JPH0689393B2 - 含鉄冷材溶解法における溶鉄c濃度推定方法 - Google Patents

含鉄冷材溶解法における溶鉄c濃度推定方法

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JPH0689393B2
JPH0689393B2 JP2099881A JP9988190A JPH0689393B2 JP H0689393 B2 JPH0689393 B2 JP H0689393B2 JP 2099881 A JP2099881 A JP 2099881A JP 9988190 A JP9988190 A JP 9988190A JP H0689393 B2 JPH0689393 B2 JP H0689393B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、上吹酸素ランスを有すると共に炉底にノズル
を有する転炉を用い、種湯となる溶鉄の存在する上記転
炉内に冷銑、スクラップ等の含鉄冷材を供給し、炉底ノ
ズルから酸素、LPG、N2と共に微粉炭を吹き込み溶鉄を
加炭すると共に上吹酸素ランスから酸素を供給し浴発生
ガスを二次燃焼させて効率的に含鉄冷材を溶解し高炭素
溶鉄を得る含鉄冷材溶解法における、含鉄冷材の溶解完
了時の溶鉄C濃度推定方法および含鉄冷材の溶解開始か
ら溶解完了までの任意現在の溶鉄C濃度推定方法に関す
るものである。
(従来の技術) 特開平1−184215号公報に、含鉄冷材溶解法では得られ
た高炭素溶鉄を別の転炉または同一転炉で酸素精錬して
所要成分の溶鋼とするための熱源を確保するため、含鉄
冷材の溶解完了時の溶鉄C濃度を理論的には3.0%以
上、実際は3.7%以上、例えば4.0%の高炭素にする必要
があること、含鉄冷材の溶解開始から溶解終了までの溶
解過程において溶鉄C濃度を3.0%以上とすることによ
りスロッピング等の操業トラブル発生を防止できるこ
と、溶鉄C濃度が3.0〜4.5%の範囲ではC濃度が低い
程、排ガスダストロスが小さいこと等が示され、排ガス
ダストロスを低減しかつスロッピング等の操業トラブル
を起こすことなく含鉄冷材を溶解するための、含鉄冷材
の溶解開始から溶解完了までの溶鉄C濃度制御法が示さ
れている。また含鉄冷材の溶解開始から溶解完了を限度
とする任意時刻までのC収支を演算すると共に、上記任
意時刻の溶鉄量を推定し、溶鉄C濃度を推定する方法が
開示されている。また上記C収支の演算に必要な脱炭速
度は転炉排ガス中C濃度×排ガス流量で求め、排ガス流
量は排ガス流量計で計測することにより求めている。
このような溶鉄C濃度推定方法を、非燃料型排ガス回収
系が配備された前記構成の転炉に適用し、含鉄冷材の溶
解完了時点の溶鉄C濃度推定結果と溶解完了時点のサン
プリング溶鉄の化学分析結果を対比したところ、推定溶
鉄C濃度は大幅なバイアス誤差が生じると共に、バラツ
キが大きく、溶鉄C濃度推定精度が不充分なことが判明
した。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、非燃焼型排ガス回収系が配備された前記構成
の転炉を用いる前記含鉄冷材溶解法における含鉄冷材の
溶解完了時の溶鉄C濃度を高精度に推定する方法および
含鉄冷材の溶解開始から溶解完了までの任意現在の溶鉄
C濃度を高精度に推定する方法を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、特開平1−184215号公報に示される方法
で終点Cを推定する際に発生する誤差原因を詳細に調査
した結果、脱炭速度を排ガス中C濃度×排ガス流量で求
める際の、排ガス流量の測定精度が主要な原因であると
の、結論に至った。
排ガス流量の測定に誤差が生じるのは、この排ガス流量
の測定は煙道に設けられたベンチェリー管より動圧、静
圧、排ガス温度を測定し、水蒸気飽和として、温度、圧
力、ガス成分による密度補正を行い、ドライ標準状態の
風量に換算し求めるが、排ガス回収を行う非燃焼型排ガ
ス回収系では、炉孔燃焼の変化、炉内圧力制御の影響を
受け、排ガスの温度、圧力の変動が大きく、完全燃焼型
排ガス処理系で使われる一定風量制御系のようには高精
度で排ガス風量を測定することが出来ないためである。
そこで、本発明者等は特開平1−184215号公報に示され
る方法と異なり、排ガス風量測定誤差の影響を受け難い
脱炭速度の求め方を種々検討した結果、Arトレーサーガ
ス等の余分なコスト上昇を伴うことなく高精度で脱炭速
度を求めることができ、含鉄冷材を効率的に溶解するに
必要な溶解中及び溶解終点の溶融鉄C濃度を高精度で求
めることができる、以下の本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨とするところは下記のとおりであ
る。
