JPH0687896B2 - バルーンインフューザー - Google Patents

バルーンインフューザー

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JPH0687896B2
JPH0687896B2 JP62294809A JP29480987A JPH0687896B2 JP H0687896 B2 JPH0687896 B2 JP H0687896B2 JP 62294809 A JP62294809 A JP 62294809A JP 29480987 A JP29480987 A JP 29480987A JP H0687896 B2 JPH0687896 B2 JP H0687896B2
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outer shaft
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肇 辻川
俊樹 吉田
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株式会社ニッショー
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は所定量の薬液を血管、膀胱などに少しずつ持続
して注入するために用いられるバルーンインフューザー
に関する。さらに詳しくは、通常の操作時はもちろんの
こと万一バルーンが破裂したときにおいても薬液が外部
にもれることがなく、さらに薬液の混濁や薬液中への細
菌などの混入を確実に防止することのできるバルーンイ
ンフューザーに関する。
[従来の技術] 従来より、抗生物質や抗ガン剤などの薬液を血管、膀胱
などに微量に注入する手段として、弾性材料からなるバ
ルーンに薬液を注入し、該バルーンの収縮力を利用して
薬液を比較的長時間にわたって血管内などに持続注入す
るバルーン付き薬液持続注入器が提案されている(たと
えば特開昭62-11465号公報)。該公報に記載されている
バルーン付薬液持続注入器は、第9図に示すような構成
を有しており、逆止弁(151)が設けられた薬液注入部
(152)から注入された薬液は、管状本体(153)に形成
された流入孔(154)を通ってバルーン(156)内に充填
される。このばあい、薬液の流出を防止するために血管
内留置器具(157)の端を手で塞いだり、流量調節弁(1
58)を最大に絞ることが行なわれる。所定量がバルーン
(56)内に充填された薬液は、バルーン(156)の収縮
力によって流出孔(159)、薬液注出部(160)、血管内
留置器具(157)をへて血管内に注入される。かかるバ
ルーン付薬液持続注入器は、該器具以前において用いら
れていた輸液ポンプなどに比べ構造が簡単であり、取扱
いも簡便になるものと記載されている。
ところが、このものは流出孔(159)の断面積や、流量
調節弁(158)の絞り率や、接続する血管用カテーテル
の管路抵抗などにより薬液の流量が調整されるように構
成されているので、流量を微調整することが困難である
という問題がある。さらに、バルーン(156)が管状本
体(153)の半径方向(第9図において(Y)で示す方
向)にしか変形しないので、かなりの量の薬液が体内に
注入されないまま管状本体(153)内などに残留してし
まうという問題がある。
以上の問題点を解決するものとして本出願人は、さき
に、側部に微細孔が形成されてなるパイプを流量制御部
に採用し、かつ、半径方向だけでなく軸方向にも膨張し
うるようなバルーン部を構成したバルーンインフューザ
ーを提案した(特願昭62−204791号)。このものは、第
6〜8図に示されるように、円筒状外軸(31)と、該外
軸(31)内に滑動自在に内装されてなる内軸(32)と、
これらの両軸を被覆するよう該両軸の外部に設けられ、
