JPH0691170A - パラジウム担持ヘテロポリ酸不溶性塩およびそれを用いる不飽和環状ケトンの製造方法 - Google Patents

パラジウム担持ヘテロポリ酸不溶性塩およびそれを用いる不飽和環状ケトンの製造方法

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JPH0691170A
JPH0691170A JP4266817A JP26681792A JPH0691170A JP H0691170 A JPH0691170 A JP H0691170A JP 4266817 A JP4266817 A JP 4266817A JP 26681792 A JP26681792 A JP 26681792A JP H0691170 A JPH0691170 A JP H0691170A
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JP
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palladium
heteropolyacid
insoluble salt
reaction
compound
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JP4266817A
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Makoto Misonoo
誠 御園生
Toshio Okuhara
敏夫 奥原
Hironobu Soeda
博信 添田
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 環状不飽和ケトン類を良好な効率および生産
性を持って製造することができ、実用上著しく有利な環
状不飽和ケトン類の製造方法およびその際に用いられる
触媒を提供する。 【構成】 (1)パラジウム化合物を担持してなる酸化
還元能を有するヘテロポリ酸不溶性塩。 (2)パラジウム化合物が担持されてなる酸化還元能を
有するヘテロポリ酸不溶性塩を触媒として用い、シクロ
オレフィンを分子状酸素で酸化することを特徴とする不
飽和環状ケトンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パラジウム担持ヘテロ
ポリ酸不溶性塩および該不溶性塩を触媒とする不飽和環
状ケトンの製造方法に関し、より詳しくは、酸化還元能
を有するヘテロポリ化合物の不溶性塩類にパラジウム化
合物を担持させることにより製造されるパラジウム担持
ヘテロポリ酸不溶性塩、および該不溶性塩を触媒として
シクロオレフィンを分子状酸素で酸化することにより1
段階で化学原料、医療品および化学品等の合成中間体と
して有用な不飽和環状ケトンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、パラジウム化合物およびヘテ
ロポリ化合物により環状オレフィンを酸化する方法が知
られている。例えば、特表昭63−500923号公報
には、パラジウム化合物およびヘテロポリ化合物による
シクロヘキセンの酸化反応が開示されている。ヘテロポ
リ酸は、不溶性塩の形態で使用されていることもある
が、パラジウム化合物はいずれも水溶性塩の形態で反応
系中に導入されており、パラジウム担持触媒とはいえな
いものであった。
【0003】また従来より、担持触媒による環状オレフ
ィンを原料とする不飽和環状ケトンの製造方法が知られ
ている。例えば、“Tetrahedron,199
2,48,953”には、クロム化合物をモンモリロナ
イトに固定した触媒を用いた液相不均一系の反応が、ま
た“Inorg.Chem.,1987,26,439
1”には、ルテニウム化合物を用いた分子状酸素による
酸化反応が示されている。
【0004】しかしながら、先に示した特表昭63−5
00923号公報等の技術においては不飽和環状ケトン
への選択率が低い等の課題がある。
【0005】また、先に示した酸化反応は、前者(Te
