間後に、E.コリ集落形成の75%が阻止された。フイ
ルムを各24時間期間で、新鮮な細菌含有寒天くぼみに移
行(4日迄で、それ以上は行わなかつた)した。48時間
と72時間では、95%の細菌発育阻止がみられた。この結
果は、架橋ヒアルロナンゲルに共有結合したゲンタマイ
シンは、37℃で4日間生理活性を残存したことを示す。
実施例10 この実施例は、マイドリアシル(mydriacyl)を負荷し
た軟ヒアルロナンゲルの製造と、眼科適用における該試
薬の放出を例証するものである。
ロブスターのかぶとから得たヒアルロナンのナトリウム
塩(極限粘度数4500cc/g.)の0.58gを20mlの水と混合
し、約20時間膨潤させた。次にこの混合物に、2mlの2N
水酸化ナトリウムを加え、約10分の撹拌で均一な溶液と
なり、2.4mlの水中の0.10gのジビニルスルホンを加えて
撹拌した。混合物を70分放置し、得られたゲルをバイオ
トリス緩衝液(リン酸塩緩衝の0.15M NaCl,pH約7.2)の
223ml中に入れ、3時間膨潤させた。
次に混合物に1mlの2N HClを加えた。1時間後に、0.6ml
の2N HClを加え、16時間放置した。0.35mlの2N HClを加
え、膨潤ゲルを緩衝液中3日間ゆつくり撹拌した。均一
な粘弾性の柔かなゲルが得られ、これを0.15M NaClで5
日間透析した。ゲル中の架橋ヒアルロナンの濃度は0.21
%であつた。このゲルを、緩衝食塩水中の1%マイドリ
アシル(トロピカミド)と混合して、マイドリアシルの
最終濃度0.5%とした。緩衝食塩水中の0.5%マイドリア
シルを対照とした。この薬剤を加えない緩衝食塩水を負
の対照とした。
ニユージーランド白色兎(12匹)を抑制箱に入れ、マイ
クロメーター具備のアメリカン光学スリツトランプを用
いて、ベースラインの瞳孔直径を測定した。各テストサ
ンプルの50μlを一つの目に点眼し、対照液の50μlを
他の目に点眼した。瞳孔サイズを一定の間隔で450分迄
測定した。瞳孔直径の平均増加は、3.2mm±0.80(n=1
2)であつた。マイドリアシル溶液を与えた兎は、この
値の50%以上を160分保持し、その後瞳孔サイズを急速
に減少し、ほぼ240時間で正常にもどつた。
不溶性ヒアルロナンゲル中のマイドリアシルを与えた兎
では、50%以上の瞳孔サイズ増大が平均340分保持さ
れ、ヒアルロナンゲルなしでマイドリアシル液を与えた
兎の目で観察した減少速度と比較して、瞳孔サイズの減
少はよりゆるやかであつた。
この結果は、薬剤とヒアルロナンゲルとを組合すと、目
の表面に局所投与した場合に薬剤の有効期間を有意に延
長することを示している。
実施例11 この実施例は、多孔性ポリマースポンジに固定化した不
溶性ヒアルロナンの製造と、この製品からの薬剤の放出
を例証する。
ロブスターのかぶとから得たヒアルロナンのナトリウム
塩(極限粘度数4900cc/g.)の0.32gを13mlの0.2N NaOH
に溶解し、2.5重量%の溶液を得る。1mlの0.2N NaOH中
0.08gのジビニルスルホン液を加え、混合物を約5分間
激しく撹拌した。ポリウレタン製の円筒形多孔性スポン
ジを、なお液状である反応混合物中に浸し、多孔から空
気を除去するため混合物中で数回しぼり、5分間放置し
た。次いで混合物からスポンジを除去し、反応混合物を
多孔の内でゲル化させるため1時間放置した。多孔にゲ
ルが充填されたスポンジを0.15M水性食塩水に入れ、24
時間保持した。最後に、スポンジを空気中で30分間乾燥
した。かくして得られたスポンジを5mlの40nM3H−セロ
トニン(1μCi/ml)中で40℃で24時間インキユベート
した。その後、各スポンジを10mlの水に3回浸し、50ml
の蒸留水入りビーカーに入れた。0.05mlの水培地アリコ
ートを3組一定間隔で96時間まで除去し、放射能を液体
シンチレーシヨンカウンター中で測定した。ラベル化薬
剤の放出%を総吸収から測定した。
固定化不溶性ヒアルロナンゲルをもつスポンジから、薬
剤の0.5、1、4、72及び96時間における放出%は、3.8
%、4.9%、8.8%、53%及び62%であつた。平均放出速
度は2.03%/時/スポンジ±1.18%であつた。
対照(未処置スポンジ)については、0.5、1、4、72
及び96時間の放出%は、それぞれ38.7%、45.1%、54
%、92%及び92%であつた。平均放出速度は26.8%/時
/スポンジ±40.8%であつた。
この結果は、固定化不溶性ヒアルロナンゲルは、ラベル
化薬剤の平均放出速度において20倍の減少を生じ、スポ
ンジからの薬剤の放出速度の変動を減少していることを
明白に示すものである。
実施例12 この実施例は、綿ガーゼに不溶性ヒアルロナンゲルフイ
ルムを固定化したものの製造と、この系からの薬剤の放
出を示す。
ロブスターのかぶとから得たヒアルロナンのナトリウム
塩((極限粘度数4900cc/g.)の0.2重量%溶液を水−イ