その一端が外軸(31)に密着固定され、他端が内軸(3
2)に密着固定された弾性材料製バルーン(33)とから
なるバルーン部(a)と、 前記外軸(31)の一端であって、内軸(32)が内装され
る側と反対側の端部に接続され、薬液流入部および薬液
流出部を有し、薬液流入時または薬液流出時に薬液の流
路の切り換えが可能な活栓部(b)と、 前記活栓部の薬液流出部に接続され、少なくとも1個の
微細孔(52)がその側部に形成された下流側先端の閉塞
されたパイプ(51)を有する流量制御部(c)と、 前記流量制御部に接続されてなる軟質の合成樹脂製の薬
液注入チューブ(d)と、 該チューブの先端に接続されたシャントアダプター部
(e)とからなり、 前記活栓部の薬液流出部と流量制御部のパイプとのあい
だの適宜の位置に合成樹脂製のフィルター(50)が設け
られてなることを特徴としている。
このバルーンインフューザーによれば前述したごとく
パイプの側部に微細孔を形成し、該微細孔を通して薬液
を注出するという構成を採用しているので、流量精度を
著しく向上させることができ、さらに外軸と該外軸内
に滑動自在に内挿された内軸それぞれバルーンを密着固
定して、半径方向だけでなく軸方向にもバルーンが膨張
しうるようになっており、そして、バルーン収縮時にお
いて内軸が外軸によりガイドされ、バルーンは完全にも
との状態にまで戻るので薬液の残留を極端に低減させる
ことができるという従来技術にはない効果を奏しうるも
のである。
しかしながら、以上のごとき優れた効果を奏するバルー
ンインフューザーにあっても、バルーンが密封された容
器内に収納されていないのでバルーンが破裂したときに
薬液が飛散してしまうという問題や、三方活栓などの活
栓部を利用してバルーンへの薬液の注入および注出を行
なっているのでわずかではあるが液もれが発生してしま
うという問題や、活栓部において薬液が混濁したり、活
栓部より細菌などが薬液中に侵入してしまうという問題
があった。
本発明は、叙上の事情に鑑み、本出願人がさきに提案し
たバルーンインフューザーが有していた問題点が一挙に
解消されたバルーンインフューザーを提供することを目
的とする。すなわち、本発明の目的は、薬液のもれ、混
濁や薬液中への細菌などの混入を確実に防止することの
できるバルーンインフューザーを提供することを目的と
する。
[問題点を解決するための手段] 本発明のバルーンインフューザーは、 (1)円筒状外軸と、該外軸内に滑動自在に内装されて
なる内軸と、これらの両軸を被覆するよう該両軸の外部
に設けられ、その一端が外軸に密着固定され、他端が内
軸に密着固定された弾性材料製バルーンと、前記外軸の
一端であって、内軸が内装される側と反対側の端部内に
挿着された薬液注入用栓体とからなるバルーン部と、 (2)前記バルーン部を収納し、その一端面に前記薬液
注入用栓体が固着されたハウジングと、 (3)前記薬液注入用栓体に突刺される薬液注入針と、
前記薬液注入針に接続された軟質の合成樹脂製の薬液チ
ューブに接続された流量制御部 からなることを特徴としている。
[実施例] つぎに図面に基づき本発明のバルーンインフューザーを
説明する。
第1図は本発明のバルーンインフューザーの一実施例の
平面図であって薬液注入針を薬液注入用栓体に突刺して
いない状態をあらわす図、第2図は第1図に示すバルー
ンインフューザーのバルーン部であって薬液を充填した
ときのようすを示す拡大断面図、第3図は第1図に示す
バルーンインフューザーの流量制御部の拡大断面図、第
4図は第3図の(X)−(X)線断面図である。
第1図、第2図および第3図において(I)は本発明の
一実施例にかかわるバルーンインフューザーであり、こ
のものはバルーン部(A)、ハウジング(B)、流量制
御部(C)、薬液注入チューブ(D)および接続具
(E)とで構成されている。以下、各部分について詳細
に説明する。
バルーン部(A)は薬液が充填される部分であるととも
