JPH0690113A - 多周波共用アンテナ - Google Patents

多周波共用アンテナ

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JPH0690113A
JPH0690113A JP24044492A JP24044492A JPH0690113A JP H0690113 A JPH0690113 A JP H0690113A JP 24044492 A JP24044492 A JP 24044492A JP 24044492 A JP24044492 A JP 24044492A JP H0690113 A JPH0690113 A JP H0690113A
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parasitic
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dipole
feeding element
shared antenna
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Nozomi Hasebe
望 長谷部
Koichi Sakaguchi
坂口浩一
Hiroshi Takahashi
高橋  宏
Shigeo Yamazaki
山崎茂雄
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Meisei Electric Co Ltd
Original Assignee
Meisei Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 給電素子DAとその給電素子DAに近接並行
した無給電素子DPとを配置し、給電素子DA及び近接
無給電素子DPをそれぞれ中心とする多重の筒状体CY
1,CY2を設け、給電素子DAを多周波励振する。多
重筒状体の筒面には、相互に平行に形成した複数の線条
無給電素子PA1,PA2を架設する。これらの線条無
給電素子PA1,PA2の各々は、給電素子DA及び近
接無給電素子DPに対してそれぞれπ/4の姿勢をと
り、且つその各々の長さL1,L2が各使用波長(λ
1,λ2)に対して導波器作用と反射器作用とが同じに
なるようにし、また給電素子DA、近接無給電素子DP
に関して対称配置となるようにする。 【効果】 各々の筒状体CY1,CY2に形成した各線
条無給電素子は、導波器作用と反射器作用とが同じにな
る波長以外の信号には影響が少ない。良好な円偏波の水
平面内無指向性が得られ、垂直面内の8の字特性も良好
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば無線標識,電
波灯台,基地局無線設備等、全方向(オムニディレクシ
ョナル)に複数の円偏波の電波を送受信する装置に適し
たアンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】円偏波の電波を水平面内無指向性で送受
信するアンテナの1つとして、例えば特開平1−311
604号公報に示すような形状のものが既知である。
【0003】この型のアンテナは、図17に示すよう
に、給電素子である中心導体103から半径dの個所に
円筒4を設け、その円筒面401の上に中心導体103
に対してπ/4傾いて平行に並んだ複数の無給電素子4
02,402,402…が架設されている。円筒面40
1は中心導体103に平行に作る。
【0004】図17のX,Y,Zの各直交軸は、考察の
便宜のために、X−Y面を水平面とし、Z軸を鉛直方向
とする。
【0005】中心導体103をZ軸の方向にとり、この
中心導体103から見て直径の両端に位置する1対(つ
い)の無給電線条素子402,402は、中心導体10
3からX−Y面に沿ってそれぞれ距離dを距てた反対側
の個所に於いて、中心導体103に対してはそれぞれπ
/4傾いた姿勢で位置し且つ相互にはπ/2の角度で空
間交叉している。
【0006】このような無給電線条素子の組が円筒面4
01の上に複数組配設されている。図17の構成体に於