ソプロパノール混液(90/10)中で作つた。この液に、
漂した綿ガーゼの片を浸し、空気中で2時間乾燥した。
この操作をもう1回繰り返した。ポリマーフイルムを有
するガーゼを、アセトン70(重量%)、水30、0.2N水酸
化ナトリウム4、ジビニルスルホン1.6の組成の混合物
中に浸し、30分間保持した。次いで、溶液から、ガーゼ
を取り出し、空気中で60分間乾燥し、アルカリと他の溶
解性物質の除去のため水に入れ、架橋不溶性とヒアルロ
ナンコーテイングを膨潤させた。
かくして得たガーゼを風乾し、1cm2片にカツトした。
各サンプルを、ゲンタマイシン/125I−ゲンタマイシン
(最終ゲンタマイシン濃度は1mg/ml)の溶液に入れた。
4℃で18〜24時間インキユベーシヨン後に、各1cm2
を10mlの0.15M NaClで洗い、20mlの0.15M NaCl中に入れ
た。媒体の0.1mlアリコートを1、2、4、24、48及び9
6時間時に採取した。この不溶性ヒアルロナン/ガーゼ
サンプルは、固定化ゲンタマイシンを24時及び96時にお
いて6.3%と11.4%放出した。対照ガーゼは同じ時間の
インターバルで11.2%と20%を放出した。
この結果は、不溶性ヒアルロナンを綿ガーゼに固定化す
ることにより、抗生物質のゲンタマイシンのような薬剤
の放出速度をかなり減少(約50%)しうることを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ナンシー イー.ラーセン アメリカ合衆国、ニユー ジヤージー、リ ツジフイルド、スコツト コート 11 (56)参考文献 欧州特許出願公開161887(EP,A)

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不溶性ヒアルロナン又は溶解性ハイランで
    ある高分子成分と生物学的又は薬理学的活性を有する物
    質の少なくとも1種の選択した量からなる徐放性製剤。
  2. 【請求項2】高分子成分が、溶解性ハイランであって、
    その水性溶液からなる特許請求の範囲第1項記載の徐放
    性製剤。
  3. 【請求項3】生物学的又は薬理学的活性を有する物質
    が、水性溶液に溶解又は分散されている特許請求の範囲
    第2項記載の徐放性製剤。
  4. 【請求項4】溶液が粘弾性のパテである特許請求の範囲
    第2項記載の徐放性製剤。
  5. 【請求項5】溶解性ハイランの濃度が約0.05〜4%(重
    量)である特許請求の範囲第2項記載の徐放性製剤。
  6. 【請求項6】注射しうる製品の形である特許請求の範囲
    第2項記載の徐放性製剤。
  7. 【請求項7】局所用製品の形である特許請求の範囲第2
    項記載の徐放性製剤。
  8. 【請求項8】点眼剤の形である特許請求の範囲第7項記
    載の徐放性製剤。
  9. 【請求項9】溶解性ハイランが少なくとも約1×106
    分子量を有し、溶解性ハイランの濃度が約0.05〜2%
    (重量)である特許請求の範囲第7項記載の徐放性製
    剤。
  10. 【請求項10】生物学的又は薬理学的活性を有する物質
    が、セロトニンである特許請求の範囲第1項記載の徐放
    性製剤。
  11. 【請求項11】生物学的又は薬理学的活性を有する物質
    が、サリチル剤である特許請求の範囲第1項記載の徐放
    性製剤。
  12. 【請求項12】不溶性ヒアルロナンが、ヒアルロナンの
    架橋ゲル又はヒアルロナンと少なくとも1つの他の親水
    性ポリマーの架橋ゲルである特許請求の範囲第1項記載
    の徐放性製剤。
  13. 【請求項13】他の親水性ポリマーが、ジビニルスルホ
    ンと反応しうる官能基を有するようなポリマーである特
    許請求の範囲第12項記載の徐放性製剤。
  14. 【請求項14】他の親水性ポリマーが、ヒドロキシエチ
    ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタ
    ンガム、グリコサミノグリカンからなる群から選ばれた
    天然又は合成ポリサツカライド、コラーゲン、エラスチ
    ン、アルブミン、グロブリン、ケラチン硫酸塩、硫酸化
    アミノグリコサミノグリカンからなる群から選ばれた蛋
    白又は糖蛋白、ポリビニルアルコール、その共重合体、
    ポリ(ヒドロキシエチル)メタクリレートの共重合体か
    らなる群から選ばれた合成水溶性ポリマーである特許請
    求の範囲第13項記載の徐放性製剤。
  15. 【請求項15】不溶性ヒアルロナンが分子ケージの形態
    であり、生物学的又は薬理学的活性を有する物質がその
    分子カゴ内に分散されている特許請求の範囲第12項記載
    の徐放性製剤。
  16. 【請求項16】生物学的又は薬理学的活性を有する物質