に該薬液を人体の注入箇所へ移動せしめる駆動部分であ
り、円筒状外軸(1)と、該外軸(1)内に滑動自在に
内装されてなる内軸(2)と、これらの両軸の外部に設
けられたバルーン(3)と、外軸(1)の一端に挿着さ
れた薬液注入用栓体(6)とで構成されている。外軸
(1)および内軸(2)はポリカーボネート、ポリエチ
レン、ポリプロピレンなどの合成樹脂で作製されてお
り、またバルーン(3)はシリコンゴム、ブチルゴム、
ニトリルブタジエンゴム、ポリ−1,4−ブタジエン、ポ
リイソプレン、ポリウレタン、ブタジエンスチレン共重
合体などの弾性材料で作製されている。バルーン(3)
は筒状の形状をしており外軸(1)および内軸(2)を
被覆するようこれら両軸の外部に設けられており、その
一端は外軸(1)に、また他端は内軸にOリング(5)
などのシール手段によって気密に密着固定されている。
該Oリング(5)は外軸(1)および内軸(2)に形成
された環状の溝(4)に嵌めこまれている。外軸(1)
の内部は前記したごとく内軸(2)が滑動する部分であ
るとともにバルーン(3)内に充填された薬液が流量制
御部(C)へと徐々に流出するときの流路となる部分で
ある。したがって、外軸(1)の内面と内軸(2)の外
面とのあいだには0.5〜3mm程度のクリアランスを設ける
ようにするのが好ましい。バルーン(3)は、患者への
薬液注入量、注入時間などに応じて種々の大きさ、肉厚
のものを用いることができ本発明においてとくに限定さ
れるものではないが、概ねの値を示すならば、外径は2
〜30cmであり、肉厚は0.1〜2.0mmであり、また長さは3
〜30cmである。バルーン(3)は薬液を充填することに
より半径方向とともに長手方向(外軸(1)または内軸
(2)の軸方向)にも膨脹しうる構造となっている。内
軸(2)はバルーン(3)の動きに付随して外軸(1)
内を出たり入ったりし、、その位置とバルーン(3)内
に残っている薬液の量との関係は一定であるので内軸
(2)に目盛りを設けることで薬液の流出量を確認する
こともできる。
外軸(1)の一端であって、内軸(2)が内装される側
と反対側の端部内には、シリコンゴムなどのゴム状弾性
体で作製され、耐刺通性(薬液注入針を多数回突き刺し
ても液密性が保持され、内部の薬液がもれないような性
質をいう)に優れた薬液注入用栓体(6)が気密かつ液
密に挿着されている。第1〜第2図に示される実施例に
おける薬液注入用栓体(6)は蓋部(7)を有してお
り、さらに外軸(1)の端部および後述するハウジング
の端面には前記蓋部(7)の形状に対応した段部
(8)、(9)が形成されている。そして、薬液注入用
栓体(6)は、その蓋部(7)が前記段部(8)、
(9)によって固定されるので、薬液の注入および注出
に際して針を刺したり、抜いたりする操作によって薬液
注入用栓体(6)がずれてしまったり、ときとして抜け
出てしまうようなことはない。薬液注入用栓体(6)の
固定は接着剤を用いて行なうようにしてもよい。
ハウジング(B)は、バルーン(3)が外部の鋭利な物
体に触れて破損するのを防止するとともに、バルーン自
体のピンホールなどの欠陥によってバルーンから液もれ
が発生したばあいに外部に薬液が飛散しないように薬液
を密封する機能を果たす部分である。ハウジング(B)
は、ポリ塩化ビニール、ポリプロピレン、ポリカーボネ
ートなどの合成樹脂で作製するのが好ましい。ハウジン
グ(B)の形状は本発明においてとくに限定されず円筒
状、角パイプ状など適宜の形状を採用すればよく、要は
膨脹後のバルーン(3)を覆うように収納しうる形状で
あればよい。ハウジング(B)は、薬液の注入情況を外
部から目視にて観察できるように透明な材料で作製する
のが好ましい。また、ハウジング(B)の寸法はバルー
ン(3)の膨脹時の寸法に対応して選定される。第2図
に示す例では、ハウジング(B)の内面とバルーン