いて、距離dに関してkd≒π/2(等号が成立する場
合を含む。)(kは波数)の条件を満すように設定し、
無給電線条素子402,402,402,…の各々の長
さLは、使用波長λに関して中心導体103に対する反
射器としての効果と導波器としての効果とが同じになる
ように選んで双方の機能を併せて発揮するように設定す
る。
【0007】このように設定して、中心導体103を励
振すると、円筒4の外側の空間に水平面内無指向性の円
偏波の電波が輻射される。
【0008】
【発明の課題】この発明は、以上のような構成による、
1つの面内で無指向性を持つ円偏波アンテナを、多周波
で共用可能なものに発展させることを目的とする。
【0009】
【発明の概要】この発明は、給電素子である中心導体
と、その中心導体の極く近傍にこの給電素子に平行して
無給電素子(以下「近接無給電素子」という。)を設け
る。
【0010】中心導体を多周波励振する。誘導によって
近接無給電素子が電波を輻射する。
【0011】中心導体及び近接無給電素子をそれぞれ中
心として複数の筒状体を多重に配置し、各筒状体の筒面
には、中心導体及び近接無給電素子に対してπ/4の角
度で平行に並んだ線条の無給電素子(以下「線条無給電
素子」という。)をそれぞれ複数本架設する。
【0012】この場合、中心導体を1つの使用波長に対
してアンテナとして作動するように作り、近接無給電素
子を他の幾つかの使用波長に対してそれぞれアンテナと
して作動するように作る。
【0013】そして筒状体の各々は、その各々の筒面に
架設してある線条無給電素子が、筒状体ごとにそれぞれ
対応する使用波長の各々に対して導波器及び反射器とし
ての機能を併せ持つように作る。
【0014】
【実施例】図1はこの発明の実施例を示す平面図、図2
はこの発明の実施例を示す側面図、図3はこの発明の実
施例を示す一部破断斜視図である。これらの図におい
て、同じ記号は構造上の同じ個所を示す。
【0015】図1,2,3は使用波長が2つの場合の実
施例である。
【0016】近接無給電素子としてダイポール1本を用
い、給電素子としての主ダイポールを2周波励振し、筒
状体は2重であって、その各々の筒状体として直円筒を
使用した例である。
【0017】図1において、DAは中心導体であり且つ
給電素子でもあるダイポール(以下「主ダイポール」と
いう。)、DPは近接無給電素子としてのダイポール
(以下「無給電ダイポール」という。)、BN1は主ダ
イポールDAに対するバラン(以下「バラン1」という
ことがある。)、BN2は無給電ダイポールDPに対す
るバラン(以下「バラン2」ということがある。)、C
Y1は主ダイポールDAを中心位置とする半径R1の直
円筒(以下「外側円筒」という。)、CY2は無給電ダ
イポールDPを中心位置とする半径R2の直円筒(以下
「内側円筒」という。)、PA1は外側円筒CY1の円
筒面に設けた線条無給電素子(以下「外側無給電素子」
という。)、PA2は内側円筒CY2の円筒面に設けた
線条無給電素子(以下「内側無給電素子」という。)で
ある。
【0018】図3に示したX,Y,Zの直交3軸は説明
の便宜のためのものであり、X−Y面を水平面に考えて
Z軸を鉛直方向にとる。この3軸は図1及び図2にも妥
当する。
【0019】なお、図2は外側円筒CY1の円筒面の素
材及び内側円筒CY2の円筒面の素材をそれぞれ透視し
て示してある。
【0020】主ダイポールDA及び無給電ダイポールD
PをZ軸方向にとる。
【0021】バランBN1は主ダイポールDAが輻射す
る電波(波長λ1)に対して公知所定の平衡不平衡変換
器としての作用を呈し、同様にバランBN2は無給電ダ
イポールDPが輻射する電波(波長λ2)に対して公知
所定の平衡不平衡変換器としての作用を呈する。
【0022】外側無給電素子PA1の各々は、外側円筒
CY1の母線に対してπ/4の角度で架設し、主ダイポ
ールDAを挾んで当該主ダイポールDAを通る長さ2・
R1の弦の両端に位置するように配設する。
【0023】主ダイポールDAを挟んだ両側の一対(つ
い)の外側無給電素子の各々は主ダイポールDAに対し
てそれぞれπ/4の角度の姿勢をとり且つ相互にはπ/