(1)上吹酸素ランスを有すると共に炉底にノズルを有
する転炉を用い、種湯となる溶鉄の存在する上記転炉内
に含鉄冷材を供給し、炉底ノズルから酸素、LPG、N2
共に微粉炭を吹き込み溶鉄を加炭すると共に上吹酸素ラ
ンスから酸素を供給し浴発生ガスを二次燃焼させて効率
的に含鉄冷材を溶解し高炭素溶鉄を得る含鉄冷材溶解法
において、 含鉄冷材の溶解開始から溶解完了まで設定周期毎に、非
燃焼型排ガス回収系の煙道排ガスの成分、風量、炉底よ
り炉内に吹き込まれた窒素の総流量、炉底より炉内に吹
き込まれた水素の総流量、煙道内に流入したランス孔、
合金シュート孔等のシール用窒素の流量、炉内に吹き込
まれた酸素の総流量を測定し、 設定周期毎に上記測定値を用いて第(1)式に基づき二
次燃焼率を求め、該二次燃焼率、上記酸素の総流量、上
記水素の総流量を用いて第(2)式に基づき脱炭速度を
求め、 含鉄冷材の溶解完了時、設定周期毎に求めた脱炭速度を
溶解開始より終了まで時間積分して脱炭量を求め、種湯
溶鉄中C量、含鉄冷材中C量、溶解開始より溶解終了ま
で炉内に吹き込まれたLPG中C量、微粉炭中C量の総和
より上記脱炭量を差し引き、種湯溶鉄重量と含鉄冷材重
量の和で除算することにより、溶解完了時の溶鉄C濃度
を求めることを特徴とする含鉄冷材溶解法における溶鉄
C濃度推定方法。
但し%CO:煙道排ガスのCO濃度 IH2:炉底より炉内に吹き込まれた水素の総流量 %CO2:煙道排ガスのCO2濃度 IN2:炉底より炉内に吹き込まれた窒素の総流量 %H2:煙道排ガスのH2濃度 SN2:煙道内に流入したシール用窒素の流量 %N2:煙道排ガスのN2濃度 TO2:炉内に吹き込まれた酸素の総流量 %O2:煙道排ガスのO2濃度 PCR:二次燃焼率 Q:煙道排ガスの風量 CouT:脱炭速度 (2)上吹酸素ランスを有すると共に炉底にノズルを有
する転炉を用い、種湯となる溶鉄の存在する上記転炉内
に含鉄冷材を供給し、炉底ノズルから酸素、LPG、N2
共に微粉炭を吹き込み溶鉄を加炭すると共に上吹酸素ラ
ンスから酸素を供給し浴発生ガスを二次燃焼させて効率
的に含鉄冷材を溶解し高炭素溶鉄を得る含鉄冷材溶解法
において、 含鉄冷材の溶解開始から溶解完了まで設定周期毎に、非
燃焼型排ガス回収系の煙道排ガスの成分、風量、炉底よ
り炉内に吹き込まれた窒素の総流量、炉底より炉内に吹
き込まれた水素の総流量、煙道内に流入したランス孔、
合金シュート孔等のシール用窒素の流量、炉内に吹き込
まれた酸素の総流量を測定し、 設定周期毎に上記測定値を用いて第(1)式に基づき二
次燃焼率を求め、該二次燃焼率、上記酸素の総流量、上
記水素の総流量を用いて第(2)式に基づき脱炭速度を
求め、 含鉄冷材の溶解開始から溶解完了までの任意現在に、設
定周期毎に求めた脱炭速度を溶解開始より現在まで時間
積分して溶解開始から現在までの脱炭量を求め、種湯溶
鉄中C量、溶解開始より現在まで溶解した含鉄冷材中C
量、溶解開始より現在まで炉内に吹き込まれたLPG中C
量、微粉炭中C量の総和より上記脱炭量を差し引き、種
湯溶解重量と溶解開始より現在まで溶解した含鉄冷材重
量の和で除算することにより、含鉄冷材の溶解開始から
溶解完了までの任意現在の溶鉄C濃度を求めることを特
徴とする含鉄冷材溶解法における溶鉄C濃度推定方法。
但し%CO:煙道排ガスのCO濃度 IH2:炉底より炉内に吹き込まれた水素の総流量 %CO2:煙道排ガスのCO2濃度 IN2:炉底より炉内に吹き込まれた窒素の総流量 %H2:煙道排ガスのH2濃度 SN2:煙道内に流入したシール用窒素の流量 %N2:煙道排ガスのN2濃度 TO2:炉内に吹き込まれた酸素の総重量 %O2:煙道排ガスのO2濃度 PCR:二次燃焼率 Q:煙道排ガスの風量 CouT:脱炭速度 以下に本発明について詳細に説明する。
第2図は冷鉄源溶解転炉における二次燃焼率測定法の説
明図であり、図面において、CO,CO2,H2,H20,は炉内C
O,CO2,H2,H2O,ガス発生量、CO′,CO2′,H2′,H
20′,N2′,O2′は煙道CO,CO2,H2,H20,N2,O2ガス
流量、%CO,%CO2,%H2,%N2,%Ar,%O2は煙道CO,CO
2,H2,N2,Ar,O2濃度、Qは煙道ガス流量、IN2は炉底よ
り炉内に吹き込まれる窒素の総流量、IH2は炉底より炉
内に吹き込まれる水素の総流量、SN2は煙道内に流入す
るランス孔、合金シュート孔等のシール用窒素流量、UO
2およびBO2は上吹酸素流量および底吹酸素流量、Qair
は炉孔巻き込み空気流量を示す。
なお煙道CO濃度(%CO),CO2濃度(%CO2),H2濃度
(%H2),N2濃度(%N2),O2濃度(%O2)と煙道ガス
流量(Q)とで計算される(%CO)Q/100,(%CO2)Q/1
00,(%H2)Q/100,(%N2)Q/100(%O2)Q/100は煙道C
O,CO2,H2,N2,O2ガス流量CO′,CO2′,H2′,N2′,