(3)とのあいだにクリアランスが存在しているが、こ
れはとくに必要ではなく、むしろ小型化という点からは
バルーン(3)がハウジング(B)の内面に接触する程
度にハウジング(B)の内径を選定した方がよい。
ハウジング(B)は万一バルーン(3)が破損しても薬
液が外部にもれないようにバルーン部(A)を密封状態
で覆うものであるが、内部を完全に気密状態にすると、
バルーン(3)内に薬液を注入するにつれて内部の空気
が圧縮されて圧力が高くなり、ある程度以上には薬液を
注入することができなくなるという不都合が生じる。そ
こで本発明のバルーンインフューザーにおいては、ハウ
ジング(B)の適宜の箇所に空気抜きの開口部が形成さ
れており、該開口部には、空気は通過させるが薬液は通
過させない疎水性フィルターが設けられている。第1〜
2図に示される実施例においては、ハウジング(B)の
一端面に開口部(11)が形成されており、この開口部
(11)を覆うように疎水性フィルター(12)が設けられ
ている。疎水性フィルター(12)の材質としては、万一
バルーン(3)が破損してもバルーン(3)内の薬液が
ハウジング(B)外へ漏出しないこと、およびバルーン
(3)内に薬液を注入していくときにバルーン(3)が
膨張するにしたがってハウジング(B)内の空気が追い
出されることなどを考慮してポリエステル、テフロンな
どを採用するのが好ましい。
薬液注入用栓体(6)が挿着された外軸(1)の端部が
固着されてなるハウジング(B)の端面(13)には後述
する薬液注入針挿入用の孔部(14)が形成されている。
該孔部(14)は、外軸(1)および内軸(2)、つまり
は薬液注入用栓体(6)と同軸となるように形成されて
おり、薬液注入用栓体(6)の蓋部(7)の一部分のみ
が(残りの部分は、段部(8)、(9)により形成され
る環状の溝内にはめ込まれている)孔部(14)を通して
外部にあらわれる。なお、薬液注入用栓体(6)の蓋部
(7)が当接する端面(13)部分を、前述した耐刺通性
に優れた材料で構成するときは、孔部(14)の形成を省
略することができる。
孔部(14)が形成されたハウジング(B)の端面(13)
上には、前記孔部(14)と同軸に略円筒状の突出部(1
5)が形成されている。この突出部(15)の先端にはつ
ば部(16)が形成されており、後述する流量制御部
(C)の薬液注入針側端部と接続される。このように突
出部(15)を設けるときは、バルーン(3)内への薬液
注入時などに万一薬液注入用栓体(6)の蓋部(7)表
面に薬液が付着するようなことがあっても、この薬液が
バルーンインフューザーを操作する者の手などに触れる
のを確実に防止することができる。なお、ハウジング
(B)と流量制御部(C)との接続は、針(17)を薬液
注入用栓体(6)に突刺すだけでも可能であるが、突出
部(15)と薬液注入針側端部(19)とを嵌合または螺合
することで行なうのが好ましい。
流量制御部(C)は薬液の流量を制御する部分であり、
薬液の流路中に少なくとも1個の微細孔を有するパイプ
を設け、すべての薬液を前記微細孔を通過せしめること
で流量の制御が行なわれる。流量制御部(C)の一端に
は薬液注入針(17)が取り付けられており、この薬液注
入針(17)を前記薬液注入用栓体(6)に刺し込むこと
でバルーン(3)にあらかじめ充填しておいた薬液を流
量制御部(C)へと導くことができる。
微細孔を有するパイプとしては、本出願人がさきに提案
したバルーンインフューザーにおいて採用した下流側先
端の閉塞されたパイプを用いてもよいし、多孔質ガラス
パイプなど他の有孔パイプを用いてもよい。
まず、第7〜8図に基づいて下流側先端の閉塞されたパ
イプを用いるばあいについて説明する。薬液は、微細孔
を通って後述する薬液注入チューブ内に流入する。微細
孔の孔径は薬液の種類や流量などに応じて適宜選定すれ
ばよく、本発明においてはとくに限定されるものではな