2の角度で交叉している。即ち外側円筒CY1には、こ
のような対(つい)をなす外側無給電素子の組が複数組
設けてある。
【0024】同様に、内側円筒CY2の円筒面に設けて
ある内側無給電素子PA2の各々は、円筒の母線に対し
てπ/4の角度で架設してあり、無給電ダイポールDP
を中心にして長さ2・R2の弦の両端に位置するように
配設してあり、このような対(つい)が複数組設けてあ
る。
【0025】これらの内側無給電素子PA2の各々は、
無給電ダイポールDPに対してはπ/4の角度で位置
し、無給電ダイポールDPを通る弦の両端に位置するも
の相互はπ/2の角度で交叉している。
【0026】図1には、外側無給電素子PA1,内側無
給電素子PA2ともそれぞれ6本(3対)架設してある
状態を、それらの頭部のみ見えるように示してある。
【0027】外側円筒CY1及び内側円筒CY2の各々
の円筒面は、各外側無給電素子PA1及び各内側無給電
素子PA2を架設するための支持基体であり、主ダイポ
ールDAの使用波長λ1及び無給電ダイポールDPの使
用波長λ2に対して透明な素材で作る。
【0028】主ダイポールDAと無給電ダイポールDP
とは、極めて接近した個所にそれぞれZ軸方向に並設す
る。
【0029】主ダイポールDAと外側円筒CY1の円筒
面に架設した外側無給電素子PA1(複数)とによって
1つの組のアンテナを形成する。この組のアンテナを以
下「外側アンテナ」という。
【0030】同様に、無給電ダイポールDPと内側円筒
CY2の円筒面に架設した内側無給電素子PA2(複
数)とによってもう1つの組のアンテナを形成してい
る。この組のアンテナを以下「内側アンテナ」という。
【0031】主ダイポールDAはその輻射波長λ1に対
して最大の輻射効率を発揮するように作り、また無給電
ダイポールDPはその輻射波長λ2に対して最大輻射効
率を発揮するように作る。
【0032】主ダイポールDAの輻射波長λ1に対する
波数をk1とし、また無給電ダイポールDPの輻射波長
λ2に対する波数をk2とするとき、k1・R1≒π/
2(等号が成立する場合を含む。)であり、またk2・
R2≒π/2(等号が成立する場合を含む。)であるよ
うに、それぞれR1とR2の大きさを設定する。
【0033】外側無給電素子PA1の各々の長さL1
は、主ダイポールDAが輻射する電波の波長λ1に対し
て各外側無給電素子PA1が導波器として呈する作用と
反射器として呈する作用とが同じになるように設定す
る。
【0034】同様に、内側無給電素子PA2の各々の長
さL2は、無給電ダイポールDPが輻射する電波の波長
λ2に対して各内側無給電素子PA2が導波器として呈
する作用と反射器として呈する作用とが同じになるよう
に設定する。
【0035】
【作用】主ダイポールDAを、フィーダFD(同軸ケー
ブル)を通して波長λ1及びλ2の信号によって2周波
励振する。
【0036】主ダイポールDAは波長λ1の電波を輻射
し、無給電ダイポールDPは誘導によって波長λ2の電
波を輻射する。
【0037】主ダイポールDAから輻射された波長λ1
の電波に対しては外側無給電素子PA1が導波器として
の作用と反射器としての作用を呈し、外側円筒CY1の
外部の空間において、オムニディレクショナルな円偏波
の電波が伝播する。
【0038】無給電ダイポールDPから輻射された波長
λ2の電波に対しては内側無給電素子PA2が導波器と
しての作用と反射器としての作用を呈し、内側円筒CY
2の外部(実用上は外側円筒CY1の外部)の空間にオ
ムニディレクショナルな円偏波の電波が伝播する。
【0039】以下、図1,2,3に示す形状の実施例に
よって得た特性例を、図4,5,6,7,8,9及び1
0の各図に示す。
【0040】これらの各図は、各々の測定の場合とも外
側円筒CY1及び内側円筒CY2を所定の形状に組立て
た状態で、一方の円筒についての設定条件を変化(変
更)しながら測定したものである。
【0041】またこれらの各図を通じて次の(1)〜
(8)の諸元が共通である。
【0042】(1)主ダイポールDAの高さ(Z軸方向
の長さ)D1=55mm (2)無給電ダイポールDPの高さ(Z軸方向の長さ)
