JPH0688042A - 水性上塗り塗料用顔料分散体 - Google Patents

水性上塗り塗料用顔料分散体

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JPH0688042A
JPH0688042A JP4263003A JP26300392A JPH0688042A JP H0688042 A JPH0688042 A JP H0688042A JP 4263003 A JP4263003 A JP 4263003A JP 26300392 A JP26300392 A JP 26300392A JP H0688042 A JPH0688042 A JP H0688042A
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acid
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Atsushi Endo
篤 遠藤
Akimitsu Mochizuki
明光 望月
Michiji Hikosaka
道邇 彦坂
Tsutomu Fujigamori
勉 藤ケ森
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水性上塗り塗料に使用した場合、皮膜の光沢と
着色力に優れ、流動性、貯蔵安定性が良好な水性顔料分
散体を提供する。 【構成】顔料100重量部、芳香族アミノ基を有する有
機色素誘導体をジアゾ化したジアゾ化生成物を重合開始
剤として酸性官能基を有する付加重合性単量体を含む付
加重合性単量体を重合させてなる顔料分散剤0.1〜3
0重量部および固形分5〜200重量部を有する水性樹
脂を共に分散させてなる水性顔料分散体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水性上塗り塗料に使用し
た場合、皮膜の光沢と着色力に優れ、流動性、貯蔵安定
性が良好な水性顔料分散体に関する。
【0002】
【従来技術】近年、資源保護、環境保全、作業の安定性
の向上等のニーズの高まりによって塗料の水性化が進行
しつつある。水性上塗り塗料に要求される品位は、油性
塗料と同様、流動性、貯蔵安定性、皮膜の光沢、鮮明
性、着色力等である。しかしながら、大部分の顔料は水
性ビヒクルに対して顔料分散性等の適性が著しく劣るた
め通常の分散方法では満足な品位は得られない。そこで
従来より各種の添加剤、例えば水性用顔料分散樹脂や界
面活性剤の使用が検討されてきたが上記すべての適性を
満足し、既存の高品位を有する油性塗料に匹敵するよう
な品位は得られていない。即ち、ある種の水性用分散樹
脂の使用によって分散直後の皮膜の光沢、鮮明性、着色
力等はある程度改善されるが、例えば自動車用上塗り塗
料の様に極めて高度な光沢、鮮明性、着色力等を要求さ
れる分野においては必ずしも十分ではなく、さらに流動
性が損なわれる、経時によって増粘あるいはゲル化す
る、皮膜の物性に悪影響を及ぼす等の、実用上致命的な
欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は上記のごと
き欠点を解決する方法として、顔料に対して芳香族アミ
ノ基を有する有機色素をジアゾ化したジアゾ化生成物を
重合開始剤として酸性官能基を有する付加重合性単量体
を含む付加重合性単量体を重合させてなる顔料分散剤が
有効であることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は顔料100重量
部、芳香族アミノ基を有する有機色素をジアゾ化したジ
アゾ化生成物を重合開始剤として酸性官能基を有する付
加重合性単量体を含む付加重合性単量体を重合させるて
なる顔料分散剤0.1〜30重量部および固形分5〜2
00重量部を有する水性樹脂からなる水性顔料分散体に
関する。
【0005】本発明の顔料分散剤の原料となる有機色素
としてはフタロシアニン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ
系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン
系、ジケトピロロピロール系、アントラピリジン系、ア
ンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン
系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系等があ
る。これらの色素は任意に選択することができるが使用
する顔料に近い色相を有するものを使用した方が工業的
に有利である。
【0006】本発明の顔料分散剤の原料となる芳香族ア
ミノ基を有する有機色素の合成法としては、以下の3つ
