JPH068975A - プラスチック容器 - Google Patents

プラスチック容器

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JPH068975A
JPH068975A JP16749992A JP16749992A JPH068975A JP H068975 A JPH068975 A JP H068975A JP 16749992 A JP16749992 A JP 16749992A JP 16749992 A JP16749992 A JP 16749992A JP H068975 A JPH068975 A JP H068975A
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光博 今泉
Masataka Kotani
政孝 小谷
Takashi Takeuchi
尚 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品などを長期間保存しうるとともに、電子
レンジにより内部の食品を均一に加熱できるプラスチッ
ク容器を提供すること。 【構成】 ガスバリアー性プラスチック層を少なくとも
一層有するとともに、その最内面層に実質上非晶性のポ
リアミド層を有するプラスチック製の容器本体と、ガス
バリア性を有する金属箔層の外面にこの金属箔層を保護
するプラスチック層が積層され、その内表面層に該蓋と
容器本体とを融着するための融着層として、実質上非晶
性のポリアミド層が積層された蓋からなるプラスチック
容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なプラスチック容
器、さらに詳しくは、食品などを長期間保存しうるとと
もに、電子レンジにより内部の食品を均一に加熱できる
プラスチック容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、先にガスバリア性に優れ
た合成樹脂製容器を提案した(例えば特開昭60−90
130号公報,特開昭60−90131号公報,特開昭
63−67241号公報参照)。この本発明者らが先に
提案した合成樹脂製容器について説明すると、図4は該
容器の1例の断面図であって、この容器は本体1と蓋2
とで構成されている。容器本体1は、剛性を有するプラ
スチック製外層部3とガスバリア層4とからなるもので
ある。ガスバリア層4は図5に示すように、ガスバリア
性を有するアルミニウム箔5の両面にプラスチックフィ
ルム6,6が積層された複合フィルムを折り曲げてカッ
プ状に賦形することによって形成されている。蓋2は、
プラスチック製の外層部7とガスバリア製を有するガス
バリア層8とからなるものである。この蓋2は、容器本
体1の開口部内に落とし込まれた中央部2aと、容器本
体1の上端部に嵌合するフランジ部2bとで形成されて
いる。そして中央部2aの外周縁に沿う位置には、ガス
バリア層8が露出した弱化線9が形成されている。この
蓋2のガスバリア層8は、容器本体1のガスバリア層4
と同じ複合フィルムによって形成されている。この容器
においては、容器内部がガスバリア層4,8のアルミニ
ウム箔5によって囲まれているので、ガスバリア性に優
れており、内容物を長期保存できる利点がある。
【0003】しかしながら、前記構成の容器において
は、容器内部を囲むアルミニウム箔5によってマイクロ
波が反射されて内部に侵入できないので、容器に収容さ
れている内容物を電子レンジで加熱調理することができ
ないという欠点があった。さらに、蓋及び容器本体の最
内面層がポリオレフィン層であるため、個々の食品がも
つフレーバーが最内面層に吸着してしまい、容器をあけ
た際、個々の食品がもつフレーバーが少なくなるという
好ましくない事態を招来する。図6は、従来用いられて
いる容器の他の例の断面図であって、この容器は、合成
樹脂のみで形成された容器本体11の上部開口がプラス
チックフィルム製の薄い蓋12によって閉じられた構造
を有している。この容器においては、マイクロ波が容器
内に侵入できるので、電子レンジによる内容物の加熱調
理が可能である。しかしながら、該容器に収容された内
容物を電子レンジで加熱した場合、内容物がシチューな