D2=37mm (3)主ダイポールDAのバランBN1(バラン1)の
長さ(Z軸方向の長さ)B1=53mm (4)無給電ダイポールDPのバランBN2(バラン
2)の長さ(Z軸方向の長さ)B2=38mm (5)バランBN1の直径 A1=12mm (6)バランBN2の直径 A2=20mm (7)外側無給電素子PA1及び内側無給電素子PA2
の各々の幅 W=1mm (8)外側無給電素子PA1及び内側無給電素子PA2
の各々の厚さT=0.25mm 図4,5,6,7,8,9及び10の各々の意味は次の
とおりである。
【0043】図4は、外側アンテナについて測定した特
性であって、外側無給電素子PA1の長さL1=96m
mに固定し、外側円筒CY1の半径R1をパラメータに
とって、主ダイポールDAの輻射する電波の周波数f1
を変化させたときの、軸比の変化とリターンロスの変化
を考察したもの。
【0044】図5は、外側アンテナについて測定した特
性であって、主ダイポールDAの輻射する電波の周波数
f1=1215MHzに固定し、外側円筒CY1の半径
R1をパラメータにとって、外側無給電素子PA1の長
さL1を変化させたときの、軸比の変化を考察したも
の。
【0045】図6は、内側アンテナについて測定した特
性であって、内側無給電素子PA2の長さL2=68m
mに固定し、内側円筒CY2の半径R2をパラメータに
とって、無給電ダイポールDPの輻射する電波の周波数
f2を変化させたときの、軸比の変化とリターンロスの
変化を考察したもの。
【0046】図7は、内側アンテナについて測定した特
性であって、無給電ダイポールDPの輻射する電波の周
波数f2=1775MHzに固定し、内側円筒CY2の
半径R2をパラメータにとって、内側無給電素子PA2
の長さL2を変化させたときの軸比の変化を考察したも
の。
【0047】図8は、外側無給電素子PA1の長さL1
=96mm及び外側円筒の半径R1=50mm、また内
側無給電素子PA2の長さL2=68mmにそれぞれ固
定し、内側円筒CY2の半径R2を変化させたときの、
主ダイポールDAの輻射する電波(周波数f1=121
5MHz)の軸比の変化及び無給電ダイポールDPの輻
射する電波(周波数f2=1775MHz)の軸比の変
化を考察したもの。
【0048】図9は、外側アンテナについて測定した指
向特性であって、外側円筒CY1の半径R1=50m
m、外側無給電素子PA1の長さL1=96mm、主ダ
イポールの高さD1=55mm及びバラン1(BN1)
の高さB1=53mmとした場合に、主ダイポールDA
が周波数f1=1215MHzの電波を輻射したときの
水平面内指向性及び垂直面内指向性をそれぞれ示したも
の。
【0049】図10は、内側アンテナについて測定した
指向特性であって、内側円筒CY2の半径R2=30m
m、内側無給電素子PA2の長さL2=68mm、無給
電ダイポールDPの高さD2=37mm及びバラン2
(BN2)の高さB2=38mmとした場合に、無給電
ダイポールDPが周波数f2=1775MHzの電波を
輻射したときの水平面内指向性及び垂直面内指向性をそ
れぞれ示したもの。
【0050】
【考察】図4〜10の各図を総合して、全体として、外
側アンテナも内側アンテナも、この2周波数帯におい
て、それぞれ良好な特性を得ている。
【0051】図4及び図6から、外側円筒CY1及び内
側円筒CY2とも各々単独のとき各半径R1,R2の変
化によって中心周波数(外側円筒は1215MHz,内
側円筒は1775MHz:外側無給電素子PA1及び内
側無給電素子PA2がその各々の長さL1及びL2によ
ってそれぞれ呈する導波器としての作用と反射波器とし
ての作用が同じになる周波数)の両側で当該中心周波数
に近い範囲で、周波数の変化に対して軸比及びリターン
ロスともかなり敏感であることが解る。
【0052】図5及び図7から、外側円筒CY1及び内
側円筒CY2とも、各半径R1,R2の変化によって、
各使用周波数(外側アンテナについてf1=1215M
Hz,内側アンテナについてf2=1775MHz)に
おいて、外側無給電素子PA1の長さL1及び内側無給
電素子PA2の長さL2がその各々の所定の長さ(外側
