JPH0688652B2 - 球状体の搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、鶏卵などの脆弱な球状体の搬送方向を略々
直角に変換することのできる球状体の搬送帯装置に関す
る。

〈従来の技術〉 脆弱な球状体をコンベヤで搬送する際に、搬送方向を略
々直角に変換する必要が生じる場合がある。例えば、養
鶏場において並列状に配置した各ケージ内で産卵された
鶏卵を、各ケージの前方に設けた集積コンベヤに集め、
該集積コンベヤを駆動して鶏卵を洗浄、選別、箱詰など
のために処理場に搬送する場合には、各ケージの前方を
横方向に搬送されている鶏卵を、ケージの間に縦方向に
配設したコンベヤに載せて処理場に搬送している。そこ
で、搬送方向を直角状に変換するために、従来はローラ
コンベヤないしバーコンベヤを用い、方向変換部分には
ローラを四半分の円弧状に配設し、各ローラをチェーン
などで回転駆動してローラ上に載置した鶏卵を順ぐりに
移送して、鶏卵の移動軌跡が四半分の円弧を描くように
して搬送方向を変換している。

〈発明が解決しようとする問題点〉 しかし、従来のローラコンベヤにあっては、方向変換部
分にローラを放射状に配置するため、例えば半径３〜4m
の４分の１円弧状の大きなスペースが必要で、養鶏場内
のスペースを有効に利用することができない。また、コ
ンベヤ上の鶏卵が互いに衝突してヒビ割れたり破損し、
商品価値を失うものが多い。

〈問題点を解決するための手段〉 本発明は上記に鑑み提案されたもので、上面に球状体を
載せて移行するコンベヤ状の第１搬送帯と、該第１搬送
帯の端部に側部が連絡されて第１搬送帯の移行方向と略
々直交状に移行するコンベヤ状の第２搬送帯とを有し、
第１搬送帯の移行方向延長線上であって第２搬送帯の上
方には第１搬送帯と同一方向に移行する誘導搬送帯を位
置させ、該誘導搬送帯には第２搬送帯の移行方向に沿う
ようにして球状体の外形と略等しい間隔で柔軟な誘導案
内材を並設し、第１搬送帯の上側帯域部分の移行方向と
誘導搬送帯の下側帯域部分とを同一方向に移行させるよ
うにしたことを特徴とするものである。

〈作 用〉 直交状に配置した第１搬送帯から第２搬送帯へ球状体を
載せ換えることで、球状体の搬送方向を略々直角に変換
することができ、載せ換える際に第１搬送帯の移行方向
の延長線上に位置する誘導搬送帯により、既に第２搬送
帯に載っている球状体に衝突することなく載せ換えるこ
とができる。

〈実施例〉 以下本発明を図面の実施例について説明すると、本発明
に係る球状体の搬送装置１は、コンベヤ状の第１搬送帯
２と、該第１搬送帯２の端部３に側部４が連絡されて上
記第１搬送帯２の移行方向と略々直交状に移行するコン
ベヤ状の第２搬送帯５とを有している。

第１搬送帯２は図面の実施例によれば、左右一対のチェ
ーン間に例えば鶏卵である球状体ａの外径よりも狭い間
隔で搬送棒６を並列状に架けて無端状にし、第１搬送帯
２の端部３に設けたスプロケット７を回転させることに
より、上側帯域部分８に位置する搬送棒６の間に載置さ
れた球状体ａが矢印Ｉ方向に搬送するものである。

第２搬送帯５も上記第１搬送帯２と同様の構成であっ
て、該第２搬送帯５を上記第１搬送帯２と略々直交状に
配置する。即ち、第１搬送帯２の端部３を第２搬送帯５
の側部４に臨ませるのである。この場合、第２搬送帯５
の上側帯域部分９を、上記第１搬送帯２の上側帯域部分
８よりやや低くなるように設定し、第１搬送帯２の端部
３から第２搬送帯５の側部４に掛て緩く下り傾斜する連
絡板10を設ける。そして、第２搬送帯５を球状体ａが矢
印II方向に搬送するように移行させる。

本発明に係る球状体の搬送装置１には、更に第１搬送帯
２の移行方向の延長線上であって第２搬送帯５の上方
に、第１搬送帯２と同一方向に移行する誘導搬送帯11を
位置させる。この誘導搬送帯11は、両端に回転ローラ1
2、12を有し、該ローラ12、12には無端ベルト13を張設
してある。無端ベルト13には上記第２搬送帯５の移行方
向に沿うように球状体ａの外径に略々等しい間隔で柔軟
な誘導案内材14を並設する。該誘導案内材14はブラシ状
に植毛したり、ゴムなどの弾力性を有する板材で構成す
る。上記誘導搬送帯11としては無端ベルトに限らずバー
コンベヤを使用し、バーコンベヤの各バーに植毛したブ
ラシ状またはゴム片の誘導案内材14を設けてもよい。そ
して、誘導搬送帯11の下側帯域部分15の移行方向が第１
搬送帯２の上側帯域部分８の移行方向と同一で、移行速
度が略々等しくなるように誘導搬送帯11を駆動する。