どの流動性の悪いものであると、内容物を均一に加熱で
きないという問題があった。さらに、この容器はガスバ
リヤ性能が不十分である上、個々の食品がもつフレーバ
ーが吸着されてしまうため、食品などを長期間保存でき
ないという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のプラスチック容器が有する問題を解決し、食品な
どを長期間保存しうるとともに、電子レンジにより、内
部の食品を均一に加熱できるプラスチック容器を提供す
ることを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有するプラスチック容器を開発すべく鋭意
研究を重ねた結果、容器本体とこれを気密に閉止する蓋
とからなるプラスチック容器において、該容器本体及び
蓋として、特定の構成のものを用いることにより、その
目的を達成しうることを見出した。本発明は、このよう
な知見に基づいてなされたものである。すなわち、本発
明は、容器本体とこれを気密に閉止する蓋とからなるプ
ラスチック容器であって、該容器本体がガスバリア性プ
ラスチック層を少なくとも一層有するとともに、その最
内面層に実質上非晶性のボリアミド層を有するプラスチ
ック製のものであり、かつ前記蓋がガスバリア性を有す
る金属箔層の外面にこの金属箔層を保護するプラスチッ
ク層が積層され、その内表面層に該蓋と容器本体とを融
着するための融着層として、実質上非晶性のボリアミド
層が積層されたものであることを特徴とするプラスチッ
ク容器を提供するものである。ここで、容器本体がプラ
スチック製とは、全てプラスチックであることを意味す
る。この容器本体の酸素透過率は、モダンコントロール
社製OXTRAN10/50を用い、20℃,60%R
Hの条件下で測定したとき、0.05cc/個・24Hr・
酸素気圧以下であることが望ましい。
【0006】前記容器本体は、多層シートを真空又は圧
空成形することによって製造することができる。この多
層シートとしては、プロピレン系樹脂からなる層とエチ
レン−ビニルアルコール共重合体系樹脂からなる層とプ
ロピレン系樹脂からなる層と実質上非晶性のポリアミド
からなる層とが積層された多層シート、プロピレン系樹
脂からなる層とポリ塩化ビニリデン系樹脂からなる層と
プロピレン系樹脂からなる層と実質上非晶性のポリアミ
ドからなる層とが積層された多層シート、及びプロピレ
ン系樹脂からなる層と無延伸ポリプロピレンフィルムか
らなる層とポリ塩化ビニリデン系樹脂フィルムからなる
層と実質上非晶性のポリアミドフィルムからなる層とが
積層された多層シートが特に好適である。以下、これら
多層シートを形成する各樹脂について説明する。
【0007】プロピレン系樹脂(以下PPと記す) 本発明において使用されるPPとしては、プロピレン単
独重合体又はプロピレン単位を少なくとも70重量%含
有するプロピレンとエチレン若しくは他のα−オレフィ
ンとのランダム又はブロック共重合体が挙げられる。さ
らに1.0〜50重量%のエチレン系重合体が混合された
ものも利用できる。これらのPPは、メルトフローレー
ト(JIS K−7210に従い、温度230℃及び荷
重2.16kgの条件で測定、以下「MFR(1)」と云
う)が0.005〜20g/10分であるのが望ましい。
このMFR(1)が0.005g/10分未満のPPを用
いると、成形加工性が低下し、良好な容器が得られな
い。また20g/10分を超えたPPを使用すると、容
器の耐衝撃性が低下し、容器が実用に達しないのみなら
ず、多層シート成形加工性も低下する。またこのPPに
は一般に合成樹脂及びゴムの分野において広く使われて
いる無機充填剤が添加される。これらの無機充填剤とし
ては、酸素及び水と反応しない無機化合物であり、混練
時や成形時において分解しないものが好ましく用いられ
る。該無機充填剤としてはアルミニウム,銅,鉄,鉛,
ニッケル,マグネシウム,カルシウム,バリウム,亜
鉛,ジルコニウム,モリブデン,ケイ素,アンチモン,
チタンなどの金属の酸化物、その水和物(水酸化物)、
硫酸塩,炭酸塩,ケイ酸塩などの化合物、これらの複塩
並びにこれらの混合物に大別される。
【0008】これらの無機充填剤のうち、粉末状のもの