無給電素子PA1の場合L1=96mm,内側無給電素
子PA2の場合L2=68mm:外側アンテナの使用周
波数f1=1215MHz及び内側アンテナの使用周波
数f2=1775MHzに対して導波器として呈する作
用と反射器として呈する作用とが同じになる長さ)の附
近の両側で変化するとき、軸比がかなり敏感であること
が解る。
【0053】図8から、内側円筒CY2の半径R2を変
化させたとき、内側アンテナからの輻射電波の軸比が変
化するにもかかわらず、外側アンテナからの輻射電波の
軸比は、この周波数帯では影響を受けていない。即ち双
方のアンテナの結合が極めて少ないことが解る。
【0054】図9及び図10から、外側アンテナ及び内
側アンテナともそれぞれ極めて良好な水平面内無指向性
を得ていることが解る。
【0055】また図9及び図10から、外側アンテナ及
び内側アンテナともそれぞれ垂直面内の良好な8の字特
性を得ていることが解る。
【0056】
【その他の実施例】(1)無給電ダイポールは1つの周
波数について複数個設けてもよい。この場合例えば、図
11,12,13に示したように、主ダイポールDAを
中心にして、諸元を同じに作った複数の無給電ダイポー
ルDP1,DP2,DP3,…を対称位置に配置する。
【0057】なお、図11,12,13には、外側円筒
及び内側円筒は省略して、主ダイポールDAと無給電ダ
イポールDP1,DP2,DP3,…の配置関係を示す
部分だけを図示した。
【0058】この場合、内側円筒CY2の円筒面に形成
する内側無給電素子PA1の各々は、各無給電ダイポー
ルDP1,DP2,DP3,…の対称中心(主ダイポー
ルDAに一致する位置)を中心にしてその対称中心を通
る弦の両端になる個所に一対(つい)のものを配置し、
このような対(つい)の組を複数組円筒面に架設する。
【0059】このようにすれば、各無給電ダイポールD
P1,DP2,DP3,…は主ダイポールDAからの誘
導によって同じ周波数(位相、振幅も同じ)の電波を輻
射し、その輻射が合成されるので、主ダイポールDAと
同じ位置に各無給電ダイポールDP1,DP2,DP
3,…を合成した1つの無給電ダイポールDPが存在す
るのと同効の輻射をする。従って内側円筒CY2の中心
を外側円筒CY1の中心と一致させることができ、双方
の円筒を偏心しないで設けることができる。
【0060】(2)外側円筒CY1の円筒面に架設する
無給電素子PA1(複数)と内側円筒CY2の円筒面に
架設する無給電素子PA2(複数)とは、図2には各々
の円筒中心(内側アンテナについては無給電ダイポール
DP1,DP2,DP3,…が複数の場合はそれらの合
成中心)から見て同じ側にある各々の円筒面に架設する
方向が同じ方向(平行)である場合を示してあるが、こ
れは図14に示すように、各無給電素子PA1,PA2
は主ダイポールDA及び無給電ダイポールDP(又は複
数の場合は各無給電ダイポールDP1,DP2,DP
3,…を合成したもの)に対してはそれぞれπ/4の角
度をとるが、外側円筒CY1の円筒面に架設する無給電
素子PA1と内側円筒CY2の円筒面に架設する無給電
素子PA2とでは相互に直交するように配設してもよ
い。なお、図14も図2と同様に外側円筒CY1と内側
円筒CY2を透視して示し、またバランBN1及びBN
2の直径A1及びA2ならびにその長さをB1及びB2
の名称と記号の表記を省略した。
【0061】(3)図2の場合は、外側アンテナによっ
て輻射する電波と内側アンテナによって輻射する電波と
では円偏波の偏波面の旋回方向が同じになる。図14の
場合は、双方のアンテナから輻射する電波の偏波面の旋
回方向が互いに逆になる。
【0062】(4)外側円筒CY1及び内側円筒CY2
の各円筒面に形成する線条無給電素子の本数(対(つ
い)の数)は、これが少いとオムニディレクショナルな
特性を得ることが出来ず、また多過ぎると輻射電力が円
筒の外部に伝播しなくなるので、実施上自づから適当な
本数(つい数)が存在する。
【0063】前出の実施例の場合の各円筒とも”6本
(3対(つい))”は、この2周波数帯での最適本数で
ある。
【0064】(5)図2又は図14に示すような2重円
筒による共用アンテナを上下方向(Z軸方向)に2段又
