JPH0691945B2 - ポリエチレン製多孔質中空糸 - Google Patents

ポリエチレン製多孔質中空糸

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JPH0691945B2
JPH0691945B2 JP61064813A JP6481386A JPH0691945B2 JP H0691945 B2 JPH0691945 B2 JP H0691945B2 JP 61064813 A JP61064813 A JP 61064813A JP 6481386 A JP6481386 A JP 6481386A JP H0691945 B2 JPH0691945 B2 JP H0691945B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、医療用の血漿分離器、あるいは除菌用の濾過
器等に用いる中空糸膜に関し、更に詳しくは、ポリエチ
レンを用いた延伸開孔法により得られる中空糸で、高圧
蒸気滅菌が可能であり、高温水濾過等の用途に使用しう
る耐熱性にすぐれた多孔質中空糸に関する。
(従来技術) 延伸開孔法によるポリエチレン製多孔質中空糸は、例え
ば特開昭52−137026、特開昭57−42919、特開昭57−661
14等において既に知られている。
延伸開孔法は、ポリマーに溶剤、添加剤を加える相転換
法と異なり、溶剤や添加剤を必要としないため、特に医
療用途においては、安全性の高い方法として有用であ
る。この方法によって得られる中空糸の滅菌方法として
は、エチレンオキサイドガス滅菌を用いることが一般的
である。しかし、この滅菌方法は、ガスの残留による副
作用が懸念され、また、水を充填するタイプの、分離器
には適用できないなどの欠点を有している。また、他の
滅菌方法としてγ線滅菌法が考えられるが、ポリマーの
劣化分解による、溶出物の発生や性能の低下を示し、適
当でない。したがってこのような欠点のない高圧蒸気滅
菌法は、優れた方法である。しかし、ポリエチレン製多
孔質中空糸については、これまで実用化されていなかっ
た。即ち、延伸開孔法によるポリエチレン製多孔質中空
糸の高圧蒸気滅菌については、特開昭57−84702に、そ
の可能性が示唆されており、また特開昭60−257804に、
放射線照射による耐熱性改良について開示されている程
度である。
(発明が解決しようとする問題点) 特開昭57−84702には、110℃±10℃での高圧蒸気滅菌が
可能であると記述されている。しかし、米国薬局方(第
XXI)には、高圧蒸気滅菌は、121℃、15分を基準として
おり、また「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」(衛生技
術会、昭和57年)には、121℃、15分で滅菌すべきこと
が記載されている。従って110℃±10℃の温度範囲は、
実用上不十分である。
さらに、本発明者らが、特開昭57−84702に記述されて
いる条件により得られた中空糸を用いて分離器を作成
し、121℃、20分の高圧蒸気滅菌を行ったところ、中空
糸の切断が発生し、使用できるものは得られなかった。
尚、高圧蒸気滅菌は、日本薬局方の基準に従い、121
℃、20分を用いた。
一方、特開昭60−257804に開示されている方法は、放射
線照射により、ポリエチレンの架橋処理を行うことで、
耐熱性を向上させる方法である。
この方法では、確かに耐熱性は改良されるものの、その
処理に10Mrad以上という高い放射線量を必要とするた
め、その影響による素材の分解と溶出物の発生、あるい
