JPH0689397B2 - 加工性に優れた機械構造用電縫鋼管の製造法 - Google Patents

加工性に優れた機械構造用電縫鋼管の製造法

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JPH0689397B2 JP32437089A JP32437089A JPH0689397B2 JP H0689397 B2 JPH0689397 B2 JP H0689397B2 JP 32437089 A JP32437089 A JP 32437089A JP 32437089 A JP32437089 A JP 32437089A JP H0689397 B2 JPH0689397 B2 JP H0689397B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、加工性に優れた機械構造用電縫鋼管の製造法
に関する。
〔従来の技術〕
従来、自動車用鋼管あるいは空調機用鋼管として使用さ
れる電縫鋼管(JIS G3445 STKM11A相当)は、その使用
に際して、鋼管の押拡げ、偏平、つば出し、曲げ、スエ
ージ加工、スピニング加工等の加工が施されるため、素
材の加工性能が要求される。そのため、一般的には製管
後に焼準、あるいは焼鈍等の熱処理を行い、その加工性
能の改善が図られていた。
一方、高寸法精度が要求される、冷延鋼板を素材とした
機械構造用電縫鋼管においても、同様にその加工性を向
上させるために、製管後に焼準、あるいは焼鈍等の熱処
理を行い、その加工性能の改善が図られてはいるが、十
分に要求される加工製を有するものとはいえず、たとえ
ば空調機用部品のアキュームレーター等においては、特
に加工製が要求される点からCu管が広く用いられてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このCu管はコストが高く、さらには値動
きが激しいため、安定供給の面からも問題があり、また
強度的に鋼管には劣るため、Cu管なみの加工性を有する
鋼管が強く望まれていた。
そこで本発明の目的は、冷延鋼板を素材とする電縫鋼管
において、所定の強度を保持しつつ、優れた加工性を有
する機械構造用電縫鋼管の製造法を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題は、C:0.01%以下、Si:0.05%以下、Mn:0.30%
以下、P:0.025%以下、S:0.015%以下、SolAl:0.050%
以下、Ti:0.02〜010%、残部がFeおよび不可避的不純物
からなる鋼をホットストリップ仕上がり温度Ar3+40℃
以上でt=2.5〜6.0mmに熱間圧延し、600℃以上で巻取
った熱延鋼帯を、さらにt=1.2〜2.5mmに冷間圧延した
後、650〜700℃で10hr以上コイル焼鈍を行い、その後鋼
帯を管状に成形しながら電気抵抗溶接することにより解
決できる。
また、上記において、冷間圧延後のt=1.2〜2.5mmのス
トリップを管状に成形しながら電気抵抗溶接を行い、そ
の後750〜900℃で3分以上パイプ焼鈍を行うこととして
もよい。
〔発明の具体的な構成〕
本発明に係る機械構造用電縫鋼管の成分限定理由等につ
いて作用とともに詳説する。
C:Cは、鋼質を軟質化させるためには、極力少なくする
ことが望ましい。0.01%を超えた場合には固溶Cが多く
なり、パーライトが析出し難く、成形加工および溶接時
の高温歪時効により延性が劣化するため、C含有量は0.