はそれ以上の段数重ねてスタックすることにより、垂直
面内の指向性を狭く絞ることができる。
【0065】(6)各線条無給電素子(外側無給電素子
PA1及び内側無給電素子PA2)は、図1,2,3及
び14には円筒面に沿って曲った状態に架設されたもの
を示したが、これらは直線状に架設されたものでもよ
い。
【0066】この場合も、各々の線条無給電素子はZ軸
に平行な面内に位置してZ軸(筒面の母線)に対してπ
/4の姿勢をとり且つ主ダイポール又は無給電ダイポー
ルに関して対称位置に架設された”対(つい)の相手”
の線条無給電素子に対してπ/2の角度で空間交叉する
ように架設する。
【0067】この場合、これらの線条無給電素子PA
1,PA2を支持する基体を直筒状体CYの筒面として
形成する。
【0068】例えば図15,16に示すように横断面が
凸多角形又は凹多角形など、どの形状のものでもよい、
なお、図15,16で、記号Pで示した個所は、主ダイ
ポールDA又は無給電ダイポールDP(複数の無給電ダ
イポールDP1,DP2,DP3,…の場合はそれらを
合成したもの)の位置を示す。
【0069】図15,16のような形状の直筒状体CY
の筒面において、その母線に対してπ/4をなすように
各線条無給電素子PA1,PA2を架設すれば、主ダイ
ポールDA又は無給電ダイポールDPに対する架設姿勢
の必要条件が満足される。
【0070】また図15,16のように横断面がPの位
置に関して対称形であるように直筒状体CYを作れば、
各線条無給電素子PA1,PA2などがPの位置に関し
て対称配置であることの必要条件が満足される。
【0071】(7)使用周波数は2つに限らない。一般
には3つ以上の周波数での実施がこの発明の中のものと
して考えられる。
【0072】即ち、使用周波数が3つ以上の場合、それ
ぞれの使用周波数に合わせて2つ以上の無給電ダイポー
ルを配置する。但し、いずれか1つの周波数について例
えば図11,12又は13のように複数の無給電ダイポ
ールDP1,DP2,DP3,…を使用する場合は、そ
れらの合成されたものを当該1つの周波数に対する1つ
の無給電ダイポールと考える。
【0073】主ダイポールDA及び各無給電ダイポール
DPの各使用波長ごとに筒状体CYを作り、その筒面に
線条無給電素子を架設する。
【0074】これらの筒状体を多重に配置する場合、す
べて同じ形状の筒状体を使用する必要はない。第1の筒
状体を例えば図16のような形状のものとし、第2の筒
状体を例えば図15のような形状のものとし、第3の筒
状体を例えば円筒にするなどの組合わせでもよい。また
直多角筒を2つ以上使用する場合でも、各々の直筒状体
の面数(横断面多角形の辺数)が等しいものである必要
はない。
【0075】なお、筒状体の数が多くなると、輻射電力
が外部に伝播しなくなるという実用上の問題があるの
で、実施面では使用周波数の数についてこの点からの限
界がある。
【0076】(8)2周波で実施する場合に、図1,
2,3に示した実施例のように主ダイポールDAを低い
方の周波数で使用し且つ無給電ダイポールDPを高い周
波数で使用することに限定する必要はない。主ダイポー
ルDAを高い方の周波数で使用するようにしても差支え
ない。この場合無給電ダイポールDPが誘導によって輻
射する電力が外側の円筒CY1に与える所要のエネルギ
ーが得られるならば、外側の円筒CY1を無給電ダイポ
ールDPの使用波長に適合させて実施しても差支えな
い。
【0077】同様に、3つ以上の周波数で実施する場合
に、主ダイポールDAの使用周波数が最も内側の筒状体
とか又は最も外側の筒状体とかに適合するように限定し
て考える必要はない。3つ以上の筒状体で多重に構成し
たうち中間の任意の位置のものが主ダイポールDAの使
用波長に適合するようにして実施しても差支えない。
【0078】この発明において、「第1,第2,第3,
第4,…の周波数」のような指称が周波数の高い順序又
は低い順序の意味に限定されるものではないし、又「第
1,第2,第3,第4,…の筒状体」のような指称が筒
状体の配列について内側から又は外側からの並んでいる
順序を限定する意味のものではなく、これらは3つ以上
