JPH06877U - 多目的作業車両の動力分配伝達装置 - Google Patents
多目的作業車両の動力分配伝達装置Info
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- JPH06877U JPH06877U JP4043992U JP4043992U JPH06877U JP H06877 U JPH06877 U JP H06877U JP 4043992 U JP4043992 U JP 4043992U JP 4043992 U JP4043992 U JP 4043992U JP H06877 U JPH06877 U JP H06877U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 原動機の動力を必要に応じて走行系と流体圧
送用ポンプとに加えて作業機用動力取出部にも分配して
伝達できるようにされ、しかも、動力伝達時に原動機に
大なる悪影響を与えることがなく、また、ベルト交換等
のメンテナンス作業を容易に行えるとともに、全体を安
価に構成することができ、かつ、各部を合理的に配置で
きて動力を効率的に分配して伝達し得るようにされた、
多目的作業車両の動力分配伝達装置を提供する。 【構成】 原動機30の動力を、第1のベルト・プーリ
式動力伝達機構51により走行装置20に伝達するとと
もに、第2のベルト・プーリ式動力伝達機構52により
中継ギヤボックス35に伝達し、該中継ギヤボックス3
5から第3のベルト・プーリ式動力伝達機構53により
流体圧送用のポンプ40に伝達するとともに、前記中継
ギヤボックス35からシャフトドライブ式動力伝達機構
42によって作業機用の動力取出部70に伝達するよう
にされてなる。
送用ポンプとに加えて作業機用動力取出部にも分配して
伝達できるようにされ、しかも、動力伝達時に原動機に
大なる悪影響を与えることがなく、また、ベルト交換等
のメンテナンス作業を容易に行えるとともに、全体を安
価に構成することができ、かつ、各部を合理的に配置で
きて動力を効率的に分配して伝達し得るようにされた、
多目的作業車両の動力分配伝達装置を提供する。 【構成】 原動機30の動力を、第1のベルト・プーリ
式動力伝達機構51により走行装置20に伝達するとと
もに、第2のベルト・プーリ式動力伝達機構52により
中継ギヤボックス35に伝達し、該中継ギヤボックス3
5から第3のベルト・プーリ式動力伝達機構53により
流体圧送用のポンプ40に伝達するとともに、前記中継
ギヤボックス35からシャフトドライブ式動力伝達機構
42によって作業機用の動力取出部70に伝達するよう
にされてなる。
Description
【0001】
本考案は、例えば薬液散布作業に加えて除草や中耕作業等をも行わせ得るよう にすべく、搭載された原動機の動力を走行装置と流体圧送用ポンプとに加えて作 業機用動力取出部にも分配して伝達することができるようにされた、多目的作業 車両の動力分配伝達装置に関する。
【0002】
例えば害虫防除等のための薬剤散布作業を行う乗用作業車両においては、通常 、薬液を貯留するタンク、このタンク内の薬液を圧送するためのポンプ、及びこ のポンプからの薬液を外部に噴射する散布装置等が備えられ、車両に搭載された 原動機の動力が走行装置に伝達されるとともに、必要に応じて前記ポンプにも分 配されて伝達され、走行しながら薬剤散布作業を行うことができるようになって いる。
【0003】 しかしながら、かかる乗用作業車両にあっては、実質的に単一の作業(薬剤散 布作業)しか行えないので、年間でみた場合の稼働効率が低く、経済的に運用す ることができないといった問題がある。 そこで、本考案の考案者等は、例えば前記薬液散布作業に加えて除草や中耕作 業等をも行わせ得るようにすべく、車両に除草や中耕等を行うための作業機用の 動力取出部を設け、原動機の動力を走行系と流体圧送用ポンプとに加えてその作 業機用動力取出部にも分配して伝達するようになして、当該車両を多目的に使用 できるようになす改良を進めている。
【0004】