O2′と等価である。
冷鉄源溶解転炉における二次燃焼率(PCR)は第(12)
式で定義される。
しかしながら、炉内排ガスを連続的に安定的に採取分析
することは困難なので、排ガス回収系煙より、煙道排ガ
スを分析し、炉孔で巻き込む空気による燃焼を補正し二
次燃焼率を求める。
この二次燃焼率測定方法について、第2図に基づき説明
する。
炉孔より巻き込む空気流量(Qair)は空気中窒素濃度
%N2aを78%とし、N2バランスをとると Qair=(%N2×Q/100−IN2−SN2)/0.78 炉孔より巻き込む空気中酸素流量(O2″)は空気中酸素
濃度O2aを21%とすると O2″=0.21×Qair =(%N2×Q/100−IN2−SN2)×0.21/0.78 (13) 炉孔燃焼前後の物質バランス、即ちOバランス、Cバラ
ンス、Hバランスは Oバランス: CO2+1/2CO+1/2H2O =CO2′+1/2CO′+1/2H2O′+O2′−O2″ (14) Cバランス: CO2+CO=CO2′+CO′ (15) Hバランス: H2+H2O=H2′+H2O′ (16) 第(14)式×2−第(15)式より第(17)式として第
(12)式分子が求められる。
CO2+H2O=CO2′+H2O′+2(O2′−O2″) (17) また第(15)式+第(16)式より第(18)式として第
(12)式分母が求められる。
CO2+CO+H2+H2O=CO2′+CO′+H2′+H2O′ (18) さらに炉底より炉内に吹き込まれる水素の総流量(I
H2)を考え、水素バランスより IH2=H2′+H2O′ (19) 第(19)式より、 H2O′=IH2−H2′ (20) 第(17)式に第(20)式、第(18)式に第(19)式を代
入すれば第(12)式と等価の第(21)式が導ける。
第(21)式中のCO2′,CO′,H2′,O2″は煙道CO2濃度
(%CO2),CO濃度(%CO),H2濃度(%H2),O2濃度
(%O2)と煙道ガス流量(Q)とで計算される%CO2×Q
/100,%CO×Q/100,%H2×Q/100,%O2×Q/100と等価であ
り、また第(21)式中の炉孔より巻き込む空気中酸素流
量(O2″)は第(13)式にて求められるから、第(21)
式は第(22)式に変換される。
この第(22)式は第(1)式に相当する。
なお炉底より炉内に吹き込まれる窒素の総流量IN2は、
第(23)式に示すように底吹窒素ガス流量(BN2)およ
び底吹微粉炭重量(W)と底吹微粉炭中窒素重量%
(%N2c)より演算される底吹微粉炭中窒素の標準状態
換算ガス流量(CN2=W×%N2c/100×22.4/28)で求
められる。
IN2=BN2+CN2 CN2=W×%N2c/100×22.4/28 IN2=BN2+W×%N2c/100×22.4/28 (23) 煙道内に流入するランス孔、合金シュート孔等のシール
用窒素ガス流量SN2は、Ar,N2バランスを用いて求めるこ
とができる。
即ち、底吹微粉炭中窒素の標準状態換算ガス流量(W
×%N2c/100×22.4/28)をCN2とし空気中の窒素濃度を
%N2aとすると窒素バランス式、第(24)式が成立す
る。
Q×%N2/100=IN2+SN2+Qair×N2a/100 Q×%N2/100=BN2+CN2+SN2+Qair×%N2a/100 (2
4) また空気中のAr濃度を%Ara、上吹及び底吹酸素中のAr
濃度を%AroとすればArバランス式、第(25)式が成立
する。
Q×%Ar=Qair×%Ara+TO2×%Aro (25) 但し、TO2=BO2+UO2 第(24),(25)式よりQairを消去し、移項整理する
と、SN2に関する第(26)式が求まる。
SN2=Q×%N2/100−(BN2+CN2)−(Q×%Ar−TO2 ×%Aro)/%Ara×%N2a/100 (26) 第(26)式により常時SN2を求めることも可能である
が、SN2の変動は少ないので、例えば微粉炭を底吹きし
ない時、即ち(CN2っO)の時に%Ar,%N2,Q,TO2,BN2
を測定し、第(26)式によりSN2を求めてSN2を固定値と
して求めておくことも可能である。
また炉底より炉内に吹き込まれる水素の総流量IH2に関
しては、第(27)式に示すように炉底より炉内に吹き込
まれるLPG流量(QLPG)および底吹微粉炭重量(W
と底吹微粉炭中水分重量%(%H2Oc)と底吹微粉炭中水
素重量%(%H2c)より演算される底吹微粉炭中水分お
よび水素の標準状態換算ガス流量(W×%H2Oc/100×
22.4/18+W×%H2c/100×22.4/2)で求められる。
IH2=4×QLPG+W×%H2Oc/100×22.4/18+W×%
H2c/100×22.4/2 (27) なおLPGはC3H8であるからH2に換算すれば4倍の体積と
なる。
また炉内に吹き込まれる水素の総流量IH2は、第(27)