の同種のものを相互に区別する意味のみで使用してい
る。
【0079】(9)各筒状体の筒面は、各線条無給電素
子PA1,PA2を架設する支持基体であるが、この支
持基体が線条無給電素子の各々について、必ずしも全て
の個所で隙間なく存在する必要はない。
【0080】各線条無給電素子PA1,PA2を固い材
質のもので作る場合には自立性が高いので、このような
各線条無給電素子PA1,PA2の両端、途中等を一個
所又は高々数個所以内適宜離散的に支持するだけで、こ
れらの各線条無給電素子PA1,PA2が主ダイポール
DA又は無給電ダイポールDP(又は複数の無給電ダイ
ポールDP1,DP2,DP3,…を合成したもの)に
対してπ/4の姿勢をとり且つこれらのダイポールD
A,DPに対して対称配置になっているという所定の条
件を満足できることがある。
【0081】このような支持の仕方は、各線条無給電素
子PA1,PA2が直線状のものであるときは容易であ
るが、しかし各線条無給電素子PA1,PA2が円筒面
に相当する曲率に従った曲がりを持っているときでも可
能である。
【0082】「筒状体の筒面に架設する」というのは、
各線条無給電素子PA1,PA2の全体がまんべんなく
筒面を形成する物質に付着している場合に限らず、筒面
に相当する個所に実際の担持物がなくても前記の所定の
条件を満足し筒面に相当する個所に各線条無給電素子P
A1,PA2が存在するという意味に解される。
【0083】
【効果】外側アンテナと内側アンテナ相互の結合が少い
ので、これらのアンテナのいずれか一方の円筒半径,線
条無給電素子の長さ,使用周波数などが変ったときに、
他方のアンテナの特性の影響が少いかまたは極めて少い
ので、各アンテナを単独に設計するときと同じ視点で設
計することができる。
【0084】また各アンテナの使用周波数を独立に選ん
で調整可能なので実用上のメリットが大きい。
【0085】また円偏波発生のための特別な給電回路を
必要としない。
【0086】また双方のアンテナで互いに逆方向に旋回
する円偏波を簡単に得ることができる。
【0087】このアンテナは簡単な構造で実現出来、各
アンテナとも極めて良好な水平面内無指向性と垂直面内
の8の字特性を得ている。
【0088】
【用途】(1)移動体通信における基地局と移動局間の
通信に利用することができる。例えば、自動車,船舶,
ヘリコプタ,人工衛星,コードレステレホン,パーソナ
ル無線などで使用できる。
【0089】(2)市街地等における周波数ダイバーシ
ティ通信に利用できる。
【0090】(3)移動体テレメータ等に利用して、追
尾もしくは位置標定用のチャンネルと計測データ伝送用
のチャンネルに共用する場合に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す平面図。
【図2】この発明の実施例を示す側面図。
【図3】この発明の実施例を示す一部破断斜視図。
【図4】この発明の実施例を示すもので、外側円筒によ
るアンテナの周波数対軸比特性,及び周波数対リターン
ロス特性を示す図。
【図5】この発明の実施例を示すもので、外側円筒によ
るアンテナの円筒面線条無給電子の長さ対軸比特性を示
す図。
【図6】この発明の実施例を示すもので、内側円筒によ
るアンテナの周波数対軸比特性,及び周波数対リターン
ロス特性を示す図。
【図7】この発明の実施例を示すもので、内側円筒によ
るアンテナの円筒面線条無給電素子の長さ対軸比特性を
示す図。
【図8】この発明の実施例を示すもので、内側円筒の半
径を変化させた場合に外側アンテナの受ける影響を軸比
特性で示した図。
【図9】この発明の実施例を示すもので、外側アンテナ
の水平面内指向性と垂直面内8の字特性を示す図。
【図10】この発明の実施例を示すもので、内側アンテ
ナの水平面内指向性と垂直面内8の字特性を示す図。
【図11】この発明の実施例を示すもので、近接無給電
ダイポール素子の配置の例を示す一部省略平面図。
【図12】この発明の実施例を示すもので、近接無給電
ダイポール素子の配置の例を示す一部省略平面図。
【図13】この発明の実施例を示すもので、近接無給電
ダイポール素子の配置の例を示す一部省略平面図。