前記のような多目的作業車両を実現するには、原動機の動力を走行装置と流体 圧送用ポンプとに加えて作業機用動力取出部にも分配して伝達する動力分配伝達 装置を車両に配備する必要がある。 そして、かかる動力分配伝達装置としては、装置構成が簡単で安価に製作でき るという理由から、原動機と走行装置との間、原動機とポンプとの間、及び原動 機と作業機用動力取出部との間の動力伝達をそれぞれ、機構が比較的単純なベル ト・プーリ式動力伝達機構で行うようにしたものが考えられている。このような ベルト・プーリ式動力伝達機構が用いられる場合には、それにベルトテンション クラッチ等の簡便なクラッチ手段を付設することで、各部への動力の伝達を選択 的に接断することができるので、原動機の動力を必要に応じて各部に容易に分配 して伝達することができる。
【0005】 しかしながら、このように原動機から走行装置、ポンプ、及び作業機用動力取 出部への動力の伝達をそれぞれベルト・プーリ式動力伝達機構で行うようにした ものでは、次のような不具合が生じる。 すなわち、原動機の出力軸に三つのプーリを取り付ける必要があるため、出 力軸の突出量が大きくなり、しかも、出力軸の径方向に多大な引っ張り力が作用 することになるので、出力軸の撓み、振れや軸受部の偏摩耗、損傷等が発生し易 くなって、原動機に不所望な振動や騒音のみならずトルク変動や出力の低下とい った重大な問題を引き起こすおそれがある。原動機の出力軸に三つのプーリが 取り付けられていると、内側に取り付けられたプーリに掛けまわされたベルトの 交換等を行う際に外側に配された二個のプーリ及び二本のベルトが邪魔になるた め、容易に交換作業を行えない。原動機、ポンプ、及び動力取出部の入出力軸 を互いに平行に配置する必要があり、また、ベルト・プーリ式動力伝達機構だけ では動力伝達経路を簡単に曲げることができないので、各部にレイアウト上の制 約を受けることが多く、設置スペース等の関係で軸間距離及びベルトが比較的長 いものとなって動力伝達効率が低くなり易い。
【0006】 それに対し、ベルト・プーリ式動力伝達機構の基数を減らすべく、例えば走行 装置の変速機に作業機への動力分配装置を組み込むことが考えられるが、そのよ うにするには、変速機の各部を作業機に必要とする比較的大きな動力にも耐えら れる高い剛性をもった高価な部品で構成することが必要となり、コスト的に不利 である。
【0007】 また、前記とは別に、動力取出部への動力の伝達を油圧モータや油圧ポンプ等 を用いて間接的に行うことも考えられるが、油圧モータや油圧ポンプは高価であ るし動力伝達効率も良いとはいえないので得策ではない。 かかる点に鑑み本考案は、原動機の動力を必要に応じて走行装置と流体吐出用 ポンプとに加えて作業機用動力取出部にも分配して伝達できるようにされ、しか も、動力伝達時に原動機に大なる悪影響を与えることがなく、また、ベルト交換 等のメンテナンス作業を容易に行えるとともに、全体を安価に構成することがで き、かつ、各部を合理的に配置できて動力を効率的に分配して伝達し得るように された、多目的作業車両の動力分配伝達装置を提供することを目的とする。
【0008】
前記の目的を達成すべく、本考案に係る多目的作業車両の動力分配伝達装置は 、基本的には、原動機の動力を、第1のベルト・プーリ式動力伝達機構により走 行装置に伝達するとともに、第2のベルト・プーリ式動力伝達機構により中継ギ ヤボックスに伝達し、該中継ギヤボックスから第3のベルト・プーリ式動力伝達 機構により流体圧送用のポンプに伝達するとともに、前記中継ギヤボックスから シャフトドライブ式動力伝達機構によって作業機用の動力取出部に伝達するよう にされていることを特徴としている。
【0009】 そして、より具体的な例としては、原動機と、走行用の変速機と、薬液等の流 体を貯留するタンクと、このタンク内の流体を圧送するためのポンプとが搭載さ れ、前記原動機の出力軸と前記変速機及び前記ポンプの入力軸とがそれぞれ車体 の前後方向に対して横向きに配されるとともに、前記車体の前後方向に沿って作 業機用の動力取出軸部が配されてなる多目的作業車両に配備される動力分配伝達 装置であって、 前記原動機の出力軸から前記変速機の入力軸への動力伝達を行う第1のベルト ・プーリ式動力伝達機構と、前記車体の前後方向に対して横向きに配される第1 の伝達軸及びこの第1の伝達軸に対して直交する方向に向けて配される第2の伝 達軸を有する中継ギヤボックスと、前記原動機の出力軸から前記中継ギヤボック スの第1の伝達軸への動力伝達を行う第2のベルト・プーリ式動力伝達機構と、 前記第1の伝達軸から前記ポンプの入力軸への動力伝達を行う第3のベルト・プ ーリ式動力伝達機構と、前記中継ギヤボックスの第2の伝達軸から前記作業機用 の動力取出軸部への動力伝達を行うシャフトドライブ式動力伝達機構とを具備し たものが挙げられる。
【0010】