01%以下とした。
Si:Siはアルミキルド鋼を溶製する際、0.01%前後は不
可避的に混入するが、0.05%を超えると強度を高め、延
性を損なうこととなるため、Si含有量は0.05%以下とし
た。
Mn:Mnは延性確保のためには極力少ない方が望ましい
が、強度確保とのバランスを考慮し、Mn含有量は、0.03
%以下とした。
P:Pは鋼中介在物の発生を増大させ、結果的に加工性を
劣化させるため、P含有量は0.025%以下とした。
S:SもPも同様に鋼中介在物の発生を増大させ、結果的
に加工性を劣化させるため、S含有量は0.015%以下と
した。
Sol.Al:Sol.Alは鋼中含有N2量の固定による歪時効の防
止のために必要な元素であるが、含有量が0.050%を超
えると鋼を硬化させるとともに、結晶粒の粗大化が原因
して、製管時の肌荒れを引き起こすため、その含有量を
0.050%以下とした。
Ti:Tiは結晶粒の過度の粗大化を抑制するために不可欠
の元素である。しかし、含有量が0.02%未満では、その
効果が得られず、また010%を超えると強度上昇のた
め、加工性能が低下する。したがって、Ti含有量は0.02
〜010%とした。
以上の元素成分を含有することで本発明の効果を奏し得
ると考えられるが、好ましくとNbおよびBのうち少なく
とも一方を含有することで、より加工性を向上させるこ
とができる。Nbは高温仕上がり、高温巻取り時における
結晶粒の粗大化を防止するとともに、靱性および加工性
の向上に寄与し、Bは固溶Nを減少させるとともに、高
温熱処理時のAlNの析出を阻止して、加工性を向上させ
る。一方、含有量は0.001%未満の場合にはその効果が
少ないとともに、現在の製鋼技術では常に0.001%未満
に保つことは困難であり、また0.008%を超えると窒化
物の粗大化を招くため、0.001〜0.008%とすることが望
ましい。
なお、Nは本発明においては、少ないほど好ましく、鋼
中に不可避的に含まれる不純物と解しているが、N含有
量が靱性上の点より、0.30%未満となるようにすること
が好ましい。
以上、本発明電縫管における鋼材の成分限定について述
べたが、熱間圧延条件・冷間圧延・熱処理等について次
述する。
熱間圧延時の仕上り圧延温度をAr3+40℃以上としたの
は、結晶粒径を比較的大きな整粒とし、延性特性を増す
ためであり、この温度以下で仕上げると粒径が細かくな
るか、混粒になるため延性を低下させることとなる。た
だし、好ましくはAr3+40〜70℃とされる。
一方、熱間圧延においては、本成分のストリップは極度
に軟らかく、又、圧延厚さを薄くすると、ストリップの
温度降下も大きくなり、所定の巻取り温度も得られず、
ホットストリップミルでの圧延最小厚さはt=2.5mmと
なる。t=2.5mmより薄いもの、あるいは高寸法精度が
要求されるものについては、その後工程の冷間圧延によ
って処理される。なお、上限については、6.0mm以上で
は、後工程の冷間圧延工程を経ても、所定の鋼管肉厚ま
で圧下できないため上限を6.0mmとする。したがって、
熱間圧延においては、t=2.5〜6.0mmとする。
また、熱間圧延後の巻取り温度については、600℃以上
の場合には固溶Nの減少、さらには結晶粒の成長による
軟質化が図られるとともに、引張強度30kg/mm2が確保さ
れるためである。ただし、好ましくは650〜700℃とされ
る。
熱間圧延処理を経た熱延鋼帯は、次いでコールドストリ
ップミルにおいて冷間圧延され、t=1.2〜2.5mmの板厚
に仕上げられる。この板厚t=1.2〜2.5mmは電縫鋼管の
肉厚に相当するものであり、電縫鋼管の必要肉厚により
板厚tが決定される。この際、冷間圧延された鋼帯の組
織は、加工歪を受けているため、フルハードな組織にな
っており、この状態では伸び値が虚度に小さく、加工性
は低下している。したがって、コイル状態か、あるいは
成形・溶接して電縫鋼管とした後、再結晶温度を超える
熱処理が必要となる。
まず、冷間圧延後にコイル焼鈍をする場合の熱処理温度
は、650〜700℃とされる。650℃未満の場合は、再結晶
が十分に行われず、また700℃を超える場合にはコイル
の焼き付きが起こるためである。また、焼鈍時間は所定