【図14】この発明の実施例を示す側面図。
【図15】この発明の実施例を示す一部省略横断面図。
【図16】この発明の実施例を示す一部省略横断面図。
【図17】従来例を示す斜視図。
【符号の説明】
DA…主ダイポール DP,DP1,DP2,DP3,…無給電ダイポール BN1…主ダイポールDAのバラン(バラン1) BN2…無給電ダイポールDPのバラン(バラン2) CY1…外側円筒 CY2…内側円筒 PA1…外側無給電素子 PA2…内側無給
電素子 L1…外側無給電素子PA1の長さ L2…内側無給電
素子PA2の長さ 103…ダイポール 4…円筒 402…線条無給電素子 3…バラン

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多重筒状体によるアンテナにおいて、給
    電素子に極く接近し且つ上記給電素子に平行して1つ又
    は複数の近接無給電素子を配置し、上記給電素子を第1
    の周波数に適合するように作り、上記近接無給電素子を
    それぞれ第2,第3,第4,…の周波数に適合するよう
    に作り、上記多重筒状体を構成する任意1つの筒状体の
    筒面に上記第1の周波数に対して導波器としての作用と
    反射器としての作用が同じである線条無給電素子を架設
    し、上記多重筒状体を構成する他の任意1つ又は複数の
    筒状体の筒面に上記第2,第3,第4,…の周波数の各
    々に対して導波器としての作用と反射器としての作用が
    同じである線条無給電素子をそれぞれ架設し、上記給電
    素子を多周波励振した多周波共用アンテナ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の多周波共用アンテナに
    おいて、第2,第3,第4,…の任意1つ又は複数の周
    波数の各々について近接無給電素子が1本である多周波
    共用アンテナ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の多周波共用アンテナに
    おいて、第2,第3,第4,…の任意1つ又は複数の周
    波数の各々について近接無給電素子が複数であって且つ
    給電素子に対して対称に配置してある多周波共用アンテ
    ナ。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3のいずれかに記載の
    多周波共用アンテナにおいて、任意1つの筒状体の筒面
    に架設した線条無給電素子と他の任意1つの筒状体の筒
    面に架設した線条無給電素子とが互いに平行する方向で
    ある多周波共用アンテナ。
  5. 【請求項5】 請求項1,2又は3のいずれかに記載の
    多周波共用アンテナにおいて、任意1つの筒状体の筒面
    に架設した線条無給電素子と他の任意1つの筒状体の筒
    面に架設した線条無給電素子とが互いに直交する方向で
    ある多周波共用アンテナ。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3,4又は5のいずれか
    に記載の多周波共用アンテナにおいて、多重筒状体のう
    ち少なくとも1つが円筒である多周波共用アンテナ。
  7. 【請求項7】 請求項1,2,3,4,5又は6のいず
    れかに記載の多周波共用アンテナにおいて、周波数が2
    つであってその各々の周波数に対応する筒状体がそれぞ
    れ円筒である多周波共用アンテナ。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3,4又は5のいずれか
    に記載の多周波共用アンテナにおいて、多重筒状体のう
    ち少なくとも1つが多角筒である多周波共用アンテナ。
  9. 【請求項9】 請求項1,2,3,4,5,6,7又は
    8のいずれかに記載の多周波共用アンテナを給電素子に
    沿った方向に複数段設けた多周波共用アンテナ。
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