の方法がある。 (1)既存の有機色素を常法によりアミノ置換する。 (2)アミノ置換された顔料の合成原料を用いて顔料を
合成する。 (3)既存の有機色素に−SO2 Cl、−COCl、−
CH2 NHCOCH2 Cl、−CH2 Cl等の置換基を
常法により導入し、これらの置換基と結合しうる置換
基、たとえばアミノ基や水酸基と、芳香族アミノ基との
両方を含有する化合物をこれらと結合させる。 これら3つの合成法は公知の技術であり容易に行うこと
ができる。
【0007】本発明の芳香族アミノ基を有する有機色素
をジアゾ化する方法は従来公知の芳香族一級アミンのジ
アゾ化法に準じて行うことが出来る。また、このジアゾ
ニウム塩は必要に応じて塩化亜鉛、塩化第2スズ等の安
定化剤を用いてより安定な複塩の形態で単離することも
できる。
【0008】本発明の重合方法は芳香族アミノ基を有す
る有機色素をジアゾ化したジアゾ化生成物を付加重合性
単量体存在下で分解し生成するフリージカルを重合開始
剤として上記の単量体を重合させると同時に有機色素と
共有結合させる方法である。重合の形態は従来公知の重
合方法、例えば溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重
合などいずれの方法でも重合が可能であるが、水性ビヒ
クルに使用する場合は水溶性の有機溶媒中での溶液重合
か、あるいは乳化重合が有利である。
【0009】ジアゾ化生成物を分解する方法は、反応系
を40〜120℃に加熱してもよいし、無機または有機
の還元剤、例えばナトリウム、リチウム、マグネシウ
ム、カルシウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属
類、亜鉛、アルミニウム、イリジウム、クロム、スズ、
セリウム、チタン、鉄、銅、バナジウム等の重金属及び
それらの金属塩化合物、水素化ジイソブチルアルミニウ
ム、有機スズ水素化物、ヒドロシラン等の金属水素化
物、水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウム
ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リ
チウム、水素化ホウ素カルシウム、水素化ホウ素カリウ
ム、水素化ホウ素亜鉛、水素化ホウ素テトラアルキルア
ンモニウム等の金属水素錯化合物、ジボラン及び置換ジ
ボラン、ヒドラジン、ジイミド、トリアルキルホスフィ
ン、トリフェニルホスフィン、トリアルキルホスフィッ
ト、ヘキサメチルホスホラストリアミド等のリン化合物
等で分解してもよい。
【0010】また上記の付加重合性単量体と重合開始剤
となる芳香族アミノ基を有する有機色素の割合は、重合
開始剤のモル数に対して付加重合性単量体のモル数が1
0〜10000倍の範囲であり、得られる分散剤の重量
平均分子量が2000〜100000となるように選択
することが好ましい。また重合の反応系の違いにより重
合開始剤の反応率だ異なり未反応の開始剤が残留する場
合もあるが、分散剤の性能には何ら影響を与えない。
【0011】本発明の付加重合性単量体は、従来公知の
付加重合性単量体をすべて用いることが出来る。例え
ば、不飽和カルボン酸及びそれらのエステル類、酸無水
物、酸クロライド、酸アミド、メチロール酸アミド及び
アルキルメチロール酸アミド等の誘導体、ビニル系単量
体、ジエン系単量体、エチレン等がある。酸性官能性を
有する付加重合単量体としては、アクリル酸、メタアク
リル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸等の不飽和カルボン酸がある。
【0012】その他の付加重合性単量体としては、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−
ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)ア
クリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)ア
クリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、
(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、グリシジル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリル酸クロライド、クロトン
酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル、ク
ロトン酸n−ブチル、クロトン酸イソプロピル、クロト
ン酸イソブチル、クロトン酸2−エチルヘキシル、クロ
トン酸n−ヘキシル、クロトン酸ラウリル、クロトン酸
2−ヒドロキシエチル、クロトン酸2−ヒドロキシプロ