trahedron,1992,48,953)の場合
には酸素源に有機過酸化物を用いるため、製造コストが
かかったり、爆発等の危険が高い等の課題があり、後者
(Inorg,Chem.,1987,26,439
1)では、溶媒に有機ハロゲン化物を用いなければなら
ない。また、液相均一系の反応であるため、触媒の分離
回収が困難であり、触媒の安定性が低く、連続流通方式
での反応が困難である等の課題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、環状
不飽和ケトン類を良好な効率および生産性を持って製造
することができ、実用上著しく有利な環状不飽和ケトン
類の製造方法およびその際に用いられる触媒を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、パラジウム担
持ヘテロポリ酸不溶性塩を用いることにより前記課題を
解決するものである。すなわち、ヘテロポリ酸不溶性塩
にパラジウム化合物を担持することにより、分子状酸素
による不均一系酸化反応が行なえ、不飽和環状ケトンへ
の選択率が向上し、触媒の活性低下を抑え、また固体触
媒であるので、反応後の分離回収が容易で、連続流通方
式での反応が容易に行なえるのである。
【0008】すなわち、本発明の第1は、パラジウム化
合物を担持してなる酸化還元能を有するヘテロポリ酸不
溶性塩に関する。
【0009】また、本発明の第2は、パラジウム化合物
が担持されてなる酸化還元能を有するヘテロポリ酸不溶
性塩を触媒として用い、シクロオレフィンを分子状酸素
で酸化することを特徴とする不飽和環状ケトンの製造方
法に関する。
【0010】以下、本発明の詳細を具体的に説明する。
ヘテロポリ酸の構造は、ケギン、ドーソン、アンダーソ
ン等が知られている。本発明におけるヘテロポリ酸は、
特に制限がなく、これらのいずれの構造を有していても
よいが、好ましくはケギン構造である。好適なヘテロポ
リ酸は、パラジウムに対して十分な酸化能を有し、さら
に再酸化した後の還元型ヘテロポリ酸が酸素等の酸化剤
により容易に再酸化される化合物である。
【0011】ヘテロポリ酸のアニオンであるヘテロポリ
オキソアニオンは、ヘテロ原子(X)を含む下記式で表
される。 [XxaM′bM″cz-m 上記ヘテロ原子(X)は、例えばP、Si、B、Ge、
As、Se、Te、Co、I、Mn、Cu等であるが、
中でもP、Siを有するヘテロポリ化合物が好ましい。
M、M′、M″はW、Mo、V、Nb、Ta、Reから
独立に選ばれる元素であり、a、x、zおよびmはゼロ
より大きい整数、b、cは整数、a+b+cの合計は2
以上である。
【0012】また、好ましくはMo、W、Vを含んだヘ
テロポリ化合物がよい。これらは、単独でも、Moと
W、MoとV、WとVあるいは3種とも含んでいる混合
配位のいずれでもよい。
【0013】具体的には、モリブテンを用いたヘテロポ
リ化合物は、下記式で表される。 [XxMoaM′bM″cz-m ここでXは、B、Si、Ce、P、As、Se、Te、
I、Co、MoおよびCuからなる群から選ばれる元素
である。M′およびM″はW、V、Nb、TaおよびR
eからなる群から独立的に選ばれる元素であり、a、
x、zおよびmはゼロより大きい整数、b、cは整数、
a+b+cの合計は2以上である。
【0014】タングステンを用いたヘテロポリ化合物は
下記式で表される。 [XxaM′bM″cz-m ここでXは、B、Si、Ce、P、As、Se、Te、
I、Co、MnおよびCuからなる群から選ばれる元素
である。M′およびM″はMo、V、Nb、Taおよび
Reからなる群から独立的に選ばれる元素であり、a、
x、zおよびmはゼロより大きい整数、b、cは整数、
a+b+cの合計は2以上である。
【0015】バナジウムを用いたヘテロポリ化合物は下
記式で表される。 [XxaM′bM″cz-m ここでXは、B、Si、Ce、P、As、Se、Te、
I、Co、MnおよびCuからなる群から選ばれる元素
である。M′およびM″はW、Mo、Nb、Taおよび
