JPH0689430A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH0689430A
JPH0689430A JP17689893A JP17689893A JPH0689430A JP H0689430 A JPH0689430 A JP H0689430A JP 17689893 A JP17689893 A JP 17689893A JP 17689893 A JP17689893 A JP 17689893A JP H0689430 A JPH0689430 A JP H0689430A
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JP
Japan
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cylindrical
evaporation
center
substrate
evaporation source
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JP17689893A
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English (en)
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Ryuji Sugita
龍二 杉田
Kiyokazu Toma
清和 東間
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産コストの上昇をできる限り低く抑えて、
2層構造の磁性層を形成する磁気記録媒体の製造方法を
提供すること。 【構成】 円筒状キャン4に対向して基板走行方向Aに
沿って2個の蒸発源5a、5bを配置し、円筒状キャン
4と蒸発源5a、5bとの間に、それぞれの蒸発源5
a、5bに対応した2つの開口部10a、10bを配置
し、円筒状キャンの中心を通る鉛直線12と蒸発源5a
の蒸発部の中心13aとの距離が、円筒状キャン4の半
径よりも長く、円筒状キャン4の中心を通る鉛直線12
と蒸発源5bの蒸発部の中心13bとの距離が、円筒状
キャン4の半径よりも短い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性層が2層構造に形
成された高密度記録特性の優れた磁気記録媒体の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録再生装置は年々高密度化してお
り、短波長記録再生特性の優れた磁気記録媒体が要望さ
れている。現在では基板上に磁性粉を塗布した塗布型磁
気記録媒体が主に使用されており、上記要望を満足すべ
く特性改善がなされているが、ほぼ限界に近づいてい
る。
【0003】この限界を越えるものとして薄膜型磁気記
録媒体が開発されている。薄膜型磁気記録媒体は真空蒸
着法、スパッタリング法、メッキ法等により作製され、
優れた短波長記録再生特性を有する。薄膜型磁気記録媒
体における磁性層としては、例えば、Co、Co−N
i、Co−Ni−P、Co−O、Co−Ni−O、Co
−Cr、Co−Ni−Cr、Co−Cr−Ta、Co−
Cr−Pt等が検討されている。
【0004】磁気テープへの応用の点からは、これらの
中でCo−O、Co−Ni−Oが最も適していると考え
られており、Co−Ni−Oを磁性層とした蒸着テープ
が既にHi8方式VTR用テープとして実用化されてい
る。酸素を含有する磁性層は、蒸着時の酸素導入量によ
って磁気特性が大きく変化する。Hi8方式VTR用蒸
着テープの製造方法の一例を、図2を用いて以下に説明
する。
【0005】図2は上記の蒸着テープを作製するため
の、従来の真空蒸着装置内部の構成の一例である。高分
子材料よりなる基板1は円筒状キャン4に沿って矢印A
の向きに走行する。蒸発物質6を入れた蒸発源5から蒸
発した蒸発原子7が、基板1に付着することにより磁性