ピル、クロトンアミド、N−メチロールクロトンアミ
ド、ジアセトンクロトンアミド、グリシジルクロトネー
ト、クロトン酸クロライド、イタコン酸モノメチル、イ
タコン酸モノエチル、イタコン酸モノプロピル、イタコ
ン酸モノ−n−ブチル、イタコン酸モノイソプロピル、
イタコン酸モノイソブチル、イタコン酸モノ−2−エチ
ルヘキシル、イタコン酸モノ−n−ヘキシル、イタコン
酸モノラウリル、イタコン酸モノ−2−ヒドロキシエチ
ル、イタコン酸モノ−2−ヒドロキシプロピル、イタコ
ンアミド、N−メチロールイタコンアミド、ジアセトン
イタコンアミド、モノグリシジルイタコネート、イタコ
ン酸クロライド、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエ
チル、イタコン酸ジプロピル、イタコン酸ジ−n−ブチ
ル、イタコン酸ジイソプロピル、イタコン酸ジイソブチ
ル、イタコン酸ジ−2−エチルヘキシル、イタコン酸ジ
−n−ヘキシル、イタコン酸ジラウリル、イタコン酸ジ
−2−ヒドロキシエチル、イタコン酸ジ−2−ヒドロキ
シプロピル、イタコンジアミド、N,N−ジメチロール
イタコンジアミド、ジアセトンイタコンジアミド、ジグ
リシジルイタコネート、無水イタコン酸、マレイン酸−
モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプ
ロピル、マレイン酸モノ−n−ブチル、マレイン酸モノ
イソプロピル、マレイン酸モノイソブチル、マレイン酸
モノ2−エチルヘキシル、マレイン酸モノn−ヘキシ
ル、マレイン酸モノラウリル、マレイン酸モノ−2−ヒ
ドロキシエチル、マレイン酸モノ−2−ヒドロキシプロ
ピル、マレインモノアミド、N−メチロールマレインア
ミド、ジアセトンマレインアミド、モノグリシジルマレ
ート、マレイン酸クロライド、マレイン酸ジメチル、マ
レイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸
ジ−n−ブチル、マレイン酸ジイソプロピル、マレイン
酸ジイソブチル、マレイン酸ジ−2−エチルヘキシル、
マレイン酸ジ−n−ヘキシル、マレイン酸ジラウリル、
マレイン酸ジ−2−ヒドロキシエチル、マレイン酸ジ−
2−ヒドロキシプロピル、マレインジアミド、N,N−
ジメチロールマレインジアミド、ジアセトンマレインジ
アミド、ジグリシジルマレート、無水マレイン酸、フマ
ル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、フマル酸モノプ
ロピル、フマル酸モノ−n−ブチル、フマル酸モノイソ
プロピル、フマル酸モノイソブチル、フマル酸モノ−2
−エチルヘキシル、フマル酸モノ−n−ヘキシル、フマ
ル酸モノラウリル、フマル酸モノ−2−ヒドロキシエチ
ル、フマル酸モノ−2−ヒドロキシプロピル、フマルア
ミド、N−メチロールフマルアミド、ジアセトンフマル
アミド、モノグリシジルフマレート、フマル酸クロライ
ド、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジ
プロピル、フマル酸ジ−n−ブチル、フマル酸ジイソプ
ロピル、フマル酸ジイソブチル、フマル酸ジ−2−エチ
ルヘキシル、フマル酸ジ−n−ヘキシル、フマル酸ジラ
ウリル、フマル酸ジ−2−ヒドロキシエチル、フマル酸
ジ−2−ヒドロキシプロピル、フマルジアミド、N,N
−ジメチロールフマルジアミド、ジアセトンフマルジア
ミド、ジグリシジルフマレート等がある。
【0013】又、ビニル系単量体の例としては、酢酸ビ
ニル、ビニルアルコール、塩化ビニル、ビニルトルエ
ン、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルn−ブチルエ
ーテル、ビニルイソプロピルエーテル、ビニルイソブチ
ルエーテル、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、フッ
化ビニル、フッ化ビニリデン、ビニルカルバゾール、ビ
ニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール
等があり、ジエン系単量体の例としては、ブタジエン、
クロロプレン、イソプレン等がある。
【0014】これらの単量体は上記の不飽和カルボン酸
を必須成分とする以外は任意の割合で使用することが出
来るが、顔料を分散させるビヒクルに用いられる樹脂の
組成に類似した単量体を用いた方がより大きな効果が得
られる。また用いられる不飽和カルボン酸の割合は全単
量体に対して5〜30重量%が好ましい。
【0015】本発明の顔料分散剤を使用する場合、使用
されるインキ水または塗料と相溶性のある溶媒に溶解あ
るいは分解したものを使用してもよい。水性ビヒクルに
使用するには、親水性有機溶剤中で顔料分散剤を無機ア