Reからなる群から独立的に選ばれる元素であり、a、
x、zおよびmはゼロより大きい整数、b、cは整数、
a+b+cの合計は2以上である。
【0016】より具体的には、以下のヘテロポリ酸が挙
げられる。 H3PMo1240、H3PMo6640、H5PMo102
40、H4PW11VO40、H5PMo55240、H4
iMo1240、H4SiMo6640、H6SiMo10
240、H5SiW11VO40、H6SiMo55240
【0017】本発明におけるヘテロポリ酸は、水不溶化
するために単独あるいは二種以上の陽イオン(カウンタ
ーカチオン)との塩を形成している必要がある。用いる
ことのできるカウンターカチオンは、前記ヘテロポリ化
合物と水不溶性の塩を形成することができれば特に制限
がない。これらのカウンターカチオンとして、セシウム
イオン、アンモニウムイオン、カリウムイオン、タリウ
ムイオン、ルビジウムイオン等が挙げられる。特に、セ
シウムイオンが好ましい。なお、これらのカウンターカ
チオンは、単独で使用しても、また二種以上を同時に併
用してもよい。いずれにしろ、得られた塩が実質的に水
不溶性になればよい。
【0018】本発明におけるヘテロポリ酸と上記カウン
ターカチオンとの比は、得られる塩が実質的に水不溶性
になる限り特に制限がない。この比は、ヘテロポリ化合
物の価数が構成原子によって異なるため通常は限定でき
ない。しかしながら一般的には、カウンターカチオンと
ヘテロポリ化合物との比は、2以上が好ましい。この比
が2未満の時は、比表面積が小さい、あるいは沈澱の生
成が不十分になる等の問題がある。
【0019】不溶性塩としての本発明の触媒粒径は、平
均粒径で0.01〜1μmであり、その表面積は50〜
300m2/gで、好ましくは100〜200m2/gで
ある。通常は、次に述べるパラジウム化合物の担持によ
っても特に変わらず上記範囲に入るものである。
【0020】本発明におけるパラジウム化合物は、金属
成分としてパラジウムを含んでいれば、特に制限がな
い。また、パラジウムの価数は、0価、2価あるいは4
価の何れでもよく特に制限はない。具体的には、硫酸パ
ラジウム等のパラジウム硫酸塩、硝酸パラジウム等のパ
ラジウム硝酸塩、炭酸パラジウム等のパラジウム炭酸
塩、塩化パラジウム、臭化パラジウム等の各種のパラジ
ウム無機塩類、水酸化パラジウム、酸化パラジウム等、
あるいは上記各種の化合物のアンミン錯体、アミン錯
体、ハロゲノ錯体(例えば、テトラクロロパラジウム酸
やこれらのナトリウム塩、カリウム塩等の錯塩類も含
む)、有機パラジウム化合物(例えばニトリル錯体、ホ
スフィン錯体等)等の各種の有機または無機錯体塩類、
パラジウムを含む各種の有機金属錯体(例えばシクロオ
クタジエニル錯体、π−アリル錯体等)等を挙げること
ができる。これらのなかでも、硝酸パラジウム、塩化パ
ラジウム、炭酸パラジウム、パラジウムアンミン錯体等
が好ましい。
【0021】なお、これらのパラジウム化合物は、一種
単独で使用しても、二種以上を混合物や複合化合物とし
て併用してもよい。
【0022】本発明におけるパラジウムの担持法として
は、ヘテロポリ酸の不溶性塩類上にパラジウム化合物を
担持する方法であれば特に制限がない。具体的には、公
知の担持法である吸着法、ポアフィリング法、inci
pient−wetness法、蒸発乾固法、スプレー
法等の例えば水溶性塩を含浸させる含浸法;共沈法、沈
着法、混練法等の沈澱法;イオン交換法等が挙げられ
る。これらの中でも、パラジウムの水溶液を含浸させる
含浸法等が好ましい。いずれも担持に媒体を使用する場
合には、該媒体を除去することにより担持が完了する。
水が媒体であるときは、90〜120℃の温度で空気あ
るいは不活性気体中1〜20時間乾燥する。
【0023】いずれの方法によりパラジウム化合物を担
持させるにしても、パラジウムイオンを反応系中に流出
させないことが肝要である。本発明の担持触媒は、媒体
の除去、例えば水のときは乾燥により担持が完了し、パ
ラジウムイオンの反応系中への流出が実質的に認められ
ないものである。