層が形成される。蒸発源5としては電子ビーム蒸発源が
適しており、この中に蒸発物質6として、例えばCo、
Co−Ni等の合金を充填する。なお、蒸発源5として
電子ビーム蒸発源を用いるのは、Co等の高融点金属を
高い蒸発速度で蒸発させるためである。また、円筒状キ
ャン4周囲の一部には不要な蒸発原子7が基板に付着す
るのを防ぐために遮蔽板8が設けられ、その遮蔽板8の
端部には蒸着時に真空槽内に酸素を導入するための酸素
導入口9が設けられ、その酸素導入口9の位置及び酸素
導入量を最適にすることにより、記録再生特性及び実用
特性の優れた蒸着テープが得られる。また、基板1は供
給ロール2に巻き付けられており、磁性層が形成された
後、巻き取りロール3に巻き取られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】今後、磁気テープには
短波長領域における高出力かつ低ノイズの要求がますま
す強くなる。この要求に応えるための一つの手段として
薄膜磁性層の2層化が考えられる。
【0007】しかしながら、2層構造の磁性層を形成す
るために、図2に示す真空蒸着装置を使用した従来の方
法を用いたのでは、基板1を走行させながら蒸着を行な
うという工程を、2回繰り返さなければならない。ある
いは、従来方法によって1回の基板走行で2層構造の磁
性層を形成するためには、2個の円筒状キャンを備えた
真空蒸着装置を用いなければならない。これらの方法で
磁性層を形成すると記録再生特性は改善されるが、いず
れの方法を用いても、生産コストの上昇を伴ってしまう
という課題がある。
【0008】本発明は、従来のこのような課題を考慮
し、生産コストの上昇をできる限り低く抑えて、2層構
造の磁性層を形成する磁気記録媒体の製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、円筒状キャン
に沿って走行しつつある基板上に真空蒸着法によって磁
性層を形成する際に、1個の円筒状キャンに対向して基
板走行方向に沿って第1及び第2蒸発源を円筒状キャン
の中心を通る鉛直線に対して同じ側に配置し、円筒状キ
ャンと第1及び第2蒸発源との間に、それぞれの蒸発源
に対応した第1及び第2開口部を有する遮蔽板を配置
し、円筒状キャンの中心を通る鉛直線と第1蒸発源の蒸
発部の中心との距離が、円筒状キャンの半径よりも長
く、円筒状キャンの中心を通る鉛直線と第2蒸発源の蒸
発部の中心との距離が、円筒状キャンの半径よりも短い
磁気記録媒体の製造方法である。
【0010】
【作用】本発明は、第1蒸発源を円筒状キャンの中心を
通る鉛直線と蒸発部の中心との距離が、円筒状キャンの
半径よりも長い位置に配置し、第2蒸発源を円筒状キャ
ンの中心を通る鉛直線と蒸発部の中心との距離が、円筒
状キャンの半径よりも短い位置に配置し、それぞれの蒸
発源に対応した第1及び第2開口部を有する遮蔽板を配
置しているので、2層構造を有する磁性層を蒸着する際
の円筒状キャンは1個でよく、しかも1回の基板走行で
成膜できるので、生産コストの大幅な上昇を伴わずに、
記録再生特性の改善された磁気記録媒体を提供できる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明をその実施例を示す図面に基
づいて説明する。
【0012】図1は、本発明にかかる一実施例の磁気記
録媒体の製造方法を実施するための真空蒸着装置内部の
一例を示す。すなわち、高分子材料よりなる基板1は、
供給ロール2に巻き付けられており、円筒状キャン4に
沿って矢印Aの向きに走行し、巻き取りロール3に巻き
取られる。蒸発源としては、2台の蒸発源5a、5bが
配置されている。これらの蒸発源5a、5bと円筒状キ
ャン4との間には、不用な蒸発原子7a、7bが基板に
付着するのを防止するために、遮蔽板8a、8b、8c
が配置されている。遮蔽板8aと8bの間、及び遮蔽板
8bと8cの間は、それぞれの蒸発源5a、5bから所
望の蒸発原子7a、7bが通過し、基板1に付着するよ
うに開口部10a及び10bが設けられている。すなわ