いが概ね20〜100ミクロンが目安である。微細孔の数は
薬液の流量によっては1個形成するだけで正確に流量を
制御できるばあいもあるが、流量の正確な制御という
点、とくに高粘度の薬液を使用するばあいの流量制御を
考慮するとき、一般的にはできるだけ微小な孔を複数個
形成するようにするのが好ましい。
かかるパイプを用いるばあい、前記薬液注入針(17)と
流量制御部(C)のパイプとのあいだに、たとえばナイ
ロンなどの合成樹脂製のフィルター(50)を設ける必要
がある。該フィルターとしてはメッシュフィルターや織
物、不織布などからなるフィルターなどのメンブレンフ
ィルターを好適に用いることができるが、それ以外にも
ポリプロピレンなどの焼結体からなる層状のフィルター
を用いることも可能である。フィルターの孔径は、流量
制御部(C)のパイプに形成された微細孔の孔径との関
係を考慮して決定される。すなわち、該フィルターは前
記パイプに形成された微細孔に薬液中の異物などが詰ま
ってしまい、所定流量が流れなくなったり、最悪のばあ
いは薬液がまったく流れなくなるのを防止するために設
けられるものであり、この観点にたつときは、フィルタ
ーの孔径はパイプの微細孔の孔径よりも小さくする必要
がある。具体的には、パイプの微細孔の孔径を60ミクロ
ンとするときは、フィルターの平均孔径は50ミクロン以
下とするのがよい。なお、微細孔が形成されるパイプと
しては耐薬品性、加工性、無毒性などの点からステンレ
ス製のものを使用するのが好ましいが、前記した特性を
有するものであれば他の材料からなるパイプを用いても
よく、合成樹脂のたとえばポリカーボネート、ポリプロ
ピレン、ABS樹脂などを用いることもできる。
つぎに微細孔を有するパイプとして、第1図および第3
図に示されるように多孔質ガラスパイプを用いるばあい
について説明する。多孔質ガラスパイプ(18)は、たと
えばホウケイ酸ガラスを通常の方法でパイプに成形し、
600℃位の温度の熱処理によりガラスを分相した後、酸
処理することによって製造されるが、このパイプは耐熱
性、耐薬品性を有し、細孔が均一である特徴をもってお
り、孔径0.1〜3.0ミクロン程度の孔を多数側面に有する
パイプである。パイプの長さおよび内径は、薬液の目的
とする流量や粘度などに応じて適宜設定すればよく、本
発明においてとくに限定されるものではないがそれぞれ
概ね2〜20mmおよび0.5〜5mmが目安であり、5〜15mmお
よび1〜3mmであるのが好ましい。またパイプの厚さは
0.5〜5mmが好ましい。かかる多孔質ガラスパイプを用い
るときは、前記した微細孔が穿設されたステンレス製の
パイプを用いるばあいに比較して流量制御の制度をさら
に向上させることができるというメリットがある。すな
わち、パイプに微細孔を穿設するばあいは、穿設可能な
孔径の下限値が15ミクロン程度であり、したがって穿設
できる孔数にも限りがある。そのため長時間使用するば
あいにはフィルターと微細孔のあいだのゴミによって微
細孔の一部が目づまりすることがあり、流量が不安定に
なってしまうのである。その点、多孔質ガラスパイプを
用いるときは、多数の孔がパイプの側部に形成されてい
るので多少の目づまりによっても流量が不安定になると
いうことはない。
多孔質ガラスパイプを用いるばあい、薬液中に気泡が混
在していると、いわゆるエアーブロック現象(微細孔を
満たす薬液の表面張力のために空気が該微細孔内に進行
することができず、こういった微細孔の入口付近に停滞
している空気によって薬液の流れが妨げられる現象)に
よって薬液の流れが妨げられるため、該現象を防止すべ
く多孔質ガラスパイプの上流に空気抜き用の疎水性フィ
ルターを有する空気抜き部(21)を設けるのが好まし
い。
つぎに空気抜き部(21)の一実施例について第3〜4図
に基づいて説明する。第3図に示される実施例において
は、空気抜き部(21)は短円柱状の空間により構成され