【0024】ヘテロポリ酸不溶性塩にパラジウム化合物
を担持する際のパラジウムの担持量は、ヘテロポリ酸の
1モルに対して、通常パラジウム原子として0.005
〜2モル、好ましくは、0.02〜1モルの範囲内であ
る。
【0025】前記担持量が2モルを超えると、パラジウ
ムの再酸化が良好に行なわれず、また0.001モル未
満では好ましくない副生物が生成しやすくなる。
【0026】なお、前記触媒には、所望に応じて本発明
の目的に支障の無い範囲で、他の成分を添加してもよ
い。
【0027】ヘテロポリ酸不溶性塩担持パラジウムは、
調製したままでも使用することができるが、使用する前
に前処理をすることが好ましい。前処理は、真空処理、
あるいは、水素、酸素等の活性ガス処理、または窒素、
ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス処理である。なお、
これらのガスは一種類でも、二種以上の混合ガスでもよ
い。好ましくは、水素、酸素、窒素およびこれらを一種
以上含む混合ガスがよい。これらガスの圧力は、特に制
限がない。また、これらのガスおよび真空での前処理を
どのような順番で何回でも行なってもよい。
【0028】真空前処理を行なう場合、真空度は100
Torr以下、好ましくは10Torr以下が好まし
い。真空あるいは水素を含まないガスによる前処理の場
合、前処理温度は、0〜500℃、好ましくは0〜40
0℃の範囲である。前処理温度が0℃未満だと、前処理
の効果が余り見られず、また、500℃を超える温度で
はヘテロポリ化合物の分解等が起こり好ましくない。
【0029】水素を含むガスで前処理を行なう場合、前
処理温度は、0〜500℃、好ましくは100〜400
℃がよい。前処理温度が0℃未満だと、前処理の効果が
余り見られず、また、500℃を超える温度ではヘテロ
ポリ化合物の分解等が起こり好ましくない。
【0030】前処理時間はいずれの場合でも適宜に決定
することができるが、通常は1分から10時間の範囲か
ら選択される。
【0031】本発明における反応溶媒としては、特に制
限がない。具体的には、水、アルコール、炭化水素、エ
ーテル等が挙げられる。特に好ましくは水溶媒がよい。
【0032】本発明において反応原料として使用する環
状オレフィンは、内部オレフィンおよび環に隣接してい
ればエキソオレフィンであってもよい。また、前記環状
オレフィンは、アルキル基、アリール基等の置換基が環
にあってもよい。
【0033】環状オレフィンの炭素数は、3以上であれ
ば特に制限はない。通常は、炭素数が3〜30であり、
好ましくは、炭素数が5〜15の環状オレフィンであ
る。
【0034】前記環状オレフィンの具体例としては、例
えば、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテ
ン、1−メチルシクロペンテン、2−エチルシクロヘキ
セン、4−フェニルシクロヘキセン、インデン、テトラ
ヒドロナフタレン、ジヒドロジシクロペンタジエン、ピ
ネン等が挙げられる。
【0035】本発明の方法により、これらの環状オレフ
ィンから対応する不飽和環状ケトンが得られる。例えば
シクロヘキセン、シクロオクテンからは、それぞれシク
ロヘキセノン、シクロオクテノンが得られる。なお、こ
れら環状オレフィンは、単独でも二種以上の混合物でも
よい。
【0036】また、使用する反応原料には、本発明の目
的に支障の無い範囲で、他の成分が含まれていてもよ
い。
【0037】バッチ式で反応を行なう場合、前記環状オ
レフィンの触媒に対する使用割合は、触媒の活性や他の
反応条件等に依存するので一律に規定することはできな
いが、通常、使用する触媒に含まれているパラジウム1
モルに対して、オレフィン10〜2000モル、好まし
くは100〜1000モルである。
【0038】また、反応を環状オレフィンを連続供給す
る流通方式で行なう場合、反応原料は、気相でも液相で
もよく、またその時の供給空間速度(LHSVまたはG
HSV)は、気相の場合、通常20〜1000hr-1
範囲内に、液相の場合、通常0.01〜1000hr-1