前述の如くの構成とされた本考案に係る多目的作業車両の動力分配伝達装置に おいては、原動機の動力が、第1のベルト・プーリ式動力伝達機構を介して走行 装置に伝達されるとともに、第2のベルト・プーリ式動力伝達機構を介して中継 ギヤボックスに伝達され、該中継ギヤボックスから第3のベルト・プーリ式動力 伝達機構を介して流体圧送用のポンプに伝達されるとともに、前記中継ギヤボッ クスからシャフトドライブ式動力伝達機構によって作業機用の動力取出部に伝達 される。
【0011】 この場合、第1乃至第3のベルト・プーリ式動力伝達機構並びにシャフトドラ イブ式動力伝達機構で動力伝達が行われる各動力伝達経路にベルトテンションク ラッチや多板摩擦クラッチ等の適宜のクラッチ手段を付設しておけば、走行装置 、ポンプ、及び動力取出部への動力の伝達を選択的に断接することができ、原動 機の動力を必要に応じて各部に容易に分配して伝達できる。
【0012】 そして、前記構成によれば、原動機の出力軸には第1及び第2のベルト・プー リ式動力伝達機構用の2個のプーリを取り付ければよく、そのため、そこに3個 のプーリを取り付ける場合に比して、出力軸の突出量が少なくて済み、また、出 力軸の径方向に作用する引っ張り力が軽減されることにもなるので、出力軸の撓 み、振れや軸受部の偏摩耗、損傷等が発生し難くなって、原動機への悪影響が低 減され、しかも、原動機の出力軸に固定されるプーリ数が減ったことから、ベル ト交換等のメンテナンス作業を容易に行える。
【0013】 また、原動機とポンプとの間に中継ギヤボックスが配されることにより、ポン プ等のレイアウト上の自由度が高められ、ベルト・プーリ式動力伝達機構のベル ト長を短くすることが可能となることに加えて、原動機から動力取出部に至る動 力伝達経路を中継ギヤボックスで任意方向に曲げることが可能となり、中継ギヤ ボックスから動力取出部への動力の伝達を、動力伝達効率の優れたシャフトドラ イブ式動力伝達機構により直接的に行うことができる。シャフトドライブ式動力 伝達機構は、ベルト・プーリ式動力伝達機構に比して占有スペースが少なくて済 むとともに、それにユニバーサルジョイント等を組み込めば、その動力伝達経路 を任意方向に曲げることができるので、レイアウト上でも有利である。
【0014】 このようにされることにより、全体を安価に構成することができ、かつ、各部 を合理的に配置できて動力を効率的に分配して伝達し得る。
【0015】
以下に添付の図を参照して本考案の実施例を詳細に説明する。 図1は、本考案に係る動力分配伝達装置の一実施例が適用されたクローラ型の 多目的作業車両10を概略的に示している。 図1において、前記多目的作業車両10は、害虫防除等のための薬剤散布作業 に加えて除草や中耕作業等をも行わせ得るようにされたもので、車体フレーム1 2の前部に運転席17を備えたキャビン15が設けられ、その後部側に薬液タン ク14及び薬液散布装置16が設置され、さらに、前記車体フレーム12の下側 に、左右一対の車軸21、起動輪22、転輪23、誘導輪24及びクローラ25 等を備えた走行装置20が配されている。
【0016】 そして、前記運転席17と前記走行装置20との間の前記車体フレーム12上 に、原動機としてのエンジン30、走行用の変速機33、前記薬液タンク14内 の薬液を前記薬液散布装置16を通じて散布させるためのポンプ40、及び作業 機用の動力取出軸部60等が搭載されていて、前記エンジン30の出力軸31と 前記変速機33及びポンプ40の入力軸34,41とはそれぞれ前記車両10の 前後方向に対して横向きに配されるとともに、前記動力取出軸部60は前記車両 10の前後方向に沿って配されており、それらの間に本実施例の動力分配伝達装 置が配備されている。
【0017】 本実施例の動力分配伝達装置は、第1のベルト・プーリ式動力伝達機構51と 、中継ギヤボックス35と、第2のベルト・プーリ式動力伝達機構52と、第3 のベルト・プーリ式動力伝達機構53と、シャフトドライブ式動力伝達機構42 とを備えている。 前記第1のベルト・プーリ式動力伝達機構51は、図2をも参照すればよくわ かるように、前記エンジン30の出力軸31から前記変速機33の入力軸34へ の動力伝達を行うもので、前記出力軸31に取り付けられたプーリ55と、前記 入力軸34に取り付けられたプーリ57と、それらの間に緩く掛けまわされたV ベルト56とからなっている。なお、この第1のベルト・プーリ式動力伝達機構 51を介して前記変速機33に伝達された動力は、該変速機33から操向クラッ チ装置等を介して前記走行装置20に伝達される。