ルカリ、アンモニア、有機アミン等で中和して水を添加
することによって得られる溶液または分散液や、乳化重
合により得られる顔料分散剤の水性分散体の使用が工業
的に有利である。
【0016】中和に用いられる無機アルカリとしては、
例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カ
ルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等があ
り、有機アミンとしては、例えば、メチルアミン、ジメ
チルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチ
ルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロ
ピルアミン、トリプロピルアミン、ブチルアミン、ジブ
チルアミン、トリブチルアミン、イソブチルアミン、ジ
イソブチルアミン、2−ブタンアミン、N−(1−メチ
ルプロピル)−1−プロパンアミン、N,N−ジメチル
ブチルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、N−
エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、アリルアミ
ン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、N,N−ジメ
チルアリルアミン、N−メチルジアリルアミン、3−ペ
ンチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、
2−(ヒドロキシメチルアミノ)エタノール、2−アミ
ノロパノール、3−アミノロパノール、トリエタノール
アミン、ジメチルアミノプロパノール、N−イソブチル
ジエタノールアミン、3−メトキシプロピルアミン、3
−エトキシロピルアミン、3−プロピルオキシプロピル
アミン、3−イソプロピルオキシプロピルアミン、3−
ブトキシプロピルアミン等がある。
【0017】乾燥した粉末を使用する場合は顔料の分散
時に添加してもよいし、あらかじめ顔料と混合して使用
してもよい。溶媒に溶解あるいは分散したものを使用す
る場合は顔料の分散時または塗料化後のどちらで添加し
てもよく、顔料の水または溶剤のスラリーに添加し顔料
の表面に吸着させるか、あるいはアゾ顔料においてはカ
ップリング中、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料
及びジオキサジン顔料などにおいてはソルトミリング法
および硫酸溶解法などの顔料化工程中に顔料分散剤の粉
末あるいは溶液あるいは分散液を添加し顔料の表面に吸
着させ濾過後必要に応じて乾燥する方法によって得られ
る顔料組成物として使用してもよい。本発明の顔料分散
剤の使用される割合は顔料100重量部に対して0.1
〜30重量部であって、0.1重量部よりも少ないと効
果が得られず、30重量部よりも多く用いると塗料に用
いた場合の皮膜の性能に悪影響を及ぼす。
【0018】本発明の顔料は例えば、フタロシアニン顔
料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、アントラキノン
顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ジケトピ
ロロピロール顔料、アントラピリジン顔料、アンサンス
ロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、
ペリノン顔料、ペリレン顔料、チオインジゴ顔料、カー
ボンブラック、酸化鉄、鉛白、鉛丹、群青、紺青、酸化
コバルト、二酸化チタン、二酸化チタン被覆雲母、スト
ロンチウムクロメート、チタニウムイエロー、チタンブ
ラック、ジンククロメート、鉄黒、モリブデンレッド、
モリブデンホワイト、リトポン、エメラルドグリーン、
カドミウムイエロー、カドミウムレッド、コバルトブル
ー等がある。
【0019】本発明の水性樹脂は、アクリル共重合体
系、スチレン−アクリル酸共重合体系、スチレン−マレ
イン酸共重合体系、アルキド系、エポキシ系、ポリエス
テル系、ウレタン系等の水分散樹脂または水溶性樹脂が
有るが、特に、アクリル共重合体系の水分散樹脂または
水溶性樹脂が好ましい。
【0020】アクリル共重合体系樹脂は(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル50〜80重量%、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボン酸
含有単量体5〜30重量%およびその他の単量体0〜2
0重量%を乳化重合または水溶性溶媒中で溶液重合して
得られる、重量平均分子量5000〜300000、酸