の範囲内にするのがよい。
【0039】反応温度は、液相で反応する場合、0〜2
00℃、好ましくは、20〜150℃がよい。また、気
相の場合、0〜500℃、好ましくは100〜300℃
がよい。反応温度が低すぎると、反応速度が低下し、高
いと副反応が起こり易くなり、いずれも好ましくない。
【0040】反応圧力は、特に制限がないが、通常、常
圧から20kgf/cm2が好ましい。反応に用いる酸
素は、単独でもよいが、他に窒素、ヘリウム、アルゴン
等の不活性ガスが含まれていてもよい。従って、空気を
酸素源とすることもできる。
【0041】反応終了後は、適宜の手段により目的物で
ある不飽和環状ケトンを回収することができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例および比較例を示して本発明を
さらに具体的に説明する。
【0043】実施例1(パラジウム担持ヘテロポリ酸不
溶性塩の調製例) パラジウム担持ヘテロポリ酸セシウム塩は、以下のよう
にして調製した。すなわち、500mlのフラスコにH
3PMo664035.6g(15.0mmol)を入
れ純水200mlに溶解した。この溶液に、撹拌下、濃
度0.25規定の炭酸セシウム水溶液(150ml)を
30〜60分かけて滴下した。さらに1〜2時間撹拌し
た後、一晩放置した。放置後、減圧下で水を除去乾燥し
て、Cs2.50.5PMo664040.2gを得た。平
均粒径0.08μm、表面積は113m2/gであっ
た。
【0044】得られたセシウム塩に、硝酸パラジウムを
含浸法により担持させ100℃、空気中で14時間乾燥
させた。この時、硝酸パラジウムとセシウム塩のモル比
が1:3になるようにを調整した。得られたパラジウム
担持ヘテロポリ酸不溶性塩の平均粒径、表面積とも含浸
前と変わらなかった。また、パラジウムイオンの水中へ
の溶出は認められなかった。
【0045】実施例2(パラジウム担持ヘテロポリ酸不
溶性塩の調製例) 実施例1で用いたH3PMo6640の代わりに、H5
Mo1024021.7g(12.5mmol)を用い
た以外は、実施例1と同様の方法によりパラジウム担持
ヘテロポリ酸不溶性塩を調製した。平均粒径0.08μ
m、表面積は113m2/gであった。担持後も同様で
あった。また、パラジウムイオンの水中への溶出は認め
られなかった。
【0046】実施例3(パラジウム担持ヘテロポリ酸不
溶性塩の調製例) 実施例1で調製したパラジウム担持ヘテロポリ酸不溶性
塩をガラス管に入れ、水素気流中(100ml/mi
n)、300℃で2時間前処理した。
【0047】実施例4(パラジウム担持ヘテロポリ酸不
溶性塩の調製例) 実施例1で調製したパラジウム担持ヘテロポリ酸不溶性
塩をガラス管に入れ、水素気流中(100ml/mi
n)、25℃で2時間前処理した。
【0048】実施例5(パラジウム担持ヘテロポリ酸不
溶性塩の調製例) 実施例1で調製したパラジウム担持ヘテロポリ酸不溶性
塩をガラス容器に入れ、室温で真空に減圧(0.01T
orr)した後、300℃で2時間前処理した。
【0049】実施例6〜7(パラジウム担持ヘテロポリ
酸不溶性塩の調製例) 実施例1で調製したパラジウム担持ヘテロポリ酸不溶性
塩をガラス管に入れ、ヘリウムまたは酸素気流中(10
0ml/min)、300℃で2時間それぞれ前処理し
た。
【0050】実施例8(パラジウム担持ヘテロポリ酸不
溶性塩の調製例) 実施例2で調製したパラジウム担持ヘテロポリ酸不溶性
塩をガラス管に入れ、水素気流中(100ml/mi
n)、300℃で2時間前処理した。
【0051】実施例9(不飽和環状ケトンの製造例) 実施例1で調製したパラジウム担持ヘテロポリ酸セシウ
ム塩0.831gおよび純水20mlをオートクレーブ
に仕込み、酸素で8.0Kgf/cm2に加圧し、室温
で1時間撹拌した。温度を80℃にした後、シクロヘキ
セン1.0mlを入れて、3時間反応させた。
【0052】その結果、2−シクロヘキセノンが0.6
8mmol生成し、Pd基準のターンオーバー(TO
N)は6.8回だった。また、シクロヘキサノンが0.