はその径が30μm以下のものが好ましい。また、繊維
状のものでは径が1〜50μmであり、長さが10〜2
00μmのものが望ましい。さらに、平板状のものは3
0μm以下のものが好ましい。これらの無機充填剤のう
ち、特に平板状(フレーク状)のもの及び粉末状のもの
が好適である。これらの無機充填剤の含有量は、該無機
充填剤とPPとの合計重量に基づき10〜70重量%の
範囲にあるのが望ましい。この量が10重量%未満では
得られる容器の剛性が不足し、かつ焼却時の燃焼発熱量
が8000キロカロリー/kg以上になり易焼却型樹脂
にはならない。一方、70重量%を超えると得られる容
器の耐衝撃性が著しく低下し、実用に適しない容器しか
得られない。また、PPの熱成形性及び水蒸気バリア性
を向上させるために、該PPに後記のエチレン系樹脂
を、PPとエチレン系樹脂との合計重量に基づき、50
重量%以下の割合で配合してもよい。このブレンドされ
るエチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体及びエ
チレンとプロピレン;ブテン−1,4−メチルペンテン
−1;オクテン−1などの炭素数3〜12のα−オレフ
ィンとの共重合体が挙げられる。該エチレンとα−オレ
フィンとの共重合体中のα−オレフィン単位の含有量
は、通常多くとも15重量%が好適である。該エチレン
系樹脂の密度は、一般には0.900〜0.965g/cm
3 が好適である。さらに、メルトフローインデックス
(JIS K−7210に従い、条件4で測定、以下
「MFR(2)」と云う)は、前記のPPと同じ理由
で、通常0.01〜80g/10分が好適である。このエ
チレン系樹脂としては、いわゆる高圧法によって製造さ
れる低密度ポリエチレンやフィリップス触媒又はチーグ
ラー触媒によって製造される直鎖状の低密度ないし高密
度ポリエチレンを利用できる。
【0009】エチレン−ビニルアルコール共重合体(以
下EVOHと記す) さらに、本発明において使用されるEVOHの出発物質
であるエチレン−酢酸ビニル共重合体中のエチレン単位
の含有量は15〜60モル%の範囲にあるのが好まし
い。またけん化度は80モル%以上が好適である。さら
に、このEVOHのメルトフローインデックス〔JIS
K−7210に従い、温度210℃及び荷重2.16k
gで測定、以下「MFR(3)」と云う〕は通常0.1〜
20g/10分のものが好適である。MFR(3)が0.
1g/10分未満のEVOHを使うと成形性が不良とな
る。一方、20g/10分を超えたEVOHを使用する
と、多層積層物を製造する際に成形性が悪く、良好な積
層物が得られない。
【0010】ポリ塩化ビニリデン(以下PVDCと記
す) 本発明において用いられるPVDCとしては塩化ビニリ
デン単独重合体、塩化ビニリデン単位を少なくとも50
重量%含有する塩化ビニルとの共重合体及び塩化ビニリ
デン単位を少なくとも50重量%含有し、他のモノマー
(例えば、ビニルエステル,ビニルエーテル,アクリロ
ニトリル,塩化ビニル,(メタ)アクリル酸,メチル
(メタ)アクリレート,マレイン酸,イタコン酸)との
三元共重合体が挙げられる。またPVDCとしては、塩
化ビニリデンとアクリル酸エステルとの共重合樹脂も好
適に用いられる。この場合、塩化ビニリデン単位とアク
リル酸エステル単位との含有割合は重量比で95:5〜
80:20の範囲にあることが望ましい。この塩化ビニ
リデン−アクリル酸エステル共重合樹脂からなる層は、
この樹脂からなるフィルムを二軸延伸処理して形成して
も差し支えない。該PVDCのMFR(2)は成形性及
び強度の点で、通常0.1〜50g/10分の範囲にある
のが望ましい。
【0011】実質上非晶性のポリアミド 本発明において使用される実質上非晶性のポリアミド
は、示差走査熱量計で測定した結晶融解熱量が2カロリ
ー/g未満であることが重要である。この結晶融解熱量
が2カロリー/g以上では、該ポリアミドの融点が高く
なるため、このポリアミドを成形するために溶融温度ま
で成形温度を高めた場合、前記PPやEVOHが熱劣化
することがある。また、該熱量計で測定したガラス転移
点が80〜180℃の範囲にあることが重要である。こ
のガラス転移点が80℃未満のポリアミドを用いると、