上記のように構成した球状体の搬送装置１において、第
１搬送帯２の搬送棒６の間に載置された鶏卵などの球状
体ａは、第１搬送帯２の矢印Ｉ方向の移行に伴ない、端
部３まで搬送される。端部３には第２搬送帯５の側部４
が臨んでいるが、第２搬送帯５の上方に誘導搬送帯11が
位置して、該誘導搬送帯11の下側帯域部分15が第１搬送
帯２の上側帯域部分８と同一方向に略々等しい速度で移
行されているので、球状体ａが第２搬送帯５に急激に落
下することがなく、球状体ａを誘導案内材14に当接させ
ながら無理なく第２搬送帯５に載せ換える。そして、誘
導搬送帯11には誘導案内材14が設けてあり、該誘導搬送
帯11が第１搬送帯２の移行方向と同一方向に移行されて
いるので、既に第２搬送帯５の上面に載っている球状体
ａに後からくる球状体ａが衝突することがない。

上記のような本発明による球状体の搬送装置１によれ
ば、第１搬送帯２と第２搬送帯５とを略々直交状に配置
してあるので、球状体ａの搬送方向の変換に要するスペ
ースを大幅に削減することができ、鶏卵のような壊れ易
い球状体であっても、破損することなく搬送方向を変換
することができる。

第３図は本発明の他の実施例を示し、この実施例では第
１図に二点鎖線で示した位置にもう一つの第１搬送体
２′を設置すると共に、誘導搬送帯11の移行方向を正逆
可能としたものである。そして、左右の第１搬送帯２、
２′を適宜間隔で交互に運転し、運転中の第１搬送帯２
または２′の上側帯域部分８の移行方向と誘導搬送帯11
の下側帯域部分15の移行方向とが同一方向になるように
誘導搬送帯11の運転を第１搬送帯２、２′の運転に同期
させながら正逆させるのである。

この実施例によれば、搬送方向の変換に要するスペース
を大幅に削減できるばかりではなく、第２搬送帯５を共
用するので、設備を簡略にして効率よく運用できる。
尚、第３図において説明していない付号は前記した実施
例の同一符号と同一構成であるから説明を省略する。

本発明は上記各実施例に限定されるものではなく、各搬
送帯を、両側のフレームで支持したローラを平行に多数
並設してチェーンなどで駆動するローラコンベヤなどで
構成することもできる。また、本発明は養鶏場ばかりで
なく、例えばガラス器などの製造工場などにも適用でき
る。

〈発明の効果〉 本発明によれば、第１搬送帯と第２搬送帯とが略々直交
状に配置してあり、球状体の搬送方向を略々直角に変換
することができ、搬送帯方向の変換に要するスペースを
大幅に削減することができて養鶏場、その他の場所にお
いて著しくスペースを節約することができる。

また、誘導搬送帯により既に第２搬送帯の上面に載って
いる球状体に後からくる球状体が衝突することがないの
で、壊れ易い球状体をも搬送することができる。また、
第１搬送帯からの球状体を、第２搬送帯の移行方向に沿
う様に、また球状体の外形程度の幅と略等しい間隔で柔
軟な誘導案内材を並設した誘導搬送帯で案内して第２搬
送帯に導く様にしたので、球状体の移動がきわめて円滑
で無理がなく、特に鶏卵の移動方向の変更に実用的価値
の高いものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例を示す概略斜視図、第２図
は同上の概略平面図、第３図は本発明の他の実施例を示
す概略正面図である。 １は球状体の搬送装置、２は第１搬送帯、３は端部、４
は側部、５は第２搬送帯、８は上側帯域部分、11は誘導
搬送帯、14は誘導案内材、15は下側帯域部分。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上面に球状体を載せて移行するコンベヤ状
   の第１搬送帯と、該第１搬送帯の端部に側部が連絡され
   て第１搬送帯の移行方向と略々直交状に移行するコンベ
   ヤ状の第２搬送帯とを有し、第１搬送帯の移行方向延長
   線上であって第２搬送帯の上方には第１搬送帯と同一方
   向に移行する誘導搬送帯を位置させ、該誘導搬送帯には
   第２搬送帯の移行方向に沿うようにして球状体の外形と
   略等しい間隔で柔軟な誘導案内材を並設し、第１搬送帯
   の上側帯域部分の移行方向と誘導搬送帯の下側帯域部分
   とを同一方向に移行させるようにしたことを特徴とする
   球状体の搬送装置。