式のかわりにシフト反応の平衡式より定数Kを用いてC
O′,CO2′,H2′よりH2O′を第(28)式で求め、このH
2O′を第(19)式に代入して求められる第(29)式を使
用して求めることもできる。
一方炉内に吹き込む総酸素流量(TO2)は通常上吹酸素
流量(UO2)と底吹酸素流量(BO2)の和でよいが、含鉄
冷材供給資源、炉内脱燐等の必要に応じて溶解途中に鉄
鉱石、,リサイクルダストペレット等酸素源を多量に含
有する含鉄冷材を投入する場合には、鉄鉱石等含鉄冷材
のFe2O3,FeO中の酸素より発生する酸素流量(FO2)も第
(30)式の様に加える必要がある。当然のことながら鉄
鉱石,リサイクルダストペレット等のFe2O3,FeOの比率
が高く多量に酸素を含む含鉄冷材を投入しない場合には
FO2は無視できる。
TO2=UO2+BO2+FO2 (30) またこの酸素は第(31)〜(34)式の反応に分配され
る。
C+1/2O2→CO (31) CO+1/2O2→CO2 (32) H2+1/2O2→H2O (33) Fe+1/2O2→FeO (34) 第(31)式の反応が脱炭反応であり、第(32),(33)
式の反応が二次燃焼反応であり、第(34)式の反応がス
ラグ中FeO生成反応である。
第(31)式の脱炭反応量(CO″)はCバランスより CO″=CO+CO2 (35) したがってこの反応に使われる酸素O21はCO″の1/2であ
り、第(36)式が成立する。
O21=(1/2)・(CO+CO2) (36) 第(32),(33)式の反応に使われる酸素O22は、炉内C
O2,H2Oガス発生量の1/2であるから O22=(1/2)・(CO2+H2O) (37) 同様に第(34)式の反応に使われる酸素をO23とすれ
ば、 TO2=O21+O22+O23=(1/2)・(CO+CO2)+(1/2)
・(CO2+H2O)+O23 (38) 第(38)式を移項整理すると、 CO2+H2O=2・TO2−(CO+CO2)−2・O23 (39) 第(39)式に第(15)式を代入し、CO′とCO2′を(%C
O)Q/100,(%CO2)Q/100に置換すると、 CO2+H2O=2・TO2−Q(%CO+%CO2)/100−2・O23
(40) 第(40)式右辺最終項(2・O23)が無い場合、すなわ
ちスラク中への酸素消費がない場合には第(41)式が成
立し、第(12)式分子と等価となる。
CO2+H2O=2・TO2−Q(%CO+%CO2)/100 (41) したがって第(22)式分子は第(41)式で置換でき 第(42)式を移行整理すると 第(43)式より脱炭速度(COUT)は第(44)式として
重量に換算され第(2)式に相当する 第(44)式中のPCRに第(22)式右辺を代入することに
より脱炭速度(COUT)を求めることができる。
なお第(30)式中FO2は鉄冷材のFe2O3,FeO中の酸素より
発生する酸素流量であるから投入する鉄冷材のFe2O3,Fe
Oの分析値(%Fe2O3),(%FeO),鉄冷材の投入速度
(Wco)より第(45)式を用いて求める必要がある。
本発明による脱炭速度の測定が風量の測定誤差の影響を
受け難く、高精度な測定ができるのは第(22)式が特徴
として風量(Q)の誤差を受け難いことによる。
即ち、第(22)式の分子と分母をQ/100で割ると第(2
2)式は第(47)式となる。
第(46)式の分子でQに関わる項はIH2,(IH2+S
N2)、分母でQに関わる項はIH2のみである。IH2の項は
分子と分母で誤差がキャンセルされる傾向となる。(IN
2+SN2)は炉及び煙道中に吹き込まれる窒素ガスの総流
量であるが、総送酸量に比べると著しく少なく、従って
他の項に比べ相対的に著しく小さく、PCR測定の誤差と
しても著しく小さな値に留まるのである。
このように、PCR測定値が風量(Q)の誤差を受け難い
ため、第(47)式で脱炭速度を求める従来法が風量
(Q)の誤差に比例して脱炭速度の誤差となるのに対
し、第(44)式にPCRを代入し脱炭速度を求める本発明
法は、風量(Q)の誤差を受け難く、高精度で安定した
脱炭速度を求めることができるのである。
なお第(44)式とPCR第(22)式で脱炭速度を求めるの
は、特開平1−184215号公報に示されに第(47)式に比
べて演算は複雑であり、スラグ中に吸収される酸素を無
視しているのが欠点の様に考えられる。
OUT=(%CO2+%CO)×Q/100×12/22.4 (47) しかしながら、PCRは冷鉄源溶解法における、熱収支計
算、溶解推定計算に欠くことのできない重要データであ
り、操業中常に演算されている。従って、本発明で脱炭
速度(COUT)を求めるのに実際に必要となるのは第(4
4)式とかかわる第(30)式のみである。
スラグ中に吸収される酸素を無視している問題も、スラ
グ量は溶融鉄量に比べて著しく少なく、従って吸収され