特に本発明のプラスチック容器をレトルト加熱殺菌処理
などのために加熱処理する際に大幅に各種食品のフレー
バーが吸着していまい、保存容器としての利用が困難と
なる。一方、180℃を超えると成形性が著しく低下す
る。該ポリアミドは酸として、アジピン酸;アゼライン
酸;テレフタル酸;イソフタル酸;シクロヘキサン−
1,4−ジカルボン酸など、またアミンとして、1,6
−ヘキサメチレンジアミン;トリメチル−1,6−ヘキ
サメチレンジアミン;4,4’−ジアミノジシクロヘキ
シレンメタン;4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチ
ルジシクロヘキシレンメタン;4,4’−ジアミノジシ
クロヘキシレンプロパン;イソホロンジアミン、またラ
クタムとして、カプロラクタム;ラウロラクタム、さら
にイソシアネートとして、4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート;トリレンジイソシアネートを重縮合
させることによって得られる。このポリアミドは、これ
らの重縮合成分をそれぞれ溶融重合法、溶液重合法の二
つの方法によって重縮合させることにより製造される。
溶液重合法は基本的には通常のナイロン−6やナイロン
−6,6の製造の場合と同様に加圧溶融重合法である
が、該ポリアミド樹脂の場合、原料ジカルボン酸として
芳香族ジカルボン酸を用いることが多く、また重合温度
が比較的に高いために、溶融重合時に生成するポリマー
の着色やゲル化が起こりやすいという問題がある。した
がって、重合時にリン系化合物を添加して着色やゲル化
を防止したり、テレフタル酸ジエステルを出発原料とし
て用いて、前縮合工程と後縮合工程からなる二段重合を
行うなどの工夫をすることが望ましい。さらに、溶液重
合としてはジイソシアネートとジカルボン酸との脱炭酸
縮合反応を利用してもよい。
【0012】本発明のプラスチック容器における容器本
体は、前記の各樹脂を積層した多層シート、好ましくは
PP層とEVOH層とPP層と実質上非晶性のポリアミ
ド層とが積層された多層シート、PP層とPVDC層と
PP層と実質上非晶性のポリアミド層とが積層された多
層シート又はPP層と無延伸PPフィルム層とPVDC
フィルム層と実質上非晶性のポリアミドフィルム層とが
積層された多層シートから構成されている。なお、各層
間には変性PP層等の接着層を介在させることが好まし
い。一方、蓋は、ガスバリア性を有する金属箔層(例え
ばアルミニウム箔層など)の外面に、この金属箔層を保
護するプラスチック層(例えばPP層など)が積層さ
れ、かつその内表面層に該蓋と容器本体とを融着するた
めの融着層として、前記の実質上非晶性のポリアミド層
が積層された構造を有している。本発明のプラスチック
容器はフレーバー成分の吸着が少ないことが重要であ
る。特に下記に示す測定方法により、D−リモネン,D
L−カンフル,L−メントールの吸着量が23℃で60
日間保管後、5mg/g以下であるのが望ましい。測定
方法としては、フレーバー成分(D−リモネン:DL−
カンフル:L−メントール:サリチル酸メチル重量比=
1:1:1:1)を含ませた脱脂綿を実質上非晶質ポリ
アミドフィルムにはさみ、四方をシールしたのち、23
℃で60日間保管後、フレーバー成分をサンプリング
し、ガスクロマトグラフィーで分析する(ガスクロマト
グラフィー分析条件;カラム:PEG−HTクロモソル
ブ,昇温速度:4℃/分,インジエクション温度:18
0℃)。該吸着量が5mg/gを超えると内容食品のフ
レーバー成分を保持することが困難となる。
【0013】
【作用】本発明のプラスチック容器では、容器本体がプ
ラスチック製なので、マイクロ波は容器本体の部分を通
過して容器内に侵入できる。そして容器内に侵入したマ
イクロ波は蓋の金属箔層で反射されて容器内に散乱され
る。またこのプラスチック容器では、蓋にガスバリア性
を有する金属箔層が設けられているので、容器全体のガ
スバリア性が大幅に向上する。そして、容器本体はガス
バリア性プラスチック層を少なくとも一層有する多層シ
ートによって形成されているので、容器本体のガスバリ
ア性を十分に保証できる。さらに、蓋及び容器本体の最
内面層がフレーバー吸着の少ない実質上非晶性のポリア