【0018】 前記中継ギヤボックス35は、図3(説明の都合上、中継ギヤボックス35を 車両10の左右方向に90度回わして図示した)に詳細に示される如くに、ボッ クス状のケーシング35aと、このケーシング35aに軸支された第1の伝達軸 36及び第2の伝達軸39と、それらの第1及び第2の伝達軸36,39にそれ ぞれ外嵌固定されて相互に噛合する一対のベベルギヤ37,38とからなってお り、前記第1の伝達軸36は前記車両10の前後方向に対して横向きに、また、 前記第2の伝達軸39は前記第1の伝達軸36に対して直交する方向に向けて、 すなわち、前記車両10の前後方向に沿って配されている。
【0019】 前記第2のベルト・プーリ式動力伝達機構52は、前記エンジン30の出力軸 31から前記中継ギヤボックス35の第1の伝達軸36への動力伝達を行うもの で、前記出力軸31に取り付けられたプーリ58と、前記第1の伝達軸36に取 り付けられたプーリ61と、それらの間に張架されたVベルト59とからなって いる。
【0020】 また、前記第3のベルト・プーリ式動力伝達機構53は、前記中継ギヤボック ス35の第1の伝達軸36から前記ポンプ40の入力軸41への動力伝達を行う もので、前記第1の伝達軸36に取り付けられたプーリ62と、前記入力軸41 に取り付けられたプーリ64と、それらの間に緩く掛けまわされたVベルト63 とからなっている。
【0021】 前記した第1のベルト・プーリ式動力伝達機構51と第3のベルト・プーリ式 動力伝達機構53とには、図1に概略的に示される如くに、既知のベルトテンシ ョンクラッチ46,47が添設されている。このベルトテンションクラッチ46 ,47が図示のように遮断(非作動)状態をとる場合には、前記Vベルト56, 63が弛緩状態であるのでそれによる動力の伝達は行われない。それに対し、運 転席17の近傍に配された図示されていない操作レバー等を操作すると、前記ベ ルトテンションクラッチ46,47が揺動して前記Vベルト56,63側に倒れ 込む接続(作動)状態をとり、そのVベルト56,63が緊張状態にされてそれ による動力の伝達が行われる。
【0022】 一方、前記シャフトドライブ式動力伝達機構42は、前記中継ギヤボックス3 5の第2の伝達軸39から前記作業機用の動力取出軸部60への動力伝達を行う もので、プロペラシャフト45と、このプロペラシャフト45と前記第2の伝達 軸39とを連結するユニバーサルジョイント66と、前記プロペラシャフト45 と前記動力取出軸部60とを連結するユニバーサルジョイント67と、からなっ ており、図1を参照すればよくわかるように、高さ位置の異なる前記第2の伝達 軸39と前記動力取出軸部60とを連結するようになっている。
【0023】 そして、前記プロペラシャフト45に前記ユニバーサルジョイント67を介し て連結された前記動力取出軸部60は、図3に詳細に示される如くに、前記車体 フレーム12に固定されたブラケット71に設けられた軸受部68に全体が回動 可能に軸支されていて、その先端部分が車体フレーム12に形成されたハッチか ら車体前方に突出せしめられており、この突出せしめられた先端部分に図示しな い除草や中耕を行うための作業機の入力部に連結されるソケット状の動力取出( PTO)部70が設けられ、この動力取出部70とそのジャーナル部分との間に カップリング72、多板摩擦クラッチ73及びブレーキ74が介装されている。 なお、前記動力取出軸部60は、ここでは前記多板摩擦クラッチ73やブレーキ 74部分等を含めて市販のものが利用されており、前記運転席17近傍に配され た図示されていない操作レバー等を操作することにより、前記多板摩擦クラッチ 73が選択的に断接し、該多板摩擦クラッチ73が遮断状態にされるとそれに連 動して前記ブレーキ74が作動して前記動力取出部70の回転を停止させる構成 となっている。
【0024】 また、前記動力取出部70の先端部分の外周には、作業機取り付け用のヒッチ フレーム部材80が配されている。このヒッチフレーム部材80は、車両の左右 方向のピン85を枢軸として上下に揺動し得るようにされた左右一対の板状アー ム81に取り付けられている。これらの板状アーム81は下端部分に長孔82が 形成されていて、この長孔82に前記ブラケット71に枢着された油圧シリンダ 75のピストンロッド76の先端に突設されたピン77が挿入されている。従っ て、油圧シリンダ75を作動させることにより、前記アタッチメント部材80に 取り付けられた作業機を俯仰させることができ、作業機の着脱作業や地面の起伏 等に対応できる。
