JPH0688766B2 - ドデカモリブドリン酸の製造方法 - Google Patents

ドデカモリブドリン酸の製造方法

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JPH0688766B2
JPH0688766B2 JP10192586A JP10192586A JPH0688766B2 JP H0688766 B2 JPH0688766 B2 JP H0688766B2 JP 10192586 A JP10192586 A JP 10192586A JP 10192586 A JP10192586 A JP 10192586A JP H0688766 B2 JPH0688766 B2 JP H0688766B2
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acid
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dodecamolybdophosphoric
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辰男 山口
淳 青島
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、代表的なヘテロポリ酸として知られるドデカ
モリブドリン酸の効率的製造方法に関するもので、さら
に詳しくは、モリブデン酸および/またはモリブデン酸
化物とリン酸の反応によつて、ドデカモリブドリン酸を
製造するに際し、高純度に、かつ迅速に製造するための
改良法に関するものである。
(従来の技術) ドデカモリブドリン酸は一般式H3PMo12O40・nH2Oで表わ
されるヘテロポリ酸であり、水溶液中から製造した場
合、3〜35個の結晶水を有するのが通常である。これら
は酸触媒として、また、酸化触媒あるいは導電体とし
て、工業的に多く利用されている。
その製造法は、古くから、モリブデン酸ソーダ等の水可
溶性塩に、リン酸またはその塩を加えた後、酸を添加し
てpHを下げ、ドデカモリブドリン酸ソーダとし、イオン
交換樹脂等により、脱ナトリウムを行つた後、濃縮やエ
ーテル抽出により精製していた。このため、工程が煩雑
であり、ナトリウム除去等の費用がかかつていた。
この欠点解消法として、三酸化モリブデンにリン酸を化
学量論比に加え、還流し、直接モリブドリン酸を合成す
る方法が提案された〔ジー・エイ・ツジグデイノス,イ
ンダストリアル・アンド・エンジニアリング・ケミスト
リー、プロデユーシング・リサーチ・デイベロプメント
(G.A. Tsigdinos,Ind.Eng.Chem.Prod.Res.Develop.),
13(4),267(1974)〕。
この方法は、不溶物の過や、濃縮後結晶を析出させる
ことによつて、ドデカモリブドリン酸を製造している
が、本発明者らの研究では、反応液に多くの異性体、特
に9−モリブドリン酸、18−モリブド2−リン酸等を含
み、この水溶液そのままをドデカモリブドリン酸水溶液
として使用することはできず、高純度ドデカモリブドリ
ン酸を得るために、再結晶等によつて精製が必要であつ
た。また、その収率も低いという欠陥を有していた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明者らは、モリブデン酸および/またはモリブデン
酸化物とリン酸の直接合成法を改良し、副反応なく、ド
デカモリブドリン酸を高収率で得る簡潔な方法を鋭意検
討の結果、本発明に到達した。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、モリブデン酸および/またはモリブデン酸化
物とリン酸を水溶液中で反応させるに際し、還元剤を存
在させることを特徴とするドデカモリブドリン酸の製造
方法である。
本発明でモリブデン酸とは、オルトモリブデン酸、パラ
モリブデン酸、メタモリブデン酸であり、モリブデン酸
化物とは、三酸化モリブデン、例えば、MoO23、Mo9O26
のような一部還元された酸化物を含む。
リン酸とは、メタリン酸、ピロリン酸、オルトリン酸、
三リン酸、四リン酸、五酸化リンであり、水中でリン酸
イオンを生じるものである。
反応に関しては、モリブデンおよびリン酸の一部が塩で
あつても用いることができる。
リンとモリブデンの原子比(P/Mo)は、広い範囲で選択
できるが、通常0.5/12〜3/12であり、1/12付近が未反応
物がなく有利である。
本発明を実施するには、三酸化モリブデン、リン酸、水
および還元剤を加えた溶液を攪拌しつつ溶液の凝固点以
上の温度であればよく、加圧して、100℃以上の高温で
反応を行うこともできるが、100℃以上の温度では、む
しろ反応率は低下する。好ましくは室温から100℃以下
の範囲で行う。
本発明に使用される還元剤は、原料から得られる中間生
成物を直ちに、還元されたドデカモリブドリン酸へ誘導
し、中間生成物を副生成物へと変化させることを阻害す
る作用を有するという事実の発見に基づいているもので
あり、対象となる還元剤は、ポリ原子を還元できるもの
であればよく、ヒドラジン、アスコルビン酸、亜硫酸ソ
ーダ等が挙げられるが、電解、水素還元でもよく、これ
らに限定されるものではない。
特に精製をせず高純度品を得るには、残存物のないヒド
ラジン、電解、水素による還元が望ましい。使用する還
元剤の量は、その種類、モリブデン酸またはモリブデン
酸化物の濃度により適宜決定するが、生成するドデカモ
リブドリン酸1分子当り2電子以上が望ましく、好まし
くは、通常、4電子/ドデカモリブドリン酸となる条件
付近で行う。
水は生成するドデカモリブドリン酸の10倍モル以上、好
ましくは30倍モル以上あればよく、生産性とあわせて決
定できる。
反応に要する時間は、1時間から数十時間である。反応