価が1〜200の樹脂である。上記(メタ)アクリル酸
アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アク
リル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等が
ある。上記その他のモノマーとしては、(メタ)アクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシプロピル、アクリルアミド、N−メチロールア
クリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、グリシジル
(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、酢
酸ビニル、アクリロニトリル、ビニルアルコール、エチ
レン等がある。
【0021】上記水分散性樹脂は、乳化剤を添加した水
性媒体に上記モノマーの混合物を滴下して乳化重合する
ことによって製造することができる。乳化剤の代わりに
または乳化剤と併用して高分子量の分散剤を使用しても
よい。また、本発明の水分散性樹脂は樹脂中に組み込ま
れたカルボン酸をアミンまたはアンモニア等の添加によ
り中和して水性分散体中に分散させてもよい。例えば、
親水性有機溶媒中で重合された遊離のカルボン酸を有す
るアクリル系共重合樹脂を有機アミンで中和して水を添
加することによって水分散性樹脂を得ることができる。
上記水溶性樹脂は親水性有機溶媒中で上記モノマーから
重合された遊離のカルボン酸を有するアクリル系共重合
樹脂を有機アミンで中和して水を添加することによって
得ることができる。本発明に使用される水性樹脂の水性
媒体は、水のみであってもよいが、場合によってはエチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピル
アルコール、n−ブタノール等のアルコール系溶剤や、
エチレングリコールまたはジエチレングリコールのモノ
またはジアルキルエーテル等の水混和性有機溶剤を水性
媒体中の50重量%まで混和させることができる。
【0022】本発明の水性樹脂の使用量は顔料100重
量部に対して固形分換算で5〜200重量部であって、
5重量部より少ないと顔料が完全に分散せず、200重
量部より多いと分散安定性が悪くなり経時により沈降、
分離等を起こす。本発明の水性顔料分散体の製造方法
は、顔料と顔料分散剤を水性樹脂の分散液または溶液に
配合するのが最も簡便である。あるいは顔料の水または
溶剤のスラリーに添加し顔料の表面に吸着させるか、あ
るいはアゾ顔料においてはカップリング中、フタロシア
ニン顔料、キナクリドン顔料及びジオキサジン顔料など
においてはソルトミリング法および硫酸溶解法などの顔
料化工程中に顔料分散剤の粉末あるいは溶液あるいは分
散液を添加し顔料の表面に吸着させ濾過後必要に応じて
乾燥する方法によって得られる顔料組成物を水性樹脂の
分散液または溶液に配合することもできる。顔料または
顔料組成物を水性樹脂の分散液または溶液に分散させる
には、ディゾルバー、ハイスピードミキサー、ホモミキ
サー、サンドミル、アトライター等の分散機を使用する
ことが好ましい。本発明の水性顔料分散体は、水性上塗
り塗料およびそれらの濃縮分散体として使用することが
できる。
【0023】
【実施例】
製造例1 メタノール1000部にp−フェニレンジアミン43部
を溶解し、銅フタロシアニンスルホニルクロリド(1分
子当たり平均1.5個のクロロスルホニル基を含有す
る。)145部を含むメタノールウェットケーキを加え
て60℃で1時間攪拌した。ろ過、メタノール洗浄した
後、60℃で乾燥、粉砕して青色粉末(化合物a)16
0部を得た。
【0024】製造例2 ジメチルホルムアミド2000部にp−フェニレンジア
ミン43部を溶解し、クロロメチル銅フタロシアニン
(1分子当たり平均2個のクロロメチル基を含有す
る。)135部を加えて100℃で3時間攪拌した。ろ
過、水洗した後、80℃で乾燥、粉砕して青色粉末(化
合物b)155部を得た。
【0025】製造例3 メタノール1000部にp−フェニレンジアミン43部
を溶解し、クロロアセトアミノメチルキナクリドン(1
分子当たり平均1個のクロロアセトアミノメチル基を含
有する。)83.5部を含むメタノールウェットケーキ
を加えて60℃で1時間攪拌した。ろ過、メタノール洗
浄した後、60℃で乾燥、粉砕して赤色粉末(化合物
c)95部を得た。
【0026】製造例4〜11 製造例1〜3に準じて表1に示す化合物d〜kを合成し
た。
【0027】
【表1】
【0028】製造例12 4−アミノ−アセトアセトアニリド38.4部を水10
00部に懸濁させ、4,4’−ジクロロベンジジンを常
法によりジアゾ化したジアゾニウム液と常法によりカッ
プリングし、ろ過、水洗、乾燥して黄色粉末(化合物