【0025】 このような構成とされた本考案に係る動力分配伝達装置においては、ベルトテ ンションクラッチ46に接続状態をとらせると、エンジン30の動力が第1のベ ルト・プーリ式動力伝達機構51を介して変速機33に伝達され、そこから操向 クラッチ装置等を介して走行装置20に伝達される。それにより、車両10を自 走させることができる。
【0026】 また、エンジン30の動力は、第2のベルト・プーリ式動力伝達機構52を介 して中継ギヤボックス35にも伝達され、ベルトテンションクラッチ47に接続 状態をとらせると、その中継ギヤボックス35から第3のベルト・プーリ式動力 伝達機構53を介してポンプ40に伝達される。それにより、薬液タンク14内 の薬液がポンプ40から散布装置16に圧送され、車両10を走行させながら薬 液散布装置16で薬剤散布作業を行なうことができる。
【0027】 さらに、多板摩擦クラッチ73に接続状態をとらせると、エンジン30の動力 が、第2のベルト・プーリ式動力伝達機構52、中継ギヤボックス35、シャフ トドライブ式動力伝達機構42、及び動力取出軸部60で形成される動力伝達経 路を介して動力取出部70にも伝達される。それにより、ヒッチフレーム部材8 0に取り付けられるロータリカルチベータ等の作業機に除草や中耕等の作業を行 わせることができる。
【0028】 このように本実施例においては、各動力伝達経路に介装されたベルトテンショ ンクラッチ46,47や多板摩擦クラッチ73を選択的に断接することにより、 原動機の動力を必要に応じて各部に容易に分配して伝達できる。 そして、前記構成によれば、エンジン30の出力軸31には第1及び第2のベ ルト・プーリ式動力伝達機構51,52に備えられる2個のプーリ55,58を 取り付ければよく、そのため、そこに3個のプーリを取り付ける場合に比して、 出力軸31の突出量が少なくて済み、また、出力軸31の径方向に作用する引っ 張り力が軽減されることにもなるので、出力軸31の撓み、振れや軸受部の偏摩 耗、損傷等が発生し難くなって、エンジン30への悪影響が低減され、しかも、 エンジン30の出力軸31に固定されるプーリ数が減ったことから、ベルト交換 等のメンテナンス作業を容易に行える。
【0029】 また、エンジン30とポンプ40との間に中継ギヤボックス35が配されるこ とにより、ポンプ40のレイアウト上の自由度が高められて使用するベルトの長 さを短くすることが可能となることに加えて、エンジン30から動力取出部70 に至る動力伝達経路を中継ギヤボックス35で任意方向に曲げることが可能とな り、中継ギヤボックス35から動力取出部74への動力の伝達を、動力伝達効率 の優れたシャフトドライブ式動力伝達機構42により直接的に行うことができる 。シャフトドライブ式動力伝達機構42は、ベルト・プーリ式動力伝達機構に比 して占有スペースが少なくて済むとともに、それにユニバーサルジョイント等を 組み込めば、その動力伝達経路を任意方向に曲げることができるので、レイアウ ト上でも有利である。
【0030】 このようにされることにより、全体を安価に構成することができ、かつ、各部 を合理的に配置できて動力を効率的に分配して伝達し得る。 なお、前述した例では、本考案に係る動力分配伝達装置をクローラ型の多目的 作業車両に配備したものを示したが、本考案はクローラ型だけでなく通常の車輪 型の多目的作業車両にも適用できることは勿論である。
【0031】 また、車両全体の構成、各部のレイアウトや構成等も前述の例のものに限られ ることはなく、例えば、作業機用の動力取出部を車両の後部側に配する等の各種 の変更を施せることは当業者なら明らかであろう。
【0032】
以上の説明から理解されるように、本考案による多目的作業車両の動力分配伝 達装置によれば、原動機の動力を必要に応じて走行系と流体圧送用ポンプとに加 えて作業機用動力取出部にも分配して伝達でき、しかも、動力伝達時に原動機に 大なる悪影響を与えることがなく、また、ベルト交換等のメンテナンス作業を容 易に行えるとともに、全体を安価に構成することができ、かつ、各部を合理的に 配置できて動力を効率的に分配して伝達することが可能となる等の優れた効果が 得られる。
【図1】本考案に係る動力分配伝達装置の一実施例が適
用された多目的作業車両の概略側面図。