は素材の着色という問題が懸念され、特に医療分野にお
いては、不適当なものである。さらに、工業的に行うた
めには、大規模な設備を必要という問題がある。本発明
の目的は、これらの問題を解決し、121℃において高圧
蒸気滅菌の可能な、延伸開孔法によるポリエチレン製多
孔質中空糸を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 延伸開孔法によるポリエチレン製多孔質中空糸は、例え
ば特開昭57−42919に示されている様に、まず原料に結
晶性の高い高密度ポリエチレンを用い、これを高ドラフ
ト下で溶融紡糸し、中空糸に賦形したのち、アニール処
理により結晶を成長させ未延伸中空原糸を得る。引き続
いて、糸長方向への冷延伸により、結晶間を開裂させ、
さらに熱延伸により、その間隙を拡大した、多孔質中空
糸である。従って、得られた中空糸は、結晶性が高く、
その結晶融点より低い温度範囲での熱処理には、その空
孔構造を維持しうる可能性が考えられる。しかしなが
ら、結晶化は100%ではなく、またその開孔原理から、
延伸時に糸長方向での張力が必要であり、そのため得ら
れた中空糸は、その構造内に残留する内部歪を有する。
したがって高温雰囲気下において、その残留する内部歪
が収縮力として働き中空糸の切断や、接着剤の変形、あ
るいは接着面の剥離といった問題が発生する。
本発明者らは、この点について鋭意検討した結果、以下
の特徴を有する多孔質中空糸により、これらの問題点を
解決したものである。すなわち、本発明の要旨は、延伸
開孔法により得られる透過平均孔径が0.01〜2μmの多
孔質中空糸において、その融点が130℃以上150℃未満で
あり、且つ121℃における無緊張下の糸長方向の収縮率
が10%以下のものである。ここで、121℃における無緊
張下の糸長方向の収縮率(以下「121℃での収縮率」と
いう)とは、前述した残留内部歪の、大きさを示す指標
であり、本発明における最も重要な条件である。また、
121℃での収縮率は、高圧蒸気滅菌への耐性を示すため
に用いた基準である。前述した特開昭57−84702による
中空糸の121℃での収縮率は、22%であった。本発明者
らは多孔質中空糸の121℃での収縮率と分離器の121℃、
20分の高圧蒸気滅菌耐性との関係について検討した結
果、この121℃での収縮率が、10%以下となれば121℃、
20分にて滅菌可能な分離器が得られること、さらに好ま
しくは、121℃での収縮率が7%以下において、性能低
下のない満足しうる分離器が得られることを解明した。
(実施態様及び作用) 本発明における、透過平均孔径は、ハーゲン=ポアゼイ
ユの式 から求められる値である。ここで、ηは粘度、tは孔の
長さ(膜厚)、Jは透水量、Prは空孔率、Δpは差圧で
ある。孔径0.01μm未満では得られる血漿蛋白濃度が小
さいため、本発明が目的とする利用分野には適さず、2
μmを超えると血球の洩れや溶血を起し、不適当であ
る。より好ましい孔径範囲は、0.01〜0.6μmであり、
この範囲では、膜面への血球のめり込み、あるいは蛋白
の目詰りによる経時劣化の少ない良好な血漿分離膜が得
られる。
次に、本発明中空糸の融点はDSCを用い、常法により測
定される結晶の融解点の温度を示す。
融点が130℃以上150℃未満とは、中空糸が架橋等の特殊
な処理をしていない一般的な高密度ポリエチレンより成
ることを示す。
本発明の中空糸としては、以下の要件を持つものがさら
に好ましい。すなわち、空孔率が50〜75%、透水量が5
〜30l/m2・hr・mmHgであり、且つ空孔率当り透水量が0.