る酸素量は総送酸量に比べると著しく少なくなり、また
一時的に吸収されても、昇温するとともに、還元され放
出されるので、一時的に脱炭速度の誤差となっても、溶
融鉄Cを推定する際には脱炭速度の時間積分を行い、加
炭量時間積分との差よりC濃度を求めるので、最終的に
は(特に終点C推定には)殆ど誤差がキャンセルされて
しまう。
(実施例) 第3図は本発明法を実施する装置例を示したものであ
り、1は溶解転炉、2は溶解転炉の炉底に設けた三重管
ノズル、3は上吹酸素ランス、4は溶解転炉の非燃焼型
排ガス回収係の煙道、24は上吹酸素ランス3に酸素を供
給する上吹酸素配管、25は三重管ノズル2の内管と中間
管との間のリング状間隙に酸素を供給する底吹酸素配
管、26は三重管ノズル2の中間管と外管との間のリング
状間隙にLPGを供給する底吹LPG配管、27は微粉炭のキャ
リヤーガスとなる底吹N2ガス配管、28は微粉炭インジェ
クションタンク16からN2ガス配管に供給される微粉炭を
N2ガスをキャリヤーガスとして三重管ノズル2の内管に
供給する底吹微粉炭供給配管である。11は上吹酸素配管
24に設けたオリフィス6の差圧発信器、12は底吹N2ガス
配管27に設けたオリフィス7の差圧発信器、13は底吹酸
素配管25に設けたオリフィス8の差圧発信器、14は底吹
LPG配管26に設けたオリフィス9の差圧発信器、18は微
粉炭インジェクションタンク16に設けたロードセル17の
秤量値発信器、5は煙道4に設けたベンチェリーで、10
はベンチェリー5の圧力発信器、15は煙道4に設けた排
ガス温度計である。23はベンチェリー5及び排ガス温度
計15の上流の煙道に設けたベンチェリースクラバーであ
る。19は上吹酸素ランス3の昇降位置下流、ベンチェリ
ースクラバー23上流の煙道排ガスのCO濃度(%CO),CO
2濃度(%CO2),H2濃度(%H2),N2濃度(%N2),O2
濃度(%O2),Ar濃度(%Ar)を同時に分析できる単収
束型質量分析計である。20は、差圧発信器11,12,13,圧
力発信器10,排ガス温度計15,秤量値発信器18,質量分析
計19の出力信号を所定周期で読み取り、煙道ガスCO濃度
(%CO),CO2濃度(%CO2),H2濃度(%H2),N2濃度
(%N2),O2濃度(%O2),煙道排ガス流量(Q),炉
内に吹き込まれる上吹酸素流量(UO2),底吹酸素流量
(BO2),及び鉄ダストを主成分とするコールドペレッ
トを溶解中連続または半連続的に炉内に投入するホッパ
ー29の切出し速度を測定するためのロードセル30とその
秤量発信器31より演算される鉄冷材よりの酸素流量(FO
2)よりの炉内に吹き込まれる総酸素流量(TO2),炉底
より炉内に吹き込む総水素の流量(IH2),炉底より炉
内に吹き込む総窒素の流量(IN2)を測定し、第
(1),(2)式に基づき、PCR,COUTを演算する電子計
算機である。
上記計算機20の煙道ガスCO濃度(%CO),CO2濃度(%C
O2),H2濃度(%H2),N2濃度(%N2),O2濃度(%
O2),炉内に吹き込まれる総酸素流量(TO2),炉底よ
り炉内に吹き込む総水素の流量(IH2),炉底より炉内
に吹き込む総窒素の流量(IN2)の測定方法、二次燃焼
率の測定方法は次の通りである。
煙道ガスCO濃度(%CO),CO2濃度(%CO2),H2濃度
(%H2),N2濃度(%N2),O2濃度(%O2)測定 単集束型質量分析計19の分析値、%CO,%CO2,%H2,%
N2,%O2を2秒毎に読み取り、10秒毎平均値を%CO,%C
O2,%H2,%N2,%O2測定値とする。
煙道ガス流量(Q)測定 圧力発信器10の動圧、静圧および排ガス温度計15の排ガ
ス温度及び上記質量分析計19の分析値%CO2を2秒毎に
読み取り、排ガス温度、圧力、成分を補正した煙道ガス
流量Qを次の第(51)〜(56)式に基づき演算し、10秒
毎の平均値を煙道ガス流量Q測定値とする。
軽量で比率も少ない水素は無視し、ドライ標準状態の排
ガス密度(ρ)は ρ=44/22.4×%CO2/100+28/22.4(1−%CO2/100)
(51) ベンチェリースクラバー23後の実ガスは水蒸気飽和であ
るから、標準状態で水蒸気分圧分だけガス成分は少な
く、水分分が付け加わるから、 但しPw(mmHg)飽和蒸気圧(排ガス温度で決まる定数) 実ガスと温度、圧力に標準状態密度より換算すると 但しt(°C):排ガス温度 (排ガス温度計15で測定) P(mmaq):静圧 (圧力発信器10で測定) ベンチェリー5の定数(C)、ベンチェリー5の断面積
(A)であれば、実ガス流量(Q2)は、 Q2=C・A・(2gΔP)0.5 (54) 但しg:重力加速度(定数) ΔP:動圧(圧力発信器10で測定) 標準状態流量(Q2)はマスバランスより Q1=Q2×ρ/ρ (55) 更にドライ換算すると 炉底より炉内に吹き込まれる窒素の総流量IN2の測定 底吹窒素ガス流量BN2を底吹窒素ガス配管27のオリフィ