64mmol同時に生成し、ターンオーバー(TON)
は6.4だった。結果を表1に示す。なお、ここでいう
ターンオーバー(TON)とは3時間、単位パラジウム
当りの生成したモル数を示す。なお、反応系中へのパラ
ジウムイオンの溶出は認められなかった。
【0053】実施例10〜16(不飽和環状ケトンの製
造例) 実施例1で調製したパラジウム担持ヘテロポリ酸セシウ
ム塩の代わりに、実施例2〜8で調製したパラジウム担
持ヘテロポリ酸セシウム塩を用いた以外は、実施例9と
同様の方法で反応を行なった。結果を表1に示す。な
お、いずれの場合でも反応系中へのパラジウムイオンの
溶出は認められなかった。
【0054】比較例1(不飽和環状ケトンの製造例) 実施例1で調製したパラジウム担持ヘテロポリ酸セシウ
ム塩の代わりに、硝酸パラジウムおよびH3PMo66
40(水溶性)を実施例9におけるヘテロポリ酸とパラ
ジウム化合物に相当する量をそれぞれ反応系に導入した
以外は、実施例9と同様の方法で反応を行なった。結果
を表1に示す。
【0055】この反応系では、反応系にはヘテロポリ酸
塩およびパラジウム化合物とも水溶性のものを直接導入
した。反応系中には、導入したパラジウム化合物と等量
のパラジウムイオンが存在していた。
【0056】比較例2(不飽和環状ケトンの製造例) 比較例1で用いたH3PMo6640の代わりに、水不
溶性のCs2.50.5PMo6640を用いた以外は、比
較例1と同様の方法で反応を行なった。結果を表1に示
す。
【0057】この反応系では、ヘテロポリ酸は水不溶性
であるものの、パラジウム化合物は担持させることなく
水溶性のものを直接反応系中へ導入した。反応系中に
は、導入したパラジウム化合物と等量のパラジウムイオ
ンが存在していた。
【0058】
【表1】
【0059】実施例17(不飽和環状ケトンの製造例) シクロオクテンを原料とする以外は、実施例9と同様に
してシクロオクテンを酸化させた。
【0060】その結果、シクロオクテノンのターンオー
バー(TON)は10、シクロオクタノンのターンオー
バー(TON)は5であり、選択率は67%であった。
【0061】
【発明の効果】以上のような本発明によって、不飽和環
状ケトンへの選択率が向上し、触媒の活性低下を抑え、
また固体触媒であるので、反応後の分離回収が容易で、
連続流通方式での反応が容易に行なえる。すなわち、環
状不飽和ケトン類を良好な効率および生産性を持って製
造することができる。また実用上著しく有利な環状不飽
和ケトン類の製造方法である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラジウム化合物を担持してなる酸化還
    元能を有するヘテロポリ酸不溶性塩。
  2. 【請求項2】 パラジウム化合物が担持されてなる酸化
    還元能を有するヘテロポリ酸不溶性塩を触媒として用
    い、シクロオレフィンを分子状酸素で酸化することを特
    徴とする不飽和環状ケトンの製造方法。
JP4266817A 1992-09-10 1992-09-10 パラジウム担持ヘテロポリ酸不溶性塩およびそれを用いる不飽和環状ケトンの製造方法 Pending JPH0691170A (ja)

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