1/m2・hr・mmHg以上のものである。ここで空孔率と
は、中空糸の見かけ密度の測定から、求められる値であ
る。50%未満では濾過容量が小さく、目詰りし易く、75
%を超えると、中空糸の強度が低下し好ましくない。透
水量とは、中空糸の内側より一定の条件下で純水が通過
する速度であり、膜性能を示す指標として用いられる。
ここで、透水量5l/m2・hr・mmHg未満のものは、血漿分
離において血漿分離速度が不十分であり、好ましくな
い。
さらに空孔率当り透水量とは、上記の透水量を空孔率で
除した値であり、空孔の有効な使用を示す指標と考えら
れる。延伸開孔法による中空糸は、糸長方向に配向した
構造を有するため、引張り強度は高いが、例えば、糸の
折れ、曲がり、つぶれ、中空の偏平等が起こり易いもの
であるが、より小さい空孔率で同一の透過性能が得られ
れば、この欠点の改良となる。従来の延伸開孔法による
ポリエチレン中空糸では、0.1/m2・hr・mmHg未満の
ものしか知られてなかったが、本発明の0.1/m2・hr
・mmHg以上の中空糸により、初めて透過性と取り扱い性
が共に優れた中空糸が可能となった。
次に、本発明で用いる物性値の測定方法について述べ
る。
(1)収縮率 高圧蒸気滅菌器(東洋製作所製SVS−20型)を用い、中
空糸(長さl1)を121℃、20分処理し、十分に冷却した
のち、長さ(l2)を測定し、式 より計算した。
(2)融点 示差走査熱量計(以下DSCという)[島津製作所製DT−3
0型]を用い、昇温速度10℃/分にて、得られる融解ピ
ークの頂点の温度として求めた。
(3)空孔率 中空糸の外内径及び長さより見掛けの体積を求め、さら
にその重量から見かけ密度(ρ1)を計算し、次式より
算出した。
ここでρ0は原料ポリエチレンの密度である。
(4)透水量 中空糸50本を束ね、両末端を接着固化して、有効長さ13
cmの、両末端で中空糸端が開口したミニモジュールを製
作し、37℃の水中にて、50mmHgの圧力で、純水15mlの透
過時間を測定し、内径基準当りの量として算出した。
本発明の中空糸は例えば以下の方法により製造される。
(1)密度0.95以上好ましくは0.96以上の高密度ポリエ
チレンを原料とし、 (2)融点〜融点+50℃の温度範囲でドラフト比100以
上で紡糸冷却したのち、 (3)90℃〜125℃でアニール処理し、 (4)50℃以下の温度で10〜50%の倍率の冷延伸と、引
き続き90〜125℃の温度で総延伸倍率が300〜700%の、
一段または多段熱延伸を行い、 (5)125℃以上、130℃未満の温度、緩和率20%〜50
%、好ましくは30%〜50%で、一段または多段の熱セッ
トを行う。
ここで、本発明で述べる緩和とは、長さ方向に中空糸を
緩め、その内部歪を減少させる手段であり、例えば中空
糸の供給ロールと引き取りロールを用い、引き取りロー
ル速度(R1)を供給ロール速度(R2)より遅くすること
により行なわれるものである。また緩和率とは、この緩
和の程度を示し、例えば前記のロール速度の比として式 で計算できる。
上述の方法において、特に熱セット条件は、本発明の中
空糸を実現する上で極めて重要である。
従来知られている熱セット温度は、100℃〜125℃(特開
昭57−66114)であったが、本発明では125℃以上、130
℃以下の限定した条件を用い、同時に20%〜50%という
高い緩和率を併用することにより、本発明の多孔質中空
糸を得ることができる。本発明の中空糸の製法について
更に詳述すれば、原料ポリエチレンは、密度0.95以上、
好ましくは、0.96以上で、メルトインデックスは特に限
定されないが紡糸上1〜10が好ましい。この原料ポリエ
チレンを、二重管状紡口を用いて融点〜融点+50℃の温
度で溶融押出しし、中空状となし、ドラフト比100以上
の高ドラフト下で紡糸することにより未処理原糸を得
る。次に、この未処理原糸を90℃〜125℃加熱槽中でア
ニール処理することにより、結晶を成長させた未延伸原
糸を得る。
この未延伸原糸を50℃以下にて10〜50%ロール間冷延伸
することにより、結晶の間を開裂させ、引き続き、1段
または多段で、総延伸量300〜700%の熱延伸を行うこと