    がヒアルロナンの巨大分子又はそれと少なくとも一つの
    他の親水性ポリマーとの巨大分子に共有結合している特
    許請求の範囲第12項記載の徐放性製剤。
  17. 【請求項17】支持材又は基質と組合されている特許請
    求の範囲第15項記載の徐放性製剤。
  18. 【請求項18】支持材又は基質が、高分子多孔性スポン
    ジ、ガーゼ又は高分子フイルムである特許請求の範囲第
    17項記載の徐放性製剤。
  19. 【請求項19】不溶性ヒアルロナンがヒアルロナンと少
    なくとも1つの他の親水性ポリマーの架橋ゲルであり、
    ヒアルロナンがその不溶性ヒアルロナンの5〜95%(重
    量)からなる特許請求の範囲第12項記載の徐放性製剤。
  20. 【請求項20】ゲンタマイシンを含有するヒアルロナン
    のゲルで形成された膜からなる特許請求の範囲第17項記
    載の徐放性製剤。
  21. 【請求項21】ゲンタマイシンを含有するヒアルロナン
    とコンドロイチン硫酸塩のゲルで形成された膜からなる
    特許請求の範囲第17項記載の徐放性製剤。
  22. 【請求項22】架橋ヒアルロナンとそれに共有結合した
    ゲンタマイシンのゲルからなる特許請求の範囲第16項記
    載の徐放性製剤。
  23. 【請求項23】マイドリアシルを含有するヒアルロナン
    のゲルからなる特許請求の範囲第17項記載の徐放性製
    剤。
  24. 【請求項24】生物学的又は薬理学的活性を有する物質
    とともにヒアルロナンゲルを固定化した多孔性高分子ス
    ポンジからなる特許請求の範囲第17項記載の徐放性製
    剤。
  25. 【請求項25】該物質がセロトニンである特許請求の範
    囲第24項記載の徐放性製剤。
  26. 【請求項26】該スポンジがポリウレタンから形成され
    ている特許請求の範囲第24項記載の徐放性製剤。
  27. 【請求項27】該物質とともにヒアルロナンゲルを固定
    化した綿ガーゼからなる特許請求の範囲第17項記載の徐
    放性製剤。
  28. 【請求項28】該物質がゲンタマイシンである特許請求
    の範囲第27項記載の徐放性製剤。
  29. 【請求項29】少なくとも1つの生物学的又は薬理学的
    活性を有する物質をハイランの水又は食塩水溶液に溶解
    又は分散させることからなる徐放性製剤の製造法。
  30. 【請求項30】該物質の溶液又は分散液をハイランの水
    又は食塩水溶液と混合することからなる特許請求の範囲
    第29項記載の方法。
  31. 【請求項31】該物質をハイランの溶液に加え、得られ
    る混合物のpHを約2.5に調整することからなる特許請求
    の範囲第29項記載の方法。
  32. 【請求項32】ヒアルロナンの架橋ゲル又はヒアルロナ
    ンと少なくとも1つの他の親水性ポリマーの架橋ゲル
    を、生物学的又は薬理学的活性を有する物質の溶液に入
    れ、該物質をゲルに拡散させ、それによって、該物質が
    均一に分散された製品が得られることからなる徐放性製
    剤の製造法。
  33. 【請求項33】該ゲルを脱水し、脱水したゲルを該物質
    の溶液に入れ脱水ゲルの再膨潤をさせ、再膨潤が生ずる
    間に該物質をゲル中に拡散させることからなる特許請求
    の範囲第32項記載の方法。
  34. 【請求項34】脱水が、ゲルを水と混合しうる溶媒で処
    理するか乾燥によって行う特許請求の範囲第33項記載の
    方法。
  35. 【請求項35】水と混合しうる溶媒が用いられる特許請
    求の範囲第34項記載の方法。
  36. 【請求項36】水と混合しうる溶媒が、エタノール、イ
    ソプロパノール又はアセトンである特許請求の範囲第35
    記載の方法。
  37. 【請求項37】濃縮ゲルを該物質の溶液に入れ、ゲルを
    該溶液中で膨潤させ、それによって該物質を膨潤中にゲ
    ルに拡散させることからなる特許請求の範囲第32項記載
    の方法。
  38. 【請求項38】ヒアルロナン又はヒアルロナンと他の親
    水性ポリマーの混合物を、生物学的又は薬理学的活性を
    有する物質(但し、架橋剤に対して反応性の化学基を有
    するものとする)の存在下で架橋反応に付し、それによ
    って化学基とヒアルロナン又は他の親水性ポリマーとの
    間の共有結合を生ぜしめることからなる徐放性製剤の製
    造法。
  39. 【請求項39】化学基がヒドロキシ、アミノ又はスルフ
    ヒドリル基である特許請求の範囲第38項記載の方法。
  40. 【請求項40】該物質がゲンタマイシンである特許請求
    の範囲第38項記載の方法。
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