ミド層であるため、個々の食品がもつフレーバーについ
ても十分保持できる。
【0014】
【実施例】以下、添付図面に従って本発明のプラスチッ
ク容器についてさらに詳しく説明する。なお、前記従来
例と同様の構成部分には同一符号を付して説明を簡略化
する。図1は本発明のプラスチック容器の1実施例を示
す断面図であって、図中符号21は容器本体、22は蓋
である。該容器本体21は多層シートを熱成形すること
により製造された合成樹脂のみからなるものである。こ
の容器本体21の熱成形には、同時打ち抜き熱成形機S
TF−600〔住友重機械(株)製〕を用いた。また、
この容器21を形成する多層シートには、図2の拡大断
面図に示すようにPPの層23とEVOHの層24とP
Pの層25との共押出しシートに、非晶性ポリアミドの
層とPPに無水マレイン酸をグラフトした変性ポリプロ
ピレン(変性PP)からなる層26を貼合成形した多層
シートが用いられた。なお、各層間には、厚さ20μm
程度の上記変性PP層(図示せず)が介在している。該
多層シートを構成するPPには、エチレン単位の含有量
が12重量%であり、かつMFR(1)が0.5g/10
分のプロピレン−エチレンブロック共重合体が用いられ
ている。このPPからなる層の厚さは各600μmであ
った。また、EVOHには、エチレン単位の含有量が3.
8モル%のエチレン−酢酸ビニル共重合体をけん化させ
ることによって得られたけん化物(けん化度99モル
%、MFR4.0g/10分)が用いられている。このE
VOHからなる層の厚さは50μmであった。
【0015】さらに、非晶性ポリアミドとしては、テレ
フタル酸とトリメチルヘキサメチレンジアミン及び水と
の混合物を、まず110℃に加熱して脱メチルアルコー
ル反応を行ってメチルアルコールを除去し、生成した水
溶液を240℃の温度において25気圧の条件下で加圧
溶融重合させ、前駆体となる低重合体を得、次いでこの
ものを押出機を用いて減圧下、260℃の温度で重縮合
して得られたものを用いた。この非晶性ポリアミドは、
ジメチルホルムアルデヒドを溶媒として使用し、25℃
の温度で測定した粘度平均分子量が約2万であり、結晶
融解熱量が0.2カロリー/g,ガラス転移温度が148
℃であった。このようにして得られた非晶性ポリアミド
を用い、変性PPと共押出しすることにより、前記共押
出しシートのPP層23の上に、厚さ60μmの非晶性
ポリアミド層と厚さ20μmの変性PP層からなる層2
6を貼合成形した。前記蓋22はポリプロピレン製の外
層部7とガスバリア性を有するガスバリア層8とから構
成されている。ガスバリア層8は図3の断面図で示すよ
うに、厚さ12μmのアルミニウム箔5の内容物に接し
ない面に、厚さ30μmのプラスチックフィルム(ポリ
プロピレン製)6が、またアルミニウム箔5の表面(内
容物に接する面)に厚さ40μmの前記非晶性ポリアミ
ドフィルム6’が積層されたものが用いられている。こ
の蓋22は、前記容器本体21の上縁部に高周波溶着さ
れている。
【0016】このプラスチック容器では、容器本体21
が合成樹脂のみで形成されているので、マイクロ波は容
器本体21の部分を通過して容器内に侵入できる。そし
て容器内に侵入したマイクロ波は蓋22をなすガスバリ
ア層8のアルミニウム箔5で反射して容器内に散乱され
る。したがってこのプラスチック容器では、内容物を電
子レンジで均一に加熱することができる。またこのプラ
スチック容器では、蓋22 にガスバリア性を有するアル
ミニウム箔5からなるガスバリア層8が設けられている
ので、容器全体のガスバリア性が大幅に向上する。しか
もこのプラスチック容器では、ガスバリア性に優れたE
VOHからなる層を有する多層シートによって容器本体
21が形成されているので、容器本体21側のガスバリ
ア性も十分である。さらに、この容器は内容物に接する
部分がすべて非晶性のポリアミドであるため、内容物特
有のフレーバーを長期間保持することが可能である。し
たがって、このプラスチック容器は、優れたガスバリア
性及びフレーバーの保持性を有し、食品などを長期間保
持できる。なお、上記実施例では、PP/EVOH/P
P/非晶性ポリアミドからなる多層シートで形成された