条件によつては未溶解分が残ることもあるが、この場
合、これを別するが、これらがない場合、水を留出さ
せて濃縮し、ドデカモリブドリン酸の還元水溶液を得
る。本法で得られたものは、元素分析からP/Mo=1/12の
ものであり、酸化後、31P−NMRの測定、IR等の分析から
も、H3PMo12O40・nH2Oであること、また、酸化前後でド
デカモリブドリン酸は変化しないことを確認した。例え
ば、触媒として用いる場合、還元状態の水溶液として、
そのまま使用することもできる。また、濃縮後、析出さ
せ、固体として用いることもできる。酸化状態のものが
望ましい場合は、水溶液の状態で過酸化水素水で容易に
酸化することができ、酸化状態の水溶液あるいは濃縮、
晶析させ、固体として使用することもできる。使用目的
により、使用形態は選択することができる。
(発明の効果) 本法によれば、塩類の除去による莫大な費用負担はな
く、18−モリブド2−リン酸のような副生成が無視でき
るため、そのままドデカモリブドリン酸水溶液として直
接得られるし、勿論、濃縮後、結晶として析出させるこ
とも可能である。その製法は、容易かつ高純度品も供し
うるものである。また、加えた原料を完全に溶解させる
こともでき、過工程の省略および収率向上の面で極め
て利点の多いことになる。また、酸化体として用いる場
合は、目的に応じた酸化剤、たとえば、H2O2で容易に酸
化でき、水溶液のまま、あるいは濃縮後、結晶として析
出させることも可能である。
さらに、本法の効果として、従来、反応液(酸化状態)
をそのまま保存すると副反応が進行し、ドデカモリブド
リン酸の純度は時間と共に低下するという問題点があつ
たが、本法によれば反応液をそのまま、あるいは還元度
を調整するだけで、室温あるいは高温においても安定に
保存でき、純度を維持したまま長期保存可能な極めて有
意な方法である。
(実施例および比較例) 実施例1 ガラス製反応器にリン酸0.88g、三酸化モリブデン18.26
g(Mo/P=14/1)、ヒドラジン0.53g、H2O82.33gを仕込
み、温度60℃で攪拌し、24時間反応を行つた。反応収率
を従来の方法と比較するため、反応後、未溶解の三酸化
モリブデンを別し、液をH2O2で酸化後、31P−NMR
(JEOL,FX−200)により純度を測定した結果、H3PMo12O
40−3.5ppm(H3PO4を0ppmとした化学シフト)の生成が
確認され、H3PMo12O40の選択率は100%であつた。MoO3
の反応率は87%であり、リン酸反応率は100%であつ
た。
比較例1 ガラス製反応器にリン酸0.88g、三酸化モリブデン18.26
g、H280.86gを仕込み、温度60℃で攪拌し、24時間反応
を行つた。未反応の三酸化モリブデンは7.70gであり、
三酸化モリブデンの反応率64%、液の31P−NMRでは、
−3.5ppmのH3PMo12他、H3PO4(0ppm)、H6PMo9O34(−
1.5ppm)、H6P2Mo18O62(−2.8ppm)の生成が確認さ
れ、それぞれのPatm比率はH3PO4:H6PMo9O31:H3PMo12O
40:H6P2Mo18O62=9:9:40:42であり、リン酸の反応率は
90%であつた。
実施例2 ガラス製反応容器にリン酸10.4g、三酸化モリブデン18
2.6g(Mo/P=12/1)、ヒドラジン5.3g、H2O801.7gを仕
込み、温度60℃で攪拌した。反応時間40時間でMoO3は完
全に溶解した。反応液を過酸化水素水で酸化後、31P−N
MRを測定したところ、0ppmに痕跡程度のH3PO4と、−3.5
ppmにH3PMo12O40のみが認められ、他の異性体は全く認
められなかつた。また、反応液を60重量%まで濃縮し、
室温で暗所に一年間保存したが、全く沈殿物の発生は認
められなかつた。一年後の溶液を酸化して31P−NMRスペ
クトルを測定したが、反応直後とまつたく一致してい
た。
実施例3 実施例2で得た60重量%の溶液を90℃で3000時間暗所に
保持したが、全く沈殿物の生成はなく、酸化後の31P−N
MRスペクトルから、反応直後の状態と一致し、ドデカモ
リブドリン酸は安定に保たれていた。
比較例2 実施例2で得た60重量%反応溶液100gをH2O2で酸化し、
H3PMo12O40水溶液であることを確認した。この溶液を90
℃で保持したところ、40時間で沈殿が発生し始め、200
時間経過時には大量の沈殿物が認められた。沈殿物はX
−ray回折からMoO3であつた。
実施例4 ガラス製反応器にリン酸2.08g、三酸化モリブデン36.52
g、アスコルビン酸3.74g、H2O57.7gを仕込み、温度70℃
で攪拌し、48時間反応を行つた。
反応後、未溶解の三酸化モリブデンを別し、液を過
酸化水素水で酸化後、31P−NMRにより−3.5ppmにH3PMo
12O40のピークの他、痕跡程度のH3PO4の存在が認められ
た。三酸化モリブデンの反応率は98%であり、H3PMo12O
40の選択率はほぼ100%であつた。
実施例5〜7 比較例3 実施例1と同様の操作で60℃で攪拌し、24時間反応を行
つた。反応後、反応液を別し、未反応のMoO3からMoO3
の反応率を求め、液を65重量%まで濃縮後、H2O2で酸
化し、31P−NMRでH3PMo12O40の選択率を求め、表1に示
した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モリブデン酸および/またはモリブデン酸
    化物とリン酸を水溶液中で反応させるに際し、還元剤を
    存在させることを特徴とするドデカモリブドリン酸の製
    造方法。
JP10192586A 1986-05-06 1986-05-06 ドデカモリブドリン酸の製造方法 Expired - Lifetime JPH0688766B2 (ja)

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