により、内面から外面に連続した中空糸壁をもった多孔
質体を得る。この熱延伸の温度は、膜の開孔状態に大き
く関与し、通常90〜125℃が用いられる。この温度より
低いと、十分な多孔質体が得られず、またこの温度範囲
より高いと、延伸操作時に糸切れ等の問題を起こす。熱
延伸操作に引き続いて、本発明の重要点である熱セット
処理を行い、耐熱性を付与する。熱セット温度は、125
℃以上、130℃未満を用いる。125℃未満では、121℃に
おける収縮率10%以下は得られず、また130℃以上で
は、中空糸の細化、透明化がみられ、断面寸法のバラツ
キが大きくなり、また透過性能も低下し好ましくない。
加熱手段としては特定されないが、十分に温度制御し、
均一化した熱風を用いるのが簡便である。加熱時間は特
に限定されるものではないが、1秒以上、1分以下が処
理の均一性と工業的な実用性を兼ねた範囲と言える。同
時に重要な要素は緩和することであり、20%〜50%,好
ましくは、30%〜50%の緩和率を用いる。20%未満で
は、121℃での収縮率が10%以下のものは得られず、50
%以上は、実用上困難である。熱セットは、1段または
多段のどちらでもよいが、セットの均一性から、2〜3
段の多段処理が好ましい。本発明による多孔質中空糸膜
は、血球と血漿の分離あるいは、無菌用の濾過に用いる
のに適しているが、さらに、一般に精密濾過膜が利用さ
れている分野に有効である。特に素材が耐薬品性に優れ
たポリエチレンよりなり、さらに、耐熱性を改良された
ものであることから、半導体プロセス用薬品の精密濾
過、電力、原子力施設でのプロセス水の処理、表面処理
排水の処理、医薬食品分野での生成物の濃縮、精製等の
用途に有効に用いられる。以下実施例によって、本発明
を説明する。
(実施例1) 高密度ポリエチレン(ρ=0.968、MI=5.5、ハイゼック
ス−2208J)を原料とし、中空二重紡口を用い、ポリマ
ー押出量16g/分、中空N2量23ml/分、紡速200m/分、紡糸
ドラフト比3400にて溶融紡糸した。得られた中空糸をオ
ーブン中で115℃にて2hrアニール処理し、未延伸原糸を
得た。
この未延伸原糸を用いて、以下連続的に、冷延伸、熱延
伸、熱セットを行った。すなわち、室温下で30%の冷延
伸を行い、つづいて102℃で200%、115℃で、さらに43
%の2段熱延伸を行ったのち、128℃空気加熱槽中で、
ロール間の速度調整により、2段熱セットを行った。
第1段が27%、第2段が17%、計40%の緩和率にて、多
孔質中空糸を得た。次に該中空糸の121℃での収縮率を
測定した。まず、中空糸をエタノールで湿潤化したの
ち、水に置換し、長さ20cmに切断した。これを含水状態
を保持したまま、オートクレーブ中で、121℃、20分間
の熱処理を行った。冷却後長さを測定し、収縮率を求め
たところ、6.5%であった。該中空糸は内径378μm、膜
圧は49μm、空孔率は68%、透水量は10.3l/m2・hr・mm
Hgであった。空孔率当り透水量は、0.15l/m2・hr・mmH
g、透過平均孔径は、0.18μmであった。該中空糸のDSC
によるピーク融点は、133℃であった。この中空糸は、
直状に優れ、取り扱い易いものであった。また、この中
空糸を70℃1時間水で抽出し、溶出物を測定したが全く
認められなかった。
該中空糸を1700本用いて、ポリカーボネート製の容器に
挿入し、両端をウレタンにて接着固定し、有効長さ13cm
の血漿分離器を製作した。70%エタノールで親水化した
のち、純水で十分洗浄し、含水状態で、121℃、20分の
高圧蒸気滅菌を行った。滅菌後の分離器について外観上
の異常はみられず、接着部に変形も認められなかった。
充填水を生理食塩水に置換し、Ht40%の新鮮牛血液を流
したところ血球の洩れはみられず、血液流量60ml/分の
とき、血漿流量13ml/分が得られた。また、得られた血
漿に溶血は認められなかった。
(実施例2) 実施例1と同様に延伸開孔させたのち、128℃で、第1
段32%、第2段26%、計50%の2段熱セットを行った。
得られた中空糸は、121℃での収縮率3.0%、内径386μ
m、膜厚51μm、空孔率63%、透水量10.4l/m2・hr・mm