ち、蒸発源5aから蒸発した蒸発原子7aは、遮蔽板8
aと8bの間の開口部10aを通過して基板1に付着
し、蒸発源5bから蒸発した蒸発原子7bは、遮蔽板8
bと8cの間の開口部10bを通過して基板1に付着す
る。開口部10aと開口部10bとの間には、蒸発原子
7aと7bが混合するのを防止するための遮蔽板11が
設けられている。また、蒸発源5a及び5bには、蒸発
物質6a、6bがそれぞれ充填されている。上述の蒸発
源5aが第1蒸発源を構成し、蒸発源5bが第2蒸発源
を構成し、開口部10aが第1開口部を構成し、開口部
10bが第2開口部を構成し、遮蔽板8a、8b、8c
が第1及び第2開口部を有する遮蔽板を構成している。
【0013】ここで蒸発源5a及び5bは、円筒状キャ
ン4の中心を通る鉛直線12に対して同じ側に配置し、
しかも円筒状キャン4の中心を通る鉛直線12と磁性層
形成開始部側に配置されている第1蒸発源5aの蒸発部
の中心13aとの距離Bが、円筒状キャン4の半径より
も長く、円筒状キャン4の中心を通る鉛直線12と磁性
層形成終了部側に配置されている第2蒸発源5bの蒸発
部の中心13bとの距離Cが、円筒状キャン4の半径よ
りも短くなるように配置する。この条件は、(1)高S
/Nを得るには、円筒状キャン4表面にできるだけ平行
に蒸発原子を入射させなければならない、(2)高い膜
形成速度を得るには、開口部ができるだけ蒸発部の真上
にある方がよい、(3)蒸発源同士の距離には、装置上
一定の制約がある、等々各種条件を考慮して導かれたも
のである。
【0014】以上のような構成で基板1を走行させ、蒸
発源5a及び5bのいずれからも蒸発原子7a、7bを
蒸発させつつ磁性層を形成することにより、1回の基板
走行で2層構造の磁性層を高い基板走行速度で作製する
ことができる。
【0015】蒸発源5a、5bの配置を上記のようにせ
ずに、例えば、円筒状キャン4の中心を通る鉛直線12
と第1蒸発源5aの蒸発部の中心13aとの距離B、及
び円筒状キャン4の中心を通る鉛直線12と第2蒸発源
5bの蒸発部の中心13bとの距離Cともに、円筒状キ
ャン4の半径よりも短くなるように配置すると(この時
蒸発源5aと5bとの間隔を保つために、距離Cを上記
より短くする必要がある)、高いS/N及び速い基板走
行速度を同時に達成することはできない。すなわち、高
いS/Nを有する磁気記録媒体を得ようとすると、開口
部10bの位置が同じ場合、開口部10bは蒸発部13
bの中心を通る鉛直線上から大きく離れて開口部10b
での蒸発原子7bの密度が低下し、開口部10bを通過
した蒸発原子7bにより成膜される磁性層の成膜速度が
低下してしまうために、基板走行速度を速くすることが
できない。また逆に、基板走行速度を速くするために開
口部10a及び10bの位置を変えると、蒸発原子の基
板への入射方向が基板の法線方向に対して小さくなり、
高いS/Nを有する磁気記録媒体が得られない。これに
対して、本発明の構成にすることにより、高いS/Nを
確保できる条件に開口部10a及び10bを設定した状
態で、開口部10a、及び開口部10bを通過した蒸発
原子7a及び7bにより成膜される磁性層の成膜速度を
ほぼ同等とし、両者の成膜速度を高めることができるの
で、速い基板走行速度を実現できる。
【0016】ここで、蒸発源5aと5bは、円筒状キャ
ン4の中心を通る鉛直線12に対して同じ側に配置した
場合に、高いS/Nを達成することが可能である。蒸発
源5aと5bを鉛直線12に対して反対側(図1で、蒸
発源5aは鉛直線12に対して右側、蒸発源5bは鉛直
線12に対して左側)にしたのでは、高いS/Nを達成
することはできない。また高いS/Nを得るためには、
開口部10a及び10bの位置及び蒸発源5a及び5b
の位置は、蒸発原子の基板への入射方向が基板の法線に
対して40゜以上になるように設定する必要がある。
【0017】なお高いS/Nを得るためには、第1蒸発
源5aの蒸発部の中心13aを通る蒸発物質6aの液面
の法線14と、第1蒸発源5aの蒸発部の中心13aと
第1蒸発源5aにより磁性層が形成されつつある領域1