ス7の差圧発信器12の差圧を2秒毎に読み取り、10秒毎
の平均値として測定し、また底吹微粉炭中窒素の標準状
態換算ガス流量CN2については底吹微粉炭重量Wをイ
ンジェクションタンク16に設けたロードセル17の秤量値
発信器18の秤量信号を10秒毎に読み取り前回読み取り値
との差を底吹微粉炭重量Wとして測定し、予め微粉炭
を元素分析して得、設定された微粉炭中窒素重量%(%
N2c)を第(23)式に代入して10秒毎に演算、測定す
る。
炉底より炉内に吹き込まれる水素の総流量(IH2)の
測定 で測定された%CO,%NCO2,%H2及びで測定された
Qと予め設定されたシフト反応定数Kを第(29)式に代
入して10秒毎に演算、測定する。
炉内に吹き込まれる総酸素流量(TO2)の測定 上吹酸素配管24のオリフィス6の差圧発信器11の差圧を
2秒毎に読み取り10秒毎の平均値(UO2)を測定し、ま
た底吹酸素配管25のオリフィス8の差圧発信器13の差圧
を2秒毎に読み取り10秒毎の平均値(BO2)を測定し、
これに溶解中連続または半連続的に炉内に投入するホッ
パー29より投入される鉄ダストを主成分とするコールド
ペレットの化学分析値(%FeO),(%Fe2O3)、ロード
セル30とその秤量発信器31よりの10秒毎の差より演算さ
れる切出し量(Wco)より(45)式を用いて演算される
鉄冷材よりの酸素流量(FO2)を加え、10秒毎の平均総
酸素流量(TO29を演算する。
二次燃焼率PCRの演算 で求めた%CO,%CO2,%H2,%N2,%O2、で求めた
Q、で求めたIN2、で求めたIH2、予め第(26)式に
基づき求めて設定した煙道内に流入するランス孔等のシ
ール用窒素流量SN2を第(1)式に代入してPCRを10秒毎
に演算する。
なお炉底より炉内に吹き込まれた水素の総流量(IH2
については、第3図に示すように底吹LPG配管26にオリ
フィス9とオリフィス9の差圧発信器14を設け、差圧発
信器14の差圧を2秒毎に読み取り10秒毎の平均値をQ
LPGとして測定し、インジェクションタンク16に設けた
ロードセル17の秤量値発信器18の秤量信号を10秒毎に読
み取り前回読み取り値との差を底吹微粉炭重量Wとし
て測定し、予め微粉炭を元素分析して得、設定された微
粉炭中水分重量%(%H2OC)と水素重量%(%H2c)と
を第(27)式に代入して測定することもできる。
脱炭速度(COUT)の計算 で求めたIH2,で求めたTO2,で求めたPCRよりC
OUTを10秒毎に計算する。
終点C濃度の計算 で求めた脱炭速度を用いて、終点の溶融鉄C濃度を演
算する方法について述べる。
インジェクションタンク16に設けたロードセル17の初期
秤量値WCoal0と終点秤量値WCoalEとの差WCoaL=WCoal0
−WCoalE、石炭のサンプリング分析C濃度%CCOAL及
び、底吹きLPG配管26のオリフィス9と該オリフィス9
の差圧発信器14より2秒毎に測定されるLPG流量の10秒
毎平均流量QLPGより溶解中に吹き込まれた全LPG量WLPG
(重量)は終点の時間Tより 種湯重量:WFO,種湯のサンプリング 分析C濃度:%CFO 溶解スクラップ重量:WSC,溶解するスクラップのサンプ
リング分析C 濃度:%CSC 投入コールドペレット総重量: WCOLD,投入コールドペレットのサンプリング分析Fe濃
度:%FeCOLD 炉にインプットされるC分総重量(TCIN)はTCIN=(WF
O×%CFO+WSC×%CSC+WCOaL ×%CCOAL)/100+WLPG×36/44 (58) 炉からアウトプットされるC分総重量(TCOUT)は終点
溶融鉄C濃度(%CE)とすると 第(58)式,第(59)式より終点溶融鉄C濃度(%CE)
と第(60)式として求められる。
溶解中C濃度の計算 終点C濃度の推定は終点において全含鉄冷材が溶解した
ものとして終点溶融鉄C濃度をもとめればよい。しかる
に溶解過程C濃度(%CN)の推定は次に述べる方法等に
より含鉄冷材中溶解量の推定計算を行い、溶解率(Y)
を第(60)式中WSCに乗じたWSC′を用い、WCOLDに換え
て初期〜現在時間までに投入したコールドペレット重量
WCOLD′を用い、第(60)式中脱炭速度積分区間(0〜
)に換えて、初期〜現在時間(0〜T)を用い、
インジェクションタンク16に設けたロードセル17の初期
秤量値WCoal0と終点秤量値WCoalEとの差WCOaL=WCoal0
−WCoalEに換えて、初期秤量値WCoal0と現在秤量値WCoa
lNとの差WCOaL′=WCoal0−WCoalNを用い、第(57)式
中積分区間(0〜T)に換えて、初期〜現在時間(0
〜T)を用いたWLPG′を用いた第(61)式により推定
する。
次に含鉄冷材中溶解率(Y)の推定計算方法について説
明する。
