JPH0687896U - 原子炉圧力容器の下鏡貫通部の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スタブチューブに関する諸作業をなくすこと
ができて、工期の短縮化を図ることができる原子炉圧力
容器の下鏡貫通部の構造を提供することにある。 【構成】 原子炉圧力容器の下鏡を貫通している制御棒
駆動機構のハウジングが中間のインコネルパイプの上下
にそれぞれ直列状に溶接された上部のステンレスパイプ
および下部のステンレスパイプからなり、かつ、前記ハ
ウジングが該下鏡の内面のインコネルクラッドと該中間
のインコネルパイプの所でインコネル溶接されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、原子炉圧力容器の下鏡貫通部の構造に関するもので、詳しくは、原 子炉圧力容器の低合金鋼製の下鏡に制御棒駆動機構のハウジングが貫通する部分 の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の原子炉圧力容器の下鏡貫通部の構造は、たとえば、図２に示す ようなものからなっている。 図２において、１１は原子炉圧力容器の低合金鋼製の下鏡、１２は該下鏡１１ の内面に施されたインコネルによるクラッド、１３はステンレスパイプからなる 制御棒駆動機構のハウジング、１４はスタブチューブ（インコネル）、１５は前 記下鏡１１の内面のクラッド１２とスタブチューブ１４の下面を溶接した溶接部 、１６は該ハウジング１３をスタブチューブ１４に溶接している継手部（インコ ネル）である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、図２に示した従来の技術においては、スタブチューブ１４を下 鏡１１の内面へ溶接する工程が非常に面倒で、これが１つの圧力容器で、たとえ ば、２００個所以上もあるため、３か月にも及び、工期の短縮化ができないとい う問題点があった。

【０００４】 本考案は、上記のような問題点を解決しようとするものである。すなわち、本 考案は、スタブチューブに関する諸作業をなくすことができて、工期の短縮化を 図ることができる原子炉圧力容器の下鏡貫通部の構造を提供することを目的とす るものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため、本考案は、原子炉圧力容器の下鏡を貫通している制 御棒駆動機構のハウジングが中間のインコネルパイプの上下にそれぞれ直列状に 溶接された上部のステンレスパイプおよび下部のステンレスパイプからなり、か つ、前記ハウジングが該下鏡の内面のインコネルクラッドと該中間のインコネル パイプの所でインコネル溶接されているものとした。

【０００６】

【作用】

本考案によれば、原子炉圧力容器の下鏡を貫通している制御棒駆動機構のハウ ジングが中間のインコネルパイプの上下にそれぞれ直列状に溶接された上部のス テンレスパイプおよび下部のステンレスパイプからなり、かつ、前記ハウジング が該下鏡の内面のインコネルクラッドと該中間のインコネルパイプの所でインコ ネル溶接されているので、前記ハウジングが、すべてインコネルの部分で下鏡に 溶接されるため、熱応力や機械的強度の点では十分であり、したがって、従来の スタブチューブを設ける必要がなくなる。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案の一実施例を示している。 図１において、１は原子炉圧力容器の低合金鋼製の下鏡、２は該下鏡１の内面 に施されたインコネルによるクラッド、３は制御棒駆動機構のハウジング、４は 該ハウジング３の一部を構成している中間のインコネルパイプ、５は同じく他の 一部を構成している上部のステンレスパイプ、６は同じくもう１つの他の一部を 構成している下部のステンレスパイプ、７は該インコネルパイプ４と該ステンレ スパイプ５を直列状に溶接している上部溶接部、８は該インコネルパイプ４と該 ステンレスパイプ６を直列状に溶接している下部溶接部、９は前記下鏡１の内面 のクラッド２と該インコネルパイプ４の所で前記ハウジング３を該下鏡１にイン コネル溶接をしている継手部である。

【０００８】 図１に示した原子炉圧力容器の下鏡貫通部の構造においては、原子炉圧力容器 の下鏡１を貫通している制御棒駆動機構のハウジング３が中間のインコネルパイ プ４の上下にそれぞれ直列状に溶接された上部のステンレスパイプ５および下部 のステンレスパイプ６からなり、かつ、前記ハウジング３が該下鏡１の内面のイ ンコネルクラッド２と該中間のインコネルパイプ４の所でインコネル溶接されて いるので、前記ハウジング３が、すべてインコネルの部分で下鏡１に溶接される ため、熱応力や機械的強度の点では十分であり、したがって、従来のスタブチュ ーブを設ける必要がなくなって、単純な溶接によって継手部９を設けるだけでよ いから、工程および工期を著しく短縮することができる。また前記ハウジング３ には、中間のインコネルパイプ４を必要とするが、それは、ごく短い部分であっ て、全体としてみれば、従来のステンレスパイプと価格的に大差がない。

【０００９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、原子炉圧力容器の下鏡を貫通している 制御棒駆動機構のハウジングが中間のインコネルパイプの上下にそれぞれ直列状 に溶接された上部のステンレスパイプおよび下部のステンレスパイプからなり、 かつ、前記ハウジングが該下鏡の内面のインコネルクラッドと該中間のインコネ ルパイプの所でインコネル溶接されているので、前記ハウジングが、すべて、イ ンコネルの部分で下鏡に溶接されているため、熱応力や機械的強度の点では十分 であり、したがって、従来のスタブチューブを設ける必要がなくなって、工程な らびに工期を著しく短縮することができて、コストダウンを図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示した一部切欠正面断面図
である。

【図２】従来の技術の一例を示した一部切欠正面断面図
である。

【符号の説明】

１ 下鏡 ２ クラッド ３ 制御棒駆動機構のハウジング ４ 中間のインコネルパイプ ５ 上部のステンレスパイプ ６ 下部のステンレスパイプ ７ 上部の溶接部 ８ 下部の溶接部 ９ インコネル継手部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 原子炉圧力容器の下鏡を貫通している制
   御棒駆動機構のハウジングが中間のインコネルパイプの
   上下にそれぞれ直列状に溶接された上部のステンレスパ
   イプおよび下部のステンレスパイプからなり、かつ、前
   記ハウジングが該下鏡の内面のインコネルクラッドと該
   中間のインコネルパイプの所でインコネル溶接されてい
   ることを特徴とする、原子炉圧力容器の下鏡貫通部の構
   造。