ており、短円柱の片面(第3図にあらわれている面)に
は疎水性フィルターからなる空気抜きフィルター(22)
が設けられている。ただし、図をわかりやすくするため
に第3〜4図では該フィルター(22)は透明に描かれて
いる。(23)は板状の邪魔板であり、フィルター(22)
および短円柱状空間を構成する流量制御部(C)の底面
(24)に接するように空気抜き部(21)内に設けられて
いる(第4図参照)。薬液は第3図において矢印で示す
ようにS字状に進むため、薬液注入針(17)を通過した
薬液が直接に多孔質ガラスパイプ(18)に達するのを防
止することができる。そして、薬液がS字状に移動する
あいだに、該薬液中に含まれている気泡(25)(第4図
参照)は、空気抜きフィルター(22)を通って外部へ排
出される。空気抜きフィルター(22)と流量制御部の底
面(24)との間隔(l)は、小さな気泡も確実にフィル
ター(22)と接するように、できるだけ狭くするのが好
ましく、具体的には0.05〜1.0mmであるのが好ましく、
とくに0.1〜0.5mmであるのが好ましい。なお、邪魔板
(23)の配置は薬液が容易に多孔質ガラスパイプ(18)
に到達しないようなものであればよく、第2〜3図に示
されるものに限定されるものではない。また、フィルタ
ー(22)の形状および空気抜き部(21)の形状も本実施
例のものに限定されることはなく、適宜選定すればよ
い。
多孔質ガラスパイプ(18)と後述する薬液注入チューブ
(D)とは固定部材(26)によって接続、固定されてい
る。
本実施例においては流量制御部(C)の人体側には軟質
ポリ塩化ビニール、ポリプロピレン、ポリエステルなど
の軟質の合成樹脂製の薬液注入チューブ(D)が接続さ
れている。チューブ(D)の内径、肉厚、長さは薬液
量、使用態様を考慮して適宜選定すればよい。該チュー
ブ(D)の途中にミニクランプ(30)を設けておくと、
薬液の注入を簡単に停止、再開させることができるとい
う利点がある。
薬液注入チューブ(D)の先端部にはルアーテーパーに
なった接続具(E)が設けられており、該接続具(E)
を介して静脈針やPSVセットなどが接続される。接続具
(E)には、静脈圧などにより薬液が逆流するのを防止
するために逆止弁(図示せず)を装備するようにしても
よい。
つぎに本発明のバルーンインフューザーの使用方法につ
いて説明する。
薬液の注入は、孔部(14)内に注射器の注射針(図示せ
ず)などを挿入し、該注射針を薬液注入用栓体(6)に
刺しこんで行なわれる。薬液を充填するにつれて、バル
ーン(3)は半径方向とともに軸方向へも膨張する。所
定の量の薬液の充填が終わると、注射針を薬液注入用栓
体(6)から抜き取る。その際、万一薬液が薬液注入用
栓体(6)の蓋部(7)に付着したとしても、該蓋部
(7)は奥まったところに配置されているので、この薬
液に操作者が手などを触れてしまうというようなことが
ない。
つぎに、流量制御部(C)の薬液注入針(17)を薬液注
入用栓体(6)に刺しこむ。その際薬液がチューブ
(D)の方へ流出しないようにミニクランプ(30)を停
止の状態にしておく必要がある。
その後は実際の薬液注入箇所に応じて接続具を介してPS
Vセットやバルーンカテーテルなどに接続し、エアー抜
きなどの所定の操作を行なったのちに患者の体内に薬液
の注入が行なわれる。
第5図は本発明の一実施例にかかわるバルーンインフュ
ーザーの流量特性を示す図であり、40mlの生理食塩水を
バルーン内に充填し、注入時間と注入量との関係を測定
した結果を示している。第5図において○印は本発明の
一実施例にかかわるバルーンインフューザー(流量制御
部に平均孔径0.22ミクロン、外径3.0mm、内径2.0mmの多
孔質ガラスパイプを用いた)の流量特性を、●印は本出
願人がさきに特願昭62−240159号にて提案したバルーン
インフューザー(流量制御部に孔径60ミクロンの微細孔