溶解に関する熱移動モデル基礎式第(62),(63)式、
物質移動に関するモデル基礎式第(64),(65)式に関
し、実験的に求めたh′,u′を導入し、界面温度・スク
ラップ内温度分布及び、スクラップ内のC濃度分布を計
算する。
モデルの基礎式 (1)熱移動 境界条件 (2)物質移動 T:温度,r:スクラップ中心からの距離, k:熱伝導度,c:比熱,ρ:密度, L:溶解潜熱, h′:移動界面に対する熱伝達率, u′:静止界面および移動界面に対する物質移動係数 L:溶銑,s:表面,b:バルク, C,C,C:スクラップの初期、表面、溶銑のC濃度 更に、スクラップ内のC濃度分布により液相線温度の計
算を行い、先に求めたスクラップ内温度が、液相線温度
以上となる界面部分が溶解する範囲となる。この溶解計
算と、熱収支、C収支計算を設定周期毎に解くことによ
り溶解率の計算を行う。
(実施例1) 第3図に示すように上吹酸素ランス3、排ガス回収系を
有し、炉底に三重管ノズル2を6本配置した100T溶解転
炉1を用いて、下記の条件で鉄冷材を溶解した。
種湯 :60T 初装入スクラップ :50T 追装入ダストペレット:10T 底吹き酸素 :4400Nm3/Hr 上吹き酸素 :19600Nm3/Hr 底吹き微粉炭 :400〜600kg/min 底吹きLPG :44Nm3/Hr×6本 ランス高さ :3.5〜4m 上記溶解において、スクラップ装入前種湯と溶解終了出
湯時溶融鉄をサンプリングし、化学分析を行うと共に、
第3図の測定演算装置により、上記〜の測定演算ス
テップを下記条件で演算し終点溶融鉄C推定濃度(%C
E)と、出湯時溶融鉄のサンプリング化学分析値の比較
を行った。その対比結果を第4図に示す。
%N2c :0.21% K :1.24273 SN2 :1000Nm3/Hr 追装入ダストペレット中FeO濃度:44.2% 追装入ダストペレット中Fe2O3濃度 :20.5% 初装入スクラップC濃度 :0.02% 尚、第1図は上記実施例と同様な操業条件において従来
法により終点溶融鉄C濃度を推定した結果を出湯時溶融
鉄のサンプリング化学分析値と対比した結果を示す。
第4図より、本発明による脱炭速度演算方法を用いるC
濃度推定方法は、第1図の従来法に比べ、バイアス誤差
も無く、バラツキも著しく改善され優れた終点C濃度推
定方法を提供できる発明であることが確かめられた。
(実施例2) 実施例1と同一の溶解転炉で、実施例1と同一の溶解条
件で含鉄冷材を溶解し、溶解過程の溶融鉄C濃度を推定
した。
本実施例2における演算フローを第5図に示す。第5図
において溶融鉄温度演算/溶解率演算部は、熱伝達係
数、物質移動係数等を用い、スクラップの形状、サイズ
を簡易に円筒状均一サイズの集合体として、初期条件よ
り、差分計算により境界のC濃度,温度を計算し融点に
達した要素が溶解するとの理論計算が必要であるが、オ
ンラインでこのような大容量の計算を行うのは計算機の
専有時間上好ましくない。従って本実施例では、予めオ
フラインの計算機により、初期温度、二次燃焼率、C濃
度をパラメータとし種々の条件で、前述の溶解モデルを
基礎式とする溶解率計算を行い、溶解パターンを線型パ
ターンとする、パラメータテーブルを作成し溶解率を演
算する方法を採用した。
本方法により溶解中C推定値が3.0%に下がる時には底
吹きの微粉炭吹き込み速度をあげ、それ以上C濃度が低
下しないように溶融鉄C濃度を制御した結果の、C推定
値及び石炭吹き込み速度の例を第6図に示す。本発明に
よる高精度C濃度推定の結果、溶融鉄C濃度が高精度に
制御でき、溶解中のスロッピングによる操業中断も無
く、連続して操業を行うことができ、1bヒートの平均鉄
歩留りは95.2%を達成することかできた。
比較として第7図に従来の脱炭速度推定方法に基づくC
推定方法により溶融鉄C濃度を制御した結果の、C推定
値及び石炭吹き込み速度の例を示す。従来方法では溶融
鉄C濃度の制御精度が十分でなく、溶解中C濃度3.0%
を目標とすると、しばしばスロッピングによる操業中断
が発生し、10ヒートの平均鉄歩留りは93.4%に低下し
た。
(発明の効果) 上記実施例により明らかにされたように、本発明を非燃
焼排ガス回収系が配備された前記構成の転炉を用いる前
記含鉄冷材溶解法に適用することにより、含鉄冷材溶解
開始から溶解終了までの任意時刻のC濃度を高精度に推
定することが可能になり、高効率の含鉄冷材溶解法が可
能になった。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1と同一の操業条件において、従来法脱
炭速度計算法に基づき推定した終点溶融鉄C濃度と出湯
時溶融鉄のサンプリング化学分析値の対比結果を示す
図、第2図は煙道排ガス成分分析により二次燃焼率を測
定する原理を説明する図、第3図は実施例におけるC濃
度推定を行った溶解炉と測定機構を示す図、第4図は実