容器本体のみを示したが、PP/EVOH/PP/CP
P(無延伸ポリプロピレンフィルム)/非晶性ポリアミ
ド、PP/PVDC/PP/CPP/非晶性ポリアミ
ド、PP/CPP/PVDCフィルム/非晶性ポリアミ
ドからなる多層シートで容器本体を形成しても同様の作
用効果が得られることはもちろんである。
【0017】
【発明の効果】本発明のプラスチック容器は、容器本体
がプラスチック製なので、マイクロ波は容器本体の部分
を通過して容器内に侵入できる。そして容器内に侵入し
たマイクロ波は蓋の金属箔層で反射されて容器内に散乱
されるので、内容物を電子レンジで均一に加熱すること
ができる。また、該容器はガスバリア性プラスチック層
を少なくとも一種を有する多層シートで形成された容器
本体と、ガスバリア性を有する金属箔層が設けられた蓋
とで構成されているので、優れたガスバリア性を有し、
食品などを長期保存することができる。さらに、蓋及び
容器本体の最内面層がフレーバー吸着の少ない実質上非
晶性のポリアミド層であるため、個々の食品がもつフレ
ーバーについても十分保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック容器の1実施例を示す断
面図である。
【図2】図1中のA部を拡大して示す断面図である。
【図3】図1に示した容器における蓋のガスバリア層を
示す断面図である。
【図4】従来の容器の第1の例を示す断面図である。
【図5】図4に示した容器における容器本体のガスバリ
ア層を形成する複合フィルムを示す断面図である。
【図6】従来の容器の第2の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 本体 2 蓋 4 ガスバリア層 5 アルミニウム箔 8 ガスバリア層 11 容器本体 12 蓋 21 容器本体 22 蓋

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体とこれを気密に閉止する蓋とか
    らなるプラスチック容器であって、該容器本体がガスバ
    リア性プラスチック層を少なくとも一層有するととも
    に、その最内面層に実質上非晶性のポリアミド層を有す
    るプラスチック製のものであり、かつ前記蓋がガスバリ
    ア性を有する金属箔層の外面にこの金属箔層を保護する
    プラスチック層が積層され、その内表面層に該蓋と容器
    本体とを融着するための融着層として、実質上非晶性の
    ポリアミド層が積層されたものであることを特徴とする
    プラスチック容器。
  2. 【請求項2】 容器本体が少なくともプロピレン系樹脂
    からなる層とエチレン−ビニルアルコール共重合体系樹
    脂からなる層と実質上非晶性のポリアミドからなる層と
    が積層された多層シートによって形成されたものである
    請求項1記載のプラスチック容器。
  3. 【請求項3】 容器本体が少なくともプロピレン系樹脂
    からなる層とポリ塩化ビニリデン系樹脂からなる層と実
    質上非晶性のポリアミドからなる層とが積層された多層
    シートによって形成されたものである請求項1記載のプ
    ラスチック容器。
  4. 【請求項4】 容器本体がプロピレン系樹脂からなる層
    と無延伸ポリプロピレンフィルムからなる層とポリ塩化
    ビニリデン系フィルムからなる層と実質上非晶性のポリ
    アミドフィルムからなる層とが積層された多層シートに
    よって形成されたものである請求項1記載のプラスチッ
    ク容器。
  5. 【請求項5】 実質上非晶性のポリアミドが示差走査熱
    量計で測定したガラス転移点が80〜180℃であり、
    かつ該熱量計で測定した結晶融解熱量が2.0カロリー/
    g未満のものである請求項1,2又は3記載のプラスチ
    ック容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007303673A (ja) * 2006-04-13 2007-11-22 Daicel Chem Ind Ltd アクチュエータ

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