l)130部を得た。
【0029】製造例13 メタノール1000部にp−フェニレンジアミン43部
を溶解し、β−オキシナフトエ酸クロリド41部を加
え、60℃で1時間攪拌した。水1000部を加えて生
成物を完全に析出させ、ろ過、水洗した後、60℃で乾
燥、粉砕して白色粉末55部を得た。得られた白色粉末
をカップリング成分として2,5−ジクロルアニリンを
常法によりジアゾ化したジアゾニウム液と常法によりカ
ップリングし、ろ過、水洗、乾燥して赤色粉末(化合物
m)90部を得た。
【0030】製造例14 冷却した98%硫酸20部に亜硝酸ナトリウム0.7部
を加え70℃まで加熱したのち再び冷却して化合物a
5.5部を10℃以下で加えた。そのまま10℃で1時
間攪拌したのち、10℃以下に冷却したアクリル酸エチ
ル10部、メタクリル酸メチル10部、メタクリル酸5
部、ジエチレングリコールジメチルエーテル50部から
なる溶液に滴下した。窒素気流中で加熱し80℃で2時
間重合させたのち、水100部を加えて樹脂分を析出さ
せろ過、水洗、乾燥、粉砕して樹脂粉末(分散剤A)2
7部を得た。
【0031】製造例15 冷却した98%硫酸20部に亜硝酸ナトリウム0.7部
を加え70℃まで加熱したのち再び冷却して化合物b4
部を10℃以下で加えた。そのまま10℃で1時間攪拌
したのち10℃以下に冷却された25%塩化亜鉛水溶液
200部に滴下してジアゾニウム化合物の塩化亜鉛複塩
を析出させろ過、水洗した。得られたプレスケーキを、
アクリル酸エチル10部、メタクリル酸メチル10部、
メタクリル酸5部、ジエチレングリコールジメチルエー
テル50部からなる溶液に分散させ窒素気流中で30分
間攪拌したのち20%三塩化チタン水溶液5部を加え6
0℃で2時間重合を行った。トリエタノールアミン水溶
液でpH8に調製して固形分22%の樹脂分散液(分散
剤B)100部を得た。
【0032】製造例16 冷却した98%硫酸20部に亜硝酸ナトリウム0.7部
を加え70℃まで加熱したのち再び冷却して化合物c
4.9部を10℃以下で加えた。そのまま10℃で1時
間攪拌したのち10℃以下に冷却された25%塩化亜鉛
水溶液200部に滴下してジアゾニウム化合物の塩化亜
鉛複塩を析出させろ過、水洗した。得られたプレスケー
キを、アクリル酸エチル10部、メタクリル酸メチル1
0部、メタクリル酸5部、ラウリル硫酸ナトリウム2
部、水50部からなる冷却された乳化液に分散させ窒素
気流中で30分間攪拌したのち20%三塩化チタン水溶
液5部を加え60℃で2時間重合を行いアンモニア水で
pHを8に調製し、固形分25%の樹脂分散液(分散剤
C)100部を得た。
【0033】製造例17〜24 製造例14〜16に準じて化合物d〜mについても重合
を行い樹脂粉末または樹脂分散液(分散剤D〜M)を得
た。
【0034】実施例1 C.I.Pigment Blue 15:1 10部、分散剤A1部、重量平均
分子量25000 、酸価60のアクリル樹脂溶液 (固形分20%)
12.5部、イオン交換水20部、及び 3mmφアルミナビーズ
150 部を225 mlのガラス容器に入れペイントコンディシ
ョナーで3 時間分散させた。上記のアクリル樹脂37.5部
とメチル化メラミン樹脂 (商品名 サイメル303 三井サ
イアナミッド製)4.3部を加えて混合し水性塗料を得た。
得られた水性塗料を 4ミルのフィルムアプリケーターで
PET フィルム上に展色し140 ℃で30分間焼き付けたとこ
ろ優れた皮膜光沢が得られた。光沢の測定はデジタル変
角光沢計により20°グロスを測定した。測定結果は表2
に示す。
【0035】実施例2〜19 実施例1に準じて種々の顔料に対して分散剤B〜Mを用
いて塗料化を行った(但し、樹脂分散液の添加量は固形
分換算。)ところ同様に優れた皮膜光沢が得られた。そ
れらの結果を表2及び表3に示す。
【0036】実施例20 C.I.Pigment Blue 15:1 20部を含むウェットケーキを水
200 部に分散させ、分散剤B4.5部を加えて混合し
た。次いで濾過、水洗、乾燥、粉砕して顔料組成物23部
を得た。得られた顔料組成物を下記の方法で塗料化、展
色したところ優れた皮膜光沢が得られた。測定結果は表
2に示す。
【0037】(塗料化及び展色方法)顔料組成物10部、重
量平均分子量25000 、酸価60のアクリル樹脂溶液 (固形
分20%)12.5部、イオン交換水20部、及び 3mmφアルミナ
ビーズ150 部を225 mlのガラス容器に入れペイントコン
ディショナーで3 時間分散させた。上記のアクリル樹脂
37.5部とメチル化メラミン樹脂 (商品名 サイメル303
三井サイアナミッド製)4.3部を加えて混合し水性塗料を
得た。得られた水性塗料を 4ミルのフィルムアプリケー
ターでPET フィルム上に展色し140 ℃で30分間焼き付け