5内の基板1上の点を結ぶ直線16とのなす角θが、磁
性層形成開始部17において最小になるようにする必要
がある。なぜならば、斜め蒸着によって形成される磁性
層において高S/Nを得るには、磁性層形成開始部すな
わち基板1近傍の磁性層の磁気特性を向上させることが
必須であり、そのためには、磁性層形成開始部の蒸気密
度を高くすることが必要だからである。蒸発源から蒸発
する蒸発原子の密度は、蒸発物質の液面の法線方向が最
も高く、法線方向から傾斜した方向では、傾斜角が大き
くなればなるほど低くなる。すなわち、磁性層形成開始
部17においてθが最小になるようにすることにより、
磁性層形成開始部における蒸発原子の密度を高くするこ
とができ、高いS/Nを達成できる。
【0018】以上のような方法で、蒸発物質としてC
o、Co−Ni、Co−Cr、Co−Ni−Cr、Co
−Fe、Co−Ni−Fe等を使用して、2層構造の磁
性層を形成することにより、記録再生特性の優れた磁気
テープを得ることができる。
【0019】Co、Co−Ni、Co−Fe、Co−N
i−Fe等を蒸発物質として使用する場合には、酸素雰
囲気中で蒸着を行なうと、磁性層は部分酸化物となり、
記録再生特性及び実用特性が改善される。この際に、真
空槽内への酸素の導入方法は記録再生特性に大きな影響
を及ぼす。
【0020】本発明において、優れた記録再生特性の得
られる酸素導入方法を以下に説明する。図1の9a、9
bは酸素導入口である。酸素導入口9aは遮蔽板8bの
開口部10a側端部に配置されている。酸素導入口9b
は遮蔽板8cの開口部10b側端部に配置されている。
また、いずれの酸素導入口9a、9bから吹き出される
酸素も、基板走行方向に対向する向きに出ている。すな
わち酸素導入口9aからは、蒸発原子7aに向かって、
基板走行方向に対向する向きに酸素が吹き出される。酸
素導入口9bからは、蒸発原子7bに向かって、基板走
行方向に対向する向きに酸素が吹き出される。このよう
な構成にすることによって優れた記録再生特性が得られ
る最大の理由は、このような構成の場合に磁性層の保磁
力が最も高くなるためだと考えられる。
【0021】以下に、上記実施例を具体例を用いて説明
し、本発明の方法で作製した蒸着テープと、従来の方法
で作製した蒸着テープの記録再生特性の比較を行なう。
【0022】図1のような基本構成を有する真空蒸着装
置を用いて、蒸着テープを作製した。円筒状キャン4の
直径は1.5mとし、テープ厚7μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムを基板1として使用した。蒸発物
質6a、6bとしてはCoを用いた。円筒状キャン4の
中心を通る鉛直線12と第1蒸発源5aの蒸発部の中心
13aとの距離Bを85cm、円筒状キャン4の中心を
通る鉛直線12と第2蒸発源5bの蒸発部の中心13b
との距離Cを60cmとした。開口部10aを通過した
蒸発原子7aの基板1への入射角は基板法線に対して8
0゜〜60゜とし、開口部10bを通過した蒸発原子7
bの基板1への入射角も基板法線に対して80゜〜60
゜となるように遮蔽板8a、8b及び8cを配置した。
以上のような構成で、平均の膜堆積速度を0.3μm/
sとして、総膜厚0.15μmの磁性層を形成した。な
お、蒸発原子7a、7bによって形成されるそれぞれの
層の膜厚は、0.08μm及び0.07μmとした。ま
た、酸素導入口9a、9bのいずれからも、0.5l/
minの割合で酸素を導入した。
【0023】以上のようにして作製した媒体をテープ状
にスリットし、センダストから成るギャップ長0.15
μmのリング形磁気ヘッドを用いて記録再生特性の評価
を行なった。その結果、従来の方法で作製された、市販
のHi8方式VTR用蒸着テープに対して、記録波長
3.8μmで3dB、0.54μmで6dB、0.38
μmで8dB高い再生出力が得られた。またノイズは、
市販のHi8方式VTR用蒸着テープに対して、約2d
B低かった。
【0024】上記の如く、本発明の方法で作製した磁気