用された多目的作業車両の概略側面図。
【図2】図1に示される多目的作業車両の概略平面図。
【図3】実施例の主要部を示す拡大図。
10 多目的作業車両 14 タンク 20 走行装置 30 エンジン 31 出力軸 33 変速機 34 入力軸 35 中継ギヤボックス 36 第1の伝達軸 39 第2の伝達軸 40 ポンプ 41 入力軸 42 シャフトドライブ式動力伝達機構 51 第1のベルト・プーリ式動力伝達機構 52 第2のベルト・プーリ式動力伝達機構 53 第3のベルト・プーリ式動力伝達機構 60 動力取出軸部 70 動力取出部
Claims (2)
- 【請求項1】 原動機30の動力を、第1のベルト・プ
ーリ式動力伝達機構51により走行装置20に伝達する
とともに、第2のベルト・プーリ式動力伝達機構52に
より中継ギヤボックス35に伝達し、該中継ギヤボック
ス35から第3のベルト・プーリ式動力伝達機構53に
より流体圧送用のポンプ40に伝達するとともに、前記
中継ギヤボックス35からシャフトドライブ式動力伝達
機構42によって作業機用の動力取出部70に伝達する
ようにされていることを特徴とする、多目的作業車両の
動力分配伝達装置。 - 【請求項2】 原動機30と、走行用の変速機33と、
薬液等の流体を貯留するタンク14と、このタンク14
内の流体を圧送するためのポンプ40とが搭載され、前
記原動機30の出力軸31と前記変速機33及び前記ポ
ンプ40の入力軸34,41とがそれぞれ車両10の前
後方向に対して横向きに配されるとともに、前記車両1
0の前後方向に沿って作業機用の動力取出軸部60が配
されてなる多目的作業車両に配備され、 前記原動機30の出力軸31から前記変速機33の入力
軸34への動力伝達を行う第1のベルト・プーリ式動力
伝達機構51と、前記車両10の前後方向に対して横向
きに配される第1の伝達軸36及びこの第1の伝達軸3
6に対して直交する方向に向けて配される第2の伝達軸
39を有する中継ギヤボックス35と、前記原動機30
の出力軸31から前記中継ギヤボックス35の第1の伝
達軸36への動力伝達を行う第2のベルト・プーリ式動
力伝達機構52と、前記第1の伝達軸36から前記ポン
プ40の入力軸41への動力伝達を行う第3のベルト・
プーリ式動力伝達機構53と、前記中継ギヤボックス3
5の第2の伝達軸39から前記作業機用の動力取出軸部
60への動力伝達を行うシャフトドライブ式動力伝達機
構42とを具備して構成された多目的作業車両の動力分
配伝達装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992040439U JP2582820Y2 (ja) | 1992-06-12 | 1992-06-12 | 多目的作業車両の動力分配伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06877U true JPH06877U (ja) | 1994-01-11 |
JP2582820Y2 JP2582820Y2 (ja) | 1998-10-15 |
Family
ID=12580678
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992040439U Expired - Fee Related JP2582820Y2 (ja) | 1992-06-12 | 1992-06-12 | 多目的作業車両の動力分配伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2582820Y2 (ja) |
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JPS6391936U (ja) * | 1986-12-08 | 1988-06-14 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07236400A (ja) * | 1994-02-28 | 1995-09-12 | Yanmar Agricult Equip Co Ltd | 自走式果樹用防除機 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2582820Y2 (ja) | 1998-10-15 |
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