Hgであり、透過平均孔径は0.20μm、空孔率当り透水量
は0.17l/m2・hr・mmHgであった。
実施例1と同様に分離器を製作し、牛血液を流したとこ
ろ、血球の洩れはなく、血液流量60ml/分のとき血漿流
量12ml/分が得られ、溶血は認められなかった。
(比較例1) 実施例1と同様に紡糸延伸したのち、緩和せずに128℃
の熱セットを行った。得られた中空糸は、内径370μ
m、膜厚48μm、空孔率77%、透水量7.1/m2・hr・m
mHgであり、透過平均孔径は0.15μm、空孔率当り透水
量は0.09l/m2・hr・mmHgであった。また、中空糸は、折
れ、偏平の起こりやすいもので、121℃での収縮率は、1
9%と大きく、実施例1と同様に分離器を製作し、121
℃、20分の高圧蒸気滅菌を行ったところ、接着剤のポリ
ウレタン部に凹みがみられ、また、中空糸の切断も観察
された。
(実施例3) 実施例1で製作した血漿分離器を用い、耐圧ステンレス
容器中で、全体を真空にしたのち、脱気水を充填し、20
kg/cm2に加圧して、膜孔を湿潤化した。この血漿分離器
を121℃、20分の高圧蒸気滅菌したが、中空糸の切断は
みられなかった。さらに、Ht36%の牛血液を流したとこ
ろ、血球の洩れはなく、血流量60ml/分で、血漿流量18m
l/分が得られた。血漿蛋白の透過率は、95%と高い値を
示した。
(実施例4) 実施例1と同様に紡糸延伸したのち、セット温度125℃
で緩和率30%の1段熱セットを行い、多孔質中空糸を得
た。
この中空糸は、内径362μm、膜厚50μm、空孔率69
%、透水量10.2l/m2・hr・mmHgであり、空孔率当り透水
量は、0.15l/m2・hr・mmHgであった。また121℃、20分
の高圧蒸気滅菌時の収縮率は、7.0%であり、該滅菌後
の透水量は、9.7l/m2・hr・mmHgと殆ど変化していなか
った。
(実施例5) 実施例1の紡糸条件において、ポリマー吐出量を14.5g/
分、中空N2量を20ml/分とした以外は同一の紡糸、アニ
ール処理を行い、未延伸中空糸を得た。
この中空糸を、室温で、30%の冷延伸を行ったのち、10
4℃で、200%、115℃で、さらに43%の熱延伸を行い、
さらに、連続的に128℃で、第1段19%、第2段14%、
合計緩和率30%の2段熱セットを行った。得られた中空
糸の内径を20点測定したところ、平均値は326μm、最
大値と最小値の差は、19μmであり、膜厚は48μm、空
孔率67%、透水量1.5l/m2・hr・mmHg、空孔率当り透水
量は0.16l/m2・hr・mmHg、透過平均孔径は、0.18μm、
121℃での収縮率は、3.7%であった。
(比較例2) 実施例5と同条件で紡糸延伸を行ったのち、熱セット条
件中の温度を131℃として中空糸を得た。この中空糸
は、熱収縮率は、1.3%と良い値を示したが、内径は平
均283μmと小さく、また最大値と最小値の差が157μm
と断面径のバラツキの大きいものであった。また、透水
量は4.6l/m2・hr・mmHgと減少し、実用性のないもので
あった。
(発明の効果) 本発明のポリエチレン製、多孔質中空糸は、膜構造や、
膜性能を損なうことなく、優れた耐熱性を示し、121℃2
0分の高圧蒸気滅菌が可能である。したがって血漿分離
器や、除菌濾過器に安全に用いることができ、極めて有
用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】延伸開孔法により得られる透過平均孔径が
    0.01〜2μmの多孔質中空糸において、その融点が130
    ℃以上150℃未満であり、且つ121℃における無緊張下の
    糸長方向の収縮率が10%以下であることを特徴とするポ
    リエチレン製多孔質中空糸。
  2. 【請求項2】空孔率が50〜75%、透水量が5〜30l/m2
    hr・mmHgであり、且つ空孔率当り透水量が0.1/m2・h
    r・mmHg以上である特許請求の範囲第1項記載のポリエ
    チレン製多孔質中空糸。
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