テープは、従来の蒸着テープに対して、再生出力が高く
ノイズは低い。すなわち高いS/Nが得られる。さら
に、1回の基板走行で作製できるので生産性が高い。ま
た、蒸着のための円筒状キャンは1個でよいので、真空
蒸着装置の走行系が複雑にならない。なお、蒸発源は2
台設置しなければならないが、蒸発源が増えたことによ
って蒸着時の基板走行速度を速くすることが出来るの
で、生産コストは殆ど増加しない。また上記の具体例の
場合の基板走行速度は120m/minであった。
【0025】一方、円筒状キャン4の中心を通る鉛直線
12と第1蒸発源5aの蒸発部の中心13aとの距離
B、及び円筒状キャン4の中心を通る鉛直線12と第2
蒸発源5bの蒸発部の中心13bとの距離Cを、いずれ
も円筒状キャン4の半径よりも短くした場合には、上記
具体的実施例で作製した磁気テープと同等の特性を有す
る磁気テープを、120m/minの基板走行速度で作
製することはできなかった。例えば、直径1.5mの円
筒状キャン4の中心を通る鉛直線12と第1蒸発源5a
の蒸発部の中心13aとの距離Bを70cm、円筒状キ
ャン4の中心を通る鉛直線12と第2蒸発源5bの蒸発
部の中心13bとの距離Cを45cmとした場合に、上
記具体的実施例と同等の記録再生特性を有する磁気テー
プを得るためには、基板走行速度を70m/minまで
低下させなくてはならなかった。
【0026】また、2層構造の磁性層を作製する方法と
して、図1において、蒸発源は1個のみを使用し遮蔽板
の開口部を2個所にすることも可能である。しかしこの
場合には、それぞれの層の膜厚や入射角を最適にするこ
とが困難であり、本発明の方法で得られるような優れた
特性の磁気記録媒体を得ることは不可能である。その
上、基板走行速度を高めることも困難である。
【0027】なお、上記実施例では、蒸発物質としてC
oを用いる場合について説明したが、これに限ったもの
ではなく、蒸発物質としてCo−Ni、Co−Fe、C
o−Ni−Fe、Co−Cr、Co−Ni−Cr合金等
を用いる場合についても全く同様の本発明の効果が得ら
れる。なお、蒸発物質として、Co−Cr、Co−Ni
−Cr合金を用いる場合には、真空槽内に酸素を導入し
ない方が高い再生出力が得られる。
【0028】また、上記実施例では、基板としてポリエ
チレンテレフタレートフィルムを用いて説明したが、こ
れに限らず、例えばポリイミドフィルム、ポリアミドフ
ィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエチレンナ
フタレートフィルム等の高分子フィルム、あるいは下地
層の形成されている高分子フィルムでも、全く同様であ
ることは言うまでもない。
【0029】また、上記実施例では、具体例において蒸
発原子の基板への入射角を80゜〜60゜としたが、こ
の値に限定されるものではない。
【0030】また、上記実施例では、具体例において第
1蒸発源5aの蒸発部の中心13aと円筒状キャン4の
中心を通る鉛直線12との距離Bを85cm、第2蒸発
源5bの蒸発部の中心13bと円筒状キャン4の中心を
通る鉛直線12との距離Cを60cmとしたが、距離B
が円筒状キャン4の半径より長く、距離Cが円筒状キャ
ン4の半径より短ければ、この値に限定されるものでは
ない。
【0031】また、上記実施例では、各蒸発源に充填す
る蒸発物質を同一にしたが、異なる蒸発物質でもよい。
その場合には、それぞれの蒸発物質によって入射角や酸
素導入量などを最適化することにより、さらなる記録再
生特性の改善が期待できる。
【0032】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、1個の円筒状キャンに対向して基板走行方向に
沿って第1及び第2蒸発源を配置し、円筒状キャンと第
1及び第2蒸発源との間に、それぞれの蒸発源に対応し
た第1及び第2開口部を有する遮蔽板を配置しているの
で、生産コストの上昇をできる限り低く抑えて、2層構