が1つ形成された外径0.9mm、内径0.6mmのステンレスパ
イプを用いた)の流量特性をあらわしている。第5図に
示される測定例では、本発明のバルーンインフューザー
の流量精度は約−1.5%(39.5−40.0/40.0×100)であ
るのに対して、さらに提案したバルーンインフューザー
のそれは約−10% (36.0−40.0/40.0×100)であり、本発明のバルーンイ
ンフューザーの薬液注出ペースが安定している、すなわ
ち薬液注出量が良好なリニアリティを示すことがわか
る。
本発明のバルーンインフューザーは、軽量で取り扱いが
簡単であるので、薬液注入箇所によっては、患者はハウ
ジングをポケットに入れ、薬液を注入しつつ歩行するこ
とも可能であり、患者の行動の自由度が改善される。
[発明の効果] 以上説明したとおり、本発明のバルーンインフューザー
によれば以下の効果を奏することができる。
バルーンを覆うハウジングを密閉タイプにしたので、
バルーンが破損したばあいであっても薬液が外部にもれ
るのが防止される。
三方活栓などの流路切り換え部がないので薬液が混濁
したり、流路切り換え部より細菌などが薬液中に混入す
るのを防止できる。
薬液注入用栓体を介して薬液の注入、注出が行なわれ
るので薬液のもれがなく、万一薬液注入後などに該栓体
の表面に薬液が付着することがあっても、栓体は直接外
部にあらわれない奥まった位置に配置されているので、
薬液が手などに触れる危険性がない。
流量制御部に多孔質ガラスパイプを用いるときは、微
細孔を穿設したパイプを用いるばあいに比べて、目づま
りに起因する流量の不安定化の可能性が小さくなり、流
量精度を一段と向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のバルーンインフューザーの一実施例の
平面図であって薬液注入針を薬液注入用栓体に突刺して
いない状態をあらわす図、第2図は第1図に示すバルー
ンインフューザーのバルーン部であって薬液を充填した
ときのようすを示す拡大断面図、第3図は第1図に示す
バルーンインフューザーの流量制御部の拡大断面図、第
4図は第3図の(X)−(X)線概略断面図、第5図は
本発明の一実施例にかかわるバルーンインフューザーの
流量特性を示す図、第6図は本出願人がさきに提案した
バルーンインフューザーの一実施例の平面図、第7図は
第6図に示すバルーンインフューザーの流量制御部の拡
大断面図、第8図は第7図に示されるバルーンインフュ
ーザの流量制御部のパイプ先端の拡大図、第9図は従来
のバルーンインフューザーの縦断面図である。 (図面の主要符号) (I):バルーンインフューザー (A):バルーン部 (B):ハウジング (C):流量制御部 (D):薬液注入チューブ (E):接続具 (1):外軸 (2):内軸 (3):バルーン (6):薬液注入用栓体 (17):薬液注入針 (18):多孔質ガラスパイプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)円筒状外軸と、該外軸内に滑動自在
    に内装されてなる内軸と、これらの両軸を被覆するよう
    該両軸の外部に設けられ、その一端が外軸に密着固定さ
    れ、他端が内軸に密着固定された弾性材料製バルーン
    と、前記外軸の一端であって、内軸が内装される側と反
    対側の端部内に挿着された薬液注入用栓体とからなるバ
    ルーン部と、 (2)前記バルーン部を収納し、その一端面に前記薬液
    注入用栓体が固着されたハウジングと、 (3)前記薬液注入用栓体に突刺される薬液注入針と、
    前記薬液注入針に接続された軟質の合成樹脂製の薬液チ
    ューブに接続された流量制御部 からなるバルーンインフューザー。
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