た。光沢の測定はデジタル変角光沢計により20°グロス
を測定した。
【0038】実施例21〜23 実施例20に準じて種々の顔料に分散剤A〜Mを混合
し、塗料化、展色したところ同様に優れた皮膜光沢が得
られた。それらの結果を表2に示す。
【0039】比較例 実施例1〜23に用いた顔料を分散剤を加えずに塗料
化、展色したところ加えたものに比べて光沢は劣ってい
た。それらの結果を表2及び表3に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】本発明により、経時によって増粘したり
皮膜の物性に悪影響を及ぼす等の欠点がなく、既存の高
品位を有する油性塗料に匹敵する鮮明性、着色力等をも
とより、高度な光沢、鮮明性、着色力等を満足する水性
塗料、水印刷インキ等となる水性顔料分散体を得ること
ができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】本発明の顔料分散剤の原料となる有機色素
としてはフタロシアニン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ
系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン
系、ジケトピロロピロール系、アントラピリミジン系、
アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン
系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系等があ
る。これらの色素は任意に選択することができるが使用
する顔料に近い色相を有するものを使用した方が工業的
に有利である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】本発明の顔料は例えば、フタロシアニン顔
料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、アントラキノン
顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ジケトピ
ロロピロール顔料、アントラピリミジン顔料、アンサン
スロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔
料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、チオインジゴ顔料、
カーボンブラック、酸化鉄、鉛白、鉛丹、群青、紺青、
酸化コバルト、二酸化チタン、二酸化チタン被覆雲母、
ストロンチウムクロメート、チタニウムイエロー、チタ
ンブラック、ジンククロメート、鉄黒、モリブデンレッ
ド、モリブデンホワイト、リトポン、エメラルドグリー
ン、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、コバルト
ブルー等がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤ケ森 勉 東京都中央区京橋二丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料100重量部、芳香族アミノ基を有
    する有機色素をジアゾ化したジアゾ化生成物を重合開始
    剤として酸性官能基を有する付加重合性単量体を含む付
    加重合性単量体を重合させてなる顔料分散剤0.1〜3
    0重量部および固形分5〜200重量部を有する水性樹
    脂からなる水性上塗り塗料用水性分散体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5854323A (en) * 1995-09-11 1998-12-29 Toyo Ink Manufacturing Co., Ltd. Pigment dispersing agent, composition containing the same, and aqueous pigment dispersion
JP2007526376A (ja) * 2004-03-03 2007-09-13 クラリアント・プロドゥクテ(ドイチュラント)ゲーエムベーハー カラーフィルター、インクジェット用インク、電子写真用トナー及び現像液並びに電子インク用のバイオレット着色剤

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JP4815429B2 (ja) * 2004-03-03 2011-11-16 クラリアント・プロドゥクテ(ドイチュラント)ゲーエムベーハー カラーフィルター用のバイオレット着色剤

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