造の磁気記録媒体を製造することができるという長所を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一実施例の磁気記録媒体の製造
方法を実施するための真空蒸着装置内部の概略を示す図
【図2】従来の真空蒸着装置内部の概略を示す図
【符号の説明】
1 基板 2 供給ロール 3 巻き取りロール 4 円筒状キャン 5a 第1蒸発源 5b 第2蒸発源 6a、6b 蒸発物質 7a、7b 蒸発原子 8a、8b,8c 遮蔽板 9a、9b 酸素導入口 10a 第1開口部 10b 第2開口部 11 遮蔽板 12 円筒状キャンの中心を通る鉛直線 13a 第1蒸発源5aの蒸発部の中心 13b 第2蒸発源5bの蒸発部の中心 14 蒸発物質6aの液面の法線 15 第1蒸発源5aにより磁性層が形成されつつある
領域 16 第1蒸発源5aの蒸発部の中心13aと第1蒸発
源5aにより磁性層が形成されつつある領域内の基板上
の点を結ぶ直線 17 磁性層形成開始部 A 基板走行方向 B 円筒状キャンの中心を通る鉛直線と蒸発源5aの蒸
発部の中心との距離 C 円筒状キャンの中心を通る鉛直線と蒸発源5bの蒸
発部の中心との距離

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状キャンに沿って走行しつつある基板
    上に真空蒸着法によって磁性層を形成する際に、1個の
    円筒状キャンに対向して基板走行方向に沿って第1及び
    第2蒸発源を前記円筒状キャンの中心を通る鉛直線に対
    して同じ側に配置し、前記円筒状キャンと前記第1及び
    第2蒸発源との間に、それぞれの蒸発源に対応した第1
    及び第2開口部を有する遮蔽板を配置し、前記円筒状キ
    ャンの中心を通る鉛直線と前記第1蒸発源の蒸発部の中
    心との距離が、前記円筒状キャンの半径よりも長く、前
    記円筒状キャンの中心を通る鉛直線と前記第2蒸発源の
    蒸発部の中心との距離が、前記円筒状キャンの半径より
    も短いことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】蒸発原子の前記基板への入射角が前記基板
    の法線に対して40゜以上であることを特徴とする請求
    項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】前記第1蒸発源の蒸発部の中心を通る蒸発
    物質の液面の法線と、前記第1蒸発源の蒸発部の中心と
    前記第1蒸発源により磁性層が形成されつつある前記基
    板上の点を結ぶ直線とのなす角が、磁性層形成開始部に
    おいて最小であることを特徴とする請求項1または2記
    載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】真空槽内に酸素を導入しつつ蒸着を行なう
    際に、酸素導入口を前記第1開口部の終端部近傍及び前
    記第2開口部の終端部近傍に配置し、前記基板走行方向
    に対向する向きに酸素を吹き出して蒸発物質の部分酸化
    物磁性層を形成することを特徴とする請求項1〜3いず
    れかに記載の磁気記録媒体の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3832578A1 (de) * 1987-09-29 1989-06-01 Spagyrik Heinz Inst Ag Arzneimittel zur bekaempfung der hiv-virus-infektion

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DE3832578A1 (de) * 1987-09-29 1989-06-01 Spagyrik Heinz Inst Ag Arzneimittel zur bekaempfung der hiv-virus-infektion

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