の軟質化を図るためには、最低でも10hrは必要とされ、
さらに均一て粒成長を得るために好ましくは15hr以上と
される。
一方、電縫鋼管に製管した後、パイプ焼鈍をする場合の
熱処理温度は、750〜900℃とされる。750℃未満の場合
は、再結晶が十分に行われず、また900℃を超えた場合
にはAC3変態点近傍となり、粗大粒が発生するためであ
る。焼鈍時間は、パイプ焼鈍の場合には生産上、長時間
熱処理を行うことはコスト増となるため短時間であるこ
とが望ましいが、最低でも充分な再結晶と粒成長を得る
ために3分は必要とされる。ただし好ましくは10分程度
が好適とされる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明の効果を明らかにする。
第1表に示される3種類の試料に基づいて、熱延条件・
焼鈍条件等をそれぞれ変化させ製管したA〜Hの鋼管に
ついて試験を行った結果を第2表に示す。
第1表中、試料NO1およびNO2は、本発明に係る化学成分
を含有する鋼であり、試料NO3は従来例の化学成分によ
り構成される鋼である。
第2表中、A〜Hの供試体は、第1表に示される各試料
を、第2表に示す熱延条件によって、t=4.0mmに熱間
圧延した後、さらに冷間圧延によってt=1.6mmに圧延
し、その後AおよびBの供試体については、コイル焼鈍
後、製管したものであり、またC・E・F・Hの供試体
は、製管後、パイプ焼鈍したものである。さらにDおよ
びGの供試体については、焼鈍を行わずに製管されたも
のである。すなわち、A〜Cの供試体は、本発明の係る
化学成分を含有する鋼をさらに本発明製造方法により製
管された電縫管供試体であり、D〜Fの供試体は、本発
明の係る化学成分を含有する鋼を本発明製造方法の条件
以外の焼鈍条件として製管された電縫管供試体であり、
またGおよびHは、従来の化学成分により構成される鋼
を本発明製造方法の条件以外の熱延・焼鈍条件として製
管された電縫管供試体である。
なお、供試体サイズは、A〜Hともに76.3φ×1.6tとし
て製管された。
第2表から明らかなように、本発明に係る電縫鋼管を示
すA〜Cの供試体の場合には、他の供試体に比べ、延性
および加工性が大幅に向上していることが判明してい
る。
〔発明の効果〕 以上詳説したように、本発明によれば鋼の化学成分を限
定し、さらにその製造過程における熱延条件および焼鈍
条件を規定することによって、引張強度を保持しつつ、
延性および加工性を向上させた電縫鋼管を得ることがで
き、もって素材コストの低減を図ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.01%以下、Si:0.05%以下、Mn:0.30%
    以下、P:0.025%以下、S:0.015%以下、SolAl:0.050%
    以下、Ti:0.02〜0.10%、残部がFeおよび不可避的不純
    物からなる鋼を、ホットストリップ仕上がり温度Ar3+4
    0℃以上でt=2.5〜6.0mmに熱間圧延し、600℃以上で巻
    取った熱延鋼帯を、さらにt=1.2〜2.5mmに冷間圧延し
    た後、650〜700℃で10hr以上コイル焼鈍を行い、その後
    鋼帯を管状に成形しながら電気抵抗溶接することを特徴
    とする加工性に優れた機械構造用電縫鋼管の製造法。
  2. 【請求項2】C:0.01%以下、Si:0.05%以下、Mn:0.30%
    以下、P:0.025%以下、S:0.015%以下、SolAl:0.050%
    以下、Ti:0.02〜0.10%、残部がFeおよび不可避的不純
    物からなる鋼を、ホットストリップ仕上がり温度Ar3+4
    0℃以上でt=2.5〜6.0mmに熱間圧延し、600℃以上で巻
    取った熱延鋼帯を、さらにt=1.2〜2.5mmに冷間圧延し
    た後、管状に成形しながら電気抵抗溶接を行い、その後
    750〜900℃で3分以上パイプ焼鈍を行うことを特徴とす
    る加工性に優れた機械構造用電縫鋼管の製造法。
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