施例1において得られた推定終点C濃度と出湯時溶融鉄
のサンプリング化学分析値の対比結果を示す図、第5図
は実施例において使用した、溶解中C濃度を演算する処
理方法を説明する図、第6図は実施例2において溶解中
の濃度推定を行い、石炭の吹き込み速度制御を行った例
を示す図、第7図は従来法脱炭速度計算法に基づき溶解
中C濃度推定を行い、石炭の吹き込み速度制御を行った
が、スロッピングを生じ操業を中断した例を示す図であ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上吹酸素ランスを有すると共に炉底にノズ
    ルを有する転炉を用い、種湯となる溶鉄の存在する上記
    転炉内に含鉄冷材を供給し、炉底ノズルから酸素、LP
    G、N2と共に微粉炭を吹き込み溶鉄を加炭すると共に上
    吹酸素ランスから酸素を供給し浴発生ガスを二次燃焼さ
    せて効率的に含鉄冷材を溶解し高炭素溶鉄を得る含鉄冷
    材溶解法において、 含鉄冷材の溶解開始から溶解完了まで設定周期毎に、非
    燃焼型排ガス回収系の煙道排ガスの成分、風量、炉底よ
    り炉内に吹き込まれた窒素の総流量、炉底より炉内に吹
    き込まれた水素の総重量、煙道内に流入したランス孔、
    合金シュート孔等のシール用窒素の流量、炉内に吹き込
    まれた酸素の総流量を測定し、 設定周期毎に上記測定値を用いて第(1)式に基づき二
    次燃焼率を求め、該二次燃焼率、上記酸素の総流量、上
    記水素の総流量を用いて第(2)式に基づき脱炭速度を
    求め、 含鉄冷材の溶解完了時、設定周期毎に求めた脱炭速度を
    溶解開始より終了まで時間積分して脱炭量を求め、種湯
    溶鉄中C量、含鉄冷材中C量、溶解開始より溶解終了ま
    で炉内に吹き込まれたLPG中C量、微粉炭中C量の総和
    より上記脱炭量を差し引き、種湯溶鉄重量と含鉄冷材重
    量の和で除算することにより、溶解完了時の溶鉄C濃度
    を求めることを特徴とする含鉄冷材溶解法における溶鉄
    C濃度推定方法。 但し%CO:煙道排ガスのCO濃度 IH2:炉底より炉内に吹き込まれた水素の総流量 %CO2:煙道排ガスのCO2濃度 IN2:炉底より炉内に吹き込まれた窒素の総流量 %H2:煙道排ガスのH2濃度 SN2:煙道内に流入したシール用窒素の流量 %N2:煙道排ガスのN2濃度 TO2:炉内に吹き込まれた酸素の総流量 %O2:煙道排ガスのO2濃度 PCR:二次燃焼率 Q:煙道排ガスの風量 COUT:脱炭速度
  2. 【請求項2】上吹酸素ランスを有すると共に炉底にノズ
    ルを有する転炉を用い、種湯となる溶鉄の存在する上記
    転炉内に含鉄冷材を供給し、炉底ノズルから酸素、LP
    G、N2と共に微粉炭を吹き込み溶鉄を加炭すると共に上
    吹酸素ランスから酸素を供給し浴発生ガスを二次燃焼さ
    せて効率的に含鉄冷材を溶解し高炭素溶鉄を得る含鉄冷
    材溶解法において、 含鉄冷材の溶解開始から溶解完了まで設定周期毎に、非
    燃焼型排ガス回収系の煙道排ガスの成分、風量、炉底よ
    り炉内に吹き込まれた窒素の総流量、炉底より炉内に吹
    き込まれた水素の総流量、煙道内に流入したランス孔、
    合金シュート孔等のシール用窒素の流量、炉内に吹き込
    まれた酸素の総流量を測定し、 設定周期毎に上記測定値を用いて第(1)式に基づき二
    次燃焼率を求め、該二次燃焼率、上記酸素の総流量、上
    記水素の総流量を用いて第(2)式に基づき脱炭速度を
    求め、 含鉄冷材の溶解開始から溶解完了までの任意現在に、設
    定周期毎に求めた脱炭速度を溶解開始より現在まで時間
    積分して溶解開始より現在までの脱炭量を求め、種湯溶
    鉄中C量、溶解開始より現在まで溶解した含鉄冷材中C
    量、溶解開始より現在まで炉内に吹き込まれたLPG中C
    量、微粉炭中C量の総和より上記脱炭量を差し引き、種
    湯溶鉄重量と溶解開始より現在まで溶解した含鉄冷材重
    量の和で除算することにより、含鉄冷材の溶解開始から
    溶解完了までの任意現在の溶鉄C濃度を求めることを特
    徴とする含鉄冷材溶解法における溶鉄C濃度推定方法。 但し%CO:煙道排ガスのCO濃度 IH2:炉底より炉内に吹き込まれた水素の総流量 %CO2:煙道排ガスのCO2濃度 IN2:炉底より炉内に吹き込まれた窒素の総流量 %H2:煙道排ガスのH2濃度 SN2:煙道内に流入したシール用窒素の流量 %N2:煙道排ガスのN2濃度 TO2:炉内に吹き込まれた酸素の総流量 %O2:煙道排ガスのO2濃度 PCR:二次燃焼率 Q:煙道排ガスの風量 COUT:脱炭速度
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